JP3270394B2 - 平板リング状ワークの片面焼入装置及び方法 - Google Patents

平板リング状ワークの片面焼入装置及び方法

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JP3270394B2 JP12430098A JP12430098A JP3270394B2 JP 3270394 B2 JP3270394 B2 JP 3270394B2 JP 12430098 A JP12430098 A JP 12430098A JP 12430098 A JP12430098 A JP 12430098A JP 3270394 B2 JP3270394 B2 JP 3270394B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平板リング状ワー
クの片面にのみ高周波焼入を施す平板リング状ワークの
片面焼入装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、片面にのみ高周波焼入を施す必
要がある平板リング状ワークに高周波焼入を施す片面焼
入装置は、平板リング状ワークを載置する回転台と、こ
の回転台に載置された平板リング状ワークの片面に対向
する高周波加熱コイルと、この高周波加熱コイルで加熱
された部分に冷却液を噴射する冷却ジャケットとを有し
ており、回転台によって平板リング状ワークを回転させ
つつ、平板リング状ワークの加熱と冷却とを行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この種の平板リング状
ワークの片面焼入で注意しなければならない点は、平板
リング状ワークの表裏両面のうち、先に冷えた方が凸に
なる歪みが発生する傾向となる点である。例えば、外径
が1000mm、内径が750mm、肉厚が30mmで
あり、焼入深さを2mm以上とすると、焼入が施された
面の内径部は4〜5mm程度も凸になって歪む。一方、
もし肉厚が100mm超のごとき厚肉品であれば、焼入
面と反対の側が先に自冷されて逆に歪む。かかる歪みは
製品として不適格であるので、本品寸法は凸になった面
をスペーサを介して対向させたものを両側から挟み込ん
でプレスしつつテンパーする、いわゆるプレステンパー
することで矯正していた。
【0004】このように高周波焼入を施した後の矯正作
業は手間であるので、矯正作業を不要とした片面焼入も
実施されている。歪みが発生するのは、高周波加熱コイ
ルで加熱されない面にまで熱が伝わるが、片面のみしか
強制的に冷却していないためであるので、高周波加熱コ
イルで加熱されない面にまで熱が伝わる前に高周波加熱
コイルの位置を変更してしまうという片面焼入もある。
すなわち、平板リング状ワークを高速で移動させるので
ある。
【0005】この片面焼入では、平板リング状ワークに
歪みは発生しないが、焼入深さを2mm以上とし、平板
リング状ワークにボルト孔が開設されている場合には、
コイルと平板リング状ワークの表面に流れる電流密度が
大きくなるため、ボルト孔に取り付けられた盲栓と平板
リング状ワークとが溶着したり、スパークが発生したり
する。溶着等が発生したものは製品として不適格であ
る。また、焼入深さが浅い場合であっても、短時間で高
周波焼入を施すためには、周波数の選択と高周波加熱コ
イルの形状との設計が困難である。
【0006】また、前記歪みを避けるために、肉厚品の
場合は、いわゆる予熱焼入と呼ばれる方法もある。この
予熱焼入では、予熱用高周波加熱コイルと本加熱用高周
波加熱コイルとの2つの高周波加熱コイルを用い、本加
熱用高周波加熱コイルによる本加熱の前に予熱用高周波
加熱コイルによる予熱を行うのである。
【0007】しかしながら、この予熱焼入においても次
のような問題点がある。すなわち、予熱条件を一定にす
るため、本加熱のサイクルと同じサイクルで予熱を行う
ため、焼入管理や焼入工程がより複雑になるのである。
また、予熱といえども平板リング状ワークは300℃以
上にまで加熱されるため取り扱いの安全面からも問題が
ある。
【0008】本発明は上記事情に鑑みて創案されたもの
で、平板リング状ワークを高周波焼入しても、歪みが発
生せず、しかも周波数の選択や高周波加熱コイルの形状
の設計が容易で、かつ取り扱いの面からも安全である平
板リング状ワークの片面焼入装置を提供することを目的
としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る平板リング
状ワークの片面焼入装置は、平板リング状ワークの一面
に対向した高周波加熱コイルと、この高周波加熱コイル
で加熱された部分に冷却液を噴射する第1の冷却ジャケ
ットと、前記高周波加熱コイルで加熱されていない側の
