JP5268548B2 - 帯状体の非接触加振装置、これを用いた張力測定装置、及び張力測定方法 - Google Patents

帯状体の非接触加振装置、これを用いた張力測定装置、及び張力測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、帯状体の非接触加振装置、これを用いた張力測定装置、及び張力測定方法に関するものである。
金属、フィルム、紙あるいは布などの各種帯状体の製造プロセスにおいては、帯状体の幅方向に沿った張力状態を把握することが重要となる。このような張力状態の把握には、一般に接触式と非接触式の張力測定手段が用いられる。
接触式の張力測定手段には、帯状体の幅方向に沿って複数に分割された分割ロールを備えた分割ロール式測定機などが用いられる。この分割ロール式測定機は、それぞれの分割ロールを直接帯状体に押し当ててその内部応力を計測する機構となっており、分割ロールを帯状体に接触させなくては張力測定ができない。それゆえ、金属の帯状体に対しては分割ロールのロールマークが帯状体に転写される可能性が高く、鋼板や銅板などの張力を測定するには不向きであるという問題がある。
一方、非接触式の張力測定手段には、非接触式の変位量計測センサを用いて帯状体の上下方向に沿った変位(振動)を計測し、帯状体の幅方向に沿った張力状態を把握する測定機などが用いられる。このような非接触式の変位量計測センサには低周波騒音計や投受光変位計が用いられている。
ところで、接触式の張力測定手段であっても非接触式の張力測定手段であっても、帯状体の振動を単に計測するだけでは、その張力状態を把握することはできない。なぜなら、帯状体に発生している振動は周辺の機器からの振動が伝播して励起されたものを含んでおり、かかる振動からは正確な張力を得ることはできないからである。そこで、従来の張力測定手段の中には、張力に対応した固有振動数を励起する加振手段を有するものがある。
例えば、特許文献1には、帯状体の幅方向の1点のみを電磁式の加振手段で加振する装置が開示されている。また、特許文献2には、帯状体から離れて設けられたエアノズルから圧縮空気を帯状体の幅方向の1点のみに吹き付けて帯状体を加振する加振手段が開示されている。
特開2004−298890号公報 特開平4−294206号公報
しかしながら、帯状体のように幅を備えた物体は、複数の固有振動数とそれぞれの固有振動数に対応した様々な振動モードとを備えている。
例えば帯状体がアルミ板のように剛性が低い場合には、帯状体の幅方向における左端側、中央側、右端側の一部の振幅だけが局部的に大きくなるような振動モードを有している。また、鋼板や銅板のように剛性が高い場合には、帯状体の幅方向の右側と左側とで帯状体が逆位相に変位するねじれ振動モードや、帯状体が同位相で一律に変位する一律振動モードを有している。
このように振幅や変位方向が幅方向で異なる振動モードを、幅方向の1点だけを加振する特許文献1や特許文献2の加振手段では十分に励起することはできない。また、複数の固有振動数の一部しか知ることができない上述の加振手段では、帯状体の張力を正確に把握することもできない。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、帯状体を複数の振動モードで加振することができる帯状体の非接触加振装置、並びにこの非接触加振装置で加振して帯状体の張力状態を正確に把握することができる張力測定装置及び張力測定方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は次の技術的手段を講じている。
即ち、本発明の帯状体の非接触加振装置は、距離をあけて架設された帯状体を非接触状態で加振するものであって、前記帯状体の幅方向に亘って複数設けられた加振手段と、前記帯状体に生じる振動モードを選択する振動モード選択手段と、前記振動モード選択手段で選択された振動モードに応じて、前記複数の加振手段のいずれかを用いて帯状体を加振するように当該加振手段を制御する加振制御手段と、を備えることを特徴とするものである。
