JP4008109B2 - 張力測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、銅板等の帯状体の振動を計測することにより帯状体の張力および幅方向の張力バランスを測定する張力測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、銅板やアルミ板、鋼板等の帯状体の通板もしくは巻き取りは、帯状体の走行経路上の前後にロールをそれぞれ配置し、各ロールで帯状体を挟持しながら送り出すと共に、所定の張力を帯状体に付与することにより行われる。この際、ロール間における張力の変動や幅方向の張力バランスの崩れが生じた場合には、帯状体の走行が不安定になったり、巻きずれが起きる等の問題が生じる。また、圧延工程の製造ラインにおいては、圧延ロールの出入り口で張力の変動や幅方向の張力バランスの崩れが生じると、帯状体の板厚が変動するという問題が生じる。
【0003】
従って、帯状体の製造ラインにおいては、張力および幅方向の張力バランスを知ることが生産性や品質を向上させる上で極めて重要なものとなっており、従来から帯状体の張力および張力バランスを測定する各種の方法が実施および提案されている。
【0004】
即ち、張力は、図9に示すように、走行する帯状体51の上流側および下流側に案内ローラ52を配置して帯状体51を支持し、案内ローラ52間において中間ロール53を帯状体51に押し当てる。そして、中間ロール53に生じた反力をロードセル54で測定し、ロードセル54による測定値Fと走行角度αとを用いて張力を求める方法が一般に採用されている。
【0005】
また、幅方向の張力バランスは、図10に示すように、帯状体51の幅方向に配置した複数の変位センサ55により各配置箇所の固有振動数を測定し、これらの測定値を基にして求める方法が提案されている(特開昭60−46409号公報、特開平7−218358号公報、特開平6−43051号公報等)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の方法では、張力と張力バランスとの両者を得ようとした場合、中間ロール53やロードセル54、変位センサ55等の多くの機器が必要となって設備コストが高騰すると共に、機器構成が複雑化するという問題がある。
【0007】
さらに、図9に示すように、従来の張力を測定する方法では、中間ロール53を帯状体51に押し当てて張力を測定したときに、中間ロール53が帯状体51の表面に傷をつける場合がある。また、帯状体51が非常に小さな張力で走行している場合には、帯状体51の曲げ剛性によりロードセル54に反力が生じるため、ロードセル54の測定値Fを基にして得られる張力Tに大きな誤差が生じることになる。
【0008】
そこで、本発明は、簡単および安価な構成であると共に、帯状体51の表面を傷つけることなく張力および張力バランスを高精度に求めることができる張力測定装置を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、長手方向の2点の位置で支持された帯状体の振動を計測することにより張力を測定する張力測定装置であって、前記帯状体の幅方向右側に配置され、幅方向右側の変位量を非接触で検出する幅方向右側変位量検出手段と、前記帯状体の幅方向左側に配置され、幅方向左側の変位量を非接触で検出する幅方向左側変位量検出手段と、前記幅方向右側変位量検出手段からの変位量信号を処理して、整数倍の周波数毎にピーク値を有した振動の周波数成分を得て、得られた周波数成分の中から振幅が最大となる前記ピーク値を検出し、このピーク値から幅方向右側に生じている1次固有振動数を求め、この1次固有振動数を基にして幅方向右側の張力を求める幅方向右側張力算出手段と、前記幅方向左側変位量検出手段からの変位量信号を処理して、整数倍の周波数毎にピーク値を有した振動の周波数成分を得て、この周波数成分の中から振幅が最大となる前記ピーク値を検出し、このピーク値から幅方向左側に生じている1次固有振動数を求め、この1次固有振動数を基にして幅方向左側の張力を求める幅方向左側張力検出手段と、前記幅方向右側の張力と前記幅方向左側の張力を平均化して総張力を求める張力演算手段とを有していることを特徴としている。
