JP3616015B2 - 補助収納ケース及びこれを用いた遊技台 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メダル、球等の遊技媒体を用いた遊技台に用いられる補助収納ケースおよびこれを用いた遊技台に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、遊技台の一つであるスロットマシンでは、遊技者により投入されたメダル(遊技媒体)は遊技媒体払出装置(ホッパー)で受けて貯蔵され、入賞するとこのホッパーより遊技者へ貯蔵したメダルから払い出しがホッパーにより行われる。
【0003】
そこで、ゲーム中に遊技者により投入されるメダル枚数が、入賞により遊技者へ払い出されるメダルの枚数に対して大幅に増加すると、図7(a)に示すように、スロットマシン本体501に内蔵されたホッパー502には規定容量以上のメダルが貯蔵され、最終的には余剰メダルとして溢れ出る。この溢れ出たメダルは、例えば、ホッパー502の横に配置される補助収納ケース503へ収納される。
【0004】
図7(b)には、ホッパー502から溢れ出たメダル504が補助収納ケース503へ落下していく様子が示されている。 一般に、補助収納ケース503は、本体503aと底板503bを有して構成される。本体503aは、上側開口部503cと下側開口部503dが形成され、下側開口部503dは底板503bによって閉じられている。底板503bは、ネジ503eによって本体503aに対して完全に固定されている。
【0005】
この補助収納ケース503がメダルで満杯になると、一般にスロットマシンにメダルが満杯である警報が表示され、遊技者はゲームを中断する。そこで店の従業員は補助収納ケース503をスロットマシンから取り出して大容量の回収タンク(図示省略)まで持ち運び、ケース内のメダルを回収タンクへ返す。
【0006】
一方、島設備としてメダル自動回収システムが存在する場合は、特に図示しないが、底板の無いタイプの補助収納ケースをスロットマシンにセットする。
【0007】
この場合、ホッパーから溢れ出たメダルは補助収納ケースの上側開口部から入ってそのまま下側開口部を通過し、その後、スロットマシンの底部に形成された排出口よりスロットマシンの外部へ排出される。排出されたメダルは、コンベア等で搬送され、回収タンク等に回収される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の補助収納ケースでは、島設備にメダル自動回収システムが設置されているか否かで、底板をネジで取り付けたり、取り外したりする作業の必要があり、工場出荷時あるいは店内設置時に余計な作業が発生するという問題がある。
【0009】
また、仮に、底板のネジ止めを無くして単に底板をケース内に配置するだけの構造にしたとしても、メダルをタンクに戻そうとして補助収納ケースを逆さにした時に底板が外れてメダルと共に底板がメダルのタンクへ落下してしまうという問題がある。
【0010】
本発明は以上のような問題点に鑑みなされたものであって、本発明の目的は、補助収納ケースを遊技台にセットするにあたって手間がかからず、また、使い勝手の良い補助収ケース及びこれを用いた遊技台を提供することにある。
【0011】
即ち本発明の目的は、メダル自動回収システムの有り無しに応じて迅速かつ容易に対処可能となる補助収納ケース及びこれを用いた遊技台を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の一態様によれば、遊技媒体の投入とゲームの開始操作により複数列のリールの移動を開始させると共に内部抽選を実行し、前記内部抽選の結果とリールの停止操作に基づいて前記各リールを停止させ、入賞ライン上に所定の絵柄の組み合わせが停止した場合には、遊技媒体払出装置を駆動して遊技媒体を払出口より払い出す遊技台において、投入された遊技媒体が前記遊技媒体払出装置に満杯となり溢れ出た場合、選択的に、前記溢れ出た遊技媒体を内部に収納しておくか又は前記溢れ出た遊技媒体を遊技台に設けられた遊技媒体を回収するための排出口より遊技台の外部へ排出することのできる構造を有する補助収納ケースであって、前記補助収納ケースは少なくとも本体と開閉板を備え、前記本体は、前記遊技媒体払出装置から溢れ出た遊技媒体を受け入れる上側開口部と、前記上側開口部から受け入れた前記遊技媒体を前記遊技台の前記排出口に連通して前記排出口へと流下させる下側開口部とを形成し、前記開閉板は前記本体の下側開口部に配置されて移動操作自在であり、且つ、少なくとも前記本体の上側開口部が真上又は真下を向く姿勢では前記開閉板を前記本体から脱落させることのないように保持する開閉板保持機構を設け、前記開閉板保持機構は、前記本体に設けられたガイドレール部と規制部とを含んで構成され、前記ガイドレール部は前記本体の下側開口部において前記開閉板を直線的に案内し、前記規制部は少なくとも前記本体の下側開口部を閉じることになる閉位置に前記開閉板が案内された場合には、前記ガイドレールから離間する方向への前記開閉板の動きを規制することを特徴とする。