この非接触加振装置を用いれば、帯状体を振幅や変位方向が幅方向で異なる複数の振動モードで加振することができる。
なお、前記振動モード選択手段は、前記帯状体の剛性に応じて低剛性振動モードと高剛性振動モードとのいずれかを選択するように構成されているのが好ましい。
また、前記振動モード選択手段が、前記高剛性振動モードであって、前記帯状体の振幅が幅方向で逆位相となるねじれ振動モードを選択した際に、前記加振制御手段は、幅方向の一方側にある加振手段と他方側にある加振手段とを互いに前記帯状体の振動周期で半周期ずらしたタイミングで加振する構成とされているのが好ましい。
さらに、前記加振手段が前記帯状体の上面側と下面側とにそれぞれに配備されており、前記振動モード選択手段が、前記高剛性振動モードであって、前記帯状体の振幅が幅方向で逆位相となるねじれ振動モードを選択した際に、前記加振制御手段は、幅方向の一方側では上下いずれかの加振手段を用いて当該帯状体を加振し、幅方向の他方側では前記一方側と上下で逆側にある加振手段を用いて当該帯状体を同時に加振する構成とすることもできる。
なお、前記加振制御手段は、前記加振手段を前記帯状体の振動周期の定数倍毎に繰り返し動作させる構成とされていても良い。
本発明の張力測定装置は、上述の非接触加振装置と、前記非接触加振装置で加振された帯状体の上下方向に沿った変位量を該帯状体の幅方向の複数箇所で計測する変位量検出手段と、前記変位量検出手段で計測された帯状体の変位量から帯状体の振動波形を求め、求められた振動波形の固有振動数から帯状体の張力を検出する張力検出部と、を有することを特徴とするものである。
この張力測定装置を用いれば、帯状体を振幅や変位方向が幅方向で異なる複数の振動モードで加振して帯状体の張力状態を正確に把握することができる。
また、本発明の張力測定方法は、距離をあけて架設された帯状体に生じる振動モードを選択し、選択された振動モードに応じて、前記帯状体の幅方向に沿った複数の箇所を非接触状態で加振し、加振された帯状体の上下方向に沿った変位量を前記帯状体の幅方向の複数箇所で計測し、帯状体の変位量から帯状体の振動波形を推定し、推定された振動波形の固有振動数から帯状体の張力を検出することを特徴とするものである。
また、本発明に係る帯状体の非接触加振装置の最も好ましい形態は、距離をあけて架設された帯状体を非接触状態で加振する非接触加振装置であって、前記帯状体の幅方向に亘って複数設けられた加振手段と、前記帯状体に生じる振動モードを選択する振動モード選択手段と、前記振動モード選択手段で選択された振動モードに応じて、前記複数の加振手段のいずれかを用いて帯状体を加振するように当該加振手段を制御する加振制御手段と、を備え、前記振動モード選択手段は、前記帯状体の剛性に応じて、低剛性振動モードと高剛性振動モードとのいずれかを選択するように構成され、前記低剛性振動モードは前記帯状体の幅方向におけるいずれかの箇所が局部的に励起した振動モードであり、前記高剛性振動モードは前記帯状体の振幅が幅方向で全体的に励起された振動モードであることを特 さらに、本発明に係る張力測定方法の最も好ましい形態は、距離をあけて架設された帯状体に生じる振動モードを選択し、選択された振動モードに応じて、前記帯状体の幅方向に沿った複数の箇所を非接触状態で加振し、加振された帯状体の上下方向に沿った変位量を前記帯状体の幅方向の複数箇所で計測し、帯状体の変位量から帯状体の振動波形を推定し、推定された振動波形の固有振動数から帯状体の張力を検出する張力測定方法において、前記振動モードは、前記帯状体の幅方向におけるいずれかの箇所が局部的に励起した低剛性振動モード、及び前記帯状体の振幅が幅方向で全体的に励起された高剛性振動モードを有し、前記帯状体の剛性に応じて、前記振動モードとして前記低剛性振動モードと前記高剛性振動モードのいずれかを選択することを特徴とするものである。
本発明の帯状体の非接触加振装置、これを用いた張力測定装置、及び張力測定方法を用いることで、帯状体を複数の振動モードに加振することができ、帯状体の張力状態を正確に把握することができる。
以下、本発明に係る帯状体Sの非接触加振装置1の実施形態を、図面に基づき詳しく説明する。
