JP3722195B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯電ローラ等の帯電装置を感光体に接触させてこの感光体を帯電し、帯電した感光体上に静電潜像を形成することで画像を形成する画像形成装置の技術分野に属し、特に、帯電装置の帯電部材に付着したトナー等の異物を除去するための帯電部材の清掃部材を備え、この清掃部材を帯電部材に押し当てるようになっている画像形成装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
静電複写機やプリンタ等の画像形成装置は感光体を帯電する帯電装置を備えており、この帯電装置として、従来、コロナ帯電が広く利用されている。しかし、このコロナ帯電はオゾンや窒素酸化物が発生して感光体などの表面に付着するので、画像欠陥を起こすという問題がある。
【0003】
そこで、帯電装置として、電圧を印加した例えばウレタンゴム等からなる帯電部材を感光体に接触させて感光体を帯電させるという接触帯電方式が、例えば特開昭63−149668号公報において提案されている。このような接触帯電方式の帯電によれば、前述のコロナ帯電で発生する問題が解消される。
しかしながら、接触帯電方式は帯電部材が感光体に接触していることから、クリーニング装置からすり抜けた感光体上のトナーや現像器から飛散したトナー等の異物が帯電部材の表面に付着してしまう。このため、感光体の帯電不良が引き起こされ、画像劣化が発生してしまう。
【0004】
このようなことから、帯電部材の表面に付着したトナー等の異物を取り除くための清掃部材を備えた画像形成装置が、例えば特許第2853208号公報や特開平07−128954号公報等において提案されている。これらの画像形成装置の清掃部材は帯電部材に押し当てられてこの帯電部材に付着しているトナー等の異物を機械的に掻き取ることで、帯電部材の表面が清掃され、感光体の帯電が良好になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の帯電部材の清掃部材を備えた画像形成装置では、機械的に掻き取られたトナー等の異物が帯電部材の回転による遠心力や異物自身の重力などにより、帯電部材の周辺に飛散し、プロセスカートリッジや画像形成装置内を汚染し、画像形成装置の品質を劣化させるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、機械的に掻き取られたトナー等の異物の飛散をできるだけ抑制して、この異物による汚染を効果的に防止することのできる画像形成装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、請求項1の発明は、静電潜像が形成される感光体と、この感光体に接触して感光体を帯電する帯電部材と、この帯電部材に押し当てられて前記帯電部材を清掃する清掃部材とを少なくとも備えている画像形成装置において、前記清掃部材の前記帯電部材回転方向上流側部分における剛性が、前記清掃部材の前記帯電部材回転方向下流側部分における剛性より大きくなるように設定されており、前記清掃部材が多数の弾性線材でブラシ状に形成されており、前記清掃部材の前記帯電部材回転方向上流側部分における弾性線材の径が前記清掃部材の前記帯電部材回転方向下流側部分における弾性線材の径より大きく設定されている
ことを特徴としている。
【0008】
また、請求項2の発明は、静電潜像が形成される感光体と、この感光体に接触して感光体を帯電する帯電部材と、この帯電部材に押し当てられて前記帯電部材を清掃する清掃部材とを少なくとも備えている画像形成装置において、前記清掃部材の前記帯電部材回転方向上流側部分における剛性が、前記清掃部材の前記帯電部材回転方向下流側部分における剛性より大きくなるように設定されており、前記清掃部材が多数の弾性線材でブラシ状に形成されており、前記清掃部材の前記帯電部材回転方向上流側部分における弾性線材の密度が前記清掃部材の前記帯電部材回転方向下流側部分における弾性線材の密度より大きく設定されていることを特徴としている。
【0011】
【作用】
このように構成された請求項1に係る発明の画像形成装置においては、清掃部材の帯電部材回転方向上流側部分の剛性が大きく設定されるとともに、清掃部材の帯電部材回転方向下流側部分の剛性が小さく設定されることから、同様に帯電部材回転方向上流側部分で帯電部材の汚れが機械的に除去され、除去された汚れのなかのトナーが飛散しても、このトナーは帯電部材回転方向下流側部分で捕獲されるようになる。
特に、清掃部材を多数の弾性線材でブラシ状に形成するとともに帯電部材回転方向下流側部分の弾性線材の径を帯電部材回転方向上流側部分の弾性線材の径より小さく設定することで、帯電部材回転方向上流側部分で帯電部材に強く付着しているトナーを除去し、この帯電部材回転方向上流側部分では除去することができない、微小なトナー等の異物は帯電部材回転方向下流側部分で効果的に取り除かれるようになる。
