JP3167019B2 - 積層防水施工法 - Google Patents
積層防水施工法Info
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Description
に実施して好適な積層防水施工法に関する。
への降雨水等の浸入を防止するために防水層が設けらて
いる。この防水層を設けるための防水工法には、アスフ
ァルト防水熱工法、アスファルト防水常温工法、シート
防水工法、塗膜防水工法など多種多様の工法が存在す
る。これらの公知工法の中で、最も実績、信頼性に優れ
ている防水工法は、アスファルト防水熱工法である。こ
のアスファルト防水熱工法は、防水施工現場において、
コンクリート、PC板、ALC板等の防水下地面に、有
機溶剤系又はエマルション系のアスファルトプライマー
を0.2〜0.4kg/m2程度塗布し、このアスファ
ルトプライマーが乾燥した後、溶融釜で加熱溶融したJ
IS K 2207に規定される防水工事用アスファル
トや、ゴムまたは樹脂で改質されたアスファルトを接着
剤且つ塗膜防水材として使用し、アスファルトルーフィ
ング、ストレッチルーフィング、あなあきルーフィン
グ、改質アスファルトルーフィング等のルーフィング類
の全部或は一部を適宜組み合わせ順次積層して防水層を
形成するものであり、厚みが充分にあり且つ水密性の高
い防水層が得られる工法である。
点) しかし、アスファルト防水熱工法は、プライマーを塗布
する際に、コンクリート等から成る防水下地が充分に乾
燥していることが必要であり、この防水下地の乾燥が不
充分な場合には、該防水下地と防水層との間に十分な接
着力が得られないために、防水層が防水下地から剥離し
てしまい、強風によって飛ばされてしまう等の事故が発
生したり、或は防水下地に含まれる多量の水分が太陽熱
等により水蒸気化し、防水層に著しいふくれを生じさせ
るなどの不具合が発生することがあった。このため従来
のアスファルト防水熱工法の施工に際しては、防水下地
が十分に乾燥するまでの養生期間が必要であり、とくに
梅雨時等の降雨の多い時期では、防水下地の充分な乾燥
が難しく、このため防水施工に要する工期が長引くこと
になり、建築計画に狂いを生じさせると共に、コスト的
にも高価になるという問題があった。また、とくに寒冷
期には塗布したプライマー自体の乾燥にも時間を要する
といった不都合もあった。
融する際には、加熱溶融用に石油バーナー等の火器を常
時使用することから、火災や火傷等の危険性があり、ま
た、アスファルトの煙や臭気が発生し、都市部等の住宅
密集地においては苦情が多発するという問題があった。
その上、アスファルトの溶融温度の管理には、作業者の
経験と細心の注意が必要であり、このことを怠るとアス
ファルトが変質したり、完成した防水層が劣悪なものと
なるという問題もあった。
施工の省力化、さらには作業の安全性の確保、周辺環境
への配慮等が強く求められるようになってきている。そ
んな中アスファルト防水熱工法に対しても、前述の問題
点を改善するべく、努力が続けられており、従来施工法
のように火器、有機溶剤等を使用することなく、防水下
地が湿潤状態であっても施工が可能で、而も信頼性の高
い防水施工法の開発が望まれている。
のみを、防水下地が湿潤状態であっても適用可能な接着
剤で張り付け、その他の上層の防水シートは溶融したア
スファルトを使用する工法や、最下層の防水シートのみ
を、防水下地が湿潤状態であっても適用可能な接着剤で
張り付け、この上にシート裏面に自着層を設けた防水シ
ートを積層する工法等が見受けられるが、何れの工法も
前記の問題点を充分に解消するに至っていない。
の目的とするところは、アスファルト系防水シートを用
