図1は、本発明の実施例1によるスロットマシン1の外観構造を表した正面図、図2は、前扉3を開いた状態でスロットマシン1の内部構造を表した図である。まず、図1を参照し、スロットマシン1は、遊技者に面するいわゆるフロントマスクが形成された前扉3が、略矩形状の箱体である筐体2の開口に対し図示しない蝶番機構により開閉可能に取り付けられている。フロントマスクは、上から上パネル部、中パネル部、下パネル部に概ね分けられ、これらは化粧板として視覚効果を高めてデザインされた硬質プラスチックにより一体的に形成されている。また、下パネル部の下方には、メダルを貯留するための受け皿4aを備える受皿ユニット4が設けられている。
上パネル部には、高輝度の発光ダイオードを内蔵した上部ランプ5等の効果ランプ(フィーバーランプ)が配置され、リーチや大当たり等の際に点灯または点滅して遊技者の視覚に訴える演出を行っている。また、上パネル部の左右位置には、それぞれスピーカを内蔵した放音部6a、6bが設けられ、効果音や楽音等によるゲームの演出を行っている。更に、各放音部6a、6bに挟まれる中央位置には、液晶表示ユニット7が配設されている。
なお、液晶表示ユニット7は、ゲームの進行に応じて適宜選択される動画像を表示して当該ゲームにストーリー性を与えたり、また、ボーナスゲーム等の大当たりの際には、よりダイナミックな画像が表示されて、遊技者に高配当の期待感を引き起こしたりする等の演出を行っている。
中段の中パネル部には、その左右の位置に、上述した発光ダイオードを内蔵する別の効果ランプであるサイドランプ9a、9bが配置されている。
また、中パネル部の前面中央には、略長方形の透明な表示窓8aが形成された中パネル板8が取り付けられている。そして、この表示窓8aを通して、筐体内に設けられている円筒状の3個のリール10a、10b、10cを遊技者が目視できるように構成されている。
なお、各リール10a、10b、10cの周面には、複数の異なる種類を含む例えば21個の図柄(図示略)がほぼ等間隔で配列され、表示窓8aに臨む縦3個、横3列の図柄が当該表示窓を通して遊技者に視認されるようになっている。また、図示はしていないが、中パネル板8の前面適宜の位置には、内部当選した役を告知する告知表示部や、クレジット残数等を表示する数値表示部等の遊技情報表示部が形成されている。
中パネル板8の下方には、前方に若干突出した操作卓と呼ばれる卓状部が形成され、ここには、ゲームに使用するメダルを投入するための投入口を有するメダル投入部11、ゲームの操作を指示するためのベットボタン12、スタートレバー13、及び3個のストップボタン14a、14b、14c等が配設されている。
ベットボタン12は、ゲームに賭けるメダルの枚数を提示するための押圧式のボタンスイッチである。スタートレバー13は、リール10a、10b、10cを一斉に回転させる指示をするためのレバースイッチであり、先端に球形の操作ノブを有するレバーを上下左右の何れかの方向に傾倒操作するとオン作動し、レバーから手が離されるとスプリングの付勢力によって自動的に元の位置に戻ってオフ作動するように構成されている。
ストップボタン14a、14b、14cは、各リール10a、10b、10cの回転停止を個別に指示するための押圧式のボタンスイッチであり、各リールの配列に対応してそれぞれ並設されている。
フロントマスクの下パネル部を構成する下パネル15には、スロットマシン1のモデルタイプ等を遊技者へ認識させるための、例えば登場キャラクターの絵柄(図示略)などが印刷されて表示されている。
前扉3の最下部に設けられた受皿ユニット4には、入賞配当等によりメダルを払い出すメダル払出口16と、スピーカを内蔵しゲームの進行に応じて演出効果音を発生させる放音部17がそれぞれ配設されている。
次に、図2を参照して、スロットマシン1の内部構造を説明する。まず、筐体2側内部の上部位置には、スロットマシン1の全体動作を統括制御する主制御基板21が透明な基板ケース21Aに収容されて取り付けられている。また、筐体2内のほぼ中央には、3個のリール10a、10b、10cを軸方向に並設してユニット化したリールユニット10が、前扉3側に形成された上述の表示窓8aに対向して所定のフレーム22に固定されている。
