JP3621205B2 - 液晶配向膜用硬化性組成物 - Google Patents

液晶配向膜用硬化性組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の構造を有する共重合体とオキサゾリン化合物とを含有する液晶配向膜用硬化性組成物に関し、詳しくは、マレイミド類およびエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物の共重合体で且つカルボン酸基を有する共重合体と、オキサゾリン化合物とを含有し、低温での焼成が可能な液晶配向膜用硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
現在、液晶表示素子は、薄型ディスプレイとして広範囲に用いられている。一般的に用いられている液晶表示素子は、ツイステッドネマティック(TN)方式とスーパーツイステッドネマティック(STN)方式であるが、これらの液晶表示素子を作製する場合には特公昭62−38689号公報に示されるように透明電極付き基板に挟まれた液晶を基板に対して一定方向に配向させる液晶配向膜が必要である。
【0003】
一般的に、液晶表示素子の基板には厚さ0.3mm〜1.0mm程度のガラス板が用いられている。近年、液晶表示素子を搭載する電子機器の更なる薄型化、軽量化のために、基板にポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」ということもある)やポリエーテルスルホン(以下、「PES」ということもある)、ポリアリレート等のプラスティック基板を用いることが検討され、一部で実用化され始めている。これらのプラスティック基板を用いることにより、薄型化、軽量化が可能であり、更にプラスティックの特徴であるフレキシビリティーを活かして、表示面が曲面であるディスプレイや屈曲性のあるディスプレイを作製することも可能である。
【0004】
しかし、このようなプラスティック液晶表示素子を製造するにあたり、これに用いる液晶配向剤に関する問題が生じている。すなわち、プラスティック基板を用いるため、PETで120℃程度、PESやポリアリレートで150℃程度が加工に許容される最高温度となり、良好な配向膜が得られる焼成温度が200〜350℃であるこれまで用いられてきた液晶配向剤を使用することが出来ないということである。
【0005】
一方、200℃以下で焼成可能な液晶配向剤としては、特開昭61−205924号公報に記載されている可溶性ポリイミドを樹脂成分とする液晶配向剤や特開平5−158047号公報に記載されているシリコーン変性ポリアミド酸を樹脂成分とする液晶配向剤が提案されている。前者は樹脂成分がポリイミド前駆体ではなく、すでにイミド化が完了したポリイミドであるため、溶剤を揮発させれば配向膜が得られるというものである。また後者は、熱イミド化が通常のポリイミド前駆体より進行し易いため、低温での焼成が可能であるというものである。
【0006】
しかし、これらの液晶配向剤を使用した場合にもプラスティック基板を用いるために焼成温度100〜150℃で液晶配向膜を製膜したときに次のような問題が生じている。すなわち、可溶性ポリイミドを樹脂成分とする液晶配向剤を用いると配向膜と基板との密着性が充分でなくラビング工程で配向膜が剥離する場合がある。一方、シリコーン変性ポリアミド酸を樹脂成分とする液晶配向剤を用いた場合、製膜時のガラス転移温度は低く密着性は良好であるが、150℃未満ではイミド化が充分に進行せず液晶を均一に一軸配向させる配向性を得ることができない。
【0007】
従って、本発明の目的は、150℃以下の低温で焼成可能で、且つ、基板との密着性、ラビング性に優れた液晶配向剤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、マレイミド化合物とエチレン性不飽和の重合性化合物との共重合体で且つカルボン酸基を有する共重合体と、オキサゾリン化合物とからなる硬化性組成物が、上記目的を達成し得ることを知見した。
【0009】
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、(A)下記〔化4〕(前記〔化1〕と同じ)の一般式(I)で表される繰り返し単位の少なくとも一種5〜95重量%、下記〔化5〕(前記〔化2〕と同じ)の一般式(II)で表される繰り返し単位の少なくとも一種5〜95重量%および下記〔化6〕(前記〔化3〕と同じ)の一般式(III)で表される繰り返し単位の一種以上0〜50重量%未満からなる共重合体と(B)オキサゾリン環を2個以上有する化合物とを含有する液晶配向膜用硬化性組成物を提供するものである。
【0010】
【化4】
Figure 0003621205
【0011】
【化5】
Figure 0003621205
