JP3617400B2 - 垂直磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気記録媒体の製造方法に関し、特に軟磁性下地層の磁区を固定する硬磁性ピンニング層を有する積層構造の垂直磁気記録媒体に好適な製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
磁気記録方式としては、面内記録方式が広く普及しているが、最近記録密度の向上を図ることができる垂直記録方式が注目されている。この垂直磁気記録媒体としては、垂直記録層単層による単層膜媒体とともに、軟磁性下地層と垂直記録層とによる2層膜媒体が多く検討されている。特に2層膜媒体は、単磁極型ヘッドと組合わせることによって効率のよい記録再生を行なうことができる。
【0003】
この2層膜の垂直磁気記録媒体の製造方法としては、例えば特開平6−342512号(特願平3−278595号)に開示されたものがある。これによれば、Co−Zr系のアモルファス軟磁性膜を下地層とする垂直配向性の鋭い垂直記録層が得られ、記録効率の向上に特に有効である。しかし、この方法で製作された垂直記録媒体は、信号記録後、浮遊磁界によって信号強度が減衰しやすいという性質がある。これは、軟磁性下地層の磁壁が浮遊磁界によって動きやすく、その下地層から発生する磁界が垂直記録層の記録信号を消去してしまうためである。この軟磁性下地層の磁壁から発生する磁界は、媒体ノイズを大きくする原因ともなる。
【0004】
一方、磁気記録媒体には、媒体面上にディフェクトが少ないことが要求される。ディフェクトは、記録信号のドロップアウト,ノイズ発生,エラーレートの増大を招くだけでなく、ヘッドクラッシュを引き起こす要因にもなる。ディフェクトができる要因の一つに、成膜チャンバ内に浮遊する磁性粒子の基板への付着がある。
【0005】
このような信号劣化を防止するとともに、媒体ノイズを低減する従来技術としては、特開平7−129946号(特願平5−277687号)に開示された垂直磁気記録媒体の製造方法がある。この方法によれば、ディスク状の基板と軟磁性下地層との間に、半径方向に残留磁化を有する面内配向硬磁性ピンニング層を設けることによって、記録再生特性を損ねることなく、信号劣化が防止され、更に媒体ノイズが低減される。この方法は、面内配向硬磁性ピンニング層がCoSmのようなディスク状媒体の半径方向に1軸磁気異方性を有する場合に、特に大きな効果が得られる。
【0006】
更に、該公報に開示されているように、軟磁性下地層の透磁率μを高くして再生出力を高める手法として、軟磁性下地層を成膜した後に、10−3Pa以下の真空中であって、軟磁性下地層の磁化が飽和する程度に十分強い24kA/mの回転磁界中で、熱処理を施す方法が有効である。これは、Co−Zr系アモルファス膜中の原子が熱と磁界の作用によって拡散し、異方性磁界が弱められることで透磁率μが高くなることを利用したものである。
【0007】
特公平4−73212号公報には、軟磁性層の磁化容易軸を半径方向にそろえる手段として、ディスク基板の中心部に磁石を設け、放射状の磁界中で成膜する方法が開示されている。更に、軟磁性層の磁化容易軸を半径方向にそろえるもう一つの手段として、特開平6−180834号公報に示すように、非磁性基板上に軟磁性裏打ち層として、軟磁性膜と非磁性基板の半径方向又は円周方向に残留磁化を付与した硬磁性膜とを交互に少なくとも2層膜以上積層した構成とし、その軟磁性裏打ち層上に垂直記録層を設ける方法が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上のような従来技術には次のような不都合がある。
(1)上記特開平7−129946号の手法の場合、1MHz前後では軟磁性下地層の透磁率μを高くすることができるものの、10MHz以上の高周波領域では逆に特性が劣化する傾向にあり、高周波記録を実現しようとするとむしろ弊害となる。また、成膜後に熱処理を行わなければならず、工程が複雑になってコスト増となるという不都合がある。
