JP2596779Y2 - 棒状ワークの高周波移動熱処理装置 - Google Patents

棒状ワークの高周波移動熱処理装置

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JP2596779Y2
JP2596779Y2 JP1993031905U JP3190593U JP2596779Y2 JP 2596779 Y2 JP2596779 Y2 JP 2596779Y2 JP 1993031905 U JP1993031905 U JP 1993031905U JP 3190593 U JP3190593 U JP 3190593U JP 2596779 Y2 JP2596779 Y2 JP 2596779Y2
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立美 中村
昇 塚本
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富士電子工業株式会社
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    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、複数の同形状の棒状ワ
ークの両端部分に対して同時に移動焼入等の熱処理をす
ることができる棒状ワークの高周波移動熱処理装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、並設された多数の同じ形状の棒状
ワークの両端部分を同時に移動熱処理することができる
装置は無かった。従って、例えば、多数の棒状ワークの
両端部分を焼入したい場合には、まず、多数の棒状ワー
クを適当な装置を用いて並設してから、これら棒状ワー
クの一端部分を移動焼入し、次いで、他端部分を移動焼
入していた。
【0003】以下、前記のように多数の同一形状の棒状
ワークの一端部分、或いは他端部分のみを焼入および焼
戻しすることができる棒状ワークの従来の高周波焼入焼
戻し装置を例にとって従来の技術を説明する。図4およ
び図5はこのような装置を説明するための図面であっ
て、図4(a)は平面説明図、図4(b)は図4(a)
のD−D線矢視断面図、図5(a)は高周波加熱コイル
(以下高周波加熱コイルを単に加熱コイルともいう)の
模式的斜視図、図5(b)は高周波焼戻しコイル(以下
高周波焼戻しコイルを単に焼戻しコイルともいう)の模
式的斜視図、図5(c)は図4(a)のE−E線矢視断
面図である。
【0004】棒状ワークの従来の高周波焼入焼戻し装置
は、断面が円形で、同形状の多数の棒状ワーク1 (以下
棒状ワーク1 を単にワーク1 ともいう)の一端部分1aを
機械的に且つ連続的に移動焼入焼戻しすることができる
高周波焼入焼戻し装置である。共通台35上には、同形の
ネジ山11、21が形成され、径が等しい1対の角ネジ10お
よび20が平行且つ水平に配設されている。
【0005】角ネジ10は、一端、および他端近辺におい
て、それぞれ軸受け12および13によって回転自在に支持
されており、また、角ネジ20は、一端、および他端近辺
において、それぞれ軸受22および23によって回転自在に
支持されている。角ネジ10および20の他端にはそれぞれ
歯車14および24が結合されている。これら歯車14、24は
角ネジ駆動用のモータ16の出力軸に取り付けられた共通
歯車15に噛み合っている。
【0006】角ネジ10の角ネジ20と反対側やや上方に
は、角ネジ10の長手方向(矢印Fの方向)に、順次、図
示しない支持部材によって支持された加熱コイル2 、焼
入液噴射用のジャケット3 、および焼戻しコイル4 が配
設されている。
【0007】加熱コイル2 は、図5(a)に示すよう
