JP3731775B2 - 作業機のウインチ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業機の上部旋回体にブームが取付けられ、該ブームより巻上ロープが垂下され、該巻上ロープにより、クラムシェルバケットやリフティングマグネット等の作業具または荷物が支持されるクレーン、掘削機、解体機等の作業機において、作業具等の振れ止め用として使用される油圧タグラインと、作業機本体上の巻上ウインチのドラムに巻かれた巻上ロープ等をフック等にワイヤリングする時に使用するリービングウインチを備えたウインチ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4(A)は油圧タグライン用ウインチ6を有する作業機を示す側面図であり、作業機本体1は、下部走行体1a上に旋回装置1bを介して上部旋回体1cを設置した構成を有し、上部旋回体1cに、起伏装置10によって起伏されるブーム2が取付けられる。上部旋回体1c上には巻上ウインチ9が搭載され、巻上ウインチ9により巻取り繰出しされる巻上ロープ3は、ブーム2の頂部のシーブ14、15に掛けて垂下し、荷物やクラムシェルバケット4あるいはリフティングマグネット等の作業具を支持する。
【0003】
油圧タグライン用ウインチ6は、上部旋回体1c上あるいはブーム6に取付けられ、該ウインチ6のドラムに巻かれたタグラインロープ5は、ブーム2に取付けたシーブ7に掛けてクラムシェルバケット4等の作業具に接続され、油圧タグライン用ウインチ6で発生するタグラインロープ5の張力により、クラムシェルバケット4を比較的弱い力で上部旋回体1c側に常時引っ張ることにより、クラムシェルバケット4等を振れ止めするものである。
【0004】
上部旋回体1cには油圧タグライン用ウインチ6用の油圧ポンプ8が設置される。図5(A)は、実開昭62−26388号公報に記載された一般的な油圧タグライン用ウインチの油圧回路であり、図5(A)に示すように、油圧タグライン用ウインチ6の油圧モータ35は、油圧ポンプ8の吐出回路に設けられ、油圧モータ35の上流側と下流側回路はタグラインロープ5の張力を設定するリリーフ弁36を介して接続し、また、張力調整用のバイパス弁37を介して接続する。
【0005】
図4(B)は、リービングウインチ12を備えた作業機であり、該リービングウインチ12は、上部旋回体1c上に搭載された該ウインチ用油圧ポンプ13により駆動される図5(B)に示す油圧モータ38を有する。該油圧モータ38は、油圧ポンプ13からの吐出油をコントロール弁40によって切り換えることにより、正逆に回転されてリービングロープ11を巻取り繰出しするものであり、コントロール弁40が中立位置、すなわち油圧モータ12の停止位置にあるときは、ネガティブブレーキのブレーキシリンダ39の油室がタンク圧となって自動的にブレーキが投入される。41は油圧ポンプ13の吐出油の最高圧を設定するリリーフ弁である。
【0006】
該リービングウインチ12は、図4(B)に示すように、作業機の組立時に、巻上ウインチ9に巻かれた巻上ロープ3をシーブ14、15に通すため、巻上ロープ3よりはるかに細く、人手により操作できるリービングロープ11をシーブ14、15に掛け、ブーム2の根本側に該リービングロープ11の先端を引き出してワイヤロープグリップ16により巻上ロープ3とリービングロープ11とを接続し、リービングウインチ12の作動によりリービングロープ11を巻取ることにより、巻上ロープ3をシーブ14、15に掛ける。
【0007】
上述のように、油圧タグライン用ウインチ6とリービングウインチ12はそれぞれ異なる作業を行うものであり、大型クレーン等の作業機においては、これら双方のウインチ6、12を備えることが多い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来の作業機において、特に大型のものは、油圧タグライン用ウインチ6とリービングウインチ12とを備えているので、ウインチを2台必要とし、コストアップを招いているという問題点がある。
【0009】
また、図5(A)に示す従来の油圧タグライン用ウインチ6用の油圧回路は、油圧モータ35の回転トルクによりタグラインロープ5に一定の張力を与えているため、クラムシェルバケット4にタグラインロープ5を接続するために、巻取りドラムからタグラインロープ5を引き出す時には、油圧タグライン用ウインチ6を駆動するエンジンをいったん停止してからタグラインロープ5の引出しを行う必要があり、タグラインロープ5の引出しに労力を要する。
