JPH08283356A - 熱及び/又は光硬化型ポリアミドイミド樹脂組成物および樹脂溶液 - Google Patents

熱及び/又は光硬化型ポリアミドイミド樹脂組成物および樹脂溶液

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JPH08283356A
JPH08283356A JP8273595A JP8273595A JPH08283356A JP H08283356 A JPH08283356 A JP H08283356A JP 8273595 A JP8273595 A JP 8273595A JP 8273595 A JP8273595 A JP 8273595A JP H08283356 A JPH08283356 A JP H08283356A
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JP
Japan
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acid
heat
resin composition
polyamideimide resin
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JP8273595A
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English (en)
Inventor
Tadashi Inukai
忠司 犬飼
Tomoharu Kurita
智晴 栗田
Keiichi Uno
敬一 宇野
Kazunori Komatsu
和憲 小松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリアミドイミド樹脂の耐熱性を損なわず
に、着色が少なく、汎用の低沸点溶剤に溶解する新規な
熱及び/又は光硬化型ポリアミドイミド樹脂を提供す
る。 【構成】 酸成分にシクロヘキサンジカルボン酸を含有
し、対数粘度が0.1dl/g以上、ガラス転移温度が
120℃以上、乾燥膜厚30μでの波長500nmにお
ける光線透過率が75%以上のアルコール系溶剤に溶解
するポリアミドイミド樹脂に、不飽和化合物を共重合及
び/又は変成した熱及び/又は光硬化型ポリアミドイミ
ド樹脂組成物。 【効果】 本発明のポリアミドイミド樹脂は熱及び/又
は光硬化性が付与されていて耐熱性、透明性、溶解性に
優れるためフィルム、繊維、成型材料、コーテイング
剤、接着剤、塗料、インキのみならず液晶表示用の光等
方性基板、位相差板、偏光フィルムのカバーフィルム、
カラーフィルター用インキのバインダーやプラスチック
レンズ、光デイスク用基板等に応用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な硬化性ポリアミド
イミド樹脂組成物に関する。更に詳しくは透明性、耐熱
性、成型性、接着性に優れ、低沸点アルコール系溶剤に
溶解するのでフィルム、繊維、成型材料、コーテイング
剤、塗料、接着剤、インキのみならず、液晶表示用の光
等方性基板、位相差板、偏光フィルムのカバーフィル
ム、カラーフィルター用インキのバインダーやプラスチ
ックレンズ、光デイスク用基板等に有用な熱及び/又は
光硬化型ポリアミドイミド樹脂およびこれを溶解してな
る樹脂溶液に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリアミドイミド樹脂は耐熱性、
機械的特性、電気絶縁性、耐薬品性などに優れるため成
型材料や絶縁塗料などに応用されているが、Nメチル2
ピロリドンやジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミドのような吸湿性が強く沸点の高い溶剤にしか溶解し
ないため、ポリマー溶液の保存安定性が悪く乾燥しにく
いと言った問題や、着色しているために光学用途に応用
できないといった問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
アミドイミド樹脂の耐熱性を損なわずに、着色がきわめ
て少なく、汎用の低沸点溶剤に可溶な熱及び/又は光硬
化型ポリアミドイミド樹脂およびその溶液を提供するこ
とである。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は熱
及び/又は光硬化性と着色性および溶解性の改良につい
て鋭意研究した結果本発明に到達した。
