JP5566964B2 - 帯状体の張力分布測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、帯状体の張力分布を測定する張力分布測定装置に関する。
金属板、樹脂板等の帯状体を通板して、圧延、熱処理、表面処理、印刷等の各種処理を連続的に行うラインでは、帯状体の走行時の蛇行を防止するためや、各種処理を良好に行うために、帯状体が走行する長手方向に張力を付与することが多い。また、これらのラインに通板される帯状体には、耳波、中伸び、片伸びや、これらが複合した複合伸び等の幅方向での不均一歪みが存在することがある。これらの幅方向の不均一歪みは板製品の平坦度不良となるので、ロールベンディング装置やクーラントのゾーンコントロール装置等によって、不均一歪みを除去または低減するように平坦度制御が行われている。
上述した帯状体の長手方向に張力が付与されるラインでは、幅方向の不均一歪みが潜在化して、見かけ上平坦になることがある。このため、平坦度制御を行うために、帯状体がロール等によって支持される長手方向の2箇所の支持部位間で、帯状体に振動荷重や静荷重を負荷して、そのときの帯状体の幅方向の変位分布を計測することにより、幅方向の張力分布を測定し、不均一歪みを間接的に検出する技術が開発されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1、2に記載されたものは、いずれも帯状体に振動荷重を負荷するものであり、特許文献1では、振動による変位分布として、一次共振モードと二次共振モードを板幅方向の複数点で計測し、計測した変位分布の形状を、予め区分した張力分布パターンのいずれかに決定し、決定した張力分布パターンに従って、別途に計測した全張力を板幅方向の各位置に割り振ることで、張力分布を測定するようにしている。また、特許文献2では、幅方向の複数点で振動モードを計測し、各振動モードの周波数と振幅の正規化値から、幅方向各点での張力分布を測定するようにしている。
特開平6−43051号公報 特開平7−218358号公報
非特許文献1、2に記載された、振動荷重を負荷して帯状体の幅方向での振動変位分布を計測し、その幅方向での振動モードから張力分布を測定する従来の張力分布測定装置は、密度の低いアルミニウム等の金属板、樹脂板等の帯状体や、密度が高くても板厚の薄い帯状体の張力分布を測定する場合に、振動する帯状体が、これと接する空気等の流体の影響を受けやすく、張力分布を精度よく測定できない問題がある。
そこで、本発明の課題は、密度の低い帯状体や板厚の薄い帯状体であっても、張力分布を精度よく測定できる張力分布測定装置を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明は、長手方向に張力を付与された帯状体の幅方向の張力分布を、長手方向の2箇所の部位で支持された支持部位間で測定する帯状体の張力分布測定装置において、前記2箇所の支持部位間で前記帯状体に振動荷重を負荷する振動荷重負荷手段と、この振動荷重負荷手段によって生じる振動変位を、前記帯状体の幅方向の複数点で計測する振動計測手段とを設け、前記振動計測手段で計測された振動変位から求められる前記帯状体の固有振動数および振動モードと、前記支持部位間での帯状体の質量と、前記支持部位間で帯状体に接する流体の付加質量とから、前記帯状体の張力分布を演算して測定するとともに、前記流体の付加質量を、前記支持部位間の帯状体表面の微小面積ごとの分布質量、および、前記帯状体の振動にともなって発生する流体の圧力分布によって2つの異なる前記微小面積間に作用する連成質量として、前記張力分布の演算に用いる構成を採用した。