いる積層防水工法において、防水下地面が湿潤状態にあ
っても防水層の施工を可能とすることにより、防水層の
施工にかかる工期を短縮でき、しかも、火器を使用しな
いので火災や火傷の危険性および溶融アスファルトによ
る煙や臭気の発生を全く伴うことの無い、安全で防水性
と耐久性に優れた信頼性の高い積層防水層の施工法を提
供するところにある。
ためにこの発明は、建築物の屋上等に施工される積層防
水工法において、最下層のアスファルト系防水シートを
カチオン系ポリマーセメントモルタルを用いて防水下地
に張り付け、さらにその上からアスファルト系防水シー
トを前記カチオン系ポリマーセメントモルタルを用いて
少なくとも一層張り付けて積層し、防水層を形成するこ
とを特徴とするものである。
れる積層防水工法において、最下層のアスファルト系防
水シートをカチオン系ポリマーセメントモルタルを用い
て防水下地に張り付け、さらにその上からアスファルト
系防水シートを前記カチオン系ポリマーセメントモルタ
ルを用いて少なくとも一層張り付け、最上層のアスファ
ルト系防水シートの上面をさらに前記カチオン系ポリマ
ーセメントモルタルを用いて覆うことにより防水層を形
成することを特徴とする。
れる積層防水施工法において、防水下地の上面にあなあ
きルーフィングを敷設し、次いでこのあなあきルーフィ
ングの上面にカチオン系ポリマーセメントモルタルを用
いてアスファルト系防水シートを少なくとも一層張り付
けて防水層を形成することを特徴とする。
も、アスファルト系防水シートとしては、アスファルト
ルーフィング、ストレッチルーフィング、あなあきルー
フィング、網状ルーフィング、または改質アスファルト
ルーフィングの全部或は一部を用いたものとし、これら
のものを適宜組み合わせて積層防水層を形成することが
できる。
モルタルとしては、カチオン系クロロプレンラテックス
にセメント、骨材等を混合したものとし、該カチオン系
クロロプレンラテックスの含有量がセメント100重量
部に対し、固形分換算で2〜20重量部であり、前記カ
チオン系ポリマーセメントモルタルに使用するセメント
を、ポルトランドセメント、アルミナセメント、混合セ
メント、または特殊セメント等の水硬性セメントとする
ことができる。
明する。本発明は防水性能上において、信頼性の高いア
スファルト系防水シートを、カチオン系ポリマーセメン
トモルタルを使用することにより、複数層積層する防水
施工法を提供するものである。通常、アスファルト積層
防水工法は、エマルション系或は有機溶剤系のアスファ
ルトプライマーを防水下地に塗布し、その乾燥には寒冷
期で30分〜2時間程度の時間を要するが、本発明では
このようなプライマーを使用する必要がないため、従来
の工法に比べて工程数が少なくなり、施工に要する時間
も短縮される。
いるカチオン系ポリマーセメントモルタルは、通常使用
されるJIS K 2207に規定される防水工事用ア
スファルト3種或は4種、または改質アスファルト等の
ものに替えて使用するものであり、柄杓等により散布或
は塗布する作業に適した流動性、及び充填性を有してお
り、カチオン系クロロプレンラテックス、セメント、骨
材等を主成分としてなることを特徴としている。
を平面部において使用する場合、通常は主成分の構成比
率が、概ねセメント100重量部に対し、骨材0〜30
0重量部程度、カチオン系クロロプレンゴム分2〜20
重量部、及び適量の水とから成るものである。これら
に、さらに増粘剤、沈降防止剤、自己消火剤、着色剤等
の添加剤を加えて使用しても差し支えない。
トモルタルは、カチオン系クロロプレンラテックスとセ
メント及び骨材を防水施工現場にてハンドミキサー等を
用いて混合撹拌して作製されるが、セメントと骨材を工
