以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態では、本発明による円板状媒体計数装置および円板状媒体処理機をそれぞれメダル計数装置および台間メダル貸機として用いた場合について説明している。図1乃至図15は、本実施の形態によるメダル計数装置およびこのメダル計数装置を備えた台間メダル貸機を示す図である。このうち、図1は、本実施の形態における台間メダル貸機およびこの台間メダル貸機に隣接して設けられた遊技機の構成を示す斜視図であり、図2は、図1に示す台間メダル貸機や遊技機が複数設置された遊技島の一部を示す平面図である。また、図3は、図1に示す台間メダル貸機についてカバーを取り外したときの外観を示す斜視図であり、図4乃至図6は、図3に示す台間メダル貸機におけるメダル計数装置およびメダル払出装置の構成を示す斜視図や側面図である。また、図7は、図4に示すメダル計数装置およびメダル払出装置の斜視図からメダル払出装置のメダル払出用ホッパを取り除いたときの構成を示す斜視図であり、図8および図9は、図7に示すメダル計数装置およびメダル払出装置の斜視図からメダル計数装置のメダル投入ホッパとメダル計数用ホッパとを分離させたときの構成を示す斜視図である。また、図10は、図8に示すメダル計数装置の分解斜視図であり、図11は、図8等に示すメダル計数装置のメダル計数用ホッパにおける開口の位置を説明するための上面図である。また、図12は、図8等に示すメダル計数装置における第1のメダル検知センサおよび第2のメダル検知センサの構成を示す図であり、図13および図14は、図8等に示すメダル計数装置におけるメダル計数用ホッパの内壁に設けられた突起の構成を示す上面図や斜視図である。また、図15は、図4等に示すメダル払出装置におけるメダル払出用ホッパの構成を示す斜視図である。
まず、本実施の形態による台間メダル貸機や遊技機が複数設置された遊技島について説明する。図2に示すように、遊技島1には、メダルを使用するパチスロ機等の複数の遊技機10が所定のスペースを空けて並設されているとともに、各遊技機10の右側にはメダルを貸し出すための台間メダル貸機20が設置されている。
遊技機10は、遊技客がメダルを投入して遊技し、獲得したメダルつまり賞メダルを払い出すものである。図2に示すように、遊技機10は、遊技機本体14と、この遊技機本体14の前面に左側部を支点として前方へ開放可能な扉16とを有している。また、図1および図2に示すように、遊技機本体14の前面下部には、獲得したメダルが払い出される受皿12が配置されている。遊技機10内には、賞メダルを受皿12に払い出すメダル払出部(図示せず)等が配置されている。
図1に示すように、台間メダル貸機20は略直方体形状のものからなり、当該台間メダル貸機20の各部品は筐体カバー20aにより覆われるようになっている。ここで、図1に示す台間メダル貸機20について筐体カバー20aを取り外したときの内部構成を図3に示す。図3に示すように、台間メダル貸機20は、メダルの計数を行うメダル計数装置50と、メダルの払い出しを行うメダル払出装置80とを有している。これらのメダル計数装置50やメダル払出装置80の構成の詳細については後述する。
また、図1および図3に示すように、台間メダル貸機20の前面には、遊技客が紙幣を挿入するための紙幣挿入口22や、遊技客がICカードを挿入するためのカード挿入口26等が設けられた上部扉45が設置されている。ここで、紙幣挿入口22により台間メダル貸機20の機体内に投入された紙幣は、筐体カバー20a内に設けられた紙幣識別収納部24により識別が行われてその後当該紙幣識別収納部24に収納されるようになっている。また、筐体カバー20a内にはカード処理部28が設けられており、カード挿入口26により台間メダル貸機20の機体内に投入されたICカードに対してカード処理部28によりメダル数等に関する様々な情報の読み書きが行われるようになっている。また、上部扉45の前面には例えばLEDランプからなる状態表示部30が設けられており、この状態表示部30により台間メダル貸機20の様々な状態の表示を行うようになっている。状態表示部30には、メダルの回収の指令や上部扉45の解錠の指令を行うために店員が係員用リモコンで送信操作する信号を受信する受信部が配置されている。
また、図1および図3に示すように、上部扉45の前面には貸出ボタン32および返却ボタン34がそれぞれ設けられている。そして、遊技客が紙幣挿入口22に紙幣を挿入したりカード挿入口26にICカードを挿入したりした後、貸出ボタン32を押下すると台間メダル貸機20のメダル払出装置80からメダルが遊技機10の受皿12に払い出されるようになっている。また、遊技客が紙幣挿入口22に紙幣を挿入したりカード挿入口26にICカードを挿入したりした後、返却ボタン34を押下するとこれらの紙幣挿入口22やカード挿入口26から紙幣やICカードが返却されるようになっている。また、上部扉45の前面には例えばタッチパネルからなる操作表示部36が設けられており、投出メダル数やエラーコード等がこの操作表示部36に表示されるようになっている。また、上部扉45の前面には再プレイボタン38が設けられており、遊技客がこの再プレイボタン38を押下すると遊技機10で再プレイを行うことができるようになっている。
また、図3に示すように、台間メダル貸機20の筐体カバー20a内には制御基板部40、外部出力基板部42、電源部44がそれぞれ設けられている。ここで、制御基板部40は、台間メダル貸機20の各構成要素の制御を行うようになっている。また、外部出力基板部42は、台間メダル貸機20における様々な処理情報、例えばメダル計数装置50により計数されたメダルの数やメダル払出装置80により払い出されたメダルの数等の情報を上位の管理装置等の外部装置に出力するようになっている。また、電源部44は、台間メダル貸機20におけるメダル計数装置50やメダル払出装置80等に電源を供給するようになっている。
また、図1に示すように、台間メダル貸機20の前面の上下方向における中央部にはメダル補充扉46が設けられており、店員はこのメダル補充扉46を開くことにより後述するメダル払出装置80のメダル払出用ホッパ82に手動でメダルを補充することができるようになっている。また、メダル補充扉46の前面には、店員が持つキーによって当該メダル補充扉46の施錠や解錠を行う錠機構が設けられている。また、台間メダル貸機20の前面においてメダル補充扉46の下方には下部扉47が設けられている。この下部扉47には後述するメダル計数装置50のメダル投入ホッパ52が設けられており、遊技客は計数したいメダルをこのメダル投入ホッパ52に投入するようになっている。ここで、メダル投入ホッパ52は、図5に示すような位置から当該メダル投入ホッパ52の基端部に設けられた軸を中心として図5における時計回りの方向に90°回転させて畳むことができるようになっており、このことにより遊技客に向かってのメダル投入ホッパ52の突出量を減らすことができるようになっている。このメダル投入ホッパ52の畳んだときの台間メダル貸機20の前面からの突出量は、概ね50mm以下となっており、右隣の遊技機10の扉16を少なくとも90°開いた際に、当該扉16と干渉しないようになっている。このようにして、メダル投入ホッパ52が図1に示す状態から上方に畳まれると、このメダル投入ホッパ52が設けられた台間メダル貸機20に対応する遊技機10とは反対側に設置される遊技機10の扉16が開かれたときにメダル投入ホッパ52が干渉してしまうことを防止することができる。