すなわち、2箇所の支持部位間で帯状体に振動荷重を負荷する振動荷重負荷手段と、振動荷重負荷手段によって生じる振動変位を、帯状体の幅方向の複数点で計測する振動計測手段とを設け、振動計測手段で計測された振動変位から求められる帯状体の固有振動数および振動モードと、支持部位間での帯状体の質量と、支持部位間で帯状体に接する流体の付加質量とから、帯状体の張力分布を演算して測定することにより、密度の低い帯状体や板厚の薄い帯状体であっても、その振動に影響する周りの流体の付加質量を考慮に入れて、張力分布を精度よく測定できるようにした。
前記流体の付加質量は、前記支持部位間の帯状体表面の微小面積ごとの分布質量、および、前記帯状体の振動にともなって発生する流体の圧力分布によって2つの異なる前記微小面積間に作用する連成質量として、前記張力分布の演算に用いることができる。
前記帯状体は、前記振動変位の各計測点に対応する節点と、該節点に接続され該節点に作用する張力を模擬したばねとを有する2次元多質点系モデルに擬して、前記張力分布の演算を行うことができる。
本発明に係る帯状体の張力分布測定装置は、2箇所の支持部位間で帯状体に振動荷重を負荷する振動荷重負荷手段と、振動荷重負荷手段によって生じる振動変位を、帯状体の幅方向の複数点で計測する振動計測手段とを設け、振動計測手段で計測された振動変位から求められる帯状体の固有振動数および振動モードと、支持部位間での帯状体の質量と、支持部位間で帯状体に接する流体の付加質量とから、帯状体の張力分布を演算して測定するようにしたので、密度の低い帯状体や板厚の薄い帯状体であっても、その振動に影響する周りの流体の付加質量を考慮に入れて、張力分布を精度よく測定することができる。
帯状体の張力分布測定装置の実施形態を示す構成図 図1の張力分布測定装置で張力分布を測定する手順を示すフローチャート 図1の帯状体モデル化部の計算モデルの概念図 図1の付加質量モデル化部の計算モデルの概念図 図4の計算モデルで付加質量を計算する方法を説明する説明図 図4の計算モデルを用いた付加質量分布の計算例 多質点系モデルの帯状体の長手方向の各節点における質量を1点の等価質量に縮小する方法を説明する説明図 図4の計算モデルで計算された付加質量分布を帯状体の長手方向に縮小する方法を説明する説明図 (a)、(b)は、それぞれ付加質量分布の幅方向での縮小方法を説明する説明図 (a)、(b)、(c)は、それぞれ実施例での張力分布測定結果をFEM解析結果と対比して示すグラフ 実施例での張力分布測定結果を実験結果と対比して示すグラフ
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。この帯状体の張力分布測定装置は、図1に示すように、走行する長手方向に張力を付与された帯状体1の張力分布を、長手方向の2箇所の部位で支持ロール2a、2bによって支持された支持部位間で測定するものであり、支持部位間の帯状体1に下面側から振動荷重を負荷する振動荷重負荷装置3と、振動荷重負荷装置3によって生じる振動変位を、帯状体1の幅方向の複数点の計測点1aで計測する非接触式の変位計4と、各変位計4の出力に基づいて、帯状体1の張力分布を演算する演算装置5とからなる。この実施形態では、帯状体1の各計測点1aは、支持部位間の長手方向の中間位置に設定されている。
前記振動荷重負荷装置3は、帯状体1に空気を噴射して振動荷重を負荷するものであるが、振動荷重負荷装置3は、水や油等の液体を噴射するものや、磁力、静電力、電磁誘導による渦電流、音波等によって、振動荷重を負荷するものとすることもできる。また、帯状体1の1点を打撃する装置や、支持ロール2a、2bのいずれかを加振する装置とすることもできる。
前記非接触式の変位計4は光反射式のレーザ変位計とされている。帯状体1が導電性を有するものである場合は、帯状体1に生じさせた渦電流の大きさを検出する渦電流式変位計や、帯状体1とセンサヘッド間の静電容量を検出する静電容量式変位計等とすることもできる。また、図1では、便宜上、変位計4を幅方向に等間隔で5台配置するように図示しているが、変位計4の配置台数(計測点1aの数)nは任意に設定することができ、幅方向での配置間隔も、例えば、幅端部を密に、幅中央部を粗くするように不等間隔で配置してもよい。さらに、一部の変位計4を幅方向に移動可能としてもよい。