(2)前記特公平4−73212号公報の方法では、ディスクの中心近傍では放射状の強い磁界が得られるものの、外周にいくほど磁界は弱くなってしまい、軟磁性層の磁化容易軸を半径方向にそろえる効果が小さい。特に媒体が面内方向に1軸磁気異方性をもつ硬磁性ピンニング層を有する3層構造の場合、硬磁性層の磁化容易軸も半径方向にそろえる必要があるが、この方法では不充分である。
(3)特開平7−129946号公報及び特開平6−180834号公報の方法では、マグネトロンの磁界を利用して硬磁性層の残留磁化を半径方向にそろえることは可能であるが、硬磁性層の磁化容易軸をそろえる、つまり磁気異方性を制御するには磁界が不充分である。このため、この方法で作製された磁気記録媒体においては、軟磁性下地層のわずかな磁壁の影響により、スパイクノイズを完全には除去できない。
【0009】
本発明は、以上の点に着目したもので、ノイズやディフェクトを低減した良好な特性を得ることができる垂直磁気記録媒体の製造方法を提供することを、その目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、この発明は、真空チャンバ内にディスク状のターゲットの半径方向に第1磁界を印加するマグネトロン部を備えたマグネトロンスパッタ装置を用いて、前記ターゲットをスパッタすることにより、前記ターゲットに対向配置されたディスク状の非磁性基板上に、硬磁性ピンニング層、軟磁性下地層、垂直記録層を順次積層する垂直磁気記録媒体の製造方法において、中心軸を前記ターゲットと同じくした前記非磁性基板の半径方向に第2磁界を印加する磁界印加部を前記マグネトロン部に対向配置するとともに、前記各層の形成を、前記非磁性基板全面に亘って前記硬磁性ピンニング層の保磁力よりも大きく、かつ、前記非磁性基板の内周側と外周側では前記硬磁性ピンニング層の異方性磁界よりも大きい磁界を印加しながら行うこと,を特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
<実施形態とその実施例>……以下、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態によれば、非磁性基板上に硬磁性ピンニング層,軟磁性下地層,垂直記録層を少なくとも成膜して垂直磁気記録媒体を製造する。ここで、硬磁性ピンニング層は、軟磁性下地層の磁区を固定する面内方向に1軸磁気異方性をもつものである。そして、硬磁性ピンニング層や軟磁性下地層を成膜する際に磁界を印加する。この磁界の媒体面内方向の成分は、磁気ヘッドの走行方向と直角する方向,すなわちディスクの場合は半径方向である。また、磁界の大きさは、媒体全面にわたって硬磁性ピンニング層の保磁力Hcよりも大きく、かつ媒体面の一部で、異方性磁界Hkよりも大きくなるように設定する。磁界印加の効果は、硬磁性ピンニング層と軟磁性下地層との磁気的交換結合が強いほど有効である。
【0012】
このような磁界の印加方法として、複数の磁石が基板近傍に設けられる。ディスクの場合は、その中心と外周部に磁石を設けると効果的であり、テープの場合は、テープの両サイドに磁石を設けると効果的である。特にマグネトロンスパッタ装置で成膜を行なう場合、該スパッタ装置のマグネトロンによって形成される磁界も加えると、更に効率的である。
【0013】
このような磁界の印加によって、成膜後に着磁を行わなくても軟磁性下地層の残留磁化を所定の方向にそろえられるだけでなく、熱処理なしで磁化容易軸をも確実に所定の方向にそろえることができる。また、軟磁性下地層成膜後であって、垂直記録層を成膜する前に、磁界を印加しながら加熱を行なうことで、軟磁性下地層の磁気異方性がより強まるとともに、垂直記録層の保磁力Hcが向上する効果もある。更に、磁性粒子が浮遊していたとしても、基板近傍の強い磁界に沿って吸い寄せられるようになる。このため、媒体面に対する浮遊磁性粒子の付着が防げられるようになり、ディフェクトを低減することができる。
【0014】
