JP3617791B2 - 張力測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、銅板等の帯状体の振動を計測することにより帯状体の張力および幅方向の張力バランスを測定する張力測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、銅板やアルミ板、鋼板等の帯状体の通板もしくは巻き取りは、帯状体の走行経路上の前後にロールをそれぞれ配置し、各ロールで帯状体を挟持しながら送り出すと共に、所定の張力を帯状体に付与することにより行われる。この際、ロール間における張力の変動や幅方向の張力バランスに崩れが生じた場合には、帯状体の走行が不安定になったり、巻きずれが起きる等の問題が生じる。また、圧延工程の製造ラインにおいては、圧延ロールの出入り口で張力の変動や幅方向の張力バランスの崩れが生じると、帯状体の板厚が変動するという問題が生じる。
【0003】
従って、帯状体の製造ラインにおいては、張力および幅方向の張力バランスを知ることが生産性や品質を向上させる上で極めて重要なものとなっており、従来から帯状体の張力および張力バランスを測定する各種の方法が実施および提案されている。
【0004】
即ち、従来において、張力を測定する場合には、図9に示すように、走行する帯状体51の上流側および下流側に案内ローラ52を配置して帯状体51を支持し、案内ローラ52間において中間ロール53を帯状体51に押し当てる。そして、中間ロール53に生じた反力をロードセル54で測定し、ロードセル54による測定値Fと走行角度αとを基にして張力を求める方法(ロードセル方式)が一般的に採用されている。
【0005】
また、幅方向の張力バランスの測定は、上述の中間ロールおよびロードセルを幅方向に複数配置する分割ロードセル方式により行われたり、図10に示すように、帯状体51の幅方向に配置した複数の変位センサ55により各配置箇所の固有振動数を測定し、これらの測定値を基にして行う方法が提案されている(特開昭60−46409号公報、特開平7−218358号公報、特開平6−43051号公報等)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の方法では、張力と張力バランスとの両者を得ようとした場合、中間ロール53やロードセル54、変位センサ55等の多くの機器が必要となって設備コストが高騰すると共に、機器構成が複雑化するという問題がある。
【0007】
さらに、図9に示すように、中間ロール53を用いて測定する方法では、中間ロール53を帯状体51に押し当てて張力を測定したときに、中間ロール53が帯状体51の表面に傷をつける場合がある。また、帯状体51が非常に小さな張力で走行している場合には、帯状体51の曲げ剛性によりロードセル54に反力が生じるため、ロードセル54の測定値Fを基にして得られる張力Tに大きな誤差が生じることになる。
【0008】
そこで、本発明は、簡単および安価な構成であると共に、帯状体51の表面を傷つけることなく張力および張力バランスを高精度に求めることができる張力測定装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、長手方向の2点の位置で支持された帯状体の振動を計測することにより張力を測定する張力測定装置であって、前記帯状体の幅方向右側および幅方向左側の変位量を非接触で検出して変位量信号としてそれぞれ出力する変位量検出手段と、前記変位量信号の周波数特性を求めてピーク周波数成分を抽出し、幅方向右側および幅方向左側のピーク周波数成分同士を比較することにより幅方向における前記ピーク周波数成分の位相差を求め、逆相となるピーク周波数成分が存在すれば、幅方向右側および幅方向左側の1次固有振動数をそれぞれ特定し、これら1次固有振動数を基にして各側の張力および全体の張力を求める一方、逆相となるピーク周波数成分が存在しなければ、幅方向右側および幅方向左側に共通する1次固有振動数を特定し、該1次固有振動数を基にして全体の張力を求める張力算出手段とを有していることを特徴としている。
【0010】