前記演算装置5は、支持部位間で帯状体1に接する流体としての空気の付加質量をモデル化する付加質量モデル化部5aと、モデル化された付加質量を算出する付加質量算出部5bと、帯状体1を2次元多質点系モデルに擬する帯状体モデル化部5cと、各変位計4の出力から帯状体1の固有振動数と幅方向の振動モードを算出する振動特性算出部5dと、算出された固有振動数および振動モードから2次元多質点系モデルのばね定数を算出するばね定数算出部5eと、算出されたばね定数と固有振動数から張力分布を算出する張力算出部5fとで構成されている。
図2は、上述した張力分布測定装置を用いて張力分布を測定する手順を示す。まず、付加質量モデル化部5aで空気の付加質量をモデル化して(ステップ1)、付加質量算出部5bでモデル化した付加質量を算出し(ステップ2)、後述するように、算出した付加質量の自由度を縮小するとともに(ステップ3)、帯状体モデル化部5cで帯状体1の振動をモデル化する(ステップ4)。こののち、帯状体1に振動荷重負荷装置3で振動を負荷するとともに(ステップ5)、変位計4によって帯状体1の振動変位を計測し(ステップ6)、計測された振動変位から、振動特性算出部5dで、付加質量を付加してモデル化した帯状体1の固有振動数と振動モードを算出して(ステップ7)、ばね定数算出部4eで帯状体1のばね定数を算出し(ステップ8)、張力算出部5fで帯状体1の張力分布を算出して(ステップ9)、1回の張力分布の測定を行う。こののち、必要に応じて、ステップ5からステップ9までの手順を繰り返して複数回の張力分布測定を連続して行い、所望回数の張力分布測定を行ったのち、測定を終了する。
以下に、上述した張力分布測定装置を用いて帯状体1の張力分布を測定する方法を、具体的に説明する。
図3は、前記帯状体モデル化部5cで用いる2次元多質点系モデルを示す。この2次元多質点系モデルは、支持部位間の帯状体1について、振動変位の各計測点1aに対応する節点11に、各節点11に作用する張力を模擬した分布ばね12を接続し、帯状体1の幅方向と各計測点1aの振動方向との2次元のモデルに簡略化したものである。各節点11は、帯状体1の幅方向と一致するように延在する固定面13に、これと垂直な各分布ばね12で接続されるとともに、隣接する各節点同士が2次元平面内で回転自在な連結部材14で連結され、隣接する各連結部材14同士は回転ばね15で連結されている。各連結部材14の質量は、その幅方向部位での帯状体1の質量に、後述する空気の付加質量を加えたものとなり、回転ばね15のばね定数は、各節点11における帯状体1の曲げ剛性となる。
このように、前記2次元多質点系モデルは、帯状体1の張力の大小と固有振動数の大小との間に相関があることに着目し、振動荷重負荷装置3により加振された帯状体1の各計測点1aにおける振動変位と、各分布ばね12の各節点11における振動変位とが等しいものとして、帯状体1の幅方向の張力分布を、分布ばね12のばね定数の変化として把握するようにモデル化したものである。
上述した2次元多質点系モデルの運動方程式は、帯状体1の質量マトリクスをM、後述する空気の付加質量マトリクスをmadd、各節点11の変位ベクトルをx、加速度ベクトルをα、各分布ばね12のばね定数に相当する張力剛性マトリクスをK、回転ばね15のばね定数に相当する曲げ剛性マトリクスをKとすると、(1)式で表される。
(M+madd)α+(K+K)x=0 (1)
(1)式の運動方程式から、(M+madd−1(K+K)φ=λφとなる固有値λと固有ベクトルφが算出されるように、(2)式を用いて固有値解析を行う。
{Φ(M+madd)Φ}−1Φ(K+K)Φ=Λ (2)
ここに、Λは固有値を対角要素とする対角行列、Φは固有ベクトルを列ベクトルとする直交行列である。