また、下部扉47の前面には下部カバー48が設けられており、この下部カバー48の前面における左側部分に設けられた開口を貫通して後述するメダル払出装置80のノズルシュート84が台間メダル貸機20から前方下方に突出するようになっている。また、下部カバー48内において、ノズルシュート84の右側には後述するメダル計数装置50の搬送部53が配設されている。
次に、台間メダル貸機20に設けられたメダル払出装置80の構成について図4乃至図6および図15を用いて説明する。メダル払出装置80は、払出されるべきメダルを貯留するメダル払出用ホッパ82と、メダル払出用ホッパ82の底部に設けられ、メダルを1枚ずつ収容する一または複数の孔部が周方向に沿って形成された回転円盤(図示せず)と、メダル払出装置80の底面上に設けられ、回転円盤の孔部に収容されたメダルの案内を行うガイド部(図示せず)と、回転円盤の孔部から周辺部に繰り出されたメダルを遊技機10の受皿12へ導くノズルシュート84とを有している。ここで、図15に示すように、メダル払出用ホッパ82は、内部にある貯留領域82aの水平面に沿った断面が当該メダル払出用ホッパ82の鉛直方向上方に向かって徐々に大きくなるようなすり鉢状の形状となっており、このことによりメダル払出用ホッパ82の容量をできるだけ大きくしている。
図2や図5等に示すように、ノズルシュート84の基端部にはノズルシュート取付部86が設けられており、このノズルシュート取付部86によりノズルシュート84が台間メダル貸機20の前面に取り付けられている。なお、図1や図3等に示すように、メダル投入ホッパ52の下方に設けられた下部カバー48の前面には、ノズルシュート84が貫通する開口が設けられているが、この開口は、台間メダル貸機20を前方から見て下部カバー48の左側部分、すなわち遊技機10に近い側に設けられている。
次に、台間メダル貸機20に設けられたメダル計数装置50の構成について図4乃至図14を用いて説明する。図4乃至図6に示すように、メダル計数装置50は、計数されるべきメダルが遊技客により内部の受け領域52aに投入されるメダル投入ホッパ52と、筐体カバー20a内に設けられ、メダル投入ホッパ52から送られたメダルを内部の貯留領域55に貯留するメダル計数用ホッパ54と、メダル投入ホッパ52に投入されたメダルをメダル計数用ホッパ54に送る搬送部53とを有している。また、図10に示すように、メダル計数用ホッパ54の底部には、メダルを1枚ずつ収容する一または複数(図10に示す例では5つ)の孔部56aが周方向に沿って形成された回転円盤56が略水平面に沿って設けられている。回転円盤56は、図10や図11において回転軸56bを中心として反時計回りの方向に回転するようになっている。また、メダル計数装置50の底面57上において図10における回転円盤56の手前側には、当該回転円盤56の回転駆動を行う回転円盤駆動モータ58が配設されている。さらに、メダル計数装置50の底面57上には、回転円盤56の孔部56aに収容されたメダルの案内を行うガイド部65や、回転円盤56の孔部56aから繰り出されたメダルの計数を行う例えば磁気センサ等からなる計数部66が設けられている。これらのメダル計数装置50の各構成要素について以下に詳細を説明する。
メダル投入ホッパ52は、前述したように、台間メダル貸機20の前面から前方に突出しており、このメダル投入ホッパ52は、内部にある受け領域52aの水平面に沿った断面が当該メダル投入ホッパ52の鉛直方向下方に向かって徐々に狭くなるようなすり鉢状の形状となっている。また、メダル投入ホッパ52の受け領域52aの面は、下方にある搬送部53に連通する下部開口に向けて傾斜するように構成されている。メダル投入ホッパ52がこのような形状となっていることにより、当該メダル投入ホッパ52の上部開口が広くなるため、遊技客はこのメダル投入ホッパ52の受け領域52aにメダルを投入しやすくなる。また、図5に示すように、メダル投入ホッパ52の下方に設けられた搬送部53は、メダル投入ホッパ52の下部開口から下方に延びる通路53aを有しており、メダル計数用ホッパ54の開口54a(後述)近傍における搬送部53の底面53bは水平面に対して傾斜している。前述したように、搬送部53は下部カバー48の内部に配設されているが、この搬送部53は、台間メダル貸機20を前方から見てメダル払出装置80のノズルシュート84を回避するよう、下部カバー48の右側部分、すなわち遊技機10から遠い側に設けられている。また、図5に示すように、搬送部53は、メダル払出装置80のノズルシュート取付部86の下方からメダル計数用ホッパ54の開口54a(後述)に連通するようになっている。また、搬送部53の水平面に沿った断面は、メダル投入ホッパ52の上部開口の水平断面に比して小さく(4分の1程度以下)となっている。このような構成とすることで、メダル投入ホッパ52に投入されるメダルを受け領域52aで一旦受け、搬送部53でメダル量を絞ることで、メダル計数用ホッパ54に投入メダルが一気に流入して過度に荷重がかかったり、計数動作が追いつかなくなってしまったりすることを防止している。
図8乃至図11等に示すように、メダル計数用ホッパ54は、その内部に設けられた貯留領域55の水平面に沿った断面がメダル計数用ホッパ54の高さ方向において略均一な形状となっている。言い換えると、メダル計数用ホッパ54の内部に設けられた貯留領域55の水平面に沿った断面の形状は、回転円盤56の円形の表面形状と略同一となっている。ここで、前述したように、メダル払出装置80のメダル払出用ホッパ82は、内部にある貯留領域82aの水平面に沿った断面が当該メダル払出用ホッパ82の鉛直方向上方に向かって徐々に大きくなるようなすり鉢状の形状となっているため(図15参照)、メダル計数装置50のメダル計数用ホッパ54は、メダル払出装置80のメダル払出用ホッパ82と異なる形状となる。
また、図8、図10および図11に示すように、メダル計数用ホッパ54において貯留領域55の外方には、その底面が水平面に対して傾斜した傾斜部54bが設けられている。この傾斜部54bは、搬送部53の通路53aと連通するようになっており、メダル投入ホッパ52の受け領域52aに投入されたメダルは搬送部53の通路53aを介してメダル計数用ホッパ54の傾斜部54bに送られるようになっている。また、図8に示すように、メダル計数用ホッパ54の傾斜部54bの下方には、回転円盤56を回転駆動させる回転円盤駆動モータ58を収容するための収容空間が形成されている。