図1に示されるように、本発明の非接触加振装置1は、薄板の圧延装置のように長手方向に距離をあけて設けられた前側支持ロール2と後側支持ロール3との間に支持(架設)された帯状体S(鋼板、銅板、アルミ板などの圧延材)に対して、この帯状体Sを加振する加振手段4とを備えている。
なお、以下の説明において、図1における矢印Fの方向を非接触加振装置1を説明する際の前方又は前側とし、矢印Bの方向を後方又は後側とする。また、図1における矢印Rの方向を非接触加振装置1を説明する際の右方又は右側とし、矢印Lの方向を左方又は左側とする。
加振手段4は、帯状体Sを非接触状態で加振する手段であり、本実施形態ではエアノズルからなっている。これらのエアノズル(加振手段)4は、帯状体Sから上方に距離をあけて、且つ幅方向に亘って複数設けられている。また、これらのエアノズル4は、いずれも圧縮エアの配管に連結されており、図示しない電磁弁を介して圧縮エアを帯状体Sに吹き付けて帯状体Sを非接触状態で加振できるようになっている。
また、非接触加振装置1は、帯状体Sを幅方向で振幅や位相が異なる振動モードに加振する制御部6を備えており、この制御部6には材質に合わせて帯状体Sに生じる振動モードを選択する振動モード選択手段7と、振動モード選択手段7で選択された振動モードに合わせて加振手段4を制御する加振制御手段8とが備えられている。具体的には、制御部6には、シーケンサやプロセスコンピュータなどが用いられる。
振動モード選択手段7は、帯状体Sの材質を入力できるようになっており、入力された材質に基づいて剛性区分のテーブルから帯状体Sの振動モードを判別して出力できるようになっている。剛性区分のテーブルは、表1に示されるように材質毎に剛性区分を定めたものである。振動モード選択手段7は、剛性区分のテーブルに基づいて低剛性又は高剛性の剛性区分を選択しており、いずれかの剛性区分を選択してそれぞれに対応した振動モードを出力できるようになっている。本実施形態の振動モードには剛性区分が低剛性のときの低剛性振動モードと高剛性のときの高剛性振動モードとがあり、いずれかが選択されて加振制御手段8に出力されるようになっている。
Figure 0005268548
図2に示すように、低剛性振動モードは、振動モード選択手段7において帯状体Sが低剛性の剛性区分と判別されたときの振動モードである。低剛性振動モードは、帯状体Sの幅方向における左側、中央側、右側のいずれかだけが局部的に励起した振動波形を有している。低剛性振動モードには、幅方向の励起位置に応じて左側振動モード(図2(a))、中央側振動モード(図2(b))、及び右側振動モード(図2(c))の3つがある。
図3に示すように、高剛性振動モードは、振動モード選択手段7において帯状体Sが高剛性の剛性区分と判別されたときの振動モードである。高剛性振動モードは、帯状体Sの振幅が幅方向で全体的に(一律に)励起された振動波形を有している。高剛性振動モードには、幅方向の一端側と他端側とが上下方向に同位相で振動する一律振動モード(図3(a))と、幅方向の一端側と他端側とが上下方向に逆位相で振動するねじれ振動モード(図3(b))とがある。
加振制御手段8は、振動モード選択手段7で選択された振動モードに応じて、帯状体Sの幅方向に複数設けられる加振手段4のいずれかを駆動、すなわち圧縮エアを帯状体Sに吹き付けるものである。なお、加振制御手段8において行われる制御の内容については、後述する張力検出方法で詳しく説明する。
次に、上記非接触加振手段4が組み込まれ、その機能が最も有効に作用する張力検出装置9について述べる。
図4に示すように、本発明の張力検出装置9は、上述の非接触加振装置1で加振された帯状体Sの振動波形を計測し、計測された振動波形の振動数から帯状体Sの張力Tを求めるものである。張力検出装置9は、上述した制御部6に、加振された帯状体Sの上下方向に沿った変位量を帯状体Sの幅方向の複数箇所で計測する変位量検出手段5と、変位量検出手段5で計測された帯状体Sの変位量から帯状体Sの振動波形を求め、求められた振動波形の振動数から帯状体Sの張力Tを検出する張力検出部10とを備えている。
