JP3624937B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯電ローラ等の回転可能な帯電部材を回転可能な感光体に接触させてこの感光体を回転しながら帯電し、帯電した感光体上に静電潜像を形成することで画像を形成する画像形成装置の技術分野に属し、特に、帯電部材に対して離接可能に設けられた清掃部材を、この帯電部材に当接させることで帯電部材に付着したトナー等の異物を除去するようになっている画像形成装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
静電複写機やプリンタ等の画像形成装置は感光体を帯電する帯電装置を備えており、この帯電装置として、従来、コロナ帯電が広く利用されている。しかし、このコロナ帯電はオゾンや窒素酸化物が発生して感光体などの表面に付着するので、画像欠陥を起こすという問題がある。
【0003】
そこで、帯電装置として、電圧を印加した例えばウレタンゴム等からなる帯電部材を感光体に接触させて感光体を帯電させるという接触帯電方式が、例えば特開昭63−149668号公報において提案されている。このような接触帯電方式の帯電によれば、前述のコロナ帯電で発生する問題が解消される。
しかしながら、接触帯電方式は帯電部材が感光体に接触していることから、クリーニング装置からすり抜けた感光体上のトナーや現像器から飛散したトナー等の異物が帯電部材の表面に付着してしまう。特に、近年ではトナーの小粒径化あるいはトナーへの流動性向上剤の添加量の増加が行われていて、クリーニング性が悪化していることにより、クリーニングブレードからのすり抜けが発生しやすくなっており、すり抜けトナーは帯電部材と感光体のニップ部に押圧され、帯電部材の周回により強固に付着するようになる。
【0004】
このようなことから、帯電部材の表面に付着したトナー等の異物を取り除くための清掃部材を備えた画像形成装置が、例えば特許第2853208号公報や特開平07−128954号公報等において提案されている。これらの画像形成装置の清掃部材は常時帯電部材に接触していると、帯電部材の表面が傷ついて帯電不良を起こしてしまうので帯電部材に対して離接可能に設けられている。そして、この清掃部材は帯電部材を清掃するときのみこの帯電部材に接触して帯電部材を回転することで清掃を行い、帯電部材を清掃しないときには帯電部材から離間された状態に設定されるようになっている。その場合、帯電部材の清掃は一般的に定期的に行われるようになっており、したがって清掃部材の離接動作も定期的に行われている。この清掃部材を備えた画像形成装置によれば、帯電部材の表面が清掃され、感光体の帯電が良好になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、清掃部材による帯電部材の清掃が繰り返されることにより、清掃部材に、帯電部材から除去されたトナー等の異物が徐々に付着蓄積するようになる。
一方、クリーニングブレードの両端に対向して、それぞれ端面シール材が設けられており、この端面シール材により、トナーがクリーニングブレードの両端の脇から帯電部材の方へ漏出するのを防止されている。しかしながら、クリーニングブレードの端と端面シール材との間には隙間が存在しているため、この隙間を通して若干のトナー漏れが生じてしまう。また、現像器の現像ローラ等の現像部材の両端にも対向して、それぞれ端面シール材が設けられていて、トナーが現像部材の両端の脇から帯電部材の方へ漏出するのを防止されているが、現像部材の端と端面シール材との間にも隙間が存在しているため、同様にこの隙間を通して若干のトナー漏れが生じてしまう。これらのトナー漏れは、いずれも画像領域内でのトナー漏れより多いため、帯電部材の両端部に偏って多くのトナーが付着するようになる。
【0006】