に、平行に配設された直線状で等長な1対の加熱導体2a
を備えている。これら加熱導体2aの一端同士は接続され
ており、他端間に高周波電源5 が接続されている。ま
た、図5(b)に示すように、焼戻しコイル4 も加熱コ
イル2 と類似の構造であって、一端同士が接続され、他
端間に高周波電源6 が接続された直線状で平行、等長な
1対の加熱導体4aを備えている。
【0008】図5(c)に示すように、ジャケット3 の
下面には焼入液Lを噴射する多数の噴射孔3aが開設され
ており、また、ジャケット3 の下部から断面L字型の焼
入液溜3bが、ジャケット3 の下方に延設されている。そ
して、加熱コイル2 の加熱導体2a、焼戻しコイル4 の加
熱導体4a、およびジャケット3 のそれぞれの長手方向
は、角ネジ10および20の長手方向と平行であるように、
加熱コイル2 、焼戻しコイル4 、およびジャケット3 が
配置されている。
【0009】角ネジ20の角ネジ10と反対側には、共通台
35から立設さた平板状のワーク当接部材31が角ネジ20と
平行に配設されている。そして、このワーク当接部材31
の角ネジ20の側の側面と、加熱コイル2 の加熱導体2aお
よび焼戻しコイル4 の加熱導体4aのそれぞれの角ネジ20
と反対側の面との距離d が、ワーク1 の長さにほぼ等し
くなるように、ワーク当接部材31、加熱コイル2 、およ
び焼戻しコイル4 の位置が選定されている。ジャケット
3 は、噴射孔3aの下方にワーク1 の一端部分1aがくるよ
うに配設されている。ワーク当接部材31の終端部分の軸
受13側には、焼戻しされたワーク1 を、順次、次のステ
ーションへ自然落下させるシュート33が取り付けられて
いる。
【0010】なお、角ネジ10の表面上の特定点(例え
ば、ネジ山の最高点)と、この特定点に対応する角ネジ
20の特定点とが、角ネジ10、20の長手方向と直交する1
つの平面上にあるように、角ネジ10、20が歯車14、24に
取り付けられている。また、ネジ山11、21は、角ネジ1
0、20を長手方向を軸として図4(b)に示す矢印Jの
方向に回転させたとき、角ネジ10、20の平面視におい
て、ネジ山11、21が加熱コイル2 から焼戻しコイル4 の
方向(矢印Fの方向)に進むように見えるように形成し
ておくものとする。
【0011】次に、棒状ワークの従来の高周波焼入焼戻
し装置の動作を説明する。加熱コイル2 および焼戻しコ
イル4 にそれぞれ高周波電源5 および6 から高周波電流
を連続的に通電する。また、ジャケット3 からは焼入液
Lを連続的に下方に噴射する。モータ16を起動すると、
角ネジ10、20は、図4(b)に示すように同方向(矢印
Jの方向)に同期して回転する。
【0012】この状態で、図示しない例えば適宜のシュ
ート上を降下してきたワーク1 を、その長手方向を角ネ
ジ10、20の長手方向と直角方向且つ水平とし、被焼入焼
戻し部分である一端部分1aを加熱コイル2 側に、他端部
分1bをワーク当接部材31側にした状態で、角ネジ10、20
上に落下させると、ワーク1 の一端部分1aの近辺は、角
ネジ10の隣り合うネジ山11と11の間にあって角ネジ10に
よって支持され、また、ワーク1 の他端部分1bの近辺
は、角ネジ20の隣り合うネジ山21と21の間にあって角ネ
ジ20によって支持される。
【0013】そして、角ネジ10、20の矢印Jの方向の回
転によって、ワーク1 は、図4(b)上で左方、即ちワ
ーク当接部材31の方へ移動されてワーク1 の他端部分1b
の先端は常にワーク当接部材31に当接している。また、
ネジ山11、21のワーク1 に接触している部分同士は、矢
印Fの方向に同速度で移動するから、ワーク1 も角ネジ
10、20の長手方向と直交した状態のままで、矢印Fの方
向に移動する。
【0014】更に、このとき、ワーク1 はワーク1 の長