他面に冷却液を噴射する第2の冷却ジャケットと、平板
リング状ワークと高周波加熱コイルとを相対的に移動さ
せる移動手段とを備えており、前記第2の冷却ジャケッ
トは、加熱された一面からの熱が他面に伝わった結果、
所定の温度になる位置に冷却液を噴射するようになって
いる。
【0010】また、本発明に係る平板リング状ワークの
片面焼入方法は、平板リング状ワークの一面を高周波加
熱コイルで加熱するとともに、高周波加熱コイルで加熱
された部分に冷却液を噴射することで平板リング状ワー
クの一面にのみ高周波焼入を施す平板リング状ワークの
片面焼入方法であって、高周波加熱コイルで加熱されて
いない側の他面であって、加熱された一面からの熱が他
面に伝わった結果、所定の温度になる位置に冷却液を噴
射するようにしている。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態に係る
平板リング状ワークの片面焼入装置の概略的側面図、図
2は本発明の実施の形態に係る平板リング状ワークの片
面焼入装置に用いられる高周波加熱コイルの概略的斜視
図、図3は本発明の実施の形態に係る平板リング状ワー
クの片面焼入装置の高周波加熱コイルと第1の冷却ジャ
ケットとの関係を示す概略的断面図、図4は本発明の実
施の形態に係る平板リング状ワークの片面焼入装置の高
周波加熱コイルと第2の冷却ジャケットとの関係を示す
概略的断面図、図5は本発明の他の実施の形態に係る平
板リング状ワークの片面焼入装置に用いられる高周波加
熱コイルの概略的斜視図である。
【0012】本発明の実施の形態に係る平板リング状ワ
ークの片面焼入装置は、平板リング状ワークWの一面W
1に対向した高周波加熱コイル100と、この高周波加
熱コイル100で加熱された部分に冷却液Lを噴射する
第1の冷却ジャケット150と、前記高周波加熱コイル
100で加熱されていない側の他面W2に冷却液Lを噴
射する第2の冷却ジャケット200と、平板リング状ワ
ークWと高周波加熱コイル100とを相対的に移動させ
る移動手段としての回転台300とを備えており、前記
第2の冷却ジャケット200は、加熱された一面W1か
らの熱が他面W2に伝わった結果、所定の温度(約35
0〜400℃)になる位置に冷却液Lを噴射するように
なっている。
【0013】まず、平板リング状ワークWは、例えばク
レーン等の旋回部分を支持する大型のベアリング等に用
いられるものであって、外径が1000mm、内径が7
50mm、肉厚が30mmの平べったいものである。そ
して、この平板リング状ワークWは、図3及び図4に示
すように、一面W1に2mmの深さの焼入層W11が形
成されるものとする。
【0014】かかる平板リング状ワークWを載置して回
転することにより、平板リング状ワークWと高周波加熱
コイル100とを相対的に移動させる回転台300は、
平板リング状ワークWが載置される3つの載置部310
(ただし、図1には2つのみ示されている)と、この載
置部310が取り付けられる回転テーブル320と、こ
の回転テーブル320が回転可能に取り付けられるベー
ス部330と、前記回転テーブル320を一定の速度で
回転駆動させる図示しない駆動部とを有している。
【0015】前記載置部310は、先端に外向きの平板
リング状ワークWの内周部が載置される切欠部311が
形成されている。かかる載置部310は、回転テーブル
320の回転中心を中心として120°間隔で回転テー
ブル320に上向きに取り付けられている。なお、この
載置部310の高さは、載置部310に載置された平板
リング状ワークWと、回転テーブル320との間に後述
する第2の冷却ジャケット200を設置することができ
る程度に設定されている。また、この載置部310の下
端部には後述する蟻溝321に対応した突部312が形
成されている。
【0016】なお、この載置部310は、セラミックス
等の熱伝導率の低い材質で、かつ耐熱性及び絶縁性を有
する素材から構成されるのが望ましい。
【0017】一方、前記回転テーブル320は円板状に
形成されており、3つの蟻溝321が回転中心を中心と
して120°間隔に形成されている。この蟻溝321
は、前記載置部310を取り付ける部分であって、載置
部310の突部312がスライド可能に嵌まり込むよう
になっている。すなわち、載置部310は蟻溝321に
沿って外周側から中心側へと移動可能になっているので
ある。これは、平板リング状ワークWの大きさに載置部
310を対応させることができるようにするための構造
である。
【0018】かかる回転テーブル320は、ベアリング
340を介してベース部330に回転可能に取り付けら
れている。なお、ベース部330には図示しない駆動部
が内蔵されている。
【0019】前記高周波加熱コイル100には、ピンタ
イプと呼ばれるものが使用される。この高周波加熱コイ