上記の構成において、張力の弱い側の振動は、幅方向において弱い側のみで振動するか、幅方向において強い側と同相の振動を発生させるのに対し、張力の強い側の振動は、幅方向において弱い側に対して逆相の振動を発生させる。これにより、たとえ幅方向右側および幅方向左側の2か所のみで変位量を検出した場合であっても、帯状体の幅方向におけるピーク周波数成分の位相差が逆相であるか否かを基準にして幅方向の張力バランスの状態を確実に求めることができると共に、張力バランスが崩れている場合には、各側の1次固有振動数に基づいて各側の張力と全体の張力を高精度に求めることができる。また、このようにして張力を求めるための帯状体の変位量は、変位量検出手段により非接触で検出されている。これにより、必要最小限(2個)のセンサからなる変位量検出手段による簡単および安価な構成でもって、帯状体の表面を傷つけることなく張力および張力バランスを高精度に求めることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1ないし図8に基づいて以下に説明する。
本実施の形態に係る張力測定装置は、図2に示すように、銅板やアルミ板、鋼板等の帯状体1の製造ラインに適用される。この製造ラインには、第1ロール8と第2ロール9とが帯状体1の走行方向(長手方向)の前後(2点)にそれぞれ配設されている。これらの各ロール8・9は、任意の速度で回転駆動される駆動ローラ8a・9aと、回転自在に設けられた従動ローラ8b・9bとからなっている。そして、両ロール8・9は、駆動ローラ8a・9aと従動ローラ8b・9bとで帯状体1を挟持し、図示しない制御装置により各駆動ローラ8a・9aの回転速度が制御されることによって、両ロール8・9間の帯状体1に所定の張力を付与しながら帯状体1を送り出す。
【0012】
上記の帯状体1の張力は、本実施形態の張力測定装置で測定されている。張力測定装置は、帯状体1の振動を非接触で検出する一対の非接触変位計3を有している。非接触変位計3は、図3に示すように、帯状体1の幅方向における右側(第1チャンネル)および左側(第2チェンネル)の2箇所に配置されており、各箇所の帯状体1の変位を検出する。尚、両非接触変位計3は、幅方向の右側および左側にそれぞれ配置されていれば、任意の場所に取り付け可能であるが、端部から等距離の位置に配置されるように、幅方向中央に対して左右対称の位置に配置されていることが高い測定精度を得る上で望ましい。また、非接触変位計3としては、光反射式の距離センサ等を挙げることができる。
【0013】
上記の各非接触変位計3は、図2に示すように、フーリエ変換装置11を介して張力演算器4に接続されている。フーリエ変換装置11は、非接触変位計3からの変位信号を取り込んで測定点における振動の周波数応答を算出する。また、張力演算器4は、図1の張力算出ルーチンを実行可能になっており、張力算出ルーチンを実行することによって、フーリエ変換装置11からの周波数応答結果(周波数特性)から1次固有振動数を求め、この1次固有振動数を基にして帯状体1の張力を算出する。尚、張力算出ルーチンによる張力の算出方法の詳細については後述する。また、張力演算器4は、算出した張力を画面表示する表示装置10および図示しない制御装置に接続されている。制御装置は、張力が予め設定された目標張力となるように、第1ロール8および第2ロール9の回転速度をフィードバック制御する。
【0014】
上記の構成において、張力測定装置の動作を図1のフローチャートに基づいて説明する。
先ず、帯状体1の前後を挟持する第1ロール8および第2ロール9が回転駆動されることによって、走行する帯状体1に所定の張力が付与される。これにより、帯状体1は、走行方向の両端が各ロール8・9でそれぞれ支持された状態になっているため、両ロール8・9間の中央部を振動の腹とした振動モードの1次固有振動数fで振動する。そして、この帯状体1に付与される張力Tと1次固有振動数fとは、(1)式の関係を有することになる。
【0015】
T=4LρA ・・・・(1)
ここで、T:張力値、L:支持間長さ、f:1次固有振動数、ρ:帯状体比重、A:帯状体断面積である。
【0016】
次に、帯状体1の振動が幅方向右側および幅方向左側に配置された第1チャンネルおよび第2チャンネルの非接触変位計3・3により計測され、右側および左側における帯状体1の変位量を示す変位信号がフーリエ変換装置11・11にそれぞれ出力される。各チャンネルのフーリエ変換装置11は、図5および図6に示すように、変位信号を取り込んで測定点における振動の周波数応答を算出し、この応答結果(周波数特性)を張力演算器4に出力する。この際、張力演算器4は、図1の張力算出ルーチンを実行しており、張力演算器4に出力された第1および第2チャンネルの周波数応答結果を取り込む(S1)。そして、各チャンネルにおいて、周波数応答結果の中から振幅が最大となる最大ピーク周波数f0をそれぞれ求める(S2)。
【0017】