図4は、前記付加質量モデル化部5aで用いる距離・流体力曲線法による付加質量の計算モデルを示す。この計算モデルは、支持部位間の帯状体1の表面を微小面積の要素16に区分し、以下に説明するように、振動変位によって各要素16に作用する音圧から空気の付加質量maddを計算するものである。なお、要素16の区分は、帯状体1の表面積に比較して各要素16の面積が十分に小さければよく、例えば、縦横10×10程度の区分でよい。
図5に示すように、半無限大平面を想定して、振動する要素をs、音圧が作用する要素をi、要素sと要素i間の距離をrisとし、各要素i、sの面積をAi、As、要素sの速度をvs、加速度をαs、要素iに作用する音圧をpiとすると、帯状体1の振動による音響放射で要素iに作用する音圧による力Piは(3)、(4)式で表される。
i≠sの場合は、
i=sの場合は、
ここに、ρairは空気の密度、ωは振動の角周波数、cは空気中の音速、kは波長常数(=ω/c)であり、ρairは、空気の温度Tair(℃)を用いて(5)式で表される。
ρair=1.293×273.2/(273.2+Tair) (5)
空気の温度Tairがあまり変化せず、例えば、0℃に近い場合は、ρair=1.293としてもよい。
一方、要素sの振動に伴う音圧の発生で要素iに作用する力Piは複素数のベクトルとなり、実部を振動速度vsの係数cairで、虚部を振動速度と90°位相がずれた加速度αsの係数mairで、(6)式のように表すことができる。
i=cairs+mairαs (6)
ここに、実部は付加減衰項、虚部は付加質量項となり、虚部の係数mairを空気の付加質量とみなすことができる。
(3)、(4)式と(6)式から求められる各要素ごとのmairを、(7)式で示すように、形状関数Nを用いて節点自由度に変換し、帯状体1の表裏両面分として2倍することにより、帯状体1に作用する付加質量分布Maddを計算することができる。
図6は、(7)式で計算した付加質量分布Maddの計算例を示す。図6の計算例は、分布状態を見やすくするために、各要素の付加質量マトリクスの対角項のみの分布を表示したものである。
つぎに、(7)式で計算された付加質量分布Maddを、前記2次元多質点系モデルの自由度に合わせて、帯状体1の長手方向に縮小する方法を説明する。図7に示すように、多質点系モデルの帯状体1の長手方向の各点における質量mを1点の等価質量meqに縮小した等価モデルを考える。各質量mの質量マトリクスをM、振動モードをφとすると、両モデルの運動エネルギが等しいと置くことで、次式が得られる。
ここに、Xは振動変位、ωは振動の角周波数である。振動モードをX=1と正規化すれば、等価質量meqは(9)式で求められる。
eq=φMφ (9)
(9)式を付加質量マトリクスMaddに適用して、図8に示すように、帯状体1の長手方向の1箇所に付加される等価質量マトリクスmaddに縮小する。、帯状体1の長手方向の節点数をl、幅方向の節点数をnとすると、付加質量マトリクスMaddと等価質量マトリクスmaddは、それぞれ部分行列Mij(i,j=1〜n)を用いて(10)、(11)式で表される。
ここに、
φ={sinθ sinθ・・・sinθ (12)
θ=(i−1)π/(m−1) (i=1〜m) (13)
(11)式の等価質量マトリクスmaddの対角項mii(i=1〜n)は、帯状体表面の微小面積ごとの分布質量を意味し、非対角項mij(i≠j)は、振動することで発生する圧力分布によって影響しあう2つの異なる微小面積間の連成質量を意味する。
(11)式より、縮小変換マトリクスΦおよび等価質量マトリクスmaddは、それぞれ(14)、(15)式で計算される。
add=ΦaddΦ (15)
したがって、(15)式で計算された等価質量マトリクスmaddを(2)式に代入することにより、固有値Λと固有ベクトルΦが算出される。算出された固有値Λと固有ベクトルΦは、それぞれ(16)、(17)、(18)式で表される。
Φ=〔φ φ・・・φ〕 (17)
