JP5164201B2 - 低温用軽量モルタル - Google Patents

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Description

本発明は、例えば住宅外壁などの建築物の外装用やその下塗り用に施工使用するセメント系の軽量モルタルであって、常温はもとより低温環境でも好適に使用できる軽量モルタルに関する。
戸建て住宅の外壁などの建築物の外装施工は、一般にモルタルで下塗りを行い、またモルタル硬化後の表面に、例えば樹脂リシンや掻き落しリシンのような有機系又はセメント系の仕上材を施工する。使用するモルタルは、火災被害を防ぐ上で良好な防火性や断熱性が得られ、また施工時の自重による垂れや剥落等が起こり難く、さらには建築物の荷重負荷を軽減できることから、例えば高分子樹脂や鉱物質原料からなる発泡粒や多孔質粒などの軽量骨材を用いて軽量化を図ったセメント系のモルタルが使用されている。軽量骨材使用のモルタルは、普通骨材や重量骨材使用のモルタルに比べて単位水量が多くなるため、硬化が遅延する傾向がある。この傾向は温度が低くなるに連れ強まるので、施工物が氷点以下の低温に曝される可能性がある場合、防凍剤をモルタルに混和し、セメントの水和熱を高めて凍害を防ぐことが行われている。しかし、市販防凍剤は、主に普通骨材を使用したモルタル・コンクリートに適合するよう調整されているため、単位水量の多い軽量モルタルでは、防凍剤で調整された水和発熱のピークを過ぎても硬化が十分進んでいないことがあった。このような軽量モルタル施工物が冬季夜間などの厳寒環境に曝されると、表面の残水率が高いことから初期凍害を受ける虞がある。一方、硬化速度が速いモルタルとしてアルミナセメントを用いた速硬性のモルタルも知られている。(例えば、特許文献1参照。)当該文献で開示された速硬性のモルタル例は砂を細骨材に使用したもので、単位容積質量が高く、軽量モルタルとは云えず、断熱性や厚付け施工性を備えるものでは無い。しかも、アルミナセメントの使用により凝結速度も早まるので、可使時間が減少し、左官施工作業性に支障を及ぼす。この他にも、左官施工性向上の為に、カオリナイトやモンモリロナイトのような特定の粘土鉱物と高分子増粘剤及びパーライト等の無機物質を含む左官モルタル用混和材も知られている。(例えば、特許文献2参照。)しかし、この種の混和材だけでは低温環境で生じる前記の問題は解決されない。また、アルミナセメントとアルミナセメントクリンカとホルマイト系粘土鉱物を用いたモルタルが、鏝塗り作業性を向上でき、高い耐酸性を有することも知られている。(例えば、特許文献3参照。)このモルタルはアルミナセメントを耐酸成分に活用した耐酸モルタルであり、硬化速度の促進による低温下でのモルタル施工状況改善を行うものではない。
特開平4−132648号公報 特開2006−160589号公報 特開2007−70153号公報
本発明は、例えば建築物等への左官施工時の作業性が良好な軽量モルタルであり、施工後は長期に渡り、強度低下、ひび割れ、浮き、剥離といった現象が起き難く、さらには施工物が厳寒低温に曝されても凍害を被り難く、低温でも良好な施工性と高い耐久性を備えたセメント系の軽量モルタルを提供するものである。
本発明者は、軽量骨材を細骨材に用い、これに微粒普通骨材を加え、さらにアルミナセメント、石膏等、保水剤及び凝結調整剤を加えることにより、長期に渡り、強度低下、ひび割れ、浮き、剥離といった現象が起き難く、さらに施工物が厳寒低温下に曝されても凍害を被り難く、低温環境下での耐久性に優れたセメント系の軽量モルタルが得られる等の知見を得、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(4)で表す低温用軽量モルタルである。(1)軽量細骨材、アルミナセメント、アルミナセメント含有量100質量部に対しアルミナセメント以外のセメント230〜600質量部、石膏、凝結調整剤、保水剤及び最大粒径150μm以下の普通微粒骨材を含有してなり、温度5℃でのフロー値が165〜173mmである低温用軽量モルタル。(2)普通微粒骨材が最大粒径150μm以下の無機系材質からなる普通骨材である前記(1)の低温用軽量モルタル。(3)さらに、含水粘土鉱物を含有してなる前記(1)又は(2)の低温用軽量モルタル。(4)さらに、ポリマーディスパージョン又は再乳化粉末樹脂を含有してなる前記(1)〜(3)何れかの低温用軽量モルタル。