場等で予め調合したものを現場へ持参し、現場において
カチオン系クロロプレンラテックスと混合させて使用し
ても差し支えない。
ンラテックスに替えてアニオン系の乳化剤により合成さ
れるアニオン系クロロプレンラテックスが、本発明に使
用するポリマーセメントモルタルの構成材料として利用
できるか否かについても試験を行ったが、後述するよう
に、アスファルト系防水シートとの接着性において難が
あり、実用的な接着強さを得られないことがわかった。
クロロプレンラテックスに替えてエチレン酢酸ビニル樹
脂系エマルション、アクリルゴムラテックス、スチレン
−ブタジエンゴムラテックス等の他のカチオン系ラテッ
クスやエマルションについても試験を行ったが、やは
り、後述するように、実用的な接着強さが得られなかっ
た。したがって、この明細書において、カチオン系ポリ
マーセメントモルタルとは、カチオン系クロロプレンラ
テックスをその主成分の一つとして含むポリマセメント
モルタルのみを指すものとする。
ントモルタルに含まれる、カチオン系クロロプレンラテ
ックスの含有量は、セメント100重量部に対し、固形
分換算で2〜20重量部の間である。使用量が2重量部
未満であれば防水下地及びアスファルト系防水シートと
の接着性が低下し、実用的な接着強度が得られない場合
があるので好ましくない。一方、含有量が20重量部を
超えても、後述するように、接着性に殆ど変化が現れな
いため、かえってコスト的に高価なものとなる。したが
って通常は、このカチオン系クロロプレンラテックスの
使用に際しては、セメント100重量部に対して固形分
換算で5〜10重量部前後がそのコスト及び接着強度の
点から見て好ましく、これに防腐剤、増粘剤、湿潤剤等
の添加剤を加えても差し支えない。
タルに使用するセメントは、普通ポルトランドセメン
ト、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセ
メント、白色ポルトランドセメント、アルミナセメン
ト、高炉セメント、ポゾランセメント、フライアッシュ
セメント、膨張セメント、メーソンリーセメント等の水
硬性セメントが挙げられ、これらは何れも使用すること
ができるが、通常は普通ポルトランドセメントを使用す
るのが好適である。
タルに添加する骨材は、珪砂、川砂、炭酸カルシウム、
クレー、さらにはこれらを混合したものが使用できる
が、珪砂7号程度の粒度が望ましく、粒度の粗い骨材で
は前記カチオン系ポリマーセメントモルタルの流動性、
充填性が低下する場合がある。また、これら骨材の添加
量は、セメント100重量部に対し0〜300重量部の
範囲で使用できるが、セメントに対し100重量部程度
であることが好ましい。
としては、JIS A 6005に規定されるアスファ
ルトルーフィング、JIS A 6022に規定される
ストレッチアスファルトルーフィング、及び砂付きスト
レッチアスファルトルーフィング、或はJIS A 6
013に規定する改質アスファルトルーフィング、JI
S A 6012に規定する網状アスファルトルーフィ
ング、JIS A 6023に規定するあなあきアスフ
ァルトルーフィング等を挙げることができ、その他前記
以外の有機天然繊維を主原料とした原紙、或は有機合成
繊維を主原料とした不織布に、アスファルト、合成ゴム
または合成樹脂により改質されたアスファルトを含浸、
塗覆したアスファルトルーフィングも使用できる。
明する。アスファルト系防水シートは、カチオン系ポリ
マーセメントモルタルを2.0kg/m2程度使用し
て、防水下地或は他のアスファルト系防水シートの上に
張り付けられる。この際に前記カチオン系ポリマーセメ
ントモルタルは、アスファルト防水熱工法のように柄杓
で散布し、その後直ちにその上にロール状に巻かれたア
