JP2003082834A - 乾式外装下地の化粧仕上げ工法 - Google Patents

乾式外装下地の化粧仕上げ工法

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JP2003082834A
JP2003082834A JP2001267363A JP2001267363A JP2003082834A JP 2003082834 A JP2003082834 A JP 2003082834A JP 2001267363 A JP2001267363 A JP 2001267363A JP 2001267363 A JP2001267363 A JP 2001267363A JP 2003082834 A JP2003082834 A JP 2003082834A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば窯業系サイディング下地等の新規又は
既設の乾式外装下地に様々な素材感を有する化粧性を付
与することができる乾式外装下地の化粧仕上げ工法を提
供する。 【解決手段】 乾式外装下地に、イソシアネート基を
0.5〜10重量%及び加水分解性シラン基を(珪素原子
を基準として)0.4〜7.5重量%含有して分子量が3
000〜50000であるポリマーを主成分とする一液
硬化型樹脂組成物、及び/又は150Mpa・s以下の粘性
を持つ水系樹脂組成物、及び/又は透湿性ポリマーセメ
ントペースト、及び/又はガラス転移点が−20℃〜0
℃の合成樹脂エマルジョンを含むポリマーセメントペー
ストを塗着した後、必要に応じて合成樹脂を混入した軽
量モルタル、又は合成樹脂を混入したモルタル組成物を
塗着し、質量が40〜250g/m2で、引張強度が10
0kgf/mm2以上の網材を乾式外壁材のジョイント部及び
/又はモルタルの表面又は内部に埋設し、仕上げ施工す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば窯業系サイ
ディング下地等の新規又は既設の乾式外装下地に様々な
素材感を有する化粧性を付与することができる乾式外装
下地の化粧仕上げ工法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、乾式施工にて使用される窯業
系サイディングボード等は、湿式系にて用いられるモル
タル組成物やモルタル組成物を用いた工法において均一
な品質が確保されていなかったため外装下地及び外装仕
上げ材が各種の耐久特性を有しない過去においては広く
使用されていた。そのため、既設の住宅等の各種建築物
には膨大量の窯業系サイディングボードが用いられてい
る。しかし、近年、素材感を有する仕上げが要求されて
おり、優れた耐久特性を有するモルタル組成物やモルタ
ル組成物を用いた工法で仕上げ材が湿式施工にてそれら
の要求に適用され、好適に対応している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、新規の
外装壁施工において窯業系サイディング等の乾式下地に
モルタル組成物や仕上げ材を塗着する場合、或いは既設
外装壁の補修又は改修において窯業系サイディングボー
ド等の乾式下地にモルタル組成物や仕上げ材を塗着する
場合、温度変化や乾湿等による伸縮(乾式下地との伸縮
性の相違)や地震等の外力によって、乾式下地との界面
にて剥離が生じたり、亀裂(割れ)が発生し易かった。
特に既設外装壁の補修又は改修に際しては、既設のサイ
ディングボードが風雨等により劣化して、表層面が脆く
なっていたり、表層面に微細なクラックが発生していた
りするため、モルタル組成物や仕上げ材と乾式下地との
界面部分にて剥離が生じ易かった。そこで、新規の外装
壁施工については勿論、既設の外装壁の補修又は改修に
も適用でき、様々な素材感を有する化粧性を付与するこ
とができる仕上げ工法を提案することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記に鑑み提案
されたもので、乾式外装下地に、イソシアネート基を
0.5〜10重量%及び加水分解性シラン基を(珪素原
子を基準として)0.4〜7.5重量%含有して分子量が
3000〜50000であるポリマーを主成分とする一
液硬化型樹脂組成物、及び/又は150Mpa・s以下の粘
性を持つ水系樹脂組成物、及び/又は透湿性ポリマーセ
メントペースト、及び/又はガラス転移点(Tg)が−
20℃〜0℃の合成樹脂エマルジョンを含むポリマーセ
メントペーストを塗着した後、必要に応じて合成樹脂を
混入した軽量モルタル、又は合成樹脂を混入したモルタ
ル組成物を塗着し、質量が40〜250g/m2で、引張
強度が100kgf/mm2以上の網材を乾式外壁材のジョイ
ント部及び/又はモルタルの表面又は内部に埋設し、仕
上げ施工することを特徴とする乾式外装下地の化粧仕上
げ工法に関するものである。
【0005】上記の合成樹脂を混入した軽量モルタルと
しては、セメント20〜60wt%、無機質混和材20〜
60wt%、有機質混和材2〜10wt%で、練り上り時の
単位容積質量が1.0〜1.5であるものを用いることが
望ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の仕上げ工法では、まず下
地処理工程として、スレート板や窯業系サイディングボ
ード等の乾式外装下地に、A.イソシアネート基を0.