本発明によれば、例えば建築物の外装用などとして氷点以下の厳寒の環境下に曝されるような用途でも十分適用でき、常温は勿論、低温でも優れた施工性と高い耐久性を備えた軽量モルタルが得られる。
本発明の低温用軽量モルタルは、軽量骨材を使用して軽量化したモルタルである。使用する軽量骨材は特に限定されるものではない。好ましくは施工性を高め易いことから嵩比重が1以下の骨材とする。一例を示すと、エチレン酢酸ビニル共重合体と炭酸カルシウムの発泡複合体、発泡ポリスチレン系樹脂、天然又は人工の多孔質無機系骨材、概ね中空状の無機系骨材であるパーライト等を挙げることができる。より好ましくは、左官施工性に優れたモルタル組成物が得られ易いことから、エチレン酢酸ビニル共重合体と炭酸カルシウムの発泡複合体、発泡ポリスチレン系樹脂及びパーライトの3種の混合細骨材とする。この場合の各細骨材の混合割合は、エチレン酢酸ビニル共重合体と炭酸カルシウムの発泡複合体100体積部に対し、発泡ポリスチレン系樹脂76〜142体積部及びパーライト150〜276体積部が望ましい。軽量骨材全体の使用量は、本モルタル中のセメント(アルミナセメントを含む。)含有量100質量部に対し、30〜40質量部が好ましい。30質量部未満では、モルタルの軽量化が困難となる他、鏝塗り等の左官施工性の低下や建築物に必要な耐火・耐熱性を確保し難くなるので適当ではない。また40質量部を超えると強度低下や仕上げ材との付着性低下が起こるので適当ではない。
本発明の低温用軽量モルタルに使用するアルミナセメントは特に限定されず、例えば市販のアルミナセメントなら何れのものでも使用できる。本発明の軽量モルタル中のアルミナセメント含有量は、7〜16質量%が好ましい。より好ましくは9〜14質量%とする。7質量%未満では凍害抵抗性が低下するなど低温での施工が困難になり、また16質量%を超えると長期強度低下やひび割れ発生の虞がある他、施工時の作業時間が確保し難くなることから、適当ではない。
本発明の低温用軽量モルタルに使用する石膏は、好ましくは無水石膏とする。無水石膏以外の石膏を無水石膏と併用することもできる。石膏によりアルミナセメントの水和反応生成物に起因する長時間強度の激減を防止し、持続的に安定した強度発現性が得られる他、収縮変形の抑制にも貢献する。本モルタル中の石膏含有量は、軽量モルタル中のアルミナセメント含有量100質量部に対し、20〜30質量部が好ましい。20質量部未満では長期強度発現性が低下し、大きな収縮変形やひび割れを起こし易くなるので適当ではない。また30質量部を超えると凝結が遅延するので適当ではない。
本発明の低温用軽量モルタルに使用する保水剤は、モルタルやコンクリートに使用できるもので、液状又は水に可溶なものなら何れのものでも良い。好ましくは、保水性能に優れ、施工に適した粘性が得られる易いことからセルロース系の保水剤を使用する。具体的には、例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロース硫酸エステル等の水溶性セルロース誘導体を有効成分とする保水剤を挙げることができる。保水剤の使用によりモルタル施工物の急速な乾燥収縮を防ぐことができる。また、セルロース系保水剤ではその粘性により、鏝施工に適したコンシステンシーが得られ易くなる。保水剤の含有量は、モルタルに含有するセメント(アルミナセメントを含む。)100質量部に対し、0.2〜0.31質量部が好ましい。0.2質量部未満では、適切な保水性を付与できないことがある。また0.31質量部を超えると粘度が上昇し、施工性が低下するので適当ではない。