スファルト系防水シートを巻き戻しながら敷き込む。そ
の際に、このアスファルト系防水シートの端部より該カ
チオン系ポリマーセメントモルタルがはみ出す程度に防
水シートを転圧する。
の使用量が、2.0kg/m2よりも少ないと、アスフ
ァルト系防水シートの重ね合せ部の空隙が充分に充填さ
れない場合がある。また、カチオン系ポリマーセメント
モルタル散布時に、金鏝、スクイジー等を用いて塗布し
ても差し支えない。尚、最下層にあなあきアスファルト
ルーフィングを敷設した上に、アスファルト系防水シー
トを張り付ける場合、及び防水層の最上層にカチオン系
ポリマーセメントモルタルを塗布して仕上げる場合に
は、塗布量は3.0kg/m2程度とすることが好まし
い。この際にとくに最上層のカチオン系ポリマーセメン
トモルタルに着色剤、自己消火剤等を添加することがで
きる。
メントモルタルの水分を減少させるか、またはこのカチ
オン系ポリマーセメントモルタルに増粘剤を添加し、ア
スファルト系防水シートがずれないようにその端部を金
物などを用いて一時的に機械的に固定して張り付ける。
その結果、前記カチオン系ポリマーセメントモルタルが
だれることなく、該カチオン系ポリマーセメントモルタ
ルの硬化と共に、アスファルト系防水シートが下地に強
固に接着される。
該コンクリート板を水中浸漬して、表面含水率を10%
程度の湿潤状態に保つようにした後、以下に示す表1B
の防水仕様1及び表1Cの防水仕様2に基づいて、アス
ファルト系防水シートを、下記表1Aの配合により混練
して作製したカチオン系ポリマーセメントモルタルを用
いて防水下地に張り付け、さらに、この上に該カチオン
系ポリマーセメントモルタルを用いて他のアスファルト
系防水シートを張り付け防水層を作成した。
アスファルト系防水シート(改質アスファルトルーフィ
ング)の上面を金鏝を用いてカチオン系ポリマーセメン
トモルタルで覆った。このようにして形成した積層防水
層の上面に4cm角の金属製接着試験用金具を、エポキ
シ系接着剤にて取り付け、該接着試験用金具の周辺部に
切り込みを入れて接着強度試験用の試料を作成し、JI
S A6909の規定に準じ、単軸接着強度を測定し
た。この単軸接着強度は、自動記録式万能試験機を用い
て測定し、測定温度20℃、引張速度は5mm/分で行
った。試験した結果を表2に示す。
Cの防水仕様2共に、7日の養生期間で充分な接着強度
が得られた。通常、溶融アスファルトを用いて乾燥した
コンクリートの防水下地面に施工したアスファルト積層
防水層の単軸接着強度は4〜8kgf/cm2程度であ
ることから、本願発明に使用するカチオン系ポリマーセ
メントモルタルを用いた場合は接着強度が優れているこ
とが解る。
チオン系クロロプレンラテックス以外の、エチレン酢酸
ビニル樹脂系エマルション(製品名:リカボンドBE
中央理化工業株式会社製)、アクリルゴムラテックス
(製品名:リカボンドET 中央理化工業株式会社
製)、スチレン−ブタジエンゴムラテックス(製品名:
NIPOL 日本ゼオン株式会社製)等のカチオン系ラ
テックスに置き換え、前記した表1Aに示した重量配合
比に基づいて作製したポリマーセメントモルタルを用い
て、同じく表1Bの防水仕様1の防水層を作製し、試験
例1と同様にして単軸接着強度を測定して試験した結果
を表3に示す。
ラテックス又はエマルションを用いたものは、いずれの
ものでも、ルーフィング/モルタル界面に剥離が見ら
れ、実用的な接着強度が得られなかった。
オン系クロロプレンラテックス(製品名:NEOPRE
NE 昭和ネオプレン株式会社製)に置き換え、前記し
た表1Aの配合に基づいて作製したアニオン系ポリマー
セメントモルタルを用い、同じく表1Bの防水仕様1の