ル100は、銅製の角形パイプを成形したものであっ
て、前記平板リング状ワークWの一面W1と対向する一
対の平行な加熱導体部110A、110Bと、この加熱
導体部110A、110Bに連なる一対の給電導体部1
20と、一対の加熱導体部110A、110Bを連結す
る連結導体部130とを有している。
【0020】前記加熱導体部110A、110Bは、加
熱すべき平板リング状ワークWに対して平行になっい
る。この一対の加熱導体部110A、110Bのうち、
高周波加熱コイル100の回転方向下流側、すなわち高
周波加熱コイル100と平板リング状ワークWとの相対
移動において、後方側に位置する加熱導体部110Bに
は下側外向きの複数個の噴射孔111Bが開設されてい
る。この噴射孔111Bは、高周波加熱コイル100の
過熱を防止するために、高周波加熱コイル100自身を
循環する冷却液Lの一部を平板リング状ワークWに対し
て噴射する部分である。
【0021】従って、この平板リング状ワークの片面焼
入装置においては、高周波加熱コイル100の一方の加
熱導体部110Bが、平板リング状ワークWの高周波加
熱コイル100で加熱された部分に冷却液Lを噴射する
第1の冷却ジャケット150となっているのである。
【0022】また、この加熱導体部110A、110B
は、平板リング状ワークWの幅寸法に対応した長さを有
している。すなわち、上述した外径1000mm、内径
750mmの平板リング状ワークWの場合、加熱導体部
110A、110Bの長さ寸法は、250mmになって
いる。
【0023】また、前記連結導体部130は、加熱導体
部110A、110Bより若干上方に設けられている。
これは、平板リング状ワークWを載置部310に載置さ
せる場合に、連結導体部130と平板リング状ワークW
との干渉を僅かでも減少させるためである。
【0024】さらに、前記一対の給電導体部120も連
結導体部130と同様に、加熱導体部110A、110
Bより若干上方に設けられている。また、一対の給電導
体部120の間には短絡を防止するための絶縁板材 (図
示省略) が介在されている。なお、この給電導体部12
0には、図外のカレントトランスに接続される平板状の
接続板140が取り付けられている。
【0025】このように構成された高周波加熱コイル1
00の加熱導体部110A側には、加熱導体部110B
の噴射孔111Bから噴射された冷却液Lが加熱導体部
110A側に跳ね返らないように高圧エアを噴射する噴
射ノズル (図示省略) が設けられている。
【0026】一方、前記第2の冷却ジャケット200
は、図4に示すように、冷却液Lを噴射孔 (図示省略)
から平板リング状ワークWの他面W2側に対して斜めに
噴射するようになっている。
【0027】この第2の冷却ジャケット200は、高周
波加熱コイル100によって平板リング状ワークWの一
面W1側が加熱されたことにより、他面W2側に熱が伝
わるが、その熱伝導によって他面W2側が約350〜4
00℃になる部分に冷却液Lを噴射するようになってい
る。
【0028】すなわち、図4に示すように、平板リング
状ワークWの一面W1が加熱され、かつ平板リング状ワ
ークWが回転することによって、平板リング状ワークW
の他面W2側で、温度が約350〜400℃になる部分
は、高周波加熱コイル100より下流側になる。従っ
て、第の冷却ジャケット200は、高周波加熱コイル1
00より下流側に設けられることになる。
【0029】例えば、高周波加熱コイル100の加熱導
体部110A、110Bの幅寸法が15mmで、一対の
加熱導体部110A、110Bの間隔が10mmであ
り、平板リング状ワークWが5mm/sec(外径の周
速度)で移動する場合、平板リング状ワークWの任意の
点が高周波加熱コイル100を通過するのに要する時間
は、 (15+10+15)/5=8(sec) となる。
【0030】この場合、高周波加熱コイル100が通過
してから16(sec)後に、平板リング状ワークWの
他面W2側の温度が約350〜400℃になることが確
認されている。従って、第2の冷却ジャケット200
は、高周波加熱コイル100から約100mm下流側に
設けるのがよい。
【0031】この第2の冷却ジャケット200への冷却
液Lの供給は、高周波加熱コイル100への冷却液Lの
供給とは別系統になっている。
【0032】次に、上述した平板リング状ワークの片面
焼入装置による平板リング状ワークWの高周波焼入につ
いて説明する。高周波焼入が施されるべき平板リング状
ワークWを回転台300の載置部310に載置させる。
【0033】高周波加熱コイル100に図外の高周波電
源から高周波電流を供給する。また、高周波加熱コイル
100及び第2の冷却ジャケット200に冷却液Lを供
給する。さらに、回転台の回転テーブル320を回転駆
動させる。
