JP3618658B2 - 歪形ワークの熱処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱処理が要求される面とこの面に連続する熱処理が要求されない面とを有する板カム等の歪形ワークに熱処理を施す高周波熱処理装置等に利用される歪形ワークの熱処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の歪形ワークの熱処理装置の代表例として、板カムの高周波焼入装置がある。前記板カムの形状は、後述の発明の実施の形態で説明している図2に示された板カムWと同じである。
【0003】
従来の高周波焼入装置は、板カムの外周面(熱処理が要求される面)を加熱する円形の加熱導体部を有する高周波加熱コイル体と、前記円形の加熱導体部の中心に、板カムの使用時回転中心を合わせた状態で板カムを回転させる回転機構等とを備えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の高周波焼入装置で、板カムを熱処理すると、板カムの基本円部分よりも突出した部分に形成された硬化層が他の部分のそれに比べて厚くなる、いわゆる焼ムラが出来ていた。板カムの突出した部分が基本円部分よりも加熱導体部に接近した状態で誘導加熱されるからである。
【0005】
また、板カムの基本円部分よりも突出した部分の方が曲率半径が小さい分、突出した部分の方がマスが小さいため、基本円部分よりも突出した部分の方が硬化層が厚くなる傾向となっていた。このように、マスの大きさの違いによっても焼ムラが出来ていた。
【0006】
更に、板カムは、外周面と側面との交点が角となるので、その角に、他の部分よりも誘導電流が集中しやすい。即ち、板カムは両側面側の方が内側よりも硬化層が厚くなる傾向となっていた。これによっても焼ムラが出来ていた。
【0007】
これらが原因の焼ムラによって、板カムに歪や焼割れ等を生じるおそれがあった。
【0008】
また、熱処理が大気中、即ち、有酸素中で行われていたので、スケールができていた。このスケールができると光輝性のない状態となる。そのため、スケールは研磨により取り除かれていた。なお、前記歪も研磨により矯正されていた。これらの研磨は、硬化層の表面側を削ることになるので、研磨時間が長くかかるとともに、研磨具の磨耗が激しいので、板カムのコストアップの要因となっていた。
【0009】
これらのことはワークが板カムであるときの特有の問題ではなく、ワークが歪形であるときに共通して言える事項である。また、高周波加熱コイル体を使用する高周波誘導加熱だけでなく、一般の抵抗加熱でも同様の問題が指摘されている。
【0010】
本発明の主たる目的は、歪形ワークの硬化層をより均一に形成可能な歪形ワークの熱処理装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、本発明の請求項1に係る歪形ワークの熱処理装置は、熱処理が要求される面とこの外周面に連続する熱処理が要求されない面とを有する板カムである歪形ワークに熱処理を施す熱処理装置であって、歪形ワークの熱処理が要求される面を加熱する加熱コイル体と、前記歪形ワークが加熱されるときに前記歪形ワークの熱処理が要求されない面に押し当てられる放熱用当板と、前記歪形ワークが熱処理されるときに前記歪形ワーク又は前記加熱導体部を回動させる回動機構とを具備しており、前記加熱コイル体は前記歪形ワークの熱処理が要求される面としての外周面を加熱する円形の加熱導体部を有しており、前記放熱用当板の外周の形状は、前記歪形ワークの熱処理が要求されない面の外周の形状を縮小した相似形または略相似形とされ、前記放熱用当板は、前記歪形ワークの熱処理が要求されない面の外周の形状を縮小した位置またはその付近に前記放熱用当板の外周が位置するように押し当てられるようになっており、前記歪形ワークを側面視して、歪形ワークの使用時回転中心から最も遠い位置の最外端部と前記使用時回転中心との間の距離をr1、両者を結ぶ直線の延長線上の位置の反対側端部と前記使用時回転中心との間の距離をr2、前記円形の加熱導体部の内側半径をd1、前記歪形ワークが加熱されるときに前記円形の加熱導体部の中心に合わせられる前記回動機構の回動中心と前記反対側端部との間の距離をrとしたとき、d1>r≒(r1+r2)/2に設定されることを特徴としている。
【0012】
本発明の請求項2に係る歪形ワークの熱処理装置は、前記放熱用当板は、導電性を有している。
【0014】
本発明の請求項3に係る歪形ワークの熱処理装置は、前記最外端部での曲率半径が、前記反対側端部での曲率半径よりも小さいときには、前記rはd1>r≒(r1+r2)/2の代わりにd1>r>(r1+r2)/2とする。
【0015】