【0010】
また、油圧タグライン用ウインチ6用の油圧モータ35は、メカニカルブレーキ(ネガティブブレーキ)を持たないため、作業休止によりエンジンを停止すると、タグラインロープ5が自重により緩んでしまい、再度エンジンを始動する際に、タグラインロープ5が急に巻取られるため、タグラインロープ5の取扱いに注意を要し、作業性が悪いという問題点もある。
【0011】
本発明は、上記した問題点に鑑み、1台のウインチを油圧タグライン用ウインチとリービングウインチとして共用し、構成の簡略化とコストダウンを図れる作業機のウインチ装置を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、油圧タグラインとリービングウインチの油圧回路の共用が出来る作業機のウインチ装置を提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、油圧タグラインとしての使用時にもロープの引出しも容易となる作業性の良い作業機のウインチ装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明による作業機のウインチ装置は、作業機の上部旋回体にブームが取付けられ、該ブームより巻上ロープが垂下され、該巻上ロープにより作業具または荷物が支持される作業機において、
油圧モータとこの油圧モータを制御するコントロール弁とブレーキ手段とを備え、繰り出されるロープが前記作業具に接続され、前記コントロール弁により前記油圧モータを作動させて前記ロープに一定の張力を与えて前記作業具の振れ止めを行なう油圧タグライン用ウインチとして使用可能であると共に、前記コントロール弁により前記油圧モータを回転させて前記ロープを繰り出しまたは巻き取りする作業機組立時のワイヤリング作業に使用され、不使用時にはブレーキが作用して停止状態を保持するリービングウインチとして使用可能な1つのウインチを備え、
前記油圧タグライン用ウインチとして使用する際には前記油圧モータの駆動、停止に関らず、前記ウインチのブレーキを解除し、前記リービングウインチとして使用する際には、前記油圧モータの駆動、停止に応じてブレーキを解除するように前記ブレーキ手段の動作を選択的に切り換えて使用可能とする使用モード切換手段を設け、
前記ブレーキ手段は、エンジンによって駆動される油圧ポンプから供給される圧油によって解除されるネガティブブレーキにより構成されることを特徴とする。
【0015】
【作用】
本発明においては、使用モード切換手段を操作することにより、油圧タグラインとしての使用態様とリービングウインチとしての使用態様が選択され、1台のウインチが油圧タグラインとリービングウインチに共用される。
【0016】
そして、リービングウインチとして使用される時は、油圧モータを制御するコントロール弁の切り換え操作により、ブレーキ手段によるウインチのブレーキが自動的に解除され、油圧モータが正逆回転する。
【0017】
また、ウインチを油圧タグラインとして使用する時は、コントロール弁の状態に拘らず、ウインチのブレーキが解除される。この状態において、コントロール弁を巻取り側に操作することにより、油圧タグラインとしてウインチが作動する。また、油圧タグラインとして使用する時は、通常はコントロール弁を巻取り側に操作するが、ロープを繰り出す必要がある場合には、コントロール弁を繰り出し側に操作することによって、ロープを繰り出すことができる。
【0018】
また、コントロール弁が、リービングウインチと油圧タグラインで共用されると共に、コントロール弁を油圧モータの駆動側に操作した時、あるいは油圧タグライン使用モードを選択した時に、ウインチのブレーキが自動解除される。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による作業機のウインチ装置の一実施例を示す油圧回路図である。図1において、18は油圧タグライン用ウインチとリービングウインチに共用されるウインチ、18aはそのドラム、17は該ドラム18aに巻かれ、タグラインロープとリービングロープとして共用されるロープである。19はドラム18aを正逆に回転させる油圧モータであり、油圧タグライン用ウインチとしての機能を発揮させるため、ロープ17にかかる張力により強制的に回転されて油圧ポンプとしても作動可能なものである。20はばね内蔵のブレーキシリンダ20aを有するウインチ用ネガティブブレーキである。
【0020】
