JPH08197125A - 蛇行制御方法およびタンデム板圧延機設備列 - Google Patents

蛇行制御方法およびタンデム板圧延機設備列

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JPH08197125A
JPH08197125A JP7011204A JP1120495A JPH08197125A JP H08197125 A JPH08197125 A JP H08197125A JP 7011204 A JP7011204 A JP 7011204A JP 1120495 A JP1120495 A JP 1120495A JP H08197125 A JPH08197125 A JP H08197125A
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JP
Japan
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tension
rolling
roll
rolled material
rolling mill
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JP7011204A
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Shigeru Ogawa
茂 小川
Kenji Yamada
健二 山田
Atsushi Ishii
篤 石井
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属板のタンデム圧延操業において、先後端
部の圧延時を含めて圧延材料の安定した通板性を確保す
るための蛇行制御方法およびその前提条件となるタンデ
ム圧延機設備列を開示する。 【構成】 2台以上の圧延機と、各圧延機間のうち少な
くとも一箇所に設けた張力測定用ロールを有し、該ロー
ルに負荷される鉛直方向の力を作業側・駆動側で独立に
検出し、張力測定用ロールに圧延材から作用するロール
軸方向の力を検出する張力測定装置と、圧延材の幅方向
通板位置測定装置とからなるタンデム板圧延機の蛇行制
御法において、通板位置測定装置の出力により、圧延機
間の張力測定用ロールの位置における圧延材の幅方向通
板位置を直接検出または推定し、これと張力測定用ロー
ルに負荷される鉛直方向の力の作業側と駆動側の検出値
とから、張力測定用ロールの位置の圧延材に真に作用し
ている張力の作業側と駆動側の差を演算し、該張力差が
許容範囲に入るようし、前記張力測定用ロールに負荷さ
れるロール軸方向の力が許容範囲に入るように、各圧延
機の作業側と駆動側の圧下設定値の差を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属板のタンデム圧延
操業において、圧延時の圧延材料の安定した通板性を確
保するための蛇行制御方法およびその前提となるタンデ
ム板圧延機設備列に関する。
【0002】
【従来の技術】金属板のタンデム圧延は、高精度な金属
薄板を大量生産できるプロセスであり、タンデム圧延機
列を構成する各圧延機間で圧延材料に張力を作用させる
ことができるため非常に安定した圧延操業が可能であ
る。圧延材に張力を作用させた場合、例えば、作業側と
駆動側の圧下装置の設定値の差(以下では圧下レベリン
グと略称する)にある程度の最適値からの偏差が存在し
ても、それがそのまま伸び率の差になるのではなく、張
力の再分配によって作業側と駆動側の伸び率の差が抑制
されるため、通板事故に直結することは少ない。しかし
ながら、圧延材の先端および後端については、後方ある
いは前方張力を作用させることができないので、張力に
よる上記安定化作用が半減し通板事故を生じやすくな
る。特に、後方張力の影響は大きいので、後方張力が解
放される後端通過時には尻絞りという通板事故が発生す
ることが多く、蛇行制御あるいは尻絞り制御と呼ばれる
圧下制御が従来法として実施されている。なお以下の説
明では、多くの場合、作業側・駆動側のことを“左右”
という表現で簡略表現する。また、本発明では圧延材が
ミルセンターから幅方向にずれて通過することを“蛇
行”と呼ぶものとする。
【0003】尻絞りは、圧延材後端近傍における左右の
伸び率差に起因する材料の蛇行が主原因と考えられてお
り、尻絞りの現象が現れ始める時点すなわち圧延材後端
が直前の圧延機から出た時点から、当該圧延機の圧下設
定値の左右差の制御すなわちレベリング制御を実施する