本発明の低温用軽量モルタルに使用する凝結調整剤は、モルタルやコンクリートに使用できる凝結調整剤であれば特に限定されず、凝結促進作用があるもの、凝結遅延作用があるもの、又はその両者の何れでも良い。好ましくは両者を併用する。前者(凝結促進作用があるもの)としては、好適にはアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩が挙げられる。塩を構成するアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムの何れでも良く、また塩を構成するアルカリ土類金属は、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムの何れでも良い。これらアルカリ金属やアルカリ土類金属の塩は、水溶性の塩であれば特に限定されず、無機塩や有機塩の何れであっても良い。望ましくは製造時の扱い易さやモルタルの硬化性への悪影響を回避する上で、飽和水溶液にしたときの20℃でのpHが概ね9〜12となる塩を使用する。より具体的には、リチウム、カリウム、ナトリウムの各炭酸塩、蟻酸ナトリウム、蟻酸カルシウム等を好適に例示することができる。アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩の含有により、セメント(アルミナセメントを含む。)水和反応のピークが時間的に早い時点に移行するよう調整できるため、施工完了から時間が大きく経過しない間であって、発熱による保温作用が残存している間に、モルタル中の水分が殆ど消費されるため、氷点以下になっても凍害等を被り難くなる。アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩の総含有量は、モルタルに含有するセメント(アルミナセメントを含む。)100質量部に対し、2〜3.5質量部が好ましい。2質量部未満では、配合効果が実質得られず、また3.5質量部を超えると、施工作業時間が短くなり過ぎて作業上の制約になることから適当ではない。アルカリ金属塩とアルカリ土類金属塩を併用しても良く、この場合の両者の配合割合は何等制限されない。
本発明の低温用軽量モルタルに使用する凝結調整剤の後者(凝結遅延作用があるもの)は、セメントの凝結を遅延できるものなら特に限定されない。具体的には、クエン酸、酒石酸、酒石酸カリウムナトリウム、グルコン酸カルシウム等を例示できる。凝結遅延剤は、アルミナセメントやアルカリ金属塩等によって凝結始発時間が早まるのを防ぎ、施工作業可能な時間を確保することに有用である。凝結遅延剤の含有量は、モルタル中のセメント(アルミナセメントを含む。)100質量部に対し、0.12〜0.35質量部が好ましい。0.12質量部未満では、作業上必要とされる可使時間の確保が困難となる。また0.35質量部を超えると凝結が遅延しすぎて凍害を被り易くなるので適当ではない。
本発明の低温用軽量モルタルは、普通微粒骨材を含有する。使用する普通微粒骨材は、モルタルやコンクリートに使用できる微粒の普通骨材であれば特に限定されず、好ましくは最大粒径150μm以下の無機系材質からなる普通骨材、より好ましくは100μm以下の無機系材質からなる普通骨材であれば何れのものでも良い。無機系材質は、水に実質不活性なものであれば特に限定されない。材質の具体例示として、珪石、石灰石、寒水石等の粉砕粒、天然砂の分級物、その他岩石の砕石粉等を挙げることができる。また、微粒以外の粒径が大きい普通骨材では、温度が低下するに連れて鏝塗りに関わる作業性が低下し、また低温下で材料分離を起こすことがあるため好ましくない。普通微粒骨材の使用で、材料分離の抑制、塗り施工性の向上及び施工物の緻密化等を促進することができる。普通微粒骨材の使用量は、モルタル中のセメント(アルミナセメントを含む)100質量部に対し、50〜70質量部が好ましい。50質量部未満では所望の作用が実質得られず、また70質量部を超えるとモルタル容重が上がり過ぎて軽量化できないことがあるので適当ではない。