【0010】
上記の構成によれば、幅方向右側および幅方向左側の変位量を基にして1次固有振動数をそれぞれ求めた後、各1次固有振動数を用いて幅方向右側および幅方向左側の張力を求めるため、これらの張力を用いて幅方向における張力バランスを確認することができる。また、張力を平均化して総張力を求めることによって、帯状体の全体に生じている張力を得ることができる。そして、これらの総張力および張力バランスを求めるための変位量は、変位量検出手段により非接触で検出されている。従って、従来のように中間ロールを帯状体に押し当てて帯状体の張力を測定した場合には、帯状体の表面に傷を生じさせたり、中間ロールの反力による検出精度の低下を生じさせることになるが、上記の構成によれば、帯状体の表面を傷つけることなく張力および張力バランスを高精度に求めることができる。
【0011】
さらに、上記の構成によれば、変位量検出手段を幅方向右側および幅方向左側に配置するという簡単および安価な構成で、帯状体の表面を傷つけることなく張力および張力バランスを高精度に求めることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1ないし図8に基づいて以下に説明する。
本実施の形態に係る張力測定装置は、図1に示すように、銅板やアルミ板、鋼板等の帯状体1の製造ラインに適用されるようになっている。この製造ラインには、第1ロール8と第2ロール9とが帯状体1の走行方向(長手方向)の前後(2点)にそれぞれ配設されている。これらの各ロール8・9は、任意の速度で回転駆動される駆動ローラ8a・9aと、回転自在に設けられた従動ローラ8b・9bとからなっている。そして、両ロール8・9は、駆動ローラ8a・9aと従動ローラ8b・9bとで帯状体1を挟持し、図示しない制御装置により各駆動ローラ8a・9aの回転速度が制御されることによって、両ロール8・9間の帯状体1に所定の張力を付与しながら帯状体1を送り出すようになっている。
【0015】
上記の帯状体1の張力は、本実施形態の張力測定装置で測定されている。張力測定装置は、帯状体1の振動を非接触で検出する複数の非接触変位計3を有している。非接触変位計3は、帯状体1の幅方向における右側、中央部および左側の3箇所に配置されており、各箇所の帯状体1の変位を検出するようになっている。そして、幅方向右側および幅方向左側の非接触変位計3・3は、帯状体1の張力の算出に使用される変位量を得るために用いられる。一方、幅方向中央部の非接触変位計3は、ロール8・9による2点間の支持間長さである帯状体1の板長が帯状体1の板幅と略同一である場合に、右側、中央部および左側で大きく振れる固有振動数を判別するために使用される。尚、非接触変位計3としては、光反射式の距離センサ等を挙げることができる。
【0016】
上記の各非接触変位計3は、張力演算器4に接続されており、張力演算器4に対して変位量に対応した変位信号を出力するようになっている。張力演算器4は、図示しないA/D変換部や入出力部、記憶部、演算部等を信号バスを介して接続した構成にされている。A/D変換部は、非接触変位計3からの変位信号を情報処理に適したデジタル信号(変位データ)に変換して張力演算器4内に取り込むようになっている。
【0017】
また、記憶部には、所定の計測時間内に得られた全変位データを記憶する変位データ記憶領域が形成されていると共に、FFT(Fast Fourier Transform)処理等の演算時に使用される演算データ領域が形成されている。さらに、記憶部には、変位データを基にして幅方向右側および幅方向左側の張力を算出する図3の張力算出ルーチンが記憶されている。尚、張力算出ルーチンによる張力の算出方法の詳細については後述する。また、入出力部は、図示しない制御装置に接続されており、求めた張力を制御装置に出力するようになっている。そして、制御装置は、張力が予め設定された目標張力となるように、第1ロール8および第2ロール9の回転速度をフィードバック制御するようになっている。
【0018】
上記の構成において、張力測定装置の動作について説明する。