変位量検出手段5は、帯状体Sから上方に距離をあけて、帯状体Sの幅方向に亘って複数設けられている。変位量検出手段5は、赤外線、レーザ、渦電流、又は低周波を用いて帯状体Sの上下方向に沿った変位量(面外方向の変位量)を幅方向に亘って計測して、帯状体Sの幅方向に沿った振動波形を測定できるようになっている。変位量検出手段5で検出された帯状体Sの幅方向に沿った振動波形は張力検出部10に送られる。
張力検出部10は、変位量検出手段5で検出された帯状体Sの幅方向に沿った振動波形に対して、フィルタ(例えば、ローパスフィルタ)によりノイズを除いた後、振動波形の周波数を帯状体Sの固有振動数fとして求め、求められた固有振動数fに基づいて帯状体Sの張力Tを算出している。
次に、この張力検出装置9で行われる張力検出方法について説明する。
まず、例として帯状体Sがアルミ板のような低剛性材料である場合について説明する。
図5に示すように、低剛性材料の帯状体Sを加振する場合は、振動モード選択手段7に帯状体Sの材質として低剛性材料が入力される[S11]。
振動モード選択手段7では、剛性区分のテーブルに基づいて帯状体Sが低剛性の剛性区分であるか高剛性の剛性区分であるかが判別される[S12]。そして、剛性区分が低剛性のときは低剛性振動モードの判別結果が加振制御手段8に出力され、剛性区分が高剛性のときは高剛性振動モードの判別結果が加振制御手段8に出力される。この場合は、帯状体Sの材質が低剛性の剛性区分であるので、低剛性振動モードの判別結果が加振制御手段8に出力される。
加振制御手段8では、低剛性振動モードの判別結果に基づいて、低剛性の振動モードを励起させるように加振手段4を制御する[S13]。低剛性振動モードでの加振手段4の制御は、左側振動モードと中央側振動モードと右側振動モードとの少なくともいずれか1つを選択して、振動波形が選択した振動波形になるように加振手段4で帯状体Sを加振するものである。
左側振動モードが選択された場合には、図2(a)にあるように、加振制御手段8は帯状体Sの幅方向の左側に配置された加振手段4だけを作動させ、帯状体Sの左側だけに圧縮エアを吹き付ける。このようにすると、帯状体Sの左側だけの振動が励起して、帯状体Sが左側振動モードで振動するようになる。
なお、中央側振動モードが選択された場合には図2(b)にあるように帯状体Sの中央側だけに圧縮エアを吹き付けて、帯状体Sの中央側だけの振動を励起して中央側振動モードで振動させる。
また右側振動モードが選択された場合には図2(c)にあるように帯状体Sの右側だけに圧縮エアを吹き付けて、帯状体Sの右側だけの振動を励起して中央側振動モードで振動させる。
一方、例えば帯状体Sが鋼板や銅板のような高剛性材料である場合は、振動モード選択手段7に帯状体Sの材質として鋼板や銅板が入力される[S11]。振動モード選択手段7では、剛性区分のテーブルに基づいて高剛性の剛性区分であることが判別される[S12]。そして、高剛性振動モードの判別結果が加振制御手段8に出力される。
加振制御手段8では、振動モード選択手段7から入力された高剛性振動モードの判別結果に基づいて、高剛性の振動モードを励起させるように加振手段4を制御する[S14]。加振制御手段8において行われる加振手段4の制御は、高剛性振動モードでは、一律振動モードとねじれ振動モードとのいずれかを選択して、振動波形が選択した振動波形になるように複数の加振手段4のいずれかを作動させて帯状体Sを加振するものである。具体的には一律振動モード及びねじれ振動モードの制御は以下のように行われる。
一律振動モードが選択された場合には、例えば図3(a)にあるように、加振制御手段8は帯状体Sの幅方向に亘って配置された加振手段4(エアノズル)を全て同時に且つ幅方向の左側から右側にかけて段階的に吹き付け量が小さくなるように作動させ、帯状体Sの全面に上方から圧縮エアを一斉に吹き付ける。このようにすると、帯状体Sが左側の方が右側より下方に向かって且つ全体的に押され、帯状体Sが一律振動モードで振動する。
