JP3618673B2 - 建設機械の油圧回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、建設機械の油圧回路に関するものであり、特に、グラブバケット或いはフック等を備えた建設機械に於て、油圧回路を改良することにより、吊り荷の落下防止又は吊り荷の水平移動の容易化等、安全性及び操作性の向上を図った建設機械の油圧回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の此種建設機械の油圧回路を図3乃至図10に従って説明する。図3に於て、1はグラブバケットを用いる建設機械であり、該建設機械1は下部走行体2上に上部旋回体3が旋回自在に搭載され、該上部旋回体3の前部にブーム4が起伏自在に設けられると共に、後部にガントリ5が設けられ、前記上部旋回体3上に設置されたブーム起伏用ウインチ6により繰り出される起伏ロープ7が前記ガントリ5上端に設けられたシーブ8からブライドル9のシーブ10に掛け回されると共に、該ブライドル9はペンダント11を介して前記ブーム4上端部に係止され、前記起伏ロープ7の巻上げ、巻下げ動作によって前記ブーム4は起伏動作を行うように構成されている。
【0003】
又、前記上部旋回体3上に設置されたバケット支持用ウインチ12から繰り出されるバケット支持用ロープ13が前記ブーム4の上端に設けたシーブ14,15に掛け回されてバケット16を吊下し、更に、前記上部旋回体3上に設置されたバケット開閉用ウインチ17から繰り出されるバケット開閉用ロープ18が前記ブーム4の上端に設けたシーブ19,20に掛け回されてバケット16を開閉するように構成されている。
【0004】
而して、前記建設機械1による作業を行う時は、例えば、先ず、鉄鋼石、チップ、土砂又はボーキサイト等の荷21の上部で前記バケット開閉用ロープ18を緩めて前記バケット16を開き、前記バケット開閉用ロープ18と前記バケット支持用ロープ13を同調させながら前記バケット16を下げ、荷21の上に該バケット16を被せ、そして、前記バケット開閉用ロープ18を巻上げ前記バケット16を閉じると同時に荷21を掴ませる。
【0005】
更に、前記バケット開閉用ロープ18とバケット支持用ロープ13とを同調させながら、即ち、該バケット開閉用ロープ18と該バケット支持用ロープ13とを同じ速度で巻上げて、前記バケット16を引き上げ、同時に前記ブーム4の起伏ロープ7を操作してホッパ22等の上まで前記バケット16を移動し位置調整する。そして、前記バケット開閉用ロープ18を緩め、前記バケット16を開き、該バケット16内の荷21を排出する。
【0006】
次に、前記バケット開閉用ロープ18を巻上げ、前記バケット16を閉じ、更に、前記ブーム4の起伏ロープ7を操作しながら前記バケット開閉用ロープ18と前記バケット支持用ロープ13を同調させ、荷21の上部へ前記バケット16を移動調整する。そして、荷21の上部で前記バケット開閉用ロープ18を緩め、前記バケット16を開く。以後、同様の操作を繰り返す。
【0007】
又、前記建設機械1のブーム起伏用ウインチ6に代えて、図4に示す如く、大断面の大型シリンダによって構成されたブーム23の起伏をブーム起伏用伸縮シリンダ24を用いて行う建設機械25に於ても、前記建設機械1と同様にバケット16による作業を行うことができる。
【0008】
然しながら、前記建設機械1,25に於ては、前記バケット16内に荷21を掴んだ状態でブーム起伏用ウインチ6又はブーム起伏用伸縮シリンダ24を動かすと同時に前記バケット16を上下動するために、前記バケット支持用ロープ13と前記バケット開閉用ロープ18を同調操作する必要があり、該バケット16上げ時に該バケット開閉用ロープ18の上げが前記バケット支持用ロープ13上げ速度より遅くなると該バケット16の口が開いてしまい荷21が落下する。
