JP5191164B2 - 医療装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば内視鏡の操作部基端側に位置する内視鏡本体と、この内視鏡本体が接続されるパワーユニットとらなる医療装置に関する。
医療器具としての内視鏡は、体腔内に挿入する挿入部の基端部に本体部が設けられ、本体部には光源装置等に接続されるユニバーサルコードが接続されている。挿入部には、照明光学系、観察光学系と接続される信号線、湾曲操作ワイヤ、送気・送水あるいは吸引管路等の内蔵物が挿通されている。さらに本体部には、前記照明光学系、信号線及び各種管路の接続部が設けられているとともに、湾曲部を湾曲操作する湾曲操作部、送気・送水及び吸引等の各種操作ボタンが設けられている。
また、操作部を、挿入部側本体と、この挿入部側本体が着脱自在に接続されるパワーユニットとから構成したものも知られている。前記パワーユニットには、電動モータによって駆動される湾曲駆動機構の駆動側カップリングを備え、挿入部側本体には電動アングル機構の従動側カップリングを備え、挿入部側本体をパワーユニットに接続すると、湾曲駆動機構の駆動側カップリングと電動アングル機構の従動側カップリングとが連結されるようになっている。
さらに、パワーユニットには、ユニバーサルコードを介してビデオプロセッサ、コントロールボックス等の周辺機器と電気的に接続される信号処理回路が内蔵され、この信号処理回路には電気接点部が設けられている。挿入部側本体には内視鏡の先端構成部に設けられた固体撮像素子等と電気的に接続される電気接点部が設けられ、挿入部側本体をパワーユニットに接続すると、電気接点部同士が接触して電気的に接続され、電気信号の授受が行えるようになっている。
一方、医療用の内視鏡は、使用後に内視鏡に内蔵された管路を含めて外表面を洗滌及び消毒するが、前述のように電気接点部が露出している内視鏡においては、再使用の際に洗浄によって付着した水分を完全に除去し、電気接点部が水分で短絡されるのを防止する必要がある。
そこで、従来においては、内視鏡装置のコネクタを周辺機器に接続する際に、コネクタに付着した水分を除去する手段として、電気接点を有するプラグ側にスポンジを設け、プラグが端子を有するソケットに押し込まれて接続される際に、水分がプラグに入り込んでもスポンジによって水分が吸収されるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
同様に、ソケット側に電極面とシリコンゴムからなる拭き取り部材を設け、プラグ側に電極面を設け、プラグがソケットに接続される際に、電極面に付着された水分が拭き取り部材によって拭き取られるようにしたものも知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平6−133919号公報 特開2001−224556号公報
しかしながら、特許文献1、2に開示された医療装置における水分除去手段は、プラグとソケットの接続時に、電極面に付着している水分を吸水性部材で吸水あるいは拭き取る構成である。従って、吸水部材が水分を十分に吸収してしまうと、給水能力がなくなり、また、拭き取る構成のものは、水分が重力によって流れて重力方向に電極面が位置していると、電極面が再び濡れる虞もある。
本発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、電気接点部に水分が付着していても、コネクタ部を接続する過程で水分を除去し、除去水分や除去できずにコネクタ部に残留した水分が電気接点部に付着する虞はなく、信頼性の向上を図ることができる医療装置を提供することにある。
本発明の一実施形態、電気端子部を備えた第1のコネクタ部と、前記第1のコネクタ部の前記電気端子部に接続される電気接点部を備えた第2のコネクタ部と、前記第1のコネクタ部に設けられ、前記第1のコネクタ部と前記第2のコネクタ部とが接続された際に、前記電気端子部と前記電気接点部との接続点よりも前記第1のコネクタ部の先端側にあり、前記電気接点部上の水分を接続方向と反対の方向に除去する除去手段と、前記第1のコネクタ部に設けられ、前記第1のコネクタ部と前記第2のコネクタ部とが接続された際に、前記電気端子部と前記電気接点部との接続点よりも前記第1のコネクタ部の基端側にあり、前記除去手段による除去方向とは異なる方向からの水分の侵入を防止する防止手段とを具備し、前記除去手段は、弾性部材であり、前記除去手段は、前記第2のコネクタ部の接続動作に伴って前記第2のコネクタ部の外表面を摺接する摺接部を備えていることを特徴とする医療装置ある。
前記防止手段は、好ましくは、弾性部材であることを特徴とする。
前記除去手段及び前記防止手段は、好ましくは、前記電気接点部が設けられる前記第2のコネクタ部の外周面に摺接する内周面を有する環状であることを特徴とする。
前記除去手段及び前記防止手段は、好ましくは、前記電気接点部が設けられる前記第2のコネクタ部の内周面に摺接する外周面を有する環状であることを特徴とする。
前記除去手段は、好ましくは、重力方向に水分を除去するとともに、前記防止手段は、重力方向に垂れる水分を防止するよう、重力方向に沿って前記防止手段、前記除去手段の順に配置したことを特徴とする。
前記第1のコネクタ部は、好ましくは、前記電気接点部に接続される信号処理手段を有する信号処理装置であって、前記第2のコネクタ部は、前記信号処理装置に接続される内視鏡に設けられたことを特徴とする。
前記第1のコネクタ部は、好ましくは、内視鏡の操作部を構成するパワーユニットに設けられ、前記第2のコネクタ部は、前記パワーユニットに着脱可能に接続される挿入部側本体に設けられたことを特徴とする。
本発明によれば、水分を除去する除去手段と、この除去手段による除去方向とは異なる方向からの水分の侵入を防止する防止手段を設けることにより、電気接点部に水分が付着していても、コネクタ部を接続する過程で水分を除去し、その水分が再び電気接点部に付着する虞はなく、信頼性の向上を図ることができるという効果がある。