これにより、トナーによる画像形成装置内の汚染が効果的に防止され、画像形成装置の品質が向上する。
【0012】
また、請求項2に係る発明の画像形成装置においては、清掃部材の帯電部材回転方向上流側部分の剛性が大きく設定されるとともに、清掃部材の帯電部材回転方向下流側部分の剛性が小さく設定されることから、同様に帯電部材回転方向上流側部分で帯電部材の汚れが機械的に除去され、除去された汚れのなかのトナーが飛散しても、このトナーは帯電部材回転方向下流側部分で捕獲されるようになる。
特に、清掃部材を多数の弾性線材でブラシ状に形成するとともに帯電部材回転方向下流側部分の弾性線材の密度を小さく設定することで、密度の高い帯電部材回転方向上流側部分によって強く除去されたトナーの捕獲能力が向上する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の実施の形態の一例が適用されたフルカラ−の中間転写型の画像形成装置を模式的に示す図である。
図1に示すように、この例の画像形成装置1は、感光体(以下、OPCともいう)2、帯電装置3、露光装置4、現像装置5、中間転写装置6、およびクリーニング装置7を備えているとともに、図示しないが中間転写装置6の転写ベルト6aに転写された中間転写画像を転写紙等の転写材に転写する転写装置および転写材に転写された転写画像を定着する定着装置を備えている。
帯電装置3、露光装置4、現像装置5、中間転写装置6、およびクリーニング装置7は、従来の画像形成装置と同様にOPC2の周囲にこれらの順に図において時計回りに配設されている。
【0017】
帯電装置3は、OPC2に接触してこのOPC2を帯電するためにハウジング8に回転可能に支持された帯電ローラ等の帯電部材9、帯電部材9に対して離接可能に設けられ、この帯電部材9の表面を清掃するための清掃部材10、清掃部材10を保持し、この清掃部材10を帯電部材3に対して離接させるように作動する保持部材11、保持部材11の、清掃部材10を保持する側と反対側の面に設けられた例えばコイルばねやV字状ばね等からなり、清掃部材10を帯電部材3に押圧する弾性部材12、清掃部材10を帯電部材9に対して接触または離間するために保持部材11を作動する図示しない駆動手段を備えている。保持部材11に清掃部材10を組み付けることで清掃ユニット13が構成されている。この清掃ユニット13は、清掃部材10が帯電部材9から離間した離間位置と清掃部材10が帯電部材9に当接した接触位置とが設定されて、これらの位置の間を移動可能となっており、清掃を行わない通常時は離間位置に設定されるようになっている。
【0018】
図2に示すように、この例の画像形成装置1においては、清掃部材10および保持部材11からなる清掃ユニット13は、互いにまったく同じ2つの第1および第2清掃ユニット13a,13bから構成されている。これらの第1および第2清掃ユニット13a,13bは、それぞれ、第1および第2清掃部材10a,10bと第1および第2保持部材11a,11bとからなっており、それらの軸方向長さが帯電部材9の帯電部9bの軸方向長さに等しいかそれより若干長く設定されている。また、第1および第2清掃ユニット13a,13bの各清掃部材10a,10bは、それぞれ多数の繊維状の線部材からブラシ状に形成されている。
そして、図2において帯電部材9の最上面を境に、第1清掃ユニット13aが図の右側、つまり帯電部材9の回転方向上流側に配置されているとともに、第2清掃ユニット13bが図の左側、つまり帯電部材9の回転方向下流側に配置されている。
【0019】
更に、この例の画像形成装置1では、第1および第2清掃ユニット13a,13bは、図示しないが清掃部材12を帯電部材9に押圧する弾性部材12がそれぞれ個別に設けられている。また、その場合、各弾性部材がそれぞれ各清掃部材10a,10bを帯電部材9に押圧する押圧力F,F′は、第1清掃ユニット13aの第1清掃部材10aの押圧力Fの方が第2清掃ユニット13bの第2清掃部材10bの押圧力F′より大きく(F>F′)なるように設定されている。換言すれば、第1清掃部材10aの帯電部材9への当接荷重が第2清掃部材10bの帯電部材9への当接荷重より大きく設定されている。
【0020】
このように構成されている帯電装置3は、前述の特許第2853208号公報に開示されているような、OPC2が収容された1つのプロセスカートリッジを用いた画像形成装置1においては、このプロセスカートリッジに一緒に設け、また、特開平07−128954号公報に開示されているような、清掃部材10が画像形成装置本体に設けられている画像形成装置1においては、この画像形成装置本体に一緒に設けるようにする。
