JPH08318304A - タンデム圧延機の蛇行制御方法および装置 - Google Patents

タンデム圧延機の蛇行制御方法および装置

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JPH08318304A
JPH08318304A JP8060655A JP6065596A JPH08318304A JP H08318304 A JPH08318304 A JP H08318304A JP 8060655 A JP8060655 A JP 8060655A JP 6065596 A JP6065596 A JP 6065596A JP H08318304 A JPH08318304 A JP H08318304A
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JP8060655A
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Atsushi Ishii
井 篤 石
Shigeru Ogawa
川 茂 小
Kenji Yamada
田 健 二 山
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧延材後端圧延時を含め圧延材の蛇行による
通板事故を防止する。圧延操業の作業効率および歩留の
向上。 【解決手段】 2台以上の水平ロール圧延機を含むタン
デム圧延機の、最上流側の圧延機入側の蛇行量,各圧延
機間の少なくとも一箇所の蛇行量、および、最下流側の
圧延機出側の蛇行量を検出し、これらの蛇行量に基づい
てそれぞれ隣り合う蛇行検出器間で上流側に対する下流
側の蛇行偏差量を演算して、蛇行を生じた区間を特定
し、該区間内に複数の圧延機があるときにはそれらの荷
重差率より蛇行を生じた圧延機を特定し、特定した圧延
機の上流側のものから、順番に、蛇行を矯正する方向に
圧下設定値の左右差を制御する。また、順番に行なう間
隔を、制御を行った圧延機から最終圧延機までの材料の
通過時間と、タンデム圧延機の材料の通過時間を加えた
時間tsn以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属板のタンデム
圧延操業において、圧延時の圧延材料の安定した通板性
を確保するための蛇行制御技術に関する。
【0002】
【従来技術】板圧延において、圧延材を圧延ラインに真
直に通板する制御技術は、圧延トラブルを避ける観点で
最も重要な操業技術の一つである。このような技術を一
般に蛇行制御技術と称するが、蛇行制御の最も有効なア
クチュエータは水平ロール圧延機の作業側と駆動側の圧
下位置差の調整を行う圧下レベリング操作である。尚以
下の説明では、多くの場合、作業側(ワ−クサイド:W
S),駆動側(ドライブサイド:DS)のことを“左,
右”という表現で簡易表現し、圧延材が圧延機幅方向中
心、すなわち、ミルセンターから幅方向にずれて通過す
ることを“蛇行”と呼ぶものとする。
【0003】蛇行制御に関する従来技術としては、例え
ば特公昭58−51771号公報などのように、圧延材
の左右の圧延荷重検出器を設け、両側の圧延荷重を別々
に検出し、荷重差の荷重和に対する比(以下これを荷重
差率)を演算し、この荷重差率に基づいて圧下レベリン
グ制御を行う方法、また、特開昭59−191510号
公報などのように、圧延機入側の蛇行検出器によって圧
延材の蛇行量を検出し圧下レベリング制御を行う方法、
さらに、特公昭57−209708号公報などのよう
に、圧延機の圧延機間に荷重検出器を設け、この圧延機
間の荷重差に基づき、圧下レベリング制御を行う方法な
どがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来制御方法は、単スタンドの圧延時あるいは複数の圧延