φ={φi1 φi2・・・φin} (18)
なお、付加質量マトリクスMaddを幅方向に縮小する場合は、図9(a)、(b)に示すように、幅方向の各節点に分布する質量mを分割して、隣り合う節点に配分する簡易的な縮小方法を採用することができる。すなわち、節点数が奇数の場合は、縮小変換マトリクスΦ1/2を(19)式、節点数が偶数の場合は、縮小変換マトリクスΦ1/2を(20)式として、
等価質量マトリクスmaddを(21)式で計算することができる。
add=Φ1/2 addΦ1/2 (21)
前記振動特性算出部5dでは、各測定点1aで計測された振動変位に基づいて、固有振動数ω(角周波数)と振動モードベクトルvが算出される。i次の固有振動数ωと振動モードベクトルvは、(22)、(23)式で表される。
ω={ωi1 ωi2・・・ωin (22)
={vi1i2・・・vin (23)
ここに、nは測定点の数である。
(2)式で算出される固有値Λと固有ベクトルΦの関数に含まれる分布ばね12のばね定数に相当する張力剛性マトリクスKは未知数である。なお、帯状体1を幅方向に曲げる曲げ剛性マトリクスをKは、その曲げに対する断面二次モーメントによって決まる既知数である。そこで、前記ばね定数算出部5eでは、(2)式で算出され、(16)、(17)、(18)式で示した固有値Λおよび固有ベクトルΦが、それぞれ振動特性算出部5dで算出され、(22)、(23)式で示した固有振動数ωおよび振動モードベクトルvと一致するような張力剛性マトリクスKを、(24)式に示す評価関数Jを用いて決定する。
ここに、積算数mは振動のモード次数である。具体的には、張力剛性マトリクスKに初期値を設定して評価関数Jを計算し、張力剛性マトリクスKの値を少しずつ変化させた繰り返し計算での評価関数Jの変化量が最小となるときの張力剛性マトリクスKの値をばね定数k(j=1〜n)とする。jは節点番号である。
この評価関数Jは、固有ベクトルφと振動モードベクトルvの各成分の差と、固有値λと固有振動数ωの二乗の差を固有振動数ωの二乗で除算した値とを二乗和するものであり、ばね定数kが物理的に正の値をとることから、k>0であることを拘束条件として、評価関数Jが最小となるように、最急降下法や準ニュートン法等によって、分布ばね12a〜12eのばね定数kが決定される。
前記張力算出部5fでは、帯状体1の測定点jにおける張力Tが(25)式で表されることに基づいて、張力分布を算出する。
=4LM (25)
ここに、Mは測定点jのある要素の質量であり、帯状体1の密度をρ、測定点jの要素の部分断面積をAとすると、(26)式で表される。
=ρAL (26)
また、Lは帯状体1の支持部位間のスパン、fは部分断面積Aの要素のばね定数をkとしたときの1自由度振動系の固有振動数である。なお、添字jは測定点jにおける数値を意味する。
一般的に、減衰のない1自由度振動系の固有振動数は(27)式で表される。
ここに、m’は1自由度振動系の質量、k’はばね定数である。
したがって、固有振動数fが分布ばね12のばね定数kで表される固有振動数と一致するものとして、fは(28)式で表される。
ここに、Meqjは、それぞれモード次数iでの測定点jにおける帯状体1の等価質量であり、(29)式で表される。
eqj=Mmodal/vij (29)
ここに、Mmodalは、帯状体1のモード質量であり、〔Φ〕〔M〕〔Φ〕から算出される。また、vijは、測定点jで測定されたi次の振動モードベクトルの成分である。
したがって、各測定点jでの帯状体1の張力分布Tは、(26)式に示した帯状体1の質量Mを用いて、(30)式から算出することができる。
=(kLM)/(πeqj) (30)
