JP3621802B2 - 管路ユニット連結部構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は管路ユニット連結部構造、特に吸引管、送気/送水管等の管路を管路ユニットで分離できるように構成した内視鏡で、この管路ユニットを本体側に接続する連結部の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の例えば電子内視鏡(スコープ)部分は、CCD(Charge Coupled Device)を有する先端部、挿入部、操作部、ケーブルからなり、このケーブルを光源装置及びプロセッサ装置に接続するようになっている。そして、この内視鏡本体及びケーブルには、ライトガイドや電気信号線が配置され、また先端部へ送気/送水をするための送気管及び送水管や、処置具の挿入及び被観察体内の内容物を吸引する吸引管等が配置される。
【0003】
このような内視鏡によれば、光源装置の光がライトガイドを介して先端部から照射され、これに基づいてCCDにより被観察体内が撮像・観察される。またこのとき、上記送気管及び送水管を用いて先端部から観察窓等へ送気及び送水ができ、上記吸引管を用いて処置具の挿入や被観察体内の汚物等の吸引・排出が可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の内視鏡装置は、医療現場で用いられることから上記各種管路の洗浄や殺菌消毒等が必要であり、この洗浄、消毒を効率よく行うために、上記管路を途中で分離することが提案されている。これによれば、洗浄ブラシによる洗浄が容易となると共に、分離した管路ユニットにつき、オートクレーブ等による滅菌処理等ができることになる。
【0005】
そして、この管路分離型の内視鏡の連結部は、例えば図7に示されるような構造となる。図7では、内視鏡の本体1側に、吸引管2A、送気管3A、送水管4Aが配置され、また管路ユニット5側にも、上記各管2A,3A,4Aのそれぞれを結合する状態で、吸引管2B、送気管3B、送水管4Bが突出して設けられる。
【0006】
しかしながら、このような連結部では、本体1から管路ユニット5を取り外す際に、吸引管2Aから落ちてきた汚れた液体等が送気管3B或いは送水管4Bに付着し又は内部へ入ることがあり、不必要に送気管3B、送水管4Bを汚すという問題がある。即ち、吸引管2A,2Bは処置具を導入すると共に、被観察体内の汚れた残留物等を吸引しており、この汚物が他の管3B,4Bに入れば衛生上好ましくないし、これらの管3B,4Bの洗浄・殺菌をする際においても、余分な作業が増えることになる。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、吸引管路に残留する液体等が他の管路に付着、侵入することを防止し、また余分な洗浄・殺菌作業を増やすことのない管路ユニット連結部構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1請求項の発明に係る管路ユニット連結部構造は、吸引管を含む各種の管路が配置された内視鏡本体に対し、管路ユニットの管路を着脱自在に取り付ける内視鏡の管路ユニット連結部において、この連結部での上記吸引管の突出長さを他の管路の突出長さよりも長くし、上記管路ユニットを外すとき各種管路の内、上記吸引管が最後に抜けるようにしたことを特徴とする。上記の管路の突出長さの調整は、管路ユニット側又は内視鏡本体側のいずれでも行うことができる。
第2請求項の発明は、上記連結部に、回転を規制しかつ連結の位置決めをする位置決め部材を設け、この位置決め部材の長さを各種管路の長さよりも長くしたことを特徴とする。
【0009】