防水層を作製し、試験例1と同様にして単軸接着強度を
測定して試験した結果を表4に示す。
用いたものは、養生日数に関係なくルーフィング/モル
タル界面に剥離が見られ、カチオン系クロロプレンラテ
ックスを用いたものに比して、充分な接着強度が得られ
なかった。
ラテックスにおけるゴムの添加量を変えて作製したカチ
オン系ポリマーセメントモルタルを用いて、同じく前記
した表1Bの防水仕様1の防水層を作製し、防水層の養
生7日目の接着性を試験した結果を表5に示す。
トモルタルを構成するカチオン系クロロプレンラテック
スにおけるゴムの添加量は、2〜20重量部の間のもの
が適当であり、2重量部未満では、接着強度が弱くな
り、逆に20重量部を超えても接着強度に差は見られな
かった。
試験方法」の水密試験に規定される、出入り隅部・貫通
パイプ及びドレンを設置した箱の内側及び立上り面に、
前記した表1Aの配合により作製したカチオン系ポリマ
ーセメントモルタルを用いて、前記表1Bの防水仕様1
及び表1Cの防水仕様2により防水層を設けて試験体を
作製した。養生期間3日を経た後、水深が80cmとな
るように水を入れて、2週間放置し、防水層を通しての
漏水の有無を観察した。試験終了時の観察結果を表6に
示す。
表1Cの防水仕様2のものは、いずれも防水層を通して
の漏水は全く見られず、良好な結果が得られた。
トの表面含水率を10%程度の湿潤状態に保ち、防水下
地とした。この防水下地の上面に、表7に示した防水仕
様により積層防水層を形成させた。即ち、図1に示した
ように、防水下地1の上面に、前記した表1Aの配合に
より混練して作製したカチオン系ポリマーセメントモル
タル2を2.0kg/m2となるように柄杓を用いて散
布し、その後、直ちにロール状に巻かれたJIS A
6005に規定されるアスファルトルーフィング3を巻
き戻しながら転圧して第1の防水シートとして敷き込ん
だ。この際、該アスファルトルーフィング3の端部より
該カチオン系ポリマーセメントモルタル2がはみ出す程
度に転圧した。
スファルトルーフィング3の上面に、同成分のカチオン
系ポリマーセメントモルタル4を同じく2.0kg/m
2となるように柄杓を用いて散布し、その上に、直ちに
今度はJIS A 6022に規定されるストレッチア
スファルトルーフィング5を第2の防水シートとして巻
き戻しながら転圧して敷き込んだ。この際、該カチオン
系ポリマーセメントモルタル4が、このストレッチアス
ファルトルーフィング5の端部よりはみ出る程度に転圧
した。次いで、この防水層の第二層を形成するストレッ
チアスファルトルーフィング5の上面に、前記したもの
と同成分のカチオン系ポリマーセメントモルタル6を柄
杓を用いて、同じく2.0kg/m2となるように散布
し、その上に直ちに再びJIS A 6005に規定さ
れるアスファルトルーフィング7を第3の防水シートと
して巻き戻しながら転圧して敷き込んだ。この際、該カ
チオン系ポリマーセメントモルタル6がアスファルトル
ーフィング7の端部よりはみ出る程度に転圧した。そし
て、防水層の第3層を形成するアスファルトルーフィン
グ7の上面に、同じく同成分のカチオン系ポリマーセメ
ントモルタル8を柄杓を用いて今度は3.0kg/m2
となるように塗布し、さらに金鏝を用いて表面仕上げを
行い、積層防水層9を形成させた。そして、施工後6ケ
月経過して状況を観察したが、何等変化がなく良好であ
った。
該コンクリートの表面含水率を10%程度の湿潤状態に
保ち、防水下地とした。この防水下地の上面に、表8に
示した防水仕様により積層防水層を形成した。即ち、図
2に示したように、防水下地11の上面に前記表1Aの
配合により混練して作製したカチオン系ポリマーセメン