【0014】
更に、前記開閉板保持機構は、前記本体に設けられたストッパーを含んで構成され、前記ストッパーは前記ガイドレール上の前記開閉板を係止し前記ガイドレールに沿って前記開閉板が抜け落ちない構成とすることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の他の態様によれば、遊技媒体の投入とゲームの開始操作により複数列のリールの移動を開始させると共に内部抽選を実行し、前記内部抽選の結果とリールの停止操作に基づいて前記各リールを停止させ、入賞ライン上に所定の絵柄の組み合わせが停止した場合には、遊技媒体払出装置を駆動して遊技媒体を払出口より払い出す遊技台において、投入された遊技媒体が前記遊技媒体払出装置に満杯となり溢れ出た場合、選択的に、前記溢れ出た遊技媒体を内部に収納しておくか又は前記溢れ出た遊技媒体を遊技台に設けられた遊技媒体を回収するための排出口より遊技台の外部へ排出することのできる構造を有する補助収納ケースであって、前記補助収納ケースは少なくとも本体と開閉板を備え、前記本体は、前記遊技媒体払出装置から溢れ出た遊技媒体を受け入れる上側開口部と、前記上側開口部から受け入れた前記遊技媒体を前記遊技台の前記排出口に連通して前記排出口へと流下させる下側開口部とを形成し、前記開閉板は前記本体の下側開口部に配置されて移動操作自在であり、且つ、少なくとも前記本体の上側開口部が真上又は真下を向く姿勢では前記開閉板を前記本体から脱落させることのないように保持する開閉板保持機構を設け、前記開閉板保持機構は、前記本体に設けた、前記開閉板を表と裏の両側から狭持する表側保持部及び裏側保持部を含んで構成し、前記表側保持部又は前記裏側保持部のうちの少なくとも一方は、それ自体の材質又はその周囲部分の材質の弾性を利用し、前記開閉板の着脱時に変位し前記開閉板の装着又は離脱を容易に行えるように構成したことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の他の態様によれば、遊技媒体の投入とゲームの開始操作により複数列のリールの移動を開始させると共に内部抽選を実行し、前記内部抽選の結果とリールの停止操作に基づいて前記各リールを停止させ、入賞ライン上に所定の絵柄の組み合わせが停止した場合には、遊技媒体払出装置を駆動して遊技媒体を払出口より払い出す遊技台において、投入された遊技媒体が前記遊技媒体払出装置に満杯となり溢れ出た場合、選択的に、前記溢れ出た遊技媒体を内部に収納しておくか又は前記溢れ出た遊技媒体を遊技台に設けられた遊技媒体を回収するための排出口より遊技台の外部へ排出することのできる構造を有する補助収納ケースであって、前記補助収納ケースは少なくとも本体と開閉板を備え、前記本体は、前記遊技媒体払出装置から溢れ出た遊技媒体を受け入れる上側開口部と、前記上側開口部から受け入れた前記遊技媒体を前記遊技台の前記排出口に連通して前記排出口へと流下させる下側開口部とを形成し、前記開閉板は前記本体の下側開口部に配置されて移動操作自在であり、且つ、少なくとも前記本体の上側開口部が真上又は真下を向く姿勢では前記開閉板を前記本体から脱落させることのないように保持する開閉板保持機構を設け、前記開閉板は磁石で吸引可能な材料で形成され、前記開閉板保持機構前記本体に設けられた前記開閉板を吸引する磁石を有することを特徴とする。
【0017】
更に、前記開閉板は、複数個に分割された構成からなることを特徴とする。
【0018】
更に、前記開閉板には前記遊技媒体の径よりも小さい径の複数の貫通孔が形成されていることを特徴とする補助収納ケースを提供することにより、本発明が解決しようとする課題の解決を達成できる。
更に、上述の補助収納ケースを用いた遊技台を提供することにより本発明が解決しようとする課題の解決を達成できる。
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る遊技台の一例としてスロットマシンを例にとり、本発明の実施の形態の例を幾つか挙げ、添付図面を用いて詳細に説明する。
[実施の形態1]
(スロットマシンの構成)
