JP3729971B2 - 管路分離型内視鏡装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種管路を備えた内視鏡本体から管路ユニットを連結部で分離可能とする内視鏡装置であって、上記連結部を吸引するための構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の、例えば電子内視鏡(スコープ)は、CCD(Charge Coupled Device)を有する先端部、挿入部、操作部、ケーブルからなり、このケーブルを光源装置及びプロセッサ装置に接続するようになっている。この内視鏡本体及びケーブルには、ライトガイドや電気信号線が配置され、また先端部へ送気/送水をするための送気管及び送水管や、処置具の挿入及び被観察体内の内容物を吸引する吸引管等が配置される。
【0003】
このような内視鏡によれば、光源装置の光がライトガイドを介して先端部から照射され、これに基づいてCCDにより被観察体内が撮像・観察される。そして、上記送気管及び送水管を用いて先端部から観察窓等へ送気及び送水が行われ、上記吸引管を用いて処置具の挿入や被観察体内の汚物等の吸引・排出が可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の内視鏡装置は、医療現場で用いられることから上記各種管路の洗浄や殺菌消毒等が必要であり、この洗浄、消毒を効率よく行うために、上記管路を途中で着脱自在に分離することが提案されている。これによれば、洗浄ブラシによる洗浄が容易となると共に、分離した管路ユニットにつき、オートクレーブ等による滅菌処理等ができることになる。
【0005】
しかしながら、上記のように、管路ユニットを内視鏡本体側に対し着脱自在とする構成では、連結部の取外しの際に、本体側吸引管から汚れた液体等が連結部内或いは外部へ漏出するという問題がある。即ち、この吸引管は処置具を先端側へ導くと共に、被観察体内に残留する液体等を吸引しており、この吸引管内に残っている液体等が漏れ出ると、連結部や他の送気/送水管を汚し、また外部へ垂れて内視鏡自体や関連機器を汚すことになる。従って、衛生上好ましくないし、管路ユニットを含む内視鏡の洗浄・殺菌をする際においても、余分な作業が増えることになる。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、管路内に残った汚物等を管路ユニットの取外し時に除去し、管路以外の部分への汚れの広がりが防止できる管路分離型内視鏡装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1請求項の発明に係る管路分離型内視鏡装置は、内部に管路を配設した内視鏡本体と、この本体側管路に連結可能となる管路を有する管路ユニットと、この管路ユニットを上記本体に対し着脱自在とするための連結部とを備えた管路分離型内視鏡装置であって、上記連結部内を吸引するための連結部用吸引管路を上記管路ユニット内に配設し、この連結部用吸引管路に吸引手段を接続したことを特徴とする。
第2請求項記載の発明は、上記連結部の接続時に、上記連結部用吸引管路からの吸引を実行し、上記管路ユニットの固定状態を補強するようにしたことを特徴とする。
第3請求項記載の発明は、先端部から被観察体内の内容物を吸引するために配置された被観察体内用吸引管路を上記連結部用吸引管路として用い、上記連結部では、この連結部が外れる前に上記被観察体内用吸引管が外れるように構成したことを特徴とする。
【0008】
上記の構成によれば、被観察体内の内容物(汚れた液体等)を吸引する吸引管路(第1吸引管)の他に、連結部用吸引管路(第2吸引管)が設けられており、連結部を途中まで外し、上記第1吸引管、送気/送水管が外れた状態で上記第2吸引管から吸引を実行すれば、連結部内に漏れ出る汚れた液体等を吸引することができる。従って、連結部を完全に外したとき、外部へ汚れた液体等が垂れることがない。
【0009】
また、管路ユニットの取付け時において第2吸引管路を吸引状態とすれば、管路ユニットを本体側へ吸着させる効果があり、連結部の固定状態を補強できるという利点がある。更に、上記第1吸引管が外れても連結部が接続状態となるようにして、第1吸引管を第2吸引管として代用することも可能である。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1乃至図4には、実施形態の第1例に係る管路分離型内視鏡装置の構成が示されており、まず図4により全体構成を説明する。図4において、電子内視鏡10は、撮像素子であるCCDを有する先端部10A、挿入部10B、操作部10C、第1ケーブル10Dを有し、この第1ケーブル10Dのコネクタ11が光源装置12に接続され、このコネクタ11から分岐した信号ケーブル13がプロセッサ(画像処理)装置14へ接続される。