【0012】
【化6】
Figure 0003621205
【0013】
〔上記一般式(I)〜(III) 中、R、RおよびRは水素原子またはメチル基を表し、Rは炭素原子数1〜18のアルキレン基、シクロアルキレン基またはアリーレン基を表し、XおよびXは水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基またはCOOHを表し、XはCOOH、CONR(RおよびRは各々独立に水素原子または炭素原子数1〜8のアルキル基を表す)またはCOOR(Rは炭素原子数1〜4のアルキル基を表す)を表し、X、XおよびXのいずれか一つはCOOHを表し、nは0または1を表す。〕
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の液晶配向膜用硬化性組成物について詳細に説明する。
本発明に用いられる(A)成分である共重合体を構成する上記一般式(II)で表される繰り返し単位において、Rで表される炭素原子数1〜18のアルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、第二ブチレン、第三ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、第三オクチレン、ノニレン、イソノニレン、デシレン、イソデシレン、ドデシレン、トリデシレン、テトラデシレン、ペンタデシレン、ヘキサデシレン、ヘプタデシレン、オクタデシレンなどが挙げられ、シクロアルキレン基としては、シクロペンチレン、シクロヘキシレンなどが挙げられ、アリーレン基としては、フェニレン、トルイレン、キシリレン、ナフチレンなどが挙げられる。中でも、Rがアリーレン基である場合には、本発明の効果が一層発現するため好ましいる。
【0015】
また、上記一般式(I)、(II)および(III)で表される繰り返し単位において、X、XおよびRで表される炭素原子数1〜4のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチルなどが挙げられる。
【0016】
また、上記一般式(III)で表される繰り返し単位において、Xがアマイド基を表す場合のRおよびRで表される炭素原子数1〜8のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、ペンチル、第三ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、イソオクチル、第三オクチルなどが挙げられる。
【0017】
上記一般式(I)で表される繰り返し単位の具体例としては、下記〔化7〕〜〔化12〕に示す繰り返し単位I−1〜I−6などが挙げられる。
【0018】
【化7】
Figure 0003621205
【0019】
【化8】
Figure 0003621205
【0020】
【化9】
Figure 0003621205
【0021】
【化10】
Figure 0003621205
【0022】
【化11】
Figure 0003621205
【0023】
【化12】
Figure 0003621205
【0024】
上記一般式(I)で表される繰り返し単位がカルボン酸基を有するとき、該カルボン酸基はアミン塩であってもよい。該アミン塩に用いられるアミン化合物としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン等のトリアルキルアミンの他、ジエチルエタノールアミンと(メタ)アクリル酸とのエステルなどが挙げられる。
【0025】
また、上記一般式(II)で表される繰り返し単位の具体例としては、下記〔化13〕〜〔化18〕に示す繰り返し単位II−1〜II−6などが挙げられる。
【0026】
【化13】
Figure 0003621205
【0027】
【化14】
Figure 0003621205
【0028】
【化15】
Figure 0003621205
【0029】
【化16】
Figure 0003621205
【0030】
【化17】
Figure 0003621205
【0031】
【化18】
Figure 0003621205
【0032】
上記一般式(II)で表される繰り返し単位がカルボン酸基を有するとき、該カルボン酸基はアミン塩であってもよい。該アミン塩としては上記一般式(I)において用いられるものと同様のアミン化合物との塩が挙げられる。
【0033】
本発明に用いられる(A)成分である上記共重合体は、上記一般式(I)で表される繰り返し単位の少なくとも一種を5〜95重量%、好ましくは10〜90重量%含み、上記一般式(II)で表される繰り返し単位の少なくとも一種を5〜95重量%、好ましくは10〜90重量%含み、両繰り返し単位の合計が50重量%以上で構成されるものである(共重合体全体の重量を100重量%とする)。これらの繰り返し単位の共重合体中の含有量が上記範囲を外れると、得られる硬化性組成物の硬化後のガラス転移温度やピール強度が低下して実用的でなくなる。
