JP3622193B2 - 釘打機、タッカ等のバンパ - Google Patents

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Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は釘打機、タッカ等の打撃ピストンの下面を受けるバンパに関する。
【０００２】
【従来技術】
一般に、釘打機、タッカ等に用いられるバンパは、打撃ピストンを摺動自在に収容した打撃シリンダの下部に設けられて打撃時に駆動された上記打撃ピストンの下面を受けるものであるが、打撃ピストンの衝撃を効率よく緩和するにはバンパの体積が大きいほうが好ましい。ところが、バンパが打撃ピストンに比べて大きいと、図５（ａ） に示すように打撃時の衝撃によりバンパ１０の上面が損傷する。特に、ピストン径が小さいタッカの場合には、バンパ１０も小さくなるため、打撃時の衝撃の緩和吸収を効率よくするために、中心の穴を楕円形状にし、バンパの一部を肉厚にしてバンパ全体のボリュームを減らさないようにする必要がある。そこで、タッカのドライバ１１は断面Ｉ型であることに鑑み、ドライバ１１を挿通するバンパ１０の中心孔１２の断面を同図（ｂ） に示すように楕円形にすることが考えられた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、穴を楕円形にした場合、打撃ピストンによる衝撃を受けたときに肉薄部分１３に応力が集中し、均等な負荷バランスが得られないために設計が困難なほか、サイズの割にバンパ性能や寿命もよくないという問題があった。
【０００４】
そのため、高圧の圧縮空気を使用するタッカなどのように出力エネルギが大きく、ピストンが小径であるものにおいては、十分な大きさを確保することができないため、緩衝性能が高く、長寿命のバンパを設計することは非常に困難となっている。
【０００５】
本発明は上記問題点を解消し、ピストンが小径であっても十分な緩衝性能を有するとともに、耐久性にも優れる釘打機、タッカ等のバンパを提供することをその課題とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明に係る釘打機、タッカ等のバンパは、釘等のファスナーを打込む打撃ピストンを摺動自在に収容した打撃シリンダの下部に設けられて上記打撃ピストンの下面を受けるための、釘打機、タッカ等のバンパであって、上記打撃ピストンの下方に設けられたドライバの上部断面、上記バンパの平面及び該バンパの中心孔の断面をそれぞれ円形とするとともに、上記バンパを、その上部外径が打撃ピストンの外径と略同径で、その下部外径が上部外径よりも大径の縦長形状となるように形成し、上記中心孔の上部内面とドライバの外面との間にわずかな隙間を形成したことを特徴とする。
【０００７】
【発明の実施の形態】
図１はタッカのボディＡに配置された打撃機構部分を示すもので、符号１は打撃シリンダ、２は打撃ピストン、３はバンパを示す。打撃シリンダ１の下方にはノーズ部４が配設されている。ノーズ部４には送り機構によりステープル釘（図示せず）が送り込まれるように構成されている。打撃ピストン２は打撃シリンダ１内に摺動自在に収容され、打撃シリンダ１の上部内に供給された圧縮空気によって駆動され、ノーズ部４内のステープル釘を打撃するとともに、この打ち込み駆動した打撃ピストン２の下面はバンパ３に受け止められ、打撃時の衝撃はバンパ３によって緩和吸収される。
【０００８】
図２（ａ） （ｂ） に示すように打撃ピストン２の下方にはドライバ６が一体に結合されている。ドライバ６の上部６ａの断面は円形に形成され、その下方部分６ｂの断面はＩ字形に形成されている。
【０００９】
バンパ３はゴム等の弾性材から構成され、図３（ａ） （ｂ） に示すように、その平面及び中心孔７の断面はそれぞれ円形であり、ボディＡの下部に装着されている。そして、バンパ３は上部の小径部３ａと中間部３ｂと下部大径部３ｃとから縦長形状に連続形成されている。
【００１０】
上部小径部３ａは垂直に形成され、その外径は打撃ピストン２の外径と略同じになるように形成され、かつ図４（ａ） のように上部小径部３ａの中心孔７にドライバ６が嵌挿したときに、中心孔７の内面とドライバ６の外面との間にはわずかな隙間８が形成されている。また、上部小径部３ａの高さＨは、打撃ピストン２の下面が当たったときの衝撃による撓み量ｈよりも大きくなるように形成されている。