また、図11に示すように、メダル計数用ホッパ54の側壁には、傾斜部54b上のメダルを貯留領域55内に導くための開口54aが設けられている。ここで、メダル計数用ホッパ54の側壁に設けられた開口54aは、当該開口54aを介して傾斜部54bから貯留領域55に送られるメダルの進入方向(図11における左向きの点線の矢印)と、回転円盤56の円運動における接線方向(図11における回転円盤56の外周縁から外方に延びる実線の矢印)のうち開口54aでの接線方向(図11において参照符号Rの範囲内に示す矢印の方向)とのなす角度が0°〜90°の範囲内の大きさとなる位置に設けられている。なお、前述したように、回転円盤56は、図10や図11において回転軸56bを中心として反時計回りの方向に回転するようになっている。このように、開口54aを介して傾斜部54bから貯留領域55に送られるメダルの進入方向と、回転円盤56の円運動における接線方向のうち開口54aでの接線方向とのなす角度が90°以下となっているため、ある程度の量のメダルがメダル計数用ホッパ54内に既に貯留されている場合でも、開口54aを介して傾斜部54bから新たに貯留領域55に送られるメダルは、回転円盤56の回転運動によりメダル計数用ホッパ54内で既に回転移動しているメダルにスムーズに巻き込まれるようになる。言い換えると、仮に、開口54aを介して傾斜部54bから貯留領域55に送られるメダルの進入方向と、回転円盤56の円運動における接線方向のうち開口54aでの接線方向とのなす角度が90°よりも大きくなっている場合には、開口54aを介して傾斜部54bから新たに貯留領域55に送られるメダルの進入方向が、メダル計数用ホッパ54内に既に貯留されており回転円盤56の回転運動によりメダル計数用ホッパ54内で回転移動しているメダルの移動方向と逆方向になるため、新たに貯留領域55に送られるメダルと、既に貯留領域55に貯留されているメダルとが衝突してしまい前者のメダルがスムーズに貯留領域55に貯留されないという問題が生じてしまうことがある。
また、メダル計数用ホッパ54における開口54aを図11に示す位置に設けた場合には、前述したようにこのメダル計数用ホッパ54にメダルを送る搬送部53が、台間メダル貸機20を前方から見て下部カバー48の右側部分、すなわち遊技機10から遠い側に設けられているため、この開口54aは、台間メダル貸機20を正面から見て回転円盤56の回転軸56bに対して遊技機10とは反対側に位置するようになる。
また、前述したように、メダル計数装置50において、回転円盤56の回転駆動を行う回転円盤駆動モータ58が配設されているが、この回転円盤駆動モータ58は、回転円盤56の孔部56aにメダルが入りやすくするようにするために、回転円盤56の回転駆動のオン/オフを周期的に切り替え、メダル計数用ホッパ54内に貯留されたメダルの撹拌(「シャクリ」ともいう)を行うようになっている。
また、図12に示すように、メダル計数装置50には、メダル計数用ホッパ54の貯留領域55内において回転円盤56よりも上方にあるメダルを検知する第1のメダル検知センサ60および第2のメダル検知センサ62がそれぞれ設けられている。各メダル検知センサ60、62は、それぞれ発光素子および受光素子を有しており、発光素子から発せられた光が図12において二点鎖線で示す光軸を通って受光素子により受光されるようになっている。そして、発光素子と受光素子との間にメダルが位置する場合には、発光素子から発せられた光がメダルにより遮光されて受光素子により受光されなくなり、このことにより各メダル検知センサ60、62はメダルの存在を検知する。なお、メダル計数用ホッパ54の側壁には、各メダル検知センサ60、62の発光素子から受光素子までの光の経路(すなわち、図12において二点鎖線で示す光軸)を確保するよう合計4つの貫通孔が設けられている。そして、メダル計数装置50の待機状態時には回転円盤56は停止しているが、各メダル検知センサ60、62がメダルを検知すると、回転円盤駆動モータ58は回転円盤56を回転駆動させるようになる。また、各メダル検知センサ60、62によりメダルが検知されていない状態で、後述する計数部66により所定時間メダルの計数が行われない場合には、メダル計数装置50において正常にメダルの計数が完了したと判断され、回転円盤56の回転駆動が停止される。なお、各メダル検知センサ60、62によりメダルが検知されているにもかかわらず、計数部66により所定時間メダルの計数が行われない場合には、メダル計数用ホッパ54にメダル以外の異物が入っていると判断され、操作表示部36等において警告表示がなされたり、異常情報が外部出力基板部42等により上位の管理装置に出力されたりする。
また、図13および図14に示すように、メダル計数用ホッパ54の内壁における開口54aの近傍の箇所、具体的には開口54aよりも下方の箇所には、回転円盤56上で立位状態にあるメダルを倒すための突起64が設けられている。このような突起64が設けられていることにより、回転円盤56が回転駆動しているときにこの回転円盤56上でメダルが立位状態にある場合でも、立位状態にあるメダルは突起64に当たって倒れるようになるため、突起64により倒れたメダルをメダル検知センサ60、62により確実に検知することができるようになる。
図10に示すように、メダル計数装置50の底面57上には、回転円盤56の外周縁の一部に沿ってガイド部65が設けられており、回転円盤56の外周縁におけるガイド部65が設けられていない箇所には計数部66が設けられている。回転円盤56の孔部56aに収容されたメダルはガイド部65により案内され、回転円盤56の外周縁におけるガイド部65が設けられていない箇所において回転円盤56の孔部56aから繰り出されたメダルが計数部66により計数されるようになっている。計数部66により計数されたメダルは、図10におけるメダル計数装置50の奥方に更に繰り出され、遊技島1の底部に沿って設置されているメダル回収装置(図示せず)に放出される。そして、メダル回収装置に放出されたメダルは、このメダル回収装置によって遊技島1の島端等に設置されているメダル回収部に搬送され、当該メダル回収部により回収される。なお、計数部66は、メダル計数用ホッパ54や回転円盤56からメダルをメダル計数装置50の奥方へ送り出す部分に設置されているため、台間メダル貸機20の後部側に計数部66が位置することになり、台間メダル貸機20の前方側からアクセスしにくくなるため、計数部66への不正やいたずらを防止することができる。
次に、上述した構成からなる遊技機10および台間メダル貸機20の動作について以下に説明する。
まず、店員による準備作業について説明する。準備作業において、店員は台間メダル貸機20のメダル補充扉46の錠機構をキーで解錠してこのメダル補充扉46を開き、手作業でメダルをメダル払出用ホッパ82に補充する。補充完了後、メダル補充扉46を閉じ、錠機構をキーで施錠する。このようなメダル補充作業は、遊技店の開店前に行われるほか、営業中でもメダル払出用ホッパ82内のメダル収納量が少なくなれば行われる。また、遊技店の営業前には、店員が遊技機10の扉16を開けてこの遊技機10のメダル貯留部(図示せず)にメダルを補充する。また、遊技店によっては、メダルの自動補給システムを導入している場合もあり、この場合は、台間メダル貸機20あるいは遊技機10の背面から、メダルの不足時に台間メダル貸機20からの信号等によりメダルが自動的に補給される。