図1は本実施の形態1におけるスロットマシンを正面から見た場合の外観構造と内部構造の例を示す。以下図1に従ってスロットマシンの構造を説明する。
【0019】
スロットマシンは、図1(a)に示すように、スロットマシン本体100の中心部には、外周面に複数種類の図柄(例えば“7”を含む)を有するリールが3個(左リール101、中リール102、右リール103)収納され、本体100の内部で回転できるように構成されている。各リール101〜103の図柄は、本体100の正面に設けられたリール図柄表示窓104〜106を通して見ることができる。
【0020】
参照番号107はスロットマシンのゲームに関する各種情報を提示するランプ群である。108〜110はメダルの獲得枚数等に関する表示を行う表示器群である。111は入賞ライン表示ランプであり、投入されたメダルの枚数に対応した入賞ラインを報知する。112はゲームを開始するに当たって遊技者がメダルを投入するメダル投入口である。113、114、115は、クレジットベットボタンであり、順に、メダル1枚掛ボタン、メダル最大2枚掛ボタン、メダル最大3枚掛ボタンである。
【0021】
参照番号116〜118は、それぞれ、リール101〜103を停止させるためのストップボタンであり、各リールに対応して設けられている。同図においては、左リールストップボタン116が左リール101に、中リールストップボタン117が中リール102に、右リールストップボタン118が右リール103に、各々対応している。
【0022】
参照番号119はゲームを開始させるためのスタートレバーであり、遊技者がこのレバーを操作すると、各々のリール101〜103が一斉に回転を開始すると同時に、スロットマシン100内部に設けられた制御部で乱数抽選が行われる。
【0023】
参照番号120はメダルの払出口であり、ここから払出されたメダルはメダル受皿121に溜まるようになっている。122はフリッカー表示ランプであり、内部のランプが点灯/消灯/点滅し、ゲームを盛り上げる。
【0024】
スロットマシンの内部には、図1(b)に示すように、前述したリール101、102、103から成るリールユニット200やスロットマシンの各部を制御する制御部210が設けられている。制御部210は、CPU、ROM、RAM等から構成されている。
【0025】
リールユニット200の真下には、ホッパー(遊技媒体払出装置)220が配置されている。ホッパー220は、遊技者により投入されたメダルを受けて貯蔵し、入賞するとこのホッパーより遊技者へ制御部210から出力されたメダル払い出し信号に基づいて所定数のメダルを払い出す装置である。
ホッパー220の横には、補助収納ケース300が配置されている。島設備としてメダル自動回収装置が設置されていない場合、ホッパー220から溢れ出たメダルは、この補助収納ケース300に収納される。
【0026】
一方、スロットマシン100の底には、図1(c)に示すように、補助収納ケース300の真下に位置する部分に、島設備としてメダル自動回収装置が設置される場合向けに専用の排出口230が設けられていて、底無しの補助収納ケース300をセットすることにより、ホッパー220から溢れ出たメダルは、この補助収納ケース300を通過して、排出口230よりスロットマシンの外部に排出される。
【0027】
(補助収納ケースの構成)
次に、図2、図3に示す補助収納ケースの構成を説明するための図を用いて、本実施の形態1における補助収納ケース300の構成について詳細に説明する。
【0028】
図2は補助収納ケース300の外観斜視図であり、開閉板(具体的には底板)320が補助収納ケース本体310に対して着脱できる様子を示している。
【0029】
図3に、補助収納ケース300の中心を縦方向に切断した場合の縦断面図の一例を示す。本実施の形態1における補助収納ケースは図からも分かるように、この縦断面を中心に左右対称に構成されている。
【0030】
補助収納ケース300の本体310は、前述のように、ホッパー220から溢れ出たメダルを受け入れる上側開口部311と、上側開口部311から受け入れたメダルを図1(c)で説明した排出口230へと流下させるための下側開口部312(図3(b)参照)と、底板320が挿入される挿入口313とを備え、ガイドレール部314、規制部315、316、ストッパー317等を含めて樹脂(本実施の形態1ではABS樹脂)で一体成形されている。本体310の寸法は、図1(b)又は(c)に示すようにホッパー220の横の配置スペースの大きさに応じて決定している。
【0031】
底板320は、鋼板(本実施の形態1ではステンレス鋼で形成された長方形の板材)の材料を使用しており、本体310の下側開口部312を閉じるために必要な大きさを形している。