なお、リールユニット10の上部には、図示しない回動装置基板27が取り付けられている。回動装置基板27は、主制御基板21からの駆動パルス信号を中継し電流増幅して各リール10a、10b、10cのステッピングモータに出力する。これにより、それぞれのリールの回転及び停止の制御が行なわれる。
リールユニット10の下方のスペースには、本発明に関わるメダル払出装置100が設けられている。メダル払出装置100は、メダル投入部11から投入されたメダルをホッパー部110に貯留し、入賞配当の際に上述のメダル払出口16からメダルを遊技者に払い出している。
また、メダル払出装置100に隣接して、当該メダル払出装置100のホッパー部110から溢れたメダルを収容するためのオーバーフロータンク24と、スロットマシン1に内蔵される各機器へ所要の電力を配電する電源ユニット25等が設置されている。
次に、前扉3側において上パネル部が形成された裏面には、上述した上部ランプ5等の光源である発光ダイオードを実装するLED基板31と、放音部6a、6bに対向するスピーカ32a、32bと、液晶表示ユニット7(図1参照)と、視聴覚的効果により主にゲームの演出制御を行うサブ制御基板33等が組み付けられている。なお、サブ制御基板33も上述した主制御基板21と同様に、透明なプラスチックケースである基板ケース33Aに収容されている。
中パネル部の裏面には、リール10a、10b、10cを前方の遊技者に透視させる表示窓8aが形成された中パネル板8を前面側に設け、リールを照射するための冷陰極蛍光管34と、告知表示部や数値表示部等の発光素子を実装するランプ基板35、36と、スタートレバー13やストップボタン14a、14b、14c等のスイッチ類の出力を主制御基板21へ中継する中央表示基板37等を、それぞれ組み付けてユニット化したランプハウスユニット38が取り付けられている。
ランプハウスユニット38の下方には、メダルセレクタ39が取り付けられている。メダルセレクタ39は、フロントマスクのメダル投入部11に投入されたメダルの適否を判別し振り分ける装置である。なお、メダルセレクタ39には、セレクタセンサ39aが設けられている。セレクタセンサ39aは、メダルセレクタ39が適正と判定したメダルを検出し、主制御基板21へメダル受付信号を送信する。主制御基板21は、メダル受付信号を受信する毎にメダルをクレジット(論理貯留)している。
メダルセレクタ39の下方には、フロントマスクに設けた下パネル15と、下パネル15を裏面から照明する蛍光管等を内蔵してユニット化した下パネルユニット40が取り付けられている。
そして、下パネルユニット40の背面側には、メダルセレクタ39によって適正として選別されたメダルをメダル払出装置100のホッパー部110へ案内するメダルガイド部41と、メダルセレクタ39により不適として排除されたメダル(異物)をメダル排出口16へ案内するフローシュート42と、メダル払出装置100から払い出されたメダルをメダル排出口16へ案内するメダル払出通路43等が設けられている。更に、下パネルユニット40の背面下方部には、放音部17に対向するスピーカ44が取り付けられている。
かかる構成のスロットマシン1は、先のゲームにおいて入賞しメダルの払い出しが完了した時、または先のゲームにおいてハズレが確定すると待機状態となる。この状態において、ベットボタン12が押圧操作されると、内部に貯留したメダル(クレジット)から当該ゲームにメダルが賭けられゲームが開始する。
ゲーム開始の状態でスタートレバー13が傾倒操作されると、主制御基板21はリール10a、10b、10cを一斉に回転させ始める。同時に入賞役を内部的な処理で抽選し、その結果をフラグ(メモリ)に記憶する。
次に、遊技者がストップボタン14a、14b、14cを任意の順番で押圧操作すると、主制御基板21はそれに従い順次、対応するリールを停止させる。そして、主制御基板21は、全てのリール10a、10b、10cが停止したことを検知すると、各リールに表示された図柄の組合せが上述のフラグに記憶された入賞役に係る図柄の組合せと一致しているか否か判定する。これらが一致したときには当該入賞が確定し、その入賞役の種類に応じた配当数のメダルをクレジットに加算する。入賞の配当によりクレジットが上限を超える場合には、メダル払出装置100から超過分のメダルを受皿ユニット4へ払い出す。