【0005】即ち本発明は、酸成分にシクロヘキサンジ
カルボン酸を含有し、対数粘度が0.1dl/g以上、
ガラス転移温度が120℃以上、乾燥膜厚30μでの波
長500nmにおける光線透過率が75%以上のアルコ
ール系溶剤に溶解するポリアミドイミド樹脂に不飽和化
合物を共重合及び/又は変成した熱及び/又は光硬化型
ポリアミドイミド樹脂に関するものであり、その好まし
い態様としては主たる酸成分がシクロヘキサンジカルボ
ン酸を20モル%以上含有しており、アミン残基がジシ
クロヘキシルメタン及び/又はイソホロン残基を含有す
ることを特徴とするポリアミドイミド樹脂に水酸基、カ
ルボキシル基、エポキシ基および酸無水物基から選ばれ
る少なくとも1種を含有する不飽和化合物を共重合及び
/又は変成したポリアミドイミド樹脂に関するものであ
り、特に、メタクリル酸グリシジルを不飽和化合物とし
て変成したポリアミドイミド樹脂を水酸基含有アクリレ
ートモノマーに溶解したことを特徴とする熱及び/又は
光硬化型ポリアミドイミド樹脂に関するものである。
【0006】本発明の熱及び/又は光硬化型ポリアミド
イミド樹脂のポリアミドイミド成分の合成は、酸成分と
イソシアネート(アミン)とからイソシアネート法ある
いは酸クロリド法などの通常の方法でアミド系溶剤など
の極性溶剤中で合成され、不飽和化合物の共重合及び/
又は変成はポリアミドイミドイミド成分の重合と同時に
行っても良いし、重合の途中や終了後に行っても良い。
【0007】本発明のポリアミドイミド成分の合成に用
いられる酸成分はシクロヘキサンジカルボン酸を必須成
分とするが、その一部を以下に示す多価カルボン酸、酸
クロリド、酸無水物で置き換えることができ、必ずしも
これらに限定されるものではない。酸無水物としては、
トリメリット酸無水物、エチレングリコールビスアンヒ
ドロトリメリテート、プロピレングリコールビスアンヒ
ドロトリメリテート、1、4ブタンジオールビスアンヒ
ドロトリメリテート、ヘキサメチレングリコールビスア
ンヒドロトリメリテート、ポリエチレングリコールビス
アンヒドロトリメリテート、ポリプロピレングリコール
ビスアンヒドロトリメリテート、等のアルキレングリコ
ールビスアンヒドロトリメリテート、ピロメリット酸無
水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、3、
3’、4、4’ジフェニルスルホンテトラカルボン酸無
水物、3、3’、4、4’ビフェニルテトラカルボン酸
無水物、4、4’オキシジフタル酸無水物などが挙げら
れる。
【0008】また、多価カルボン酸としては、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、4、4’ビフェニルジカルボン
酸、4、4’ビフェニルエーテルジカルボン酸、4、
4’ビフェニルスルホンジカルボン酸、4、4’ベンゾ
フェノンジカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット
酸、3、3’、4、4’ベンゾフェノンテトラカルボン
酸、3、3’、4、4’ビフェニルスルホンテトラカル
ボン酸、3、3’、4、4’ビフェニルテトラカルボン
酸、アジピン酸、セバチン酸、マレイン酸、フマル酸、
ダイマー酸、スチルベンジカルボン酸等が、酸クロリド
としては前記多価カルボン酸の酸クロリドが挙げられ
る。
【0009】また、イソシアネート成分としては、ジシ
クロヘキシルメタン4、4’ジイソシアネート、1、3
ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2、4ト
リレンジイソシアネート、2、6トリレンジイソシアネ
ート、ジフェニルメタン4、4’ジイソシアネート、
3、3’ジメチルジフェニルメタンジイソシアネート、
3、3’ジエチルジフェニルメタン4、4’ジイソシア
ネート、3、3’ジクロロジフェニルメタン4、4’ジ
イソシアネート、4、4’ジイソシアネート3、3’ジ
メチルビフェニル、ヘキサメチレンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシ
アネート、m−フェニレンジイソシアネート等が挙げら
れる。
【0010】また、アミン成分としては、4、4’ジア
ミノジシクロヘキシルメタン、1、3シクロヘキサンビ
ス(メチルアミン)、オルトクロロパラフェニレンジア
ミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミ
ン、4、4’ジアミノジフェニルエーテル、3、4ジア