機を有するタンデム圧延時において圧延材後端が直前の
圧延機を出た時点以降に適用可能なものの、タンデム圧
延時の定常圧延状態においては、上記従来方法の場合、
全圧延機に対して適切な制御を実施することはできな
い。
【0005】すなわち、発明者らの実験的研究から、定
常タンデム圧延時の蛇行現象は、圧下レベリングの最適
値がずれていること(以下これを圧下レベリング不良)
が原因で生じた蛇行が、上流側から下流側に伝わって行
き、下流側の圧下レベリングが正常な圧延機においても
上流側で生じた蛇行量とほぼ同じ量の蛇行が生じること
が明らかになっている。従って、例えば、上流側の圧下
レベリング不良が原因で蛇行が下流側まで生じているよ
うな場合に、上記のような従来制御方法で、蛇行量に従
って各圧延機の圧下レベリングを制御した場合、上流側
の圧下レベリング不良の圧延機においては正しく蛇行が
修正されるが、もともと正常であった下流側では、圧下
レベリング操作によって再び蛇行が生じてしまうことに
なる。すなわち、定常タンデム圧延時の蛇行制御では、
各圧延機別々に制御するのではなく、圧下レベリング不
良の圧延機のみを的確に検出し、その圧延機の圧下レベ
リングを最適な状態に制御する必要がある。
【0006】そこで、本発明は、従来方法のように検出
した各圧延機の蛇行の絶対量に基づいて各圧延機を別々
に圧下レベリング制御を行うのではなく、圧延機前後で
蛇行の偏差量を算出し、この蛇行偏差量に基づいて圧延
機の圧下レベリング量を制御することによって、圧下レ
ベリング不良の圧延機のみを的確に調整することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明の第一要旨は、
2台以上の水平ロール圧延機を含むタンデム圧延機の、
最上流側の圧延機入側の蛇行検出器と、各圧延機間の少
なくとも一箇所の蛇行検出器と、最下流側の圧延機出側
の蛇行検出器の出力より、圧延中の材料の蛇行量を測定
し、前記蛇行量に基づいてそれぞれ隣り合う各蛇行検出
器間で上流側に対する下流側の蛇行偏差量を演算し、前
記蛇行偏差量が零となるように、前記蛇行検出器間にあ
る圧延機の圧下設定値の左右差を制御する蛇行制御方法
であり、本願発明の第二要旨は、2台以上の水平ロール
圧延機を含むタンデム板圧延機の、最上流側の圧延機入
側の蛇行検出器,各圧延機間の少なくとも一箇所の蛇行
検出器、および、最上流側の圧延機出側の蛇行検出器
と、前記各蛇行検出器で測定した蛇行量に基づいてそれ
ぞれ隣り合う各蛇行検出器間で上流側に対する下流側の
蛇行偏差量を演算する演算処理装置と、前記蛇行偏差量
に基づいて前記蛇行検出器間にある圧延機の圧下レベリ
ング操作量を算出する演算処理装置と、前記圧下レベリ
ング操作量に基づいて前記圧延機の圧下設定値の左右差
を制御する圧下レベリング装置と、からなるタンデム板
圧延機の蛇行制御装置であり、本発明の第三要旨は、第
一要旨の蛇行制御において、蛇行偏差量が零となるよう
にある圧延機の圧下設定値の左右差を操作してから、同
じ圧延機あるいは別の圧延機で次の同様な操作を行うま
での時間を、先に前記操作を行った圧延機から最終圧延
機までの材料の通過時間と、第1圧延機から最終圧延機
までの材料の通過時間を、加えた時間以上とすることを
特徴とする。以下、本発明の作用について詳細に説明す
る。
【0008】
【発明の実施の形態】図3は、3台の圧延機をタンデム
に配列した連続圧延機の概略図である。図3において1
は圧延機、2は圧延機に設けられた圧下レベリング装
置、3は圧延荷重検出器、4は蛇行検出器、8はルーパ
ーロール、9は圧延材、11はコイラーである。圧延材
9の圧延方向10の順に、1a,1b,1cの複数の圧
延機がタンデムに配列されタンデム連続圧延機を構成し
ている。
【0009】各圧延機には、圧下レベリング装置2a,
2b,2c及び圧延荷重器3a,3b,3cがそれぞれ
設けられている。また、各圧延機の出側には蛇行検出器
