JPH09164113A - 内視鏡の送気送液装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 送気管路および送液管路の洗浄を、操作部の
洗浄操作ボタンを一度押すだけで、全自動的に行なうこ
とができる内視鏡の送気送液装置を提供することにあ
る。 【解決手段】 送気管路６５１ａ及び送液管路６５２ａ
に送液する送液モードと、この送液モード後、前記送気
管路６５１ａ及び送液管路６５２ａに送気する送気モー
ドを有する内視鏡の送気送液装置において、前記送気管
路６５１ａと前記送液管路６５２ａは互いに独立に形成
され、前記送液モードと前記送気モードの少なくとも一
方は、前記送液管路６５２ａ及び送気管路６５１ａを同
時に行う制御手段を具備することを特徴とする内視鏡の
送気送液装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、医療用内視鏡にお
ける送気送液装置の改良に関し、さらに詳しくは、術後
における送気管路および送液管路の洗浄を、手元操作部
の洗浄操作ボタンを一度ＯＮするのみで、全自動的に行
なうことが可能な内視鏡の送気送液装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】電子内視鏡は、十二指腸、直腸、大腸、
食道、耳鼻、および膀胱などの生体の治療や検査に広く
用いられている。

【０００３】そして、内視鏡の送気送液装置は、術中に
内視鏡先端の観察光学系に付着する汚物や粘着物を除去
するために機能する。すなわち術中において、観察光学
系に汚物や粘着物が付着すると、内視鏡による観察視野
が阻害されるため、内視鏡の送液路から先端の送液ノズ
ルへ液体を供給して観察光学系に噴射させた後、さらに
送気路から先端送気ノズルへ気体を供給して観察光学系
に付着した液体を取除く作業が必要とされるのである。

【０００４】しかるに、術後において、内視鏡を患者の
体内から抜き出した後、内視鏡の送気管路および送液管
路には、体内から逆流した汚物や粘着物、および場合に
よっては造影剤などの薬物が付着しているため、定期的
に管路内を洗浄ないし消毒することがさらに必要とな
る。

【０００５】従来、内視鏡の送気送液管路を洗浄する手
段としては、管路端を内視鏡から取外して、これに注射
器のシリンダなどを連結することにより、管内に洗浄液
や気体を繰返し注入する方法および送気管路と送液管路
を何らかの手段で連結させておき、送気管路に送液し、
また送液管路に送気することが可能に構成して洗浄を行
なう方法などがとられてきた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかるに、上述した従
来の内視鏡の送気送液管路の洗浄手段は、いずれも作業
が繁雑で、術者にとってきわめて面倒であるという問題
があった。

【０００７】すなわち、注射器などを用いる洗浄手段で
は、送気管路および送液管路の端部にシリンダなどを連
結し、液体と気体を交互に繰返して注入する必要がある
ことから、操作手順が繁雑で、洗浄にきわめて長時間を
必要とする。

【０００８】また、送気管路と送液管路を連結して、送
気管路と送液管路の両者に送液と送気を繰返す方法で
は、洗浄作業中に術者が洗浄用の押ボタンを押し続けて
いなければならず、作業がかなり面倒である点に問題が
残されている。

【０００９】さらに、送気管路と送液管路を包含するス
コ―プを収納し、人手を介さずに全自動的に管路内の洗
浄を行なう洗浄装置も使用されているが、この装置では
スコ―プのセッティングが面倒であり、しかも洗浄に比
較的長時間を要するという問題がある。

【００１０】本発明は上述した従来の内視鏡の送気送液
装置が有する問題点を解決するために検討した結果、達
成されたものである。

【００１１】したがって本発明の目的は、送気管路およ
び送液管路の洗浄を、操作部の洗浄操作ボタンを一度押
すだけで、全自動的に行なうことができる内視鏡の送気
送液装置を提供することにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、送気
管路及び送液管路に送液する送液モードと、この送液モ
ード後、前記送気管路及び送液管路に送気する送気モー
ドを有する内視鏡の送液送気装置において、前記送気管
路と前記送液管路は互いに独立に形成され、前記送液モ
ードと前記送気モードの少なくとも一方は、前記送液管
路及び送気管路を同時に行う制御手段を具備することを
特徴とする。