以下、本発明の各実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図8は第1の実施形態を示す。図1は医療装置10の全体構成を示し、医療装置10を手術用ベッド11の脇に設置した状態の斜視図である。キャスター12を備えた支持台13には光源装置14、ビデオプロセッサ15及びコントロールボックス16等が搭載されている。支持台13には支持機構17を構成する支柱18が垂直方向に立設され、この支柱18の上端部には水平面内で回動自在なアーム19を介して医療器具保持部としての内視鏡保持部20が設けられている。
内視鏡保持部20には医療器具としての内視鏡21が保持されている。内視鏡21は、本体部22と、本体部22に接続された挿入部23及びユニバーサルコード24から構成されている。挿入部23には湾曲部25及び先端構成部26が設けられている。ユニバーサルコード24にはコネクタ27が設けられ、このコネクタ27は光源装置14に接続されている。
内視鏡21の先端構成部26には体腔内を照明する照明光学系、体腔内を観察する観察光学系を備えている。照明光学系は光源装置14からの照明光をユニバーサルコード24、挿入部23を介して先端構成部26の前面から出射する。観察光学系は、先端構成部26に設けられた固体撮像素子等の撮像ユニットからの映像信号をビデオプロセッサ15が受けて所定の信号処理を施し、このビデオプロセッサ15から出力される映像信号はコントロールパネル28に伝送される。コントロールパネル28には所定の内視鏡画像がその表示部29に表示する他、この表示部29の表示面上にタッチパネル式などの操作部が設けられている。このため、術者は、このコントロールパネル28の操作部から各種の操作指示を入力することができる。
さらに、コントロールボックス16は、内視鏡21を観察や処置に使用する際の送気や送水を行うための電磁弁ユニット(図示しない)を動作させるためのものである。この電磁弁ユニットは、挿入部23の内部に設けられる送気送水管路や吸引管路等を介して送気送水および吸引動作の制御を行う。コントロールボックス16のシステムコントローラは、光源装置14およびビデオプロセッサ15に電気的に接続されている。
なお、図1に示す、コントロールボックス16の電磁弁ユニットには、流体制御カセット30が着脱可能に装着されている。この流体制御カセット30は、送気、送水、前方送水に関する弁体を有する流量調整機構を備えている。電磁弁ユニットは、流体制御カセット30の流量調整機構を駆動する。
また、コントロールボックス16には、内視鏡21に対して送気、送水及び前方送水を行う3本のチューブ33a,33b,33cの一端が接続され、他端は内視鏡21の本体部22に接続されている。これらチューブ33a,33b,33cは中空の柔軟な樹脂材で形成されている。前記ユニバーサルコード24にはライトガイドファイバーや信号線が内挿されている。
支持機構17のアーム19には複数本の支持ロッド34a,34bが立設され、これら支持ロッド34a,34bにはチューブ33a,33b,33c及びユニバーサルコード24の中途部を支持するリテーナ35a,35bが設けられている。
図2は内視鏡21の本体部22及び挿入部23の内部構造を概略的に示す構成図である。コントロールボックス16はチューブ33a,33b,33cを介して本体部22に接続され、本体部22から挿入部23の先端構成部26に連通されている。このため、コントロールボックス16の電磁弁ユニットが駆動されて流体制御カセット30から送気送水動作が行なわれると、チューブ33a,33bを通して先端構成部26から送気送水を行うことができる。
さらに、内視鏡21の本体部22には、湾曲操作指示に応じて制御される電動モータを備えた湾曲駆動機構36が内蔵され、湾曲部25を上下左右に湾曲動作するように構成されている。内視鏡21には光源装置14から供給される照明光束を光伝送する照明光学系を構成する後述するライトガイド46が挿通され、先端構成部26から出射される。先端構成部26には固体撮像素子からなる撮像ユニット37が設けられている。ビデオプロセッサ15には撮像ユニット37からの映像信号を伝達する信号ケーブル38、映像基板39、フレキシブル基板40及び信号ケーブル41が接続されている。この信号ケーブル41は本体部22及びユニバーサルコード24の内部を挿通してビデオプロセッサ15の所定の端子に接続されている。
図3は内視鏡21の本体部22を示す斜視図である。挿入部23の基端部に設けられた本体部22は、第2のコネクタ部としての挿入部側本体50と、この挿入部側本体50に対して着脱可能で、挿入部側本体50に動力、流体、光、電力、信号を供給するための供給源側本体部としての第1のコネクタ部、例えばパワーユニット51とから構成されている。まず、挿入部側本体50及びパワーユニット51の外部構成について説明すると、挿入部側本体50の先端部における側部には突出部52が設けられ、この突出部52には挿入部側本体50の軸方向に対して外側に傾斜する鉗子挿入口45が設けられている。
挿入部側本体50の中間部にはその軸方向に対して直角な取付け面50aが設けられ、取付け面50aには流体接続コネクタを構成する送気口金53a、送水口金53b、前方送水口金53c及び漏水検知口金54がその開口を基端側に向けて配置されている。すなわち、送気口金53a、送水口金53b、前方送水口金53cは、挿入部側本体50の基端側、つまり前記鉗子挿入口45と離間した位置に配置されている。鉗子挿入口45は、鉗子、カテーテル等の処置具が挿脱されるため、不潔域となる場合があるが、送気口金53a、送水口金53b、前方送水口金53cを鉗子挿入口45から離間させることにより感染を防止できる。
また、内視鏡21を使用後に洗浄する内視鏡自動洗浄装置では、漏水検知、各管路への送気・送水及び送気口金53a、送水口金53b、前方送水口金53cを介して各管路へのブラシの挿通の3つの機能を自動で行うことが求められている。そこで、送気口金53a、送水口金53b、前方送水口金53c及び漏水検知口金54を横一列に配置し、しかも漏水検知口金54の開口を送気口金53a、送水口金53b、前方送水口金53cと平行にすることにより、内視鏡自動洗浄装置側としては、1方向の制御のみで上記3種類の機能を果たすことができる。しかも漏水検知口金54を最も外側に配置したのは、漏水検知を手動で行う際に他の口金が邪魔にならないようにすることを考慮したものである。