このように、スロットマシン1の遊技者は、リール10a、10b、10cを回転・停止させる遊技操作を行って、表示窓8aに変動表示した図柄が揃わなければ賭けたメダルを失うが、予め定められた組合せで図柄が揃い入賞が成立すると賭けた枚数以上のメダルを獲得し得るので、技量と運とによりメダルを増やすという興趣を伴った勝敗ゲームを楽しむことができる。
次に、上述したスロットマシン1の筐体2内に備えられるメダル払出装置100の構成を詳細に説明する。ここで、図3はメダル払出装置100の外観斜視図、図4はその分解斜視図、図5はその断面図である。これらの図を参照して、メダル払出装置100は、上部において開口する概略椀形状のホッパー部110と、メダルの払出機構が板金ケースに形成されたメダル払出部120とから主に構成されている。
メダルを一定量貯留するためのホッパー部110は、投下されたメダルを受けて一側の受容口115へ誘導する滑り傾斜面111と、滑り傾斜面111の外周を囲む上部周壁112と、上部周壁112の下側に位置する下部筒体114とを有して、硬質のプラスチック樹脂により一体的に形成されている。また、上部周壁112の所定高さ位置においては、オーバーフロー孔113が開口形成されている。
メダル払出部120は、ホッパー部110の底部に位置して傾斜するベースプレート121が板金ケースに一体形成され、中央が円状に打ち抜かれたサブプレート130がベースプレート121の上面に密接して固定されている。
ベースプレート121の下面(裏面)側には、正逆回転可能な例えばステッピングモータである払出モータ122が、その駆動軸122aをベースプレート121の上面に貫通した状態で取り付けられている。そして、搬送プレート140及び捕捉プレート150が、払出モータ122の駆動軸122aにそれぞれの軸孔が嵌合して固着されている。すなわち、搬送プレート140及び捕捉プレート150は、ベースプレート121とサブプレート130の開口縁132とにより画成されるメダルの搬送空間内を一体的に回転可能に設けられている。
メダル払出装置100は、メダル払出部120のベースプレート121にホッパー部110の下部筒体114を取り付けて組み立てられる。図5に示すように、ホッパー部110に投下されたメダルMは、滑り斜面111を滑り落ちて下方の受容口115へ誘導され、下部筒体114内の貯留空間に一旦貯留される。
そして、ここに貯留されたメダルMは、それぞれの自重若しくは貯留された他のメダルの重圧により、捕捉プレート150の捕捉孔151を介して搬送プレート140の捕捉溝141に捕捉される。この状態で、払出モータ122を作動し、搬送プレート140を所定方向に回転させることにより、各メダルMが放出口131から1枚ずつ付勢されて外部へ放出される。
次に、このメダル払出部120のメダル払出機構とメダルの貯留不足を検知するメダル空センサ180の構成を更に詳細に説明する。ここで、図6は、図4において矢印Aで示すベースプレート121に正対する位置から見たメダル払出部120の平面図であって、捕捉プレート150を取り除いた状態を示している。
同図に示されるように、ホッパー部110の底部となるベースプレート121には、円状のメダル搬送空間とメダル放出路とを形成するために所定部分が打ち抜かれたサブプレート130が密着して設けられている。
払出モータ122の駆動軸122aに嵌着し回転可能な搬送プレート140には、外周側に開口を有しメダルMの直径に相当する幅の捕捉溝141が例えば8箇所に等間隔に形成されている。そして、互いに隣接する捕捉溝141間には、半径方向に放射状に延びて左回転方向に緩やかに曲がる押進部142がそれぞれ形成されている。
なお、図6には示していないが、搬送プレート140の上面には、上述の捕捉プレート150が同軸で且つ各捕捉孔151と各捕捉溝141とが位置整合して取り付けられ一体的に回転するように設けられている。また、実施形態のメダル払出装置100においては、捕捉孔151と捕捉溝141とがそれぞれ8箇所に形成され、つまり全回転することで払い出しが可能なメダルの枚数(後述する捕捉可能枚数N)を8枚としている。更に、実施形態の搬送プレート140及び捕捉プレート150は、メダルを払い出す際には右回転(正回転)し、メダルを能動的及び積極的に捕捉し確保する際には左回転(逆回転)するように構成されている。
