JP3712821B2 - 内視鏡の管路ユニット連結装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、送気/送水管、吸引管等の管路を管路ユニットで分離できるように構成した内視鏡で、この管路ユニットを本体側に接続するための連結装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の例えば電子内視鏡(スコープ)は、CCD(Charge Coupled Device)を有する先端部、挿入部、操作部、ケーブルからなり、このケーブルを光源装置及びプロセッサ装置に接続するようになっている。そして、この内視鏡本体及びケーブルには、ライトガイドや電気信号線が配置され、また先端部へ送気/送水をするための送気管及び送水管や、処置具の挿入及び被観察体内の内容物を吸引する吸引管等が配置される。
【0003】
このような内視鏡によれば、光源装置の光がライトガイドを介して先端部から照射され、これに基づいてCCDにより被観察体内が撮像・観察される。またこのとき、上記送気管及び送水管を用いて先端部から観察窓等へ送気及び送水ができ、上記吸引管を用いて処置具の挿入や被観察体内の汚物等の吸引・排出が可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の内視鏡装置は、医療現場で用いられることから上記各種管路の洗浄や殺菌消毒等が必要であり、この洗浄、消毒を効率よく行うために、上記管路を途中で分離することが提案されている。即ち、内視鏡本体側の管路に接続される管路を管路ユニットに配置し、この管路ユニットを本体に対し着脱自在に固定できるように構成する。これによれば、管路が短くなることにより洗浄ブラシによる洗浄が容易となると共に、分離した管路ユニットにつき、オートクレーブ等による滅菌処理等ができることになる。
【0005】
しかしながら、上記管路ユニットと内視鏡本体との連結部においては、固定部材の破損やその他の理由で上記管路ユニットが本体側から外れる可能性を否定することはできない。例えば、上記固定部材として、ネジ式の固定リングを受け部に螺合させる構成を採用し、この固定リングを硬質の合成樹脂材料(プラスチック)で形成した場合には、この固定リングが破損することが考えられる。また、固定リングの螺合結合状態が緩い等の原因で、固定リングが支持部から外れる可能性もある。
【0006】
そして、上記管路ユニットが本体側から外れた場合は、連結部の管路から水等の流体が噴き出し、内視鏡による検査、処置が中断されると共に、周囲が汚れてしまうことになる。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、固定部材が破損した場合、何らかの原因で固定部材が外れた場合でも管路の使用中では、管路ユニットが外れないようにすることができる内視鏡の管路ユニット連結装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1請求項の発明は、各種の管路が配置された内視鏡本体に対し、管路ユニットを着脱自在に連結する内視鏡の管路ユニット連結装置であって、上記管路ユニットを上記本体へ固定するための第1の固定手段と、この第1の固定手段とは別個に設けられ、上記管路ユニットを上記本体へ固定するための第2の固定手段と、上記管路内での流体の流れ状態を検出する管路使用検出手段と、この管路使用検出手段の検出値により上記第2の固定手段の固定及び解除を制御する制御手段と、を有してなることを特徴とする。上記の管路使用検出手段としては、流体の動態を検出する流体検出センサだけでなく、電磁弁の開閉状況等の検出や、電磁弁ユニット自体の電源のオン、オフの検出をするようなものも含まれる。
第2請求項の発明は、上記管路使用検出手段として、管路内の圧力を検出する圧力センサを用いたことを特徴とする。
【0009】
上記の構成によれば、圧力センサ、流量センサ等の管路使用検出手段により管路の使用状態が検出され、流体が流れているときには、第2の固定手段による管路ユニットの本体への固定が実行される。これにより、仮に第1の固定手段が何らかの理由で破損したとしても、流体が流れているときは、管路ユニットが本体から外れることはない。従って、検査等が中断することはなく、液体が外部へ噴出することも防止される。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1乃至図4には、実施形態に係る内視鏡の管路ユニット連結装置が示されており、まず図4により内視鏡装置の全体構成を説明する。図4において、電子内視鏡10は、撮像素子であるCCDを有する先端部10A、挿入部10B、操作部10C、第1ケーブル10Dを有し、このケーブル10Dのコネクタ11が光源装置12に接続され、このコネクタ11から分岐した信号ケーブル13がプロセッサ(画像処理)装置14へ接続される。