トモルタル12を、2.0kg/m2となるように柄杓
を用いて散布し、その後、直ちにロール状に巻かれたJ
IS A 6013に規定される改質アスファルトルー
フィング13を巻き戻しながら転圧して第1の防水シー
トとして敷き込んだ。この際、該改質アスファルトルー
フィング13の端部より該カチオン系ポリマーセメント
モルタル12がはみ出す程度に転圧した。次いで、この
防水層の第一層を形成する改質アスファルトルーフィン
グ13の上面に、同じく同成分のカチオン系ポリマーセ
メントモルタル14を同じく2.0kg/m2となるよ
うに柄杓を用いて散布し、その上に、直ちに同じくJI
S A 6013に規定される改質アスファルトルーフ
ィング15を第2の防水シートとして巻き戻しながら転
圧して敷き込んだ。この際、該カチオン系ポリマーセメ
ントモルタル14が、この改質アスファルトルーフィン
グ15の端部よりはみ出る程度に転圧した。そして、こ
の第二層の防水層を形成する改質アスファルトルーフィ
ング15の上面に、さらに同成分のカチオン系ポリマー
セメントモルタル16を柄杓を用いて今度は3.0kg
/m2となるように塗布して、さらに金鏝を用いて表面
仕上げを行い積層防水層17を形成した。そして、施工
後6ケ月経過して状況を観察したが、何等変化がなく良
好であった。
し、該コンクリートの表面含水率を10%程度の湿潤状
態に保ち、防水下地とした。この防水下地の上面に、表
9に示した防水仕様により積層防水層を形成した。即
ち、図3に示したように、防水下地21の上面に前記表
1Aの配合により混練して作製したカチオン系ポリマー
セメントモルタル22を、2.0kg/m2となるよう
に柄杓を用いて散布し、その後、直ちにJIS A 6
022に規定されるストレッチアスファルトルーフィン
グ23を第1の防水シートとして巻き戻しながら転圧し
て敷き込んだ。この際、該ストレッチアスファルトルー
フィング23の端部より該カチオン系ポリマーセメント
モルタル22がはみ出す程度に転圧した。次いで、この
防水層の第一層を形成するストレッチアスファルトルー
フィング23の上面に、さらに同成分のカチオン系ポリ
マーセメントモルタル24を同じく2.0kg/m2と
なるように柄杓を用いて散布し、その上に、直ちに今度
はJIS A 6005に規定されるアスファルトルー
フィング25を第2の防水シートとして巻き戻しながら
転圧して敷き込んだ。この際、該カチオン系ポリマーセ
メントモルタル24が、このアスファルトルーフィング
25の端部よりはみ出る程度に転圧した。次いで、この
防水層の第二層を形成するアスファルトルーフィング2
5の上面に、同じくカチオン系ポリマーセメントモルタ
ル26を柄杓を用いて同じく2.0kg/m2となるよ
うに散布し、その上に直ちにJIS A 6022に規
定される砂付ストレッチアスファルトルーフィング27
を、第3の防水シートとして巻き戻しながら転圧して敷
き込んだ。この際、同じく該カチオン系ポリマーセメン
トモルタル26が砂付ストレッチアスファルトルーフィ
ング27の端部よりはみ出る程度に転圧して積層防水層
28を形成した。そして、施工後6ケ月経過して状況を
観察したが、何等変化がなく良好であった。
し、該コンクリートの表面含水率を10%程度の湿潤状
態に保ち、防水下地とした。この防水下地の上面に、表
10に示した防水仕様により積層防水層を形成した。即
ち、図4に示したように、防水下地31の上面にロール
状に巻かれたJIS A 6023に規定されるあなあ
きアスファルトルーフィング32を巻き戻しながら敷き
込んだ。次いで、このあなあきアスファルトルーフィン
グ32の上面に、前記表1Aの配合により混練して作製
したカチオン系ポリマーセメントモルタル33を、3.