というのが蛇行制御の代表的な従来法である。例えば、
特開昭59−191510号公報には、圧延機入側の蛇
行検出器によって圧延材の蛇行量を検出してレベリング
制御を実施する技術が開示されている。この技術の場合
も、蛇行量そのものは、タンデム圧延中には、上述した
ように圧延材に作用する張力によって大きな変化を示す
ことがほとんどないため、実際に蛇行量を検出して有意
な圧下レベリング制御を実施できるのは、圧延材後端が
直前の圧延機を出た時点以降になる。なお、圧延材の蛇
行を検出する手段としては上記特開昭59−19151
0号公報に開示されているような蛇行センサー(幅方向
通板位置測定装置)や当該圧延機の圧延荷重の左右差等
が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような蛇行制御
の従来法は、圧延材後端が直前の圧延機を出た時点から
実質的に制御が開始されるため、制御の動作時間が短
く、尻絞り防止に間に合わない場合が多い。すなわち、
当該圧延機の圧下レベリングに最適値からの偏差があっ
た場合は、圧延機後端が直前の圧延機を出た時点で、そ
れまで作用していた後方張力がなくなり、張力の左右差
による補償効果がなくなるため急激な蛇行が始まること
になり、その症状が現れてから圧下レベリング制御を始
めたのでは手遅れになる場合が多い。
【0005】そこで本発明では、圧延材後端が直前の圧
延機を出た時点から制御を開始するのではなく、圧延材
後端に達する前の定常圧延状態で、タンデム圧延機列の
各圧延機の圧下レベリングを最適な状態にしておく方法
およびそのためのタンデム圧延機設備列を開示する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の要旨は、
2台以上の圧延機と、各圧延機間のうち少なくとも一箇
所の圧延機間に、該圧延機のロール軸線に平行なロール
軸を有し圧延材と接触して回動自在に支持された張力測
定用ロールを有し、圧延材に作用する圧延方向張力によ
って該張力測定用ロールに負荷される鉛直方向の力を作
業側・駆動側それぞれ独立に検出するとともに、該張力
測定用ロールに圧延材から作用するロール軸方向の力を
検出する検出手段を備えた張力測定装置と、圧延材の幅
方向通板位置測定装置とが配備されたタンデム.板圧延
機の蛇行制御法であって、前記幅方向通板位置測定装置
の出力により、前記圧延機間の張力測定装置の張力測定
用ロールの位置における圧延材の幅方向通板位置を直接
検出または推定し、該検出値または推定値と前記張力測
定装置の張力測定用ロールに負荷される鉛直方向の力の
作業側と駆動側の検出値とから、前記張力測定装置の張
力測定用ロールの位置において圧延材に真に作用してい
る張力の作業側と駆動側の差を演算し、該張力差が予め
定められた許容範囲に入ることと、併せて前記張力測定
用ロールに負荷されるロール軸方向の力が予め定められ
た許容範囲に入ることを目標として、各圧延機の作業側
と駆動側の圧下設定値の差を制御することを特徴とする
蛇行制御方法であり、第二の要旨は、2台以上の圧延機
と、各圧延機間のうち少なくとも一箇所の圧延機間に、
該圧延機のロール軸線に平行なロール軸を有し圧延材と
接触して回動自在に支持された張力測定用ロールを有
し、圧延材に作用する圧延方向張力によって該張力測定
用ロールに負荷される鉛直方向の力を作業側・駆動側そ
れぞれ独立に検出するとともに、該張力測定用ロールに
圧延材から作用するロール軸方向の力を検出する検出手
段を備えた張力測定装置を配備したことを特徴とするタ
ンデム板圧延機設備列であり、第三の要旨は、2台以上
の圧延機と、各圧延機間のうち少なくとも一箇所の圧延
機間に、該圧延機のロール軸線に平行なロール軸を有し
圧延材と接触して回動自在に支持された張力測定用ロー
ルを有し、圧延材に作用する圧延方向張力によって該張
力測定用ロールに負荷される鉛直方向の力を作業側・駆
動側それぞれ独立に検出するとともに、さらに、該張力
測定用ロールに圧延材から作用するロール軸方向の力を
検出する検出手段を備えた張力測定装置と、圧延材の幅
方向通板位置測定装置とが配備されたことを特徴とする
タンデム板圧延機設備列にある。
【0007】
【作用】以下添付図面を用いて本発明の作用を詳細に説
明する。圧延材後端が直前の圧延機を出たことによって
起きる最も大きな変化は、言うまでもなく後方張力がな
くなることである。したがって、この時から急激な蛇行
が始まるのであれば、それは当該圧延機の圧下レベリン
グが最適値からずれていて、これを後方張力の左右差で