また、ねじれ振動モードが選択された場合には、図3(b)にあるように、加振制御手段8は幅方向の一方側にある加振手段4と他方側にある加振手段4とを互いに帯状体Sの振動周期で半周期ずらしたタイミングで作動させ、幅方向の一端側と他端側とに交互に圧縮エアを上方から吹き付ける。このようにすると、帯状体Sに幅方向の一端側と他端側とで逆位相となるようなねじれを伴う振動が発生し、帯状体Sがねじれ振動モードで振動する。
例えば、帯状体Sの振動周期0.2s(振動周波数5Hz)の場合は、振動周期の半周期である0.1s毎に一端側の加振手段4と他方側の加振手段4と順に作動させて、圧縮エアで帯状体Sをねじりを加えるように加振する。
なお、この場合は、帯状体Sの振動周期(固有振動数)を予め把握している必要があるが、帯状体Sの固有振動数を概ね予測できる場合には予測される固有振動数を帯状体Sの振動周期として与えることができる。加振を行うタイミング(予測される固有振動数)が帯状体Sの実際の固有振動数fと異なっていても、加振を行うタイミングのずれが1/4周期程度であれば振幅増大効果が得られるからである。
次に、上述のようにして加振された帯状体Sに対して、帯状体Sの幅方向に複数設けられた変位量検出手段5で帯状体Sの振動波形を幅方向に亘って検出(計測)する[S15]。検出された振動波形は張力検出部10に出力される。
張力検出部10では、まず変位量検出手段5から入力された振動波形に対してフィルタによりノイズを除き、ノイズが除かれた振動波形に対してその周波数を求める。次に、張力検出部10は、求められた振動波形の周波数を帯状体Sの固有振動数fとして、以下に示す式(1)に入力してそれぞれの振動モードのときの帯状体Sの張力Tを計算する[S16]。
Figure 0005268548
すなわち、低剛性振動モードのときは、左側振動モードのときの張力TLと中央側振動モードのときの張力TCと右側振動モードのときの張力TRとを求め、これらに基づいて平均張力Ttotalを求めても良い。また、張力TL、張力TC、張力TRを張力の幅方向分布と考えても良い。
一方、高剛性振動モードのときは、一律振動モードのときの張力Tpとねじれ振動モードのときの張力TTとを求め、これらに基づいて平均張力Ttotalを求めても良い。
本発明の非接触加振手段4を用いることで、材質により振幅や変位方向が幅方向で異なる複数種類の振動モードで振動する帯状体Sに対しても、幅方向に複数設けられた加振手段4を用いてこれらの振動モードを全て正確に再現して加振でき、帯状体Sの幅方向に沿った張力状態を正確に把握することができる。
なお、非接触加振装置1として使用する場合は、上述した張力検出方法のうち[S11]〜[S14]を行うだけで良い。
また、上述の張力計測方法は数秒程度の間隔をあけて連続して行うのが好ましい。このようにすれば、加えられた振動が数秒程度の時間で収まるような減衰の大きな帯状体S(例えば、走行移動する帯状体S)に対しても、前の加振による振動が収まり次第すぐに次の加振が行われるので、張力Tの時刻歴変動による誤差を最小限に抑えつつ張力Tの測定が可能となる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の張力検出装置9及び張力検出方法について説明する。
第2実施形態の非接触加振装置1、張力検出装置9及び張力検出方法が第1実施形態と異なっている点は、第1実施形態の加振制御手段8では加振手段4により帯状体Sを1回だけ加振する構成となっていたのに対し、第2実施形態の加振制御手段8では加振手段4を帯状体Sの振動周期の定数倍毎に繰り返し動作させる構成とされている点にある。
帯状体Sの振動周期は、上述のように過去の操業実績等に基づいてある程度予測できる場合があり、このような場合は予測される振動周期の定数倍毎に加振手段4を連続して動作させることができる。
このようにすれば、1回の加振では小さな振動しか励起できないような振動の減衰が大きい帯状体Sに対しても、加振された振動が減衰しないうちに帯状体Sを連続して加振することができ、帯状体Sに大きな振動を励起して正確に張力を計測することができる。