【0009】
又、前記バケット16下げ時に前記バケット支持用ロープ13の下げが前記バケット開閉用ロープ18下げ速度より遅くなると前記バケット16の口が開いてしまい荷21が落下する。
【0010】
つまり、前記バケット16が荷21を掴んだ状態では前記バケット開閉用ロープ18と前記バケット支持用ロープ13とを同調、同速で上下操作する必要があり、これを機械の運転者が前記バケット16内の荷21の重さを考慮しながら行っている。
【0011】
そして、前記作業に於ては前記バケット16の支持と開閉操作のみではなく該バケット16の位置を調整するため前記ブーム4の起伏操作を伴う。
【0012】
図5は前記建設機械1の油圧回路27を示し、該油圧回路27の油圧ポンプRは制御弁28を介してバケット支持用ウインチ12を駆動する油圧モータ29に接続され、油圧ポンプFは制御弁30を介してバケット開閉用ウインチ17を駆動する油圧モータ31に接続されると共に、制御弁32を介してブーム起伏用ウインチ6を駆動する油圧モータ33に接続されている。
【0013】
そして、油圧ポンプPは操作レバー34,35,36に圧油を供給しており、該操作レバー34,35,36によって夫々前記制御弁28,30,32が操作される。尚、図に於て37はポンプ駆動源であり、38はリリーフバルブであり、39は冷却器、40はフィルターである。
【0014】
而して、例えば、前記バケット開閉用ウインチ17とバケット支持用ウインチ12を同調、同速で上げ操作作動させている状態では前記油圧ポンプFと前記油圧ポンプRとは略同圧力、同流量を吐出している。即ち、該油圧ポンプF,Rの負荷圧力をP,Pとし、吐出流量をQ,Qとすると
「P=P」であり、「Q=Q」となっている。
【0015】
その状態で前記ブーム起伏用ウインチ6を作動させると前記ポンプFには該ブーム起伏用ウインチ6分の負荷が加わり圧力が上昇する。
【0016】
一般にポンプは圧力が上昇するとリーク量(漏れ量)が多くなる傾向にあり、吐出流量が低下する。従って、
「P>P」となり、「Q<Q」となる。
【0017】
すると、前記バケット開閉用ウインチ17の速度、つまり前記バケット開閉用ロープ18の巻上速度が前記バケット支持用ロープ13の巻上速度より遅くなる為、前記バケット16の口が開いてしまう。
【0018】
これを防ぐために、運転者は前記ブーム4起伏操作に合わせ前記バケット支持用ウインチ12の速度調節操作を行っている。この時、運転者が最低限操作する操作レバーはバケット支持用ウインチ12の操作レバー34、バケット開閉用ウインチ17の操作レバー35、ブーム起伏用ウインチ6の操作レバー36の合計3つである。
【0019】
通常、運転者は足を使った微操作が困難なため、2つの手で3つの操作レバーを操作している。更には、該操作に加え旋回操作を行うこともあり、該操作を加えると、4つのレバー操作を行うこととなり、該操作のために熟練した運転者が必要である。
【0020】
図6は前記建設機械25の油圧回路41を示し、該油圧回路41は図5に示した前記油圧回路27の油圧ポンプFが制御弁32を介してブーム起伏用ウインチ6を駆動する油圧モータ33に接続される回路に代えて、油圧ポンプFが制御弁42を介してブーム起伏用伸縮シリンダ24に接続されるように構成されている。更に、該制御弁42を操作するための操作レバー43が油圧ポンプPに接続されている。
【0021】
従って、例えば、前記バケット開閉用ウインチ17とバケット支持用ウインチ12を同調、同速で上げ操作作動させている状態では前記油圧ポンプFと前記油圧ポンプRとは略同圧力、同流量を吐出している。
【0022】
その状態で前記ブーム起伏用伸縮シリンダ24を作動させると前記ポンプFには該ブーム起伏用伸縮シリンダ24分の負荷が加わり圧力が上昇する。従って、ポンプ圧力が上昇するとリーク量(漏れ量)が多くなり、吐出流量が低下することから、