図6に示されるように、メダル払出部150の上方左端には、メダル放出機構部が形成されている。このメダル放出機構部には、放出口131を開口端とする放出路がサブプレート130の一部が切り欠かれて形成され、また、この放出路を挟む両位置に回転自在なピンローラ161、162が設けられている。
下方側のピンローラ161は、その軸位置がベースプレート121に固定されて設けられている。一方、上方側のピンローラ162は、支軸164を中心に回動する回動アーム163に設けられ、長孔123を通してベースプレート121の裏面側より放出路内に突出して設けられている。
すなわち、ピンローラ162は、回動アーム163が回動動作するに伴い、放出路を挟んで対峙するピンローラ161へ近づく位置(閉じる側)から離間する位置(開く側)に往復移動可能となっている。なお、回動アーム163に取り付けられたコイルバネ165によって、ピンローラ162はピンローラ161に対し閉じる側に常時付勢されている。
また、ベースプレート121の裏面側には、回動アーム163の回動位置を検出する2個のフォトインタラプタ171a、171bが設けられている。なお、これらフォトインタラプタ171a、171bは、メダルの放出を検知するための払出センサ171を構成している。
かかる構成のメダル払出機構は次のように動作する。すなわち、メダル払出装置100の制御手段(例えば主制御基板21)が払出モータ122を作動して搬送プレート140を右方向に正回転させると、捕捉溝141に捕捉されたメダルMが後方の押進部142に押圧されながらサブプレート130の開口縁132に沿って周回するように搬送される。
図7(a)に示されるように、メダルMが放出路近くまで搬送されると、閉じる側にあるピンローラ162、161に当接し、回転する押進部142の押圧力がメダルMを介してピンローラ162を開く側に作用する。このとき、コイルバネ165には、伸張による弾性エネルギーが蓄積される。
更に、搬送プレート140が回転し、図7(b)に示される位置でメダルMの中心がピンローラ161、162の各軸を結ぶ線を超えた時、コイルバネ165の弾性収縮力はピンローラ162が閉じる側に作用する。これにより、コイルバネ165に蓄積された弾性エネルギーが一機に開放し、閉じる側に移動するピンローラ162にメダルMが押圧されて、放出口131を介して勢いよく外部へ放出される。
このとき、払出センサ171は、ピンローラ162と連動して往復動する回動アーム163の両端位置を2個のフォトインタラプタ171a、171bがそれぞれ検出し、メダル払出装置100の制御手段(主制御基板21)に各検出信号を出力する。制御手段は、フォトインタラプタ171a、171bのかかる一連の作動に基づいて論理判定することにより、1枚ごとのメダルMの払い出し(放出)を検知している。
次にメダル払出部120の搬送プレート140に捕捉されるメダルの有無を検出する手段であるメダル空センサ180の一例を説明する。ここで、図8(a)及び(b)は、メダル空センサ180が設けられた付近の構造を表した平面図である。同図に示すように、メダル空センサ180は、発光素子181と受光素子182とを備え、発光素子181が発光した光SLを受光素子182が受光したとき作動信号を生成するように構成されている。
発光素子181は、例えば発光ダイオードを有して形成され、搬送プレート140が図8(a)に示される所定の回転位置にある状態で、1箇所の捕捉溝141の深部(反射部143)に向けて光SLを照射すべく、開口幅が規制されたスリット181aを介してサブプレート130の周辺部に設置されている。
受光素子182は、光を受けるとオンするフォトダイオード(フォトトランジスタ)からなり、図8(a)に示される所定の回転位置にある搬送プレート140の捕捉溝141の深部(反射部143)から反射された光SLのみを受光すべく、開口幅が規制されたスリット182aを介して設置されている。
なお、各捕捉溝141の深部には、その前後の縁形状に比較して平坦な反射部143が形成されている。また、各スリット181a、182aは、サブプレート130の開口縁132の一部が狭く切り欠かれて形成されている。
すなわち、メダル空センサ180は、搬送プレート140が図8に示される所定の回転位置にあり、検出対象の捕捉溝141にメダルが捕捉されていない場合には、その深部の反射部143で反射した光SLが受光素子182に受光されてオン作動する。これにより、当該捕捉溝141の空き状態を検出することができる。