補償していたものと推定される。このことから、圧延材
後端に達する前の定常圧延状態の間に、各圧延機の入側
および出側の圧延材に作用する張力の左右差をできるだ
け零に近づけておくのが、尻絞り事故防止の決め手にに
なるものと考えられる。このためには、各圧延機の入側
および出側の圧延材に作用する張力の左右差を検出し、
これを零に近づける操作を行えばよい。
【0008】図1には、第一の発明の蛇行制御方法の好
ましい実施例のアルゴリズムを示している。図1のアル
ゴリズムは、例えば図2に示すように、スタンド間に張
力測定用ロールを有する張力測定装置2a〜2cと幅方
向通板位置測定装置3a〜3cが配備されたようなタン
デム圧延機設備列を対象とした蛇行制御法である。スタ
ンド間に配備された幅方向通板位置測定装置の出力よ
り、同じくスタンド間に配備された張力測定装置の張力
測定用ロールの位置における圧延材の幅方向通板位置を
直接検出または推定する。該張力測定装置の張力測定用
ロールは左右独立に張力により負荷される鉛直方向の力
を測定可能に構成されており、この測定値と上記圧延材
の幅方向通板位置とから、圧延材に真に作用している張
力の左右差を演算算出する。
【0009】今、任意のNo. i圧延機とNo. i+1圧延
機の間を考慮の対象とし、図4に示すようなルーパ方式
張力測定装置を例としてさらに詳しく説明する。圧延材
張力測定装置のロードセル荷重をルーパ角度を考慮して
鉛直方向の荷重に換算して作業側と駆動側の差を抽出し
た値をRdfi とするとき、Rdfi には圧延材に作用する
張力差σdfi のみならず、圧延材の幅方向通板位置すな
わち材料オフセンター量xciの影響も含まれ、次式のよ
うな関係式が成立する。 Rdfi =[{b2 /(6aLi)}σdfi +(2/aLi)σi bxci] ×( sinθi + sinθi+1 )hi (1) ここで、aLiはルーパロールの支点間距離、θi および
θi+1 はルーパロールを境にして第iおよび第i+1ス
タンド間の圧延板面が水平面となす角度、hi は第iス
タンド出側板厚、xciはルーパ位置における材料オフセ
ンター量、σi は圧延材の単位断面積あたりの張力(以
下ではユニット張力と称する)、bは圧延材の板幅であ
る。
【0010】式(1)より、Rdfi が測定されたとして
も、ルーパ位置における材料オフセンター量xciが未知
な場合、正確に圧延材に作用している張力を求めること
は不可能なことがわかる。
【0011】一般に、xciは零となることを目標として
圧延操業を実施するが、現実には10〜20mm程度の誤
差は存在し、これが圧延材に作用している張力σdfi
推定精度に無視できない影響をおよぼす。例えば、xci
=10mm、aLi=2000mm、b=1000mmの場合、
式(1)の右辺の[]内の項の評価より、xciの影響を
無視したままで張力差σdfi を推定した場合、ユニット
張力σi の12%の誤差を生じることになる。圧延材に
作用する張力の左右差σdfi を零にするために圧下レベ
リング制御を実施した場合、材料オフセンター量xci
変化するのが普通であるが、この変化を一切検出するこ
となく制御を実施したとすれば、上記の例に従う場合、
この制御には目標値σdfi に対して±0.12σi の本
質的な誤差を含むことになり、尻絞り事故を撤廃できる
ような十分な蛇行制御を実施することは不可能である。
通板事故を防止するために重要なのはRdfi =0とする
ことではなくて、σdfi =0とすべきことは明らかであ
るからである。
【0012】以上説明したきたように、σdfi を正確に
検出し、σdfi =0とするための制御を実施するために
は、作業側・駆動側それぞれ独立に張力検出器を有する
圧延材張力測定装置で該張力測定装置に負荷される荷重
の左右差を検出するとともに、該張力測定装置の位置に
おける圧延材の幅方向通板位置を直接検出または推定す
ることが必要である。
【0013】以上のようにして、圧延材に作用する張力
の左右差が算出された後、この張力差が所定値になるよ
うに、各圧延機の圧下レベリング制御を実施する。この
ときの所定値としては、一般的には左右差零とするが、
操業実績の学習結果によって、零近傍の所定値を設定し
て差し支えない。また、このような制御を実施しても、
完全に所定値に一致することは稀であるので、所定値近
傍に張力の左右差の許容範囲を設け、この許容値を超え
た場合に圧下レベリング制御を実施するというのが現実
的である。
【0014】次に張力測定装置の張力測定用ロールに作
用するロール軸方向の力を検出して、この軸方向力が所