さらに、挿入部側本体50の基端部には角筒部55及びこの角筒部55の後端に円筒部56が一体に設けられている。角筒部55の外側部には前記湾曲駆動機構36と連動する従動側部材としての従動側カップリング57が設けられている。円筒部56の後端面には前記ライトガイド46と接続するライトガイドコネクタ58が設けられている。さらに、円筒部56の後端部は電気絶縁材料によって形成され、その外周面には周方向に電気信号用コネクタとしての多数の電気接点部59が配置されている。
図4〜図7は挿入部側本体50及びパワーユニット51の内部構造を示し、図4は挿入部側本体50とパワーユニット51との非接続状態の縦断側面図、図5は同接続状態の縦断側面図、図6は挿入部側本体50とパワーユニット51との非接続状態を示し、パワーユニット51のみを断面した側面図、図7は同接続状態を示し、パワーユニット51のみを断面した側面図である。
まず、挿入部側本体50側について説明すると、挿入部側本体50の内部には角筒部55の本体部を構成するアルミニウム等の剛性を有する金属部材からなるシャーシ61が設けられている。シャーシ61の後端部は開口され、この開口を囲む端縁部には嵌合段部62が形成されている。
このシャーシ61の後端部には円筒部56の一部を構成する円筒状の嵌合部材63が設けられている。嵌合部材63はアルミニウム等の剛性を有する金属部材からなり、基端部にはフランジ部64を有する閉塞部65が設けられ、先端部には開口した小径部66が設けられている。嵌合部材63のフランジ部64にはシャーシ61の嵌合段部62に嵌合する環状溝67が設けられ、この嵌合段部62と環状溝67とはOリング68によって水密にシールされている。
嵌合部材63には円筒部56の一部を構成する円筒状の挿入側コネクタ本体69が設けられている。挿入側コネクタ本体69は電気絶縁材料によって形成され、基端部の開口はOリング70を介して小径部66に水密に嵌合されている。挿入側コネクタ本体69の先端部は肉厚の隔壁によって閉塞され、この隔壁には挿入側コネクタ本体69の軸心と同心的で小径な突出筒部71が一体に設けられている。挿入側コネクタ本体69の外周面には前記電気接点部59が配置されており、各電気接点部59のリード部59aは挿入側コネクタ本体69の隔壁を貫通して挿入側コネクタ本体69の内部まで延長している。
挿入側コネクタ本体69の内部には弾性部材のパッキン72がパッキンつぶし部材73によって圧接状態に固定され、各電気接点部59のリード部59aはパッキン72を貫通して水密に保たれている。さらに、パッキンつぶし部材73にはリード部59aと接続されたフレキシブルコネクタ74が固定され、このフレキシブルコネクタ74にはコネクタ75が接続されている。フレキシブルコネクタ74は、図8(a)に示すように、環状基部74aのリード部59aと接続される接続孔74bが設けられている。さらに、環状基部74aの外周部には放射状に突出する舌片状の複数の端子片74cが一体に設けられている。そして、これら端子片74cを図8(b)に示すように、同方向に折曲して起立させたものであり、各端子片74c上にコネクタ75が設置されている。
また、図4〜図7に示すように、前記嵌合部材63の閉塞部65における中心部には円筒部56の後端部方向に突出する筒部76が一体に設けられ、この内周面にはねじ部76aが形成されている。ねじ部76aにはパイプからなるライトガイド固定部材77の基端部がねじ込み固定され、ライトガイド固定部材77の先端部は挿入側コネクタ本体69の突出筒部71の内部まで突出している。ライトガイド固定部材77の内部には前記ライトガイド46が挿入されている。
ライトガイド46の先端部にはパイプ状のライトガイド嵌合部材78が嵌合され、このライトガイド嵌合部材78の基端部はライトガイド固定部材77の内周面に嵌合されている。ライトガイド嵌合部材78の先端部にはレンズ枠79が固定され、レンズ枠79には光学レンズ80が装着されている。レンズ枠79の外周面には電気コネクタ固定部材81が螺合されているとともに、両者間はOリング82で水密にシールされている。電気コネクタ固定部材81の外周面にもOリング83が装着され、このOリング83によって挿入側コネクタ本体69の突出筒部71との間が水密にシールされている。さらに、電気コネクタ固定部材81の先端部にはフランジ部81aが設けられ、このフランジ部81aと突出筒部71との間には金属からなる電気コネクタ保護部材84が介在されている。
従って、電気接点部59が設けられた挿入側コネクタ本体69とレンズ枠79及び電気コネクタ固定部材81はOリング82,83によって水密にシールされ、挿入側コネクタ本体69は嵌合部材63に対してOリング70によって水密にシールされている。
次に、前記パワーユニット51側について説明すると、パワーユニット51の本体部を構成するアルミニウム等の剛性を有する金属部材からなるシャーシ85が設けられている。シャーシ85は挿入部側本体50の嵌合部材63が挿入される円筒状の空洞部86が設けられている。空洞部86の内周面には嵌合受け部87が設けられ、この嵌合受け部87には金属弾性部材からなる複数のフィンガ88が周方向に配設されている。
シャーシ85の先端部にはフランジ部89が設けられ、このフランジ部89には周壁部90とこの周壁部90に対して固定された抑え部材91によって環状溝92が形成されている。シャーシ85の先端側には円筒状のケーシング93が設けられている。ケーシング93の基端部にはフランジ部94が設けられ、このフランジ部94はシャーシ85の環状溝92に嵌合されている。環状溝92の内径はケーシング93のフランジ部94の外径より大きく形成され、環状溝92に対してケーシング93が径方向に移動自在であり、フランジ部94と抑え部材91との間にはOリング95が介在され、水密にシールされている。
ケーシング93の内部には円筒状の端子固定部材96が設けられている。端子固定部材96の内周面には電気接点部59に対応して複数の電気端子部97が配置され、これら電気端子部97は端子固定部材96の内周面から内側に突出している。端子固定部材96の端面には弾性部材のパッキン98がパッキンつぶし部材99によって圧接状態に固定され、各電気端子部97のリード部97aはパッキン98を貫通して水密に保たれている。さらに、パッキンつぶし部材99はケーシング93に対してねじ込み固定された端子固定リング100によって抑え固定されている。