【0034】
また、上記共重合体は、上記一般式(I)および(II)で表される繰り返し単位の他の成分として、上記一般式(III)で表される繰り返し単位の一種以上を0〜50重量%未満含有するものであり(共重合体全体の重量を100重量%とする)、その原料となる反応性単量体としては、公知の種々の(メタ)アクリル酸およびそのエステル化合物もしくはアマイド化合物を用いることができる。
【0035】
上記一般式(III) で表される繰り返し単位を与える単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸メチルアミド、メタクリル酸メチルアミド、アクリル酸エチルアミド、メタクリル酸エチルアミド、アクリル酸プロピルアミド、メタクリル酸プロピルアミド、アクリル酸ブチルアミド、メタクリル酸ブチルアミド、アクリル酸ペンチルアミド、メタクリル酸ペンチルアミド、アクリル酸ヘキシルアミド、メタクリル酸ヘキシルアミド、アクリル酸オクチルアミド、メタクリル酸オクチルアミド、アクリル酸ジメチルアミド、メタクリル酸ジメチルアミド、アクリル酸ジエチルアミド、メタクリル酸ジエチルアミド、アクリル酸ジプロピルアミド、メタクリル酸ジプロピルアミド、アクリル酸ジブチルアミド、メタクリル酸ジブチルアミド、アクリル酸ジペンチルアミド、メタクリル酸ジペンチルアミド、アクリル酸ジヘキシルアミド、メタクリル酸ジヘキシルアミド、アクリル酸ジオクチルアミド、メタクリル酸ジオクチルアミドなどが挙げられる。
【0036】
上記共重合体の平均分子量は、5000〜1000000であることが好ましく、10000〜500000であることが更に好ましい。該平均分子量が5000未満であると得られる配向膜の配向性や耐熱性が不足する場合があり、1000000を超えると硬化性組成物の粘度が高くなり、溶媒への溶解性が低下して基材への適用が困難となる場合がある。
【0037】
また、上記共重合体のカルボン酸当量は、1000g/eq以下であることが好ましい。該カルボン酸当量が1000g/eqより大きいと硬化後の強度が小さくなってラビング時に膜に傷が付きやすくなる。
【0038】
上記(A)成分である共重合体の硬化性組成物中の含有量は、好ましくは50重量%以上、更に好ましくは70重量%以上である。該含有量が50重量%未満であると液晶の配向性が乏しくなる場合がある。なお、本発明の硬化性組成物は、該(A)成分である共重合体の他、後述の(B)成分であるオキサゾリン環を2個以上有する化合物および必要に応じて用いられる各種成分を含有するものである。
【0039】
本発明に用いられる(B)成分であるオキサゾリン環を2個以上有する化合物(以下、「オキゾリン化合物」という)としては、特に限定されるものではないが、例えば、2,2’− ビス(2− オキサゾリン) 、2,2’− ビス(4− メチル−2− オキサゾリン) 、2,2’− ビス(5− メチル−2− オキサゾリン) 、2,2’− ビス(5,5’−ジメチルオキサゾリン) 、2,2’− ビス(4,4,4’,4’− テトラメチル−2− オキサゾリン) 、1,2−ビス(2− オキサゾリン−2− イル) エタン、1,4−ビス(2− オキサゾリン−2− イル) ブタン、1,6−ビス(2− オキサゾリン−2− イル) ヘキサン、1,8−ビス(2− オキサゾリン−2− イル) 、1,4−ビス(2− オキサゾリン−2− イル) シクロヘキサン、1,2−ビス(2− オキサゾリン−2− イル) ベンセン、1,3−ビス(2− オキサゾリン−2− イル) ベンゼン、1,4−ビス(2− オキサゾリン−2− イル) ベンゼン、1,2−ビス(5− メチル−2− オキサゾリン−2− イル) ベンゼン、1,3−ビス(5− メチル−2− オキサゾリン−2− イル) ベンゼン、1,4−ビス(5− メチル−2− オキサゾリン−2− イル) ベンゼン、1,4−ビス(4,4’−ジメチル−2− オキサゾリン−2− イル) ベンゼン等のビスオキサゾリン化合物、および、該ビスオキサゾリン化合物のオキサゾリン基2化学当量と多塩基性カルボン酸(例えばマレイン酸、琥珀酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、クロレンド酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等)のカルボキシル基1化学当量とを反応させて得られる末端オキサゾリン基を有する化合物等を挙げることができる。
【0040】