5〜10重量%及び加水分解性シラン基を(珪素原子を
基準として)0.4〜7.5重量%含有して分子量が30
00〜50000であるポリマーを主成分とする一液硬
化型樹脂組成物、B.150Mpa・s以下の粘性を持つ水
系樹脂組成物、C.透湿性ポリマーセメントペースト、
D.ガラス転移点が−20℃〜0℃の合成樹脂エマルジ
ョンを含むポリマーセメントペーストの何れか一種、又
はA〜Dを適宜に組み合わせて塗着する。尚、上記C及
びDのポリマーセメントペーストは、後述する下地作り
工程に用いられる軽量モルタル又はモルタル組成物を兼
ねるものであっても良い。その場合、下地処理工程と下
地作り工程とが同時に行われるものとなる。
【0007】下地処理工程に用いられる前記Aの一液硬
化型樹脂組成物は、合成物に各種添加剤を加えたもので
も良いし、例えば『ビニロールOLX−5766』(昭
和高分子株式会社製)等のような市販品を使用しても良
い。この一液硬化型樹脂組成物は、分子量が低いので、
一般に固形分10〜20%で粘度10〜30cpsという
ような低粘度の液体であり、各種乾式下地の微細な空隙
への浸透性が優れている。そのため、例えば乾式下地の
表層面が脆くなっていたり微細なクラックが発生してい
てもその表面の微細な空隙に深く浸透して極めて高い接
着性を示す。さらに、上記一液硬化型樹脂組成物は、従
来のプライマーと比べて数倍の高い透湿性を有する層を
形成する。したがって、この一液硬化型樹脂組成物は、
乾式下地に対して極めて高い接着性を有し、新規な乾式
外装下地は元より既設の老化した乾式外装下地に対して
も優れた密着性を有し、改修、補強効果にも優れ、さら
に高い透湿性を有するため、結露水等が界面に溜まるこ
ともない。
【0008】また、下地処理工程に用いられる前記Bの
水系樹脂組成物は、150Mpa・s以下の低粘度であるた
め、下地に対して高い浸透性を有しており、前記Aの一
液硬化型樹脂組成物と同様の優れたプライマー効果を発
揮する。このような水系樹脂組成物としては、各種のア
クリル系樹脂エマルジョンを使用できるが、それ以外に
も塩素化ポリエチレン系、アクリル系ディスパージョ
ン、エチレン・酢酸ビニル共重合系エマルジョン、エチ
レン,酢酸ビニル,スチレン系,アクリル酸エステル系
からなる多元系合成樹脂エマルジョン、SBRラテック
ス、エポキシ樹脂エマルジョン等を使用することもでき
る。例えば『ポリゾールAP−1350』(昭和高分子
株式会社製アクリル系エマルジョン)のような市販品を
使用しても良い。
【0009】また、下地処理工程に用いられる前記Cの
透湿性ポリマーセメントペーストは、アクリル系樹脂エ
マルジョン、エチレン・酢酸ビニル共重合系エマルジョ
ン、エチレン,酢酸ビニル,スチレン系,アクリル酸エ
ステル系からなる多元系合成樹脂エマルジョン、SBR
ラテックス、エポキシ樹脂エマルジョン等をセメントペ
ーストに混合して透湿性を高めたものであり、さらには
曲げ強度や乾式外装下地に対する付着強度に優れ、クラ
ック等を生ずることがない。例えば『ARICE高透湿
性接着用ペースト』(富士川建材工業株式会社製SBR
系高透湿性接着用ペースト)のような市販品を使用して
も良い。
【0010】また、下地処理工程に用いられる前記Dの
Tgが−20℃〜0℃の合成樹脂エマルジョンを含むポ
リマーセメントペーストは、例えばブチルアクリレート
や2−エチルヘキシルアクリレート等をベースモノマー
として用いたアクリル系樹脂や変性アクリル樹脂等をセ
メントペーストに混合して粘弾性を高めたものであり、
さらには曲げ強度や乾式外装下地に対する付着強度に優