本発明の低温用軽量モルタルは、アルミナセメント以外のセメントも含有することが好ましい。含有できるセメントは特に制限されないが、例えば、普通、早強、超早強、中庸等、低熱等の各種ポルトランドセメント、高炉セメントやフライアッシュセメントのような各種混合セメント、白色セメントやエコセメントのような特殊セメントを挙げることができる。アルミナセメント以外のセメントも含むことによって、これが結合相形成に貢献し、アルミナセメントが担う結合相形成作用を軽減できるので、アルミナセメントの使用量を抑制できる。アルミナセメント以外のセメントの含有量はアルミナセメント100質量部に対し、230〜600質量部が好ましい。この場合、本モルタル中でのアルミナセメントとアルミナセメント以外のセメントの合計含有量が45〜50質量%となることがより好ましい。アルミナセメント以外のセメント含有量が33質量%未満では前記の効果が得られず、また42質量%を超えると低温での施工使用に支障が生じることがあるので適当ではない。軽量モルタル中でのアルミナセメントとアルミナセメント以外のセメントの合計含有量が45質量%未満では結合成分含有量が低くなり過ぎて強度が低下するので適当ではない。また50質量%を超えると、結合成分含有量が高くなり過ぎて塗り施工作業性が低下する他、収縮が大きくなり易く、ひび割れが発生することがあるので適当ではない。
本発明の低温用軽量モルタルは含水粘土鉱物を含有するのが好ましい。含水粘土鉱物は、一般に粘土中に微粒の鉱物として含まれるもので、カオリン鉱物、雲母粘土鉱物及びスメクタイトの三種類の何れか一種に属する鉱物又は何れか二種以上の層状含水珪酸塩鉱物からなる混合層鉱物であれば良い。好ましくは、吸水・膨潤作用があり、鏝作業性向上作用もあるカオリン鉱物やスメクタイトが良く、より具体的には、カオリナイト、ハロイサイト、デッカイト、ベントナイト、ドロマイト等を例示できる。層状粘土鉱物の含有量は、軽量モルタル中のセメント(後述のアルミナセメントを含む。)100質量部に対し、0.08〜0.14質量部が好ましい。0.08質量部未満では配合効果が実質得られない。また0.14質量部を超えると施工性の低下やひび割れ、浮き、剥離といった現象が起き易くなるので適当ではない。
また、本発明の低温用軽量モルタルは、ポリマーディスパージョン又は再乳化粉末樹脂を含むものが好ましい。ポリマーディスパージョン又は再乳化粉末樹脂は、モルタルやコンクリートに使用できるものなら特に限定されない。具体的には、ポリマーディスパージョンとして例えばJIS A 6203に規定されているポリアクリル酸エステル、スチレンブタジエン又はエチレン酢酸ビニルを有効成分とするものが挙げられ、再乳化粉末樹脂として例えばJIS A 6203に規定されているポリアクリル酸エステル、スチレンブタジエン、エチレン酢酸ビニル、酢酸ビニル/バーサチック酸ビニルエステル、酢酸ビニル/バーサチック酸ビニル/アクリル酸エステルを有効成分とするものを挙げることができる。ポリマーディスパージョン又は再乳化粉末樹脂の含有により付着力、曲げ強度、吸水性、ひび割れ抵抗、耐食性等を付与又は向上することができる。このために必要なポリマーディスパージョン又は再乳化粉末樹脂の含有量は、モルタル中のセメント100質量部に対し、固形分換算で0.15〜1.8質量部が好ましい。0.15質量部未満では配合効果が殆ど得らない。また1.8質量部を超えると強度が向上せず、粘性も増大し、施工性が低下するので適当ではない。
また、本発明の低温用軽量モルタルには、本発明の効果を実質喪失させない限り、前記以外の成分を含むものでも良く、このような成分として、例えば、減水剤(高性能減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤、分散剤と称されるものを含む。)、収縮低減剤、消泡剤、膨張材、繊維、撥水剤、白華防止剤、抗菌剤、浄化剤、顔料等を挙げることができるが、ここに表したものに限定されるものではない。
また、本発明の低温用軽量モルタルは、低温下での耐久性に優れ、例えば従前の建築用軽量モルタルでは凍害を被る可能性があった概ね零度以下の環境に曝されても何等問題がなく、また防凍剤の類も特に混和させる必要はない。本発明の低温用軽量モルタルは、例えば5℃程度の氷点近い温度でも十分施工可能であり、低温での耐久性に優れる軽量モルタルであるが、例えば常温付近や約30℃以上という比較的高い温度であっても施工性や耐久性に支障を生じることなく使用できる。