【００１３】そして、本発明によれば、互いに独立に形
成された送気管路と送液管路とを送液した後送気してい
るので送液後の送気管路及び送液管路内の残水を確実に
除水でき、そして送液管路と送気管路を同時に送液・送
気しているので洗浄・除水処理を短時間で行うことがで
きる。

【００１４】これにより、本装置による管路内の洗浄・
除水作業は、ほとんど人手を介さず、確実かつ短時間で
効果的に達成可能である。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の内視鏡の送気送液
装置の実施の形態について図面を用いて詳細に説明す
る。

【００１６】図１は本発明の内視鏡の送気送液装置の概
略を示す斜視説明図、図２は図１における内視鏡先端部
の部分拡大斜視図、図３は内視鏡操作部の回路説明図で
あり、図４は本発明の内視鏡の送気送液装置における洗
浄制御手段の第１実施例を示す管路・回路接続説明図、
図５は同第２実施例を示す管路・回路接続説明図、図６
は同第３実施例を示す管路・回路接続説明図である。

【００１７】図１において、１は内視鏡であり、これは
先端から後端にかけて、固体撮像素子（以下ＣＣＤと略
称する）および観察光学系などを内蔵する先端部２、術
者の操作で上下左右動する屈曲部３、導中部４および本
体部Ｅから構成されている。

【００１８】そして、本体部Ｅは屈曲部３を作動する操
作ノブ５およびその他図示していない種々の操作ボタン
や電源部などを具備しており、送気・送液管路６が接続
されている。

【００１９】さらに、送気・送液管路６の一端は送気ポ
ンプ６２を具備する送液ボトル６３に連結され、他端は
図２に示した内視鏡先端部２の送気ノズル２３および送
液ノズル２４に接続されている。

【００２０】なお、図２において、２１はＣＣＤ等を内
蔵るレンズ窓から構成される観察光学系、２２ａ、２２
ｂは照明用ファイバ―、２５は生検などに利用する鉗子
口であり、前記送気ノズル２３および送液ノズル２４
は、術中において観察光学系２１表面に付着した汚物な
どを洗浄、除去するために使用される。

【００２１】そして、上述の構成からなる本発明の内視
鏡の送気送液装置は、送気・送液管路６の途中に、洗浄
制御手段６４、すなわち電磁開閉弁とタイマ―回路との
組合せを設けたことを特徴とする。

【００２２】したがって、本発明で用いる内視鏡には、
図３に示したような全体回路が構成されている。

【００２３】すなわち、図３において、操作部７および
電源部８は、光源部９、ＣＣＤによる画像処理部１０お
よび送気・送液部１１に接続されており、これら光源部
９、画像処理部１０および送気・送液部１１は、夫々コ
ネクタ―１２を経て内視鏡全体に接続されている。

【００２４】そして、上記送気・送液部１１は、さらに
図４に示した電磁弁制御部６１を介して、洗浄制御手段
６４の各電磁開閉弁６４１、６４２、６４３、６４４へ
接続（図４の点線）されている。

【００２５】本発明の特徴とする洗浄制御手段６４は、
送気管路６５１および送液管路６５２の一端が送気ポン
プ６２を具備する送液ボトル６３に、また他端が送気ノ
ズル２３および送液ノズル２４へ夫々連結されている洗
浄管路の途中において、複数の電磁開閉弁を組合せ、こ
れを電磁弁制御部６１に組込んだタイマ―回路と連動せ
しめることにより構成されている。

【００２６】すなわち図４において、洗浄制御手段６４
は、送気管路６５１に第１の電磁開閉弁６４１および第
２の電磁開閉弁６４２を、また送液管路６５２に第３の
電磁開閉弁６４３および第４の電磁開閉弁６４４を夫々
直列せしめ、上記送気管路６５１における第１の電磁開
閉弁６４１と第２の電磁開閉弁６４２の中間位置と、上
記送液管路６５２における第３の電磁開閉弁６４３と第
４の電磁開閉弁６４４の中間位置とを、連通管６５３で
連結してなり、各電磁開閉弁６４１、６４２、６４３お
よび６４４の作動は、電磁弁制御部６１に組込まれたタ
イマ―回路（図示せず）により、次表のように作動する
ようになっている。