【0034】すると、平板リング状ワークWの表面であ
る一面W1は、高周波加熱コイル100によって加熱さ
れる。この加熱された部分は、高周波加熱コイル100
の下流側の加熱導体部110B(第1の冷却ジャケット
150も兼用している)の噴射孔111Bからの冷却液
Lによって冷却され高周波焼入が施される。
【0035】平板リング状ワークWの一面W1側から他
面W2側に伝わった熱は他面W2側を加熱するが、第2
の冷却ジャケット200により速やかに冷却されるの
で、他面他2側に伝わった熱による平板リング状ワーク
Wの歪みが発生しにくい。
【0036】すなわち、第2の冷却ジャケット200が
あるために、平板リング状ワークWの他面W2側の冷却
は、従来のものより速くなるため、一面W1側の冷却ス
ピードと同じ程度になる。この結果、歪みが発生しにく
くなるのである。
【0037】上述した実施の形態では、高周波加熱コイ
ル100の下流側の加熱導体部110Bに噴射孔111
Bを開設することで、高周波加熱コイル100を第1の
冷却ジャケット150に兼用させたが、高周波加熱コイ
ル100とは別体の第1の冷却ジャケット150を設け
てもよい。この場合には、図5に示すように、高周波加
熱コイル100と第1の冷却ジャケット150との間の
間隔を正確に維持するため、高周波加熱コイル100に
絶縁性及び耐熱性を有するプレート160が取り付け、
このプレート160によって第1の冷却ジャケット15
0と支えるようにする。
【0038】また、この実施の形態では、回転台300
は、平板リング状ワークWを水平に載置するようになっ
ているが、垂直に支持するようにしてもよい。
【0039】さらに、この実施の形態における回転台3
00は、高周波加熱コイル100を固定しておき、平板
リング状ワークWを回転させることで両者を相対的に移
動させるようにしたが、その逆、すなわち平板リング状
ワークWを固定し、高周波加熱コイル100を回転させ
るようにしてもよい。また、両者を移動させるようにし
てもよい。
【0040】
【発明の効果】本発明に係る平板リング状ワークの片面
焼入装置は、平板リング状ワークの一面に対向した高周
波加熱コイルと、この高周波加熱コイルで加熱された部
分に冷却液を噴射する第1の冷却ジャケットと、前記高
周波加熱コイルで加熱されていない側の他面に冷却液を
噴射する第2の冷却ジャケットと、平板リング状ワーク
と高周波加熱コイルとを相対的に移動させる移動手段と
を備えており、前記第2の冷却ジャケットは、加熱され
た一面からの熱が他面に伝わった結果、所定の温度にな
る位置に冷却液を噴射するようになっている。
【0041】従って、この平板リング状ワークの片面焼
入装置による場合には、平板リング状ワークの加熱され
た一面から他面に伝わる熱を第2の冷却ジャケットで冷
却するので、冷却の度合いの差による平板リング状ワー
クの歪みの発生を抑制することができる。具体的には、
実施の形態で説明したものであれば、従来では焼入が施
された面の内径部において4〜5mm程度の歪みが発生
していたのに対し、1ミリ以下と大幅に改善された。
【0042】しかも、周波数の選択や高周波加熱コイル
の形状の設計が容易で、かつ取り扱いの面からも安全で
あるという効果も奏する。
【0043】また、請求項2に係る平板リング状ワーク
の片面焼入装置における前記第1の冷却ジャケットは、
前記高周波加熱コイルの一対の加熱導体部のうち、高周
波加熱コイルと平板リング状ワークとの相対移動であっ
て、後方側に位置する加熱導体部に高周波加熱コイル自
身を冷却する冷却液の一部を噴射する噴射孔を開設する
ことで構成されている。
【0044】このため、第1の冷却ジャケットを高周波
加熱コイルとは別に設ける必要がないので、特に高周波
加熱コイルの周辺のスペースが限られている場合に有効
である。
【0045】それに対し、請求項3に係る平板リング状
ワークの片面焼入装置における前記第1の冷却ジャケッ
トは、高周波加熱コイルとは別体に設けられている。こ
の場合には、高周波加熱コイル自身を冷却する冷却液の
流量を高周波加熱コイルにとって最適な量に決定するこ
とができるので、よりよい高周波焼入が可能となるとい
うメリットがある。
【0046】なお、前記所定の温度を約350〜400
℃とすることで、歪みの発生の抑制が効果的に行えるこ
とが確認されている。
【0047】一方、本発明に係る平板リング状ワークの
片面焼入方法は、平板リング状ワークの一面を高周波加
熱コイルで加熱するとともに、高周波加熱コイルで加熱
された部分に冷却液を噴射することで平板リング状ワー
クの一面にのみ高周波焼入を施す平板リング状ワークの
片面焼入方法てあって、高周波加熱コイルで加熱されて
いない側の他面であって、加熱された一面からの熱が他
面に伝わった結果、所定の温度になる位置に冷却液を噴
射するようにしている。