【００１１】
下部大径部３ｃの外形は垂直で、その外径は上部外径よりも大径に形成されている。また、中心孔７は下側が広く、上側が狭くなるように形成されている。
【００１２】
中間部３ｂは、下側が広く、上側が狭くなるように形成されて上部小径部３ａと下部大径部３ｃとを連結している。
【００１３】
上記構成において、打撃時に打撃ピストン２を駆動すると、ドライバ６はバンパ３の中心孔７を通って下動し、ノーズ部４内のステープル釘を打撃する。そして、その下死点で図４（ｂ） のように打撃ピストン２の下面がバンパ３の上面に衝撃的に当たる。中心孔７の内面とドライバ６の外面との間にはわずかな隙間８が形成されているから、打撃時の衝撃により、バンパ３の上部小径部３ａは内方に撓み、中心孔７の内面はドライバ６の丸い部分の外面に押し付けられ、強い制動がかけられる。
【００１４】
このように、バンパ３の平面及び中心孔７の断面はそれぞれ円形であるから、応力集中や偏った変形を防止することができるため、不要な部分がなく、十分な性能と耐久性を保持した状態で小型化が可能となり、均等に変形するため、設計が容易である。
【００１５】
上部小径部３ａの外径は打撃ピストン２の外径と略同じに形成されているから、打撃時の衝撃によりバンパ３の上面が損傷することはない。
【００１６】
また、バンパ３の上部小径部３ａの中心孔７の内面とドライバ６の外面との間にはわずかな隙間８が形成されているから、打撃ピストン２の衝撃力によってバンパ３の上部小径部３ａは変形するが、その変形は隙間のある内側に変形するので、ドライバ６にブレーキをかけた形となって強い制動力が得られる。このように、摩擦による制動力が得られ、上下方向の圧縮のみで衝撃によるエネルギーを吸収するものではないから、バンパ３の全体の高さ寸法を抑えることができる。また、バンパ３とドライバ６との隙間８を調整することにより、緩衝性能を自在に設定することができる。
【００１７】
さらに、上部小径部３ａの高さは、衝撃による撓み量よりも大きくなるように形成されているから、圧縮された部分は外側に逃げられないので、ブレーキングによる制動効果が得られ、また変形量は小さいので、損傷しにくく、寿命も長くなる。
【００１８】
以上説明したことから、上記バンパ３は、十分な緩衝性能を備えるとともに、撓み過ぎによる損傷を防いで耐久性にも優れるので、高圧の圧縮空気を使用することにより、打撃ピストン２が小径であっても出力エネルギが大きい工具を得ることができる。
【００１９】
なお、上記バンパはタッカに限定されない。釘打機等の他の空気圧工具にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るバンパを備えたタッカの要部の断面図
【図２】（ａ） （ｂ） は打撃ピストンの側面図及びａーａ線断面図
【図３】（ａ） （ｂ） はバンパの平面図及びｂーｂ線断面図
【図４】（ａ） （ｂ） はそれぞれ打撃前と打撃時のバンパ状態を示す断面図
【図５】（ａ） （ｂ） はそれぞれ従来のバンパと打撃ピストンの側面の断面図及びその改善型の底面図
【符号の説明】
１ 打撃シリンダ
２ 打撃ピストン
３ バンパ
６ ドライバ
７ 中心孔
８ 隙間

Claims (1)

  1. 釘等のファスナーを打込む打撃ピストンを摺動自在に収容した打撃シリンダの下部に設けられて上記打撃ピストンの下面を受けるための、釘打機、タッカ等のバンパであって、
    上記打撃ピストンの下方に設けられたドライバの上部断面、上記バンパの平面及び該バンパの中心孔の断面をそれぞれ円形とし、
    上記バンパを、その上部の外径が打撃ピストンの外径と略同径の筒形で、下部の外径が上部外径よりも大径の筒形に形成し、上記上部と下部との間を外径が上方から下方にかけて大きくなる中間部によって連続し、上記中心孔の上部内面とドライバの外面との間にわずかな隙間を形成するとともに、
    上記上部の高さは、打撃ピストンの下面が当たったときの撓み量よりも大きくなるように形成した
    ことを特徴とする釘打機、タッカ等のバンパ。
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