れ、クラック等を生ずることがない。
【0011】下地処理工程においては、前記A〜Dの何
れかひとつのみを用いても良いが、適宜に組み合わせて
併用しても良い。例えばプライマーとして前記Aの一液
硬化型樹脂組成物や前記Bの水系樹脂組成物を塗着させ
た後、セメントペーストとして前記Cの透湿性ポリマー
セメントペーストや前記Dのポリマーセメントペースト
を塗布すると、乾式外装下地に対する高い接着強度を得
ることができ、しかもさらにその上に塗着する合成樹脂
を混入した軽量モルタル、又は合成樹脂を混入したモル
タル組成物との接着性をも向上させることができる。
【0012】本発明の仕上げ工法では、次に下地作り工
程として、合成樹脂を混入した軽量モルタル、又は合成
樹脂を混入したモルタル組成物を塗着し、網材を乾式外
壁材のジョイント部及び/又はモルタルの表層又は内部
に埋設する。尚、前述のように下地処理工程として、前
記C又は前記Dのポリマーセメントペーストを用いる場
合には、軽量モルタル又はモルタル組成物を兼ねるもの
であっても良く、その場合、下地処理工程と下地作り工
程とが同時に行われるものとなる。
【0013】下地作り工程に用いられる合成樹脂を混入
した軽量モルタルとしては、特にその原材料及び組成に
ついて限定するものではないが、セメント20〜60wt
%、無機質混和材20〜60wt%、有機質混和材2〜1
0wt%を含有し、練り上り時の単位容積質量が1.0〜
1.5である軽量セメントモルタルを使用することが望
ましい。尚、上記無機質混和材としては、ドロマイトプ
ラスター、フライアッシュ、高炉スラグ粉末、パーライ
ト、珪砂等の1種以上を使用することができ、上記有機
質混和材としては、EVA-炭酸カルシウム発泡骨材、
スチレン発泡骨材、増粘剤、ビニロン繊維、アクリル繊
維等の1種以上を使用することができる。前記範囲の軽
量セメントモルタルは、外壁を施工した場合にモルタル
の乾燥収縮が小さく、ゴム弾性等を有し、ひび割れが発
生しにくく、耐久性能を確保でき、また防火性能、防火
構造・準耐火構造の確保ができるという利点がある。
【0014】また、下地作り工程に用いられる合成樹脂
を混入した軽量セメントモルタル又は合成樹脂を混入し
たモルタル組成物は、アクリル系樹脂エマルジョン、エ
チレン-酢酸ビニル共重合系エマルジョン、エチレン-酢
酸ビニル-スチレン系,アクリル酸エステル系からなる
多元系合成樹脂エマルジョン、SBRラテックス、エポ
キシ樹脂エマルジョン等をモルタル組成物中に混合して
透湿性を高めたものである。
【0015】乾式外装材のジョイント部及び/又は前記
軽量モルタル又はモルタル組成物の表面又は内部に埋設
する網材としては、その材質や目付は限定しないが、質
量40〜250g/m2のもので、引張強度が100kgf/
mm2以上の網材を使用する。この網材を乾式外壁材のジ
ョイント部に跨るように及び/又はモルタルの表面又は
内部に埋設することにより、外壁を施工した場合にひび
割れの発生がなく、またその表面に塗着する仕上げ材も
含めて耐久性の向上及び美観上の点で優れたものとな
る。
【0016】したがって、本発明の乾式外装下地の化粧
仕上げ工法は、従来から多様されている種々の乾式外装
下地金属系、窯業系、合成樹脂系等の新旧下地に容易に
質感のある湿式外装仕上げを施し、化粧仕上げを行う事
ができる画期的なモルタル及び工法である。即ち従来で
は、乾式工法で施工したサイデイングボードが各種の外
的要因により劣化し、その表面の塗装が当初の意匠性、
化粧性を損なったり、雨水等の浸入により内部断熱材等