【0021】
現像装置5は、従来のフルカラーの画像形成装置の現像器と同様に、イエロー、マゼンタ、シアン、および黒の各現像器15,16,17,18を備えており、これらの各現像器15,16,17,18はOPCの外周に沿って配設されている。その場合、各色の現像器15,16,17,18の配設順序は、前述の順序に限定されることなく任意に設定される。なお、以下の説明では、説明の便宜上、前述の色の順序、つまり、イエロー、マゼンタ、シアン、および黒の順で各現像器15,16,17,18が配設されているものとする。
クリーニング装置7も、従来のフルカラーの画像形成装置と同様にクリーナハウジング19およびクリーニングブレード20を備えている。その場合、クリーナハウジング19は、図示のように帯電装置3のハウジング8と一体に形成されている。なお、クリーナハウジング19はハウジング8と別体に形成することもできる。
【0022】
このように構成されたこの例の画像形成装置1の作動について説明する。
まず、通常時は、清掃部材10は図示しないが離間位置に設定されて帯電部材9から離間している。画像形成にあたり、従来の一般的な画像形成装置と同様に帯電部材9でOPC2の表面に帯電させた後、露光装置4で画像がOPC2上の帯電された部分に静電潜像として露光される。そして、このOPC2上の静電潜像がイエロー、マゼンタ、シアン、および黒の各現像器15,16,17,18で順に現像されて可視像化され、更に、OPC2上の現像画像が中間転写装置6を介して転写装置(不図示)に送られ、この転写装置で色合わせを行い転写材(不図示)に転写された後、定着装置(不図示)で定着することにより、転写材上に所望の画像が得られるようになる。
【0023】
そして、現像画像が転写材に転写された後、OPC2上に残留する残余トナーはクリーニング装置7のクリーニングブレード20によって除去され、クリーナハウジング19に収容される。こうして、画像形成装置1により、画像形成が終了し、OPC2が除電された後、次の画像形成のため、OPC2が帯電部材9によって再び帯電され、以下同様の画像形成工程が行われる。
【0024】
ところで、転写後、OPC2上に残留する残余トナーはクリーニングブレード20によってOPC2から除去されてクリーナハウジング19に収容されるようになっているが、その一部は除去されずに、クリーニングブレード20をすり抜けて帯電部材9の方へ移動し、この帯電部材9に付着するようになる。また、所定期間画像形成が行われている間に現像器から飛散したトナーも帯電部材9に付着する場合や、感光体2周辺の飛び散っているちりやほこりが帯電部材9に付着する場合がある。このため、この例の画像形成装置1では、定期的に清掃工程が行われ、帯電部材9に付着した異物が清掃部材10によって除去される。
【0025】
この清掃工程では、まず、駆動手段が駆動されて、各第1および第2清掃ユニット13a,13bがともに接触位置に設定される。これにより、各清掃部材10a,10bは、ともに帯電部材9に接触し、この帯電部材9を押圧する。このとき、第1清掃ユニット13aの第1清掃部材10aの帯電部材9への当接荷重が、第2清掃ユニット13bの第2清掃部材10bの帯電部材9への当接荷重より大きく設定される。この状態で、帯電部材9が回転されて、帯電部材9に付着した異物が各清掃部材10a,10bによって除去される。その場合、帯電部材9の回転方向に対して上流側の第1清掃部材10aの当接荷重が下流側の第2清掃部材10bの当接荷重より大きいことから、帯電部材9の汚れは、まず上流側の第1清掃部材10aによって機械的に除去される。そして、このように機械的に除去された帯電部材9の汚れのなかのトナーが飛散すると、下流側の第2清掃部材10bの当接荷重が小さいことから、飛散したトナーは下流側の第2清掃部材10bによって捕獲され、装置内にトナーが飛散するようなことはない。
【0026】
また、下流側の第2清掃部材10bの捕獲能力が飽和すると、上流側の第1清掃部材10aによって機械的に除去されたトナーは、下流側の第2清掃部材10bによってならされて再び帯電部材9に付着するとともに、帯電部材9と一緒に回転するようになる。しかし、この再付着したトナーはその付着力(ファンデルワールス力)が弱く、OPC2と接触すると、OPC2上にこの付着物が移行するようになる。移行したトナーは最終的にはプロセスカ−トリッジ8内に配設されているクリーニングブレード20によってかき落とされて、クーリング装置7のクリーナハウジング19内に回収される。したがって、画像形成装置内がトナーで汚染されることはない。
帯電部材9が所定時間回転すると、帯電部材9が停止された後、再び駆動手段が駆動され、各清掃ユニット13a,13bがとも離間位置に設定される。これにより、各清掃部材10a,10bは帯電部材9から離間され、清掃工程が終了する。