手方向を軸として矢印Hの方向に自転している。この回
転は、角ネジ10、20の回転しているネジ山11、21がワー
ク1に回転力を与えるようにワーク1 の周面に接触する
ことによっ生じるのであって、ワーク1 が加熱コイル2
を通過する間に例えば1〜2回転する程度の回転であ
る。
【0015】このように回転しているワーク1 の一端部
分1aは、まず、加熱コイル2 の加熱導体2a間を通過して
均一に加熱された後、ジャケット3 の下方を通過してジ
ャケット3 から噴射された焼入液Lによって冷却されて
焼入が終わる。次いで、ワーク1 の一端部分1aは、焼戻
しコイル4 の加熱導体4a間を通過して均一に加熱されて
焼戻しが行われる。この後、ワーク1 は、更に矢印Fの
方向に移動し、ワーク1 の他端部分1bの先端がワーク当
接部材31の無い位置にくると、角ネジ10、20はなおも矢
印Jの方向に回転しているので、矢印Gの方向に移動し
てシュート33上に落下し、次のステーションに至る。
【0016】
【考案が解決しようとする課題】上記した棒状ワークの
高周波移動焼入焼戻し装置では、棒状ワーク1 の一端部
分1aのみの焼入焼戻しを行うことができるが、一端部分
1aの焼入焼戻しと同時に他端部分1bの焼入焼戻しをも行
うことはできない。
【0017】従って、他端部分1bの焼入焼戻しをも行い
たい場合には、一端部分1aの焼入焼戻しの後で、(1)
棒状ワーク1 を、再び高周波焼入焼戻し装置のワーク受
入れ側まで移動させてから他端部分1bを高周波焼入焼戻
し装置によって焼入焼戻しするか、或いは、(2)高周
波焼入焼戻し装置の次のステーションとして他端部分1b
を焼入焼戻しする別の高周波焼入焼戻し装置を設け、こ
の別の高周波焼入焼戻し装置によって棒状ワーク1 の他
端部分1bを焼入焼戻しなければならない。
【0018】(1)の場合には、一端部分1aの焼入焼戻
しが終了した棒状ワーク1 を高周波焼入焼戻し装置のワ
ーク受入れ側まで移動させるのに手間がかかる。或い
は、この移動を機械で行うには、その機械の分だけ高周
波焼入焼戻し装置のコストが高くなる。(2)の場合に
は、高周波焼入焼戻し装置が2セット必要になるので、
高周波焼入焼戻し装置のコストが高くなる。
【0019】本考案は上記事情に鑑みて創案されたもの
であって、多数の棒状ワークの両端部分を同時に機械的
に且つ連続的に高周波移動熱処理することができる棒状
ワークの高周波移動熱処理装置を提供することを目的と
している。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、請求項1記載の考案は、同形状、断面円形で複数並
設された棒状ワークの両端部分を同時に移動熱処理する
棒状ワークの高周波移動熱処理装置であって、同一なネ
ジ山を有し、同径で平行、且つ水平に配設された第1お
よび第2の角ネジと、第1角ネジの反第2角ネジ側に設
けられた第1高周波加熱コイルと、第2角ネジの反第1
角ネジ側に設けられた第2高周波加熱コイルと、第2角
ネジの反第1角ネジ側に第2角ネジと平行に設けられ、
少なくとも第2高周波加熱コイルに対応する部分は耐
熱、絶縁性である直線状のワーク当接部材と、両角ネジ
をそれぞれの角ネジの長手方向を軸として同方向に同期
して回転させる手段とを具備し、両角ネジは、前記同方
向に回転されたときに、第1および第2角ネジの隣り合
うネジ山間にそれぞれ一端部分の近辺および他端部分の
近辺が載置された棒状ワークを、ワーク当接部材の方向
に移動させ、且つ両角ネジの一端から他端に向かって移
動させるように形成されていると共に、予め、第1角ネ
ジの特定点と、この特定点に対応する第2角ネジの特定
点とが、両角ネジの長手方向と直交する1つの平面上に
あるように配設されており、且つ、第1高周波加熱コイ
ルは、両角ネジ上に前記のように載置されたワークの一
端部分の上方、下方に第1角ネジの長手方向に配設され