が機能を消失した状態になった場合、全て取り外し新し
くしなければならなかった。これに対し、本発明は、劣
化した外装面に前述のA〜Dの各種プライマーやポリマ
ーセメントペースト、或いはそれら適宜に組み合わせて
塗着する下地処理工程、前述のC,Dのポリマーセメン
トペースト又は軽量モルタル又はモルタル組成物を塗着
すると共に前述の網材を乾式外壁材のジョイント部及び
/又はモルタルの表層又は内部に埋設する下地作り工
程、さらにその表面に施す仕上げ工程を行うことによ
り、全く新しい種々の化粧性を有する外観の外壁を施工
することができる。そして、下地処理工程では、旧劣化
塗膜に対する付着強度を確保することができ、下地作り
工程ではクラック等を生ずることがない靱性の高い下地
を作成でき、種々の化粧仕上げを行う。尚、旧既存サイ
デイングボードに対しての施工を例にして説明したが、
前述のように新規なサイデイングボード、新規外装パネ
ルに対しても行う事ができる。
【0017】
【実施例】次に、本発明の乾式外装下地の化粧仕上げ工
法の実施例について説明する。
【0018】プライマーとして、前記Aの一液硬化型樹
脂組成物1種、前記Bの水系樹脂組成物4種を用い、乾
式外装下地に対する密着性、耐水性、耐久性について試
験を行い、表1の結果を得た。各試験の方法について
は、常態密着性試験は、塗装面に2mm間隔の碁盤目(2
5マス)の切れ目を入れた後セロテープ(R)(ニチバ
ン(株)製)を貼り付け、1時間後にセロテープ(R)を
めくり、密着性を評価した。耐水性については、試験片
を1週間水に浸漬し、表面状態の観察、及び密着性試験
をおこなった。耐凍害性については、塗装板の側面をシ
ーリングし、−20℃×2時間気中凍結、20℃×1時
間水中融解を1サイクルとしたサイクル試験を60サイ
クル行い、表面状態の観察及び密着性試験を行った。耐
温冷繰り返し性については、試験体を20℃×18時間
水中浸漬、−20℃×3時間気中凍結、50℃×3時間
気中融解を1サイクルとしたサイクル試験を10サイク
ル行い、表面状態の観察及び密着性試験を行った。評価
方法については◎、○、△、×とし、◎は優良、○は
良、△は可、×は不可とした。尚、乾式外装下地につい
ては、新設の乾式外壁材を想定した表面状態の良好なも
の、劣化した既設の乾式外壁材を想定した表面状態の脆
弱なもの、表面に劣化した塗膜が存在するものの3種に
て行った。
【表1】
【0019】ポリマーセメントペーストとして、前記C
の透湿性ポリマーセメントペースト1種、前記Dのポリ
マーセメントペースト3種を用い、曲げ強度及び付着強
度を測定し、評価し、配合と共に表2に示した。尚、樹
脂を配合しないセメントペースト2種を比較例1,2と
して同様に試験、評価し、併せて表2に示した。曲げ強
度や付着強度の測定方法については、曲げ強度試験は、
JASS 15 M-102既調合セメントモルタルの品質規準に準
じて行なった。付着強度試験は、JIS A 6916 セメント
系下地調整塗材の試験方法に準じて行なった。尚、プラ
イマーとポリマーセメントペーストに対する付着強度も
表2に併せて示した。評価方法については◎、○、△、
×とし、◎は優良、○は良、△は可、×は不可とした。
【表2】
【0020】次に、表2に示す配合組成のポリマーセメ
ントペースト(C−1)を用い、新及び旧サイデイング
ボード仕上げ材に使用される樹脂系仕上げ塗膜2種との
付着力を、標準状態と耐久性試験後についてそれぞれ測
定し、表4に示した。
【表3】
【表4】
【0021】網材の補強効果を調べるため、配合例3の