次に、遊技客による台間メダル貸機20の利用について説明する。遊技客が台間メダル貸機20の紙幣挿入口22に紙幣等の貨幣を挿入したりカード挿入口26にICカードを挿入したりし、その後、貸出ボタン32を押下すると台間メダル貸機20のメダル払出装置80から一定数ずつのメダルがノズルシュート84を経て遊技機10の受皿12に払い出される。ここで、台間メダル貸機20が貨幣を受け付けたことに基づいて、受け付けた貨幣の金額を示す信号が上位の管理装置に送信され、売上情報として記憶される。また、遊技客がICカードを用いてメダルの貸出処理を行ったときには、台間メダル貸機20の操作表示部36および遊技機10の表示部(図示せず)において、カード挿入口26に挿入されたICカードに対応して上位の管理装置で管理されている有価価値を度数で表した残度数が表示され、メダルの貸出操作に応じて残度数が減算表示されるとともに上位の管理装置の有価価値管理情報が一定数ずつ減算更新される。
また、遊技客が遊技機10でメダルを獲得した状態にある場合、つまり、カード挿入口26に挿入されたICカードにメダル数が関連付けられている場合には、遊技客は操作表示部36の投出操作ボタンを操作することにより、そのメダル数分のメダルの投出を受けることができる。具体的には、台間メダル貸機20は、カード挿入口26にICカードを受け付けると、当該ICカードの識別IDに対応付けて管理されているメダル数(以下持メダル数)の送信を上位の管理装置に要求し、管理装置は当該要求に応じて持メダル数を台間メダル貸機20に送信するとともに、自らが管理している該当のICカードに対応する持メダル数を0にする。持メダル数の管理はICカードが返却されるまで台間メダル貸機20が行う。また、台間メダル貸機20は、カード挿入口26に会員用のICカードを受け付けると、前述の持メダル数に加えて、当該会員用ICカードの識別IDに対応付けて遊技店に預け入れられているメダル数(以下貯メダル数)の送信を上位の管理装置に要求し、管理装置は当該要求に応じて貯メダル数を台間メダル貸機20に送信する。貯メダル数は一定数ずつ遊技に使用することができるが、一定数ずつの使用のたびに台間メダル貸機20から管理装置に引き落とし要求が送信され、管理装置は一定数ずつ貯メダルを減算して管理する。この会員による貯メダルの使用に際しては、会員用ICカードの受付時、あるいは貯メダルの使用時(初回または毎回)に予め会員により登録された暗証番号の認証が台間メダル貸機20により要求される。この暗証番号は、上位の管理装置にて記憶されており、会員用ICカードの受付時に台間メダル貸機20に送信される。
また、遊技客によりICカードの返却操作がなされると、残存した有価価値をICカードに関連付けてICカードが排出される。また、後述するメダルの計数等によって、台間メダル貸機20が管理している持メダルが残存した状態でICカードの返却操作がなされると、台間メダル貸機20は持メダル残高を管理装置に送信して、管理装置が当該ICカードの識別IDに対応付けて管理している持メダル残高を上書き更新する。このようにして、遊技客は、遊技機10でのプレイ終了後に、カード挿入口26から返却されたICカードを他の遊技機10に対応する台間メダル貸機20に挿入してメダルの貸出を受けてプレイしたり、店内の精算機にて精算したりすることができる。
また、台間メダル貸機20がICカードの返却操作を受け付けた場合は、返却対象のICカードが一般用のICカードであっても会員用のICカードであっても、この返却操作に基づいて後述のメダル計数用ホッパ54の回転円盤56の駆動を一定周期行う。この回転円盤56の駆動により計数部66によるメダルの計数あるいはメダル検知センサ60、62によるメダルの検知が発生した場合は、メダルが検知されなくなるまで回転円盤56の駆動を行う(以下、この回転円盤56の一定周期の駆動とメダルが検知されなくなるまでの駆動を「残留防止動作」と呼ぶ)。この残留防止動作により、遊技客が獲得し、計数しようとしたメダルが正確にICカードに関連づけられなくなる事態を防止している。ICカードが会員用のICカードの場合には、所定の操作(貯メダル要求操作等)によって、台間メダル貸機20で計数し、管理されている持メダル数を貯メダルとして遊技店に預け入れることができる。携帯電話機等の携帯情報端末の識別情報を登録している会員の場合には、一般用のICカードを挿入している状態であっても、貯メダル要求操作を行った上で、台間メダル貸機20に携帯情報端末の識別情報を読み取らせることによって貯メダルの預け入れ操作をすることができる。また、台間メダル貸機20が管理している持メダル数が会員用のICカードに関連付けられている場合、当該持メダルの貯メダル要求操作が行われずに当日の営業が終了した場合には、持メダル数は、閉店処理時に自動的に当該会員の貯メダルデータに変換されて管理装置に記憶される。持メダル数は、当日のみ有効(遊技に供することができる)なデータとして記憶されており、貯メダル数は翌日以降も有効なデータとして記憶されている。
このように、紙幣挿入口22やカード挿入口26への紙幣やICカードの挿入によってメダルの貸出が可能な場合、遊技客による貸出操作に応じて、メダル払出装置80において回転円盤を駆動してメダルを投出し、ノズルシュート84を経て遊技機10の受皿12にメダルを払い出す。遊技客は、受皿12に払い出されたメダルを使用して遊技機10でプレイする。
また、プレイ終了後に、遊技客が遊技機10でメダルを獲得した状態であれば、獲得した賞メダルを台間メダル貸機20のメダル計数装置50により計数することができる。より詳細には、遊技客は遊技機10の受皿12からメダルを取り出してメダル投入ホッパ52に投入する。メダル投入ホッパ52に投入されたメダルは、搬送部53の通路53aを介してメダル計数用ホッパ54の傾斜部54bに送られる。そして、この傾斜部54bから開口54aを介してメダル計数用ホッパ54内の貯留領域55にメダルが送られる。メダル計数用ホッパ54の貯留領域55内において回転円盤56よりも上方にあるメダルが第1のメダル検知センサ60や第2のメダル検知センサ62により検知されると、回転円盤駆動モータ58は回転円盤56を回転駆動させる。そして、この回転円盤56の孔部56aに収容されたメダルは1枚ずつガイド部65により案内され、回転円盤56の外周縁におけるガイド部65が設けられていない箇所において回転円盤56の孔部56aから1枚ずつ繰り出されたメダルが計数部66により計数される。計数部66により計数されたメダルは、図10におけるメダル計数装置50の奥方に更に繰り出され、遊技島1の底部に沿って設置されているメダル回収装置(図示せず)に放出され、このメダル回収装置によって遊技島1の島端等に設置されているメダル回収部に搬送され、当該メダル回収部により回収される。そして、各メダル検知センサ60、62によりメダルが検知されていない状態で、計数部66により所定時間メダルの計数が行われない場合には、メダル計数装置50において正常にメダルの計数が完了したと判断され、回転円盤56の回転駆動が停止される。
なお、各メダル検知センサ60、62によりメダルが検知されているにもかかわらず、計数部66により所定時間メダルの計数が行われない場合には、メダル計数用ホッパ54にメダル以外の異物が入っていると判断され、操作表示部36等において警告表示がなされたり、異常情報が外部出力基板部42等により上位の管理装置に出力されたりする。