た直線状の加熱導体を備え、第2高周波加熱コイルは、
両角ネジ上に前記のように載置されたワークの他端部分
の上方、下方に第2角ネジの長手方向に配設された直線
状の加熱導体を備えている。
【0021】請求項2記載の考案は、請求項1記載の棒
状ワークの高周波移動熱処理装置において、両角ネジ上
に前記のように載置されたワークの一端部分の上方で第
1高周波加熱コイルから第1角ネジの他端寄りに焼入液
噴射用の第1ジャケットを設け、また、両角ネジ上に前
記のように載置されたワークの他端部分の上方で第2高
周波加熱コイルから第2角ネジの他端寄りに焼入液噴射
用の第2ジャケットを設けている。
【0022】請求項3記載の考案は、請求項2記載の棒
状ワークの高周波移動熱処理装置において、両角ネジ上
に前記のように載置されたワークの一端部分の上方、下
方に第1角ネジの長手方向に配設された直線状の加熱導
体を有する第1高周波焼戻しコイルを第1ジャケットの
反第1高周波加熱コイル側に設け、また、両角ネジ上に
前記のように載置されたワークの他端部分の上方、下方
に第2角ネジの長手方向に配設された直線状の加熱導体
を有する第2高周波焼戻しコイルを第2ジャケットの反
第2高周波加熱コイル側に設けると共に、ワーク当接部
材の少なくとも第2高周波加熱コイルおよび第2高周波
焼戻しコイルに対応する部分は耐熱、且つ絶縁性として
いる。
【0023】請求項4記載の考案は、請求項1、2、或
いは3記載の考案において、ワーク当接部材を角ネジの
長手方向において複数個に分割、隣接させ、隣接させた
ワーク当接部材間に、角ネジの一端側から順次棒状ワー
クから遠ざかる方向に段差を設けている。
【0024】請求項5記載の考案は、請求項1、2、或
いは3記載の考案において、ワーク当接部材を角ネジの
長手方向において複数個に分割、隣接させ、分割された
各ワーク当接部材の棒状ワークが当接する面の角ネジの
一端側の端部に棒状ワークの径より小さい幅で上下方向
に形成された凹所を有する。
【0025】
【実施例】以下、図面を参照し、棒状ワークの両端部分
を同時に焼入焼戻しできる高周波焼入焼戻し装置を、本
考案の一実施例として説明する。図1〜図3は本実施例
を説明するための図面であって、図1(a)は平面説明
図、図1(b)は図1(a)のA−A線矢視断面図、図
2(a)は加熱コイルの模式的斜視図、図2(b)は焼
戻しコイルの模式的斜視図、図2(c)は図1(a)の
B−B線矢視断面図、図2(d)は図1(a)のC−C
線矢視断面図、図2(e)は図1(a)のK−K線矢視
断面図、図3(a)および(b)は変形例のワーク当接
部材の平面説明図である。なお、ワークとしては、図4
で説明した多数の棒状ワーク1 (以下、本実施例でも棒
状ワーク1 を単にワーク1 ともいう)を採り上げる。
【0026】図1(a)に示すように、本実施例の高周
波焼入焼戻し装置は、従来の高周波焼入焼戻し装置に設
けられている既に説明済の加熱コイル2 (第1高周波加
熱コイル)、ジャケット3 (第1ジャケット)、焼戻し
コイル4 (第1高周波焼戻しコイル)、角ネジ10(第1
角ネジ)、20(第2角ネジ)、軸受12、13、22、23、歯
車14、24、共通歯車15、モータ16、およびシュート33を
備えている他に、角ネジ20の角ネジ10と反対側に、加熱
コイル2 、ジャケット3 、および焼戻しコイル4 に、そ
れぞれ、ほぼ対向するように配置された加熱コイル7
(第2高周波加熱コイル)、ジャケット8 (第2ジャケ
ット)、および焼戻しコイル9 (第1高周波焼戻しコイ
ル)が設けられている。
【0027】図2(a)に示すように、加熱コイル7 は
加熱コイル2 と類似の構造であって、一端同士が接続導
体7cによって接続され、他端間に1対のリード導体7dを
介して高周波電源5Aが接続された直線状で平行、等長な