また、図8(b)に示されるように、検出対象とする捕捉溝141にメダル(M1ないしM2)が捕捉されている場合には、狭く開口するスリット182aを介しては反射した光SLが導光されないため、その奧側にある受光素子182が作動することはない。
このように、メダル空センサ180は、その作動により空き状態の捕捉溝141を検出し、これにより、搬送プレート140に捕捉されるメダルの有無を検出することが可能となっている。また、メダル空センサ180は、捕捉溝141の空き状態をその深部に形成した反射部143で反射した光SLのみを受光して検出する方式にしたので、誤作動することなく、またその検出回路を簡易化することができる。
次に、メダル払出装置100の制御手段を含む、スロットマシン1の制御システムについて、図9のブロック図を参照しながら説明する。同図に示されるように、スロットマシン1の制御システムは、主制御基板21を中央にしてサブ制御基板33が接続され、また、中央表示基板37、回胴装置基板27、電源装置基板26等を中継基板として各種操作スイッチ、センサ類、機器ユニット等が配線ケーブルを介して電気的に接続されている。
主制御基板21及びサブ制御基板33は、それぞれCPUの他にROM、RAM等の半導体メモリが備えられ、ROMに予め記憶されている動作プログラムに従ってCPUが演算処理を実行することで、ゲーム及び周辺機器の動作制御を行うマイコンベースの制御基板である。
主制御基板21には、中央表示基板37を介してベットボタン12、スタートレバー13、ストップボタン14a、14b、14c等の操作スイッチと、メダルセレクタ39内のセレクタセンサ39a等のセンサが接続され、それぞれの操作信号及び検知信号が入力される。
また、サブ制御基板33には、上部ランプ5及びサイドランプ9a、9b等に設けられる発光ダイオード31a等のランプ類と、放音部6a、6b、17に設けられるスピーカ32a、32b、44と、画像制御基板71を介して液晶表示ユニット7等とが接続されている。サブ制御基板33は、ゲームの進行に応じて主制御基板21から送信される演出指令信号に基づいて、それぞれのランプ類、スピーカ等を駆動することで、視聴覚的効果の高いゲームの演出を行っている。また、画像制御基板71は、VDP(Video Display Processor)及びフレームメモリやビデオRAM等を搭載しており、サブ制御基板33から供給される画像データに基づいてビデオ信号を生成し、液晶表示ユニット7において演出用の動画像を表示する制御を行っている。
また、主制御基板21は、各リール10a、10b、10cの回転駆動源であるステッピングモータ等の回転モータ28a、28b、28cに対し、駆動パルス信号を回胴装置基板27により電流増幅して供給している。そして、各リールに設けられたインデックスセンサ29a、29b、29cの作動により、各リールの位置管理データを校正(リセット)し、これを基準に送出した駆動パルス信号に基づいて正確に各リールの回転位置制御を行っている。
また、主制御基板21には、電源装置基板26を中継基板としてメダル払出装置100が接続されている。なお、電源装置基板26は、電源ユニット25(図2参照)の板金ケースに格納されて設けられている。
主制御基板21は、メダル払出装置100の払出モータ122に対し駆動パルス信号を供給し、搬送プレート140及び捕捉プレート150の回転量及び回転方向を制御している。なお、搬送プレート140等の回転量は、払出モータ122に送出した駆動パルス信号のパルス数に基づいて把握されるが、より精度を向上させるために搬送プレート140等の基準位置を検出するインデックスセンサをメダル払出装置100に設け、1回転毎にその回転位置(回転量)を校正するようにしてもよい。
また、主制御基板21は、フォトインタラプタ171a、171bからなる払出センサ171の各作動信号に基づいて、メダル払出装置100によるメダルの払い出しを論理的に検知している。
更に、主制御基板21は、メダル空センサ180を構成する発光素子181を点灯駆動するとともに、その反射光を検出する受光素子182の作動に基づいて、搬送プレート140に捕捉されるメダルの有無を検出している。