軽量モルタルを用い、網材5種を、埋設して試験体を作
製し、その強度を測定し、表5に示した。 (試験体の作製及び養生)試験体(n=3)は、配合例
3の軽量モルタルを混練り後、合板型枠300mm×75
mm×厚さ20mmの大きさに打設し、その後、その表面に
各網材(繊維ネット)を置き、軽くコテで押え、湿空養
生室(温度20℃±2℃、湿度80%以上)に48時間
静置し、その後脱型し、材令14日まで恒温恒湿室(温
度20℃±2℃、湿度65±10%)中で養生したもの
を試験体とした。 (試験方法)そして、得られた試験体を図1に示すよう
に、オートグラフ(島津AG-5000C)にセット
し、クロスヘッド速度0.5mm/minで1点曲げ荷重を加
え、最大荷重、ひび割れ発生時の荷重及び試験開始から
試験終了時(フルスケールの0.5%荷重まで)までの
エネルギー値を求めた。尚、ガラス繊維ネット等の補強
のないものを比較例として評価した。 (試験結果)
【表5】
【0022】(ジョイント部への補強効果確認)さら
に、ジョイント部への補強効果を調べるため次のような
試験をした。試験基板の作製方法;モルタル基板の作製
は100mm×600mm×厚さ30mmの合板型枠にセメン
ト520部、標準砂1040部、水338部の割合で調
合したモルタルを練り混ぜた後打設し、試験室中で24
時間湿空養生後に脱型した。その後6日水中養生したも
のを試験基板とした。基板作製にあたり、フロー値の測
定及び曲げ強度用供試体(40mm×40mm×160mm
n=3)を作製し、養生後、4週強度を測定した。 (試験体の作製及び養生)試験体は、モルタル基板(試
験基板)養生終了後オートグラフ(島津AG-5000
C)にセットし、長手方向の中心部に載荷して2分割
し、その破断部を付き合わせて型枠面側の上に、『AR
ICE透湿性接着用ペースト』、『ARICE透湿性S
BR系特殊モルタル』(共に富士川建材工業(株)製)、
グラスファイバーネット:TD5×5日本電気硝子(株)
製)を施工し、恒温恒湿室(温度20℃±2℃、湿度6
5±10%)中で7日間養生し、試験体とした。 (試験方法)試験方法は、養生の終了した試験体(試験
基板を打設した日から14日経過)を、図2に示す要領
で、オートグラフ(島津AG-5000C)にセット
し、クロスヘッド速度1mm/minで中心載荷した。最大
荷重になるまで載荷を継続し、その時点の最大荷重、変
位、破断状況を調べた。この結果を表6に示した。ま
た、表7に使用した網材(繊維ネット)の特性を示し
た。 (試験結果)
【表6】
【表7】
【0023】表1及び表2より明らかなように、本発明
に用いるプライマー、ポリマーセメントペーストは何れ
も優れた性能を有し、下地処理効果が得られた。特にA
−1及びB−1の各プライマーは表面状態が脆弱な乾式
外壁材に対しても優れた補強効果が確認された。これに
対し、比較例1,2のセメントペーストは、平均的な性
能を示すものの付着力が劣るものであり、改修下地には
不向きであった。また、表4より明らかなように透湿性
ポリマーセメントペーストと新及び旧サイデイングボー
ド仕上げ材に使用される樹脂系仕上げ塗膜との付着力は
高く、仕上げ塗膜の剥離等を生じないことが確認され
た。さらに、表5より明らかなように軽量セメント下地
に対する網材の著しい補強効果も確認された。
【0024】〔施工実験〕乾式外装下地に対する化粧仕
上げ工法施工実験を実際の現場にて下記の項目において
実験した。
【0025】1.乾式外装下地;新サイデイングボード 塗材;SBR系セメントペースト+無機系仕上げ 千葉県茂原市新築戸建て住宅180m2にて施工試験を行