4a,4b,4cがそれぞれ設けられている。また、連
続圧延機の入側と出側には、コイラー11a,11bが
それぞれ設けられており、コイラー11と圧延機の間お
よび各圧延機の間には、ルーパーロール8a,8b,8
c,8dが設けられている。
【0010】コイラー11aから送り出された圧延材9
は、ルーパーロール8を介して圧延機に入り、圧延機1
a,1b,1cによって圧延され、コイラー11bに捲
きとられる。圧延材の蛇行量は、各圧延機の出側の蛇行
検出器4a,4b,4cで検出され、これに基づいて圧
下レベリング量を決定し、圧下レベリング装置を制御し
て蛇行を制御するものである。以下、本発明の原理につ
いて詳細に説明する。先ず、図3に示すような連続圧延
機を用いて、定常タンデム圧延時の蛇行挙動を観察する
実験を行った。実験は、表1に示すような条件で、図4
に示すような実験のタイムスケジュールで、第1〜第3
圧延機毎に2回の圧下レベリング操作を行い、その時の
各圧延機での蛇行挙動を観察した。
【0011】
【表1】
【0012】図5〜図7は、それぞれ第1,第2,第3
圧延機で圧下レベリング操作を行った時の、各圧延機出
側の左右に設置された蛇行検出器による蛇行量の測定結
果である。これらより、圧下レベリング操作した圧延機
で蛇行が生じ、上流側の圧延機では、その影響をほとん
ど受けないものの、下流側の圧延機では、時間のずれが
あるが、上流側と同方向に蛇行が生じて行き、各圧延機
ともある蛇行量に達すると定常状態になることがわか
る。また、この蛇行が定常に達した状態で圧下レベリン
グ不良の圧延機を適切な状態に戻すことによって、各圧
延機とも圧下レベリング操作を行う前の初期状態に戻る
ことがわかる。このように、定常タンデム圧延時の蛇行
現象は、蛇行が上流側から下流側に伝わって行き、下流
側の圧下レベリングが正常な圧延機においても、上流側
で生じた蛇行量とほぼ同じ量の蛇行が伝わって行く。従
って、従来の蛇行制御方法のように、検出した各圧延機
の蛇行量の絶対量に基づいて各圧延機別々に制御を行っ
た場合、圧下レベリング不良のない正常な圧延機までを
操作することになり、適切な制御を行うことはできな
い。すなわち、定常タンデム圧延時の蛇行を制御するた
めには、圧下レベリングの不良箇所を正しく検出し、そ
の圧延機に関して適正な圧下レベリング操作を行うこと
が必要である。
【0013】そこで、本発明では、定常タンデム圧延時
に圧下レベリング不良の圧延機のみを的確に調整する方
法として、各圧延機の蛇行の絶対量によって制御を行う
のではなく、圧延機前後の蛇行量の偏差を検出し、この
蛇行偏差量に基づいて圧下レベリング量を制御する。す
なわち、これは、上述の実験結果からもわかるように、
圧下レベリング不良がある場合、その圧延機前後の蛇行
偏差量が顕著になることに着目したものであり、この蛇
行偏差量に注目することによって、圧下レベリング不良
の圧延機を特定し、特定した圧延機に蛇行矯正のための
制御を実施するものである。
【0014】この方法の場合、2台以上の水平ロール圧
延機を備えたタンデム圧延機のすべての圧延機の前後に
蛇行の検出手段を有する設備であれば、確実に圧下レベ
リング不良の圧延機を特定し制御することが可能であ
る。しかしながら、蛇行検出手段が必ずしもすべての圧
延機の前後にない場合でも、タンデム圧延機入側と、各
圧延機間の少なくとも一箇所と、タンデム圧延機出側
に、蛇行検出手段があれば、この蛇行測定位置間での蛇
行偏差量に基づき、圧下レベリング不良の圧延機を含む
圧延機群を特定することができ、このようにある程度、
圧下レベリング不良の圧延機群を特定した段階で、従来
の特公昭58−51771号公報に示された荷重差率に
基づく蛇行制御方法あるいは、特公昭57−20970
8号公報などに示されたルーパー荷重差に基づく蛇行制
御方法などを組合わせて実施することによって、従来に