【0032】
なお、本実施の形態1では、本体310を樹脂材料で形成し、底板320を金属材料で形成しているが、材質については適宜選択すればよいことは明らかであろう。
【0033】
本実施の形態1における底板320には、図に示すようにメダルよりもやや小さい貫通孔321が複数個(ここでは直列に4個)形成されている。このような貫通孔321を設けることによって、ホッパー220からこぼれ落ちたメダルが底板320に当たったときに生じる落下音を小さくすることができる。また、底板320を着脱する際に、これらの貫通孔321に指をかけて底板320をスライドさせることも可能であり、更に、貫通孔321の分だけ底板320の軽量化を計ることができる。
【0034】
貫通孔321の形状や個数や配置は適宜決めればよい。ただし、少なくとも貫通孔321からメダルが抜け落ちてしまうことが無いよう考慮する必要がある。貫通孔321以外にも、底板320の前端と後端には、それぞれ止め孔322が形成されている。
【0035】
ガイドレール部314は、図からも分かるように本体側面310bの下縁部に、内側に所要幅だけ突出しつつ本体310の長手方向に延在するように設けられている。このガイドレール部314によって底板320は、本体310の長手方向に直線的に案内される。
規制部315、316は図3(b)に示すように、本体正面310aの下縁部と、本体背面310cの下縁部に、それぞれ、内側に向けて所要幅だけ突出しつつ本体310の幅方向に延在する。又規制部315、316は、ガイドレール部314の上面を基準にして底板320の厚みの分だけ高い位置に配設されている。
【0036】
従って、規制部315、316は、図2(a)、図3(a)に示すように、本体310の下側開口部312を閉じることになる閉位置に底板320が存在する場合には、この底板320の両端を係止して、ガイドレール部314から離間する方向への動きを規制する。ここで、規制部315、316が設けられていないと、本体310を逆さにしたときに底板320がそのまま落下してしまうことになる。
【0037】
なお、規制部315、316の形状は、同図に示すような短片状でなくてもよい。例えば、爪状のものであっても構わない。また、仮に、挿入口313の付近が頑丈であれば、同図の規制部315は必ずしも設ける必要はない。この場合、挿入口313自体が規制部315としての機能を果たすこととなる。
【0038】
一方、本体背面310cの下縁部の中心には、本体310を斜めにしたときに底板320がガイドレール部314上を滑って挿入口313から飛び出さないよう、ストッパー317が設けられている。ストッパー317は、適度な剛性を有する板片状の可撓部317aと、可撓部317aの先端より上向きに突出して、底板320に形成された止め孔322に係合する爪部317bを含んで構成されている。
【0039】
ここで、ストッパー317は、補助収納個300と一体成型されていなくても、別部品として製作して後付けで本体310に接合するようにしてもよいことは云うまでもない。
【0040】
また、底板320が磁石で吸引可能な材料(例えば強磁体の金属)であれば、ストッパー317自体を磁石で構成することにより、磁力により底板320を固定することができる。この場合は、前述の可撓部317aや爪部317bは必要ないので構造が簡単になる。
【0041】
(底板の脱着)
次に本実施の形態1における本体310に対する底板320の着脱方法について説明する。
【0042】
本体正面310aの下部に位置する挿入口313より底板320が挿入されると、底板320はガイドレール314上を移動し、一定距離進んだ時点で底板320の前端がストッパー317の爪部317bに当接する。
【0043】
底板320がさらに押し込まれると、底板320の前端がストッパー317の爪部317bを外側(下方向)に押しのけ、ストッパー317の可撓部317aが外側に反るような形で弾性変形する。この状態でさらに底板320が押し込まれると、やがてストッパー317の爪部317bが底板320の止め孔322に入り係合されると共に、ストッパー317の可撓部317aが元の形に復帰する。
【0044】
こうして取り付けられた底板320は、本体310を斜めにしても、また、逆さにしても本体310から抜け落ちることがない。
【0045】
底板320を取り外す場合には、ストッパー317の爪部317bを底板320の止め孔322から外し、即ちストッパー317の爪部317bを下方向に押し下げ、底板320を引き抜けばよい。
【0046】