本発明の請求項4に係る歪形ワークの熱処理装置は、前記歪形ワークが熱処理されるときに前記歪形ワークの周囲を無酸化性ガスまたは無酸化性冷却液で充たす無酸化処理機構を備えている。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る歪形ワークの熱処理装置として板カムの高周波焼入装置を図1および図2を参照しつつ説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る板カムの高周波焼入装置を示す概略的説明図、図2は本発明の実施の形態に係る板カムの高周波焼入装置に用いられる高周波加熱コイル体と放熱用当板と板カムとを示す概略的説明図であって、同図(A)は平面図、同図(B)はA−A線矢視断面図である。
【0017】
熱処理が要求される面とこの面に連続する熱処理が要求されない面とを有する歪形ワークとしての板カムWは、自動車等のカムシャフトに用いられるものである。特に板カムWはシャフトに取り付けられるカム、即ち、いわゆる組立式カムシャフトに用いられるカムである。よって、板カムWには、前記シャフトが嵌まり込む穴WHが設けられている。この穴WHには、スプライン等の前記シャフトとの固定手段が形成されることが多いが、そのスプライン等は図示省略した。穴WHを側面視したときの中心が、板カムWの使用時回転中心P0である。板カムWは、使用時回転中心P0から最も遠い位置の最外端部P1と使用時回転中心P0との間の距離がr1、両者を結ぶ直線の延長線上の位置の反対側端部P2と使用時回転中心P0との間の距離がr2(<r1)となっている。
【0018】
前記熱処理が要求される面とは、図2に示す板カムWの外周面WGであり、この面に連続する前記熱処理が要求されない面とは板カムWの両側面WS、WSである。熱処理が要求されない面としての側面WSは、熱処理が要求されないものの、熱処理が要求される面としての外周面WGと直交して連続しているから、図2(B)に示されるように、硬化層WKの深さ方向の部分がたまたま側面WSの一部に現れる。したがって、本発明において熱処理が要求されない面とは、硬化層が全く形成されない面だけを言うのではなく、それ以外に、側面WSのように、その面を直接的に熱処理する意図がなく、別の面を熱処理したときにたまたま硬化層が一部に現れる面をも言う。
【0019】
本発明の実施の形態に係る板カムの高周波焼入装置10は、板カムWの外周面WGを加熱する円形の加熱導体部110を有する高周波加熱コイル体100と、この加熱導体部110の下方に設けられた円形の冷却ジャケット150と、投入された板カムWを加熱導体部110および冷却ジャケット150の中心軸方向に挟持して移動させ且つ焼入時に加熱導体部110間および冷却ジャケット150間にセットさせて回動させる放熱用当板210付の回動機構200と、これらを無酸化状態に閉塞するチャンバー300と、このチャンバー300の入口側に延設された入口側予備雰囲気室340と、チャンバー300の出口側に延設された出口側予備雰囲気室380とを備えている。
【0020】
また、高周波焼入装置10は、入口側予備雰囲気室340内および出口側予備雰囲気室380内にそれぞれ設けられたワーク搬送機構400と、高周波加熱コイル体100に電力を供給する電源部(図示省略)と、チャンバー300および入口側予備雰囲気室340並びに出口側予備雰囲気室380内に非酸化性の雰囲気ガスGを供給するガス供給手段500と、冷却ジャケット150および高周波加熱コイル体100に供給するための冷却液Lを貯留するとともに冷却ジャケット150から噴射された冷却液Lを受ける冷却液タンク600と、この冷却液タンク600の冷却液Lを冷却ジャケット150および高周波加熱コイル体100に送るポンプ機構(図示省略)と、入口側予備雰囲気室340外から入口側予備雰囲気室340内のワーク搬送機構400に板カムWを供給するワーク自動供給機構(図示省略)と、出口側予備雰囲気室380内のワーク搬送機構400から板カムWを受け取るワーク自動搬出機構(図示省略)と、これらを制御する制御部(図示省略)とを備えている。
【0021】
前記高周波加熱コイル体100は、円形の加熱導体部110と、この加熱導体部110の端から外側に遠ざかるように突設された一対の給電導体部120とを有する。なお、加熱導体部110は、正確に言えば完全な円形ではなく、円形の一部をカットして間隙Sが設けられた形状をしている。一対の給電導体部120間も間隙Sが設けられている。この間隙Sには、図示しない絶縁板が設けられている。間隙Sは、高周波加熱コイル体100に交流高電圧がかけられるため必然的に設けられるものである。
【0022】