上記の構成によれば、連結部の取外しの際には、例えば管路ユニット側において送気管、送水管が外れた後に、吸引管が外れるので、内視鏡本体側の吸引管から落ちてくる汚れた液体等が送気管、送水管に付着したり、その内部へ侵入したりすることがない。また、このような連結部において、回転規制を兼ねた位置決め部材を設けた場合は、この位置決め部材を一番長くすることにより、位置決めの機能を十分に発揮することが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1乃至図5には、実施形態に係る管路ユニット連結部構造が示されており、図2(A)は、操作部側の連結部の正面を示し、図2(B)は管路ユニット側の連結部の正面を示し、図1及び図3は図2のI−I断面図、図4は図2のII−II断面図を示している。図1において、電子内視鏡10では、図示していないが、CCDを有する先端部、挿入部が設けられ、この挿入部の後側に、図示の操作部10C及び第1ケーブル10Dが設けられる。この第1ケーブル10Dは、先端部から操作部10Cまで配設されたライトガイド12及び信号線13を内包しており、ライトガイド12を光源装置へ接続し、信号線13をプロセッサ(画像処理)装置へ接続する役目をする。これにより、先端部からの光照射及び上記CCDからの画像信号の読出し等が可能となる。
【0011】
また、上記操作部10Cには、電気的スイッチである吸引釦14A、送気/送水釦(二段スイッチ)14B、ハードコピー釦15が設けられ、不図示のアングルツマミ等も配置される。そして、当該内視鏡10では、別体となる電磁弁ユニットが設けられており、この電磁弁ユニットは上記の吸引釦14A及び送気/送水釦14Bの操作信号を入力して電磁弁を開閉制御することにより、吸引、送気/送水の動作を行うことになる。
【0012】
更に、上記操作部10Cには、各種の管路が配設されており、図示の吸引管17Aは、図2に示されるように連結部の中心部に配置され、この吸引管17Aと並ぶようにして送気管18A、送水管19Aが配置される。そして、上記の操作部10Cの後端部Eに着脱自在となるように、管路ユニット21が設けられる。
【0013】
即ち、この管路ユニット21は、支持部21Aと上述した電磁弁ユニットへ接続するための第2ケーブル21Bから構成され、この管路ユニット21内には、上記の操作部10C(本体)側の各管路17A,18A,19Aに連結されることになる吸引管17B、送気管18B、送水管19Bが配置される。これらの管17B、18B、19Bは、電磁弁ユニットまで導かれる。なお、上記吸引管17Bには分岐管23を介して鉗子口24が設けられ、この鉗子口24は処置具の導入口となる。
【0014】
また、上記の操作部10Cと上記管路ユニット21との連結部は、ネジ固定式の連結構造となっている。即ち、この操作部10Cの後端部Eに、図3等にも示されるように、雄ネジを外周に形成した受け部26が取り付けられ、管路ユニット21の支持部21Aには、雌ネジを内周に形成し、回転自在となる操作リング27が設けられる。従って、この操作リング27を受け部26に螺合結合することにより、管路ユニット21を操作部10Cに接続固定することができる。
【0015】
更に、当該例の連結部では、回転規制をすると共に位置決めをする位置決め部材が設けられる。即ち、図3に示されるように、管路ユニット21の支持部21Aに、バネ29で付勢された角形棒状の位置決めキー30が設けられ、他方の受け部26側にはキー溝31が設けられており、このキー溝31に位置決めキー30を挿入することにより、管路ユニット21の連結がスムーズかつ確実に行えるようになっている。なお、これら位置決めキー30及びキー溝31を設けず、これらの位置決めの役割を、吸引管17Aと吸引管17Bの結合自体で行うこともできる。
【0016】
このような構成の連結部において、図4に示されるように、上記吸引管17Bの突出量を送気管18B及び送水管19Bの突出量よりもt1 だけ長くし、上記位置決めキー30がバネ29で付勢されているときの突出量を吸引管17Bの突出量よりもt1 だけ長くする。これによって、当該例では、上記吸引管17A等から流れてくる汚れた液体等が送気/送水管18B、19Bへ垂れることが防止される。
【0017】
当該例は以上の構成からなり、当該例の内視鏡は、上記管路ユニット21を本体側と分離して取り扱い、オートクレーブ等による滅菌処理を含めた洗浄・消毒の処理が行い易いという利点を有する。そして、この管路ユニット21を操作部10Cに連結する場合は、図3に示されるように、位置決めキー30をキー溝31へ挿入することにより、吸引管17Aと17B、送気管18Aと18B、送水管19Aと19Bの連結がスムーズかつ確実に行えると共に、連結部の一方が回転して送気/送水管18B,19Bを曲げてしまうような不都合をなくすことができる。