次に、メダル払出装置100の動作について、図10及び図11のフローチャートを参照して説明する。なお、メダル払出装置100を動作制御する制御手段は、主制御基板21のCPUによって動作するプログラムの一部として構成されている。ここで、図10は、メダルの貯留不足検知を同時に行うメダルの払い出しの動作制御を示し、また、図11は、待機中(メダルの払い出しを行なっていない状態)に行われるメダルの確保と貯留不足検知の動作制御を示している。
まず、図10に示されるメダルの払い出しにおいては、主制御基板21は、ゲームが入賞または貸し出し操作がされるに応じて定められる所定枚数Pのメダルを払い出すべく、メダル払出装置100の払出モータ122を駆動して搬送プレート140を右(正)回転させる(ステップS101)。
主制御基板21は、搬送プレート140が回転開始から全回転(最初の1回転)する間(ステップS102:NO)、払出センサ171の作動回数であるメダルの実払出枚数Dが、当該入賞等による所定の払出枚数Pに至ったか否かを判定し(ステップS103)、これらの数値が一致したとき(ステップS103:YES)、搬送プレート140の回転を停止させる(ステップS104)。これにより、メダル払出装置100による所定枚数Pのメダルの払い出しが正常終了となる。
主制御基板21は、メダルの払い出しが終了するまで、搬送プレート140が1回転する毎にメダルの有無をチェックする。すなわち、ステップS102において搬送プレート140が回転開始の位置から全回転したのを検知すると(ステップS102:YES)、その間にメダル空センサ180が少なくとも1回、作動したか否かをチェックする(ステップS105)。メダル空センサ180が作動していなければ(ステップS105:NO)、ステップS103においてメダルの実払出枚数Dが払出枚数Pに至ったと判定されるまで、搬送プレート140の回転、つまり払い出し動作が継続される。
主制御基板21は、搬送プレート140が全回転する間にメダル空センサ180が作動したと判定すると(ステップS105:YES)、ステップS106において、払出用のメダルが不足しているか否か次の判定式でチェックする。すなわち、当該所定払出枚数Pから既に払い出した実払出枚数Dを差し引いて求められる払い出すべきメダルの枚数が、搬送プレート140によるメダル捕捉可能枚数N(実施形態では8枚)からメダル空センサ180の作動回数Eを差し引いて逆算して求められる推定捕捉数よりも大きいとき(ステップS106:YES)、主制御基板21は、メダルが貯留不足と判断してステップS107のメダル不足処理を実行する。そして、メダル払出装置100に対する制御を終了させる(ステップS104)。
一方、ステップS105でメダル空センサ180が作動したと判定しても、払い出すべきメダルの枚数(P−D)が推定捕捉数(N−E)以下であれば(ステップS106:NO)、引き続きステップS103においてメダルの実払出枚数Dが払出枚数Pに至ったと判定されるまで、搬送プレート140の回転、つまり払い出し動作が継続される。
ステップS107のメダルの貯留不足の処理においては、具体的には例えばメダル不足信号(エンプティエラー信号)を島端や中央の管理コンピュータ(ホールコンピュータ等)へ出力する。これにより、ホールの管理者等にメダルの補給を促す等することができる。また、メダルの貯留不足を、例えばスロットマシン1の上部ランプ5等を点滅し、更にスピーカ32a、32b等を鳴らして遊技機の周囲に報知してもよい。
このように、メダル払出装置100にメダル空センサ180を新たに設けることで、メダルを払い出す動作に伴ってメダルの不足も検知することができる。これにより、従来のタイムアウトによる方法に比べて貯留不足を迅速に検知することができる。したがって、メダルの貯留不足によりゲームが中断する等の事態を極力回避し、ゲーム進行に与える影響を極力減らすことができる。
次に、本メダル払出装置100による別の動作例である、図11に示されるメダル払い出し待機中におけるメダル確保の制御を説明する。メダル払い出し待機中とは、スロットマシンゲームにおいて例えばゲーム開始から入賞判定するまでのゲーム期間(状態)をいう。主制御基板21は、例えばスタートレバー13が操作される等の所定の操作契機または当該待機中に定期的に作動するタイマ割込に応じて払出モータ122を払い出し動作とは逆方向に駆動し、搬送プレート140を左方向に全回転させる(ステップS201)。