この間隙Sで円形の加熱導体部110の磁界の途切れができるとともに、理想的には影響ない一対の給電導体部120からの磁界が現実には多少影響して、加熱導体部110の内側の磁界が、間隙S付近で乱れる。この磁界の乱れの影響を、板カムWが熱処理時に停止状態で受けると加熱ムラの原因の1つになるため、後述するように回動機構200を設けて、加熱時に板カムWを回動させて、前記影響が板カムWの周囲全体に分散されるようにして前記加熱ムラを抑えている。なお、高周波加熱コイル体100の内部には、自身の加熱を抑えるための冷却液が循環されている。また、円形の加熱導体部110の内側の半径をd1とする。高周波加熱コイル体100は、チャンバー300内に固定されている。
【0023】
前記冷却ジャケット150は、その内側に図示しない複数の冷却液噴射用穴が設けられている。冷却ジャケット150は、チャンバー300内に固定されている。前記複数の冷却液噴射用穴は、板カムWの冷却ムラが発生しにくいように多数設けられているものの、板カムWが停止された状態で冷却液Lを噴射すると冷却ムラがやや発生する。そのため、後述するように回動機構200を設けて、冷却液L噴射時に板カムWを回動させて、前記冷却ムラを抑えている。
【0024】
前記回動機構200は、上側回動機構201と下側回動機構206とからなる。上側回動機構201は、チャンバー300内の上部側に固定された本体部201Aと、この本体部201Aの下部に取り付けられた台座201Bとこの台座201Bの下部に固定された放熱用当板210とを有する。本体部201Aは、台座201Bを昇降自在且つ回動自在に支えるものである。下側回動機構206は、チャンバー300の下方側に設けられた冷却液タンク600の上に固定された本体部206Aと、この本体部206Aの上部に取り付けられた台座206Bと、この台座206Bの上部に固定された放熱用当板210とを有する。本体部201A、206Aは、図示しないモータと、このモータを昇降させる図示しないシリンダーと、前記モータの回動角度を検出する図示しないセンサと、これらを覆う図示しないハウジングとをそれぞれ備える。
【0025】
本体部201A、206Aのモータは、板カムWを自転させるためのものである。図2のP3は、図1の本体部201A、206Aのモータの回動軸201A1、206A1の回動中心、即ち、回動機構200の回動中心を示す。なお、P3は、図1の台座201B、206Bの回動中心でもあり、また、円形の加熱導体部110や冷却ジャケット150の中心でもある。
【0026】
本体部201A、206Aは、板カムWを加熱するときに、台座201B、206Bに固定された放熱用当板210、210間に板カムWを挟んで回動させる。上述した間隙S付近での磁界の乱れの影響を上述したように回動させて分散させる方が好ましいからである。また、板カムWに冷却液を噴射するときに、本体部201A、206Aは、台座201B、206Bに固定された放熱用当板210、210間に挟まれたままの板カムWを回動させる。冷却ムラ、究極的には形成される硬化層の厚みムラを抑えるためである。
【0027】
前記放熱用当板210は、板カムWの外周面WG側から内側に伝導してくる熱のうちの板カムWの外周面WG側の均一な加熱を妨げる余計な熱を放熱するという作用と、板カムWの外周面WG側の均一な加熱を妨げる余計な電磁誘導の発生を抑えるという作用と、両側面WS、WS側での余計な誘導電流をバイパスさせるという作用とを果たすものである。そのために放熱用当板210は、外周の形状が、板カムWの側面WSの外周の形状を縮小した相似形である。放熱用当板210は、板カムWの側面WSの外周の形状を縮小した位置に押し当てられるものである。
【0028】
放熱用当板210には、板カムWの穴WHと同様の穴210Hが設けられている。この穴210Hの中心は、板カムWの使用時回転中心P0に合わせられることになる。放熱用当板210は、板カムWの側面WSと相似形であるから、板カムWの最外端部P1と反対側端部P2とに対応した最外端部P4と反対側端部P5とを有する。ただし、最外端部P4は、放熱用当板210において穴210Hの中心から最も遠い位置であり、反対側端部P5は、放熱用当板210において最外端部P4と穴210Hの中心とを結ぶ直線の延長線上の位置である。
【0029】
また、放熱用当板210は、放熱性能の高い材質とするのはもちろんのこと、導電性も有するものにする。放熱用当板210の導電率は高い方が放熱用当板210自身が加熱導体部110からの磁界によって加熱されにくいのでよく、また、板カムWに発生している不要な誘導電流を効率よくバイパスさせることができるのでよい。更に、放熱用当板210は、繰り返し使用しても磨耗しにくい材質のものが好ましい。よって、放熱用当板210は、例えば銅、真鍮、ステンレス、鉄等からなる。
【0030】