比べ誤差の少ない、より高精度なタンデム圧延機の蛇行
制御を実現することができる。
【0015】以下、上記の考え方に基づく本発明の蛇行
制御方法および蛇行制御装置を図1のフローチャートお
よび図2の装置構成図に従って説明する。
【0016】図2は、本発明の第1態様の装置構成を示
すものである。これは1a〜1gまで7台の水平圧延機
が設けられたタンデム圧延機であり、各圧延機には圧下
レベリング装置2a〜2g、および荷重検出器3a〜3
gが設けられている。また、各圧延機間には必要に応じ
て、ルーパーロール8a〜8fを配置している。最上流
側の圧延機1aの入側と最下流側の圧延機1gの出側に
は蛇行検出器5aおよび5eがそれぞれ設けられ、さら
に、圧延機1cと1d,1eと1f,1fと1gのそれ
ぞれの間には、蛇行検出器4b,4c,5dがそれぞれ
設けられている。圧延材9は、矢印10の方向に圧延さ
れ移動する。尚、12は、蛇行量偏差量および、圧下レ
ベリング量を演算する演算装置である。
【0017】最上流側の圧延機入側の蛇行検出器4a,
圧延機間の蛇行検出器4b〜4d、および、最下流側の
圧延機出側の蛇行検出器4eの出力に基づき、タンデム
圧延機入側,蛇行検出器を有する各圧延機間、および、
タンデム圧延機出側における圧延材の蛇行量を検出す
る。
【0018】ここで、上記の蛇行検出器4a〜4eは、
幅方向の通板位置を検出する測定装置であり、光学式,
モニター式または接触式の蛇行検出器のいずれであって
もよく、また、左右2本の垂直ロールおよび垂直ロール
の幅方向位置検出器が装備された垂直ロール圧延機,板
幅計などを蛇行検出器として代用できる。
【0019】次に、この蛇行量に基づいてそれぞれ隣り
合う各蛇行測定位置間で、上流側に対する下流側の蛇行
の偏差量を、演算処理装置12より算出する。ここで、
最上流側の蛇行測定位置(j=0)の蛇行量をXc0
し、それからj番目の蛇行測定位置の蛇行量をXcjとす
ると、蛇行測定位置間の蛇行偏差量ΔXcjは、次式のよ
うに表せる。
【0020】 ΔXcj+1=Xcj+1−Xcj ・・・(1) ただし、蛇行の方向は、圧延材の駆動側を正とする。
【0021】また、演算処理装置12では、蛇行偏差量
ΔXcjがある許容量以上であった場合に、その蛇行測定
位置間(j〜j+1間)に設置された圧延機の中に圧下
レベリング不良の圧延機があると見なし、圧下レベリン
グ制御を行う対象となる圧延機または、その蛇行測定位
置間に複数の圧延機がある場合にはその圧延機群を特定
する。さらに、この特定された圧延機群の中で、圧下レ
ベリング制御の対象となる圧延機は、例えば、荷重検出
器3a〜3gの左右の荷重を検出し、荷重差率を算出
し、荷重差率に基づき、あるいは、圧延機間ルーパー荷
重検出器を有する設備においては、ルーパー荷重差に基
づき、あるいは、これらを組み合わせた方法など、従来
の蛇行検出方法によって特定する。以上のようにして特
定した圧延機の圧下レベリング操作量は、各蛇行偏差量
に基づいて演算処理装置12が算出する。この圧下レベ
リング操作量に基づいて圧下レベリング装置2a〜2g
が、前記特定した圧延機の圧下レベリング操作を実施し
蛇行を修正する。
【0022】この時、圧下レベリング操作対象となる圧
延機が複数存在するときは、前記のタンデム定常圧延時
の蛇行特性を考慮に入れ、最上流側の圧延機から制御を
行う方が望ましい。尚、この時の制御周期としては、圧
下レベリング操作を行ってから、最終の圧延機の蛇行が
定常状態になるまでの時間を待つのが望ましい。
【0023】ここで、図10に示すように、圧下レベリ
ング操作を行ってから最終の第n圧延機の蛇行が定常状
態に達するまでの時間をtsnと定義し、表1の条件でレ
ベリング操作を行った前述の実験結果に関して、最終圧
延機の蛇行が定常に達するまでの時間について整理を行
った。図11は、第i圧延機で圧下レベリング操作を行
った時の最終の第n圧延機の蛇行が定常になるまでの時