また、本発明の低温用軽量モルタルの製造方法は特に限定されず、例えば一般的なセメント系のモルタルと概ね同様の方法で製造できる。具体的な一例を示すと、市販のモルタルミキサーに前記のような各使用材料を一括投入し、水を加えて混合する。水の量は特に制限されないが、良好な施工性と高い強度発現性を安定して得るには、本発明のモルタル100質量部に対し、概ね40〜45質量部加えることが推奨される。40質量部未満では、施工可能な可使時間が十分確保できないため適当ではない。また45質量部を超える量では強度低下に加え、施工完了からの強度発現が遅延する傾向が強く、また厚付け性も低下するので適当ではない。
また、本発明の低温用軽量モルタルの施工方法は特に限定されるものではないが、鏝やパテ等を使用した塗り付けによる左官施工が好適である。また、建築駆体に吹き付けて施工することも可能である。
以下、実施例により本発明を具体的に詳しく説明するが、本発明はここで表す実施例に限定されるものではない。
[モルタルの作製] 次に表すA1〜G2から選定される材料と水を、表1に表した配合量となるよう容量100リットルのパン型ミキサに投入し、温度約5℃湿度70%の環境下で約5分間混練し、モルタル(本発明品1〜12、参考品21〜29)を作製した。
A1;エチレン酢酸ビニル共重合体と発泡状炭酸カルシウムの複合体の細骨材I(最大粒径2mm、平均粒径0.8mm、嵩比重0.11)
A2;エチレン酢酸ビニル共重合体と発泡状炭酸カルシウムの複合体の細骨材II(最大粒径1mm、平均粒径0.6mm、嵩比重0.12)
A3;発泡スチロール(最大粒径2mm、平均粒径0.8mm、嵩比重0.023)
A4;パーライトI(黒曜石発泡体;最大粒径2mm、平均粒径0.8mm、嵩比重0.24)
A5;パーライトII(真珠岩発泡体;最大粒径1.2mm、平均粒径0.6mm、嵩比重0.2)
B1;アルミナセメント(太平洋マテリアル株式会社製)
B2;普通ポルトランドセメント(太平洋セメント株式会社製)
B3;早強ポルトランドセメント(太平洋セメント株式会社製)
C;II型無水石膏(ブレーン比表面積7000cm2/g)
D1;普通微粒骨材(JIS8号砂相当山形珪砂;最大粒径90μm、嵩比重1.3)
D2;普通細骨材(JIS5号砂相当山形珪砂;最大粒径1.2mm、嵩比重1.4)
E1;保水剤(商品名「チローゼMH6002P4」、SEタイロース社製)
E2;炭酸リチウム(市販試薬)
E3;酒石酸カリウムナトリウム(市販試薬)
E4;蟻酸カルシウム(市販試薬)
F1;ベントナイト(粒径90μm以下の粒子含有率70質量%以上、嵩比重0.95)
F2;ナフタレンスルホン酸系減水剤(花王株式会社製)
F3;ビニロン繊維(市販品、繊維長約6mm)
F4;フライアッシュ(JIS A 6201規定のフライアッシュII種相当品)
G1;再乳化粉末樹脂(商品名「LL5055」、旭化成ケミカルズ株式会社製)
G2;ポリマーディスパージョン(商品名「太平洋エフェクト」、太平洋マテリアル株式会社製)
Figure 0005164201
[コンシステンシーの評価] 作製したモルタルについて、JIS R 5201に準拠した方法で、温度5℃、湿度約70%の屋内で練り上がった直後のモルタルフロー値を測定し、左官施工に適ったコンシステンシーが得られているかの評価指標とした。尚、コンシステンシーは一般に、フロー値が概ね165〜175mmであれば左官施工に適うとされているため、本発明ではこれを判断基準とした。その結果を表2に表す。
Figure 0005164201
[鏝塗り施工性(左官施工性)の評価] 作製したモルタルについて、温度約5℃、湿度約70%の屋内に、戸建住宅の外壁下地を模擬し、900×1800×12mmの合板2枚を40×50×2000mmの角材3で繋げて固定し、継ぎ目のある1800×1800mmの平板に防水シート、メタルラスをステープルで留め、施工性の確認を行うために下地とした。この1800×1800mmの平板面に対する鏝塗りによる温度5℃での施工性を次の(a)〜(d)の4種の方法で評価した。(a)〜(d)の何れか一の方法による評価でも「不良」と判定されれば、5℃での鏝塗り施工に不適なモルタルと評価した。この評価結果も表2に表す。