次に、最大ピーク周波数f0に対して所定値を減算および加算することによって、最大ピーク周波数f0を中心とした下限値k1および上限値k2を求め、このk1≦f0≦k2の周波数帯域の範囲内に存在するピーク周波数成分を抽出する。そして、このようなピーク周波数成分の抽出を第1チャンネルおよび第2チャンネルについてそれぞれ行う(S3)。尚、下限値k1および上限値k2を決定する所定値は、測定対象ラインの運転条件(通板速度)や帯状体1の寸法等により定まるものであり、単位はHzである。
【0018】
ここで、帯状体1の幅方向右側と幅方向左側とで張力に大きな差が生じていた場合には、張力の弱い側から強い側に対して振動が伝わり難いため、張力の弱い側が大きく振れても強い側がそれ程大きく振れることはない。一方、張力の強い側から弱い側に対しては、振動が伝わり易いため、張力の強い側が大きく振れると、張力の弱い側も大きく振れる。即ち、張力の弱い側の振動は、幅方向において弱い側のみで振動するか、幅方向において強い側と同相の振動を発生させるのに対し、張力の強い側の振動は、幅方向において弱い側に対して逆相の振動を発生させる。これにより、帯状体1の幅方向(第1チャンネルおよび第2チャンネル)における振動の位相の状態を基にして幅方向の張力バランスを求めることができると共に、各チャンネルにおける1次固有振動数fを上述の(1)式に代入することによって、帯状体1の幅方向右側および左側における張力を高精度に求めることができる。
【0019】
そこで、次に、抽出したピーク周波数成分の両チャンネルにおける位相差Δψを求め、この位相差Δψの絶対値が逆相しきい値k3以上(k3≦|Δψ|)であるか否かを判定することによって、幅方向において逆相となるピーク周波数成分が存在するか否かを判定する(S4)。尚、逆相しきい値k3は、測定対象ラインの運転条件(通板速度)や帯状体の寸法によって決まる値であり、単位は°(度)である。
【0020】
全てのピーク周波数成分に対して上記の判定を行った結果、逆相となるピーク周波数成分が存在する場合には(S4,YES)、左右の張力バランスが崩れていると判断し、続いて逆相のピーク周波数成分の中から最低周波数(1次固有振動数fb)のピーク周波数成分を特定する(S5)。そして、張力の強い側から弱い側へ振動が伝播する際に、振動の振幅が減少していくことが一般的であるため、特定したピーク周波数成分における第1チャンネルの振幅と第2チャンネルの振幅とを比較し(S6)、振幅の大きい側(チャンネル)が強い張力に対応した1次固有振動数fbで振幅していると決定する(S7)。
【0021】
次に、検出範囲内において、1次固有振動数fbよりも低周波数であり、且つ逆相とならないピーク周波数成分が存在するか否かを判定する(S8)。尚、このようなピーク周波数成分の検出において、1次固有振動数fbよりも低周波数であることを検出要件とした理由は、1次固有振動数の減少と張力の低下とが比例関係にあるため、上述のS7で決定した強い張力の側(チャンネル)の1次固有振動数fbよりも低周波数の1次固有振動数faを弱い張力の側(チャンネル)が有していると考えられるからである。さらに、逆相とならないピーク周波数成分を検出要件とした理由は、張力の弱い側から強い側に対して振動が伝わり難いため、張力の弱い側の1次固有振動数faの振動が幅方向において逆相になることはないと考えられるからである。
【0022】
1次固有振動数fbよりも低周波数であり、且つ逆相とならないピーク周波数成分が存在しない場合には(S8,NO)、幅方向における張力や振動の位相の関係に矛盾が生じるため、“検出不能”である旨を図2の表示装置10に画面表示してオペレータに報知した後(S9)、本ルーチンを終了する。
【0023】
一方、ピーク周波数成分が存在する場合には(S8,YES)、このピーク周波数成分が両チャンネルで検出されたものであるか否かを判定する(S10)。そして、両チャンネルで検出された場合には(S10,YES)、両チャンネルの中で振幅の大きい側のチャンネルの1次固有振動数faを選択する一方(S11)、両チャンネルで検出されなかった場合には(S10,NO)、検出された側のチャンネルの1次固有振動数faを選択する(S12)。この後、例えば図3に示すように、張力の強い側(第2チャンネル)の1次固有振動数fbと、張力の弱い側(第1チャンネル)の1次固有振動数faとを上述の(1)式に代入することによって、各側(第1チャンネル、第2チャンネル)の張力Tb・Taをそれぞれ求める。そして、両張力Tb・Taを下式(2)に代入して平均化することにより幅方向の総張力Total を算出し、この総張力Total と各チャンネルの張力Tb・Taとを図2の表示装置10に画面表示し(S13)、本ルーチンを終了する。この結果、表示装置10を目視したオペレータは、例えば図7に示すような画面表示であれば、帯状体1の幅方向右側および幅方向左側における張力バランスの崩れの状態を認識することができると共に、総張力Total から帯状体1の全体の張力も認識することができる。