21は油圧モータ19の油圧源となる油圧ポンプであり、不図示のエンジンにより駆動されるものである。22はブレーキシリンダ20aのパイロット用油圧源となるパイロット用油圧ポンプであり、本例のものは、前記油圧ポンプ21と同じエンジンにより駆動されるクレーン等作業機の操作系油圧原用油圧ポンプと共用可能なものである。
【0021】
23は前記油圧ポンプ21と油圧モータ19との間の油圧回路に挿入された3位置方向切換弁で、電磁、油圧操作式のコントロール弁である。該コントロール弁23の2つの二次側回路43、44は油圧モータ19の圧油の出入り口となる2つのポート19a、19bに接続され、コントロール弁23の中立位置eにおいては、二次側回路43、44はコントロール弁23の内部において短絡され、タンク28に連通し、タンク圧となる。
【0022】
24は前記二次側回路43、44間に設けたバイパス弁であり、油圧モータ19に供給される圧油の流量を調整して油圧モータ19の回転速度、トルクを調整する作用をなす。
【0023】
25はブレーキ解除用方向制御弁であり、該方向制御弁25は、前記コントロール弁23が中立位置eから前記油圧モータ19の正転位置f、逆転位置gへの切り換え位置にある時に、その切り換え位置に呼応して切り換わり、前記ネガティブブレーキ20のブレーキシリンダ20aに二次側回路43、44のいずれかから圧油を供給してブレーキを解除するものである。
【0024】
26は、該ブレーキ解除用方向制御弁25と前記ブレーキシリンダ20aとの間の油圧回路45に挿入されたパイロット切換弁、27は前記パイロット用油圧ポンプ22と該パイロット切換弁26との間の回路46に挿入された電磁切換弁であり、そのソレノイド27aに、使用モード切換スイッチ33を介して電源47に接続される。32はコントロール弁23の操作用スイッチであり、コントロール弁23のソレノイド23aまたは23bのいずれかを電源47に接続するものである。
【0025】
29、30はそれぞれ前記油圧ポンプ21、22の吐出油の最高圧を設定するリリーフ弁である。
【0026】
31、49は、油圧モータ19がロープ17によりドラム18aが逆転されたときに油圧モータ19の吸い込み側にキャビテーションが発生することを防止するために油補給回路48に挿入されたチェック弁である。それぞれのチェック弁31、49のクラッキング圧は、リリーフ弁29の戻り側回路とタンク28との間に挿入されたチェック弁49の方がチェック弁31よりも高く設定されている。
【0027】
図1の回路において、ウインチ18を油圧タグライン用ウインチとして使用する場合は、ロープ17は図4(A)に示したクラムシェルバケット4等の作業具に接続される。この状態において、使用モード切換スイッチ33を閉じると、電磁切換弁27のソレノイド27aに通電され、電磁切換弁27がh位置からi位置に切り換わり、パイロット用油圧ポンプ22からの圧油が回路46を介してパイロット切換弁26のパイロット室26aに加わり、これによりパイロット切換弁26がk位置からj位置に切り換わり、ブレーキシリンダ20aに圧油が供給され、ネガティブブレーキ20が解除される。
【0028】
ここで、バイパス弁24は完全に締まっているものとし、操作用スイッチ32をb側に操作すると、コントロール弁23のソレノイド23aに通電されてコントロール弁23がf位置に切り換わり、二次側回路43より油圧モータ19に油圧ポンプ21からの圧油が供給され、ロープ17はリリーフ弁29により設定された油圧によって変わる所定の位置まで引寄せられ、ロープ17には張力がかかった状態が維持される。
【0029】
一方、ロープ17の繰出し時には、ロープ17によりドラム18aが逆転され、油圧モータ19が油圧ポンプとして作用する。この時、油圧モータ19のポート19aから油が吐出され、油が二次側回路43を逆流して油圧ポンプ21の吐出回路のa点において油圧ポンプ21の吐出油と合流し、その合流油がリリーフ弁29によりリリーフされながらタンク28に戻る。また、この時、油圧モータ19aの正転時の油の出口となるポート19bとタンク28との間を接続する油補給回路48とその回路に挿入したチェック弁31を介して油圧モータ19のポート19bより油圧モータ19に吸い込まれる。
【0030】
次に該ウインチ18をリービングウインチとして使用する時は、使用モード切換スイッチ33を切り、電磁切換弁27をノーマル位置(h位置)にする。これにより、回路46の圧力はタンク圧となり、パイロット切換弁26もノーマル位置(k位置)に戻る。
【0031】