【００２７】

【表１】 すなわち術中のモ―ドにおいて、電磁開閉弁６４１、６
４２、６４３および６４４をすべてＯＦＦすれば、送気
・送液は中止され、電磁開閉弁６４１および６４２をＯ
Ｎ、電磁開閉弁６４３および６４４をＯＦＦすれば、送
気管路６５１への送気のみが、また電磁開閉弁６４１お
よび６４２をＯＦＦ、電磁開閉弁６４３および６４４を
ＯＮすれば、送液管路６５２への送液のみが遂行され
る。

【００２８】そして術後の洗浄モ―ドにおいて、電磁開
閉弁６４１をＯＦＦ、電磁開閉弁６４２、６４３および
６４４をＯＮすれば、送液ボトル６３中の液体は電磁開
閉弁６４３から電磁開閉弁６４４へ、また電磁開閉弁６
４３から連通管６５３を通って電磁開閉弁６４２へと流
れ、送気管路６５１ａおよび送液管路６５２ａの両者を
送液されて、両管路の洗浄が一定時間行なわれる。

【００２９】次に、自動的にタイマ―を切替えて、電磁
開閉弁６４３をＯＦＦ、電磁開閉弁６４１、６４２およ
び６４４をＯＮすれば、送気ポンプ６２から送られる気
体は、電磁開閉弁６４１から電磁開閉弁６４２へ、また
電磁開閉弁６４１から連通管６５３を通って電磁開閉弁
６４４へと流れ、送気管路６５１ａおよび送液管路６５
２ａの両者へと送気されて、両管路の乾燥を一定時間行
なうことになる。

【００３０】したがって、上述した送気・送液動作を、
一定時間ずつ、必要回数繰返して行なうように、タイマ
―回路を設定しておけば、操作部７の洗浄操作ボタン
（図示せず）を一度押すだけで、確実な管路洗浄が全自
動的に短時間で達成されることになるのである。

【００３１】上述の図４に示した第１実施例において
は、連通管６５３を気体および液体が逆流しないよう
に、送気ポンブ６２の圧力を調整する必要があるが、連
通管６５３の一部に逆止弁（図示せず）を設けることに
より、逆流の心配を解消することが可能である。

【００３２】また、図５に示した第２実施例は、連通管
６５３に対し、さらに第５の電磁開閉弁６４５を設け
て、その作動をタイマ―回路に連動させた点が上述した
第１実施例と相違している。

【００３３】この第２実施例においては、送気または送
液モ―ドに応じて第５の電磁開閉弁６４５を開閉するこ
とにより、連通管６５３における送気および送液を一層
確実なものとし、管路洗浄の効率化をさらに助長するこ
とができる。

【００３４】さらに、図６に示した第３実施例は、第２
および第４の電磁開閉弁を省略した点が、上述した第１
および第２実施例と相違している。

【００３５】すなわち図６において、洗浄制御手段６４
は、送気管路６５１に第１の電磁開閉弁６４１を、また
送液管路６５２に第２の電磁開閉弁６４２を夫々設け、
上記送気管路６５１における第１の電磁開閉弁６４１と
送気ノズル２３との中間位置と、上記送液管路６５２に
おける第２の電磁開閉弁６４２と送液ノズル２４との中
間位置とを、連通管６５３で連結すると共に、この連通
管６５３に第３の電磁開閉弁６４３を設けてなり、各電
磁開閉弁６４１、６４２および６４３の作動は、電磁弁
制御部６１に組込まれたタイマ―回路（図示せず）に接
続され、次のように作動する。

【００３６】すなわち術中のモ―ドにおいて、電磁開閉
弁６４１、６４２および６４３をすべてＯＦＦすれば、
送気・送液は中止され、電磁開閉弁６４１をＯＮ、電磁
開閉弁６４２および６４３をＯＦＦすれば、送気管路６
５１a への送気のみが、また電磁開閉弁６４２をＯＮ、
電磁開閉弁６４１および６４３をＯＦＦすれば、送液管
路６５２a への送液のみが遂行される。