「P>P」となり、「Q<Q」となる。
【0023】
従って、前記バケット開閉用ウインチ17の速度、つまり前記バケット開閉用ロープ18の巻上速度が前記バケット支持用ロープ13の巻上速度より遅くなる為、前記バケット16の口が開いてしまう。
【0024】
これを防ぐために、上記操作に於ても熟練した運転者が必要である。
【0025】
図7は前記建設機械1のバケット16に代えて、ブーム側フック44及びジブ側フック45が設けられ、荷46を水平に移動させる建設機械47であり、該建設機械47はブーム4上部にジブ48が設けられ、前記上部旋回体3上に配置されたブーム側フック用ウインチ49から繰り出されるブーム側フック用ロープ50が前記ブーム4上部に配設されたシーブ51,52に掛け回されて前記フック44を吊下し、更に、前記上部旋回体3上に配置されたジブ側フック用ウインチ53から繰り出されるジブ側フック用ロープ54が前記ブーム4上部に配設されたシーブ55及び前記ジブ48の先端に設けられたシーブ56に掛け回されて前記フック45を吊下している。
【0026】
前記建設機械47の荷役作業は、火力発電所での石炭搬送コンベア設置、メインボイラの設置や高架橋の桁掛け、製鉄所の煙突・鉄塔等の設置、又は、これらの逆である解体工事等が代表的な作業である。いずれも、超重量級の荷が多く、万一操作を誤り事故を生ずると工事現場のみに留まらず、周辺住民に被害を及ぼす事も多い。
【0027】
又、前記建設機械47に於ける油圧回路については図5に示す前記油圧回路27のバケット支持用ウインチ12に代えてブーム側フックウインチ49を設け、バケット開閉用ウインチ17に代えてジブ側フック用ウインチ53を設けた油圧回路が使用される。
【0028】
而して、前記建設機械47に於ては前記ブーム側フック用ロープ50及び前記ジブ側フック用ロープ54を動かし前記ブーム4を起こしながら、前記ブーム側フック44と前記ジブ側フック45の地上高さが変わらないように前記ブーム側フックウインチ49及び前記ジブ側フック用ウインチ53を巻き出し操作する。更に、前記ブーム4トップの前記シーブ51,52,55と前記ジブトップシーブ56は前記ブーム4基端部を支点とする円弧運動をし、該ブーム4を起こすに伴って各シーブ51,52,55,56の地上高さの差は大きくなる。
【0029】
従って、前記ジブ側フック用ウインチ53の巻き出し速度は前記ブーム側フックウインチ49の巻き出し速度よりも速く操作しなければならない。
【0030】
又、各フック44,45のロープ掛数(例えば2本掛)に対して、起伏ロープ7の掛数ははるかに多い(例えば20本掛)。
【0031】
そこで、各フック用ロープ50,54の速度に対して前記起伏ロープ7は速い速度で動かす必要が生じ、運転者は前記ブーム起伏操作レバー36を一杯に操作し、前記制御弁32を全開にする。しかし、これでも速度が不足する場合はポンプ駆動源37の出力回転数を上げ、油圧ポンプF,Rの吐出流量を増やすと各フックウインチ49,53も速度が増す。つまり、起伏速度のみ速くしようとしても、各フック44,45も速くなってしまうため、操作レバー34と操作レバー35とを調整して制御弁28,30の開度を絞り、フック44,45の速度が速くならないように操作する。
【0032】
この時、運転者が操作するレバー数は「ブーム側フックウインチ49の操作レバー34」、「ジブ側フックウインチ53の操作レバー35」、「ブーム起伏用ウインチ6の操作レバー36」の合計3つで、この他に「ポンプ駆動源37出力回転調整用レバー又はペダル」がある。
【0033】
このように、一般的な荷を吊り、旋回及び起伏により位置を移動する荷役作業に比べ、荷を水平に移動する作業は極めて難しく前記建設機械2,25の操作と同様上記操作に於ても熟練した運転者が必要である。
【0034】