計数部66によるメダルの計数値は操作表示部36にリアルタイムで表示される。そして、計数部66によるメダルの計数が完了し、遊技客が遊技機10の返却ボタン(図示せず)を押下することにより、カード挿入口26に挿入されたICカードの識別ID(遊技開始時にICカードを受け付けていない場合にはカード処理部28に設けられたカード収納部の一番繰出し側に近いカードの識別ID)に対応づけて計数値の情報を持メダルとして付加するように上位の管理装置の管理情報を更新し、その後このカード挿入口26からICカードが遊技客に返却される。なお、遊技客によってカード挿入口26にICカードが挿入されていない場合には、カード処理部28内に予め収納されているICカードが使用される。
メダルの計数処理を終えた遊技客は、返却されたICカードを他の遊技機10の台間メダル貸機20に挿入してメダルの貸出を受けてプレイしたり、店内の精算機にて精算したりすることができる。なお、ICカードが会員カードの場合のみ、上述したように、返却時に計数したメダルの計数値を上位の管理装置で貯メダル残高として管理し、次回のプレイ時に貯メダル残高のメダルを投出して再プレイを行うことができる。
次に、店員によるエラー解除作業について説明する。台間メダル貸機20のメダル払出装置80のメダル払出用ホッパ82や回転円盤等でメダルが詰まるエラーが発生した場合、店員はメダル補充扉46の錠機構をキーで解錠してこのメダル補充扉46を開き、当該メダル補充扉46が開かれた台間メダル貸機20の開口部分を通じて、台間メダル貸機20の内部にある下部扉47の係合箇所を係合解除することによって当該下部扉47を取り外す。その後、メダル払出装置80の回転円盤等を台間メダル貸機20から引き出すことにより、メダル払出装置80におけるメダルの詰まりを解消する。メダル詰まり解消後、回転円盤等を台間メダル貸機20内に押し込んで戻し、下部扉47を台間メダル貸機20に装着し、メダル補充扉46を閉じた後、このメダル補充扉46の錠機構をキーで施錠する。
なお、台間メダル貸機20のメダル計数装置50でメダルが詰まるエラーが発生した場合にも、メダル払出装置80のエラー解除と同様に台間メダル貸機20から下部扉47を取り外し、メダル計数用ホッパ54や回転円盤56を引き出してエラー解除を行う。また、遊技機10でエラーが発生した場合には、遊技機10の扉16を開けてエラー解除を行う。
次に、店員による後処理作業について説明する。台間メダル貸機20から紙幣を回収する場合には、店員が上部扉45に設けられた錠機構をキーで解錠する等によりこの上部扉45を開く。その後、紙幣識別収納部24に収納されている紙幣を取り出し、上部扉45を閉じる。上部扉45を閉じた後、店員は錠機構により上部扉45を施錠する。このような紙幣回収作業は、遊技店の営業終了後のほか、営業中に行うこともある。次に、店舗の閉店処理について説明する。まず、上位の管理装置にて店員が閉店処理操作を行うと、各々の台間メダル貸機20に対して、閉店処理を行うよう指令信号が送信される。台間メダル貸機20は、管理装置から閉店処理の指令を受けると、前述した残留防止動作(メダル計数用ホッパ54の回転円盤56の駆動)を行う。この後、計数部66が計数したメダル数が0であれば、そのまま閉店中の動作に移行する。一方、計数したメダル数が0でない場合には、カード収納部にカードが有るかを確認する。カードが無い場合には、上位の管理装置に持メダル数として登録した上で、閉店中の動作に移行する。カードがある場合には、台間メダル貸機20に「カード返却」の設定がされているかどうかを確認する。「カード返却」の設定がされている場合には、カードを返却し、返却カードに関連付けて上位装置に持メダル数を登録して閉店中の動作に移行する。「カード返却」の設定がされていない場合には、一旦エラーダウンし、従業員操作を待機する。この状態で、従業員のリモコンによる解除動作が行われると、カードを返却し、返却カードに関連付けて上位装置に持ちメダル数を登録して閉店中の動作に移行する。このような動作を行うことにより、メダル計数用ホッパ54内にメダルが残留した状態で次営業日の営業を行う事態を防止し、遊技客の間に不公平を生じることを防いでいる。
また、メダルも有価物であり、閉店中に台間メダル貸機20内にメダルを残留させることが不安等の理由で台間メダル貸機20からメダルを回収する場合には、店員が持つリモコンでメダル回収操作を行うことにより、メダル払出装置80のメダル払出用ホッパ82内に収納されている全てのメダルを投出し、ノズルシュート84から払い出されるメダルを回収する。また、遊技機10内のメダルも受皿12に投出させて回収する。
以上のように構成された本実施の形態のメダル計数装置50によれば、計数部66により計数されるべきメダルが内部の貯留領域55に貯留されるメダル計数用ホッパ54は、貯留領域55の水平面に沿った断面がメダル計数用ホッパ54の高さ方向において略均一な形状となっている。この場合には、メダル計数用ホッパ54には水平面に対して傾斜した内壁が設けられないようになるため、メダルを確実かつ正確に計数することができるようになる。
また、本実施の形態のメダル計数装置50においては、前述したように、メダルを1枚ずつ収容する一または複数(図10に示す例では5つ)の孔部56aが周方向に沿って形成された回転円盤56がメダル計数用ホッパ54の底部において略水平面に沿って設けられており、メダル計数用ホッパ54の貯留領域55の水平面に沿った断面の形状は、回転円盤56の円形の表面形状と略同一となっている。
また、本実施の形態のメダル計数装置50においては、前述したように、メダル計数用ホッパ54の側壁には、計数されるべきメダルを貯留領域55内に導くための開口54aが設けられており、この開口54aは、当該開口54aを介して貯留領域55に送られるメダルの進入方向(図11における左向きの点線の矢印)と、回転円盤56の円運動における接線方向(図11における回転円盤56の外周縁から外方に延びる実線の矢印)のうち開口54aでの接線方向(図11において参照符号Rの範囲内に示す矢印の方向)とのなす角度が0°〜90°の範囲内の大きさとなる位置に設けられている。このように、開口54aを介して貯留領域55に送られるメダルの進入方向と、回転円盤56の円運動における接線方向のうち開口54aでの接線方向とのなす角度が90°以下となっているため、ある程度の量のメダルがメダル計数用ホッパ54内に既に貯留されている場合でも、開口54aを介して新たに貯留領域55に送られるメダルは、回転円盤56の回転運動によりメダル計数用ホッパ54内で既に回転移動しているメダルにスムーズに巻き込まれるようになり、このためメダル計数用ホッパ54の貯留領域55へのメダルの貯留動作をスムーズに行うことができるようになる。
また、本実施の形態のメダル計数装置50においては、前述したように、計数されるべきメダルが内部の受け領域52aに受け入れられるメダル投入ホッパ52と、メダル投入ホッパ52の下方に設けられ、メダル投入ホッパ52の受け領域52aに受け入れられたメダルをメダル計数用ホッパ54の貯留領域55に送るための通路53aが内部に設けられた搬送部53とがそれぞれ設けられており、メダル投入ホッパ52は、受け領域52aの水平面に沿った断面がメダル投入ホッパ52の鉛直方向下方に向かって徐々に狭くなるような形状となっている。この場合には、メダル投入ホッパ52の上部開口が広くなるため、遊技客はこのメダル投入ホッパ52の受け領域52aにメダルを投入しやすくなる。