上記(B)成分であるオキサゾリン化合物の含有量は、上記(A)成分である共重合体に含まれるカルボン酸の1化学当量当り0.1〜1.2化学当量が好ましく、0.5〜1.1化学当量がより好ましい。該含有量が上記範囲を外れると、得られる硬化物の耐薬品性、耐熱性、電気絶縁性、密着性などが低下する場合がある。
【0041】
次に、本発明の硬化性組成物に用いられる上記(A)成分である共重合体の具体的な合成例を示す。ただし、本発明は下記の合成例によって何ら制限を受けるものではない。
【0042】
合成例1(ポリマー1〔N−(p− カルボキシフェニル) マレイミドとスチレンとの共重合体〕の合成)
N−(p− カルボキシフェニル) マレイミド6.86g(0.04モル) とスチレン4.16g(0.04モル) とをメチルエチルケトン200gに溶解し、アゾビスイソブチロニトリル(以下、「AIBN」ということもある)2g(0.012モル) を加えて75℃で2 時間反応した。析出した白色沈澱を濾別してトルエン洗浄して白色粉末状ポリマー10.5g(収率95%)を得た。得られたポリマーは酸価174mgKOH/gであり、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)より平均分子量47800 であった。
【0043】
合成例2(ポリマー2〔N−フェニルマレイミドと4−ビニルベンジル−2− カルボキシフェニルエーテルとの共重合体〕の合成)
N−フェニルマレイミド6.92g(0.04モル) と4−ビニルベンジル−2− カルボキシフェニルエーテル10.16g(0.04 モル) とをメチルエチルケトン250gに溶解し、AIBN2.65g(0.014 モル) を加えて75℃で2 時間反応した。析出した白色沈澱を濾別してトルエン洗浄して白色粉末状ポリマー15.7g(収率92%)を得た。得られたポリマーは酸価131mgKOH/gであり、GPCより平均分子量51200 であった。
【0044】
合成例3(ポリマー3〔N−(p− カルボキシフェニル) マレイミドとスチレンとアクリル酸メチルとの共重合体] の合成)
N−(p− カルボキシフェニル) マレイミド6.86g(0.04モル) とスチレン4.16g(0.04モル) とメタクリル酸メチル6.88g(0.08モル) とをメチルエチルケトン300gに溶解し、AIBN3.23g(0.020 モル) を加えて75℃で2 時間反応した。析出した白色沈澱を濾別してトルエン洗浄して白色粉末状ポリマー16.1g(収率90%)を得た。得られたポリマーは酸価125mgKOH/gであり、GPCより平均分子量38000 であった。
【0045】
合成例4〔ポリマー4(ポリマー1のトリエチルアミン塩)の合成〕
ポリマー1;10g(カルボン酸換算で0.031 モル) をシクロヘキサノン90g に溶解し、攪拌下トリエチルアミン3.1g(0.031モル) を滴下して、析出した白色沈澱を濾別してシクロヘキサノンで洗浄して白色粉末状ポリマー12.7g(収率97%)を得た。
【0046】
合成例5〔ポリマー5(ポリマー1のジエチルエタノールアミンのアクリル酸エステル塩)の合成〕
ポリマー110g(カルボン酸換算で0.031 モル) をシクロヘキサノン90g に溶解し、攪拌下2−アクリロイルオキシエチル− ジエチルアミン5.3g(0.031モル) を滴下して、析出した白色沈澱を濾別してシクロヘキサノンで洗浄して白色粉末状ポリマー14.7g(収率96%)を得た。
【0047】
また、本発明に係る上記共重合体以外の共重合体の合成例(比較合成例)も次に示す。
比較合成例1(比較ポリマー1〔アクリル酸とスチレンとの共重合体〕の合成)
アクリル酸2.88g(0.04モル) とスチレン4.16g(0.04モル) とをメチルエチルケトン100gに溶解し、AIBN3.23g(0.020 モル) を加えて75℃で2 時間反応した。析出した白色沈澱を濾別してメタノール洗浄して白色粉末状ポリマー6.9g( 収率98%)を得た。得られたポリマーは酸価318mgKOH/gでありGPCより平均分子量33100 であった。
【0048】
また、本発明の硬化性組成物は、得られる硬化物の硬度などの機械特性を調整するために必要に応じて(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル化合物を含有してもよい。
【0049】