端子固定部材96の基端側には電気端子部97と隣接して水分を除去する除去手段としての第1のワイパ101と、端子固定部材96の先端側には電気端子部97と隣接して第1のワイパ101による除去方向とは異なる方向からの水分の侵入を防止する防止手段としての第2のワイパ102が設けられている。
第1のワイパ101は、ケーシング93の内周面に沿って円環状のゴム部材によって形成され、断面形状で示すように基部にくびれ部101aが形成され、先端部に円弧状の摺接部101bが形成されている。そして、第1のワイパ101は摺接部101bの内径が前記挿入側コネクタ本体69の外径より僅かに小径に形成され、パワーユニット51の端子固定部材96に対する挿入側コネクタ本体69の挿脱に伴ってくびれ部101aを支点として左右方向に折曲した状態で、摺接部101bが挿入側コネクタ本体69の外周面と摺接するように形成されている。
第2のワイパ102も、ケーシング93の内周面に沿って円環状のゴム部材によって形成され、断面形状で示すように基部102aがワイパ固定リング103によって端子固定部材96に固定され、先端部に内側に突出する摺接部102bが形成されている。そして、第2のワイパ102は摺接部102bの内径が前記挿入側コネクタ本体69の外径より僅かに小径に形成され、パワーユニット51の端子固定部材96に対する挿入側コネクタ本体69の挿脱に伴って摺接部102bが挿入側コネクタ本体69の外周面と摺接するように形成されている。
このように、端子固定部材96には電気端子部97を挟んで第1のワイパ101と第2のワイパ102とが設けられ、パワーユニット51の端子固定部材96に対する挿入側コネクタ本体69の挿脱に伴って端子固定部材96の表面に付着している水分を第1のワイパ101によって除去できるようになっている。さらに、端子固定部材96の先端側に付着している水分が重力によって電気接点部59の方向に流れるのを第2のワイパ102によって阻止するように構成されている。
また、端子固定部材96の先端部には円筒状のライトガイド固定基板104が固定されている。ライトガイド固定基板104の先端部にはフランジ部105が設けられ、このフランジ部105には周壁部106とこの周壁部106に対して固定された抑え部材107によって環状溝108が形成されている。ライトガイド固定基板104の先端側には円筒状のライトガイド固定部材109が設けられている。ライトガイド固定部材109の基端部にはフランジ部110が設けられ、このフランジ部110はライトガイド固定基板104の環状溝108に嵌合されている。環状溝108の内径はライトガイド固定部材109のフランジ部110の外径より大きく形成され、環状溝108に対してライトガイド固定部材109が径方向に移動自在であり、フランジ部110と抑え部材107との間にはOリング111が介在され、水密にシールされている。
ライトガイド固定部材109の内部にはライトガイド嵌合部材112が収納され、このライトガイド嵌合部材112の外周面とライトガイド固定部材109の内周面との間にはOリング113によってシールされている。ライトガイド固定部材109に対してライトガイド嵌合部材112は軸方向に移動自在であり、スプリング112aによってライトガイド嵌合部材112は基端側に弾性的に付勢されている。このライトガイド嵌合部材112のライトガイド嵌合部材112の中心部には軸方向に貫通孔114が設けられ、この貫通孔114の内部にはライトガイド115が装着されている。ライトガイド115の端面には平板ガラスからなる光学レンズ116が密着状態で設けられている。光学レンズ116はライトガイド嵌合部材112に設けられた嵌合筒117に固定されたレンズ枠118に装着されている。
次に、パワーユニット51の空洞部86に対して挿入部側本体50の挿入側コネクタ本体69を挿入し、挿入部側本体50とパワーユニット51とを電気的及び光学的に接続する作用について説明する。
挿入部側本体50を把持して挿入側コネクタ本体69を空洞部86に挿入すると、挿入側コネクタ本体69の外周面はフィンガ88に接触するため、挿入側コネクタ本体69は空洞部86の中心部方向に弾性的に位置決めされる。挿入側コネクタ本体69が空洞部86に挿入されると、まず挿入側コネクタ本体69の外周面における先端部が第1のワイパ101の摺接部101bに接触する。
挿入側コネクタ本体69を空洞部86に深く挿入すると、挿入側コネクタ本体69の外周面と第1のワイパ101の摺接部101bとが摺動し、第1のワイパ101のくびれ部101aを支点として空洞部86の奥部方向に折曲した状態になり、その摺接部101bが挿入側コネクタ本体69の外周面に摺接する。従って、挿入側コネクタ本体69の外周面に洗滌時に付着した水分が残っていても、水分は第1のワイパ101によって拭き取られる。挿入側コネクタ本体69の外周面には複数の電気接点部59が設けられ、この電気接点部59の表面にも水分が付着していることがあるが、その水分も第1のワイパ101よって拭き取られる。
挿入側コネクタ本体69を空洞部86にさらに深く挿入すると、電気接点部59と電気端子部97とが対向し、両者は接触して挿入部側本体50とパワーユニット51とが電気的に導通状態となる。挿入側コネクタ本体69を空洞部86の最も奥部に挿入すると、挿入側コネクタ本体69の先端部における外周面が第2のワイパ102の摺接部102bに摺接し、摺接部102bは折曲されて挿入側コネクタ本体69の先端部における外周面に密着する。すなわち、挿入側コネクタ本体69の先端側の外周面と突出筒部71との間を第2のワイパ102が遮断した状態となる。従って、挿入側コネクタ本体69の先端側と突出筒部71との間の水分が付着していても、第2のワイパ102によって水分が電気接点部59の方向に流れることはない。つまり、内視鏡21の使用状態においては、挿入部側本体50が下側になる縦方向になって挿入側コネクタ本体69の先端側と突出筒部71との間の水分が重力によって挿入部側本体50の電気接点部59の方向に流れることがあるが、第2のワイパ102を設けているため、電気接点部59の方向に流れようとする水分を遮断できる。
