JPS641397B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は主巻と補巻のウインチを各別に駆動す
る油圧モータと、該各油圧モータを夫々制御する
第１、第２の絞り切換弁と、該両絞り切換弁に圧
油を供給する２個の油圧ポンプを備えるトラツク
クレーンにおけるウインチの速度調節装置に関す
る。

このようなトラツククレーンでは主巻と補巻の
ウインチを異なる速度で同時制御し得るため、近
時要望されている長尺物の共吊り作業を行い得る
が、主巻ウインチのフツク吊下索は通常複索であ
るに対し、補巻ウインチのフツク吊下索は通常単
索であつて、該両ウインチ駆動油圧モータの負荷
と回転速度が大きく異なるため、従来は主巻用油
圧モータ回路と別の油圧ポンプより圧油を供給さ
れる補巻用油圧モータ回路を、デリツクシリンダ
回路等と並列に設けるのを普通とする。このため
主巻ウインチに比し使用頻度の少ない補巻ウイン
チの油圧モータ回路によつて油圧回路全体が複雑
化するのみならず、ウインチ増速回路の配管が困
難となる欠点があり、しかも共吊り作業時等には
主巻ウインチに比し高負荷、小流量でよい補巻ウ
インチ側油圧モータ回路に必要量以上の圧油を供
給するポンプ駆動によりエンジン動力の浪費を生
ずることになる。

本発明はこの問題に対処するもので、第１油圧
ポンプ１と第１絞り切換弁２の間に、該第１絞り
切換弁前後の圧力差を常に一定に維持するバイパ
ス形の第１流量制御弁３を接続して、該第１流量
制御弁の余剰油流出ポート３ａに第２絞り切換弁
４と第２流量制御弁５を、該第２絞り切換弁前後
の圧力差を常に一定に維持するように接続し、且
つ第１、第２の絞り切換弁２，４に、その絞りＶ
が略全開した後のスプール変位によつて第２油圧
ポンプ６に接続したアンロード回路７をブロツク
する弁機構を夫々附設し、該第２油圧ポンプと第
１絞り切換弁側の弁機構との間のアンロード回路
７と第１流量制御弁３の入口３ｂを連通する油路
中に一方向弁８を挿入したことを特徴とする。

以下本発明の一実施例を図について更に説明す
る。９は補巻ウインチを駆動する油圧モータ、１
０は主巻ウインチを駆動する油圧モータで、第１
絞り切換弁２は補巻用油圧モータ回路１１を制御
し、又第２絞り切換弁４は主巻用油圧モータ回路
１２を制御する。１３，１４はウインチの巻下げ
時に背圧を発生するように該両回路１１，１２中
に夫々接続したカウンタバランス弁を示す。第
１、第２の油圧ポンプ１，６は定容量形（可変容
量形とすることもできる）で、旋回モータ駆動用
油圧ポンプ（図示せず）と共にエンジン１５によ
り同時駆動される。

第１、第２の絞り切換弁２，４は、共に図示の
中立位置イにおいてプレツシヤポートをブロツク
する絞り切換弁のスプール変位量を増大して、絞
り開度の調節可能な位置ロ，ハの両側に夫々、絞
りＶが全開した後のスプール変位によつてアンロ
ード回路７のブロツク位置ニ，ホを形成する弁機
構を組込んだスプールの押方向２位置、引方向２
位置のばねセンタ形弁で、第１絞り切換弁２のプ
レツシヤポートには第１流量制御弁３の出口３ｃ
が連通連結される。

第１流量制御弁３は、その出口３ｃ或いは第１
絞り切換弁２のプレツシヤポートより油路１６を
介し取出されたパイロツト油圧と、該第１絞り切
換弁出口の高圧側油路よりシヤトル弁１７及び油
路１８を介し取出されたパイロツト油圧の差に比
例して絞り制御スプールが摺動する圧力補償弁
で、第１絞り切換弁前後の圧力差を負荷の変動如
何に拘らず常に一定に維持する。第１流量制御弁
３の余剰油流出ポート３ａには、油路１９を介し
て第２絞り切換弁４のプレツシヤポートと第２流
量制御弁５が並列に接続される。第２流量制御弁
５は、その入口より油路２０を介し取出されたパ
イロツト油圧と、第２絞り切換弁４出口の高圧側
油路よりシヤトル弁２１及び油路２２を介し取出
されたパイロツト油圧の差に比例して絞り開度を
調節して、該第２絞り切換弁前後の圧力差を負荷
の変動如何に拘らず常に一定に維持し、余剰油は
油路２３よりタンクＴへの戻り油路２４に排出す
る。なお２５は第１油圧ポンプ１の吐出油路２６
に第１流量制御弁３と並列に接続したリリーフ弁
で、ポンプの動力損失を少くするため、負荷油圧
より稍高い設定圧力を持つ。

２７はデリツクシリンダ制御用方向切換弁、２
８はブーム伸縮シリンダ制御用方向切換弁で、
夫々プレツシヤポートブロツク形３位置弁にアン
ロード回路７を連動制御する弁機構を組込んだ構
成を備え、ブロツク４１内に設けられる。両方向
切換弁２７，２８は夫々逆止弁２９，３０を介し
て第２油圧ポンプ６の吐出口にアンロード回路７
と並列に接続され、何れかの方向切換弁を図示の
中立位置より切換えた時はアンロード回路７がブ
ロツクされる。図中３１はデリツクシリンダへの
油路、３２はブーム伸縮シリンダへの油路、３３
は第２油圧ポンプ６側のリリーフ弁を示す。