【0024】
Total=(Ta+Tb)/2 ・・・ (2)
【0025】
また、S4において、幅方向において逆相となるピーク周波数成分が存在しない場合には(S4,NO)、両チャンネルについて検出された最大のピーク周波数成分のうち、第1チャンネルで検出された最大ピーク周波数f0をf0ch1とし、第2チャンネルで検出された最大ピーク周波数f0をf0ch2とする。そして、これらのf0ch1およびf0ch2が下記の関係式(3)を満足させるか否かを判定する(S14)。
【0026】
|f0ch1−f0ch2|≦Δf ・・・ (3)
ここで、Δfは測定時の周波数分解能であり、範囲はHzである。例えば測定レンジが200Hzの場合、Δfは0.25Hzとなる。
【0027】
関係式(3)が満足しない場合には(S14,NO)、張力や振動の関係に矛盾が生じるため、“検出不能”である旨を図2の表示装置10に画面表示してオペレータに報知した後(S15)、本ルーチンを終了する。一方、関係式(3)が満足する場合には(S14,YES)、S2で求めた最大ピーク周波数f0を1次固有振動数faとし(S16)、この1次固有振動数faを上述の(1)式に代入することにより帯状体1の張力T0を求める。そして、この張力T0を図2の表示装置10に画面表示し(S17)、本ルーチンを終了する。この結果、表示装置10を目視したオペレータは、帯状体1の全体が張力T0でもって走行し、張力バランスが均一であることを認識することができる。
【0028】
尚、本実施形態において、S3における下限値k1および上限値k2を決定する際に用いられる所定値は、過去に選択した1次固有振動数等を参考にしながら、測定対象ラインの運転条件(通板速度)の状態に応じて変化させることが好ましい。例えば略一定速度で通板する場合のように張力が大きく変動しない運転条件下においては、下限値k1および上限値k2の範囲を狭くするように所定値を設定すれば、ピーク周波数成分の抽出数を減少させることができるため、その後の1次固有振動数の決定処理を短時間および高い信頼性で実行することができる。
【0029】
上記のようにして幅方向右側や左側の張力、および全体の張力が求められると、これらの張力が図示しない制御装置に送信される。そして、これらを張力を受け取った制御装置は、図2に示すように、各駆動ローラ8a・9aの回転速度を制御することによって、両ロール8・9間の帯状体1に所定の張力を付与するように制御する。これにより、図8に示すように、帯状体1の張力バランスおよび総張力が調整されながら走行することになると共に、帯状体1の張力の変動状態が連続的に記録されるため、品質管理を容易且つ高精度に行うことができる。
【0030】
以上のように、本実施形態の張力測定装置は、図2に示すように、長手方向の2点の位置で支持された帯状体1の振動を計測することにより張力を測定する張力測定装置であって、帯状体1の幅方向右側および幅方向左側の変位量を非接触で検出して変位量信号としてそれぞれ出力する非接触変位計3(変位量検出手段)と、変位量信号の周波数特性を求めてピーク周波数成分を抽出し、幅方向右側および幅方向左側のピーク周波数成分同士を比較することにより幅方向におけるピーク周波数成分の位相差を求め、逆相となるピーク周波数成分が存在すれば、幅方向右側および幅方向左側の1次固有振動数をそれぞれ特定し、これら1次固有振動数を基にして各側の張力および全体の張力を求める一方、逆相となるピーク周波数成分が存在しなければ、幅方向右側および幅方向左側に共通する1次固有振動数を特定し、1次固有振動数を基にして全体の張力を求める張力算出手段(張力演算器4、フーリエ変換装置11)とを有した構成にされている。
【0031】