実施例として、上述した帯状体1の張力分布測定装置を用いて、板幅Wが1m、板厚が0.5mmのアルミニウム板(ρ=2699kg/m)の張力分布を測定した。この実施例では、(11)式で表される空気の付加質量maddについて、帯状体表面の微小面積ごとの分布質量に相当する対角項mii(i=1〜n)と、異なる微小面積間に作用する連成質量に相当する非対角項mij(i≠j)とを考慮して、張力分布を測定した。また、比較例として、空気の付加質量maddを考慮しない張力分布の測定も行った。これらの実施例と比較例の張力分布の測定結果を、FEM解析で張力分布を求めた解析結果、および帯状体1にひずみゲージを添付して張力分布を測定した実験結果と対比した。帯状体1の支持部位間のスパンLは2m、空気の温度Tairは20℃(ρair=1.205)とし、解析結果との対比の場合は、帯状体1の平坦度(幅方向での歪み分布)を想定した熱応力を設定して、この熱応力下で生じる振動変位を入力し、実験結果との対比の場合は、実際に変位計3で計測された振動変位を入力した。
図10(a)、(b)、(c)は、それぞれ、帯状体1の平坦度パターンをフラット、耳波および片伸びと想定したときの実施例と比較例の張力分布の測定結果を、解析結果と対比して示す。これらの対比から分かるように、付加質量maddを考慮しない比較例の測定結果が解析結果とかなりずれているのに対して、実施例の測定結果は、いずれも高い精度で解析結果とよく一致している。
図11は、実施例と比較例の張力分布の測定結果を、実験結果と対比して示す。この対比でも、比較例の測定結果が実験結果とかなりずれているのに対して、実施例の測定結果は解析結果とよく一致している。これらの対比結果より、アルミニウム板のように密度の低い帯状体の張力分布の測定では、本願発明のように、空気の付加質量maddを考慮することにより、測定精度を大幅に向上できることが確認された。
上述した実施形態では、付加質量の計算モデルに距離・流体力曲線法を採用したが、この替りに境界要素法を採用することもできる。
また、上述した実施例では、測定対象の帯状体を走行するアルミニウム板としたが、本発明に係る帯状体の張力分布測定装置は、他の密度の低い金属板や樹脂板等の帯状体や、板厚の薄い金属板や樹脂板等の帯状体の張力分布測定にも採用することができ、停止した帯状体の張力分布も測定することができる。
1 帯状体
1a 計測点
2a、2b 支持ロール
3 振動荷重負荷装置
4 変位計
5 演算装置
5a 付加質量モデル化部
5b 付加質量算出部
5c 帯状体モデル化部
5d 振動特性算出部
5e ばね定数算出部
5f 張力算出部
11 節点
12 分布ばね
13 固定面
14 連結部材
15 回転ばね
16 要素

Claims (2)

  1. 長手方向に張力を付与された帯状体の幅方向の張力分布を、長手方向の2箇所の部位で支持された支持部位間で測定する帯状体の張力分布測定装置において、前記2箇所の支持部位間で前記帯状体に振動荷重を負荷する振動荷重負荷手段と、この振動荷重負荷手段によって生じる振動変位を、前記帯状体の幅方向の複数点で計測する振動計測手段とを設け、前記振動計測手段で計測された振動変位から求められる前記帯状体の固有振動数および振動モードと、前記支持部位間での帯状体の質量と、前記支持部位間で帯状体に接する流体の付加質量とから、前記帯状体の張力分布を演算して測定するとともに、
    前記流体の付加質量を、前記支持部位間の帯状体表面の微小面積ごとの分布質量、および、前記帯状体の振動にともなって発生する流体の圧力分布によって2つの異なる前記微小面積間に作用する連成質量として、前記張力分布の演算に用いるようにしたことを特徴とする帯状体の張力分布測定装置。
  2. 前記帯状体を、前記振動変位の各計測点に対応する節点と、該節点に接続され該節点に作用する張力を模擬したばねとを有する2次元多質点系モデルに擬して、前記張力分布の演算を行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載の帯状体の張力分布測定装置。
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