このように多くのトナーが帯電部材の両端部に偏って付着すると、清掃部材による帯電部材の清掃の際、帯電部材上の付着トナーが多い部分をも清掃してしまうため、清掃部材の異物除去能力が急速に低下して比較的早期に飽和してしまい、清掃部材の寿命が短くなる。このため、清掃部材による帯電部材の異物除去が効果的に行われないばかりでなく、比較的早期に異物除去不能になってしまい、せっかく清掃部材を設けても、比較的早期に帯電部材による感光体の帯電不良を来してしまう。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、帯電部材に付着する異物を除去する清掃部材の異物除去能力をより長時間良好に維持できるようにして、清掃部材の寿命を長くすることのできる画像形成装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、請求項1の発明は、静電潜像が形成される感光体と、この感光体に接触して回転しながら感光体を帯電する帯電装置と、前記感光体上の静電潜像を現像する現像器と、現像された前記感光体上の像の転写後、感光体を清掃するクリーニング装置と、前記帯電部材に対して離接可能に設けられて前記帯電部材を清掃する清掃部材とを少なくとも備えている画像形成装置において、前記感光体上の、画像が形成される画像領域、前記帯電装置の帯電部材、前記クリーニング装置のクリーニング部材および前記清掃部材の各幅が、それぞれ、帯電部材の幅≧クリーニング部材の幅>清掃部材の幅>感光体上の画像領域の幅に設定されていることを特徴としている。
また、請求項2の発明は、更に、前記現像器の現像部材の幅が、帯電部材の幅≧クリーニング部材の幅>現像部材の幅>清掃部材の幅>感光体上の画像領域の幅に設定されていることを特徴としている。
【0009】
【作用】
このように構成された本発明の画像形成装置においては、帯電部材の幅≧クリーニング部材の幅>清掃部材の幅>感光体上の画像領域の幅となっていることから、クリーニング部材の両端の隙間から帯電部材の方へ漏れたトナーは清掃部材による帯電部材の清掃領域外に偏って付着蓄積するようになる。その場合、これらの隙間を通して漏れるトナーは、感光体上の画像領域内でのトナー漏れよりも多いので、帯電部材の清掃領域外に偏って付着蓄積するトナー量も多くなる。しかし、多くのトナーが偏って付着蓄積する帯電部材の場所は清掃部材による清掃領域外であるため、清掃部材による帯電部材の異物除去の際、清掃部材はこの多くのトナーが付着蓄積する帯電部材の場所を清掃することはない。
【0010】
したがって、清掃部材に多くのトナーが偏って付着蓄積することはなく、清掃部材内へのトナーの偏在が解消される。これにより、清掃部材の異物除去能力が急速に低下して比較的早期に飽和することはなく、清掃部材の寿命が長くなる。その結果、清掃部材による帯電部材の異物除去が長期にわたって効果的に行われるようになり、感光体の画像領域での帯電不良の発生が低減する。
【0011】
特に、請求項2の発明では、帯電部材の幅≧クリーニング部材の幅>現像部材の幅>清掃部材の幅>感光体上の画像領域の幅となっていることから、現像部材の両端の隙間からクリーニング部材を経て帯電部材の方へ漏れたトナーは、同様に帯電部材の清掃領域外の場所に偏って付着蓄積するようになる。その場合、これらの隙間を通して漏れるトナーも、感光体上の画像領域内でのトナー漏れよりも多いので、帯電部材の清掃領域外に偏って付着蓄積するトナー量も多い。しかし、現像部材の両端の隙間から漏れるトナーが付着蓄積する帯電部材の場所は清掃領域外であるため、前述と同様に、清掃部材はこの場所を清掃することはない。
【0012】
したがって、現像部材の両端の隙間を通して漏れるトナーについても、前述と同様に、清掃部材10に多くのトナーが偏って付着蓄積することはなく、清掃部材10内への蓄積トナーの偏在が解消される。これにより、前述と同様に清掃部材の寿命が延び、清掃部材による帯電部材の異物除去が長期にわたって効果的に行われる。
【0013】
更に、各現像部材の端部と感光体との接触部は端部応力集中により感光体の他の部分より感光層の摩耗が大きくなるため、この感光層の摩耗粉および摩耗部からすり抜けるトナーも多くなる。しかし、これらの摩耗粉およびすり抜けトナーは、前述の現像部材の両端の隙間から漏れるトナーの場合と同様に清掃部材による清掃領域外の帯電部材の場所に偏って付着蓄積するため、清掃部材はこれらの摩耗粉およびすり抜けトナーが付着蓄積する帯電部材の場所を清掃することがなく、前述と同様の作用が行われる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の実施の形態の一例が適用されたフルカラ−の中間転写型の画像形成装置を模式的に示す図である。
図1に示すように、この例の画像形成装置1は、感光体(以下、OPCともいう)2、帯電装置3、露光装置4、現像装置5、中間転写装置6、およびクリーニング装置7を備えているとともに、図示しないが中間転写装置6の転写ベルト6aに転写された中間転写画像を転写紙等の転写材に転写する転写装置および転写材に転写された転写画像を定着する定着装置を備えている。