先ず、帯状体1の前後を挟持する第1ロール8および第2ロール9が回転駆動されることによって、走行する帯状体1に所定の張力が付与される。これにより、帯状体1は、走行方向の両端が各ロール8・9でそれぞれ支持された状態になっているため、両ロール8・9間の中央部を振動の腹とした振動モードの1次固有振動数fで振動する。そして、この帯状体1に付与される張力Tと1次固有振動数fとは、(1)式の関係を有することになる。
【0019】
T=4L2 2 ρA ・・・・(1)
ここで、T:張力値、L:支持間長さ、f:1次固有振動数、ρ:帯状体比重、A:帯状体断面積である。
【0020】
次に、帯状体1の振動が幅方向に配置された各非接触変位計3により計測され、右側、中央部および左側における帯状体1の変位量を示す変位信号が張力演算器4にそれぞれ出力される。この際、張力演算器4は、図3の張力算出ルーチンを実行しており、張力演算器4に出力された全ての変位信号は、A/D変化部を介してデジタル量の変位データに変換された後、記憶部に順次格納される(S1)。そして、所定の計測時間が経過したときに、この計測時間内に収集された全変位データの中から、右側の非接触変位計3により得られた右側変位データが記憶部から読み出され(S2)、これらの右側変位データを用いて1次固有振動数検出処理が行われる(S3)。
【0021】
即ち、図4の1次固有振動数検出ルーチンが実行されることによって、右側変位データのFFT処理が行われる。これにより、例えば図5に示すように、整数倍の周波数毎にピーク値を有した振動の周波数成分が得られることになる(S11)。
【0022】
次に、得られた周波数成分の中から振幅が最大となるピーク値が検出され、このピーク値が1次モードピーク値f1として選択される(S12)。そして、選択された1次モードピーク値f1に各モード変数n(例えばn=2〜4)が積算され、1次モードピーク値f1に対して整数倍の2次〜4次モードピーク値f2〜f4がそれぞれ算出される(S13)。この後、FFT処理で得られた周波数成分から、2次〜4次モードピーク値f2〜f4の誤差Δf範囲内でのピーク値が検出され(S14)、各モードピーク値f2〜f4の誤差Δf範囲内にピーク値が存在するか否かが判定される(S15)。
【0023】
周波数成分のピーク値が存在しない場合には(S15,NO)、S12で検出された最大のピーク値の次に大きな振幅のピーク値が検出され、このピーク値が新たな1次モードピーク値f1として選択される(S16)。そして、この1次モードピーク値f1を用いてS13から再実行される。
【0024】
一方、各モードピーク値f2〜f4に対応した周波数成分のピーク値が存在する場合には(S15,YES)、選択された1次モードピーク値f1が帯状体1の1次固有振動数であると認識され、本ルーチンが終了されて図3の張力算出ルーチンにリターンされる。
【0025】
上記の1次モードピーク値f1は、右側変位データを基にして求めたものであるため、図2に示すように、帯状体1の幅方向の右側における1次固有振動数f(=fr)として認識される。そして、この1次固有振動数fが上述の(1)式に代入されることによって、帯状体1の幅方向右側に生じている右側張力Trが算出される(S4)。
【0026】
次に、左側の非接触変位計3により得られた左側変位データが記憶部から読み出され(S5)、これらの左側変位データを用いて1次固有振動数検出処理が行われる(S6)。これにより、図4の1次固有振動数検出ルーチンが上述と同様の動作により実行されることによって、例えば図6に示すように、左側変位データのFFT処理により整数倍の周波数毎にピーク値を有した振動の周波数成分が得られた後、1次モードピーク値f1が帯状体1の幅方向の左側における1次固有振動数f(=fl)として求められる。そして、この1次固有振動数fが上述の(1)式に代入されることによって、帯状体1の幅方向左側に生じている左側張力Tlが算出される(S7)。
【0027】
上記のようにして右側張力Trおよび左側張力Tlが算出されると、これらの張力Tr・Tlが張力演算器4や図示しない制御装置の表示装置に数値や図形として画面表示される。そして、帯状体1の幅方向の不均一度が張力バランスとしてオペレータに報知されることによって、帯状体1の中のびや耳波の発生の有無の確認に使用される(S8)。この後、右側張力Trと左側張力Tlとが平均化されることによって、総張力Ttotal (=〔Tr+Tl〕/2)が算出される(S9)。