1対の加熱導体7aを備えている。加熱導体7aはワーク1
の他端部分1bの加熱に用いられる。また、図2(b)に
示すように、焼戻しコイル9 も焼戻しコイル4 と類似の
構造であって、一端同士が接続され、他端間に高周波電
源6Aが接続された直線状で平行、等長な1対の加熱導体
9aを備えている。加熱導体9aはワーク1 の他端部分1bの
焼戻しに用いられる。
【0028】本実施例の高周波焼入焼戻し装置には、ま
た、従来の高周波焼入焼戻し装置のワーク当接部材31に
相当するワーク当接部材31Aが設けられている。このワ
ーク当接部材31Aは、平板状で断面形状が上下方向に長
い矩形である4個のワーク当接部材31a 〜31d を、順
次、角ネジ20の長手方向に、且つこの長手方向に各ワー
ク当接部材31a 〜31d の長手方向が一致するように継ぎ
合わせたものである。
【0029】図2(c)に示すように、共通台35上に立
設されたワーク当接部材31a の角ネジ20側の面と加熱導
体2aの角ネジ20と反対側の面との距離d が、ワーク1 の
長さにほぼ等しくなるように位置が選定されている。但
し、図1(a)に示すように、ワーク当接部材31a は、
角ネジ10、20上に載置されたワーク1 が加熱コイル2、7
に至る少し手前までの部分に取り付けられている。
【0030】図1(a)、(b)と図2(d)に示すよ
うに、ワーク当接部材31b は、共通台35上に立設され、
ワーク当接部材31a の端部と加熱コイル7 のリード導体
7dをジャケット8 寄りに少し越えた部分との間に取り付
けられている。そして、ワーク当接部材31b は、加熱コ
イル7 の接続導体7cおよびリード導体7dによって貫通さ
れており、また、加熱導体7aによって加熱されて高温と
なるワーク1 の他端部分1bの先端に接触しているので、
耐熱、且つ、絶縁性の例えばセラミック製としてある。
また、ワーク当接部材31b および31d を共通台35上に設
置するのではなく、直接、それぞれ、加熱コイル7 およ
び焼戻しコイル9 に取り付ける場合もある。
【0031】図2(e)に示すように、ジャケット8
は、従来の高周波焼入焼戻し装置のジャケット3 と類似
の構造であって、焼入液Lを噴射する噴射孔8aと、焼入
液溜8bとを有し、噴射孔8aの下方にワーク1 の他端部分
1bがくるように配設されているが、ジャケット3 と異な
っているのは、ジャケット8 の噴射孔8aが開設されてい
る面と焼入液溜8bとの間に、ワーク当接部材31c が取り
付けられている点である。焼戻しコイル9 には、加熱コ
イル7 に取り付けられたワーク当接部材31b と類似のワ
ーク当接部材31d が取り付けられている。なお、ワーク
当接部材31a 〜31d を全て例えばセラミック製とするこ
ともできるがワーク当接部材31Aが高価となるので、前
記のように高温となる部分のみに使用している。
【0032】次に、本実施例の動作を説明する。多数の
ワーク1 の一端部分1aの焼入焼戻しは、従来の高周波焼
入焼戻し装置と同様に行われるので、従来の高周波焼入
焼戻し装置に加わった動作を主として説明する。まず、
加熱コイル7 、焼戻しコイル9 にもそれぞれ高周波電源
5A、6Aから高周波電流を連続的に通電すると共に、ジャ
ケット8 からは焼入液Lを連続的に下方に噴射する。
【0033】モータ16の起動後、角ネジ10、20上に載置
されたワーク1 は、矢印Fの方向に移動するが、その
際、角ネジ10、20の矢印Jの方向の回転によって、ワー
ク1 の他端部分1bの先端が、順次、ワーク当接部材31a
〜31d に当接しながら矢印Fの方向に移動する。ワーク
当接部材31a を通過したワーク1 の他端部分1bは、ま
ず、加熱コイル7 の加熱導体7a間を通過して均一に加熱
される。
【0034】この際、ワーク当接部材31b は加熱コイル