帯電装置3、露光装置4、現像装置5、中間転写装置6、およびクリーニング装置7は、従来の画像形成装置と同様にOPC2の周囲にこれらの順に図において時計回りに配設されている。
【0015】
図1に示すように、帯電装置3は、OPC2に接触してこのOPC2を帯電するためにハウジング8に回転可能に支持された帯電ローラ等の帯電部材9、帯電部材9に対して離接可能に設けられ、この帯電部材9の表面を清掃するための清掃部材10、清掃部材10を保持し、この清掃部材10を帯電部材3に対して離接させるように作動する保持部材11、保持部材11の、清掃部材10を保持する側と反対側の面に設けられたスプリング等からなる弾性部材12を備えている。図示の状態では弾性部材12の弾性力で清掃部材10が帯電部材3に当接された状態となっているが、清掃部材10および保持部材11は、図示しないが公知の清掃部材離接駆動手段により弾性部材12の弾性力に抗して帯電部材3から離間した状態に設定できるようになっている。公知の清掃部材離接駆動手段には電磁ソレノイドや電動モータ等を用いることができるが、清掃部材10を帯電部材3から離間できるものであれば、例えば前述の公報に開示されている清掃部材離接駆動手段を始め、どのような清掃部材離接駆動手段を用いることができる。しかし、清掃部材離接駆動手段自体は本発明の特徴部分ではないので、その説明は省略する。そして、帯電部材9の清掃を行わない通常時は、清掃部材10は帯電部材9から離間した状態に保持され、清掃動作時に、清掃部材10は帯電部材9に当接した図示の状態に設定されるようになっている。
【0016】
この帯電装置3は、前述の特許第2853208号公報に開示されているような、感光体2が収容された1つのプロセスカートリッジを用いた画像形成装置1においてはこのプロセスカートリッジに設け、また、特開平07−128954号公報に開示されているような、清掃部材10が画像形成装置本体に設けられている画像形成装置1においてはこの画像形成装置本体に一緒に設けるようにする。
【0017】
現像装置5は、従来のフルカラーの画像形成装置の現像器と同様に、イエロー、マゼンタ、シアン、および黒の各現像器13,14,15,16を備えており、これらの各現像器13,14,15,16はOPC2の外周に沿って配設されている。その場合、各色の現像器13,14,15,16の配設順序は、前述の順序に限定されることなく任意に設定される。なお、以下の説明では、説明の便宜上、前述の色の順序、つまり、イエロー、マゼンタ、シアン、および黒の順で各現像器13,14,15,16が配設されているものとする。
【0018】
各現像器13,14,15,16は現像ロール等の現像部材13a,14a,15a,16aを有しており、これらの現像部材13a,14a,15a,16aは、それぞれ、それらの表面に付着されたイエロー、マゼンタ、シアン、および黒のトナーをOPC2の方へ搬送するようになっている。
クリーニング装置7も、従来のフルカラーの画像形成装置と同様にクリーナハウジング17およびクリーニングブレード等のクリーニング部材18を備えている。その場合、クリーナハウジング17は、図示のように帯電装置3のハウジング8と一体に形成されている。なお、クリーナハウジング17はハウジング8と別体に形成することもできる。
【0019】
ところで、図2に示すようにこの例の画像形成装置1では、従来の画像形成装置と同様に、クリーニング部材18の両端の端面に対向しかつ若干の間隙を有してシール部材19,20がそれぞれ配設されている。これらのシール部材19,20は、トナーがクリーニング部材18の両端の脇から帯電部材9の方へ漏出するのを防止している。
また、各現像器13,14,15,16においても、同様に、各現像部材13a,14a,15a,16aの両端の端面に対向しかつ若干の間隙を有してシール部材21,22がそれぞれ配設されている。
【0020】
更に、この例の画像形成装置1では、帯電部材9、清掃部材10,各現像部材13a,14a,15a,16aおよびクリーニング部材18の各幅(図1において紙面に直交する方向の長さ)が、次のように設定されている。すなわち、
帯電部材9の幅α≧クリーニング部材18の幅β>現像部材13a,14a,15a,16aの幅γ>清掃部材10の幅δ>OPC2上の画像領域の幅ε
とされている。
【0021】