【0018】
一方、洗浄等のために、上記操作リング27を受け部26から外して管路ユニット21を操作部10Cから分離するときは、図5に示されるように、最初に送気管18B及び送水管19Bが抜け、その後に吸引管17Bが抜けることになる。ここで、図示される状態で、操作部10C側の吸引管17Aから汚水等が流れ出たとしても、突出長さが短くされた送気管18B、送水管19Bへ垂れて付着したり、内部へ侵入したりすることはない。
【0019】
図6には、各管路の配置位置を変えた他の例が示されており、この例では、操作部33Cの受け部34と管路ユニット35の支持部35Aに示されるように、送気管18A,18B及び送水管19A,19Bを吸引管17A,17Bの上側に配置している。ここで、図1のように操作釦14A、14B、15が設けられている方を上側とする。このような配置によれば、管路ユニット35を吸引管17Aから垂れる汚水等の付着、侵入を更に回避できるという利点がある。
【0020】
上記実施形態例では、管路ユニット21側の各種管路の長さを調整したが、逆に操作部10C,33C側の吸引管17Aの突出長さをその他の管18A,19Aの長さよりも長くするように構成してもよい。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、第1請求項の発明によれば、管路ユニットを内視鏡本体側に着脱自在に取り付ける内視鏡の連結部において、吸引管の突出長さを他の管路の突出長さよりも長くし、管路ユニットを外すとき、吸引管が最後に抜けるようにしたので、吸引管路に残留する液体等が他の管路に付着、侵入することが防止される。しかも、元々汚れが少ない管路の余分な洗浄・殺菌作業を増やすことがないという利点がある。
【0022】
第2請求項の発明によれば、回転規制を兼ねた位置決め部材を設けたときは、この位置決め部材の長さを各種管路の長さよりも長くしたので、位置決め部材の機能を損うことなく、管路ユニットの着脱をスムーズかつ確実に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例に係る管路ユニット連結部構造(特に吸引管)を示す断面図である。
【図2】図1の連結部の構成を示し、図(A)は操作部側の正面図、図(B)は管路ユニット側の正面図である。
【図3】図1の連結部を取り外したときの吸引管の構成を示し、図2のI−I線で切断した断面図である。
【図4】図1の連結部を取り外したときの送気管及び送水管の構成を示し、図2のII−II線で切断した断面図である。
【図5】実際に管路ユニットを取り外すときの吸引管とその他の管との関係を示す説明図である。
【図6】実施形態例における各管路の他の配置例を示し、図(A)は操作部側の正面図、図(B)は管路ユニット側の正面図である。
【図7】提案されている管路分離型内視鏡の連結部の管路構成を示す断面図である。
【符号の説明】
10 … 電子内視鏡、
10C,33C … 操作部、
17A,17B … 吸引管、
18A,18B … 送気管、
19A,19B … 送水管、
21,35 … 管路ユニット、
30 … 位置決めキー、
31 … キー溝。
Claims (2)
- 吸引管を含む各種の管路が配置された内視鏡本体に対し、管路ユニットの管路を着脱自在に取り付ける内視鏡の管路ユニット連結部において、
この連結部での上記吸引管の突出長さを他の管路の突出長さよりも長くし、上記管路ユニットを外すとき各種管路の内、上記吸引管が最後に抜けるようにしたことを特徴とする管路ユニット連結部構造。 - 上記連結部に、回転を規制しかつ連結の位置決めをする位置決め部材を設け、この位置決め部材の長さを各種管路の長さよりも長くしたことを特徴とする上記第1請求項記載の管路ユニット連結部構造。
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