【0011】
即ち、上記ケーブル10Dは、先端部から操作部10Cまで配設されたライトガイド15及び上記CCDの駆動制御及び画像信号の読出しを行うための信号線16を内包しており、上記ライトガイド15を光源装置12へ接続し、上記信号線16をプロセッサ装置14へ接続する役目をする。
【0012】
そして、上記操作部10Cの後端部に、管路ユニット18が着脱自在に設けられる。この管路ユニット18は、硬質の合成樹脂材料等からなる支持部18Aとケーブル18Bから構成されており、このケーブル18Bが電磁弁ユニット20へ接続される。この電磁弁ユニット20は、吸引或いは送水のためのタンク部21等を有し、上記プロセッサ装置14に信号線を介して接続されており、電磁弁により管路の流体の流れを制御する。
【0013】
図1には、上記操作部10Cと管路ユニット18の連結部周辺の構成が示され、図2(A)には、操作部側の連結部の正面、図2(B)には管路ユニット側の連結部の正面が示され、上記図1は図2のI−I断面図、図3は図2のII−II断面図を示している。図1において、操作部10Cには、電気的スイッチである送気/送水釦(二段スイッチ)23A、吸引釦23B、ハードコピー釦23Cが設けられ、不図示のアングルツマミ等も配置されており、上記送気/送水釦23A、吸引釦23Bの操作スイッチ信号は、上記電磁弁ユニット20へ供給される。
【0014】
また、上記操作部10C(本体)内には、各種の管路24A〜26Aが配設されており、図示の吸引管24Aは、図2に示されるように連結部の中心部に配置され、この吸引管24Aと並ぶようにして送気管25A、送水管26Aが配置される。一方、上記管路ユニット18内には、上記操作部10C側の各管路24A,25A,26Aに連結されることになる吸引管24B、送気管25B、送水管26Bが配置され、これらの管24B〜26Bは、電磁弁ユニット20まで導かれる。なお、上記吸引管24Bには分岐管27を介して鉗子口28が設けられ、この鉗子口28は処置具の導入口となる。
【0015】
そして、上記の操作部10Cと上記管路ユニット18との連結部には、ネジ固定式の第1の固定手段が設けられる。即ち、図1に示されるように、操作部10Cに、雄ネジを外周に形成した受け部30が取り付けられ、管路ユニット18の支持部18Aに、雌ネジを内周に形成して回転自在となる固定リング31が設けられる。この固定リング31は、例えば硬質の合成樹脂材料(プラスチック)や金属から構成される。従って、この固定リング31を受け部30に螺合結合することにより、管路ユニット18を操作部10Cに接続固定することができる。
【0016】
更に、この連結部には、第2の固定手段として電磁石固定部材が設けられる。即ち、受け部30に配置された金属部30Fに接触するように、二つの電磁石33が支持部18Aに埋め込まれ、この電磁石33は上記電磁弁ユニット20内の制御回路34に接続される。なお、この電磁石33は、円周方向に3箇所設けてもよいし、円周全域に設けるようにしてもよい。
【0017】
一方、図3の拡大図に示されるように、管路ユニット18側の送気管25Bに、管路内の圧力を検出する圧力センサ(管路使用検出手段)35が分岐管36を介して配置され、また送水管26Bにも圧力センサ37が分岐管38を介して配置される。この圧力センサ35,37は、例えばダイヤフラムに歪みゲージを形成した圧力センサで、内部の信号変換部から出力された検出信号を上記制御回路34へ供給するように結線される。この圧力センサ35,37の代りに、流量センサ等を配置してもよい。
【0018】
当該例は以上の構成からなり、上記の固定リング31を受け部30へ結合することにより、管路ユニット18が操作部10Cに固定され、各管路24Aと24B、25Aと25B、26Aと26Bが連結される。そして、操作部10Cの送気/送水釦23Aを押すことにより、先端部10Aの観察窓に対する送気/送水が上記送気管25A,B、送水管26A,Bを介して行われ、吸引釦23Cを押すことにより、先端部10Aから被観察体内の液体等を吸引管24A,Bを介して吸引・回収することができる。
【0019】
一方、上記送気管25Bに設けられた圧力センサ35では、この送気管25B内の送気圧力を検出し、上記送水管26Bに設けられた圧力センサ37では、送水圧力を検出しており、これらの検出値が制御回路34へ供給される。そして、この制御回路34は、これらの検出値が大気圧より大きな所定値以上となったことを判定したとき、上記第2の固定手段である電磁石33をオンし、第2の固定手段を有効とする。