【0011】
即ち、上記第1ケーブル10Dは、先端部から操作部10Cまで配設されたライトガイド15及び上記CCDの駆動制御及び画像信号の読出しを行うための信号線16を内包しており、上記ライトガイド15を光源装置12へ接続し、上記信号線16をプロセッサ装置14へ接続する役目をする。
【0012】
そして、上記操作部10Cの後端部に、管路ユニット18が連結部19で着脱自在に設けられる。この管路ユニット18は、支持部18Aと第2ケーブル18Bから構成されており、この第2ケーブル18Bが電磁弁ユニット20へ接続される。この電磁弁ユニット20は、吸引或いは送水のためのタンク部21、吸引ポンプ等を有し、上記プロセッサ装置14に信号線を介して接続される。
【0013】
図1には、上記連結部19の周辺の詳細が示されており、図2(A)には操作部10C側の連結部19が示され、図2(B)には管路ユニット18側の連結部19が示されている。図1に示されるように、上記操作部10Cには、電気的スイッチである吸引釦23A、送気/送水釦(二段スイッチ)23B、ハードコピー釦23Cが設けられ、不図示(図の裏側)のアングルツマミ等も配置される。
【0014】
上記操作部10C内には、被観察体内用吸引管路として第1吸引管24Aが設けられ、図2(A)に示されるように、この吸引管24Aと並ぶようにして、送気管25A、送水管26Aが配置される。一方、上記管路ユニット18内には、図2(B)に示されるように、上記の各管路24A,25A,26Aに連結されることになる第1吸引管24B、送気管25B、送水管26Bが配置されており、これらの管路24B,25B,26Bは上記電磁弁ユニット20へ接続される。(これらの管路の種類及び配置は各種のものがある)。
【0015】
図4の上記電磁弁ユニット20は、例えば上記第1吸引釦23A及び送気/送水釦23Bの操作制御信号を上記プロセッサ装置14から入力し、内部の電磁弁を開閉制御することにより、上記各管路24〜26を介して吸引、送気/送水の動作を行うことになる。
【0016】
なお、上記第1吸引管24Bには分岐管27を介して鉗子口28が設けられ、この鉗子口28は処置具の導入口となり、吸引管24A,24Bは処置具挿通チャンネルの役目もすることになる。
【0017】
そして、上記の管路ユニット18には、連結部用吸引管路として第2吸引管30が配置され、上記連結部19では上記第1吸引管24A,24Bが先に外れる構造とされる。即ち、連結部19として、上記操作部10Cの後端部に、雄ネジを外周に形成した受け部31が取り付けられ、管路ユニット18の支持部18Aに、雌ネジを内周に形成した固定リング32が設けられる。
【0018】
ここで、図1に示されるように、第1吸引管24A,24Bの連結は、突出管24Sに突出管24Tが嵌合して行われるが、この突出管24Tが突出管24Sから外れても、上記の固定リング32と受け部31とが螺合結合され、パッキン等による気密状態が維持された状態となる。そして、この第1例では、上記第1吸引管24A,24Bが外れる位置(セット位置)を示すマークMを受け部31の外周に付しており、このマークMに固定リング32の端部を合せることにより、連結部19内の吸引が行える位置に容易にセットできる。
【0019】
また、管路ユニット18内に配設された第2吸引管30は、支持部18Aの先端に大きな円形開口部30Aを有しており、これにより、連結部19内の液体等の吸引を効率よく行うと共に、管路ユニット18の連結固定の補強効果を高めるようになっている。なお、実施形態例では、管路ユニット18の第2ケーブル18Bを一体成形型チューブ(マルチルーメンチューブ等)を用い、図2(C)に示されるような管路配置に形成しており、この管路ユニット18は一回限りの使用(ディスポーザブル)とすることができる。
【0020】
更に、上記第2吸引管30を用いた吸引のための操作スイッチは、図示していないが電磁弁ユニット20や管路ユニット18の支持部18Aに配置してもよいし、上記吸引釦23Aを二段スイッチとしこの二段目スイッチに割り当てることもできる。
【0021】
第1例は以上の構成からなり、内視鏡を使用する際には図3に示されるように、上記固定リング32を受け部31へ螺合結合して、上記管路ユニット18が操作部10Cへ連結される。このとき、上記電磁弁ユニット20を作動させ、第2吸引管30を吸引状態とすれば連結作業が容易となる。また、内視鏡使用中においても上記吸引状態を継続すれば、上記連結部19の固定が強固となり、術中等で管路ユニット18が外れるという事態をなくすことができる。