上記構成によれば、全切換弁２，４，２７，２
８が中立位置にある場合は、各流量制御弁３，５
への油路１８，２２のパイロツト油圧は夫々略零
であるから、第１油圧ポンプ１の吐出油は油路２
６より順次第１流量制御弁３、油路１９、第２流
量制御弁５、油路２３を経てアンロードされ、又
アンロード回路７もブロツクされていないから、
第２油圧ポンプ６の吐出油は戻り油路２４にアン
ロードされ、該両油圧ポンプは無負荷運転され
る。

次に補巻ウインチで荷の吊上げ或いは吊下げを
行うため、第１絞り切換弁２をロ位置或いはハ位
置に切換えた時は、その絞りＶの開度如何に拘ら
ず、第１流量制御弁３が該第１絞り切換弁２前後
の圧力差を常に一定に維持するようにパイロツト
操作されるから、該絞り切換弁２にはその出口側
の負荷油圧の高低に応じた圧力の油が供給され、
又その流量は該絞り切換弁２の絞り開度の調節に
より容易に制御でき、余剰油量はポート３ａより
排出される。又主巻ウインチで荷の吊上げ或いは
吊下げを行うため、第２絞り切換弁４をロ位置或
いはハ位置に切換えた時は、その絞りＶの開度如
何に拘らず、第２流量制御弁５が該第２絞り切換
弁前後の圧力差を常に一定に維持するから、該第
２絞り切換弁にはその出口側の負荷油圧の高低に
応じた圧力の油が供給れ、又その流量は該絞り切
換弁４の絞り開度の調節により容易に制御でき
る。

従つて第２図に示すように主ブーム３４の先端
より主巻ウインチの複索３５を介し吊下げたフツ
クブロツク３６と、該主ブーム先端に継足したジ
ブ３７の先端より補巻ウインチの単索３８を介し
吊下げたフツク３９とによつて、長尺物の荷Ｗを
共吊りする場合も、絞り切換弁２，４を同時にロ
位置或いはハ位置に切換えて、流量制御弁３，５
により対応する絞り切換弁２，４に負荷に応じた
圧油を自動的に供給すると同時に、該各絞り切換
弁の絞り開度により流量を調節することにより、
第１油圧ポンプ１の吐出圧油で負荷の著しく異な
る油圧モータ９，１０を大きく異なる速度で駆動
して、両フツク３６，３９を同期昇降させること
ができ、この場合該第１油圧ポンプ吐出圧油のア
ンロード回路７への流出は一方向弁（逆止弁）８
により阻止される。

図示の発明において補巻用油圧モータ回路１１
を制御する第１絞り切換弁２の前後差圧で第１流
量制御弁３を優先制御させたのは、通常単索荷役
作業を行う補巻ウインチにおいては、該絞り切換
弁２の流量変化が巻上げ速度に大きく影響して、
共吊り時における両フツク３６，３９の同期昇降
制御を難しくする恐れがあるからである。

又荷の吊上げ或いは吊下げ速度を上げるため、
絞り切換弁２或いは４をニ位置或いはホ位置に切
換えた時は、アンロード回路７がブロツクされる
ため、第２油圧ポンプ６の吐出圧油が逆止弁８を
開いて第１油圧ポンプ１の吐出圧油に合流し、該
両油圧ポンプの吐出圧油が絞り切換弁２或いは４
を経て対応する油圧モータを高速駆動する。この
ためリリーフ弁３３の設定圧力はリリーフ弁２５
の設定圧より高くしておくべきである。この場合
絞り切換弁の絞りＶは全開しているからウインチ
を効率よく高速駆動される。

本発明によれば、主巻及び補巻のウインチをそ
れぞれ制御する第１、第２の絞り切換弁に２個の
流量制御弁と１個の一方向弁を組付けるだけで、
１個の油圧ポンプにより該両ウインチを任意速度
で単独駆動することも、或いは又共吊り駆動する
こともできれば、２個の油圧ポンプにより該各ウ
インチを効率よく増速して単独駆動することもで
き、しかもこれ等の制御弁機構が１個のブロツク
４０にまとめられるから、油圧回路全体が複雑化
せず、ウインチ増速回路の配管も容易となり、且
つ共吊り荷役作業時におけるエンジン動力の浪費
も防止し得る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明一実施例の油圧回路図、第２図
は共吊り荷役作業時に側面図である。 １……第１油圧ポンプ、２……第１絞り切換
弁、３……第１流量制御弁、４……第２絞り切換
弁、５……第２流量制御弁、６……第２油圧ポン
プ、７……アンロード回路、８……一方向弁、
９，１０……油圧モータ、１３，１４……カウン
タバランス弁。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 主巻と補巻のウインチを各別に駆動する油圧
   モータと、該各油圧モータを夫々制御する第１、
   第２の絞り切換弁と、該両絞り切換弁に圧油を供
   給する２個の油圧ポンプを備えるトラツククレー
   ンにおいて、第１油圧ポンプと第１絞り切換弁の
   間に、該第１絞り切換弁前後の圧力差を常に一定
   に維持するバイパス形の第１流量制御弁を接続し
   て、該第１流量制御弁の余剰油流出ポートに第２
   絞り切換弁と第２流量制御弁を、該第２絞り切換
   弁前後の圧力差を常に一定に維持するように接続
   し、第１、第２の絞り切換弁に、その絞りが略全
   開した後のスプール変位によつて第２油圧ポンプ
   に接続したアンロード回路をブロツクする弁機構
   を夫々附設し、該第２油圧ポンプと第１絞り切換
   弁側の弁機構との間のアンロード回路と第１流量
   制御弁の入口を連通する油路中に一方向弁を挿入
   したことを特徴とするウインチの速度調節装置。 ２ 第１絞り切換弁を補巻ウインチ制御用絞り切
   換弁にした特許請求の範囲第１項記載のウインチ
   の速度調節装置。