【0027】
このように、この例の画像形成装置1によれば、上流側の第1清掃部材10aで帯電部材9の汚れを機械的に除去し、除去された汚れのなかのトナーが飛散しても、このトナーを下流側の第2清掃部材10bで捕獲しているので、トナーによる画像形成装置内の汚染が効果的に防止できるようになる。これにより、画像形成装置の品質を向上させることができる。
【0028】
図3は、本発明の実施の形態の他の例に用いられている帯電装置を部分的にかつ模式的に示す、図2と同様の図である。
前述の図2に示す例では、互いにまったく同じ2つの清掃ユニット13a,13bを帯電部材9の回転方向に配設し、帯電部材9の回転方向上流側の第1清掃部材10aの帯電部材9に対する押圧力Fが、帯電部材9の回転方向下流側の第2清掃部材10bの帯電部材9に対する押圧力F′より大きくなるように設定しているが、この例の画像形成装置1では、1つの清掃ユニット13が用いられている。
【0029】
この例の清掃ユニット13は1つの保持部材11を備えており、この保持部材11は、図3において帯電部材9の最上面を境に、図の右側つまり帯電部材9の回転方向上流側に位置する部分11cが、図の左側つまり帯電部材9の回転方向下流側に位置する部分11dより帯電部材9の方へ突出している。そして、これらの部分11c,11dには、それぞれ前述の例の各清掃部材10の材料と同じ材料で同じ太さの弾性線材からなる清掃部材10c,10dが多数取り付けられている。その場合、図示しないが各清掃部材10c,10dの弾性線材の自由長は、上流側の清掃部材10cの長さの方が下流側の清掃部材10dの長さよりも短く設定されている。すなわち、上流側の清掃部材10cの剛性が下流側の清掃部材10dの剛性より大きく設定されている。
この例の画像形成装置の他の構成は、前述の例と同じである。
【0030】
このように構成されたこの例の画像形成装置においては、帯電部材9の回転方向上流側の清掃部材10cの剛性が大きいことから、前述の例と同様にして、帯電部材9の汚れは、まず上流側の第1清掃部材10aによって機械的に除去され、また、下流側の第2清掃部材10bの当接荷重が小さいことから、機械的に除去された帯電部材9の汚れのなかのトナーが飛散すると、飛散したトナーは下流側の第2清掃部材10bによって捕獲され、装置内にトナーが飛散するようなことはなくなり、画像形成装置内がトナーで汚染されることはない。
【0031】
特に、下流側の清掃部材10dの弾性線材の自由長が長いと、上流側の清掃部材10cによって強く除去されたトナーの捕獲能力が向上する。その場合、ブラシ状に形成されている場合は、弾性線材の長さが長くなることにより、その表面積が格段に増えて一種のフィルターのような役割を果たすようになり、トナー回収の循環性が格段に向上する。
この例の他の作用効果は前述の例と同じである。
【0032】
なお、上流側の清掃部材10cと下流側の清掃部材10dとで、剛性を変える方法としては、前述の自由長を変える方法以外に、上流側の清掃部材10cにヤング率の大きい材質を用い、また下流側の清掃部材10dにヤング率の小さい材質を用いる方法、あるいは、上流側の清掃部材10cの弾性線材の径を大きく設定し、また下流側の清掃部材10dの弾性線材の径を小さく設定する方法、さらに、上流側の清掃部材10cの弾性線材の密度を大きく設定し、また下流側の清掃部材10dの弾性線材の密度を小さく設定する方法等がある。
【0033】
その場合、上流側の清掃部材10cの材料のヤング率が大きいと、この上流側の清掃部材10cの帯電部材9との接触部での往復運動が大きく激しくなる。したがって、上流側の清掃部材10cによる帯電部材9に付着するトナーの除去能力が格段に向上する。一方、下流側の清掃部材10dの材料のヤング率が小さいと、この清掃部材10dの往復運動は小さく弱くなる。したがって、上流側と下流側とで清掃部材の往復運動の周期が異なり、両清掃部材10c,10d間で空気の対流が起こる。この対流により、上流側の清掃部材10cによって除去されたトナーはあまり飛散することがなく、両清掃部材10c,10d間に留まらせることが可能となる。
【0034】
また、下流側の清掃部材10dの弾性線材の径を上流側の清掃部材10cの径より小さく設定することで、上流側の清掃部材10cで帯電部材9に強く付着しているトナーを除去し、この上流側の清掃部材10cでは除去することができない、微小なトナー等の異物を径の小さい下流側の清掃部材10dで効果的に取り除くことができるようになる。
更に、下流側の清掃部材10dの弾性線材の密度が小さいと、密度の高い上流側の清掃部材10cによって強く除去されたトナーの捕獲能力が向上する。
【0035】