なお、第2実施形態の非接触加振装置1、張力検出装置9及び張力検出方法におけるその他構成及び作用効果については、第1実施形態と同様である。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の張力検出装置9及び張力検出方法について説明する。
図6に示すように、第3実施形態の非接触加振装置1が第1実施形態と異なっている点は、加振手段4が帯状体Sの上面側だけでなく下面側にも設けられている点である。また、第3実施形態の加振制御手段8は、ねじれ振動モードにおける加振手段4の制御方法が上面側と下面側との双方の加振手段4を同時に作動させて加振を行う点においても、第1実施形態と異なっている。
すなわち、第3実施形態の加振手段4は、帯状体Sから上方に距離をあけて且つ幅方向に亘って複数設けられている上側エアノズル11と、帯状体Sから下方に距離をあけて且つ上側加振手段4と同数設けられている下側エアノズル12とを備えている。これらの上側エアノズル11と下側エアノズル12とは、幅方向の同じ位置に設けられており、上下で一対となっている。
そして、加振制御手段8は、振動モード選択手段7においてねじれ振動モードが選択された際に、幅方向の一方側では上下いずれかの加振手段4を用いて帯状体Sを加振し、幅方向の他方側では一方側と上下で逆側にある加振手段4を用いて帯状体Sを同時に加振する構成とされている。
具体的には、図6(a)に示されるように、幅方向の一方側(図6の紙面左側)の下側エアノズル12から圧縮エアを帯状体Sに吹き付けると共に他方側(図6の紙面右側)の上側エアノズル11から圧縮エアを帯状体Sに下側エアノズル12より強く吹き付ける。
なお、図6(b)に示されるように、上述のように帯状体Sの振動周期を予め与えることができる場合は、幅方向の一方側の下側エアノズル12と他方側の上側エアノズル11とを作動させてから振動周期の半周期が経過した後に、今度は一方側の上側エアノズル11と他方側の下側エアノズル12とを作動させても良い。
このようにすると、帯状体Sの一方側と他方側とを上下に逆位相となるように大きく且つ連続して変位させることができ、振動が減衰しやすい帯状体Sについてもねじれ振動モードを強く励起して正確に張力を計測することができる。
例えば、図7(b)に示されるように、振動が減衰しやすい通板中の帯状体Sを、上述のようにして振動周期の半周期毎に3回作動させると、加振回数が1回の場合の振動波形(図7(a))に比べて、振動波形の振幅が大きくなり、ねじれ振動モードに対応した振動がより強く励起される。
このことから、通板中の帯状体Sについては、帯状体Sの上下に加振手段4を配置し、その双方を用いて帯状体Sの振動周期の定数倍毎に繰り返し加振を行うのが好ましいと判断される。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、発明の本質を変更しない範囲で各部材の形状、構造、材質、組み合わせなどを適宜変更可能である。
上記実施形態では、本発明の非接触加振装置1が張力検出装置9に設けられたものを例示した。しかし、非接触加振装置1は、張力検出装置9に用いられるだけでなく、帯状体Sが用いられている設備であればどのような設備に対しても設けることができる。
上記実施形態では、帯状体Sがアルミ板、鋼板、又は銅板であるものを例示した。しかし、本発明は例えばステンレス板などの金属板、合成樹脂のフィルム、紙などの帯状体Sにも用いることができる。
上記実施形態では、加振手段4に圧縮エアを用いたものを例示した。しかし、加振手段4には、例えば帯状体Sが磁性材料であれば電磁式の加振手段4などを用いることもできる。
上記実施形態では、上側エアノズル11と下側エアノズル12とが幅方向で同じ位置に設けられたものを例示した。しかし、上側エアノズル11と下側エアノズル12とを、例えば千鳥状に配置することもできる。
本発明の非接触加振装置1の説明図である。 低剛性振動モードの振動波形を示す図である。 高剛性振動モードの振動波形を示す図である。 本発明の張力検出装置9の説明図である。 張力検出方法を示すフローチャートである。 第3実施形態の張力検出装置9の説明図である。 (a)は上下の加振手段4から1回だけ加振した場合の振動波形であり、(b)は上下の加振手段4から振動周期の半周期毎に繰り返し3回加振した場合の振動波形である。