又、前記建設機械47のブーム起伏用ウインチ6に代えて図8に示す如く大型シリンダを用いたブーム23の起伏をブーム起伏用伸縮シリンダ24を用い、且つ、前記ジブ48に代えてシリンダ57を備えた建設機械58に於ても、前記建設機械47と同様にフック44,45による作業を行うことができる。
【0035】
前記建設機械58に於ける油圧回路についても、図6に示す前記油圧回路41のバケット支持用ウインチ12に代えてブーム側フックウインチ49を設け、バケット開閉用ウインチ17に代えてジブ側フック用ウインチ53を用いた油圧回路が使用されるが前記建設機械47の油圧回路と同様の作用効果を有し、且つ、同様の問題点を有している。
【0036】
更に、前記油圧回路27,41の問題点を解決する油圧回路として図9に示す油圧回路59が知られている。該油圧回路59は前記油圧回路27に前記ブーム起伏用ウインチ6を駆動するため油圧ポンプHを追加したものであり、該油圧ポンプHの圧油は操作レバー36で操作される制御弁32によって制御されるように構成されているため、前記ブーム起伏用ウインチ6を独立して操作することが可能となり、運転者の操作性が高まる。
【0037】
図10は前記油圧回路41に追加して前記ブーム起伏用伸縮シリンダ24を駆動するため油圧ポンプHを設けた油圧回路60であり、該油圧ポンプHの圧油は操作レバー43で操作される制御弁42によって制御されるように構成されているため、前記ブーム起伏用伸縮シリンダ24を独立して操作することが可能となり、前記油圧回路59と同様、運転者の操作性が高まる。
【0038】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例の建設機械の油圧回路は、3つの油圧ポンプを用い、1つのポンプは操作レバーの操作を行うために用いられ、他の2つのポンプで2つのウインチを駆動するが、該2つのポンプの内の1つをブーム起伏用と兼用し直列に接続しているため、操作が困難であり、該操作のために熟練した運転者が必要である。
【0039】
又、前記油圧回路の問題点を解決すべく、4つの油圧ポンプを用い、1つのポンプは操作レバーの操作を行うために用いられ、2つのポンプで2つのウインチを駆動し、他の1つのポンプがブーム起伏用として用いられるが、該油圧回路に於ては、ブーム起伏用として追加する前記油圧ポンプとこれに関連する機器の取付スペースの確保が必要で機械重量も増加する。又、機械の製造コストも増大するが、更に、ユーザーの保守点検、交換油量、維持費の負担等が増加する。
【0040】
そこで、グラブバケット或いはフック等を使用する建設機械に於て、コスト高を招くことなく、吊り荷の落下防止又は吊り荷の水平移動の容易化を図る等、安全性及び操作性の向上を図るために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【0041】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、ブーム起伏アクチュエータと複数のその他のアクチュエータとを制御弁を介して作動させる複数の油圧ポンプを備えた建設機械の油圧回路であって、前記ブーム起伏アクチュエータに前記複数の油圧ポンプを並列に接続すると共に、該ブーム起伏アクチュエータを制御する前記制御弁の夫々に、前記ブーム起伏アクチュエータへの供給流量を所定量以内に規制するための流量補償バルブを設けた建設機械の油圧回路に於いて、
前記複数の油圧ポンプは、各々制御弁を介して前記他のアクチュエータに夫々接続すると共に、これ等制御弁に接続する下流側に、夫々制御弁を介在して前記ブーム起伏アクチュエータに並列して接続されてなると共に、前記流量補償バルブは、前記ブーム起伏アクチュエータへの最大流量を限度とする絞りと該絞りの前後の圧力差により開閉するバイパスバルブとで構成されている建設機械の油圧回路、