以上説明したように、本実施の形態1で示した一例によれば補助収納ケース300の底板320をワンタッチで着脱することができる。
【0047】
(補助収納ケースの使用形態)
つぎに、本発明の実施の形態1における補助収納ケース300の使用形態について説明する。
【0048】
島設備としてメダル自動回収システムが設置されていない場合は、補助収納ケース300には底板320が取り付けられた状態でスロットマシンの内部にセットされる。
【0049】
遊技者によるスロットマシンのゲームが進行し、メダルの払出枚数に対して投入枚数の方が大幅に増加すると、図1(b)に示すホッパー220には規定容量以上のメダルが貯蔵され、最終的には余剰メダルとして溢れ出る。この溢れ出たメダルは通路板221を伝ってホッパー220の外へ流れ落ち補助収納ケース300に収納される。
【0050】
更にゲームを続け、更にメダルがホッパー220より溢れ出て補助収納ケース300に送られ、そこで補助収納ケース300がメダルで満杯になると、図示省略したセンサーがこれを検知してスロットマシンのフリッカーランプ等が点滅する。これを見た店の従業員は、そのスロットマシンに駆けつけエラーを解除し、メダルで満杯の補助収納ケース300を取り出す。
【0051】
一般に、店の従業員により取り出したメダルで満杯の補助収納ケース300は、フロアの片隅等に設置してある大型の回収タンク等まで持ち運ばれ、ケース内のメダルをこの大型回収タンク等へ戻される。この際、メダルを戻そうとして補助収納ケース300を逆さや斜めにしても、底板320は、本体310側の規制部315、316とストッパー317によってしっかりと保持されているため、本体310から抜け落ちてしまうといった問題は起こらない。空にした補助収納ケース300については、先程のスロットマシンに再びセットする。
【0052】
一方、島設備としてメダル自動回収システムが設置される場合には、補助収納ケース300は底板320を取り外された状態でスロットマシンの内部にセットする。底板320は、例えば、図4(a)に示すように本体内に立て掛けて置く。レール314の中心部分には、あらかじめ立て掛け用の切り欠き314aを形成しておく。従って、この切り欠き314aに底板320の端部を合わせておけば、落ちてきたメダルが当たっても底板320が倒れることはない。
【0053】
図4に示すように、前述のホッパー220から溢れ出たメダルは、底板320に沿って流下し、前述の排出口230よりスロットマシン100の外へ排出される。排出されたメダルは、図6の島におけるメダル回収の例に示すように、コンベア402の上に落下し、ベルトコンベア402に落下したメダル401は、ベルトコンベア402によって搬送され、例えば、島端にある回収タンク403に回収される。
【0054】
以上、補助収納ケースの一実施形態例の構成と取り扱いについて説明したが、例えば、ガイドレール部314(図3(b)参照)の代わりにヒンジ機構を設けて、底板320を開閉扉の如く構成し、この開閉扉型の底板を係止できるようなストッパーを備え付けるようにしても構わない。なお、開閉扉型の底板は、270°程度の範囲をもって回動自在にしておけば、開状態にしたときに折りたたむことが可能になるので、スロットマシンにセットする場合に底板が横に張り出して邪魔になるといった問題がない。
【0055】
[実施の形態2]
つぎに、本発明のその実施の形態例2について図4(b)を用いて説明する。なお、図4(b)は本実施の形態2を説明するための補助収納ケース300の横断面図である。
【0056】
図4(b)に示すように、本実施の形態例2の補助収納ケースでは、本体330に2つの保持部(表側保持部333、裏側保持部334)を設けている。表側保持部333及び裏側保持部334は、底板320の側部を表と裏の両側から狭持し、本体330の下側開口部332を閉じることになる閉位置に底板320を配置する。本実施の形態2では、表側保持部333及び裏側保持部334は、本体330とともにABS樹脂等で一体成形されている。
【0057】
裏側保持部334は、メダルが満杯になって荷重がかかった場合でも破損することのなく底板320を保持できるよう、前述したガイドレール部314と同様な形状をしている。
【0058】
一方、表側保持部333は、補助収納ケース300を逆さにしたとき底板320を脱落させることが無い程度の保持力があればよく、その上、底板320を着脱する必要もあるので、突出量が僅かな凸型の形状に形成されている。この凸型形状の表側保持部333は、裏側保持部334より底板320の厚み分だけ離れた位置でこの裏側保持部334に沿って(図4の紙面と垂直な方向に沿って)点在している。本実施の形態2では、一方の側壁につき表側保持部333を2個配設した。