このようにして挿入側コネクタ本体69が空洞部86の最も奥部に挿入されると、挿入側コネクタ本体69のレンズ枠79がライトガイド嵌合部材112の嵌合筒117に嵌合し、光学レンズ80と光学レンズ116とが対向してパワーユニット51と挿入部側本体50とが光学的にも接続された状態となる。
また、パワーユニット51側のシャーシ85の環状溝92に対してケーシング93のフランジ部94が径方向に移動自在であり、Oリング95によってシャーシ85に対してケーシング93のフランジ部94が弾性的に押圧されている。従って、ケーシング93が揺動自在に支持され、端子固定部材96は三次元的に揺動自在である。さらに、ライトガイド固定基板104の環状溝108にはライトガイド固定部材109のフランジ部110が径方向に移動自在であり、Oリング111によってライトガイド固定基板104に対してライトガイド固定部材109が弾性的に押圧されてライトガイド固定部材109は三次元的に揺動自在である。
従って、挿入側コネクタ本体69を空洞部86に挿入する際に、挿入側コネクタ本体69の挿入先端側が径方向に揺動しても、挿入側コネクタ本体69の揺動に伴って端子固定部材96及びライトガイド固定部材109が三次元的に揺動して追従することになる。このため、挿入部側本体50を把持して挿入側コネクタ本体69を空洞部86に挿入する際に挿入側コネクタ本体69に挿入先端側が径方向に位置ずれしても引っ掛かり感がなく円滑に挿入できる。そして、電気接点部59を電気端子部97に接触させて電気的に導通させ、レンズ枠79をライトガイド嵌合部材112の嵌合筒117に嵌合して確実に光学的に接続することができる。
さらに、ライトガイド固定部材109に対してライトガイド嵌合部材112が嵌合され、ライトガイド嵌合部材112はスプリング112aによってライトガイド固定基板104のフランジ部105に弾性的に押圧されている。従って、挿入側コネクタ本体69のレンズ枠79をライトガイド嵌合部材112の嵌合筒117に嵌合する際の挿入方向の衝撃力をスプリング112aによって吸収することができると同時に光学レンズ80と116とを密着することができる。
図9は第2の実施形態を示し、第1の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。図9は挿入部側本体120及びパワーユニット121の内部構造を示し、挿入部側本体120とパワーユニット121との非接続状態の縦断側面図である。
まず、挿入部側本体120側について説明すると、挿入部側本体120の内部にはアルミニウム等の剛性を有する金属部材からなるシャーシ122が設けられている。シャーシ122の後端部には電気コネクタ部材123と光学コネクタ部材124が隣り合って平行状態に設けられている。電気コネクタ部材123には第1の実施形態と同様に挿入側コネクタ本体69が設けられ、この挿入側コネクタ本体69には電気接点部59が配置されている。
さらに、シャーシ122には後端部方向に突出する筒部125が設けられ、この筒部125には電気コネクタ固定支柱126がねじ込み固定されている。電気コネクタ固定支柱126は挿入側コネクタ本体69の中心部を通って挿入側コネクタ本体69の先端側に突出しており、先端部にはフランジ部127が設けられている。このフランジ部127の外周面にはねじ部128が形成され、このねじ部128にはキャップ129がねじ込み固定されている。キャップ129の外周面はOリング130を介して挿入側コネクタ本体69の嵌合孔131と密着されており、電気コネクタ固定支柱126によって挿入側コネクタ本体69を支持すると同時に水密にシールされている。
前記光学コネクタ部材124は後方に向かって突出する円筒部132を有している。円筒部132の内周面の基端部及び先端部にはねじ部133,134が設けられている。基端部のねじ部133にはシャーシ122の内側からライトガイド固定枠135がねじ込み固定されており、光学コネクタ部材124を補強している。ライトガイド固定枠135には第1の実施形態と同様に、ライトガイド46に嵌合するライトガイド嵌合部材78が挿入され、ライトガイド嵌合部材78には光学レンズ80を装着したレンズ枠79が嵌合されている。レンズ枠79は光学コネクタ部材124のねじ部134にねじ込み固定され、さらにOリング83を介して光学コネクタ部材124に水密にシールされている。
次に、パワーユニット121側について説明すると、パワーユニット121の本体部を構成するシャーシ85には電気コネクタ部材123及び光学コネクタ部材124と対応して電気コネクタ空洞部136と光学コネクタ空洞部137が隣り合って平行状態に設けられている。電気コネクタ空洞部136にはシャーシ85の先端側には円筒状のケーシング93が設けられている。ケーシング93の内部には端子固定部材138が設けられている。端子固定部材138は円筒部139と、この円筒部139の先端開口を閉塞する閉塞部140が設けられている。
円筒部139の内周面には第1の実施形態と同様に電気接点部59に対応して複数の電気端子部97が配置されている。円筒部139の基端側には電気端子部97と隣接して水分を除去する除去手段としての第1のワイパ101が設けられ、円筒部139の先端側で、閉塞部140の内面には第1のワイパ101による除去方向とは異なる方向からの水分の侵入を防止する防止手段としての第2のワイパ102が設けられている。
光学コネクタ空洞部137にはシャーシ85に対してライトガイド固定部材109が設けられている。シャーシ85の前端部には凹陥部141が設けられ、この凹陥部141には周壁部142とこの周壁部142に対して固定された抑え部材143によって環状溝144が形成されている。シャーシ85の先端側には第1の実施形態と同様に円筒状のライトガイド固定部材109が設けられている。ライトガイド固定部材109の基端部にはフランジ部110が設けられ、このフランジ部110は環状溝144に嵌合されている。環状溝144の内径はライトガイド固定部材109のフランジ部110の外径より大きく形成され、環状溝144に対してライトガイド固定部材109が径方向に移動自在であり、フランジ部110と抑え部材143との間にはOリング111が介在されて水密にシールされている。