0kg/m2となるように柄杓を用いて散布し、その上
に、直ちにJIS A 6022に規定されるストレッ
チアスファルトルーフィング34を、2層目の防水シー
トとして巻き戻しながら転圧して敷き込んだ。この際、
該カチオン系ポリマーセメントモルタル33が、このス
トレッチアスファルトルーフィング34の端部よりはみ
出る程度に転圧した。次いで、この防水層の第二層を形
成するストレッチアスファルトルーフィング34の上面
に、さらに同成分のカチオン系ポリマーセメントモルタ
ル35を柄杓を用いて2.0kg/m2となるように散
布し、その上に直ちにJIS A 6005に規定され
るアスファルトルーフィング36を3層目の防水シート
として巻き戻しながら転圧して敷き込んだ。この際、該
カチオン系ポリマーセメントモルタル35がアスファル
トルーフィング36の端部よりはみ出る程度に転圧し
た。そして、この防水層の第三層を形成するアスファル
トルーフィング36の上面に、さらに同成分のカチオン
系ポリマーセメントモルタル37を柄杓を用いて、同じ
く2.0kg/m2となるように散布して、その上に砂
付ストレッチアスファルトルーフィング38を4層目の
防水シートとして巻き戻しながら転圧して敷き込んだ。
この際、同じく該カチオン系ポリマーセメントモルタル
37が砂付ストレッチアスファルトルーフィング38の
端部よりはみ出る程度に転圧して積層防水層39を形成
した。そして、施工後6ケ月経過して状況を観察した
が、何等変化がなく良好であった。
グ32の上に散布されるカチオン系ポリマーセメントモ
ルタル33が、多数のあなあきアスファルトルーフィン
グの孔部32aを介して防水下地31上へ部分的に接着
され、同時にその上面に敷設するストレッチアスファル
トルーフィング34へ接着されることになる。
次のような効果を奏し得る。
地に対し防水シートを接着させるのに、プライマー類を
使用する必要がないため、工程数を少なくすることがで
き、施工に要する時間も短縮されるという効果を奏し得
る。また、防水下地面が湿潤状態にあっても最下層の防
水シートの施工が可能なことにより、防水下地の乾燥に
要する日数を短縮し、安価な防水層の施工ができると共
に、溶融アスファルトを使用しないので、臭いや煙の発
生のない良好な防水層の施工を行うことができるもので
ある。
ーフィング仕上げに替えて、カチオン系ポリマーセメン
トモルタルを防水層の最上層に施した場合では、アスフ
ァルト系防水シートの重ね合わせ部分が覆われるため、
美観の優れた仕上がりとなり、さらに白色セメント、着
色剤を併用することにより美観が向上すると共に、従来
必要であった保護塗料を施す必要が無いことから、工程
数や材料を節約でき、その上、近隣の火災の際の飛び火
による延焼の防止を図ることができる等々の効果を奏し
得る。
スファルトルーフィングを用いて防水下地に対し部分接
着することにより、防水下地と防水層の間に働く応力を
緩和することができ、防水下地に発生するひび割れや防
水下地の挙動による影響を防水層へ及ぼすことがないの
で、防水層の破断を防止して、雨漏れを防ぐことができ
る上に、防水下地より発生した水蒸気を外へ逃がすこと
が可能となり、この水蒸気によって、防水層がふくれた
り、剥離してしまうのを防止できるという効果を奏し得
る。
と仕様に伴い、さまざまな構造の積層防水層を形成する
ことができる。
つ接着効果の高いカチオン系ポリマーセメントモルタル
を提供することができる。
使用するカチオン系ポリマーセメントの主成分たるセメ
ントに、さまざまなセメントを用いることができること
により、その汎用性が増大するという効果を奏し得る。
せた積層防水層の実施例の説明図である。
せた積層防水層の他の実施例の説明図である。
せた積層防水層の他の実施例の説明図である。
せた積層防水層の他の実施例の説明図である。
ントモルタル 8,37 カチオン系ポリマーセメントモルタル 9,17,28,39 積層防水層 13,15 改質アスファルトルーフィング 27,38 砂付ストレッチアスファルトルーフィング 32 あなあきアスファルトルーフィング 32a あなあきアスファルトルーフィングの孔部
Claims (6)
- 【請求項1】 建築物の屋上等に施工される積層防水工
法において、最下層のアスファルト系防水シートをカチ
オン系ポリマーセメントモルタルを用いて防水下地に張
り付け、さらにその上からアスファルト系防水シートを
前記カチオン系ポリマーセメントモルタルを用いて少な
くとも一層張り付けて防水層を形成することを特徴とす