次に、図を参照して具体的に説明する。図1には、本実施形態の垂直磁気記録媒体を製造するためのマグネトロンスパッタ装置の概略断面が示されている。同図において、マグネトロンスパッタ装置の真空チャンバ(図示せず)内で、ディスク状の非磁性基板10及びターゲット12は、磁界印加装置14とマグネトロン16の間に対向して配置されている。図示の例では、磁界印加装置14側に基板10が配置されており、マグネトロン16側にターゲット12が配置されている。磁界印加装置14は、ディスク状の純鉄によるヨーク20に、円柱状の希土類磁石22とリング状の希土類磁石24とが基板10の中心部と外周側とに分かれて同心円状に設けられた構成となっている。すなわち、ヨーク20の中央に磁石22が設けられており、これを囲むように磁石24が設けられている。マグネトロン16は、ディスク状の純鉄によるヨーク30に、円柱状の希土類磁石32とリング状の希土類磁石34が同心円状に設けられた構成となっている。すなわち、ヨーク30の中央に磁石32が設けられており、これを囲むように磁石34が設けられている。
【0015】
各磁石は、例えば図示のような極性(あるいはそれらの逆)となるように配置される。磁界印加装置14側では、内側の磁石22から出た磁束がヨーク20内を通って外側の磁石24に入り、外側の磁石24から出た磁束が基板10側を通って内側の磁石22に入る。マグネトロン16側では、内側の磁石32から出た磁束がヨーク30内を通って外側の磁石34に入り、外側の磁石34から出た磁束がターゲット12側を通って内側の磁石22に入る。このように、基板10近傍の半径方向に磁束が通っており、更に磁界印加装置14とマグネトロン16の磁束は、基板半径方向で一致する方向となっている。
【0016】
図2には、本実施形態の垂直磁気記録媒体の積層構造が示されている。本形態によれば、非磁性基板10上にまず硬磁性ピンニング層50が形成され、この硬磁性ピンニング層50上に軟磁性下地層52が形成される。そして、この軟磁性下地層52上に垂直記録層54が形成される。垂直記録層54上には保護膜56が形成され、その表面には潤滑剤58が塗布される。
【0017】
次に、本形態の垂直磁気記録媒体の製造手順について説明する。まず、図1に示したように、マグネトロンスパッタ装置の真空チャンバ内に、例えば直径95mmΦの大きさのディスク状のガラス基板10と、ターゲット12として例えば硬磁性ピンニング層用はCoSmを、軟磁性下地層用はCoZrNbを、垂直記録層用はCoCrTaを、それぞれセットする。なお、基板10と、各ターゲット12とがそれぞれの成膜時に対向できる構成となっている。そして、上述したように基板近傍に半径方向に磁界を印加しつつ室温でマグネトロンスパッタを行なって、基板10上に1軸磁気異方性をもつ硬磁性ピンニング層50を形成する。例えば、原子量割合(at%)がCo:Sm=83:17の硬磁性膜を150nm成膜する。その保磁力はHc=10〜30kA/m,異方性磁界はHk=50〜100kA/mである。また、マグネトロン16の磁石32,34による磁界の寄与分は、基板10の位置で約4kA/mである。
【0018】
次に、同一の真空チャンバ内で、以上のようにして形成した硬磁性ピンニング層50上に、同様に基板半径方向に磁界が形成された状態で、軟磁性下地層52をマグネトロンスパッタで形成する。例えば、原子量割合(at%)がCo:Zr:Nb=91:5:4の軟磁性膜を600nm成膜する。なお、保磁力はHc=10kA/m,異方性磁界はHk=1.5〜2.5kA/mである。
【0019】
このときの基板付近の磁力線の様子及び基板半径方向の磁界Hrの分布を示すと、それぞれ図3及び図4に示すようになる。図3に示すように、磁力線は、基板10付近で半径方向となっている。この半径方向の磁界Hrの分布を求めると、図4に示すようになる。同図において、縦軸は磁界Hrの強度であり、横軸は基板半径の大きさである。磁界分布は、基板10の膜形成面10AのZ方向(図1参照)の高さをパラメータとして測定した。膜形成面10Aの位置をZ=5mmとすると、全ての膜形成面10A上で、磁界Hrが硬磁性ピンニング層50の保磁力Hc(=10〜30kA/m)よりも大きく、40kA/m以上となっている。
【0020】
