JP3840304B2 - 管路分離型内視鏡装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、送気/送水管、吸引管等の管路を管路ユニットで分離できるようにした内視鏡で、この管路に関する機能の動作状態を確認することができる構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の例えば電子内視鏡(スコープ)は、CCD(Charge Coupled Device)を有する先端部、挿入部、操作部、ケーブルからなり、このケーブルを光源装置及びプロセッサ装置に接続するようになっている。そして、この内視鏡本体及びケーブルには、ライトガイドや電気信号線が配置され、また先端部へ送気/送水をするための送気管及び送水管や、処置具の挿入及び被観察体内の内容物を吸引する吸引管等が配置される。
【0003】
このような内視鏡によれば、光源装置の光がライトガイドを介して先端部から照射され、これに基づいてCCDにより被観察体内が撮像・観察される。またこのとき、上記送気管及び送水管を用いて先端部から観察窓等へ送気及び送水ができ、上記吸引管を用いて処置具の挿入や被観察体内の汚物等の吸引・排出が可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の内視鏡装置は、医療現場で用いられることから上記各種管路の洗浄や殺菌消毒等が必要であり、この洗浄、消毒を効率よく行うために、上記管路を途中で分離することが提案されている。即ち、内視鏡本体側の管路と例えば電磁弁ユニット側の管路との間に、着脱自在に管路ユニットが取り付けられるように構成する。これによれば、管路が短くなることにより洗浄ブラシによる洗浄が容易となると共に、分離した管路ユニットにつき、オートクレーブ等による滅菌処理等ができることになる。
【0005】
しかしながら、上記の管路ユニットを分離する内視鏡では、管路ユニットの接続が良好に行われていない場合もあり、実際の内視鏡使用時に送気/送水或いは吸引が期待通りに作動しないということも生じる。また、管路ユニットの接続以外でも、電磁弁ユニットの電磁弁(例えばピンチバルブ等)の動作が良好でない場合もあり、例えば送給流量が通常と相違することもある。しかも、このような事前のテストを履行するように心掛けていても、忘れてしまうことがある。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、管路ユニットの接続時に、管路ユニットの接続状態、管路機能の動作状態を確認することができ、確実な動作が確保できる管路分離型内視鏡装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、各種の管路が配置された内視鏡本体に対し、管路ユニットを着脱自在に装着する管路分離型内視鏡装置において、嵌合部材からなり、上記管路ユニット装着時の上記本体に対する管路ユニットの位置を規制する位置規制部材と、この位置規制部材の嵌合により上記管路ユニットの上記本体側への装着状態を検出する装着検出手段と、この装着検出手段からの装着検出信号が出力されたとき、管路を利用した機能のテストモードを実行する制御回路と、を設けたことを特徴とする。
請求項2の発明は、上記位置規制部材は、上記本体及び管路ユニットに設けられた突出体及び嵌合穴からなり、上記本体に装着された上記管路ユニットの回転を規制することを特徴とする。
【0008】
本発明の構成によれば、管路ユニットの本体側への装着状態が装着検出手段により検出され、装着検出信号を制御回路へ供給すると、この制御回路は、テストモードへ移行する制御を行う。このテストモードでは、例えば実際の送気/送水動作、或いは吸引動作が自動的に実行されることになり、これによって管路の接続状態、管路機能の動作状態を確認することが可能となる。
【0009】
また、位置規制部材として例えば突出体と嵌合穴を設け、この嵌合穴にスイッチ部材が配置され、このスイッチ部材により装着状体が検出される。従って、位置規制部材を装着検出手段として兼用できることになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1乃至図5には、実施形態例に係る管路分離型内視鏡装置が示され、図3及び図5は図2のI−I線の断面を示し、図4は図2のII−II線の断面を示している。図1において、内視鏡としての電子内視鏡10は、CCDを有する先端部10A、挿入部10B、操作部10C、第1ケーブル10Dからなり、この第1ケーブル10Dのコネクタ11が光源装置12に接続され、途中から分岐した信号ケーブル13がプロセッサ(画像処理)装置14へ接続される。