また、本実施の形態のメダル計数装置50においては、前述したように、メダル計数用ホッパ54において貯留領域55の外方には、その底面が水平面に対して傾斜しており搬送部53からメダルが送られる傾斜部54bが設けられており、傾斜部54bから開口54aを介して貯留領域55にメダルが導かれるようになっている。また、メダル計数用ホッパ54の傾斜部54bの下方には、回転円盤56を回転駆動させる回転円盤駆動モータ58を収容するための収容空間が形成されている(図8参照)。この場合には、その底面が水平面に対して傾斜している傾斜部54bの下方の領域を有効活用することができ、メダル計数装置50自体をよりコンパクトなものとすることができる。
また、本実施の形態のメダル計数装置50においては、前述したように、メダル計数用ホッパ54の貯留領域55内において回転円盤56よりも上方にあるメダルを検知する検知部として第1のメダル検知センサ60および第2のメダル検知センサ62を設け、メダル計数用ホッパ54の内壁には、回転円盤56上で立位状態にあるメダルを倒すための突起64が設けられている。このことにより、回転円盤56が回転駆動しているときにこの回転円盤56上でメダルが立位状態にある場合でも、立位状態にあるメダルは突起64に当たって倒れるようになるため、突起64により倒れたメダルをメダル検知センサ60、62により確実に検知することができるようになる。
また、本実施の形態の台間メダル貸機20は、メダルの計数を行うメダル計数装置50と、メダルの払出を行うメダル払出装置80とを備えたものであり、このような台間メダル貸機20において、メダル計数装置50のメダル計数用ホッパ54は、メダル払出装置80のメダル払出用ホッパ82と異なる形状になっている。すなわち、メダル計数用ホッパ54は、貯留領域55の水平面に沿った断面がメダル計数用ホッパ54の高さ方向において略均一な形状となっているのに対し、メダル払出用ホッパ82は、容量をできるだけ大きくするために、内部にある貯留領域82aの水平面に沿った断面が当該メダル払出用ホッパ82の鉛直方向上方に向かって徐々に大きくなるようなすり鉢状の形状となっている。
また、本実施の形態の台間メダル貸機20において、図5に示すように、メダル計数装置50の搬送部53は、メダル払出装置80のノズルシュート取付部86の下方からメダル計数用ホッパ54の開口54aに連通するよう配置されている。
また、前述したように、メダル計数装置50のメダル計数用ホッパ54の側壁に設けられた、計数されるべきメダルを貯留領域55内に導くための開口54aは、台間メダル貸機20を正面から見て回転円盤56の回転軸56bに対して遊技機10とは反対側に配置されている。この場合には、回転円盤56が図10や図11において回転軸56bを中心として反時計回りの方向に回転するようになっているときに、開口54aを介して貯留領域55に送られるメダルの進入方向と、回転円盤56の円運動における接線方向のうち開口54aでの接線方向とのなす角度が90°以下となり、このことにより、ある程度の量のメダルがメダル計数用ホッパ54内に既に貯留されている場合でも、開口54aを介して傾斜部54bから新たに貯留領域55に送られるメダルは、回転円盤56の回転運動によりメダル計数用ホッパ54内で既に回転移動しているメダルにスムーズに巻き込まれるようになり、このためメダル計数用ホッパ54の貯留領域55へのメダルの貯留動作をスムーズに行うことができるようになる。
なお、本実施の形態によるメダル計数装置50や台間メダル貸機20は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
例えば、メダル計数用ホッパ54の形状は、図8乃至図11に示すようなものに限定されることはない。貯留領域55の水平面に沿った断面がメダル計数用ホッパ54の高さ方向において略均一な形状となっている限りにおいて、メダル計数用ホッパ54を図8乃至図11に示すような形状以外のものとすることができる。例えば、メダル計数用ホッパ54の内部に設けられた貯留領域55の水平面に沿った断面の形状は円形形状に限定されることはない。
また、メダル計数用ホッパ54の側壁に設けられた、計数されるべきメダルを貯留領域55に導くための開口54aの位置は、図11に示すような位置に限定されることはない。例えば、回転円盤56が図10や図11において回転軸56bを中心として時計回りの方向に回転する場合には、図11の紙面において開口54aを回転円盤56の回転軸56bの下方に位置させてもよい。
以下、メダル計数用ホッパ54の構成が図3乃至図14に示す構成とは異なる変形例に係るメダル計数装置50a〜50eについて図17乃至図25を用いて説明する。
メダル計数用ホッパ54が図3乃至図14に示す構成となっているようなメダル計数装置50を用いた際に、当該メダル計数装置50でメダルが詰まる等のエラーが発生した場合には、前述したように、店員はメダル補充扉46の錠機構をキーで解錠してこのメダル補充扉46を開き、当該メダル補充扉46が開かれた台間メダル貸機20の開口部分を通じて、台間メダル貸機20の内部にある下部扉47の係合箇所を係合解除することによって当該下部扉47を取り外す。その後、店員は台間メダル貸機20の筐体カバー20aからメダル計数装置50のメダル計数用ホッパ54や回転円盤56を水平方向に沿って手前側に引き出してエラー解除を行う。しかしながら、図16に示すように台間メダル貸機20の前方に灰皿90等の障害物が設置されているときには、台間メダル貸機20の筐体カバー20aから水平方向に沿って手前側にメダル計数装置50を引き出した際に、当該メダル計数装置50におけるメダル計数用ホッパ54の下方に設けられたベース部が灰皿90等の障害物に干渉してしまい、メダル計数装置50を台間メダル貸機20の筐体カバー20aから完全に取り出すことができないためエラー解除操作を行うことができない。
これに対し、図17乃至図20に示すような変形例に係るメダル計数装置50aでは、メダル計数用ホッパ54の後方上部(図18において参照符号Xで示される領域)に第1切欠部54cが設けられており、メダル計数用ホッパ54の上縁部は、回転円盤56の真上の箇所の高さレベルが傾斜部54bの真上の箇所の高さレベルよりも低いような段差形状となっている。第1切欠部54cの切欠開始部分から、メダル計数用ホッパ54の装置前端までの長さは、引き出しの利便性を考慮して概ね45mm以下とすることが好ましい。また、同様の理由から、第1切欠部54cの切欠深さは8mm以上とすることが好ましい。また、変形例に係るメダル計数装置50aでは、メダル計数用ホッパ54の貯留領域55からメダルが上方に飛び出さないよう、メダル計数用ホッパ54の第1切欠部54cに上蓋51が着脱自在に設けられている。ここで、メダル計数用ホッパ54の第1切欠部54cに上蓋51が取り付けられたときにこの第1切欠部54cと上蓋51との間を密封してメダルが外部にこぼれないようにするため、上蓋51の上面における傾斜部54b側の端縁部からは上方に平板状の立位部材51pが延びている。この上蓋51は、メダル計数用ホッパ54への外部からの線材等の不正機器の侵入を防ぐ不正防止の役割も果たしている。また、メダル計数用ホッパ54の第1切欠部54cに上蓋51が取り付けられているときでも貯留領域55内のメダルを視認することができるよう、当該上蓋51は透明または半透明の部材から構成されていることが好ましい。また、メダル計数用ホッパ54の第1切欠部54cから上蓋51を自在に取り外すことができるため、貯留領域55に異物が貯留されてしまった場合でも店員は上蓋51を取り外すことにより当該異物を容易に除去することができるようになる。