上記(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜14のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14のポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多価アルコールをα,β−不飽和カルボン酸でエステル化して得られる化合物;トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルアクリル酸付加物(1/3)、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物(1/2)等のグリシジル基含有化合物に(メタ)アクリル酸を付加して得られる化合物;β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのフタル酸ジエステル、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのトルエンジイソシアネート付加物等の水酸基およびエチレン性不飽和結合を有する化合物と多価カルボン酸とのエステル化合物またはポリイソシアネートとの付加物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等があげられる。
【0050】
また、本発明の硬化性組成物は、熱および光により硬化可能であり、光により硬化させる場合には、任意の光重合開始剤を用いることができる。
【0051】
本発明の硬化性組成物に併用できる上記光重合開始剤としては、従来既知の化合物を用いることが可能であり、例えば、ベンゾフェノン、フェニルビフェニルケトン、1−ヒドロキシ−1−ベンゾイルシクロヘキサン、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、1−ベンジル−1−ジメチルアミノ−1−(4’−モルホリノベンゾイル)プロパン、2−モルホリル−2−(4’−メチルメルカプト)ベンゾイルプロパン、チオキサントン、1−クロル−4−プロポキシチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、エチルアントラキノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、ベンゾインブチルエーテル、2−ヒドロキシ−2−ベンゾイルプロパン、2−ヒドロキシ−2−(4’−イソプロピル)ベンゾイルプロパン、4−ブチルベンゾイルトリクロロメタン、4−フェノキシベンゾイルジクロロメタン、ベンゾイル蟻酸メチル、1,7−ビス(9’−アクリジニル)ヘプタン、9−n−ブチル−3,6−ビス(2’−モルホリノイソブチロイル)カルバゾール、9−n−オクチル−3,6−ビス(2’−モルホリノイソブチロイル)カルバゾール、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ナフチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(N−n−ブチル−3’−カルバゾリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(N−(2”−メトキシ−1”−メチルエトキシカルボニルメチル)−3’−カルバゾリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどがあげられる。これらの光重合開始剤は、安息香酸系または第三級アミン系などの公知の光重合促進剤の1種または2種以上と組み合わせて用いてもよい。
【0052】
また、本発明の硬化性組成物には、上記(A)成分である共重合体(マレイミド類とエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物との共重合体)とともに、熱可塑性有機重合体を用いることによって、硬化物の特性を改善することもできる。該熱可塑性有機重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル化合物と(メタ)アクリル酸との共重合体、(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリル酸およびこれらと共重合し得る他のビニルモノマーとの共重合体があげられる。
【0053】
上記(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、第三ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレートなどがあげられ、また、上記他のビニルモノマーとしては、例えば、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン等があげられる。
【0054】