(a)鏝伸び性;設置した平板面に、市販の金鏝で作製したフレッシュ状態のモルタルを塗り付け、塗り斑なくモルタルを広く伸ばし、1800×1800mmの平板面全部に20分以内で塗り付けできたものを鏝伸び性「良好」と判定した。また、これ以外の状況となったものは鏝伸び性「不良」と判定した。
(b)鏝切れ性;塗付け後の金鏝に付着残存するモルタルが実質見られなかったものを鏝切れ性「良好」と判定し、モルタルが付着残存していたものを鏝切れ性「不良」と判定した。
(c)施工物の表面平滑性;金鏝でモルタルを塗り付け、塗り付けたモルタルに数回金鏝を当てて表面を整えることで、概ね平滑な面が得られたものを、施工物の表面平滑性「良好」と判定した。これ以外の状況になったものや金鏝での塗り付け自体が困難であったモルタルは、施工物の表面平滑性「不良」と判定した。
(d)厚付け性;設置した平板面に、作製したフレッシュ状態のモルタルを約10mm程度の厚さとなるよう鏝で塗付けた。24時間経過後に塗付けられたモルタルの垂れが見られなかったものを、厚付け施工性「良好」と判定し、これ以外の状況になったモルタルは全て厚付け施工性「不良」と判定した。
[ひび割れ抵抗性の評価] 前記試験で、平板に塗り付けたモルタルをそのままの状態で温度約5℃、湿度70%の環境下に7日間静置させた。静置後、平板上の施工物の表面を目視で観察し、ひび割れ発生の有無を確認した。ひび割れ発生が全く見られなかったものをひび割れ抵抗性「良好」と判断し、ひび割れ発生が少しでも見られたものをひび割れ抵抗性「不良」と判断した。また同様に、この評価を温度約20℃、湿度60%の環境下に7日間静置させたモルタルに対しても行った。この評価結果も表2に表す。
[強度の評価] 作製したモルタルから、JASS 15M−102に準拠した方法で、4×4×16cmの供試体を24時間湿空養生(温度5℃、湿度80%)を行って作製した。材齢1日及び温度約5℃、湿度70%の環境下に放置した材齢28日の供試体に対し、JIS R 5201に準拠した方法によって圧縮強度を測定した。また、同様に、作製したモルタルから、JASS 15M−102に準拠した方法で、4×4×16cmの供試体を24時間湿空養生(温度20℃、湿度60%)を行って作製した。材齢1日及び温度約20℃、湿度60%の環境下に放置した材齢28日の供試体に対しても、JIS R 5201に準拠した方法によって圧縮強度を測定した。この5℃及び20℃で作製したモルタル供試体の圧縮強度評価結果も表2に表す。
表2の結果より、本発明品は低温でも塗り施工に適したコンシステンシーを有すると共に鏝塗り施工性も全般に良好であり、また硬化後も常温は勿論低温でもひび割れも見られず、長期間に渡り耐久性が高い軽量モルタルが得られたことがわかる。これに対し、本発明外の参考品では塗り施工性が不良であるか、良好であっても低温時の強度発現性が本発明品よりも低くなり、低温に曝される施工物としては耐久性に欠けるものであることがわかる。

Claims (4)

  1. 軽量細骨材、アルミナセメント、アルミナセメント含有量100質量部に対しアルミナセメント以外のセメント230〜600質量部、石膏、凝結調整剤、保水剤及び最大粒径150μm以下の普通微粒骨材を含有してなり、温度5℃でのフロー値が165〜173mmである低温用軽量モルタル。
  2. 普通微粒骨材が最大粒径150μm以下の無機系材質からなる普通骨材である請求項1記載の低温用軽量モルタル。
  3. さらに、含水粘土鉱物を含有してなる請求項1又は2記載の低温用軽量モルタル。
  4. さらに、ポリマーディスパージョン又は再乳化粉末樹脂を含有してなる請求項1〜3何れか記載の低温用軽量モルタル。
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