このように構成された例の画像形成装置1の作動について説明する。
画像形成にあたり画像形成装置1を作動させると、従来の一般的な画像形成装置と同様に帯電部材9およびOPC2が回転され、帯電部材9でOPC2の表面が帯電された後、露光装置4で画像がOPC2上の帯電された部分に静電潜像として露光される。そして、このOPC2上の静電潜像がイエロー、マゼンタ、シアン、および黒の各現像器13,14,15,16で順に現像されて可視像化され、更に、OPC2上の現像画像が中間転写装置6を介して転写装置に送られ、この転写装置で色合わせを行い転写材に転写された後、定着装置で定着することにより、転写材上に所望の画像が得られるようになる。
【0022】
そして、現像画像が転写材に転写された後、OPC2上に残留する残余トナーはクリーニング装置7のクリーニング部材18によって除去され、クリーナハウジング17に収容される。こうして、画像形成装置1により、画像形成が終了し、OPC2が除電された後、次の画像形成のため、OPC2が帯電部材9によって再び帯電され、以下同様の画像形成動作が行われる。
【0023】
ところで、転写後、OPC2上に残留する残余トナーはクリーニングブレード18によってOPC2から除去されてクリーナハウジング17に収容されるようになっているが、その一部は除去されずに、クリーニングブレード18をすり抜けて帯電部材9の方へ移動し、この帯電部材9に付着するようになる。また、所定期間画像形成が行われている間に現像器から飛散したトナーも帯電部材9に付着する場合や、感光体2周辺の飛び散っているちりやほこりが帯電部材9に付着する場合がある。このため、この例の画像形成装置1では、帯電部材9に付着した異物を清掃部材10で定期的に除去するようにしている。
【0024】
清掃部材10による帯電部材9の異物除去は、清掃時以外は帯電部材9から離間している清掃部材10を清掃部材離接駆動手段の作動で弾性部材12の弾性力で帯電部材9に所定の押圧力で当接させ、この状態でこの帯電部材9を回転することにより行われる。こうして、前述のような、クリーニング部材18をすり抜けて帯電部材9に付着蓄積した異物、所定期間画像形成が行われている間に現像器から飛散して帯電部材9に付着蓄積した異物、および感光体2周辺に飛び散って帯電部材9に付着蓄積したちりやほこり等の異物は、それぞれ清掃部材10によって除去される。清掃部材10によって除去された異物はクリーナハウジング17内に収容されるか、クリーナハウジング17とは別に収容部を設けた場合はその収容部に収容される。
【0025】
ところで、この例の画像形成装置1においても、クリーニング部材18の端とシール部材19,20との間にはそれぞれ隙間a1,a2が存在しているため、これらの隙間a1,a2を通してトナーが帯電部材9の方へ漏れてしまう。その場合、この例の画像形成装置1では、帯電部材9の幅α、クリーニング部材18の幅β、清掃部材10の幅δおよびOPC2上の画像領域の幅εが、帯電部材9の幅α≧クリーニング部材18の幅β>清掃部材10の幅δ>OPC2上の画像領域の幅εに設定されているため、帯電部材9の方へ漏れたトナーは清掃部材10による帯電部材9の清掃領域外に偏って付着蓄積するようになる。その場合、隙間a1,a2を通して漏れるトナーは、OPC2の画像領域内でのトナー漏れよりも多いので、帯電部材9の清掃領域外に偏って付着蓄積するトナー量も多くなる。しかし、多くのトナーが偏って付着蓄積する帯電部材9の場所は清掃部材10による清掃領域外であるため、清掃部材10による帯電部材9の異物除去の際、清掃部材10は多くのトナーが偏って付着蓄積する帯電部材9の場所を清掃することはない。
【0026】
したがって、清掃部材10に多くのトナーが偏って付着蓄積することはなく、清掃部材10内への蓄積トナーの偏在が解消される。これにより、清掃部材10の異物除去能力が急速に低下して比較的早期に飽和することはなく、清掃部材10の寿命が長くなる。その結果、清掃部材10による帯電部材9の異物除去が長期にわたって効果的に行われるようになり、OPC2の画像領域での帯電不良の発生が低減する。
【0027】