【0059】
底板320を本体330に取り付ける場合には、本体330の上側開口部331から底板320を挿入して上側保持部333に当て、この底板320を下方へ押し込めばよい。底板320を押し込むことによって、上側保持部333の周囲の側壁は外側に押し広げられて僅かに湾曲し、やや窮屈な状態で底板320が上側保持部333を通過する。そして底板320が下側保持部334に当接した時点で、湾曲した側壁は元の形に戻り、底板320の取付けが完了する。
【0060】
底板320を取り外す場合は、本体330の両側壁を外側に押して(又は引っ張って)両側壁の幅を広げ、底板320に対する上側保持部333の引っ掛かりを浅くした状態で底板320を上方に向けて力強く引き抜けば良い。
【0061】
以上、本発明の実施の形態2について説明したが、ここでは、底板320の押し込み時/引き抜き時において、上側保持部333の周囲の側壁が湾曲し、上側保持部333自身はさほど変形しない。
【0062】
しかし、上側保持部333を硬質のゴム等で形成してこれを後付けで本体330に固着し、上側保持部333自身のみを弾性変形させるような構造にしてもよいことは云うまでもない。
【0063】
[実施の形態3]
次に本発明の実施の形態3について図4(c)を用いて説明する。図4(c)は本実施の形態3を説明するための補助収納ケース300の横断面図である。
【0064】
本実施の形態3の補助収納ケースでは、底板320を磁石で吸引可能な材料(例えば金属のステンレス鋼等)で形成され、本体340には、図4(c)に示すような底板保持部344が設けられている。
【0065】
底板保持部344は、底板320を裏側から支持して、本体340の下側開口部342を閉じることになる閉位置に底板320を配置すると共に、閉位置に配置された底板320を着脱可能に吸引する磁石343を設けている。
【0066】
以上図4(c)を用いて説明したように、磁石等を用いて底板を着脱可能とすることもできる。
【0067】
底板を磁石による吸引が不可能なプラスチック材料等で形成する場合は、市販の面状ファスナーを用いるようにしてもよい。面状ファスナーとしては、例えば、一方のテープに多数のフック材が面状に植設され、かつ、これらのフックに引っ掛かる多数のループ材が他方のテープに面状に植設されたものがある。この面状ファスナーの各テープを適当な大きさに切断して本体と底板に貼付すれば底板の着脱が可能となる。
【0068】
[実施の形態4]
更に、本発明を、実施の形態4として図5を用いて説明する。
【0069】
本実施の形態4として示す補助収納ケースは、図5から分かるように底板を複数個(ここでは2個)に分割した例である。分割された底板360a、360bは、図5(a)、(b)に示すように2枚重ねの状態で片方に寄せておく、あるいは、図5(c)、(d)に示すように一列に配置することができる。
【0070】
本体350の各側壁には、高さ方向に所定の間隔(具体的には、底板360を窮屈な状態で挿入できる間隔)をあけて長手方向に延在する3つのガイドレール部351、352、353が設けられている。一旦挿入された底板360a、360bは、これらのガイドレール部に挟まれ、保持される。本実施の形態4では、これらのガイドレール部は、本体350とともにABS樹脂等で一体成形されている。
【0071】
本体350の正面には、挿入口が2段形成されていて、上段の挿入口354はガイドレール部351とガイドレール部352との間の配置空間と連通し、下段の挿入口355は、ガイドレール部352とガイドレール部353との間の配置空間と連通している。
【0072】
島設備としてメダル自動回収システムが設置されている場合は、図5(a)、(b)に示すように、底板360a、360bを挿入口354、353より挿入されたのち、片方に寄せて置くことにより、メダルが下側開口部312の底板で閉鎖されていない部分を通って、例えばベルトコンベア402へ排出される。
【0073】
一方、島設備としてメダル自動回収システムが設置されていない場合には、ホッパーから溢れ出たメダルを収納できるように、図5(c)、(d)に示すように、2個の底板360a、360bを一列に整列して配置し、メダルが補助収納ケースに貯蔵されるようにする。
【0074】
底板360a、360bは、図5(a)〜図5(d)の何れの場合も、各ガイドレールによって狭持されるため、例えばケースを斜めにしても脱落するようなことはない。
【0075】
なお、本実施の形態4では図5(a)、(b)で示すように、底板360a、360bは、図中、左側に寄せられているが、場合によっては右側に寄せるようにしてもよい。