このような放熱用当板210は、台座201B、206Bにそれぞれ、放熱用当板210の最外端部P4と反対側端部P5との中点を、台座201B、206Bの回動中心(即ちP3)に合わせるようにして固定される。このように固定された放熱用当板210が板カムWの側面WSの外周の形状を縮小した位置に押し当てられると、放熱用当板210、210間に挟持された板カムWの最外端部P1と加熱導体部110との間の距離は、反対側端部P2と加熱導体部110との間の距離に一致する。即ち、回動中心P3と反対側端部P2との間の距離をrとしたとき、d1>r=(r1+r2)/2に設定される。
【0031】
このようにd1>r=(r1+r2)/2に設定されると、上述したように加熱導体部110と最外端部P1との間の距離が、加熱導体部110と反対側端部P2との間の距離に一致するので、板カムWの外周面WGと加熱導体部110の内面との間の距離の最大値と最小値との差が従来よりも小さくなる。これによっても、従来よりも硬化層の均一化が図られる。なお、きっちりとd1>r=(r1+r2)/2に設定しない状態、即ち、d1>r≒(r1+r2)/2としても従来よりも硬化層の均一化が図られる。
【0032】
ただし、板カムWは、最外端部P1での曲率半径が、反対側端部P2での曲率半径よりも小さいので、マスの違いを更に考慮すると、前記rはd1>r≒(r1+r2)/2の代わりにd1>r>(r1+r2)/2とした方が、更に硬化層の均一化が図られる。なお、以下、説明を簡略化するため、前記rはd1>r=(r1+r2)/2であるとする。
【0033】
このように台座201B、206Bにそれぞれ固定された放熱用当板210に対して、板カムWを上述のように位置合わせしてセットするために、台座206Bに固定された放熱用当板210の上に板カムWがワーク搬送機構400によってセットされるまでに、放熱用当板210の最外端部P4の方向は、予め決められた1つの方向(以下、この方向を「初期方向」とも呼ぶ。)になるように本体部201A、206Aのモータが制御されている。
【0034】
前記チャンバー300は、下方が開放され、その開放された下方が冷却液Lに浸漬されている。チャンバー300には、入口側予備雰囲気室340側の側面に入口側シャッタS2が設けられ、出口側予備雰囲気室380側の側面に出口側シャッタS3が設けられている。また、チャンバー300には、下部にガス供給手段500からの雰囲気ガスGを取り込むガス供給孔310が設けられ、天井部分に雰囲気ガスGを排出するガス排出孔305が設けられている。チャンバー300内は、雰囲気ガスGが充たされて無酸素状態にされている。
【0035】
前記入口側予備雰囲気室340は、下方が開放され、その開放された下方が冷却液Lに浸漬されている。入口側予備雰囲気室340には、入口側にシャッタS1が設けられている。また、入口側予備雰囲気室340には、下部にガス供給手段500からの雰囲気ガスGを取り込むガス供給孔341が設けられ、天井部分に雰囲気ガスGを排出するガス排出孔345が設けられている。入口側予備雰囲気室340内は、雰囲気ガスGが充たされて無酸素状態にされている。
【0036】
前記出口側予備雰囲気室380は、下方が開放され、その開放された下方が冷却液Lに浸漬されている。出口側予備雰囲気室380には、出口側にシャッタS4が設けられている。また、出口側予備雰囲気室380には、下部にガス供給手段500からの雰囲気ガスGを取り込むガス供給孔381が設けられ、天井部分に雰囲気ガスGを排出するガス排出孔385が設けられている。出口側予備雰囲気室380内は、雰囲気ガスGが充たされて無酸素状態にされている。
【0037】
なお、前記雰囲気ガスGは、窒素やアルゴン等の非酸化性のガスである。冷却液Lは焼入油である。前記シャッタS1〜S4は、図示しないシリンダで昇降されるようになっている。
【0038】
前記ワーク搬送機構400は、ロボットアームである。入口側予備雰囲気室340内のワーク搬送機構400は、台座206Bに固定された放熱用当板210の上に板カムWをセットしたときに、板カムWの最外端部P1の方向が、放熱用当板210の最外端部P4の方向(即ち、前記初期方向)と一致するように、板カムWを搬送するようになっている。
【0039】
前記ポンプ機構は、ポンプと、このポンプに接続された管と、この管の途中に設けられた冷却機構とを備えている。前記冷却機構は、冷却液タンク600の冷却液Lを冷却ジャケット150等に送る際、焼入に適した温度に冷却液Lを冷却するものである。
【0040】
このように構成された本発明の実施の形態に係る板カムの高周波焼入装置10は、次のように機能する。
【0041】