【0022】
一方、洗浄等のために管路ユニット18を取り外す際には、図1に示されるように、マークMを参照しながら固定リング32を受け部31の途中まで外し、第2吸引管30の吸引操作を行う(このとき鉗子口28にキャップを取り付けてもよい)ことにより、第1吸引管24Aや送水管25Aから連結部19内へ漏出する液体等を第2吸引管30で吸引し、タンク部21へ回収することができる。従って、この後の取外し時に汚れた液体等が外部へ垂れることもない。
【0023】
図5には、実施形態の第2例の構成が示されており、この第2例の第2吸引管以外の構成は第1例と同様となる。即ち、管路ユニット34の支持部34の先端の開口部35に連結して2本の第2吸引管36が配置される。これによって、第1例と同様の効果を得ることができる。
【0024】
図6には、実施形態の第3例の構成が示されており、この第3例は第1吸引管を第2吸引管としても用いたものである。即ち、上記の第1例と同様に、第1吸引管24A,Bの突出管24Sと24Tが外れても、固定リング32が受け部31から外れないように構成し、管路ユニット37(37A)には第2吸引管を設けない。そしてこの場合は、吸引時に図示のように鉗子口28にキャップ38が取り付けられる。この第3例においても、固定リング32をマークMにより途中まで外して吸引釦23Aを押すことにより、第1吸引管24Bを介して連結部19内が吸引される。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、第1請求項の発明によれば、内視鏡本体に対し管路ユニットを連結部により着脱自在とする内視鏡装置において、上記連結部内を吸引するための連結部用吸引管路を上記管路ユニット内に配設し、取外し時に上記連結部用吸引管路により連結部内を吸引できるようにしたので、管路内に残った汚物等を除去し、管路以外の部分への汚れの広がりが防止できることになる。
【0026】
第2請求項記載の発明によれば、上記連結部用吸引管路を上記管路ユニットの固定状態の補強手段として用いたので、連結部の固定が強固となり、使用中に管路ユニットが外れるという事態をなくすことが可能となる。
【0027】
第3請求項記載の発明によれば、被観察体内用吸引管路を上記連結部用吸引管路として用いるようにしたので、吸引管の構成が簡略化されるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の第1例に係る管路分離型内視鏡装置を示し、連結部を途中まで外した時の状態の断面図である。
【図2】図1の内視鏡装置の連結部等の構成を示し、図(A)は操作部側の連結部の図、図(B)は管路ユニット側の連結部の図、図(C)は図1のI−I線で切断した断面図である。
【図3】図1の内視鏡装置で連結部を接続した状態の断面図である。
【図4】実施形態例の内視鏡装置の全体構成を示す図である。
【図5】実施形態の第2例の構成を示す断面図である。
【図6】実施形態の第3例の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
10 … 電子内視鏡、
10C … 操作部(本体側)、
18 … 管路ユニット、
23A … 吸引釦、
24A,24B,24S,24T … 第1吸引管、
25A,25B … 送水管、
26A,26B … 送気管、
30,30A,35,36 … 第2吸引管、
M … マーク。

Claims (3)

  1. 内部に管路を配設した内視鏡本体と、
    この本体側管路に連結可能となる管路を有する管路ユニットと、
    この管路ユニットを上記本体に対し着脱自在とするための連結部とを備えた管路分離型内視鏡装置であって、
    上記連結部内を吸引するための連結部用吸引管路を上記管路ユニット内に配設し、この連結部用吸引管路に吸引手段を接続した管路分離型内視鏡装置。
  2. 上記連結部の接続時に、上記連結部用吸引管路からの吸引を実行し、上記管路ユニットの固定状態を補強するようにしたことを特徴とする上記第1請求項記載の管路分離型内視鏡装置。
  3. 先端部から被観察体内の内容物を吸引するために配置された被観察体内用吸引管路を上記連結部用吸引管路として用い、上記連結部では、この連結部が外れる前に上記被観察体内用吸引管が外れるように構成したことを特徴とする上記第1請求項記載の管路分離型内視鏡装置。
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