次に、パワーユニット121の電気コネクタ空洞部136と光学コネクタ空洞部137に対して挿入部側本体120の電気コネクタ部材123と光学コネクタ部材124を挿入し、挿入部側本体120とパワーユニット121とを電気的及び光学的に接続する作用について説明する。
挿入部側本体120を把持して電気コネクタ部材123及び光学コネクタ部材124をパワーユニット121の電気コネクタ空洞部136及び光学コネクタ空洞部137に位置決めして挿入する。電気コネクタ部材123の挿入側コネクタ本体69の外周面における先端部が第1のワイパ101の摺接部101bに接触し、挿入側コネクタ本体69を電気コネクタ空洞部136に深く挿入すると、挿入側コネクタ本体69の外周面を第1のワイパ101の摺接部101bが摺動し、第1のワイパ101のくびれ部101aを支点として電気コネクタ空洞部136の奥部方向に折曲した状態になり、その摺接部101bが挿入側コネクタ本体69の外周面に摺接する。従って、第1の実施形態と同様に、挿入側コネクタ本体69の外周面に洗滌時に付着した水分が残っていても、水分は第1のワイパ101によって拭き取られ、電気接点部59の表面の水分も第1のワイパ101によって拭き取られる。
挿入側コネクタ本体69を電気コネクタ空洞部136にさらに深く挿入すると、電気接点部59と電気端子部97とが対向し、両者は接触して挿入部側本体120とパワーユニット121とが電気的に導通状態となる。また、挿入側コネクタ本体69の先端部における外周面が第2のワイパ102の摺接部102bに摺接し、摺接部102bは折曲されて挿入側コネクタ本体69の先端部における外周面に密着する。従って、挿入側コネクタ本体69の先端側に水分が付着していても、第2のワイパ102によって水分が電気接点部59の方向に流れることはない。
このようにして挿入側コネクタ本体69が電気コネクタ空洞部136に挿入されると、挿入側コネクタ本体69のレンズ枠79がライトガイド嵌合部材112の嵌合筒117に嵌合し、光学レンズ80と光学レンズ116とが対向してパワーユニット121と挿入部側本体120とが光学的にも接続された状態となる。
また、パワーユニット121側のシャーシ85の環状溝92に対してケーシング93のフランジ部94が径方向に移動自在であり、Oリング95によってシャーシ85に対してケーシング93のフランジ部94が弾性的に押圧されている。従って、ケーシング93が揺動自在に支持され、端子固定部材96は三次元的に揺動自在である。さらに、シャーシ85の環状溝144にはライトガイド固定部材109のフランジ部110が径方向に移動自在であり、Oリング111によってシャーシ85に対してライトガイド固定部材109が弾性的に押圧されてライトガイド固定部材109は三次元的に揺動自在である。
従って、第1の実施形態と同様に、挿入側コネクタ本体69を電気コネクタ空洞部136に挿入する際に、挿入側コネクタ本体69の挿入先端側が径方向に揺動しても、挿入側コネクタ本体69の揺動に伴って端子固定部材138が三次元的に揺動して追従することになる。また、光学コネクタ部材124の挿入先端側が径方向に揺動しても、光学コネクタ部材124の揺動に伴ってライトガイド固定部材109が三次元的に揺動して追従することになる。このため、挿入部側本体120を把持してパワーユニット121に接続する際に相互が径方向に位置ずれしても引っ掛かり感がなく円滑に挿入できる。そして、電気接点部59を電気端子部97に接触させて電気的に導通させ、レンズ枠79をライトガイド嵌合部材112の嵌合筒117に嵌合して確実に光学的に接続することができる。
図10及び図11は第3の実施形態を示し、第1の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。図10は挿入部側本体145及びパワーユニット146の非接続状態の縦断側面図、図11は挿入部側本体145とパワーユニット146との接続状態の縦断側面図である。
挿入部側本体145のライトガイド固定部材77の先端部にはばね抑え部材147が設けられている。ライトガイド46にはレンズ枠148が嵌合固定され、このレンズ枠148には光学レンズ80が装着されている。レンズ枠148の背面とばね抑え部材147との間にはスプリング149が圧縮状態で介在されている。さらに、レンズ枠148には電気コネクタ固定部材81の内周面と隙間を介して嵌合されたフランジ部148aが設けられ、このフランジ部148aは電気コネクタ固定部材81のフランジ部81aと対向している。そして、フランジ部148aと81aとの間にはOリング150が介在され、水密にシールされている。従って、レンズ枠148は電気コネクタ固定部材81に対して径方向に移動自在であるとともに、スプリング149によって支持され、軸方向に移動自在である。
次に、パワーユニット146について説明すると、ケーシング93の内部に設けられた端子固定部材96の先端部には円筒状のライトガイド固定基板104が固定されている。ライトガイド固定基板104の先端部には閉塞部151が設けられ、この閉塞部151の中心部には軸方向に貫通孔152が穿設され、この貫通孔152にはライトガイド115が装着されている。ライトガイド115の端面には平板ガラスからなる光学レンズ116が密着状態で設けられている。光学レンズ116はライトガイド嵌合部材112に設けられた嵌合筒117に固定されたレンズ枠118に装着されている。
従って、ライトガイド115はライトガイド固定基板104に固定されているが、前記レンズ枠148はスプリング149によって弾性的に押圧されているため、挿入側コネクタ本体69のレンズ枠79をライトガイド嵌合部材112の嵌合筒117に嵌合する際の挿入方向の衝撃力をスプリング149によって吸収することができると同時に光学レンズ80と116とを密着することができる。
図12及び図13は第4の実施形態を示し、第1の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。図12は挿入部側本体153及びパワーユニット154の非接続状態の縦断側面図、図13は挿入部側本体153とパワーユニット154との接続状態の縦断側面図である。
まず、挿入部側本体153側について説明すると、挿入部側本体153の嵌合部材63には円筒状の挿入側コネクタ本体155が設けられている。挿入側コネクタ本体155は電気絶縁材料によって形成され、この内周面には電気接点部59が配置されており、各電気接点部59のリード部59aは挿入側コネクタ本体155の隔壁を貫通して挿入側コネクタ本体155の内部まで延長している。