符号の説明
1 非接触加振装置
2 前側支持ロール
3 後側支持ロール
4 エアノズル(加振手段)
5 変位量検出手段
6 制御部
7 振動モード選択手段
8 加振制御手段
9 張力検出装置
10 張力検出部
11 上側エアノズル
12 下側エアノズル
S 帯状体
T 張力
f 固有振動数

Claims (6)

  1. 距離をあけて架設された帯状体を非接触状態で加振する非接触加振装置であって、
    前記帯状体の幅方向に亘って複数設けられた加振手段と、
    前記帯状体に生じる振動モードを選択する振動モード選択手段と、
    前記振動モード選択手段で選択された振動モードに応じて、前記複数の加振手段のいずれかを用いて帯状体を加振するように当該加振手段を制御する加振制御手段と、
    を備え
    前記振動モード選択手段は、前記帯状体の剛性に応じて低剛性振動モードと高剛性振動モードとのいずれかを選択するように構成され、前記低剛性振動モードは前記帯状体の幅方向におけるいずれかの箇所が局部的に励起した振動モードであり、前記高剛性振動モードは前記帯状体の振幅が幅方向で全体的に励起された振動モードであることを特徴とする帯状体の非接触加振装置。
  2. 前記振動モード選択手段が、前記高剛性振動モードであって、前記帯状体の振幅が幅方向で逆位相となるねじれ振動モードを選択した際に、
    前記加振制御手段は、幅方向の一方側にある加振手段と他方側にある加振手段とを互いに前記帯状体の振動周期で半周期ずらしたタイミングで加振する構成とされていることを特徴とする請求項に記載の帯状体の非接触加振装置。
  3. 前記加振手段が、前記帯状体の上面側と下面側とにそれぞれに配備されており、
    前記振動モード選択手段が、前記高剛性振動モードであって、前記帯状体の振幅が幅方向で逆位相となるねじれ振動モードを選択した際に、
    前記加振制御手段は、幅方向の一方側では上下いずれかの加振手段を用いて当該帯状体を加振し、幅方向の他方側では前記一方側と上下で逆側にある加振手段を用いて当該帯状体を同時に加振する構成とされていることを特徴とする請求項に記載の帯状体の非接触加振装置。
  4. 前記加振制御手段は、前記加振手段を前記帯状体の振動周期の定数倍毎に繰り返し動作させる構成とされていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の帯状体の非接触加振装置。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載された帯状体の非接触加振装置と、
    前記非接触加振装置で加振された帯状体の上下方向に沿った変位量を該帯状体の幅方向の複数箇所で計測する変位量検出手段と、
    前記変位量検出手段で計測された帯状体の変位量から帯状体の振動波形を求め、求められた振動波形の固有振動数から帯状体の張力を検出する張力検出部と、
    を有することを特徴とする張力測定装置。
  6. 距離をあけて架設された帯状体に生じる振動モードを選択し、
    選択された振動モードに応じて、前記帯状体の幅方向に沿った複数の箇所を非接触状態で加振し、
    加振された帯状体の上下方向に沿った変位量を前記帯状体の幅方向の複数箇所で計測し、
    帯状体の変位量から帯状体の振動波形を推定し、推定された振動波形の固有振動数から帯状体の張力を検出する張力測定方法において
    前記振動モードは、前記帯状体の幅方向におけるいずれかの箇所が局部的に励起した低剛性振動モード、及び前記帯状体の振幅が幅方向で全体的に励起された高剛性振動モードを有し、前記帯状体の剛性に応じて、前記振動モードとして前記低剛性振動モードと前記高剛性振動モードのいずれかを選択することを特徴とする張力測定方法
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