そして、ステップS202において、搬送プレート140が全回転する間にメダル空センサ180が少なくとも1回、作動したか否かをチェックする。その間にメダル空センサ180の作動がなければ(ステップS202:NO)、主制御基板21は、搬送プレート140の全ての捕捉溝141にメダルが確保されていると判断し、処理を終了する。
主制御基板21は、ステップS202において少なくとも1回、メダル空センサ180が作動したと判定すると(ステップS202:YES)、更にもう1回転、搬送プレート140を逆回転させ、メダルの捕捉をリトライする(ステップS203)。
そして、ステップS204において再びメダル空センサ180が作動したか否かをチェックし、その作動がなければ(ステップS204:NO)、メダルが確保されたとして処理を終了する。
一方、メダル空センサ180が作動した場合には(ステップS204:YES)、ステップS203で搬送プレート140を逆回転させたリトライ回数が何回か判定する(ステップS205)。主制御基板21は、リトライ回数が予め定められた回数に未だ至らなければ(ステップS205:NO)、ステップS203に戻り、搬送プレート140を逆回転させるリトライ動作を繰り返す。そして、ステップS204において、メダルを確保できたか否かを再び判定する。
主制御基板21は、ステップS203においてした搬送プレート140を逆回転させるリトライ動作の回数が所定回数に達したと判定すると(ステップS205:YES)、ホッパー部110にメダルが不足していると判断し、ステップS206においてメダル不足処理を実行する。
ステップS206のメダルの貯留不足の処理では、上述のステップS107と同様に、主制御基板21はメダル不足信号をホールコンピュータ等へ出力し、またスロットマシン1の上部ランプ5やスピーカ32a、32b等を駆動して周囲に報知する。
このように動作制御されるメダル払出装置100によれば、搬送プレート140を逆回転することで、例えばホッパー部110に貯留されたメダルの量が少なくても効果的にメダルを捕捉(確保)でき、払い出しをスムーズに行うことができる。また、メダルを確保する間にメダルの貯留不足状態も検知でき、メダルを払い出し中にメダルが不足してゲームが中断する等の事態が回避される。
次に、本発明の実施例2として、CR貸出ユニット50を隣接して備え、そのメダル貸出機能に対応したスロットマシン1のメダル不足検知方法について説明する。ここで、図12は、スロットマシン1の制御システムブロック図、図13は、制御手段(主制御基板21)によるメダル払出装置100のメダルの確保と貯留不足検知の動作制御を表したフローチャートである。なお、ここでは、上述した実施例1で説明した構成要素と同一又は対応する部分については同一の符号を使用し、そのうち同一の部分については実施例1を参照するものとして説明を省略している。
まず、図12を参照し、CR貸出ユニット50を備えたスロットマシン1の制御システムは、主制御基板21を中央にしてサブ制御基板33、中央表示基板37、回胴装置基板27、電源装置基板26、CR制御基板51等が配線ケーブルを介して電気的に接続されている。ここで、上述した実施例1と同様に、本発明に関わるメダル払出装置100の制御手段は、主制御基板21のCPUによって動作するプログラムの一部として構成されている。
CR制御基板51は、スロットマシン1の主制御基板21とCR貸出ユニット50のコントローラ501との相互通信機能を備える制御基板である。また、CR貸出ユニット50は、装填されたプリペイドカードの有効ポイント(メダルと交換可能な遊技価値情報)等の記憶情報を読み取る読取部503と、読取部503に装填されているプリペイドカードを外部へ排出する排出機構504とを備え、これらはコントローラ501によって制御される。また、コントローラ501には、読取部503が読み取ったポイント等の情報を一時的に記憶するメモリ502が設けられている。
中央表示基板37には、スロットマシンゲーム用の操作入力手段である上述したベットボタン12、スタートレバー13、ストップボタン14a、14b、14cの他に、押しボタンスイッチであるCR操作用の貸出スイッチ52と返却スイッチ53が接続され、これらのスイッチ出力が中央表示基板37を介して主制御基板21に入力されるようになっている。なお、図示はしていないが、貸出スイッチ52及び返却スイッチ53は、スロットマシン1のフロントマスクにおいてその操作卓の一角に設けられている。