また、図17乃至図20に示すような変形例に係るメダル計数装置50aでは、メダル計数用ホッパ54の下方に設けられ回転円盤56がその上面に載置されるベース部59の前方下部(図18において参照符号Yで示される領域)に第2切欠部59aが設けられており、当該ベース部59の下面は、前方の底面の高さレベルが後方の底面の高さレベルよりも高いような段差形状となっている。また、メダル計数装置50aの前端部から第2切欠部59aの後方の終端までの長さは90mm以上、切欠の深さは10mm以上とすることが好ましい。
このような構成からなる変形例に係るメダル計数装置50aによれば、図16に示すように台間メダル貸機20の前方に灰皿90等の障害物が置かれている場合でも、台間メダル貸機20の筐体カバー20aからメダル計数装置50aのメダル計数用ホッパ54およびベース部59を完全に取り出すことができるようになる。変形例に係るメダル計数装置50aのメダル計数用ホッパ54およびベース部59を台間メダル貸機20の筐体カバー20aから手前側に引き出すときの動作について図20(a)〜(c)を用いて説明する。
図20(a)は、メダル計数装置50aのメダル計数用ホッパ54およびベース部59が台間メダル貸機20の筐体カバー20aに完全に収容されているときの状態を示す側面図である。このような状態から店員はまずメダル計数用ホッパ54およびベース部59を台間メダル貸機20の筐体カバー20aから水平方向に沿って手前側に(すなわち、図20における左方向に)途中まで引き出す。この途中の引き出し位置までは、略水平方向の引き出しのみが許容されるようになっていることが、後方の装置とのプラグ接続等の観点から好ましい。そして、図20(b)に示すように、メダル計数用ホッパ54の第1切欠部54cの一部がメダル払出装置80の底板81の前端部よりも手前側(すなわち、図20における左側)の所定位置に位置するようになると、ベース部59の前端部が灰皿90の上方を通るよう、メダル計数用ホッパ54およびベース部59を前方斜め上方に持ち上げることができるようになる。この場合の所定位置でのメダル計数用ホッパ54を最大に傾斜させられる角度は、底板81によって規定されるが、この傾斜角度は、約4°〜約10°の間に設定されることが好ましい。これは、4°未満であれば引き出しの容易化への寄与度が低下し、10°を超えると、切欠寸法の増大によりメダル計数用ホッパ54内へのメダルの流れ込みに支障をきたすおそれがあるためである。このようにして、図20(c)に示すようにこれらのメダル計数用ホッパ54およびベース部59を前方斜め上方、つまり水平方向とは異なる方向に移動させて台間メダル貸機20の筐体カバー20aから完全に取り出すことができるようになる。この際に、メダル計数用ホッパ54の後方上部に第1切欠部54cが設けられていない場合には、このメダル計数用ホッパ54の上縁部がメダル払出装置80の底板81に接触してしまうおそれがあるが、変形例に係るメダル計数装置50aではメダル計数用ホッパ54の後方上部に第1切欠部54cを設けることによりメダル計数用ホッパ54およびベース部59を前方斜め上方に引き上げる際にメダル計数用ホッパ54の上縁部がメダル払出装置80の底板81に接触してしまうことを防止することができるようになる。また、ベース部59の前方下部に第2切欠部59aが設けられていない場合には、このベース部59の前方下部が灰皿90に接触してしまうおそれがあるが、変形例に係るメダル計数装置50aではベース部59の前方下部に第2切欠部59aを設けることによりメダル計数用ホッパ54およびベース部59を前方斜め上方に引き上げる際にベース部59が灰皿90に接触してしまうことを防止することができるようになる。
このように、変形例に係るメダル計数装置50aでは、メダル計数用ホッパ54の後方上部に第1切欠部54cを設けるとともにベース部59の前方下部に第2切欠部59aを設けることにより、台間メダル貸機20の前方に灰皿90等の障害物が置かれている場合でも、メダル計数用ホッパ54におけるメダルの収容枚数を減らすことなく、台間メダル貸機20の筐体カバー20aからメダル計数用ホッパ54およびベース部59を取り出しやすくなる。なお、上述した変形例に係るメダル計数装置50aにおいて、第1切欠部54cおよび第2切欠部59aの両方を必ずしも設ける必要はなく、メダル計数用ホッパ54の後方上部に第1切欠部54cが設けられるか、あるいはベース部59の前方下部に第2切欠部59aが設けられるのみとなっていてもよい。これらの場合には、第1切欠部54cおよび第2切欠部59aの両方を設けた場合と比較して台間メダル貸機20の筐体カバー20aからメダル計数用ホッパ54およびベース部59をやや取り出しにくくなるものの、それでも第1切欠部54cや第2切欠部59aを何ら設けない場合と比較してメダル計数用ホッパ54およびベース部59を台間メダル貸機20の筐体カバー20aからスムーズに取り出すことができるようになる。
また、更なる変形例に係るメダル計数装置50bの構成について図21および図22を用いて説明する。更なる変形例に係るメダル計数装置50bでは、上述したメダル計数装置50aと比較して、メダル計数用ホッパ54の上蓋51aの構成が異なっているのみであり、他の構成部材については上述したメダル計数装置50aと略同一となっている。なお、図21は、更なる変形例に係るメダル計数装置50bにおいてメダル計数用ホッパ54から上蓋51aを取り外したときの構成を示す斜視図であり、図22は、図21に示すメダル計数用ホッパ54および上蓋51aを斜め下方から見たときの構成を示す斜視図である。図21および図22に示すように、更なる変形例に係るメダル計数装置50bでは上蓋51aの上面は平面状となっており、図17乃至図20に示すメダル計数装置50aと比較して、上蓋51の上面から延びる平板状の立位部材51pが設けられていない。このような更なる変形例に係るメダル計数装置50bでは、上述したメダル計数装置50aと同様に、メダル計数用ホッパ54の後方上部に第1切欠部54cを設けるとともにベース部59の前方下部に第2切欠部59aを設けることにより、台間メダル貸機20の前方に灰皿90等の障害物が置かれている場合でも、メダル計数用ホッパ54におけるメダルの収容枚数を減らすことなく、台間メダル貸機20の筐体カバー20aからメダル計数用ホッパ54およびベース部59を取り出しやすくなる。