【００３７】そして術後の洗浄モ―ドにおいて、電磁開
閉弁６４１をＯＦＦ、電磁開閉弁６４２および６４３を
ＯＮすれば、送液ボトル６３中の液体は電磁開閉弁６４
２から送液ノズル２４へ、また電磁開閉弁６４２から連
通管６５３および電磁開閉弁６４３を通って送気ノズル
２３へと流れ、送気管路６５１ａおよび送液管路６５２
ａの両者に送液されて、両管路の洗浄が一定時間行なわ
れる。

【００３８】次に、自動的にタイマ―を切替えて、電磁
開閉弁６４２をＯＦＦ、電磁開閉弁６４１および６４３
をＯＮすれば、送気ポンプ６２から送られる気体は、電
磁開閉弁６４１から送気ノズル２３へ、また電磁開閉弁
６４１から連通管６５３および電磁開閉弁６４３を通っ
て送液ノズル２４へと流れ、送気管路６５１ａおよび送
液管路６５２ａの両者へと送気されて、両管路の乾燥を
一定時間行なうことになる。

【００３９】この第３実施例は、上述した第１および第
２実施例に比較して、装置の小形化および省力化を計る
ことが可能である。

【００４０】なお、上述した図１においては、洗浄制御
手段６４を、内視鏡１の外部に設けたが、これを内視鏡
操作部７の内部に設けることもできる。

【００４１】また、上述した各実施例においては、送気
管路６５１または送液管路６５２の両者に同時に送気ま
たは送液を行なう例について説明したが、各電磁開閉弁
の操作により、送気管路６５１または送液管路６５２の
いずれか一方にのみ送気または送液を繰返すことも勿論
可能である。

【００４２】そして、送気管路６５１および送液管路６
５２の先端は、上述した各実施例のように、送気ノズル
２３および送液ノズル２４に接続する方式以外に、両管
路の先端を連結して、単一のノズルから送液・送気を行
なう方式を採用することも可能である。

【００４３】さらに、上述した各実施例は、術後の管路
内を洗浄する操作について説明したが、術中における観
察光学系の洗浄に対して、本装置を使用することも勿論
可能である。

【００４４】

【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、特
別な洗浄装置を用いずとも、全自動的に管路内の洗浄・
除水を確実かつ短時間に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の内視鏡の送気送液装置の概略を
示す斜視説明図。

【図２】図２は図１における内視鏡先端部の部分拡大斜
視図。

【図３】図３は内視鏡操作部の回路説明図である。

【図４】図４は本発明の内視鏡の送気送液装置における
洗浄制御手段の第１実施例を示す管路・回路接続説明
図。

【図５】図５は同第２実施例を示す管路・回路接続説明
図。

【図６】図６は同第３実施例を示す管路・回路接続説明
図である。

【符号の説明】

１…内視鏡 ６…送気・送液管路 ７…操作部 ２１…観察光学系 ２３…送気ノズル ２４…送液ノズル ６１…電磁弁制御部 ６４…洗浄制御手段 ６４１…第１の電磁開閉弁 ６４２…第２の電磁開閉弁 ６４３…第３の電磁開閉弁 ６４４…第４の電磁開閉弁 ６４５…第５の電磁開閉弁 ６５１，６５１ａ…送気管路 ６５２，６５２ａ…送液管路 ６５３…連通管 Ｅ…本体部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 楳田 弘行 埼玉県春日部市備後540−６ (72)発明者 佐藤 満 東京都渋谷区恵比寿西１−14−３

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 送気管路及び送液管路に送液する送液モ
   ードと、この送液モード後、前記送気管路及び送液管路
   に送気する送気モードを有する内視鏡の送気送液装置に
   おいて、 前記送気管路と前記送液管路は互いに独立に形成され、 前記送液モードと前記送気モードの少なくとも一方は、
   前記送液管路及び送気管路を同時に行う制御手段を具備
   することを特徴とする内視鏡の送気送液装置。