シャッタS1が開かれ、ワーク自動供給機構によって板カムWが、入口側予備雰囲気室340内のワーク搬送機構400に供給される。シャッタS1が閉じられた後、シャッタS2が開かれる。板カムWが、ワーク搬送機構400によって、下側回動機構206の台座206Bに固定された放熱用当板210上に上述したように位置合わせされて置かれる。前記放熱用当板210上の板カムWは、本体部206Aのシリンダーによって、加熱導体部110間まで上昇させられる。他方、前記板カムWの上面を押さえるように、上側回動機構201の台座201Bに固定された放熱用当板210が本体部201Aのシリンダーによって下降させられる。
【0042】
これにより、板カムWは放熱用当板210、210間に所定の状態で挟持される。即ち、放熱用当板210は、板カムWの側面WSの外周の形状を縮小した位置に放熱用当板210の外周が位置するように押し当てられ、回動中心P3と反対側端部P2との間の距離rは、d1>r=(r1+r2)/2であり、また、加熱導体部110と最外端部P1との間の距離が、加熱導体部110と反対側端部P2との間の距離に一致する。
【0043】
このような状態で、高周波加熱コイル体100に通電される一方、放熱用当板210、210間に挟持された板カムWは回動される。通電が終了した後、板カムWは、放熱用当板210、210間に挟持されたまま、冷却ジャケット150の間まで移動させられ、冷却ジャケット150から冷却液Lを噴射される。冷却液Lを噴射されている間も、板カムWは、放熱用当板210、210間に挟持されたまま回動させられる。
【0044】
冷却液Lの噴射が完了した後、回動は停止される。回動が停止されたとき、放熱用当板210、210の方向は回動開始時と同じ方向(即ち、前記初期方向)になるようにしている。上側回動機構201の台座201Bに固定された放熱用当板210が本体部201Aのシリンダーによって上昇させられて初期位置に戻される一方、下側回動機構206の台座206Bに固定された放熱用当板210が本体部206Aのシリンダーによって下降させられて初期位置に戻される。
【0045】
シャッタS3が開かれ、出口側予備雰囲気室380内のワーク搬送機構400によって、板カムWが取り出される。シャッタS3が閉じられ、シャッタS4が開かれて、板カムWがワーク搬送機構400からワーク自動搬出機構へ渡されて、一連の焼入が完了する。
【0046】
次のワークである板カムWは、前記一連の焼入が完了した後に、ワーク自動供給機構によって供給されたのでもよいが、早いタイミングで焼入処理したい場合には、例えば次のタイミングとなるようにワーク自動供給機構によって供給される。前記シャッタS3が開かれた際に、シャッタS2を開け、先の板カムWがワーク搬送機構400によって下側回動機構206の放熱用当板210上から取り出された後に、次の板カムWを、下側回動機構206側の放熱用当板210上に載置させる。
【0047】
ただし、いくら早いタイミングで焼入処理したい場合であっても、シャッタS2を開けているときには、シャッタS1を開けないようにする方がよい。同様に、シャッタS3を開けているときには、シャッタS4を開けないようにする方がよい。チャンバー300内まで一気に外気が入り込んでしまうと、チャンバー300内が無酸素状態に戻るまで時間がかかるからである。
【0048】
このようにして焼入された板カムWは、放熱用当板210が、板カムWの側面WSの外周の形状を縮小した位置(即ち、硬化層の深さが均一となるライン)に放熱用当板210の外周が位置するように押し当てられて熱処理されたので、板カムWの外周と加熱導体部110との間の距離がたとえ一定でなくても、また、板カムW内でのマスの違いがあっても、更に、板カムWの角の誘導電流の集中に対しても、放熱用当板210が有効に機能し、従来よりも硬化層の均一化が図られる。放熱用当板210が、硬化層の深さが均一となるラインの内側に押し当てられ、板カムWの外周面WG側から内側に伝導してくる熱のうちの前記ライン内に入り込んで来ようとする余計な熱を放熱しようとするからである。また、放熱用当板210が、前記ライン内での電磁誘導の発生を抑えるためである。更に、放熱用当板210が、余計な誘導電流をバイパスさせるからである。
【0049】
また、板カムWと高周波加熱コイル体100との位置関係が上述のようにされて、板カムWの外周と加熱導体部110との間の距離の最大値と最小値との差が、従来よりも小さくなっているので、従来よりも硬化層の均一化が図られる。
【0050】
なお、本発明の実施の形態に係るカムシャフトの製造装置は、上述の構成に限定しない。例えば次のように変更してもよい。
【0051】
(1)高周波加熱コイル体100は固定されているとし、この高周波加熱コイル体100に対して、回動機構200は板カムWを回動させたが、その代わりに、板カムWを停止した状態で高周波加熱コイル体100を回動させてもよい。これによっても加熱ムラを抑えることができるからである。