間tsnから、圧下レベリング操作を行った第i圧延機
(i=1〜n)から最終n圧延機までの材料の通過時間
i-nを引き、第1圧延機から最終第n圧延機の材料の
通過時間t1-nで規格化、すなわち、(tsn−ti-n)/
1-nとして表し、n=3の場合を示したものである。
これより、(tsn−ti-n)/t1-nの値は、いずれの条
件においても、1に近い値になることがわかる。
【0024】従って、tsnは、次の(2)式のように表
わせることが明らかになった。
【0025】 tsn ≒ ti-n + t1-n ・・・(2) したがって、各々ti-n ,t1-n を測定しておけば、最
終第n圧延機の蛇行が定常になる時間を求めることがで
き、この時間以上を待って次の制御を行えば良い。
【0026】このように圧延機の制御対象を移動する時
は、圧下レベリング操作を行った圧延機から最終圧延機
までの材料の通過時間ti-n と、第1圧延機から最終圧
延機までの材料の通過時間t1-n を加えた時間tsn
(2)式より求め、その時間tsn 以上を待って、次の
圧下レベリング操作を実行することによって、正確な蛇
行量の検出および蛇行制御すべき圧延機の特定を行うこ
とができる。
【0027】尚、上記制御方法および装置において、制
御対象となる圧延機群を構成する圧延機の数が多くなる
と、制御対象とする圧延機の特定が複雑になるので、圧
延機間に設置する蛇行検出器の設置数,設置間隔は、作
業効率,要求される蛇行制御の精度,タンデム圧延機の
圧延機の数等を勘案して決定する。
【0028】また、タンデム圧延機入側およびすべての
圧延機出側に蛇行検出手段を有することが可能であれ
ば、従来の蛇行検出方法に依存することなく、確実に圧
下レベリング不良の圧延機を特定し、高精度な蛇行制御
が実施可能であることは言うまでもない。
【0029】以上のように、本発明では、測定位置間の
蛇行量の偏差を算出し、この蛇行偏差量に基づいてその
測定位置間の圧延機の圧下レベリング量を制御すること
によって、圧下レベリング不良の圧延機のみを的確に調
整することができ、また、蛇行検出器間に複数の圧延機
がある場合においても、圧下レベリング不良の圧延機を
含む圧延機群を特定することができ、ある程度圧下レベ
リング不良の圧延機群を特定した段階で、従来の蛇行制
御方法を実施するので、従来に比べ誤差の少ない、より
高精度なタンデム圧延機の蛇行制御を実現することがで
きる。
【0030】本発明の他の目的および特徴は、図面を参
照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0031】
【実施例】
−実施例1− 図8に示すような7台の水平ロール圧延機を有するタン
デム圧延機で、すべての圧延機は圧下レベリング装置2
a〜2gを有し、タンデム圧延機入側には、左右2本の
垂直ロールおよび垂直ロールの幅方向位置検出器が装備
された垂直ロール圧延機13(j=0)、第3〜4圧延
機間に板幅計6(j=1)、第5/6,第6/7圧延機
間に蛇行検出器4a(j=2),4b(j=3)および
第7圧延機出側に蛇行検出器4c(j=4)が配備され
ているタンデム圧延機群を用いて本発明の蛇行制御方法
を実施した。
【0032】定常タンデム圧延時に、タンデム圧延機入
側の垂直ロール圧延機13の垂直ロールの幅方向位置の
検出結果からタンデム圧延機入側の蛇行量を算出し、圧
延機間に設定された板幅計6および蛇行検出器4a〜4
cより、それぞれの位置での蛇行量を検出した結果、各
蛇行測定位置における蛇行量は、Xc0=3mm,Xc1
50mm,Xc2=52mm,Xc3=30mm,Xc4=2
8mmであった。脚字の0〜4はjを意味し、 Xc0:垂直ロール圧延機13で検出した蛇行量, Xc1:板幅計6で検出した蛇行量, Xc2:蛇行検出器4aで検出した蛇行量, Xc3:蛇行検出器4bで検出した蛇行量, Xc4:蛇行検出器4cで検出した蛇行量、 である。