更に、前述の各例では、上流側の清掃部材10cと下流側の清掃部材10dとの2つに単純に分けて、弾性線材の自由長あるいは径を2種類しか用いていないようになっているが、弾性線材の自由長あるいは径を上流側から下流側にかけて徐々に小さく設定することもできる。更に、前述の異なるヤング率、異なる径、あるいは異なる密度を用いる方法も、それぞれ、上流側から下流側にかけてヤング率、径、あるいは密度が徐々に小さくなるように設定することもできる。
【0036】
更に、前述の各例では、多数の弾性線材をブラシ状に用いているが、本発明はスポンジ等のブロック状の弾性面材を用いることもできる。その場合、ブロック状の弾性面材の厚みが前述の弾性線材に自由長に相当し、その厚み(自由長)を変えることで剛性を変えるようにすることもできる。更に、ブロック状の弾性面材のヤング率を変えるようにしてもよい。
また、前述の例では、本発明をフルカラーの画像形成装置に適用して説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも感光体、この感光体を帯電する帯電部材、およびこの帯電部材の清掃部材を備える画像形成装置であれば、どのような画像形成装置にも適用することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の画像形成装置によれば、帯電部材回転方向上流側部分で帯電部材の汚れを機械的に除去し、除去した汚れのなかの飛散したトナーを帯電部材回転方向下流側部分で捕獲するようにしているので、トナーによる画像形成装置内の汚染を効果的に防止でき、画像形成装置の品質を向上させることができる。
【0038】
特に、請求項1の発明によれば、清掃部材を多数の弾性線材でブラシ状に形成するとともに帯電部材回転方向下流側部分の弾性線材の径を帯電部材回転方向上流側部分の弾性線材の径より小さく設定しているので、帯電部材回転方向上流側部分で帯電部材に強く付着しているトナーを除去し、この帯電部材回転方向上流側部分では除去することができない、微小なトナー等の異物は帯電部材回転方向下流側部分で効果的に取り除くことができる。
また、請求項2の発明によれば、清掃部材を多数の弾性線材でブラシ状に形成するとともに帯電部材回転方向下流側部分の弾性線材の密度を小さくしているので、密度の高い帯電部材回転方向上流側部分によって強く除去されたトナーの捕獲能力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像形成装置の実施の形態の一例が適用されたフルカラ−の中間転写型の画像形成装置を模式的に示す図である。
【図2】 図1に示す画像形成装置に用いられている帯電部材の清掃部材の一例を模式的に示す図である。
【図3】 図1に示す画像形成装置に用いられている帯電部材の清掃部材の他の例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1…画像形成装置、2…感光体(OPC)、3…帯電装置、5…現像装置、7…クリーニング装置、8…ハウジング、9…帯電部材、9a…回転軸、9b…帯電部、10…清掃部材、10a…第1清掃部材、10b…第2清掃部材、11…保持部材、11a…第1保持部材、11b…第2保持部材、12…弾性部材、13…清掃ユニット、13a…第1清掃ユニット、13b…第2清掃ユニット
Claims (2)
- 静電潜像が形成される感光体と、この感光体に接触して感光体を帯電する帯電部材と、この帯電部材に押し当てられて前記帯電部材を清掃する清掃部材とを少なくとも備えている画像形成装置において、
前記清掃部材の前記帯電部材回転方向上流側部分における剛性が、前記清掃部材の前記帯電部材回転方向下流側部分における剛性より大きくなるように設定されており、
前記清掃部材が多数の弾性線材でブラシ状に形成されており、前記清掃部材の前記帯電部材回転方向上流側部分における弾性線材の径が前記清掃部材の前記帯電部材回転方向下流側部分における弾性線材の径より大きく設定されていることを特徴とする画像形成装置。 - 静電潜像が形成される感光体と、この感光体に接触して感光体を帯電する帯電部材と、この帯電部材に押し当てられて前記帯電部材を清掃する清掃部材とを少なくとも備えている画像形成装置において、
前記清掃部材の前記帯電部材回転方向上流側部分における剛性が、前記清掃部材の前記帯電部材回転方向下流側部分における剛性より大きくなるように設定されており、
前記清掃部材が多数の弾性線材でブラシ状に形成されており、前記清掃部材の前記帯電部材回転方向上流側部分における弾性線材の密度が前記清掃部材の前記帯電部材回転方向下流側部分における弾性線材の密度より大きく設定されていることを特徴とする画像形成装置。
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