【0076】
例えば、スロットマシン底部の排出口とコイン搬送用のコンベアとを連結するパイプを設置し、このパイプを通してメダルを流下させるような場合は、このパイプに干渉しないよう、パイプの設置位置の逆側で底板を360a、360bを重ねるようにすればよい。
【0077】
なお、必要ならば、底板を3個以上に分割してもよいし、分割方向を縦方向(つまり縦割)にしてもよい。
【0078】
以上、本発明の補助収納ケースを幾つかの実施の形態を例示して詳細に説明した。これらの本発明の実施の形態の説明では、いずれも、底部に排出口が設けられたスロットマシンに本発明を実施した例に付いて説明した。
しかしながら、上述の本発明の実施の形態として挙げた例の説明からも分かるように、本発明に係る補助収納ケースは、排出口の付いていないスロットマシンにも適用可能である。
【0079】
排出口の付いていないスロットマシンに適用する場合には、本発明に係る補助収納ケースは、底板を付けた状態でセットすればよい。
【0080】
なお、店の従業員に対し、補助収納ケースを斜めにしないよう注意を呼び掛けるか、あるいは、やや面倒ではあるが補助収納ケースを斜めにしたときに底板を手で押さえるようにすれば、図3に示したストッパー317は必ずしも設ける必要はない。
【0081】
ストッパー317が無いと、底板320は、ガイドレール314と規制部315、316のみによって保持されるが、少なくとも、本体310の上側開口部311が真上または真下を向く2つの姿勢においては、本体310から脱落することはない。
【0082】
【発明の効果】
以上幾つかの実施の形態を用いて本発明を詳細に説明したように、本発明の補助収納ケースによれば、遊技場のスロットマシン(遊技台)を設置する島にメダル自動回収システムが有るか無いかに応じてスロットマシンを迅速かつ容易に設置できる補助収納ケースを備えたスロットマシンを提供することがきる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるスロットマシンを正面から見た外観構造と内部構造の例を示す図である。
【図2】補助収納ケースの構成を説明するための図である。
【図3】補助収納ケースの構成を説明するための図である。
【図4】実施の形態2、3におけるスロットマシンの補助収納ケースの各断面を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態4を説明するための図である。
【図6】島におけるメダル回収の例に示す図である。
【図7】余剰メダルとしてホッパーから溢れることと、補助収納ケースへ収納される例を示した図である。
【符号の説明】
100 スロットマシン本体
101 左リール
102 中リール
103 右リール
104 左リール図柄表示窓
105 中リール図柄表示窓
106 右リール図柄表示窓
107 ランプ群
108、109、110 表示器
111 有効ライン表示ランプ
112 メダル投入口
113 メダル1枚掛ボタン
114 メダル2枚掛ボタン
115 メダル3枚掛ボタン
116 左リールストップボタン
117 中リールストップボタン
118 右リールストップボタン
119 スタートレバー
120 メダル払出口
121 メダル受皿
122 フリッカー表示ランプ
200 リールユニット
210 制御部
220 ホッパー
230 排出口
300 補助収納ケース
310、330、340、350 本体
311、331、341 上側開口部
312、332、342 下側開口部
313 挿入口
314、351、352、353 ガイドレール部
315、316 規制部
317 ストッパー
320、360 底板
321 貫通孔
322 止め孔
333 保持部
343 磁石

Claims (7)

  1. 遊技媒体の投入とゲームの開始操作により複数列のリールの移動を開始させると共に内部抽選を実行し、前記内部抽選の結果とリールの停止操作に基づいて前記各リールを停止させ、入賞ライン上に所定の絵柄の組み合わせが停止した場合には、遊技媒体払出装置を駆動して遊技媒体を払出口より払い出す遊技台において、
    投入された遊技媒体が前記遊技媒体払出装置に満杯となり溢れ出た場合、選択的に、前記溢れ出た遊技媒体を内部に収納しておくか又は前記溢れ出た遊技媒体を遊技台に設けられた遊技媒体を回収するための排出口より遊技台の外部へ排出することのできる構造を有する補助収納ケースであって、