7 とワーク1 の加熱された他端部分1bとからの熱伝達に
よって高温となるが、前記のようにワーク当接部材31b
は例えばセラミック製であって耐熱、且つ絶縁性である
ので、損傷を受けることはない。次いで、ワーク1 の他
端部分1bはジャケット8 の下方を通過してジャケット8
から噴射された焼入液Lによって冷却されて焼入が終わ
る。
【0035】この後、ワーク1 の他端部分1bは焼戻しコ
イル9 の加熱導体9a間を通過して均一に加熱されて焼戻
しが行われる。以後は、従来の高周波焼入焼戻し装置に
おけると同様に、ワーク1 はシュート33上に落下し、次
のステーションに送られる。以上述べたように、本実施
例の高周波焼入焼戻し装置では、ワーク1 の一端部分1a
および他端部分1bの焼入焼戻しが同時に機械的に且つ連
続的に行われる。
【0036】本実施例では、ワーク1 の一端部分1aと他
端部分1bとの焼入焼戻しをする場合を説明したが、加熱
コイル2 、7 のみを設けてワーク1 の両端部分1a、1bの
加熱のみを行うようにしたり、或いは、焼戻しコイル4
、9 を設けないで、両端部分1a、1bの焼入のみを行う
ようにすることができる。更に、両端部分1a、1bの例え
ば焼なましのみを行うようにすることもできる。
【0037】なお、上記実施例では、図1(a)に示す
ように、ワーク当接部材31a〜31dの角ネジ20側
の面は、平面視において一直線上になるように、ワーク
当接部材31a〜31dの寸法、配置が選定されてい
る。従って、このままでも、ワーク1は角ネジ10、2
0上での円滑な移動が確保される。しかし、ワーク1の
両端部分1a、1bには、製造時に取り去ることができ
なかったバリ等が残っている場合がごく僅かではあるが
ある。かかる場合にも大抵は、ワーク1の角ネジ10、
20上での円滑な移動は確保されるが、ごくまれに前記
バリ等がワーク当接部材31a〜31d同士の継ぎ目の
僅かな空隙に入り込んで、ワーク1の角ネジ10、20
上での円滑な移動が行われないことがある。
【0038】このような不都合を無くするために、図3
(a)に示すように、ワーク当接部材31b をワーク当接
部材31a より、ワーク1 から遠ざかる方向に少し後退さ
せてワーク当接部材31a 、31b 間に段差31X を設ける。
同様に、ワーク当接部材31bとワーク当接部材31c との
間、およびワーク当接部材31c とワーク当接部材31dと
の間にも同様の段差31X を設ける。この場合、加熱コイ
ル7 、ジャケット8 、および焼戻しコイル9 は、それぞ
れ、ワーク当接部材31b 〜31d と共にワーク1に対して
後退するので、この後退した距離に対応して加熱コイル
2 、ジャケット3 、および焼戻しコイル4 を、それぞ
れ、ワーク1 の方向へ前進させておく。
【0039】また、別の方法として、図3(b)に示す
ように、ワーク当接部材31b の角ネジ20側の面の内、ワ
ーク当接部材31a 側の端部に、平面視において例えば三
角形状であり、角ネジ20の長手方向における幅がワーク
1 の径より小さく、上下方向に穿設された凹所31y を形
成する。ワーク当接部材31c 、31d にも同様の凹所31y
を形成しておく。前記のような段差31x 或いは凹所31y
を設けると、ワーク1の他端部分1bのバリ等が、ワーク
当接部材間の僅かの空隙に入り込むことを防止できる。
【0040】
【考案の効果】以上説明したように、請求項1記載の高
周波熱処理装置は、1対の平行で同方向に同期して回転
している角ネジのネジ山間に、角ネジの長手方向と直交
するように載置されて角ネジの長手方向に移動する棒状
ワークの両端部分を、これら角ネジの両外側に配設され
た1対の加熱コイルによって移動加熱する。従って、請
求項1記載の高周波熱処理装置によれば、棒状ワークの
両端部分を、同時に機械的に且つ連続して加熱すること
ができる。