【0028】
次に、帯状体比重ρが8900kg/m3 、帯状体厚さが0.5mm、帯状体幅が188mmの帯状体1に対して張力測定装置を適用し、総張力Ttotal と、張力バランス(右側張力Trおよび左側張力Tl)とを求めた。
【0029】
この結果、図5、図6、図7に示すような周波数応答が幅方向の右側、中央部および左側においてそれぞれ得られ、これらの周波数応答から幅方向右側における1次固有振動数f(=fr)が22.5Hz、幅方向左側における1次固有振動数f(=fr)が14.5Hzであるという測定結果が得られた。そして、これらの1次固有振動数f(=fr・fl)と、帯状体1の条件とが上述の(1)式に代入されることによって、右側張力Tr(403.2kgf)と左側張力Tl(282.4kgf)とが求められた後、これら張力Tr・Tlが平均化されることによって、342.8kgfの総張力Ttotal が得られた。
【0030】
一方、上記の帯状体1を歪みゲージにより測定したところ、幅方向右側の張力が415kgf、幅方向左側の張力が272.3kgf、総張力Ttotal が343.7kgfであった。これにより、本実施形態の張力測定装置は、歪みゲージを用いて帯状体1の幅方向の右側および左側を測定した場合と略同等の測定精度で総張力Ttotal および張力バランスを知ることができるものであることが確認された。
【0031】
以上のように、本実施形態の張力測定装置は、図1に示すように、長手方向の2点の位置で第1ロール8および第2ロール9により支持された帯状体1の振動を計測することにより張力を測定する張力測定装置であって、帯状体1の変位量を非接触で検出する変位量検出手段(非接触変位計3)と、変位量検出手段からの変位量信号の周波数特性を基にして幅方向右側および幅方向左側の1次固有振動数fをそれぞれ求め、これら1次固有振動数fを基にして幅方向右側および幅方向左側の張力をそれぞれ求めると共に、これら張力を平均化して総張力を求める張力演算手段(張力演算器4)とを有した構成にされている。
【0032】
具体的には、変位量検出手段(非接触変位計3)が幅方向右側および幅方向左側にそれぞれ配置され、張力演算手段において、幅方向右側の変位量検出手段からの変位量信号の周波数特性を基にして幅方向右側の1次固有振動数fを求め、幅方向左側の変位量検出手段からの変位量信号の周波数特性を基にして幅方向左側の1次固有振動数fを求める構成にされている。
【0033】
そして、この構成によれば、変位量検出手段を幅方向右側および幅方向左側に配置するという簡単および安価な構成によって、帯状体1の表面を傷つけることなく張力および張力バランスを高精度に求めることができることになる。
【0034】
また、本実施形態の張力測定装置は、上記の構成に加えて、さらに幅方向中央部に変位量検出手段(非接触変位計3)を有し、張力演算手段(張力演算器4)において、図8の1次固有振動数検出ルーチンにより1次固有振動数検出処理を行うことによって、幅方向中央部の変位量検出手段からの変位量信号の周波数特性を用いて、幅方向右側および左側の変位量検出手段からの変位量信号の周波数特性を基にして幅方向右側および幅方向左側の1次固有振動数fをそれぞれ識別して求める構成にされていても良い。
【0035】
即ち、図8の1次固有振動数検出ルーチンによる1次固有振動数検出処理を具体的に説明すると、図3の張力算出ルーチンにおいて右側変位データが読み出された後、1次固有振動数検出処理として図8の1次固有振動数検出ルーチンが実行される。これにより、右側変位データの第1FFT処理が行われ、例えば図5に示すように、整数倍の周波数毎にピーク値を有した振動の周波数成分が得られることになる(S21)。
【0036】
次に、第1FFT処理で得られた周波数成分の中から振幅が最大となるピーク値が検出され、このピーク値が1次モードピーク値f1として選択される(S22)。この後、中央部の非接触変位計3により検出された中央部変位データが読み出され(S23)、中央部変位データについての第2FFT処理が行われる(S24)。そして、S22において選択された1次モードピーク値f1が第2FFT処理で得られた周波数成分の中で振幅が最大となるピーク値f1’と一致するか否かが判定される(S25)。