    前記補助収納ケースは少なくとも本体と開閉板を備え、前記本体は、前記遊技媒体払出装置から溢れ出た遊技媒体を受け入れる上側開口部と、前記上側開口部から受け入れた前記遊技媒体を前記遊技台の前記排出口に連通して前記排出口へと流下させる下側開口部とを形成し、前記開閉板は前記本体の下側開口部に配置されて移動操作自在であり、且つ、少なくとも前記本体の上側開口部が真上又は真下を向く姿勢では前記開閉板を前記本体から脱落させることのないように保持する開閉板保持機構を設け
    前記開閉板保持機構は、前記本体に設けられたガイドレール部と規制部とを含んで構成され、前記ガイドレール部は前記本体の下側開口部において前記開閉板を直線的に案内し、前記規制部は少なくとも前記本体の下側開口部を閉じることになる閉位置に前記開閉板が案内された場合には、前記ガイドレールから離間する方向への前記開閉板の動きを規制することを特徴とする補助収納ケース。
  2. 前記開閉板保持機構は、前記本体に設けられたストッパーを含んで構成され、前記ストッパーは前記ガイドレール上の前記開閉板を係止し前記ガイドレールに沿って前記開閉板が抜け落ちない構成とすることを特徴とする請求項記載の補助収納ケース。
  3. 遊技媒体の投入とゲームの開始操作により複数列のリールの移動を開始させると共に内部抽選を実行し、前記内部抽選の結果とリールの停止操作に基づいて前記各リールを停止させ、入賞ライン上に所定の絵柄の組み合わせが停止した場合には、遊技媒体払出装置を駆動して遊技媒体を払出口より払い出す遊技台において、
    投入された遊技媒体が前記遊技媒体払出装置に満杯となり溢れ出た場合、選択的に、前記溢れ出た遊技媒体を内部に収納しておくか又は前記溢れ出た遊技媒体を遊技台に設けられた遊技媒体を回収するための排出口より遊技台の外部へ排出することのできる構造を有する補助収納ケースであって、
    前記補助収納ケースは少なくとも本体と開閉板を備え、前記本体は、前記遊技媒体払出装置から溢れ出た遊技媒体を受け入れる上側開口部と、前記上側開口部から受け入れた前記遊技媒体を前記遊技台の前記排出口に連通して前記排出口へと流下させる下側開口部とを形成し、前記開閉板は前記本体の下側開口部に配置されて移動操作自在であり、且つ、少なくとも前記本体の上側開口部が真上又は真下を向く姿勢では前記開閉板を前記本体から脱落させることのないように保持する開閉板保持機構を設け
    前記開閉板保持機構は、前記本体に設けた、前記開閉板を表と裏の両側から狭持する表側保持部及び裏側保持部を含んで構成し、前記表側保持部又は前記裏側保持部のうちの少なくとも一方は、それ自体の材質又はその周囲部分の材質の弾性を利用し、前記開閉板の着脱時に変位し前記開閉板の装着又は離脱を容易に行えるように構成したことを特徴とする補助収納ケース。
  4. 遊技媒体の投入とゲームの開始操作により複数列のリールの移動を開始させると共に内部抽選を実行し、前記内部抽選の結果とリールの停止操作に基づいて前記各リールを停止させ、入賞ライン上に所定の絵柄の組み合わせが停止した場合には、遊技媒体払出装置を駆動して遊技媒体を払出口より払い出す遊技台において、
    投入された遊技媒体が前記遊技媒体払出装置に満杯となり溢れ出た場合、選択的に、前記溢れ出た遊技媒体を内部に収納しておくか又は前記溢れ出た遊技媒体を遊技台に設けられた遊技媒体を回収するための排出口より遊技台の外部へ排出することのできる構造を有する補助収納ケースであって、
    前記補助収納ケースは少なくとも本体と開閉板を備え、前記本体は、前記遊技媒体払出装置から溢れ出た遊技媒体を受け入れる上側開口部と、前記上側開口部から受け入れた前記遊技媒体を前記遊技台の前記排出口に連通して前記排出口へと流下させる下側開口部とを形成し、前記開閉板は前記本体の下側開口部に配置されて移動操作自在であり、且つ、少なくとも前記本体の上側開口部が真上又は真下を向く姿勢では前記開閉板を前記本体から脱落させることのないように保持する開閉板保持機構を設け
    前記開閉板は磁石で吸引可能な材料で形成され、前記開閉板保持機構は前記本体に設けられた前記開閉板を吸引する磁石を有することを特徴とする補助収納ケース。
  5. 前記開閉板は、複数個に分割された構成からなることを特徴とする請求項1記載の補助収納ケース。
  6. 前記開閉板には前記遊技媒体の径よりも小さい径の複数の貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の補助収納ケース。
  7. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の補助収納ケースを用いた遊技台。
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