挿入側コネクタ本体155の内部には弾性部材のパッキン157がパッキンつぶし部材158によって圧接状態に固定され、各電気接点部59のリード部59aはパッキン157を貫通して水密に保たれている。さらに、挿入側コネクタ本体155の先端部には電気コネクタ保護部材159が設けられている。
挿入側コネクタ本体155の基端部の中心部には軸方向に貫通孔160が設けられ、この貫通孔160にはパイプ状のライトガイド嵌合部材161が対向して設けられている。このライトガイド嵌合部材161の先端部はライトガイド固定部材162が嵌合されている。貫通孔160にはライトガイド固定部材162に対して固定されたレンズ枠163が設けられ、レンズ枠163には光学レンズ164が装着されている。レンズ枠163の外周面にはOリング165が装着され、貫通孔160との間が水密にシールされている。
次に、パワーユニット154側について説明すると、パワーユニット154の本体部を構成するアルミニウム等の剛性を有する金属部材からなるシャーシ166が設けられている。シャーシ166は挿入部側コネクタ本体155が挿入される円筒状の空洞部166aが設けられている。空洞部166aの内周面には嵌合受け部87が設けられ、この嵌合受け部87には金属弾性部材からなる複数のフィンガ88が周方向に配設されている。
シャーシ166の先端部には円筒状のケーシング93が設けられている。ケーシング93の内側には端子固定部材167が固定リング167aによって固定されている。端子固定部材167は外周壁部168と内周壁部169及び閉塞壁部170を有し、前記挿入部側コネクタ本体155が挿入される円環状の嵌合部171が設けられている。端子固定部材167の内周壁部169における外周面には電気接点部59に対応して複数の電気端子部97が配置されている。端子固定部材167の閉塞壁部170には弾性部材のパッキン172がパッキンつぶし部材173によって圧接状態に固定され、各電気端子部97のリード部97aはパッキン172を貫通して水密に保たれている。さらに、パッキンつぶし部材173にはパッキン抑え部材174が設けられ、このパッキン抑え部材174は端子固定部材167に固定された電気コネクタ保護部材175に対してねじ込み固定されている。
端子固定部材167の内周壁部169における外周面には電気端子部97と隣接して水分を除去する除去手段としての第1のワイパ176と、閉塞壁部170側には電気端子部97と隣接して第1のワイパ176による除去方向とは異なる方向からの水分の侵入を防止する防止手段としての第2のワイパ177が設けられている。
第1及び第2のワイパ176,177は、内周壁部169の外周面に沿って円環状のゴム部材によって形成され、外径が前記挿入側コネクタ本体155の内径より僅かに大径に形成され、パワーユニット154の端子固定部材167に対する挿入側コネクタ本体155の挿脱に伴って挿入側コネクタ本体155の内周面と摺接するように形成されている。
このように、端子固定部材167には電気端子部97を挟んで第1のワイパ176と第2のワイパ177とが設けられ、パワーユニット154の端子固定部材167に対する挿入側コネクタ本体155の挿脱に伴って端子固定部材167の表面に付着している水分を第1のワイパ176によって除去できるようになっている。さらに、端子固定部材167の先端側に付着している水分が重力によって電気接点部59の方向に流れるのを第2のワイパ177によって阻止するように構成されている。
また、電気コネクタ保護部材175の内部には環状凹部178が設けられている。この環状凹部178にはライトガイド嵌合部材179のフランジ部179aが嵌合されている。フランジ部179aの外径は環状凹部178の内径より僅かに小径であり、外周面に隙間が形成されている。フランジ部179aにはばね抑え部材180が接合され、ばね抑え部材180とパッキン抑え部材174との間にはスプリング181が圧縮状態に介在されている。ライトガイド嵌合部材179の中心部には軸方向に貫通孔182が設けられ、この貫通孔182の内部にはライトガイド115が装着されている。ライトガイド115の端面には平板ガラスからなる光学レンズ116が密着状態で設けられ、この光学レンズ116はレンズ枠118に装着されている。従って、ライトガイド嵌合部材179は電気コネクタ保護部材175に対して軸方向に移動自在である。
次に、パワーユニット154の嵌合部171に挿入部側本体153の挿入側コネクタ本体155を挿入し、挿入部側本体153とパワーユニット154とを電気的及び光学的に接続する作用について説明する。
挿入部側本体153を把持して挿入側コネクタ本体155を嵌合部171に挿入すると、挿入側コネクタ本体155の外周面はフィンガ88に接触するため、挿入側コネクタ本体155は嵌合部171の中心部方向に弾性的に位置決めされる。挿入側コネクタ本体155が嵌合部171に挿入されると、まず挿入側コネクタ本体155の内周面における先端部が第1のワイパ176に接触する。
挿入側コネクタ本体155を嵌合部171に深く挿入すると、挿入側コネクタ本体155の内周面を第1のワイパ176が摺動し、挿入側コネクタ本体155の内周面に洗滌時に付着した水分が残っていても、水分は第1のワイパ176によって拭き取られる。挿入側コネクタ本体155の内周面には複数の電気接点部59が設けられ、この電気接点部59の表面にも水分が付着していることがあるが、その水分も第1のワイパ176によって拭き取られる。
挿入側コネクタ本体155をさらに深く挿入すると、電気接点部59と電気端子部97とが対向し、両者は接触して挿入部側本体153とパワーユニット154とが電気的に導通状態となる。挿入側コネクタ本体155を嵌合部171の最も奥部に挿入すると、挿入側コネクタ本体155の先端部における内周面が第2のワイパ177に摺接し、挿入側コネクタ本体155の先端部における内周面に密着する。すなわち、挿入側コネクタ本体155の先端側間を第2のワイパ177が遮断した状態となる。従って、挿入側コネクタ本体155の先端側に水分が付着していても、第2のワイパ177によって水分が電気接点部59の方向に流れることはない。つまり、内視鏡21の使用状態においては、挿入部側本体153が下側で縦方向になり、挿入側コネクタ本体155の先端側の水分が重力によって電気接点部59の方向に流れることがあるが、第2のワイパ177を設けることによって電気接点部59の方向に流れようとする水分を遮断できる。