【0020】
このようにして、当該例では、上記送気管25及び送水管26が使用状態にあるときには、必ず上記電磁石33により管路ユニット18が本体側へ固定される。従って、プラスチックからなる固定リング31が破損した場合、或いは何らかの原因で固定リング31が外れた場合でも、例えば送水管25A,25B内の水が噴き出たり、吸引管24A,24B内に残留する液体等が漏出したりすることがない。
【0021】
また、当該例によれば、上記圧力センサ35,37で管路の使用状態を直接的に検出したことにより、次のような効果がある。即ち、上記第2の固定手段による固定及び解除の制御は、電磁弁ユニット20の電源のオン、オフ状態によって行うこともできるが、本実施形態例では、圧力センサ35,37により管路の使用状態を直接的に検出するので、各管路24〜26、特に管路ユニット18の管路の劣化や連結部パッキンの劣化等の状態を把握することができる。また、上記第1の固定手段である固定リング31を外した状態で、上記送気/送水釦23A等を誤操作した場合でも、管路から水が噴き出すこと等を回避することができる。
【0022】
上記例では、流体検出センサを管路ユニット18側の管25B,26Bに配置した例を示したが、この流体検出手段は本体側の管25A,26Aに配置してもよく、吸引管24A,24Bや薬液注入のための注入管等のその他の管路に設けるようにしてもよい。また、送気管25A,25Bのみ又は送水管26A,26Bのみに配置してもよい。
【0023】
また、上記の第2の固定手段として、電磁石33以外でも、係止爪等の係止体を電気的駆動で相手部材に係合し、固定状態となるような構成のものを採用することができる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、第1請求項の発明によれば、内視鏡本体に対し管路ユニットを着脱自在に固定するための第1の固定手段を設けると共に、これとは別個に第2の固定手段を設け、また各種管路内での流体の流れ状態を検出する管路使用検出手段を配置し、この管路使用検出手段の検出値により上記第2の固定手段の固定及び解除を制御するようにしたので、第1の固定手段等が破損した場合、何らかの原因で固定部材が外れた場合でも、管路を使用しているときは、管路ユニットが本体から外れないようにすることができる。従って、検査、処置を中断することが回避され、水等の噴き出しも防止されることになる。
【0025】
第2請求項の発明によれば、上記管路使用検出手段として、管路内の圧力を検出する圧力センサを用いたので、管路ユニット等の管路の劣化や連結部パッキンの劣化等の状態を把握することができ、また第1の固定手段を外したときの操作釦等の誤操作により、管路から水が噴き出すこと等を防止することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例に係る内視鏡の管路ユニット連結装置を示し、図2のI−I線で切断した断面図である。
【図2】図1の管路ユニット連結部の構成を示し、図(A)は操作部側の正面図、図(B)は管路ユニット側の正面図である。
【図3】図1の連結部を取り外したときの送気/送水管の構成を示し、図2のII−II線で切断した断面図である。
【図4】実施形態例の内視鏡装置の全体構成を示す図である。
【符号の説明】
10 … 電子内視鏡、
10C … 操作部、
18 … 管路ユニット、
24A,24B … 吸引管、
25A,25B … 送気管、
26A,26B … 送水管、
33 … 電磁石、
35,37 … 圧力センサ(管路使用検出手段)。
Claims (2)
- 各種の管路が配置された内視鏡本体に対し、管路ユニットを着脱自在に連結する内視鏡の管路ユニット連結装置であって、
上記管路ユニットを上記本体へ固定するための第1の固定手段と、
この第1の固定手段とは別個に設けられ、上記管路ユニットを上記本体へ固定するための第2の固定手段と、
上記管路内の使用状態を検出する管路使用検出手段と、
この管路使用検出手段の検出値により上記第2の固定手段の固定及び解除を制御する制御手段と、を有してなる内視鏡の管路ユニット連結装置。 - 上記管路使用検出手段として、管路内の圧力を検出する圧力センサを用いたことを特徴とする上記第1請求項記載の内視鏡の管路ユニット連結装置。
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