【0037】
一致すると判定された場合には(S25,YES)、帯状体1の右側および左側に加えて中央部にも大きな振れが存在していると認識され、S22で選択されたピーク値f1が中央部で大きく振れる振動の1次固有振動数であると認識される。尚、このような中央部における大きな振れは、帯状体1の板幅と板長との比率が1に近づく程、即ち、ロール8・9間の帯状体1が正方形の形状に近づく程出現し易いものである。これにより、S22で検出された最大のピーク値の次に大きな振幅のピーク値が右側変位データの第1FFT処理の結果から検出され、このピーク値が新たな1次モードピーク値f1として選択される(S26)。そして、このピーク値f1を用いて上述のS25が再実行される。
【0038】
次に、一致しないと判定された場合には(S25,NO)、1次モードピーク値f1に各モード変数n(例えばn=2〜4)が積算され、1次モードピーク値f1に対して整数倍の2次〜4次モードピーク値f2〜f4がそれぞれ算出される(S27)。この後、FFT処理で得られた周波数成分から、2次〜4次モードピーク値f2〜f4の誤差Δf範囲内でのピーク値が検出され(S28)、各モードピーク値f2〜f4の誤差Δf範囲内にピーク値が存在するか否かが判定される(S29)。
【0039】
周波数成分のピーク値が存在しない場合には(S29,NO)、次に大きな振幅のピーク値が右側変位データの第1FFT処理の結果から検出され、このピーク値が新たな1次モードピーク値f1として選択される(S26)。そして、この1次モードピーク値f1を用いてS25から再実行される。
【0040】
一方、各モードピーク値f2〜f4に対応した周波数成分のピーク値が存在する場合には(S25,YES)、選択された1次モードピーク値f1が帯状体1の1次固有振動数であると認識され、本ルーチンが終了されて図3の張力算出ルーチンにリターンされる。
【0041】
上記の構成によれば、幅方向中央部で大きく振れる固有振動数fcが出現した場合であっても、幅方向右側および幅方向左側の1次固有振動数fをそれぞれ識別して帯状体1の張力および張力バランスを高精度に求めることができることになる。
【0042】
即ち、例えば帯状体1の板幅が長くなって板長との比率が小さくなると、幅方向の張力分布状態によっては、幅方向右側で大きく振れる固有振動数frや幅方向左側で大きく振れる固有振動数flだけでなく、幅方向中央部で大きく振れる固有振動数fcが出現する場合がある。これらの固有振動数fr・fl・fcは、図5、図6、図7の周波数分析結果のグラフにおいて、ピーク部分として現れる。そして、中央部の固有振動数fcも両側の固有振動数fr・flと同様に、整数倍にピークを持っている。従って、幅方向の左側および右側の2点での計測結果からのみでは、各固有振動数fr・fl・fcを判別することが困難になる場合がある。そこで、上記の構成のように、幅方向中央部に変位量検出手段を配置すれば、この変位量検出手段からの変位量信号の周波数特性を基にして中央部の固有振動数fcであるか否かを判別することができるため、幅方向右側および幅方向左側の変位量検出手段によりそれぞれの側の1次固有振動数fr・flを容易に判別して得ることができる。
【0043】
以上、本発明を好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において変更が可能である。
【0044】
即ち、本実施形態においては、第1ロール8と第2ロール9とで帯状体11を挟持することによって、帯状体11を2点で支持するようになっているが、帯状体11の表面や裏面の一方面にロールを当接させることにより支持するようになっていても良い。また、本実施形態においては、非接触変位計3を幅方向の右側、中央部および左側の3箇所に配置しているが、幅方向右側および幅方向左側の2箇所に配置していても良い。
【0046】
【発明の効果】