この状態において、操作用スイッチ32が中立位置にあれば、ネガティブブレーキが投入された状態を保ち、ドラム18aは回転しないため、ロープ17は自重や外力により繰出されることはない。
【0032】
リービングウインチとしての使用モードにおいて、ロープ17の繰出しを行う際は、操作用スイッチ32をc側に切り換えることにより、コントロール弁23のソレノイド23bに通電されてコントロール弁23がg位置に切り換わり、油圧ポンプ21の吐出油が油圧モータ19のポート19bより供給され、同時に、二次側回路44の油圧がブレーキ解除用方向制御弁25の操作部に作用して該方向制御弁25が中立位置からm位置に切り換わり、ブレーキシリンダ20aに圧油が供給されるため、ネガティブブレーキ20が解除され、油圧モータ19が逆転し、ドラム18aが回転してロープ17が繰出される。この時のロープ17のスピードは、エンジン回転数により、またはバイパス弁24を操作して高圧油を低圧側(二次側回路43側)にバイパスさせることにより調整することができる。
【0033】
反対に、図4(B)に示した巻上ロープ3をシーブ14、15へ掛ける作業を行う際には、ロープ17をシーブ14、15に掛けてワイヤロープグリップ16により巻上ロープ3に接続しておき、操作用スイッチ32をb側に切り換えると、コントロール弁23のソレノイド23aに通電されてコントロール弁23がf位置に切り換わり、油圧ポンプ21の吐出油が油圧モータ19のポート19aより供給されると同時に、ブレーキ解除用方向制御弁25が二次側回路43の油圧により中立位置からn位置に切り換わり、パイロット切換弁26を介してブレーキシリンダ20aに圧油が供給されてネガティブブレーキ20が解除されるので、油圧モータ19が正転し、ロープ17により巻上ロープ3が巻取られる。この時のロープ17のスピードは、前記繰出し時と同様に、エンジン回転数やバイパス弁24の開度によって調整できる。
【0034】
また、この時、ロープ17の張力は、リリーフ弁29の設定圧力を調整することで調整することができるので、万一巻上ロープ3がブーム2に引っかかる等のトラブルが発生した場合にも、ブーム2を損傷させることなく、巻取りを停止させることができる。
【0035】
エンジン停止時には、油圧ポンプ21、22からの圧油が発生しないため、ブレーキ解除用方向制御弁25が中立位置に戻り、ブレーキシリンダ20aの圧油が方向制御弁25からタンク28に戻り、タンク圧となるため、ネガティブブレーキ20が作用し、ドラム18aは確実に停止し、ロープ17が自重や外力によって繰出されることはない。
【0036】
上記実施例においては、使用モードの切換手段であるスイッチ33により切り換えられる方向切換弁として、電磁切換弁27とパイロット切換弁26の組み合わせからなる弁を用いたが、図2に示すように、1つの電磁切換弁42に置き換えてもよい。また、電磁切換弁42の代わりに人力により切り換わる方向切換弁を用いてもよい。また、使用モード切換手段に呼応して、リリーフ弁29の設定圧が自動的に切り換わるようにしてもよい。
【0037】
また、上記実施例では、リービングウインチとしての使用モードにおいて、ブームシリンダ20aを解除する手段として方向制御弁25を用いたが、それに代えて、図3に示すように、二次側回路43、44間に高圧優先形のシャトル弁50を介在させ、このシャトル弁50から出力される圧力で切換わるパイロット切換弁51を回路45に設けて、パイロット用油圧ポンプ22の圧油をブームシリンダ20aに導くようにしてもよい。この場合、パイロット切換弁51はp位置でタンク28とブームシリンダ20aとを連通させ、q位置でタンク28とブームシリンダ20aとを遮断し、パイロット油圧ポンプ22をブームシリンダ20aに連通させる。
【0038】
この図3の場合、コントロール弁23がf位置またはg位置に切換えられると二次側回路43または44に圧油が供給されて、その圧油はシャトル弁50からパイロット切換弁51のパイロット室51aに伝達されて、パイロット切換弁51をp位置からq位置に切り換える。これにより、パイロット用油圧ポンプ22とブームシリンダ20aとが連通し、パイロット油圧ポンプ22からの圧油が回路46、45を介してブームシリンダ20aに供給されてネガティブブレーキが解除される。
【0039】
また、上記したこれらの実施例では、エンジン回転数やバイパス弁24によってロープ17の巻取り速度、繰出し速度を調整するようにしたが、コントロール弁23を比例切換式とすることでバイパス弁24を省略できる。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、1台のウインチを油圧タグライン用ウインチとリービングウインチとに共用できるようにしたので、全体構成が簡単となり、コストダウンが図れる。