及び、上記ブーム起伏アクチュエータはブーム起伏用ウインチの油圧モータである請求項1記載の建設機械の油圧回路、
及び、上記ブーム起伏アクチュエータはブーム起伏用伸縮シリンダである請求項1記載の建設機械の油圧回路を提供するものである。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図1及び図2に従って詳述する。尚、説明の都合上、従来例と同一構成部分については同一符号を付してその説明を省略する。図1に於て、61は従来例で示した建設機械(図3に於て1、及び図7に於て47)等に用いられる油圧回路であり、該油圧回路61は従来例の油圧回路(図5に於て27)に於けるブーム起伏用ウインチ6を駆動するブーム起伏アクチュエータとしての油圧モータ33に複数の油圧ポンプF,Rが並列に接続される。
【0043】
従って、該油圧ポンプFは制御弁30を介してバケット開閉用ウインチ17を駆動する油圧モータ31に接続されると共に、制御弁62を介してブーム起伏用ウインチ6を駆動する油圧モータ33に接続され、一方、該油圧ポンプRは制御弁28を介してバケット支持用ウインチ12を駆動する油圧モータ29に接続されると共に、制御弁63を介してブーム起伏用ウインチ6を駆動する油圧モータ33に接続される。そして、該制御弁62,63は操作レバー36によって同時に操作される。
【0044】
又、前記制御弁62,63に、前記油圧ポンプからの供給流量を所定量以内に規制するための流量補償バルブ64,65が設けられる。
【0045】
即ち、該流量補償バルブ64,65は図に示すように前記制御弁62,63内部に油圧モータ33への最大流量を限度とする絞り66,67,68,69が設けられ、該絞り66,67,68,69の前後の圧力差によりバイパスバルブ70,71を開閉するように構成されている。
【0046】
斯くして、油圧回路61は前記ブーム起伏用ウインチ6を駆動する前記油圧モータ33の油圧源を油圧ポンプF,R両方から得る並列回路とした事により従来技術の問題点であった前記ブーム起伏用ウインチ6の操作による前記油圧ポンプF,Rの「負荷圧力の差」とそれに伴う「吐出流量のアンバランス」がなくなる。即ち、前記油圧ポンプF,Rの負荷圧力をP,Pとし、吐出流量をQ,Qとすると、
「P=P」となり、「Q=Q」となる。
【0047】
従って、バケット支持用ウインチ12と、バケット開閉用ウインチ17との同調、同速状態を得ることができる。
【0048】
又、前記油圧回路61の前記制御弁62,63に流量補償バルブ64,65を設けた事により、例えば、前記油圧モータ33への最大流量を100%とした時、前記制御弁62,63からの最大供給流量を夫々50%づつの供給に補償するとして、合計で100%とした時、油圧ポンプF,Rの最大吐出流量(最大入力回転数)の50%でブーム起伏速度は最大となり、それ以上のポンプ入力回転数の増加ではブーム起伏速度は増加せず、定速作動となる。従って、前記バケット支持用ウインチ12及び前記バケット開閉用ウインチ17の動作を速くした場合に於ても、前記ブーム起伏用ウインチ6の動作は所定速度内に維持することができる。
【0049】
更に、前記ブーム起伏用ウインチ6の油圧源を油圧ポンプF,R両方から得る並列回路としたことと、前記油圧回路61のブーム起伏用ウインチ6のための油圧供給制御弁62,63に、流量補償バルブ64,65を設けたことの組合せにより、前記バケット支持用ウインチ12及び前記バケット開閉用ウインチ17の同調性が向上し、更に、前記ブーム起伏用ウインチ6の起伏変化操作と該バケット支持用ウインチ12及びバケット開閉用ウインチ17の操作の操作性及び安全性が向上し、熟練運転者の負担軽減を図ることができると共に、熟練運転者でなくても運転が可能となる。
【0050】