また、基板10の内周側と外周側では、磁界Hrが、硬磁性ピンニング層50の異方性磁界Hk(=50〜100kA/m)よりも大きく100kA/m以上となっている。更に磁石22,24のエッジに相当する半径R=10mmと50mmの位置では、磁界Hrが特に強く、浮遊磁性粒子を引き寄せる効果が大きい。
【0021】
次に、同一の真空チャンバ内で、前記軟磁性下地層52が形成された基板10を、同一真空チャンバ内で約250℃に加熱した後、垂直記録層54をマグネトロンスパッタにより形成する。例えば、Co,Cr,Taを原子割合(at%)で、74:22:4とした垂直記録層54が50nmの膜厚に形成される。
【0022】
次に、この垂直記録層54上に、保護膜56として例えばCを5nm成膜し、更に潤滑剤58を塗布して記録媒体を得る。なお、ここでは、改めて硬磁性ピンニング層50及び軟磁性下地層52を着磁する操作は行っていない。
【0023】
<比較例>……次に、上述した実施例と特性を対比するための比較例について説明する。この比較例でも、成膜はマグネトロンスパッタ法で行う。そして、成膜時は、上側の磁石22とマグネトロン16側の磁石32,34を利用して、つまり磁石24を除いて、基板半径方向に磁界を印加した。まず、径が95mmφのディスク状のガラス基板10上に、室温で硬磁性ピンニング層50として、原子量割合(at%)がCo:Sm=83:17の硬磁性膜を150nm成膜する。なお、保磁力はHc=10〜30kA/mである。
【0024】
次に、以上のようにして形成した硬磁性ピンニング層50上に、同様に基板半径方向に磁界が形成された状態で、軟磁性下地層52をマグネトロンスパッタで形成する。例えば、原子量割合(at%)がCo:Zr:Nb=91:5:4の軟磁性膜を600nm成膜する。なお、保磁力はHc=10kA/m,異方性磁界はHk=1.5〜2.5kA/mである。これらの点は、前記実施例と同様である。
【0025】
このときの基板付近の磁力線の様子及び基板半径方向の磁界Hrの分布を示すと、それぞれ図5及び図6に示すようになる。図5に示すように、磁力線は、基板10の中心近傍で強くなっているものの、基板外周にいくほど弱くなってしまう。この半径方向の磁界Hrの分布を求めると、図6に示すようになる。同図において、縦軸は磁界Hrの強度であり、横軸は基板半径の大きさである。磁界分布は、基板10の膜形成面10AのZ方向(図1参照)の高さをパラメータとして測定した。膜形成面10Aの位置をZ=5mmとすると、磁界Hrは、基板面の大部分で硬磁性ピンニング層50の保磁力Hc(=10〜30kA/m)よりも小さくなってしまう。
【0026】
また、基板10の内周側の半径10mmの部位では、磁界Hrが、硬磁性ピンニング層50の異方性磁界Hk(=50〜100kA/m)よりも大きくなっているものの、他の部位では磁界Hrが弱い。このため、浮遊磁性粒子を引き寄せる効果は小さい。
【0027】
次に、前記実施例と同じ手順で、垂直記録層54,保護膜56,潤滑層58をそれぞれ形成する。そして最後に、別の永久磁石(図示せず)によって軟磁性下地層52を半径方向の1方向に着磁させて、比較例の記録媒体を得る。
【0028】
<実施形態と比較例の対比>
【0029】
次に、以上のようにして得た実施例及び比較例を対比する。まず、各サンプルのスパイクノイズを対比する。スパイクノイズは、トラック幅2.3μmのMRヘッドを用い、媒体の信号未記録の部分に対して0.2mm間隔で60トラック,6mmのトラック幅にわたって調べた。その結果、実施例は図7に示すようになり、比較例は図8に示すようになった。これらの図中、縦軸はノイズ電圧(mV)であり、横軸は円周方向の角度であって、複数のトラックに対応して縦軸方向にグラフをシフトしている。
【0030】
まず図7を参照すると、実施例の記録媒体では、軟磁性下地層52の磁化容易軸が半径方向にしっかり配向しているため、磁壁に起因するノイズ(特定の角度位置に集中的に発生しているノイズ)はなく、突発的に発生しているディフェクトに起因するノイズも少ない。一方、図8に示すように、比較例の記録媒体では、軟磁性下地層52の磁化容易軸が半径方向にしっかりと配向していない。このため、半径方向への着磁操作を行なっても半径方向からずれた磁化容易軸方向に磁化してしまい、磁壁に起因するノイズが多発している。更に、ディフェクトに起因する突発的なノイズも多い。