定の値になるように各圧延機の圧下レベリング制御を実
施する。張力測定装置の張力測定用ロールにロール軸方
向の力が作用するメカニズムについて次に説明する。図
3は上流側圧延機のロール軸芯位置6と下流側圧延機の
ロール軸芯位置7との間に存在する圧延中の圧延材4の
幅方向位置を見た平面図の模式図であるが、図に示すよ
うに、例えば、スタンド間の圧延材の幅方向通板位置が
上流側と下流側とで逆方向にずれている場合、圧延材4
の速度ベクトル13は、ロール軸に垂直な方向の成分1
4の他に、僅かではあるがロール軸に平行な成分15を
有する。一方、張力測定用ロールの周速ベクトル14は
常にロール軸に垂直な成分のみであるから、張力測定用
ロールとの間に圧延材のロール軸方向速度成分15に相
当するすべり速度を生じることになり、これによって張
力測定用ロールには圧延材からロール軸方向の力が作用
することになる。
【0015】また、図3のような状態では、スタンド間
の圧延材に作用する張力の主軸12は、図に示すように
スタンド間の圧延方向5に対して斜め方向になるため、
図3に示すように、張力測定用ロール軸芯位置8におけ
る圧延材の張力分布11が均一であっても、上流側圧延
機位置の張力分布9および下流側圧延機位置の張力分布
10が図に示す方向に不均一となる。このような張力の
アンバランスは、前記した張力測定用ロール2に負荷さ
れる鉛直方向荷重の測定からは検出不可能であり、張力
測定用ロールに作用するロール軸方向の力(以下、スラ
スト力)を検出して、これを零にするような圧下レベリ
ング制御を同時に実施することが必要である。
【0016】ところで、張力測定用ロールに作用するス
ラスト力は基本的には零となるよう制御すべきである
が、張力測定用ロール軸芯と圧延機のロール軸芯との平
行度の誤差によっては、零近傍の所定の値となるように
制御したほうが安定する場合がある。また、このような
制御を実施しても、完全に所定値に一致することは稀で
あるので、所定値近傍にスラスト力の許容範囲を設け、
この許容値を超えた場合に圧下レベリング制御を実施す
るという方式を採用するのが好ましい。
【0017】また、図1のアルゴリズムでは、圧延材に
作用する張力の左右差を所定値にする制御ループの外側
に、張力測定用ロールに作用するスラスト力を所定値に
するための制御ループを位置づけているが、制御方式と
しては、この逆でもよく、また、張力の左右差とスラス
ト力を同時に零にするような圧下レベリング操作を並行
して実施してもよい。
【0018】次に、以上説明してきたような蛇行制御を
実施するためのタンデム板圧延機設備列について説明す
る。第二の発明では、タンデム圧延機の各スタンド間の
うち少なくとも一箇所、好ましくは下流側の2〜3箇所
以上のスタンド間に、張力測定装置を配設している。こ
の張力測定装置は張力測定用ロールと張力によりこの張
力測定用ロールにかかる鉛直方向の荷重ならびにロール
軸方向の力を分離して検出可能な検出手段、例えばロー
ドセルを備えている。この張力測定用ロールとしては、
図4に示すような主として熱間圧延で使用される上下可
動方式のルーパ装置や、図5に示すような主として冷間
圧延で使用される実質的に固定式の張力検出ロール等が
あり、圧延材に作用する張力によって従動方式の張力測
定用ロール2に加わる力をトーションバー方式ロードセ
ル17a,17bあるいはロードセル19a,19bに
よって検出する。
【0019】本発明では図4あるいは図5のように、測
定装置のロードセルが作業側と駆動側にそれぞれ独立に
配されており、張力測定用ロールにかかる張力を作業側
と駆動側で独立に測定できるため、この両者の出力の差
を観察することによって張力測定用ロールに作用してい
る鉛直方向荷重の左右非対称成分を抽出できる。なお、
このロードセル出力(荷重)を圧延材に作用する張力に
変換するには、張力測定用のロール2の位置と圧延機の
作業ロール位置とから圧延材4が水平面となす角度を算
出し、これより力のベクトルの力学的な釣り合い条件よ
り演算算出することになる。
【0020】さらに、本発明の張力測定用ロールのロー
ドセル17a,17bあるいはロードセル19a,19
bは、圧延材4から作用するロール軸方向の力を、鉛直
方向荷重と分離して検出できる構造とする。この機能を
付与した張力測定装置によって蛇行制御が効果的に実施
できる。なお、第二の発明のタンデム板圧延機設備列に
おいては、張力測定用ロール位置における圧延材の幅方
向通板位置は、張力測定用ロールの鉛直方向荷重の検出
値のほか、圧延機のロードセルおよび圧下設定値などの