又、圧力源である油圧ポンプF,Rは従来技術と同様のものを用いるため、ポンプ吐出流量増加によるバルブ追加、油量追加、サンプタンク容量アップ等の問題は生じない。このため、ユーザーでの保守点検、維持費の負担は従来と略同様である。
【0051】
そして、従来技術の油圧回路を備えた建設機械に対し、制御弁への流量補償バルブ追加と並列回路とするための油圧配管の増設のみで本発明の効果を得ることができ、ユーザーの所有機への追加改造が可能となり、建設機械のライフサイクルの延長を図ると共に費用負担が大幅に削減できる。
【0052】
又、図2に於て、72は従来例で示した建設機械(図4に於て25及び図8に於て58)等に用いられる油圧回路であり、該油圧回路72は図1に示した前記油圧回路61のブーム起伏用ウインチ6を駆動する油圧モータ33に代えてブーム起伏アクチュエータとしてのブーム起伏用伸縮シリンダ24を設けたものであり、前記油圧回路61と同様の効果を奏するが、特に、前記油圧回路72のブーム起伏用伸縮シリンダ24への油圧供給制御弁62,63に、流量補償バルブ64,65を設けた事により、ブーム起伏速度は所定速度で定速作動となり、従って、ブーム側フックウインチ6及びバケット開閉用ウインチ17、又は、ブーム側フックウインチ49及びジブ側フック用ウインチ53の動作を速くした場合に於ても、前記ブーム起伏用伸縮シリンダ24の動作は所定速度内に維持することができるため、操作性が格段に向上する。
【0053】
尚、本発明はブーム起伏アクチュエータに用いて説明したが、該ブーム起伏アクチュエータに代えてジブ起伏アクチュエータに用いた場合、又は、更に別のウインチ等のアクチュエータに用いた場合等に於いても同様の効果が期待できる。
【0054】
又、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【0055】
【発明の効果】
本発明は上記一実施の形態に詳述したように、請求項1記載の発明は、ブーム起伏アクチュエータに前記複数の油圧ポンプを並列に接続すると共に、該ブーム起伏アクチュエータを制御する前記制御弁の夫々に、前記ブーム起伏アクチュエータへの供給流量を所定量以内に規制するための流量補償バルブを設けた建設機械の油圧回路に於いて、前記複数の油圧ポンプは、各々制御弁を介して前記他のアクチュエータに夫々接続すると共に、これ等制御弁に接続する下流側に、夫々制御弁を介在して前記ブーム起伏アクチュエータに並列して接続されているので、ブーム起伏アクチュエータの油圧源を複数の油圧ポンプ双方から得る並列回路としたことにより、ブーム起伏用ウインチの操作による前記複数の油圧ポンプの負荷圧力の差とそれに伴う吐き出し量のアンバランスがなくなり、該ブーム起伏アクチュエータの操作時に該油圧ポンプに接続される他のアクチュエータの同調、同速状態を容易に得ることができる。
【0056】
そして、請求項1記載のブーム起伏アクチュエータをブーム起伏用ウインチに接続した場合、該ブーム起伏用ウインチの起伏変化操作とバケット支持用ウインチ及びバケット開閉用ウインチ操作の操作性、安全性が向上し、熟練運転者の負担軽減を図ることができると共に、熟練運転者でなくても運転が可能となる。
【0058】
又、請求項記載の発明は、ブーム起伏アクチュエータに前記複数の油圧ポンプを並列に接続すると共に、該ブーム起伏アクチュエータを制御する前記制御弁の夫々に、前記ブーム起伏アクチュエータへの供給流量を所定量以内に規制するための流量補償バルブを設けた建設機械の油圧回路に於いて、前記複数の油圧ポンプは、各々制御弁を介して前記他のアクチュエータに夫々接続すると共に、これ等制御弁と直列に接続する下流側に、夫々制御弁を介在して前記ブーム起伏アクチュエータに並列して接続されてなると共に、前記流量補償バルブは、前記ブーム起伏アクチュエータへの最大流量を限度とする絞りと該絞りの前後の圧力差により開閉するバイパスバルブとで構成されているから、前記の効果に加え、前記ブーム起伏アクチュエータ以外のアクチュエータの動作を速くした場合に於いても、前記ブーム起伏アクチュエータに接続したブーム起伏用ウインチの動作は所定速度内に維持することができ、且つ前記ブーム起伏アクチュエータの起伏変化操作とその他のアクチュエータの操作の操作性及び安全性が向上し運転者の負担軽減を図ることができる。