また、上述したメダル計数装置50aでは、図20(a)〜(c)に示すように、メダル計数用ホッパ54およびベース部59を台間メダル貸機20の筐体カバー20aから水平方向に沿って手前側に途中まで引き出した後、これらのメダル計数用ホッパ54およびベース部59を前方斜め上方、つまり水平方向とは異なる方向に移動させて台間メダル貸機20の筐体カバー20aから完全に取り出すようになっているが、図23(a)(b)に示すような別の変形例に係るメダル計数装置50cでは、メダル計数用ホッパ54およびベース部59を水平方向に沿って引き出すことにより台間メダル貸機20の筐体カバー20aから完全に取り出すことができるようになっている。具体的には、別の変形例に係るメダル計数装置50cでは、図23(a)(b)に示すように、ベース部59が載置される載置台70が位置固定で設けられており、メダル計数用ホッパ54やベース部59が台間メダル貸機20の筐体カバー20aに完全に収容されているときに、ベース部59は載置台70上に載置されるようになっている。なお、載置台70の高さは、灰皿90等の障害物の高さよりも大きくなっている。また、図23(a)(b)に示すメダル計数装置50cは、図17乃至図20に示すメダル計数装置50aと比較して、メダル計数用ホッパ54やベース部59に切欠部は設けられていない。このような別の変形例に係るメダル計数装置50cによれば、灰皿90等の障害物の高さよりも大きな高さを有する載置台70上にベース部59が載置されているので、メダル計数用ホッパ54およびベース部59を水平方向に沿って引き出すだけで、これらのメダル計数用ホッパ54およびベース部59を台間メダル貸機20の筐体カバー20aから完全に取り出すことができるようになる。
また、図24(a)(b)に示すような更に別の変形例に係るメダル計数装置50dでは、台間メダル貸機20の筐体カバー20aに収容されているメダル計数用ホッパ54およびベース部59を前方斜め上方に移動させることによりこれらのメダル計数用ホッパ54およびベース部59を台間メダル貸機20の筐体カバー20aから完全に取り出すことができるようになっている。具体的には、更に別の変形例に係るメダル計数装置50dでは、図24(a)(b)に示すように、メダル計数用ホッパ54の上面とメダル払出装置80の底板81との間には空間72が形成されている。また、図24(a)(b)に示すメダル計数装置50dは、図17乃至図20に示すメダル計数装置50aと比較して、メダル計数用ホッパ54やベース部59に切欠部は設けられていない。このような更に別の変形例に係るメダル計数装置50dによれば、メダル計数用ホッパ54の上面とメダル払出装置80の底板81との間には空間72が形成されているため、台間メダル貸機20の筐体カバー20aに収容されているメダル計数用ホッパ54およびベース部59を前方斜め上方に引き上げる際にメダル計数用ホッパ54の上縁部がメダル払出装置80の底板81に接触してしまうことを防止することができるようになる。
また、図25(a)(b)に示すような更に別の変形例に係るメダル計数装置50eでも、台間メダル貸機20の筐体カバー20aに収容されているメダル計数用ホッパ54およびベース部59を前方斜め上方に移動させることによりこれらのメダル計数用ホッパ54およびベース部59を台間メダル貸機20の筐体カバー20aから完全に取り出すことができるようになっている。具体的には、更に別の変形例に係るメダル計数装置50dでは、図25(a)(b)に示すように、メダル計数用ホッパ54の上面とメダル払出装置80の底板81との間には空間74が形成されており、この空間74内にはメダル計数用ホッパ54の上部開口を塞ぐための上蓋76が設けられている。より詳細には、上蓋76はその基端部76aを中心として上方に回転可能なハネ上げ式のものとなっており、上蓋76に何ら力が加えられていないときには当該上蓋76は図25(a)に示すような水平状態に維持されるよう図示しないバネ等により付勢されている。そして、台間メダル貸機20の筐体カバー20aに収容されているメダル計数用ホッパ54およびベース部59が前方斜め上方に引き出される際に、図25(b)に示すように上蓋76が空間74内で基端部76aを中心として上方に回転することにより当該上蓋76に対してメダル計数用ホッパ54がスライドするようになる。このような更に別の変形例に係るメダル計数装置50eによれば、メダル計数用ホッパ54の上面とメダル払出装置80の底板81との間には空間74が形成されているとともに当該空間74内にメダル計数用ホッパ54の上部開口を塞ぐための上蓋76が設けられているため、台間メダル貸機20の筐体カバー20aに収容されているメダル計数用ホッパ54およびベース部59を前方斜め上方に引き上げる際にメダル計数用ホッパ54の上縁部がメダル払出装置80の底板81に接触してしまうことを防止することができるようになる。
なお、上述の各実施形態では、下部扉47の取外しとは別にメダル計数用ホッパ54およびベース部59の取り出しを行う構成を例として示しているが、本発明はこれに限らず、メダル計数用ホッパ54が下部扉47に固定され(あるいは一体成形され)ている構成であってもよい。この場合には、下部扉47の取外しとメダル計数用ホッパ54およびベース部59の取り出しが連動して行われるようになる。
また、上述の実施形態では、メダル計数用ホッパ54の内部へのメダル残留を抑制する動作である、残留防止動作(回転円盤56を所定周期回転させ、メダルが検出されなくなるまでさらに回転させる動作)について、ICカードの返却時および従業員による閉店処理時に行うことを記載しているが、残留防止動作を行なう契機はこれらに限定されるものではない。これらの契機以外で、例えばICカードを新たに受け付けたとき、貨幣を新たに受け付けたとき、遊技機からのメダルのIN/OUT信号が所定時間無くなったときなど、遊技者が交替するあるいは交替した事が推測される事象を契機として、残留防止動作を作動させてもよい。この場合、ICカードの返却時および従業員による閉店処理時の残留防止動作により検出されたメダル数は、その後に返却(発行)されるICカードに関連付けて管理し、ICカードを新たに受け付けたとき、貨幣を新たに受け付けたとき、遊技機からのメダルのIN/OUT信号が所定時間無くなったときを契機とする残留防止動作により検出されたメダル数は、直前に返却(発行)されたICカードに関連づけるように管理することが好ましい。このようにすることによって、メダル計数用ホッパ54内部に残留するメダルを本来の所有者のものとすることができる。また、これらの契機以外にも、遊技者の交替が検知できる契機であれば、残留防止動作を作動させる契機とすることができる。
また、本発明による円板状媒体計数装置は、メダルの計数を行うメダル計数装置50に限定されることはない。本発明による円板状媒体計数装置として、メダル以外の円板状媒体の計数を行うものを用いてもよい。また、本発明による円板状媒体処理機は、メダルの計数を行うメダル計数装置50およびメダルの払出を行うメダル払出装置80を備えたものに限定されることはない。本発明による円板状媒体処理機として、メダル以外の円板状媒体の計数および払出を行うものを用いてもよい。
また、上述の実施例では、カードの形態についてICカードを例に説明したが、これは単なる例示であって、カードの形態は特に限定されず磁気カード、ICチップ内蔵の携帯電話機等の携帯情報端末、チップ、スティック等であっても本発明に適用できる。
また、上述の実施例では、上位の管理装置にて貯メダルデータと持メダルデータ、有価価値データを一括的に管理しているものを示しているが、本発明はこれに限らず、貯メダルデータを管理する第1の管理装置と、持ちメダルデータおよび有価価値データを管理する第2の管理装置に分離して構成しても、あるいはその他のデータの管理方法を用いても本発明に含まれる。
また、上述の実施例で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。