【0052】
(2)板カムWを加熱するための加熱コイル体は、高周波加熱コイル体の代わりに一般的な抵抗加熱コイル体を用いてもよい。
【0053】
(3)冷却ジャケットは高周波加熱コイル体と別体としたが、一体としてもよい。即ち、高周波加熱コイル体の加熱導体部の内側面に冷却液を噴射する複数の穴を設けてもよい。
(4)板カムWに冷却液Lを噴射するときには、板カムWを回動させたが、その代わりに、板カムWを停止した状態で冷却ジャケット150を回動させてもよい。これによっても冷却ムラを抑えることができるからである。
【0054】
(5)板カムWは、冷却ジャケット150によって焼入油を噴射することで焼入の急冷却を行ったが、その代わりに、冷却液Lへの浸漬によって焼入の急冷却を行ってもよい。この場合、タンク600の冷却液Lに板カムWを浸漬することになる。よって、下側回動機構206は、板カムWを載置した状態で、その板カムWを冷却液面下に移動させることができるように配置される。タンク600の冷却液Lは、冷却機構によって焼入に適した温度に冷却されるようにする。板カムWは、冷却液Lに浸漬されたとき、回動されて冷却ムラを抑える。また、冷却液面下に、冷却液Lを板カムWに吹きつける冷却ジャケットを設けると更によい。板カムWの前記回動の代わりに、前記冷却ジャケットを回動させて板カムWの冷却ムラを抑えてもよい。
【0055】
なお、浸漬による場合、チャンバー300の下をくぐらせてチャンバー300の外側へ焼入後の板カムWを取り出すようにしてもよい。このようにした場合、出口側予備雰囲気室380やチャンバー300の出口側シャッタS3は不要である。
【0056】
(6)板カムWが熱処理されるときに板カムWの周囲を無酸化性ガスで充たしたが、その代わりに、板カムWを無酸化性冷却液である焼入油に浸漬した状態で加熱し、浸漬した状態で板カムWを回動させたり、焼入油を板カムWに吹きつける等して急冷却する、いわゆる液中焼入による無酸化処理を行ってもよい。この場合、チャンバー300や入口側予備雰囲気室340や出口側予備雰囲気室380やガス供給手段500は不要である。また、下側回動機構206は、板カムWを載置した状態で、当該板カムWを冷却液面下に移動させることができるように配置される。高周波加熱コイル体100や冷却ジャケット150ももちろん冷却液面下に配置される。
【0057】
(7)無酸化焼入処理を行っているが、光輝性を要求しないのならば、その代わりに、スケールができるものの大気中での一般焼入処理を行ってもよい。この場合、冷却液としては、焼入油以外に冷却水を用いることもできる。また、チャンバー300や入口側予備雰囲気室340や出口側予備雰囲気室380やガス供給手段500は不要である。
【0058】
(8)高周波加熱コイル体100と冷却ジャケット150とを固定し、板カムWを移動させたが、その代わりに、板カムWを移動させないで高周波加熱コイル体100と冷却ジャケット150とを移動させてもよい。
【0059】
(9)放熱用当板210は回動機構200の一部として設けたが、その代わりに、回動機構から放熱用当板210を取り去り、供給する板カムWに放熱用当板210を着脱自在に予め取り付けてもよい。
【0060】
(10)供給する板カムWに放熱用当板210を着脱自在に予め取り付ける場合、例えば次のようにしてもよい。板カムWの穴部WHにシャフトを嵌め込み、このシャフトに一対の放熱用当板210も嵌め込む。上述したように板カムWの上下に放熱用当板210を配置して焼入する場合には、前記シャフトの軸方向も上下方向となるため、前記シャフトに嵌め込まれた板カムWと一対の放熱用当板210とが抜け落ちないように、前記シャフトには、下側に嵌め込まれる放熱用当板210を支える位置に鍔状部が予め設けられる。
【0061】
また、例えば前記シャフトの周囲と、前記板カムWの穴WHと一対の放熱用当板210の穴210Hとには、スプラインが設けられているか、または、前記シャフトと、前記板カムWの穴WHおよび一対の放熱用当板210の穴210Hとの間にキー溝とキーとが設けられていることで、前記シャフトを回動させても、このシャフトに嵌め込まれている板カムWと一対の放熱用当板210とが空回りしないようにされている。
【0062】
焼入するときには、前記シャフトの上下をチャックとセンターとで挟む。前記チャックとセンターとは、回動機構の上側回動機構の台座または下側回動機構の台座のどちらか一方に取り付けられる。前記チャックとセンターとは、前記シャフトを介して板カムWを回動中心P0で挟むことになる。よって、前記チャックとセンターとは、回動機構の上側回動機構の台座または下側回動機構の台座上において、その台座の回動中心P3から、P0とP3との間の距離である(r1−r2)/2だけ離れた位置に設けられる。即ち、前記チャックとセンターとは、回動機構の回動中心P3を中心として公転移動させられる構成となる。前記チャックとセンターとに挟まれた板カムWは、回動中心P3を中心として回動されるのは上述の場合と変わらない。