【0011】
即ち、当該内視鏡10では、先端部10Aから光源装置12までライトガイド15が配設され、また先端部10Aからプロセッサ装置14までCCDの制御及び画像信号の読出しを行うための信号線16が配置されており、これにより、先端部10Aからの光照射及び上記CCDからの画像信号の読出し等が可能となる。
【0012】
上記操作部10Cには、電気的スイッチである送気/送水釦(二段スイッチ)18A、吸引釦18B、ハードコピー釦18Cが設けられており、これらの操作制御信号は後述する電磁弁ユニットへ伝送される。なお、不図示のアングルツマミ等もこの操作部10Cに配置される。
【0013】
また、操作部10C即ち本体側に、先端部の観察窓へ空気、水を供給するめたの送気管20A、送水管21Aと、被観察体内の液体等を吸引すると共に、処置具挿通チャンネルとなる吸引管22Aが配置される。即ち、図2(A)に示されるように、上記吸引管22Aは連結部のほぼ中心に配置され、この吸引管22Aの左側に、上記送気管20Aと送水管21Aが配置される。
【0014】
そして、上記操作部10Cの後端部に、管路ユニット24が着脱自在に設けられており、この管路ユニット24の他端は電磁弁ユニット25に接続される。この管路ユニット24は、支持部24Aと第2ケーブル24Bから構成されており、これらの内部に、図2(B)にも示されるように、上記操作部10C側の各管路20A,21A,22Aに連結されることになる吸引管20B、送気管21B、送水管22Bが配置され、これらの管20B,21B,22Bが電磁弁ユニット25まで導かれる。
【0015】
この電磁弁ユニット25は、送気/送水或いは吸引のためのタンク部26及び吸引器を有し、上記の送気/送水釦18A及び吸引釦18B等により電磁弁を作動させて各管路の流体の流れの制御等を行う制御回路27が配置されており、この制御回路27により後述するテストモードの制御が行われる。なお、この電磁弁ユニット25とプロセッサ装置14との間に、制御信号線が設けられる。
【0016】
更に、図3にも示されるように、上記管路ユニット24側の吸引管22Bには分岐管29を介して鉗子口30が設けられ、この鉗子口30は処置具の導入口となる。なお、吸引時にはこの鉗子口30にゴムキャップが被せられる。
【0017】
図3には、上記操作部10Cと管路ユニット24の連結部の拡大図が示されており、図示されるように、この連結部はネジ固定式となっている。即ち、操作部10Cに、雄ネジを外周に形成した受け部31が取り付けられ、管路ユニット24の支持部24Aに、雌ネジを内周に形成して回転自在となる固定リング32が設けられる。従って、この固定リング32を受け部31に螺合結合することにより、管路ユニット24を操作部10Cに接続固定することができる。
【0018】
また、上述した管路ユニット24側の吸引管22Bは突出させており、この突出部を受け部31内に配置された吸引管(接続管)22Aに嵌合させて連結するようになっている。そして、このような連結を補助し、管路ユニット24の回転を規制するため、突出体33が受け部31側に、この突出体33を嵌合する嵌合穴34が支持部24Aに設けられる。また、この嵌合穴34内には、駆動体35がバネ36を介して配置され、この駆動体35でオンオフするマイクロスイッチ37が設けられており、これらの部材から装着検出手段が構成される。
【0019】
上記のマイクロスイッチ37のオンオフ信号は、上述した制御回路27に供給され、この制御回路27では、マイクロスイッチ37のオン信号(装着検出信号)により、テストモードを実行する。このテストモードでは、例えばモニタ等にテストモード画面を表示させながら、設定された所定時間後に少なくとも送気/送水動作を自動的に行うことになる。
【0020】
図4には、送気/送水管の部分の構成が示されており、この場合も上記吸引管22の場合と同様に、管路ユニット24側の送気管20B及び送水管21Bを突出させて配置し、この突出部を受け部31内の送気管20A及び送水管21Aに嵌合させるようになっている。
【0021】