本発明の硬化性組成物は、通常、必要に応じて前記の各成分を溶解または分散しえる溶媒、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチロセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、N−メチル−2−ピロリドン、エチルカルビトール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、クロロホルム、塩化メチレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどの単独または混合物を加えた溶液状組成物として用いられる。さらに、基板との密着性を向上させるために、シランカップリング剤やチタン系カップリング剤を微量添加してもよい。
【0055】
本発明の硬化性組成物は、ロールコーター、カーテンコーター、スピンコーター、各種の印刷、浸漬等の公知の手段で、ガラス、プラスチック、フィルム等の支持基体上に適用される。また、一旦フィルム等の支持基体上に施した後、他の支持基体上に転写することもでき、その適用方法に制限はない。
【0056】
また、本発明の硬化性組成物を光により硬化する場合には、通常光硬化に用いられる各種の光源が利用可能で、例えば、アルゴンレーザー、水銀蒸気アーク、カーボンアークおよびキセノンアーク等、従来既知の光源を使用することができる。
【実施例】
【0057】
以下、具体的な実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。尚、以下の実施例で用いられるポリマー1〜5および比較ポリマー1は、前記合成例で合成したものである。
【0058】
実施例1−1〜1−5
下記〔表1〕に記載の配合物を十分に混合したのち、この溶液をフレキソ印刷機を用いて面積1cmのITO電極を形成してあるポリエーテルスルホン基板上に印刷し、80℃で5分間加熱乾燥した後、乾燥機中130℃で1時間焼成し基板上に配向膜を形成した。長さ2mmのナイロン糸を静電植毛した直径4cmのラビングロールを用い、毛先押し込み長さ0.5mm、ロール回転数1500rpm、テーブル送り速度10cm/min.でラビングを行ない配向膜の傷、剥離の有無を光学顕微鏡観察により確認し、ラビング性を評価した。その結果を下記〔表2〕に示す。
【0059】
実施例1−6
下記〔表1〕に記載の配合物を、実施例1−1と同様にして基板上に印刷し、80℃で5分間加熱乾燥した後、キセノンランプ照射(20mw/cm×10秒)により紫外線硬化した。さらに実施例1−1と同様に焼成、ラビング処理および評価を行なった。その結果を下記〔表2〕に示す。
【0060】
【表1】
Figure 0003621205
【0061】
また、得られた基板を用いてセルギャップ5μm、TN方式の液晶表示素子を作製した。この際、シール剤の硬化は120℃で行なった。液晶は旭電化工業株式会社製アデカキラコール8204Cを用いた。この液晶表示素子の非駆動時の表示性(表示安定性)を目視でムラや配向性の不良による欠陥が認められるか否かで評価した。表示に欠陥が認められないものを良好、一部に欠陥が認められるものを一部不良、全体に欠陥が認められるものを不良とした。また、この液晶表示素子を33Hz、±5Vの矩形波で駆動した際の表示性を目視で同様に確認した。その結果を下記〔表2〕に示す。
【0062】
【表2】
Figure 0003621205
【0063】
【発明の効果】
本発明の液晶配向膜用硬化性組成物は、低温焼成可能で、得られる配向膜はラビング性に優れたものである。また、本発明の液晶配向膜用硬化性組成物を液晶表示素子に用いた場合には優れた表示性を示す。

Claims (2)

  1. (A)下記〔化1〕の一般式(I)で表される繰り返し単位の少なくとも一種5〜95重量%、下記〔化2〕の一般式(II)で表される繰り返し単位の少なくとも一種5〜95重量%および下記〔化3〕の一般式(III)で表される繰り返し単位の一種以上0〜50重量%未満からなる共重合体と(B)オキサゾリン環を2個以上有する化合物とを含有する液晶配向膜用硬化性組成物。
    Figure 0003621205
    Figure 0003621205
    Figure 0003621205
    〔上記一般式(I)〜(III) 中、R、RおよびRは水素原子またはメチル基を表し、Rは炭素原子数1〜18のアルキレン基、シクロアルキレン基またはアリーレン基を表し、XおよびXは水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基またはCOOHを表し、XはCOOH、CONR(RおよびRは各々独立に水素原子または炭素原子数1〜8のアルキル基を表す)またはCOOR(Rは炭素原子数1〜4のアルキル基を表す)を表し、X、XおよびXのいずれか一つはCOOHを表し、nは0または1を表す。〕
  2. 上記一般式(I)におけるRが、アリーレン基である請求項1記載の液晶配向膜用硬化性組成物。
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