【0033】これら蛇行量に基づいてそれぞれ隣り合う
各蛇行測定位置間で上流側に対する下流側の蛇行偏差量
を上記(1)式により算出した結果、各蛇行測定位置間
の蛇行偏差量は、 ΔXc1= 47mm, ΔXc2= 2mm, ΔXc3=−22mm, ΔXc4= −2mm、 であった。
【0034】蛇行偏差量ΔXcjの許容量を5mmとし
て、圧下レベリング不良の圧延機が存在すると予想され
る圧延機および圧延機群は、j=0〜1間の圧延機群1
a〜1cおよびj=2〜3間の、第6圧延機である圧延
機1fであることが判明した。j=0〜1間の圧延機群
1a〜1cに関して、第1〜3圧延機の圧延機の圧延荷
重検出器3a〜3cの左右の荷重を検出し、荷重差率を
算出し、荷重差率に基づき圧下レベリング不良圧延機を
特定した結果、第2圧延機である圧延機1bであること
が判明した。
【0035】これら第2,6圧延機1b,1fの圧下レ
ベリング量を、蛇行偏差量ΔXc1=47mm,ΔXc3
−20mmに基づいて算出した。
【0036】そこで先ず、最初に上流側の第2圧延機1
bの圧下レベリング装置2bを前記の圧下レベリング操
作量に基づいて操作した。その後、第1圧延機1aから
最終第7圧延機1gまでの材料の通過時間に加え、第2
圧延機1bから最終第7圧延機1gまでの材料の通過時
間以上待ち、各蛇行測定位置における蛇行量を測定し、
上記と同様に蛇行偏差量を(1)式により算出した結
果、 Xc0= 3mm, Xc1= 2mm, ΔXc1= −1mm, Xc2= 4mm, ΔXc2= 2mm, Xc3=−17mm, ΔXc3=−21mm, Xc4=−19mm, ΔXc4= −2mm、 であった。第2圧延機1bの1回の圧下レベリング操作
によってj=0〜1間の蛇行偏差量ΔXc1は、許容範囲
内に入った。また、蛇行測定位置j=2,3における蛇
行の絶対量は大幅に変化したものの、蛇行偏差量ΔXc3
は前回の測定値に比べほとんど変化がなかった。
【0037】そこで先に算出した第6圧延機1fの圧下
レベリング量に基づいて第6圧延機1fの圧下レベリン
グ装置2fを操作した。その後、第1圧延機1aから最
終第7圧延機1gまでの材料の通過時間に加え、第6圧
延機1fから最終第7圧延機1gまでの材料の通過時間
以上待ち、再び、各蛇行測定位置における蛇行量を測定
した結果、 Xc0= 3mm, Xc1= 2mm, ΔXc1= −1mm, Xc2= 4mm, ΔXc2= 2mm, Xc3= 0mm, ΔXc3= −4mm, Xc4= −2mm, ΔXc4= −2mm、 となり、蛇行偏差量はすべて許容範囲内に入ったので、
蛇行制御を終了した。以降、定常圧延時に圧延材が圧延
ラインに真直に通板させるとともに、圧延材後端部も安
定して通板させることができた。
【0038】−実施例2− 実施例1では、タンデム圧延機入側に1箇所(13)、
圧延機間に3箇所(6,4a,4b)、タンデム圧延機
出側に1箇所(4c)の蛇行検出手段がある場合の実施
例であるが、図9に示すように、タンデム圧延機入側に
蛇行検出器4aを、すべての圧延機間に蛇行検出器4a
〜4gを、また第7圧延機1g出側に蛇行検出器4hを
有するタンデム圧延機を用い、本発明の蛇行制御方法を
実施した。この場合、タンデム圧延機のすべての圧延機
の前後に蛇行検出器を有するので、従来の蛇行検出方法
に依存することなく、確実に圧下レベリング不良の圧延
機を特定し制御することが可能となり、実施例2に比べ
より高精度なタンデム圧延機の蛇行制御を実現すること
ができた。
【0039】
【発明の効果】本発明は以上説明した通り、定常タンデ
ム圧延時において適切な圧下レベリング操作ができ、そ
の結果、圧延材後端圧延時を含め通板時の事故がほとん
ど皆無の状態となり、圧延操業の作業効率および歩留を
向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の蛇行制御方法のアルゴリズムを示す