ミノジフェニルエーテル、4、4’ジアミノジフェニル
メタン、3、4ジアミノジフェニルメタン、4、4’ジ
アミノジフェニルスルホン、3、4’ジアミノジフェニ
ルスルホン、4、4’ジアミノベンゾフェノン、3、
4’ジアミノベンゾフェノン、2、2’ビス(アミノフ
ェニル)プロパン、2、4トリレンジアミン、2、6ト
リレンジアミン、p−キシレリンジアミン、m−キシリ
レンジアミン、イソホロンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン等が挙げられる。
【0011】これらの酸成分とイソシアネート(アミ
ン)成分は、各々一種又は二種以上の混合物として用い
ることができるが、酸成分としては、トリメリット酸無
水物とシクロヘキサンジカルボン酸の混合物が好まし
く、シクロヘキサンジカルボン酸の含有量が20モル%
以上が特に好ましい。シクロヘキサンジカルボン酸のモ
ル%が20未満では、溶解性が低下し、アルコールの外
にジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、Nメ
チル2ピロリドンなどのアミド系溶剤やγブチロラクト
ンのような高沸点溶剤を併用しないと溶解しにくくなる
からである。
【0012】また、イソシアネート(アミン)成分とし
ては、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(ジア
ミン)とイソホロンジイソシアネート(ジアミン)の単
独又は混合物が光線透過率、耐熱性、溶解性の点から特
に好ましい。
【0013】本発明に用いられる不飽和化合物も特に限
定はされないが水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、
酸無水物基等の官能基を持った不飽和化合物が好まし
く、具体的にはマレイン酸、無水マレイン酸、フマール
酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、メタクリ
ル酸グリシジル、ヒドロキシエチルメタクリル酸、グリ
セリンモノアクリレート、グリセリンジアクリレート、
トリメチロールプロパンモノアクリレート、トリメチロ
ールプロパンジアクリレート、ペンタエリスリトールモ
ノアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレー
ト、ペンタエリスルトールトリアクリレート等が挙げら
れる。
【0014】これらの不飽和化合物の共重合及び/又は
変成は、前記ポリアミドイミド成分の合成と同時に行っ
ても良いし、合成の途中又は終了後に行っても良い。但
し、単官能性不飽和化合物による変成の場合は、ポリア
ミドイミド成分の合成が終了してから行う方が高分子量
のポリマーが得られやすいので好ましい。
【0015】本発明の熱及び/又は光硬化型ポリアミド
イミド樹脂の合成が溶液重合で行われる場合に使用され
る溶剤はジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、Nメチル2ピロリドン、ジメチル尿素、ジメチルス
ルホキシド、γブチロラクトン、ジメチルイミダゾリジ
ノン等の高沸点極性溶剤の単独又は混合溶剤中で行われ
るが、これらの中では、副反応が少なく、合成されたポ
リアミドイミド樹脂の透明性の点からγブチロラクトン
とジメチルイミダゾリジノンの単独又は混合溶剤が好ま
しい。
【0016】本発明の熱及び/又は光硬化型ポリアミド
イミド樹脂は、上記溶剤中50〜230℃、好ましくは
80〜200℃で攪拌することによって合成される。反
応を促進するためにトリエチルアミン、ルチジン、ピコ
リン、ウンデセン、トリエチレンジアミン等のアミン
類、リリウムメチラート、ナトリウムメチラート、カリ
ウムブトキサイド、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム
等のアルカリ金属、アルカリ土類金属化合物、或はコバ
ルト、チタニウム、スズ、亜鉛等の金属、半金属化合物
などの触媒の存在下に行ってもよい。
【0017】不飽和化合物による共重合及び/又は変成
の温度も通常50〜230℃、好ましくは150℃以下
で行われ、必要に応じて不飽和化合物のラジカル重合禁
止剤を用いても構わない。重合禁止剤としてはp−ベン
ゾキノン、ナフトキノン、フェナンスラキノン、p−キ
シロキノン、p−トルキノン、2、6ージクロロキノ
ン、2、5ージフェニルーp−ベンゾキノン、2、5ー
ジアセトキシーp−ベンゾキノン等のキノン類、ハイド