【0041】請求項2記載の高周波熱処理装置は、請求
項1記載の高周波熱処理装置において、加熱コイルに加
えて、焼入液噴射用のジャケットが、角ネジ両外側に設
けられているので、棒状ワークの両端部分を、同時に機
械的に且つ連続して焼入することができる。
【0042】請求項3記載の高周波熱処理装置は、請求
項2記載の高周波熱処理装置において、加熱コイルとジ
ャケットに加えて、焼戻しコイルが、角ネジの両外側に
設けられているので、棒状ワークの両端部分を、同時に
機械的に且つ連続して焼入、焼戻しすることができる。
【0043】そして、請求項1、2記載の高周波熱処理
装置においては、ワーク当接部材の少なくとも第2加熱
コイルに対応する部分を、また、請求項3記載の高周波
熱処理装置においては、ワーク当接部材の少なくとも第
2加熱コイルと第2焼戻しコイルとに対応する部分を、
それぞれ、耐熱、絶縁性としてあるので、ワーク当接部
材が加熱コイル、焼戻しコイル、および加熱された棒状
ワークの他端部分から熱伝達を受けて高温になっても損
傷を受けることがない。
【0044】請求項4記載の高周波熱処理装置において
は、角ネジの長手方向において複数個に分割、隣接させ
たワーク当接部材間に、角ネジの一端側から順次棒状ワ
ークから遠ざかる方向に段差を設けているので、請求項
1、2、或いは3記載の高周波熱処理装置の利点に加え
て、棒状ワークの他端部分に残っているバリ等によって
棒状ワークの角ネジ上での円滑な移動が妨げられること
がない利点を享受できる。
【0045】請求項5記載の高周波熱処理装置において
は、角ネジの長手方向において複数個に分割、隣接させ
た各ワーク当接部材の棒状ワークが当接する面の内、角
ネジの一端側の端部に棒状ワークの径より小さい幅で上
下方向に形成された凹所を設けているので、請求項1、
2、或いは3記載の高周波移動熱処理装置の利点に加え
て、棒状ワークの他端部分に残っているバリ等によって
棒状ワークの角ネジ上での円滑な移動が妨げられること
がない利点を享受できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例の(a)は平面説明図、
(b)は(a)のA−A線矢視断面図である。
【図2】図1に示す高周波焼入焼戻し装置の(a)は加
熱コイルの模式的斜視図、(b)は焼戻しコイルの模式
的斜視図であり、(c)は図1(a)のB−B線矢視断
面図、(d)は図1(a)のC−C線矢視断面図、
(e)は図1(a)のK−K線矢視断面図である。
【図3】(a)および(b)は変形例のワーク当接部材
の平面説明図である。
【図4】(a)は棒状ワークの従来の高周波焼入焼戻し
装置の平面説明図、(b)は(a)のD−D線矢視断面
図である。
【図5】図4に示す高周波焼入焼戻し装置の(a)は加
熱コイルの模式的斜視図、(b)は焼戻しコイルの模式
的斜視図であり、(c)は図4(a)のE−E線矢視断
面図である。
【符号の説明】
1 棒状ワーク 1a 一端部分 1b 他端部分 2 、7 加熱コイル 3 、8 ジャケット 4 、9 焼戻しコイル 10、20 角ネジ 11、21 ネジ山 14、24 歯車 15 共通歯車 16 モータ 31A、31a 〜31d ワーク当接部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 9/28 C21D 1/10 C21D 1/42 C21D 9/00 H05B 6/10

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同形状、断面円形で複数並設された棒状
    ワークの両端部分を同時に移動熱処理する棒状ワークの
    高周波移動熱処理装置であって、 同一なネジ山を有し、同径で平行、且つ水平に配設され
    た第1および第2の角ネジと、 第1角ネジの反第2角ネジ側に設けられた第1高周波加