フロ−チャ−トである。
【図2】 本発明の第1態様の蛇行制御装置の構成を示
すブロック図である。
【図3】 定常タンデム圧延時の蛇行挙動を観察するた
めに用いた連続圧延機の概略を示すブロック図である。
【図4】 定常タンデム圧延時の蛇行挙動を観察する実
験における実験タイムスケジュールを表したタイムチャ
−トである。
【図5】 図3に示す第1圧延機1aに圧下レベリング
不良を与えた時の各圧延機出側の左右の蛇行検出器の出
力(蛇行量)を示すグラフである。
【図6】 図3に示す第2圧延機1bに圧下レベリング
不良を与えた時の各圧延機出側の左右の蛇行検出器の出
力(蛇行量)を示すグラフである。
【図7】 図3に示す第3圧延機1cに圧下レベリング
不良を与えた時の各圧延機出側の左右の蛇行検出器の出
力(蛇行量)を示すグラフである。
【図8】 本発明の実施例1を実施した第2態様の蛇行
制御装置の構成を示すブロック図である。
【図9】 本発明の実施例2を実施した第3態様の蛇行
制御装置の構成を示すブロック図である。
【図10】 圧下レベリング開始点から蛇行量推移を示
すグラフであり、最終圧延機が定常の蛇行量に到達する
までの時間tsnを示す。
【図11】 最終圧延機が定常の蛇行量に到達するまで
の時間から、圧下リベリングを行った圧延機から第3圧
延機まだの材料の通過時間を引いた値を、第1−3圧延
機間の材料の通過時間で規格化した値を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1a〜1g:圧延機 2a〜2g:圧
下レベリング装置 3a〜3g:荷重検出器 4a〜4c:蛇
行検出器 6:板幅計 8a〜8f:ル
ーパーロール 9:圧延材 10:圧延方向 11a〜11b:コイラー 12:演算処理
装置 13:垂直ロール圧延機

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2台以上の水平ロール圧延機を含むタン
    デム圧延機の、最上流側の圧延機入側の蛇行検出器と、
    各圧延機間の少なくとも一箇所の蛇行検出器と、最下流
    側の圧延機出側の蛇行検出器の出力より、圧延中の材料
    の蛇行量を測定し、前記蛇行量に基づいてそれぞれ隣り
    合う各蛇行検出器間で上流側に対する下流側の蛇行偏差
    量を演算し、前記蛇行偏差量が零となるように、前記蛇
    行検出器間にある圧延機の圧下設定値の左右差を制御す
    る蛇行制御方法。
  2. 【請求項2】 2台以上の水平ロール圧延機を含むタン
    デム板圧延機の、最上流側の圧延機入側の蛇行検出器,
    各圧延機間の少なくとも一箇所の蛇行検出器、および、
    最上流側の圧延機出側の蛇行検出器と、 前記各蛇行検出器で測定した蛇行量に基づいてそれぞれ
    隣り合う各蛇行検出器間で上流側に対する下流側の蛇行
    偏差量を演算する演算処理装置と、 前記蛇行偏差量に基づいて前記蛇行検出器間にある圧延
    機の圧下レベリング操作量を算出する演算処理装置と、 前記圧下レベリング操作量に基づいて前記圧延機の圧下
    設定値の左右差を制御する圧下レベリング装置と、から
    なるタンデム板圧延機の蛇行制御装置。
  3. 【請求項3】 蛇行偏差量が零となるようにある圧延機
    の圧下設定値の左右差を操作してから、同じ圧延機ある
    いは別の圧延機で次の同様な操作を行うまでの時間を、
    先に前記操作を行った圧延機から最終圧延機までの材料
    の通過時間と、第1圧延機から最終圧延機までの材料の
    通過時間を、加えた時間以上とすることを特徴とする、
    請求項1記載のタンデム圧延機の蛇行制御方法。
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