ロキノン、p−t−ブチルカテコール、2、5ージーt
−ブチルハイドロキノン等のハイドロキノン類、ジーt
−ブチルパラクレゾール、ハイドロキノモノメチルエー
テル、等のフェノール類、アセトアミジンアセテート、
アセトアミジンサルフェート等のアミジン類、フェニル
ヒドラジン塩酸塩、ヒドラジン塩酸塩などのヒドラジン
塩類、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、ラ
ウリルピリジニウムクロライド、トリメチルベンジルア
ンモニウムオキザレート等の4級アンモニウム塩類、フ
ェノチアジン等のチアジン類、キノンジオキシム、シク
ロヘキサノンオキシム等のオキシム類などが挙げられる
がこれらに限定されるわけではない。また、これらの重
合禁止剤は単独でも二種以上の混合系で用いることもで
きる。
【0018】本発明の熱及び/光硬化型ポリアミドイミ
ド樹脂の分子量は対数粘度で0.1dl/g以上が必要
である。対数粘度が0.1dl/g未満では硬化後の皮
膜が脆く実用性が低下する。
【0019】本発明の熱及び/又は光硬化型ポリアミド
イミド樹脂は重合した溶液をそのまま用いることもでき
るし、重合溶液を凝固浴中に投入して得られる粉体とし
て用いることもできる。また、粉体を再溶解した溶液と
して用いることもできる。粉体は、通常使用される溶剤
であるジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、
Nメチル2ピロリドン等のアミド系溶剤に溶解するだけ
でなく、一般的なアルコール類、具体的にはメチルアル
コール、エチルアルコール、nプロピルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、nブチルアルコール、secブ
チルアルコール、t−ブチルアルコール、アミルアルコ
ール、ヘキシルアルコール、ベンジルアルコール、エチ
レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチ
レーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルエ
チレングリコールモノアセテート、プロピレングリコー
ルモノアセテート等の一価アルコール、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロ
ールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコー
ル、ヒドロキシエチルメタクリレート、エチレングリコ
ールモノアクリレート、プロピレングリコールモノアク
リレート、グリセリンモノアクリレート、グリセリンジ
アクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレー
ト、トリメチロールプロパンジアクリレート、ペンタエ
リスルトールモノアクリレート、ペンタエリスリトール
ジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト等の不飽和基含有アルコール等にも溶解することがで
きる。
【0020】更に、上記溶剤の一部をトルエン、キシレ
ン等の炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン
等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエ
ーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等
のエステル系溶剤などで置き換えることが出来る。これ
らの溶剤は、用途によって選択することが出来る。
【0021】本発明のポリアミドイミド樹脂の好ましい
態様の一つは、無溶剤型液状で用いることであるが、こ
の場合は上記溶剤の中で不飽和基含有アルコールを用い
るのが好ましく、特に溶解性の点からヒドロキシエチル
メタクリレートに溶解するのが好ましい。
【0022】本発明のポリアミドイミド樹脂は過酸化物
を配合すると加熱により架橋する熱硬化型として応用で
きるし、光増感剤を配合すると紫外線や電子線、放射線
照射などにより架橋する光硬化型として応用することが
出来る。該ポリアミドイミド樹脂が溶剤を含んでいる場
合は成型体やコーテイング物、印刷物を硬化処理前に乾
燥すればよい。
【0023】又、目的に応じて各種の多官能アクリレー
トやメタクリレート化合物を配合すると更に架橋密度や