った。新サイデイングボードにSBR系セメントペース
ト(『ARICE高透湿性接着用ペースト』富士川建材
工業(株)製)を塗布し、ジョイント部に網材(グラスフ
ァイバーネット;TD5×5質量130g/m2,日本電
気硝子(株)製)を伏せ込み、養生後、無機系仕上げ
(『レーヴ』外装用,富士川建材工業(株)製)を行っ
た。1年6ヶ月経過したがクラックや剥離等の欠陥はみ
られなかった。
【0026】2.乾式外装下地;新サイデイングボード 塗材;アクリル系セメントペースト+樹脂系仕上げ 埼玉県旧大宮市新築戸建て住宅175m2にて施工試験を
行った。新サイデイングボードにアクリル系セメントペ
ースト(『ヨドゾールAF943』日本エヌエスシー
(株)製の原液26.5%を前記表2のD−1のポリマー
セメントペースト混入)を塗布し、ジョイント部に網材
(グラスファイバーネット;TD5×5質量130g/m
2,日本電気硝子(株)製)を伏せ込み、養生後、樹脂系
厚塗り仕上げ(『ジョリパット300』アイカ工業(株)
製)を行った。1年10ヶ月経過したがクラックや剥離
等の欠陥はみられなかった。
【0027】3.乾式外装下地;旧サイデイングボード 塗材;アクリル系プライマー+SBR系セメントペース
ト+無機系仕上げ 神奈川県横浜市にて外壁改装戸建て住宅150m2にて施
工試験を行った。旧サイデイングボード下地の高圧洗浄
を行い、乾燥後アクリル系プライマー(『ポリゾールA
P−1350』昭和高分子(株)製)を塗布し、SBR系
セメントペースト(『ARICE高透湿性接着用ペース
ト』富士川建材工業(株)製)を塗布し、ジョイント部に
跨るように網材(グラスファイバーネット;TD5×5
質量130g/m2,日本電気硝子(株)製)を伏せ込み養
生後、無機系仕上げ(『レーヴ』外装用,富士川建材工
業(株)製)を行った。2年経過したがクラックや剥離等
の欠陥は見られなかった。
【0028】4.乾式外装下地;旧サイデイングボード 塗材;アクリル系プライマー+アクリル系セメントペー
スト+樹脂系仕上げ神奈川県川崎市外壁改装戸建て住宅
200m2にて施工試験を行った。旧サイデイングボード
下地の高圧洗浄を行い、乾燥後アクリル系プライマー
(『ポリゾールAP−1350』昭和高分子(株)製)を
塗布し、アクリル系セメントペースト(『ヨドゾールA
F943』日本エヌエスシー(株)製の原液26.5%を
前記表2のD−1のポリマーセメントペーストに混入)
を塗布し、ジョイント部に網材(グラスファイバーネッ
ト;TD5×5質量130g/m2,日本電気硝子(株)
製)を伏せ込み養生後、樹脂系樹脂系厚塗り仕上げ
(『ジョリパット300』アイカ工業(株)製)を行っ
た。2年1ヶ月経過したがクラックや剥離等の欠陥は見
られなかった。
【0029】5.乾式外装下地;旧サイデイングボード 塗材;SBR系セメントペースト+軽量モルタル+無機
系仕上げ 埼玉県深谷市外壁改修戸建て住宅200m2にて施工試験
を行った。旧サイデイングボード下地の高圧洗浄を行
い、SBR系セメントペースト(『ARICE高透湿性
接着用ペースト』富士川建材工業(株)製)を塗布し、ジ
ョイント部に網材(グラスファイバーネット;質量13
0g/m2,日本電気硝子(株)製)を伏せ込み、軽量モル
タル25kg(『ラスモル』富士川建材工業(株))に合成
樹脂エマルジョン(『シーレックス』富士川建材工業
(株)製)1kg混入による下地調整を行い、全面に網材
(グラスファイバーネットTD5×5;質量130g/m
2,日本電気硝子(株)製)を伏せ込み養生後、無機質仕