【0041】
また、リービングウインチとして使用する際には、油圧モータの駆動停止に応じて、ウインチのブレーキが自動的に解除されるため、ブレーキ操作を必要とせず、リービングウインチとして用いる場合であっても、操作上何ら支障無くリービングウインチとして操作することができるという効果が得られる。
【0042】
また、油圧タグラインとして用いる場合には、使用モード切換手段を切り換えることにより、ウインチのブレーキが解除され、コントロール弁を巻取り側に操作することにより、ブレーキ操作を特に必要とせず、操作上何ら支障なく油圧タグラインとして使用できるという効果が得られる。また、ドラムからロープを引出す場合は、コントロール弁を操作することによってロープを繰出すことができるので、労力が軽減され、容易かつより安全にロープの繰出しが行える。また、ウインチにネガティブブレーキを備えれば、油圧タグラインを使用しない時には、ネガティブブレーキの作用によりロープの緩みがでないため、作業性がよい。
【0043】
また、コントロール弁を含めて油圧回路が共用されることにより、全体構成がより簡単となり、さらなるコストダウンが図れる。また、使用モード切換手段の操作により、油圧タグラインあるいはリービングウインチとして用いることが可能となり、ブレーキ操作を必要とせず、操作上何ら支障なく使用できる。また、ドラムからロープを引出す場合は、コントロール弁を操作することによってロープを繰出すことができるので、労力が軽減され、容易かつより安全にロープの繰出しが行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による作業機のウインチ装置の一実施例を示す油圧回路図である。
【図2】 本発明による作業機のウインチ装置の他の実施例を示す油圧回路図である。
【図3】 本発明による作業機のウインチ装置の他の実施例を示す油圧回路図である。
【図4】 (A)は従来の油圧タグラインを備えた作業機を示す側面図、(B)は従来のリービングウインチを備えた作業機を示す側面図である。
【図5】 (A)は一般的な油圧タグラインの油圧回路図、(B)は一般的なリービングウインチの油圧回路図である。
【符号の説明】
1c:上部旋回体、2:ブーム、3:巻上ロープ、4:クラムシェルバケット、5:タグラインロープ、6:油圧タグライン用ウインチ、8、13:油圧ポンプ、9:巻上ウインチ、12:リービングウインチ、17:ロープ、18a:ドラム、18:ウインチ、19:油圧モータ、20:ネガティブブレーキ、20a:ブレーキシリンダ、21:油圧ポンプ、22:パイロット用油圧ポンプ、23:コントロール弁、24:バイパス弁、25:ブレーキ解除用方向制御弁、26、51:パイロット切換弁、27:電磁切換弁、29、30:リリーフ弁、32:操作用スイッチ、33:使用モード切換スイッチ、42:電磁切換弁、50:高圧優先形シャトル弁
Claims (1)
- 作業機の上部旋回体にブームが取付けられ、該ブームより巻上ロープが垂下され、該巻上ロープにより作業具または荷物が支持される作業機において、
油圧モータとこの油圧モータを制御するコントロール弁とブレーキ手段とを備え、繰り出されるロープが前記作業具に接続され、前記コントロール弁により前記油圧モータを作動させて前記ロープに一定の張力を与えて前記作業具の振れ止めを行なう油圧タグライン用ウインチとして使用可能であると共に、前記コントロール弁により前記油圧モータを回転させて前記ロープを繰り出しまたは巻き取りする作業機組立時のワイヤリング作業に使用され、不使用時にはブレーキが作用して停止状態を保持するリービングウインチとして使用可能な1つのウインチを備え、
前記油圧タグライン用ウインチとして使用する際には前記油圧モータの駆動、停止に関らず、前記ウインチのブレーキを解除し、前記リービングウインチとして使用する際には、前記油圧モータの駆動、停止に応じてブレーキを解除するように前記ブレーキ手段の動作を選択的に切り換えて使用可能とする使用モード切換手段を設け、
前記ブレーキ手段は、エンジンによって駆動される油圧ポンプから供給される圧油によって解除されるネガティブブレーキにより構成されることを特徴とする作業機のウインチ装置。
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