当該例は以上の構成からなり、上記管路ユニット24を操作部10Cに接続する際には、各図に示されるように、送気管20Bを20Aに、送水管21Bを21Aに、吸引管22Bを22Aに嵌合させると共に、位置規制部材としても機能する突出体33を嵌合穴34に嵌合させながら、固定リング32を受け部31へ螺合結合する。そうすると、図5に示されるように、突出体33が駆動体35を押してマイクロスイッチ37をオンすることになり、このオン信号は装着検出信号として電磁弁ユニット25内の制御回路27へ伝送される。
【0022】
この制御回路27では、上記装着検出信号を受けると、テストモードヘ移行する。このテストモードでは、モニタにテスト開始画面が表示され、この所定時間後に、例えば送気動作及び送水動作が実行される。これにより、観察窓へ向けて空気及び水が噴射される。一方、吸引動作等については、この後に自動的に実行してもよいが、吸引釦18Bの任意の操作により行うようにしてもよい。また、上記のテストモードでは、テスト開始画面によりテストを行うか否かの選択表示を行い、これにより実行が選択されたときに、テスト動作を実行するようにしてもよい。
【0023】
このようにして、管路ユニット24の接続状態や管路機能の動作状態、例えば空気や水の噴出状態を接続時に必ず確認することが可能となる。この管路機能の動作状態の確認においては、送気又は送水の不良状態により、例えば電磁弁であるピンチバルブ等の機能劣化等も発見することができる。
【0024】
また、上記のテストモードでは、タンク部26の水に代えて消毒液等を用い、テスト噴射時に同時に管路の消毒を行うこともできる。
なお、上記のテストモードは、電磁弁ユニット25のメインスイッチが入れられているときに実行されるように制御され、このメインスイッチが切られているときは、テストモードを行わないことになる。
【0025】
上記実施形態例では、送気管20、送水管21、吸引管22を設けた例を示したが、この他の管を設けてもよく、また逆にこれらの中の一つか二つの管しか設けない場合もあり、様々な変形例が可能である。更に、装着検出手段として、他の構成、例えば光学手段を用いて装着状態を検出するもの等を用いることができる。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、本体に対し管路ユニットを着脱自在に装着する内視鏡で、この管路ユニットの本体側への装着状体を装着検出手段で検出し、装着検出信号が出力されたとき管路を利用した機能のテストモードを実施するようにしたので、管路ユニットの接続時に、管路ユニットの接続状態、管路機能の動作状態を確認することができ、確実な動作が確保できる効果がある。
【0027】
また、上記管路ユニット装着時の位置規制部材を利用して上記装着検出手段を設けるようにしたので、連結部の構成が簡略化できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例に係る管路分離型内視鏡装置を示す図である。
【図2】図1の管路ユニット連結部の構成を示し、図(A)は操作部側の正面図、図(B)は管路ユニット側の正面図である。
【図3】図1の管路ユニットの連結部の構成を示し、図2のI−I線で切断した断面図である。
【図4】図1の連結部の送気/送水管に関する構成を示し、図2のII−II線で切断した断面図である。
【図5】図3の連結部を接続したときの状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10C … 操作部、
20A,20B … 送気管、
21A,21B … 送水管、
22A,22B … 吸引管、
24 … 管路ユニット、
25 … 電磁弁ユニット、
27 … 制御回路、
31 … 受け部、
32 … 固定リング、
33 … 突出体、 34 … 嵌合穴、
35 … 駆動体、 37 … マイクロスイッチ。
Claims (2)
- 各種の管路が配置された内視鏡本体に対し、管路ユニットを着脱自在に装着する管路分離型内視鏡装置において、
嵌合部材からなり、上記管路ユニット装着時の上記本体に対する管路ユニットの位置を規制する位置規制部材と、
この位置規制部材の嵌合により上記管路ユニットの上記本体側への装着状態を検出する装着検出手段と、
この装着検出手段からの装着検出信号が出力されたとき、管路を利用した機能のテストモードを実行する制御回路と、を設けたことを特徴とする管路分離型内視鏡装置。 - 上記位置規制部材は、上記本体及び管路ユニットに設けられた突出体及び嵌合穴からなり、上記本体に装着された上記管路ユニットの回転を規制することを特徴とする請求項1記載の管路分離型内視鏡装置。
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