【0063】
したがって、例えば、上述したようにマスを考慮して、板カムWの位置をd1>r>(r1+r2)/2とする場合には、前記距離をd1>r>(r1+r2)/2とすればよい。
【0064】
なお、このように板カムWの穴部WHにシャフトを嵌め込む場合には、放熱用当板210に、穴210Hと同様の穴が必要であるが、上述したように、放熱用当板210を台座201B、206Bに取り付ける場合には、穴210Hを省くことも可能である。
【0065】
(11)放熱用当板210の形状は、板カムWの外周の形状を縮小した相似形としたが、略相似形でももちろんよい。略相似形とは、相似形に対してなだらかに凹凸を設けてもよいし、極端に凹凸を設けてもよい。マスの違い等により余計に放熱させたい場合は相似形に対して凸とし、その逆は凹とすればよい。なお、放熱用当板210の形状が略相似形の場合は、板カムWの側面の外周の形状を縮小した位置に押し当てることにはならないで、前記位置付近に押し当てることになる。
【0066】
(12)本発明の実施の形態に係るカムシャフトの製造装置の特殊な例として、冷却ジャケット150からの冷却液Lの噴射で急冷却された板カムWの温度を、供給された板カムWの温度よりも高めとした状態で出口側予備雰囲気室380のワーク搬送機構400に受け渡したい場合、即ち、板カムWを、組立式カムシャフトのシャフトへの焼嵌に適した温度(例えば150℃〜180℃程度)にした状態で取り出したい場合がある。このような場合、放熱用当板210、210の温度も高めとなった状態で次の板カムWが供給されるのはよくない。よって、この場合、例えば、放熱用当板210、210を雰囲気ガスGの噴射で冷却する機構をチャンバー300内に追加して設け、この機構で次の板カムWが供給され前に放熱用当板210、210を冷却するとよい。
【0067】
(13)歪形ワークは板カムWであるとしたが、これ以外でもよいことは言うまでもない。例えば歪形ワークは、板カムWのように両側面が外周に対して垂直である必要はなく、両側面が外周に対して傾斜していてももちろんよい。
【0068】
(14)以上、熱処理が焼入であるとして説明したが、焼入後に焼き戻し処理も行う熱処理等でもよいことは言うまでもない。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に係る歪形ワークの熱処理装置は、熱処理が要求される面とこの外周面に連続する熱処理が要求されない面とを有する板カムである歪形ワークに熱処理を施す熱処理装置であって、歪形ワークの熱処理が要求される面を加熱する加熱コイル体と、前記歪形ワークが加熱されるときに前記歪形ワークの熱処理が要求されない面に押し当てられる放熱用当板と、前記歪形ワークが熱処理されるときに前記歪形ワーク又は前記加熱導体部を回動させる回動機構とを具備しており、前記加熱コイル体は前記歪形ワークの熱処理が要求される面としての外周面を加熱する円形の加熱導体部を有しており、前記放熱用当板の外周の形状は、前記歪形ワークの熱処理が要求されない面の外周の形状を縮小した相似形または略相似形とされ、前記放熱用当板は、前記歪形ワークの熱処理が要求されない面の外周の形状を縮小した位置またはその付近に前記放熱用当板の外周が位置するように押し当てられるようになっており、前記歪形ワークを側面視して、歪形ワークの使用時回転中心から最も遠い位置の最外端部と前記使用時回転中心との間の距離をr1、両者を結ぶ直線の延長線上の位置の反対側端部と前記使用時回転中心との間の距離をr2、前記円形の加熱導体部の内側半径をd1、前記歪形ワークが加熱されるときに前記円形の加熱導体部の中心に合わせられる前記回動機構の回動中心と前記反対側端部との間の距離をrとしたとき、d1>r≒(r1+r2)/2に設定されることを特徴としている。
【0070】
よって、本発明の請求項1に係る歪形ワークの熱処理装置の場合には、前記放熱用当板を備えているので、歪形ワークの硬化層をより均一に形成可能である。したがって、焼割れや歪の発生が抑えられて、歪形ワークの低コスト化が図られる。しかも、歪形ワークとしての板カムの外周面と加熱導体部との間の距離の最大値と最小値との差が従来よりも小さくなるので、板カムの硬化層を更に均一に形成可能である。したがって、焼割れや歪の発生が更に抑えられて、板カムの低コスト化が更に図られる。
【0071】
本発明の請求項2に係る歪形ワークの熱処理装置は、前記放熱用当板は、導電性を有している。