    熱コイルと、 第2角ネジの反第1角ネジ側に設けられた第2高周波加
    熱コイルと、 第2角ネジの反第1角ネジ側に第2角ネジと平行に設け
    られ、少なくとも第2高周波加熱コイルに対応する部分
    は、耐熱、絶縁性である直線状のワーク当接部材と、 両角ネジをそれぞれの角ネジの長手方向を軸として同方
    向に同期して回転させる手段とを具備し、 両角ネジは、前記同方向に回転されたときに、第1およ
    び第2角ネジの隣り合うネジ山間にそれぞれ一端部分の
    近辺および他端部分の近辺が載置された棒状ワークを、
    ワーク当接部材の方向に移動させ、且つ両角ネジの一端
    から他端に向かって移動させるように形成されていると
    共に、予め、第1角ネジの特定点と、この特定点に対応
    する第2角ネジの特定点とが、両角ネジの長手方向と直
    交する1つの平面上にあるように配設されており、且
    つ、 第1高周波加熱コイルは、両角ネジ上に前記のように載
    置されたワークの一端部分の上方、下方に第1角ネジの
    長手方向に配設された直線状の加熱導体を備え、第2高
    周波加熱コイルは、両角ネジ上に前記のように載置され
    たワークの他端部分の上方、下方に第2角ネジの長手方
    向に配設された直線状の加熱導体を備え、 前記ワーク当接部材を両角ネジの長手方向において複数
    個に分割、隣接させ、隣接させたワーク当接部材間に、
    角ネジの一端側から順次棒状ワークから遠ざかる方向に
    段差を設けたことを特徴とする 棒状ワークの高周波移動
    熱処理装置。
  2. 【請求項2】 同形状、断面円形で複数並設された棒状
    ワークの両端部分を同時に移動熱処理する棒状ワークの
    高周波移動熱処理装置であって、 同一なネジ山を有し、同径で平行、且つ水平に配設され
    た第1および第2の角 ネジと、 第1角ネジの反第2角ネジ側に設けられた第1高周波加
    熱コイルと、 第2角ネジの反第1角ネジ側に設けられた第2高周波加
    熱コイルと、 第2角ネジの反第1角ネジ側に第2角ネジと平行に設け
    られ、少なくとも第2高周波加熱コイルに対応する部分
    は、耐熱、絶縁性である直線状のワーク当接部材と、 両角ネジをそれぞれの角ネジの長手方向を軸として同方
    向に同期して回転させる手段とを具備し、 両角ネジは、前記同方向に回転されたときに、第1およ
    び第2角ネジの隣り合うネジ山間にそれぞれ一端部分の
    近辺および他端部分の近辺が載置された棒状ワークを、
    ワーク当接部材の方向に移動させ、且つ両角ネジの一端
    から他端に向かって移動させるように形成されていると
    共に、予め、第1角ネジの特定点と、この特定点に対応
    する第2角ネジの特定点とが、両角ネジの長手方向と直
    交する1つの平面上になるように配設されており、且
    つ、 第1高周波加熱コイルは、両角ネジ上に前記のように載
    置されたワークの一端部分の上方、下方に第1角ネジの
    長手方向に配設された直線状の加熱導体を備え、第2高
    周波加熱コイルは、両角ネジ上に前記のように載置され
    たワークの他端部分の上方、下方に第2角ネジの長手方
    向に配設された直線状の加熱導体を備え、 前記ワーク当接部材を両角ネジの長手方向において複数
    個に分割、隣接させ、分割された各ワーク当接部材の棒
    状ワークが当接する面の角ネジの一端側の端部に棒状ワ
    ークの径より小さい幅で上下方向に形成された凹所を有
    することを特徴とする 棒状ワークの高周波移動熱処理装
    置。
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