硬化物の柔軟性を変えることができ、用途に応じた皮膜
の耐薬品性や機械的特性を得ることが出来る。
【0024】本発明の熱及び/又は光硬化型ポリアミド
イミド樹脂を溶剤に溶解して乾式法でフィルムの成型や
接着剤、プラスッチク材料へのコーテイング材などに応
用する場合には前記のアルコールを主とした低沸点汎用
溶剤に溶解することが好ましい。
【0025】本発明の熱及び/又は光硬化型ポリアミド
イミド樹脂を繊維、フィルム、成型材料、コーテイング
材、塗料、接着剤、インキ等に応用する場合、該ポリア
ミドイミド樹脂の特性を損なわない範囲で、界面活性
剤、染料、顔料、無機酸化物やカーボン粉等の充填剤、
ポリアミドイミド、ポリエステル、アクリル、エポキ
シ、ウレタン、シリコン等の他の樹脂を配合しても構わ
ない。
【0026】
【発明の効果】本発明の熱及び/又は光硬化型ポリアミ
ドイミド樹脂は耐熱性、透明性、密着性などに優れるた
め繊維、フィルム、成型材料、コーテイング材、塗料、
接着剤、インキのみならず、液晶表示用光等方性基板、
位相差板、偏光フィルムのカバーフィルム、カラーフィ
ルター用バインダーやプラスチックレンズ、光デイスク
用基板などに有用である。
【0027】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明を更に詳細に説
明するが、本発明は実施例によって何等限定されるもの
ではない。尚、実施例に示す特性は以下の方法で測定し
た。
【0028】1、対数粘度;乾燥ポリマー0.5gを1
00mlのNMPに溶解した溶液を25℃でウベローデ
型粘度管を用いて測定した。
【0029】2、ガラス転移温度;TMA測定器を用
い、10℃/分の昇温速度で測定した。
【0030】3、光線透過率;分光光度計を用いて測定
した。
【0031】実施例1 反応容器にトリメリット酸無水物57.6g,1,4シ
クロヘキサンジカルボン酸51.6g,マレイン酸1
7.4g、イソホロンジイソシアネート166.7g,
フッ化カリウム1g、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル0.3gを1、3ジメチル2イミダゾリジノンと共に
ポリマー濃度が50重量%となるように仕込み、150
℃に昇温して5時間反応させた。得られたポリマー溶液
を冷却しながらポリマー濃度が20重量%になるように
希釈して攪拌している水中に投入して沈澱させ乾燥し
た。得られたポリマーの対数粘度は0.35dl/g、
ガラス転移温度は191℃であった。この乾燥ポリマー
はメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピル
アルコール、イソブチルアルコール、nブチルアルコー
ル等とトルエン又はテトラヒドロフランの等量混合溶剤
に溶解した。また、この乾燥ポリマーをヒドロキシエチ
ルメタクリレートとグリセリンジメタクリレートの等量
混合物にポリマー濃度が50重量%となるように溶解
し、ベンジルジメチルケタールを3重量%、エポキシア
クリレート(昭和高分子株式会社製SP−4010)を
30重量%配合してポリエステルフィルム上に膜厚が3
0μとなるように塗布して1000mJ/cm2 の紫外
線を照射して硬化させ、ポリエステルフィルムから剥離
して透明なフィルムを得た。このフィルムはNメチル2
ピロリドンに溶解せず、500nmにおける光線透過率
は82%であった。
【0032】実施例2 反応容器にトリメリット酸無水物79.3g,1、4シ
クロヘキサンジカルボン酸65.1g、イソホロンジイ
ソシアネート166.7g,フッ化カリウム1gを1、
3ジメチル2イミダゾリジノンと共に、ポリマー濃度が
50重量%となるように仕込み、180℃で3時間反応
させた。100℃まで冷却した後、メタクリル酸グリシ
ジル19.2gとハイドロキノンモノメチルエーテル
0.3gを加えて更に5時間反応させた。この溶液に
1、3ジメチルイミダゾリジノンを加えてポリマー濃度
が20重量%となるまで希釈した。この希釈溶液を攪拌
している水中に投入して沈澱させ沈澱したポリマーを水
で洗浄、乾燥した。このポリマーの対数粘度は0.31
dl/g,ガラス転移温度は235℃であった。この乾
燥ポリマーを実施例1と同じ方法でヒドロキシエチルメ
タクリレートとグリセリンジメタクリレートの等量混合
物に溶解して、ベンジルメチルケタール3重量%、SP
−4010を30重量%配合した溶液を離型性ポリエス
テルフィルム上に膜厚が30μとなるように塗布して1
000mJ/cm2 の紫外線を照射した。ポリエステル