【0072】
よって、本発明の請求項2に係る歪形ワークの熱処理装置の場合には、導電性を有する放熱用当板によって、歪形ワークの両側面側の過度の誘導電流をバイパスできるので、歪形ワークの硬化層を更に均一に形成可能である。したがって、焼割れや歪の発生が更に抑えられて、歪形ワークの低コスト化が更に図られる。
【0074】
よって、本発明の請求項3に係る歪形ワークの熱処理装置の場合には、歪形ワークとしての板カムの外周面と加熱導体部との間の距離の最大値と最小値との差が従来よりも小さくなるので、板カムの硬化層を更に均一に形成可能である。したがって、焼割れや歪の発生が更に抑えられて、板カムの低コスト化が更に図られる。
【0075】
本発明の請求項3に係る歪形ワークの熱処理装置は、前記最外端部での曲率半径が、前記反対側端部での曲率半径よりも小さいときには、前記rはd1>r≒(r1+r2)/2の代わりにd1>r>(r1+r2)/2とする。
【0076】
よって、本発明の請求項3に係る歪形ワークの熱処理装置の場合には、歪形ワークとしての板カムの曲率半径の違いによるマスの違いを考慮して、マスが大きい板カムの反対側端部側を加熱導体部に近づけて熱処理するので、板カムの硬化層を更に均一に形成可能である。したがって、焼割れや歪の発生が更に抑えられて、板カムの低コスト化が更に図られる。
【0077】
本発明の請求項4に係る歪形ワークの熱処理装置は、前記歪形ワークが熱処理されるときに前記歪形ワークの周囲を無酸化性ガスまたは無酸化性冷却液で充たす無酸化処理機構を備えている。
【0078】
よって、本発明の請求項4に係る歪形ワークの熱処理装置の場合には、無酸化処理によってスケールができない。したがって、スケールを取り除くための研磨は必要ないので、歪形ワークの低コスト化が更に図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る板カムの高周波焼入装置を示す概略的説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る板カムの高周波焼入装置に用いられる高周波加熱コイル体と放熱用当板と板カムとを示す概略的説明図であって、同図(A)は平面図、同図(B)はA−A線矢視断面図である。
【符号の説明】
W 板カムW
WG 外周面(熱処理が要求される面)
WS 側面(熱処理が要求されない面)
100 高周波加熱コイル体(加熱コイル体)
110 加熱導体部
210 放熱用当板
Claims (4)
- 熱処理が要求される面とこの外周面に連続する熱処理が要求されない面とを有する板カムである歪形ワークに熱処理を施す熱処理装置であって、歪形ワークの熱処理が要求される面を加熱する加熱コイル体と、前記歪形ワークが加熱されるときに前記歪形ワークの熱処理が要求されない面に押し当てられる放熱用当板と、前記歪形ワークが熱処理されるときに前記歪形ワーク又は前記加熱導体部を回動させる回動機構とを具備しており、
前記加熱コイル体は前記歪形ワークの熱処理が要求される面としての外周面を加熱する円形の加熱導体部を有しており、
前記放熱用当板の外周の形状は、前記歪形ワークの熱処理が要求されない面の外周の形状を縮小した相似形または略相似形とされ、前記放熱用当板は、前記歪形ワークの熱処理が要求されない面の外周の形状を縮小した位置またはその付近に前記放熱用当板の外周が位置するように押し当てられるようになっており、
前記歪形ワークを側面視して、歪形ワークの使用時回転中心から最も遠い位置の最外端部と前記使用時回転中心との間の距離をr1、両者を結ぶ直線の延長線上の位置の反対側端部と前記使用時回転中心との間の距離をr2、前記円形の加熱導体部の内側半径をd1、前記歪形ワークが加熱されるときに前記円形の加熱導体部の中心に合わせられる前記回動機構の回動中心と前記反対側端部との間の距離をrとしたとき、d1>r≒(r1+r2)/2に設定されたことを特徴とする歪形ワークの熱処理装置。 - 前記放熱用当板は、導電性を有していることを特徴とする請求項1記載の歪形ワークの熱処理装置。
- 前記最外端部での曲率半径が、前記反対側端部での曲率半径よりも小さいときには、前記rはd1>r≒(r1+r2)/2の代わりにd1>r>(r1+r2)/2としたことを特徴とする請求項1記載の歪形ワークの熱処理装置。
- 前記歪形ワークが熱処理されるときに前記歪形ワークの周囲を無酸化性ガスまたは無酸化性冷却液で充たす無酸化処理機構を備えていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の歪形ワークの熱処理装置。
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