【0059】
更に、請求項記載の発明は上記ブーム起伏アクチュエータはブーム起伏用ウインチの油圧モータであるから、該ブーム起伏用ウインチの油圧モータを備えた油圧回路に於いて、請求項記載の発明と同様の効果が期待できる。
【0060】
更に又、請求項記載の発明は上記ブーム起伏アクチュエータはブーム起伏用伸縮シリンダであるから、該ブーム起伏用伸縮シリンダを備えた油圧回路に於いて、請求項記載の発明と同様の効果が期待できる等、正に著大なる効果を奏する発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示し、ブーム起伏用ウインチを駆動するための油圧モータを備えた建設機械の油圧回路。
【図2】本発明の一実施の形態を示し、ブーム起伏用伸縮シリンダを備えた建設機械の油圧回路。
【図3】本発明の一実施の形態を示し、ブーム起伏用ウインチを備え、且つ、バケットによる作業を行う建設機械の作業状態を示す側面図。
【図4】本発明の一実施の形態を示し、ブーム起伏用伸縮シリンダを備え、且つ、バケットによる作業を行う建設機械の側面図。
【図5】従来例を示し、ブーム起伏用ウインチを駆動するための油圧モータを備えた建設機械の油圧回路。
【図6】従来例を示し、ブーム起伏用伸縮シリンダを備えた建設機械の油圧回路。
【図7】従来例を示し、ブーム起伏用ウインチを備え、且つ、2つのフックによる作業を行う建設機械の作業状態を示す側面図。
【図8】従来例を示し、ブーム起伏用伸縮シリンダを備え、且つ、2つのフックによる作業を行う建設機械の側面図。
【図9】従来例を示し、ブーム起伏用ウインチ用油圧モータを備え、且つ、該油圧モータを駆動する独立の油圧ポンプを備えた建設機械の油圧回路。
【図10】従来例を示し、ブーム起伏用伸縮シリンダを備え、且つ、該ブーム起伏用伸縮シリンダを駆動する独立の油圧ポンプを備えた建設機械の油圧回路。
【符号の説明】
6 ブーム起伏用ウインチ
24 ブーム起伏用伸縮シリンダ
28,30 制御弁
33 油圧モータ
61,72 油圧回路
62,63 制御弁
64,65 流量補償バルブ
F,R 油圧ポンプ

Claims (3)

  1. ブーム起伏アクチュエータと複数のその他のアクチュエータとを制御弁を介して作動させる複数の油圧ポンプを備えた建設機械の油圧回路であって、前記ブーム起伏アクチュエータに前記複数の油圧ポンプを並列に接続すると共に、該ブーム起伏アクチュエータを制御する前記制御弁の夫々に、前記ブーム起伏アクチュエータへの供給流量を所定量以内に規制するための流量補償バルブを設けた建設機械の油圧回路に於いて、
    前記複数の油圧ポンプは、各々制御弁を介して前記他のアクチュエータに夫々接続すると共に、これ等制御弁に接続する下流側に、夫々制御弁を介在して前記ブーム起伏アクチュエータに並列して接続されてなると共に、前記流量補償バルブは、前記ブーム起伏アクチュエータへの最大流量を限度とする絞りと該絞りの前後の圧力差により開閉するバイパスバルブとで構成されていることを特徴とする建設機械の油圧回路。
  2. 上記ブーム起伏アクチュエータはブーム起伏用ウインチの油圧モータであることを特徴とする請求項1記載の建設機械の油圧回路。
  3. 上記ブーム起伏アクチュエータはブーム起伏用伸縮シリンダであることを特徴とする請求項1記載の建設機械の油圧回路。
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