データを利用してタンデム圧延現象を表現する方程式を
解くことにより圧延機直下の材料オフセンター量を換算
し、これに基いた張力測定用ロールの位置における材料
のオフセンター量から求めることができる。
【0021】第三の発明では、第二の発明の張力測定用
ロールを有し鉛直方向荷重およびロール軸方向荷重を検
出する測定装置を配備した同じスタンド間に、幅方向通
板位置測定装置を配備している。このように幅方向通板
位置測定装置を、前記張力測定用ロール位置が存在する
スタンド間に配備することによって、前記張力測定用ロ
ール位置における圧延材の幅方向通板位置を精度よく測
定または推定することが可能となり、蛇行制御法におけ
る圧延材に作用する張力の左右差の推定が精度よく実施
できる。
【0022】ところで、第二、第三の発明のタンデム圧
延機設備列において、張力測定用ロールによる鉛直方向
荷重およびロール軸方向荷重測定装置、さらに幅方向通
板位置測定装置を配備するのは、理想的には、全部のス
タンド間が好ましいが、設備コストの観点から、配備台
数を制限する場合は、タンデム圧延機の上流側から省略
して行くのが好ましい。これは、タンデム圧延機の下流
側の圧延機では、板厚が薄くなるため、圧下レベリング
に最適値からの誤差が存在する場合、この誤差が伸び歪
の左右差におよぼす影響が相対的に大きくなること、お
よび圧延速度が大きくなるため、圧下レベリング操作が
追随しにくくなるため、より高精度な圧下レベリング制
御が必要となるためである。
【0023】
【実施例】図6に示すような7スタンドタンデムミル
で、すべてのスタンド間に作業側・駆動側それぞれ独立
に張力検出器を有し、鉛直方向荷重とロール軸方向荷重
を検出することができる張力測定用ロール2a〜2fを
有し、最下流圧延機より連続して4スタンドの圧延機前
面のスタンド間には、圧延材の幅方向通板位置を測定で
きる検出装置3a〜3dが配備されているタンデム圧延
機群を用いて蛇行制御を実施した。
【0024】当初、張力測定用ロール鉛直方向荷重の測
定値のみを用いて、材料オフセンター量を常に零と仮定
して、圧延材に作用する張力差σdfi を推定し、σdfi
=0を目標として圧下レベリング制御を実施したが、圧
延材後端の通板状況は完全に安定するまでには至らなか
った。
【0025】次に、張力測定用ロールの鉛直負荷の検出
値の他、圧延機のロードセル、圧下設定値等のデータを
利用してタンデム圧延現象を表現する方程式系を解くこ
とによって圧延機直下の材料オフセンター量を推算し、
その内挿値として張力測定用ロールの位置における材料
オフセンター量xciを算出し、式(1)を用いて圧延材
に作用する張力差σdfi を推定し、σdfi =0を目標と
して圧下レベリング制御を実施した。その結果、上記の
材料オフセンター量を零と仮定した制御よりも改善され
たが、特に下流側の圧延機において圧延材後端の通板状
況が完全に安定するまでには至らなかった。
【0026】最後に、圧延材の幅方向通板位置測定装置
3a〜3dの出力によって、張力測定用ロールの位置に
おける材料オフセンター量の推算値を修正し、この値と
式(1)を用いて圧延材に作用する張力差σdfi を推定
し、σdfi =0を目標として各圧延機の圧下レベリング
制御を実施した。さらに、上記張力測定用ロールに作用
するロール軸方向荷重の測定値が零になることを目標と
して同時に圧下レベリング制御を実施した結果、下流側
圧延機を含めて、圧延材後端の通板をほぼ完全に安定さ
せることができた。
【0027】
【発明の効果】本発明の蛇行制御方法およびタンデム板
圧延機設備列を用いることにより、定常圧延中にタンデ
ム圧延機列の各圧延機の圧下レベリングを最適化するこ
とができ、その結果、圧延材後端圧延時を含めて通板時
の事故はほとんど皆無の状態となり、作業率および歩留
を大きく向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第一の発明の蛇行制御方法のア
ルゴリズムを示す図。
【図2】第一の発明の前提となるタンデム板圧延機設備
列の例を示す模式図。
【図3】任意のスタンド間において張力測定用ロールに
ロール軸方向荷重が発生するメカニズムを説明する平面
図。
【図4】本発明で必須要件の一つとなっている垂直荷重
の左右差とロール軸方向荷重が測定可能な張力測定用ロ
ールの一例となるルーパ方式張力測定装置の模式図。
【図5】本発明で必須要件の一つとなっている垂直荷重
の左右差とロール軸方向荷重が測定可能な張力測定用ロ
ールの一例となる半固定式張力測定装置の模式図。