【0048】このため、この方法による場合には、平板
リング状ワークの加熱された一面から他面に伝わる熱を
第2の冷却ジャケットで冷却するので、冷却の度合いの
差による平板リング状ワークの歪みの発生を抑制するこ
とができる。
【0049】なお、前記所定の温度を約350〜400
℃とすることで、歪みの発生の抑制が効果的に行えるこ
とが確認されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る平板リング状ワーク
の片面焼入装置の概略的側面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る平板リング状ワーク
の片面焼入装置に用いられる高周波加熱コイルの概略的
斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る平板リング状ワーク
の片面焼入装置の高周波加熱コイルと第1の冷却ジャケ
ットとの関係を示す概略的断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る平板リング状ワーク
の片面焼入装置の高周波加熱コイルと第2の冷却ジャケ
ットとの関係を示す概略的断面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態に係る平板リング状ワ
ークの片面焼入装置に用いられる高周波加熱コイルの概
略的斜視図である。
【符号の説明】
100 高周波加熱コイル 150 第1の冷却ジャケット 200 第2の冷却ジャケット 300 回転台 W 平板リング状ワーク W1 (平板リング状ワークの)一面 W2 (平板リング状ワークの)他面 L 冷却液
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 9/40 C21D 1/10 C21D 1/42

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板リング状ワークの一面に対向した高
    周波加熱コイルと、この高周波加熱コイルで加熱された
    部分に冷却液を噴射する第1の冷却ジャケットと、前記
    高周波加熱コイルで加熱されていない側の他面に冷却液
    を噴射する第2の冷却ジャケットと、平板リング状ワー
    クと高周波加熱コイルとを相対的に移動させる移動手段
    とを具備しており、前記第2の冷却ジャケットは、加熱
    された一面からの熱が他面に伝わった結果、所定の温度
    になる位置に冷却液を噴射することを特徴とする平板リ
    ング状ワークの片面焼入装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の冷却ジャケットは、前記高周
    波加熱コイルの一対の加熱導体部のうち、高周波加熱コ
    イルと平板リング状ワークとの相対移動において、後方
    側に位置する加熱導体部に高周波加熱コイル自身を冷却
    する冷却液の一部を噴射する噴射孔を開設することで構
    成されていることを特徴とする請求項1記載の平板リン
    グ状ワークの片面焼入装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の冷却ジャケットは、高周波加
    熱コイルとは別体に設けられていることを特徴とする請
    求項1記載の平板リング状ワークの片面焼入装置。
  4. 【請求項4】 前記所定の温度は、約350〜400℃
    であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の平板
    リング状ワークの片面焼入装置。
  5. 【請求項5】 平板リング状ワークの一面を高周波加熱
    コイルで加熱するとともに、高周波加熱コイルで加熱さ
    れた部分に冷却液を噴射することで平板リング状ワーク
    の一面にのみ高周波焼入を施す平板リング状ワークの片
    面焼入方法において、高周波加熱コイルで加熱されてい
    ない側の他面であって、加熱された一面からの熱が他面
    に伝わった結果、所定の温度になる位置に冷却液を噴射
    することを特徴とする平板リング状ワークの片面焼入方
    法。
  6. 【請求項6】 前記所定の温度は、約350〜400℃
    であることを特徴とする請求項5記載の平板リング状ワ
    ークの片面焼入方法。
JP12430098A 1998-04-17 1998-04-17 平板リング状ワークの片面焼入装置及び方法 Expired - Fee Related JP3270394B2 (ja)

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