このようにして挿入側コネクタ本体155が嵌合部171の最も奥部に挿入されると、挿入側コネクタ本体155の光学レンズ164と光学レンズ116とが対向してパワーユニット154と挿入部側本体153とが光学的にも接続された状態となる。
また、パワーユニット51側のシャーシ166の環状溝92に対してケーシング93のフランジ部94が径方向に移動自在であり、Oリング95によってシャーシ85に対してケーシング93のフランジ部94が弾性的に押圧されている。従って、ケーシング93が揺動自在に支持され、端子固定部材96は三次元的に揺動自在である。さらに、ライトガイド嵌合部材179のフランジ部179aが電気コネクタ保護部材175に対して径方向に移動自在であり、スプリング181によって弾性的に押圧されて支持されているためライトガイド嵌合部材179は三次元的に揺動自在である。
従って、挿入側コネクタ本体155を嵌合部171に挿入する際に、挿入側コネクタ本体155に挿入先端側が径方向に揺動しても、挿入側コネクタ本体155の揺動に伴って端子固定部材167及びライトガイド嵌合部材179が三次元的に揺動して追従することになる。このため、挿入部側本体153を把持して挿入側コネクタ本体155を嵌合部171に挿入する際に挿入側コネクタ本体155に挿入先端側が径方向に位置ずれしても引っ掛かり感がなく円滑に挿入できる。
さらに、ライトガイド嵌合部材179はスプリング181によって電気コネクタ保護部材175のフランジ部175aに弾性的に押圧されている。従って、挿入側コネクタ本体155を嵌合部171に嵌合する際の挿入方向の衝撃力をスプリング181によって吸収することができると同時に光学レンズ164と116とを密着することができる。
なお、本発明は、前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の第1の実施形態に係る医療装置を示す概略的な斜視図。 同実施形態に係る医療装置を示す概略的なブロック図。 同実施形態に係る内視鏡の挿入部側本体とパワーユニットの斜視図。 同実施形態に係る医療装置の挿入部側本体とパワーユニットとの非接続状態の縦断側面図。 同接続状態の縦断側面図。 同実施形態に係る医療装置の挿入部側本体とパワーユニットとの非接続状態を示し、パワーユニットのみを断面した側面図。 同接続状態を示し、パワーユニットのみを断面した側面図。 同実施形態に係る医療装置のフレキシブルコネクタを示し、(a)(b)は斜視図。 本発明の第2の実施形態に係る医療装置の挿入部側本体とパワーユニットとの非接続状態の縦断側面図。 本発明の第3の実施形態に係る医療装置の挿入部側本体とパワーユニットとの非接続状態の縦断側面図。 同接続状態の縦断側面図。 本発明の第4の実施形態に係る医療装置の挿入部側本体とパワーユニットとの非接続状態の縦断側面図。 同接続状態の縦断側面図。
符号の説明
50…挿入部側本体(第2のコネクタ部)、51…パワーユニット(第1のコネクタ部)、59…電気接点部、101…第1のワイパ(除去手段)、102…第2のワイパ(防止手段)

Claims (7)

  1. 電気端子部を備えた第1のコネクタ部と、
    前記第1のコネクタ部の前記電気端子部に接続される電気接点部を備えた第2のコネクタ部と、
    前記第1のコネクタ部に設けられ、前記第1のコネクタ部と前記第2のコネクタ部とが接続された際に、前記電気端子部と前記電気接点部との接続点よりも前記第1のコネクタ部の先端側にあり、前記電気接点部上の水分を接続方向と反対の方向に除去する除去手段と、
    前記第1のコネクタ部に設けられ、前記第1のコネクタ部と前記第2のコネクタ部とが接続された際に、前記電気端子部と前記電気接点部との接続点よりも前記第1のコネクタ部の基端側にあり、前記除去手段による除去方向とは異なる方向からの水分の侵入を防止する防止手段と、
    を具備し
    前記除去手段は、弾性部材であり、
    前記除去手段は、前記第2のコネクタ部の接続動作に伴って前記第2のコネクタ部の外表面を摺接する摺接部を備えていることを特徴とする医療装置。
  2. 前記防止手段は、弾性部材であることを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
  3. 前記除去手段及び前記防止手段は、前記電気接点部が設けられる前記第2のコネクタ部の外周面に摺接する内周面を有する環状であることを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
  4. 前記除去手段及び前記防止手段は、前記電気接点部が設けられる前記第2のコネクタ部の内周面に摺接する外周面を有する環状であることを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
  5. 前記除去手段は、重力方向に水分を除去するとともに、前記防止手段は、重力方向に垂れる水分を防止するよう、重力方向に沿って前記防止手段、前記除去手段の順に配置したことを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
  6. 前記第1のコネクタ部は、前記電気接点部に接続される信号処理手段を有する信号処理装置であって、前記第2のコネクタ部は、前記信号処理装置に接続される内視鏡に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
  7. 前記第1のコネクタ部は、内視鏡の操作部を構成するパワーユニットに設けられ、前記第2のコネクタ部は、前記パワーユニットに着脱可能に接続される挿入部側本体に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
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