【図6】本発明の実施例としたタンデム板圧延機設備列
を示す模式図。
【符号の説明】
1a〜1g 圧延機 2,2a〜2f 圧延材張力測定装置 3a〜3d 幅方向通板位置測定装置 4 圧延材 5 圧延方向 6 任意のスタンド間の上流側圧延機のロ
ール軸芯位置 7 任意のスタンド間の下流側圧延機のロ
ール軸芯位置 8 任意のスタンド間の張力測定用ロール
の軸芯位置 9 上流側圧延機位置の張力分布 10 下流側圧延機位置の張力分布 11 張力測定用ロール位置における張力分
布 12 スタンド間の圧延材に作用する張力の
主軸 13 張力測定用ロール位置における圧延材
の速度ベクトル 14 張力測定用ロールの周速ベクトル 15 圧延材のロール軸方向速度成分 16 張力測定用ロールの軸受 17a,17b トーションバー方式ロードセル 18 張力測定用ロール支持架台 19a,19b ロードセル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2台以上の圧延機と、各圧延機間のうち
    少なくとも一箇所の圧延機間に、該圧延機のロール軸線
    に平行なロール軸を有し圧延材と接触して回動自在に支
    持された張力測定用ロールを有し、圧延材に作用する圧
    延方向張力によって該張力測定用ロールに負荷される鉛
    直方向の力を作業側・駆動側それぞれ独立に検出すると
    ともに、該張力測定用ロールに圧延材から作用するロー
    ル軸方向の力を検出する検出手段を備えた張力測定装置
    と、圧延材の幅方向通板位置測定装置とが配備されたタ
    ンデム板圧延機の蛇行制御法であって、前記幅方向通板
    位置測定装置の出力により、前記圧延機間の張力測定装
    置の張力測定用ロールの位置における圧延材の幅方向通
    板位置を直接検出または推定し、該検出値または推定値
    と前記張力測定装置の張力測定用ロールに負荷される鉛
    直方向の力の作業側と駆動側の検出値とから、前記張力
    測定装置の張力測定用ロールの位置において圧延材に真
    に作用している張力の作業側と駆動側の差を演算し、該
    張力差が予め定められた許容範囲に入るようにすると共
    に前記張力測定用ロールに負荷されるロール軸方向の力
    が予め定められた許容範囲に入るように、各圧延機の作
    業側と駆動側の圧下設定値の差を制御することを特徴と
    する蛇行制御方法。
  2. 【請求項2】 2台以上の圧延機と、各圧延機間のうち
    少なくとも一箇所の圧延機間に、該圧延機のロール軸線
    に平行なロール軸を有し圧延材と接触して回動自在に支
    持された張力測定用ロールを有し、圧延材に作用する圧
    延方向張力によって該張力測定用ロールに負荷される鉛
    直方向の力を作業側・駆動側それぞれ独立に検出すると
    ともに、該張力測定用ロールに圧延材から作用するロー
    ル軸方向の力を検出する検出手段を備えた張力測定装置
    を配備したことを特徴とするタンデム板圧延機設備列。
  3. 【請求項3】 2台以上の圧延機と、各圧延機間のうち
    少なくとも一箇所の圧延機間に、該圧延機のロール軸線
    に平行なロール軸を有し圧延材と接触して回動自在に支
    持された張力測定用ロールを有し、圧延材に作用する圧
    延方向張力によって該張力測定用ロールに負荷される鉛
    直方向の力を作業側・駆動側それぞれ独立に検出すると
    ともに、該張力測定用ロールに圧延材から作用するロー
    ル軸方向の力を検出する検出手段を備えた張力測定装置
    と、圧延材の幅方向通板位置測定装置とを配備したこと
    を特徴とするタンデム板圧延機設備列。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10175010A (ja) * 1996-12-13 1998-06-30 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 熱間圧延設備及び熱間圧延方法
JP2012161806A (ja) * 2011-02-04 2012-08-30 Nippon Steel Corp 冷間圧延機における出側形状制御方法
JP2013111592A (ja) * 2011-11-26 2013-06-10 Jfe Steel Corp 鋼帯の圧延方法

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