請求項1の発明は、長手方向の2点の位置で支持された帯状体の振動を計測することにより張力を測定する張力測定装置であって、前記帯状体の幅方向右側に配置され、幅方向右側の変位量を非接触で検出する幅方向右側変位量検出手段と、前記帯状体の幅方向左側に配置され、幅方向左側の変位量を非接触で検出する幅方向左側変位量検出手段と、前記幅方向右側変位量検出手段からの変位量信号を処理して、整数倍の周波数毎にピーク値を有した振動の周波数成分を得て、得られた周波数成分の中から振幅が最大となる前記ピーク値を検出し、このピーク値から幅方向右側に生じている1次固有振動数を求め、この1次固有振動数を基にして幅方向右側の張力を求める幅方向右側張力算出手段と、前記幅方向左側変位量検出手段からの変位量信号を処理して、整数倍の周波数毎にピーク値を有した振動の周波数成分を得て、この周波数成分の中から振幅が最大となる前記ピーク値を検出し、このピーク値から幅方向左側に生じている1次固有振動数を求め、この1次固有振動数を基にして幅方向左側の張力を求める幅方向左側張力検出手段と、前記幅方向右側の張力と前記幅方向左側の張力を平均化して総張力を求める張力演算手段とを有している構成である。
【0047】
上記の構成によれば、幅方向右側および幅方向左側の変位量を基にして1次固有振動数をそれぞれ求めた後、各1次固有振動数を用いて幅方向右側および幅方向左側の張力を求めるため、これらの張力を用いて幅方向における張力バランスを確認することができる。また、張力を平均化して総張力を求めることによって、帯状体の全体に生じている張力を得ることができる。そして、これらの総張力および張力バランスを求めるための変位量は、変位量検出手段により非接触で検出されている。従って、従来のように中間ロールを帯状体に押し当てて帯状体の張力を測定した場合には、帯状体の表面に傷を生じさせたり、中間ロールの反力による検出精度の低下を生じさせることになるが、上記の構成によれば、帯状体の表面を傷つけることなく張力および張力バランスを高精度に求めることができるという効果を奏する。
【0048】
さらに、上記の構成によれば、変位量検出手段を幅方向右側および幅方向左側に配置するという簡単および安価な構成で、帯状体の表面を傷つけることなく張力および張力バランスを高精度に求めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】張力測定装置の配置状態を示す説明図である。
【図2】帯状体と張力の関係を示す説明図である。
【図3】張力算出ルーチンのフローチャートである。
【図4】1次固有振動数検出ルーチンのフローチャートである。
【図5】幅方向右側における周波数と変位との関係を示すグラフである。
【図6】幅方向左側における周波数と変位との関係を示すグラフである。
【図7】幅方向中央部における周波数と変位との関係を示すグラフである。
【図8】1次固有振動数検出ルーチンのフローチャートである。
【図9】従来の張力測定装置で張力を検出する状態を示す説明図である。
【図10】従来の張力測定装置の斜視図である。
【符号の説明】
1 帯状体
3 非接触変位計
4 張力演算器
8 第1ロール
9 第2ロール

Claims (1)

  1. 長手方向の2点の位置で支持された帯状体の振動を計測することにより張力を測定する張力測定装置であって、
    前記帯状体の幅方向右側に配置され、幅方向右側の変位量を非接触で検出する幅方向右側変位量検出手段と、
    前記帯状体の幅方向左側に配置され、幅方向左側の変位量を非接触で検出する幅方向左側変位量検出手段と、
    前記幅方向右側変位量検出手段からの変位量信号を処理して、整数倍の周波数毎にピーク値を有した振動の周波数成分を得て、得られた周波数成分の中から振幅が最大となる前記ピーク値を検出し、このピーク値から幅方向右側に生じている1次固有振動数を求め、この1次固有振動数を基にして幅方向右側の張力を求める幅方向右側張力算出手段と、
    前記幅方向左側変位量検出手段からの変位量信号を処理して、整数倍の周波数毎にピーク値を有した振動の周波数成分を得て、この周波数成分の中から振幅が最大となる前記ピーク値を検出し、このピーク値から幅方向左側に生じている1次固有振動数を求め、この1次固有振動数を基にして幅方向左側の張力を求める幅方向左側張力検出手段と、
    前記幅方向右側の張力と前記幅方向左側の張力を平均化して総張力を求める張力演算手段とを有していることを特徴とする張力測定装置。
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