一方、現像部材13a,14a,15a,16aの各端とシール部材21,22との間にもそれぞれ隙間b1,b2が存在しているため、これらの隙間b1,b2を通してトナーがクリーニング部材18の方へ漏れ、更に、クリーニング部材18へ漏れたトナーはクリーニング部材18をすり抜けて帯電部材9の方へ移動する。その場合、この例の画像形成装置1では、帯電部材9の幅α、クリーニング部材18の幅β、現像部材13a,14a,15a,16aの幅γ、清掃部材10の幅δおよびOPC2上の画像領域の幅εが、帯電部材9の幅α≧クリーニング部材18の幅β>現像部材13a,14a,15a,16aの幅γ>清掃部材10の幅δ>OPC2上の画像領域の幅εに設定されているため、クリーニング部材18からすり抜けてきたトナーは、帯電部材9の清掃部材10による清掃領域外の部分に偏って付着蓄積するようになる。このとき、隙間b1,b2を通して漏れるトナーも、OPC2の画像領域内でのトナー漏れよりも多いので、帯電部材9の清掃領域外に偏って付着蓄積するトナー量も多くなる。しかし、多くのトナーが偏って付着蓄積する帯電部材9の場所は清掃部材10による清掃領域外であるため、前述のトナーが隙間a1,a2を通して漏れる場合と同様に、清掃部材10による帯電部材9の異物除去の際、清掃部材10は多くのトナーが偏って付着蓄積する帯電部材9の場所を清掃することはない。
【0028】
したがって、現像部材13a,14a,15a,16aの両端の隙間b1,b2を通して漏れるトナーについても、クリーニング部材18の両端の隙間a1,a2を通して漏れるトナーの場合と同様に、清掃部材10に多くのトナーが偏って付着蓄積することはなく、清掃部材10内への蓄積トナーの偏在が解消される。これにより、清掃部材10の異物除去能力が急速に低下して比較的早期に飽和することはなく、清掃部材10の寿命が長くなるので、清掃部材10による帯電部材9の異物除去が長期にわたって効果的に行われ、OPC2の画像領域での帯電不良の発生が低減する。
【0029】
更に、各現像部材13a,14a,15a,16aの端部とOPC2との接触部は端部応力集中によりOPC2の他の部分より感光層の摩耗が大きくなるため、この感光層の摩耗粉および摩耗部からすり抜けるトナーも多くなる。しかし、これらの摩耗粉およびすり抜けトナーは、前述の隙間b1,b2から漏れるトナーの場合と同様に清掃部材10による清掃領域外の帯電部材9の場所に偏って付着蓄積するため、清掃部材10はこれらの摩耗粉およびすり抜けトナーが付着蓄積する帯電部材9の場所を清掃することがなく、前述と同様の作用が行われる。
【0030】
このように、この例の画像形成装置1によれば、クリーニング部材18の両端の隙間a1,a2を通して漏れるトナー、現像部材13a,14a,15a,16aの両端の隙間b1,b2を通して漏れるトナー、現像器との接触で摩耗するOPC2の感光層の摩耗粉およびこのOPC2の摩耗部からのすり抜けトナーを清掃部材10による清掃領域外の帯電部材9に付着蓄積させて、これらのトナーを清掃部材10で清掃しないようにしているので、清掃部材10内への蓄積トナーの偏在や摩耗粉の偏在を解消できる。したがって、清掃部材10の異物除去能力の急速な低下を阻止でき、早期に飽和することを防止できる。これにより、清掃部材10の寿命を長くでき、清掃部材10による帯電部材9の異物除去を長期にわたって効果的に行うことができるので、帯電部材9によるOPCの帯電不良の発生を低減できる。
【0031】
そして、清掃部材10内への蓄積トナーの偏在や蓄積摩耗粉の偏在がなくなることで、清掃部材10の形状および寸法によって規定される清掃部材10の蓄積トナー容量を最大限活用することができるようになる。これにより、清掃部材10の同一寿命を実現するにあたり、清掃部材10を小型化することが可能となり、装置の小型化および低価格化を実現できる。
【0032】
更に、蓄積トナーが偏在しないことで、清掃部材10への蓄積トナー量を多くでき、帯電部材9および清掃部材10の寿命を延ばすことができることで、消耗部品の交換期間を延長できるので、ランニングコストの低減およびユーザーメンテナンスの煩雑さの解消を図ることができる等の格別な効果も得られる。
【0033】
なお、前述の例では、各現像部材13a,14a,15a,16aの幅γも規定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、この幅γは特に規定しないで、帯電部材9の幅α≧クリーニング部材18の幅β>清掃部材10の幅δ>OPC2上の画像領域の幅εに設定することもでき、これにより、クリーニング部材18の両端の隙間a1,a2からのトナー漏れに対して前述の作用効果を奏する。
【0034】