フィルムから剥離したフィルムはNメチル2ピロリドン
に溶解せず、500nmの光線透過率は86%であっ
た。
【0033】実施例3 反応容器にトリメリット酸無水物118.1g,1,4
シクロヘキサンジカルボン酸35.5g,イソホロンジ
イソシアネート83.3g,ジシクロヘキシルメタン
1、4ジイソシアネート98.4g、フッ化カリウム1
gを1、3ジメチル2イミダゾリジノンでポリマー濃度
が50重量%となるように仕込み、180℃に昇温して
3時間反応させた後、冷却しながら1,3ジメチル2イ
ミダゾリジノンを加えてポリマー濃度が20重量%とな
るまで希釈して、攪拌している水中に投入して沈澱さ
せ、乾燥した。得られたポリマーの対数粘度は0.24
dl/g,ガラス転移温度は252℃であった。反応容
器に、このポリマーが20重量%となるようにジメチル
ホルムアミドに溶解した溶液100gを仕込みハイドロ
キノンモノメチルエーテル0.05gとメタクリル酸グ
リシジル2gを加えて100℃に昇温して5時間反応さ
せた。このポリマー溶液を再度水中に投入沈澱させ洗浄
後乾燥した。乾燥ポリマーの対数粘度は0.43dl/
g,ガラス転移温度は223℃であった。このポリマー
を実施例1と同じ方法で配合、塗布、紫外線照射して得
られたフィルムはNメチル2ピロリドンに溶解せず、5
00nmの光線透過率は85%であった。
【0034】比較例1 実施例1においてトリメリット酸無水物を75.7g,
1、4シクロヘキサンジカルボン酸を67.7gとした
以外は実施例1と同じ条件で反応を行ったところ得られ
たポリマーの対数粘度は0.08dl/g,ガラス転移
温度は195℃であった。このポリマーを用いて実施例
1と同じ条件で光硬化させたフィルムはポリエステルフ
ィルムから剥離できないほど脆く、光線透過率やガラス
転移温度が測定できなかった。
【0035】比較例2 実施例1においてトリメリット酸無水物を129.7g
として、1、4シクロヘキサンジカルボン酸を加えない
仕込組成とした以外は実施例1と同様に重合、希釈、再
沈澱、洗浄、乾燥を行った。得られたポリマーの対数粘
度は0.48dl/g,ガラス転移温度は243℃であ
ったがこの乾燥ポリマーはアルコール系溶剤には溶解し
なかった。
フロントページの続き (72)発明者 小松 和憲 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸成分にシクロヘキサンジカルボン酸を
    含有し、対数粘度が0.1dl/g以上、ガラス転移温
    度が120℃以上、乾燥膜厚30μでの波長500nm
    における光線透過率が75%以上のアルコール系溶剤に
    溶解するポリアミドイミド樹脂に、不飽和化合物を共重
    合及び/又は変成したことを特徴とする熱及び/又は光
    硬化型ポリアミドイミド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 酸成分にシクロヘキサンジカルボン酸を
    20モル%以上含有することを特徴とする請求項1記載
    の熱及び/又は光硬化型ポリアミドイミド樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 アミン残基にジシクロヘキシルメタン及
    び/又はイソホロン基を含有することを特徴とする請求
    項1又は2記載の熱及び/又は光硬化型ポリアミドイミ
    ド樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 不飽和化合物が水酸基、カルボキシル
    基、エポキシ基および酸無水物基から選ばれた少なくと
    も一種を含有することを特徴とする請求項1〜3のいず
    れか記載の熱及び/又は光硬化型ポリアミドイミド樹脂
    組成物。
  5. 【請求項5】 不飽和化合物がメタクリル酸グリシジル
    であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の熱及び/又は光硬化型ポリアミドイミド樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 水酸基含有アクリレートモノマーに溶解
    してなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
    載の熱及び/又は光硬化型ポリアミドイミド樹脂溶液。
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