【0031】
次に、硬磁性ピンニング層50の円周方向の角型比を対比する。角型比Rsは、記録媒体の半径35mmの位置で、円周方向にわたって調べた。その結果は、図9に示すとおりである。図中、縦軸は角型比Rsであり、横軸は円周方向の角度である。なお、角型比Rsは、(残留磁化Mr/飽和磁化Ms)で定義される。同図から明らかなように、実施例は比較例に比べて、全周にわたって角型比Rsの値が低く、磁化容易軸が半径方向にしっかり揃っていることを示している。比較例において、角型比Rsが大きくなっているのは、磁化容易軸が半径方向に対して傾いているためである。
【0032】
本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
▲1▼成膜後に着磁を行わなくても軟磁性下地層の残留磁化方向を所定の方向にそろえることができ、ノイズが低減される。
▲2▼熱処理なしで軟磁性下地層の磁化容易軸を確実に所定の方向にそろえることができ、これによってもノイズが低減される。
▲3▼軟磁性下地層の成膜後、垂直記録層を成膜する前に、磁界を印加しながら加熱を行なうことで、軟磁性下地層の磁気異方性がより強まるとともに、垂直記録層の保磁力Hcが向上する。
▲4▼基板近傍の強い磁界によって、磁性粒子が浮遊していても磁界に沿って吸い寄せられるため、基板面上への付着が防止され、ディフェクトが低減される。
【0033】
なお、上述した実施形態は、主としてディスク状の磁気記録媒体の例であるが、他の磁気記録媒体,例えばテープ状の磁気記録媒体にも同様に適用可能である。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、基板に所定方向の磁界が形成されるように複数の磁石を配置することとしたので、ノイズやディフェクトを低減した良好な特性の垂直磁気記録媒体を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における垂直磁気記録媒体の製造装置を示す主要断面図である。
【図2】垂直磁気記録媒体の積層構造を示す図である。
【図3】実施例における基板付近の磁力線の様子を示す図である。
【図4】実施例における基板半径方向の磁界Hrの分布を示すグラフである。
【図5】比較例における基板付近の磁力線の様子を示す図である。
【図6】比較例における基板半径方向の磁界Hrの分布を示すグラフである。
【図7】実施例におけるスパイクノイズの測定例を示すグラフである。
【図8】比較例におけるスパイクノイズの測定例を示すグラフである。
【図9】実施例及び比較例の硬磁性ピンニング層における円周方向の角型比Rsを示すグラフである。
【符号の説明】
10…基板
10A…膜形成面
12…ターゲット
14…磁界印加装置
16…マグネトロン
20…ヨーク
22,24…希土類磁石
30…ヨーク
32,34…希土類磁石
50…硬磁性ピンニング層
52…軟磁性下地層
54…垂直記録層
56…保護膜
58…潤滑剤
Claims (1)
- 真空チャンバ内にディスク状のターゲットの半径方向に第1磁界を印加するマグネトロン部を備えたマグネトロンスパッタ装置を用いて、前記ターゲットをスパッタすることにより、前記ターゲットに対向配置したディスク状の非磁性基板上に、硬磁性ピンニング層、軟磁性下地層、垂直記録層を順次積層する垂直磁気記録媒体の製造方法において、
中心軸を前記ターゲットと同じくした前記非磁性基板の半径方向に第2磁界を印加する磁界印加部を前記マグネトロン部に対向配置するとともに、
前記各層の形成を、前記非磁性基板全面に亘って前記硬磁性ピンニング層の保磁力よりも大きく、かつ、前記非磁性基板の内周側と外周側では前記硬磁性ピンニング層の異方性磁界よりも大きい磁界を印加しながら行うこと,
を特徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法。
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