る、積層防水施工法。 - 【請求項2】 建築物の屋上等に施工される積層防水工
法において、最下層のアスファルト系防水シートをカチ
オン系ポリマーセメントモルタルを用いて防水下地に張
り付け、さらにその上からアスファルト系防水シートを
前記カチオン系ポリマーセメントモルタルを用いて少な
くとも一層張り付け、最上層のアスファルト系防水シー
トの上面をさらに前記カチオン系ポリマーセメントモル
タルを用いて覆うことにより防水層を形成することを特
徴とする、積層防水施工法。 - 【請求項3】 建築物の屋上等に施工される積層防水施
工法において、防水下地の上面にあなあきルーフィング
を敷設し、次いでこのあなあきルーフィングの上面にカ
チオン系ポリマーセメントモルタルを用いてアスファル
ト系防水シートを少なくとも一層張り付けて防水層を形
成することを特徴とする、積層防水施工法。 - 【請求項4】 請求項1乃至3で用いられるアスファル
ト系防水シートは、アスファルトルーフィング、ストレ
ッチルーフィング、砂付ストレッチアスファルトルーフ
ィング、あなあきルーフィング、網状ルーフィング、及
び改質アスファルトルーフィングの全部或は一部を用い
たものであり、これらのものを適宜組み合わせて積層防
水層を形成することを特徴とする、請求項1乃至3のい
ずれかに記載の積層防水施工法。 - 【請求項5】 前記カチオン系ポリマーセメントモルタ
ルは、カチオン系クロロプレンラテックスにセメント、
骨材等を混合して成り、前記カチオン系クロロプレンラ
テックスの含有量がセメント100重量部に対し、固形
分換算で2〜20重量部であることを特徴とする、請求
項1乃至4のいずれかに記載の積層防水施工法。 - 【請求項6】 前記カチオン系ポリマーセメントモルタ
ルに使用するセメントが、ポルトランドセメント、アル
ミナセメント、混合セメント、または特殊セメント等の
水硬性セメントであることを特徴とする、請求項1乃至
5のいずれかに記載の積層防水施工法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00326198A JP3167019B2 (ja) | 1997-12-17 | 1998-01-09 | 積層防水施工法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34837297 | 1997-12-17 | ||
JP9-348372 | 1997-12-17 | ||
JP00326198A JP3167019B2 (ja) | 1997-12-17 | 1998-01-09 | 積層防水施工法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11236752A JPH11236752A (ja) | 1999-08-31 |
JP3167019B2 true JP3167019B2 (ja) | 2001-05-14 |
Family
ID=26336810
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00326198A Expired - Fee Related JP3167019B2 (ja) | 1997-12-17 | 1998-01-09 | 積層防水施工法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3167019B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5071630B2 (ja) * | 2007-03-22 | 2012-11-14 | 宇部興産株式会社 | 複合防水工法 |
JP5076584B2 (ja) * | 2007-03-26 | 2012-11-21 | 宇部興産株式会社 | 通気性複合防水工法 |
CN113944282A (zh) * | 2021-10-29 | 2022-01-18 | 上海宝冶集团有限公司 | 一种uhpc屋面挂板施工方法 |
-
1998
- 1998-01-09 JP JP00326198A patent/JP3167019B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11236752A (ja) | 1999-08-31 |
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