また、前述の例では、本発明をフルカラ−の中間転写型の画像形成装置に適用して説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、感光体を帯電する帯電部材とこの帯電部材を清掃する清掃部材とを備える画像形成装置であれば、どのような画像形成装置にも適用することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の画像形成装置によれば、クリーニング部材の両端の隙間から帯電部材の方へ漏れたトナーの清掃部材内への偏在を解消しているので、清掃部材の異物除去能力が急速に低下して比較的早期に飽和するのを防止でき、清掃部材の寿命を延ばすことができる。これにより、清掃部材による帯電部材の異物除去を長期にわたって効果的に行うことができ、感光体の画像領域での帯電不良の発生を低減できる。
【0036】
また、清掃部材内への蓄積トナー量の偏在がなくなることで、清掃部材の形状および寸法によって規定される清掃部材の蓄積トナー容量を最大限活用することができる。これにより、清掃部材の同一寿命を実現するにあたり、清掃部材を小型化することが可能となり、装置の小型化および低価格化を実現できる。更に、清掃部材への蓄積トナー量を多くでき、帯電部材および清掃部材の寿命を延ばすことができることで、消耗部品の交換期間を延長できるので、ランニングコストの低減およびユーザーメンテナンスの煩雑さの解消を図ることができる等の格別な効果も得られる。
【0037】
これに加えて、請求項2の発明によれば、現像部材の両端の隙間から漏れたトナーの清掃部材内への偏在も解消しているので、清掃部材の異物除去能力がより急速に低下して比較的早期に飽和するのを防止でき、清掃部材の寿命をより一層延ばすことができる。これにより、清掃部材による帯電部材の異物除去を長期にわたってより効果的に行うことができ、感光体の画像領域での帯電不良の発生をより一層低減できる。
【0038】
更に、各現像部材の端部との接触で摩耗する感光体の感光層の摩耗粉および摩耗部からすり抜けるトナーについても、前述の現像部材の両端の隙間から漏れるトナーの場合と同様にこのトナーの清掃部材内への偏在も解消しているので、清掃部材の寿命を更に延ばすことができ、清掃部材による帯電部材の異物除去を長期にわたって更に効果的に行うことができ、感光体の画像領域での帯電不良の発生を更に一層低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の実施の形態の一例が適用されたフルカラ−の中間転写型の画像形成装置を模式的に示す図である。
【図2】図1に示す例の画像形成装置に用いられている帯電部材、現像部材、クリーニング部材および清掃部材の各幅の大小関係を示す図である。
【符号の説明】
1…画像形成装置、2…感光体(OPC)、3…帯電装置、5…現像装置、7…クリーニング装置、8…ハウジング、9…帯電部材、10…清掃部材、11…保持部材、12…スプリング、13,14,15,16…現像器、13a,14a,15a,16a…現像部材、18…クリーニング部材、19,20,21,22…シール部材、a1,a2,b1,b2…隙間
Claims (2)
- 静電潜像が形成される感光体と、この感光体に接触して回転しながら感光体を帯電する帯電装置と、前記感光体上の静電潜像を現像する現像器と、現像された前記感光体上の像の転写後、感光体を清掃するクリーニング装置と、前記帯電部材に対して離接可能に設けられて前記帯電部材を清掃する清掃部材とを少なくとも備えている画像形成装置において、
前記感光体上の、画像が形成される画像領域、前記帯電装置の帯電部材、前記クリーニング装置のクリーニング部材および前記清掃部材の各幅が、それぞれ、
帯電部材の幅≧クリーニング部材の幅>清掃部材の幅>感光体上の画像領域の幅
に設定されていることを特徴とする画像形成装置。 - 更に、前記現像器の現像部材の幅が、
帯電部材の幅≧クリーニング部材の幅>現像部材の幅>清掃部材の幅>感光体上の画像領域の幅
に設定されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29651799A JP3624937B2 (ja) | 1999-10-19 | 1999-10-19 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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