上記の構成において、張力の弱い側の振動は、幅方向において弱い側のみで振動するか、幅方向において強い側と同相の振動を発生させるのに対し、張力の強い側の振動は、幅方向において弱い側に対して逆相の振動を発生させる。これにより、たとえ幅方向右側および幅方向左側の2か所のみで変位量を検出した場合であっても、帯状体1の幅方向におけるピーク周波数成分の位相差が逆相であるか否かを基準にして幅方向の張力バランスの状態を確実に求めることができると共に、張力バランスが崩れている場合には、各側の1次固有振動数に基づいて各側の張力と全体の張力を高精度に求めることができる。また、このようにして張力を求めるための帯状体1の変位量は、非接触変位計3により非接触で検出されている。これにより、必要最小限(2個)のセンサからなる非接触変位計3による簡単および安価な構成でもって、帯状体1の表面を傷つけることなく張力および張力バランスを高精度に求めることができる。さらに、1次の固有振動数を検出する際に、幅方向左右の位相差を判断基準としているため、高次モードの固有振動数が現れ難いような場合でも1次固有振動数を確実に検出することができる。
【0032】
尚、本実施形態においては、非接触変位計3が帯状体1の幅方向右側および幅方向左側にそれぞれ1個設けられているが、これに限定されるものではなく、幅方向右側および幅方向左側にそれぞれ複数個設けられていても良い。
【0033】
【発明の効果】
本発明は、長手方向の2点の位置で支持された帯状体の振動を計測することにより張力を測定する張力測定装置であって、前記帯状体の幅方向右側および幅方向左側の変位量を非接触で検出して変位量信号としてそれぞれ出力する変位量検出手段と、前記変位量信号の周波数特性を求めてピーク周波数成分を抽出し、幅方向右側および幅方向左側のピーク周波数成分同士を比較することにより幅方向における前記ピーク周波数成分の位相差を求め、逆相となるピーク周波数成分が存在すれば、幅方向右側および幅方向左側の1次固有振動数をそれぞれ特定し、これら1次固有振動数を基にして各側の張力および全体の張力を求める一方、逆相となるピーク周波数成分が存在しなければ、幅方向右側および幅方向左側に共通する1次固有振動数を特定し、該1次固有振動数を基にして全体の張力を求める張力算出手段とを有した構成である。
【0034】
上記の構成によれば、たとえ幅方向右側および幅方向左側の2か所のみで変位量を検出した場合であっても、帯状体の幅方向におけるピーク周波数成分の位相差が逆相であるか否かを基準にして幅方向の張力バランスの状態を確実に求めることができると共に、張力バランスが崩れている場合には、各側の1次固有振動数に基づいて各側の張力と全体の張力を高精度に求めることができる。また、このようにして張力を求めるための帯状体の変位量は、変位量検出手段により非接触で検出されている。これにより、必要最小限(2個)のセンサからなる変位量検出手段による簡単および安価な構成でもって、帯状体の表面を傷つけることなく張力および張力バランスを高精度に求めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】張力算出ルーチンのフローチャートである。
【図2】張力測定装置の配置状態を示す説明図である。
【図3】帯状体と張力の関係を示す説明図である。
【図4】帯状体とチャンネルとの関係を示す説明図である。
【図5】幅方向右側(第1チャンネル)における周波数応答を示すグラフである。
【図6】幅方向左側(第2チャンネル)における周波数応答を示すグラフである。
【図7】幅方向右側および左側の張力と総張力とを画面表示した状態を示す説明図である。
【図8】張力の時間経過における変化状態を示したグラフである。
【図9】従来の張力測定装置で張力を検出する状態を示す説明図である。
【図10】従来の張力測定装置の斜視図である。
【符号の説明】
1 帯状体
3 非接触変位計
4 張力演算器
8 第1ロール
9 第2ロール
10 表示装置
11 フーリエ変換装置

Claims (1)

  1. 長手方向の2点の位置で支持された帯状体の振動を計測することにより張力を測定する張力測定装置であって、
    前記帯状体の幅方向右側および幅方向左側の変位量を非接触で検出して変位量信号としてそれぞれ出力する変位量検出手段と、
    前記変位量信号の周波数特性を求めてピーク周波数成分を抽出し、幅方向右側および幅方向左側のピーク周波数成分同士を比較することにより幅方向における前記ピーク周波数成分の位相差を求め、逆相となるピーク周波数成分が存在すれば、幅方向右側および幅方向左側の1次固有振動数をそれぞれ特定し、これら1次固有振動数を基にして各側の張力および全体の張力を求める一方、逆相となるピーク周波数成分が存在しなければ、幅方向右側および幅方向左側に共通する1次固有振動数を特定し、該1次固有振動数を基にして全体の張力を求める張力算出手段と
    を有していることを特徴とする張力測定装置。
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