上げ(『レーヴ』外装用,富士川建材工業(株)製)を行
った。軽量モルタルを施工する事により改修前と比較す
るとジョイント及び段差の無い平滑面に仕上げることが
できた。施工2年が経過したがクラックや剥離等の欠陥
は見られなかった。
【0030】6.乾式外装下地;旧サイデイングボード 塗材;アクリル系プライマー+アクリル系セメントペー
スト+軽量モルタル+樹脂系仕上げ 広島県福山市外壁改装戸建て住宅150m2にて施工試験
を行った。施主の希望により重量感のある外壁の希望に
より旧サイデイングボードに高圧洗浄を行い、アクリル
系プライマー(『ポリゾールAP−1350』昭和高分
子(株)製)を塗布し、アクリル系セメントペースト
(『ヨドゾールAF943』日本エヌエスシー(株)製の
原液26.5%を前記表2のD−1のポリマーセメント
ペーストに混入)を塗り付け、ジョイント部には網材
(グラスファイバーネットTD5×5質量130g/
m2,日本電気硝子(株)製)を伏せ込んだ後軽量モルタル
25kg(『ラスモル』富士川建材工業(株))に合成樹脂
エマルジョン(『シーレックス』富士川建材工業(株))
1kg混入、を塗り付け、全面に網材(グラスファイバー
ネットTD5×5;質量130g/m2,日本電気硝子
(株)製)を伏せ込み、樹脂系仕上げ(『弾性リシン ビ
オ』富士川建材工業(株)製)を行った。施工1年が経過
したがクラックや剥離等の欠陥は見られなかった。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明の乾式外装下
地の化粧仕上げ工法は、従来から多様されている種々の
乾式外装下地金属系、窯業系、合成樹脂系等の新旧下地
に容易に質感のある湿式外装仕上げを施し、化粧仕上げ
を行う事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における網材の補強効果(強度)を測定
するための測定方法を示す側面図である。
【図2】実施例におけるジョイント部の補強効果(強
度)を測定するための測定方法を示す側面図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乾式外装下地に、イソシアネート基を
    0.5〜10重量%及び加水分解性シラン基を(珪素原子
    を基準として)0.4〜7.5重量%含有して分子量が3
    000〜50000であるポリマーを主成分とする一液
    硬化型樹脂組成物、及び/又は150Mpa・s以下の粘性
    を持つ水系樹脂組成物、及び/又は透湿性ポリマーセメ
    ントペースト、及び/又はガラス転移点が−20℃〜0
    ℃の合成樹脂エマルジョンを含むポリマーセメントペー
    ストを塗着した後、必要に応じて合成樹脂を混入した軽
    量モルタル、又は合成樹脂を混入したモルタル組成物を
    塗着し、質量が40〜250g/m2で、引張強度が10
    0kgf/mm2以上の網材を乾式外壁材のジョイント部及び
    /又はモルタルの表面又は内部に埋設し、仕上げ施工す
    ることを特徴とする乾式外装下地の化粧仕上げ工法。
  2. 【請求項2】 合成樹脂を混入した軽量モルタルは、セ
    メント20〜60wt%、無機質混和材20〜60wt%、
    有機質混和材2〜10wt%で、練り上り時の単位容積質
    量が1.0〜1.5であることを特徴とする請求項1に記
    載の乾式外装下地の化粧仕上げ工法。
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