スロットマシン1のゲームにおいて、ベットボタン12が操作され、またはスタートレバー13が操作されたのを起点に全てのリール10a、10b、10cが停止して入賞判定が完了するまで、または入賞時のメダルの払い出しが完了するまでは、メダルの貸し出しが禁止されている。スロットマシン1がこれ以外の状態においては、貸出スイッチ52によるメダルの貸し出し操作を受け付け、これに応じて例えば50枚のメダルがメダル払出装置100から払い出され、遊技者に貸し出される。
すなわち、スロットマシン1がメダルの貸し出しを許可する状態において、貸出スイッチ52が操作されると、主制御基板21は、貸出要求信号をCR制御基板51を介してCR貸出ユニット50のコントローラ501へ送出する。
コントローラ501は、貸出要求信号の受信に応じてメモリ502を参照し、当該装填されたプリペイドカードに記憶されているポイント残高が1回の貸し出しに要するポイント以上有しているか確認する。コントローラ501は、プリペイドカードのポイント残高が有効であると判定すると、主制御基板21に対し貸出有効信号を返送する。主制御基板21は、貸出有効信号の受信に応じてメダル払出装置100を作動し、所定貸出枚数である50枚のメダルの払い出しをさせる。
そして、所定貸出枚数のメダルの払い出しが完了すると、主制御基板21は、貸出完了信号をコントローラ501へ送出し、コントローラ501はこれを受けてプリペイドカードのポイント残高を貸し出しに要した消費分だけ減じる処理を行う。
また、主制御基板21は、返却スイッチ53の作動を検知すると、CR貸出ユニット50のコントローラ501へ返却指令信号を送出する。コントローラ501は、返却指令信号の受信に応じて排出機構504を作動し、装填されているプリペイドカードを外部へ排出して遊技者に返却させる。
次に、図13に示されるメダル貸し出し禁止中におけるメダル確保と貯留不足検知方法を説明する。ここで、メダル貸し出し禁止中とは、上述したように少なくとも1個のリールが回転している間をいうが、発明の実施をするに際してはそれに限定しなくてもよい。
図13を参照し、主制御基板21は、例えばスタートレバー13が操作される等の所定の操作契機にメダルの貸し出し禁止状態を認識したとき(ステップS301:YES)、メダル払出装置100の払出モータ122を払い出し動作とは逆方向に駆動し、搬送プレート140を左方向に全回転(1回転)させる(ステップS302)。
そして、ステップS303において、搬送プレート140が全回転する間にメダル空センサ180が少なくとも1回、作動したか否かをチェックする。その間にメダル空センサ180の作動がなければ(ステップS303:NO)、主制御基板21は、搬送プレート140の全ての捕捉溝141にメダルが確保されていると判断し、処理を終了する。
主制御基板21は、ステップS303において少なくとも1回、メダル空センサ180が作動したと判定すると(ステップS303:YES)、更にもう1回転、搬送プレート140を逆回転させ、メダルの捕捉をリトライする(ステップS304)。
そして、ステップS305において再びメダル空センサ180が作動したか否かをチェックし、その作動がなければ(ステップS305:NO)、メダルが確保されたとして処理を終了する。
一方、メダル空センサ180が作動した場合には(ステップS305:YES)、ホッパー部110にメダルが不足していると判断し、ステップS306においてメダル不足処理を実行する。
ステップS306のメダルの貯留不足の処理では、実施例1と同様に、主制御基板21はメダル不足信号をホールコンピュータ等へ出力し、またスロットマシン1の上部ランプ5やスピーカ32a、32b等を駆動して周囲に報知する。
かかるCR貸出ユニット50を備えるスロットマシン1によれば、メダルの貸し出しが行われない間(メダル貸し出し禁止中)に搬送プレート140を逆回転することで、例えばホッパー部110に貯留されたメダルの量が少なくても効果的にメダルを捕捉(確保)でき、貸し出しをスムーズに行うことができる。また、メダルを確保する間にメダルの貯留不足状態も検知でき、メダルを貸し出し動作中にメダルが不足して、未払い等の混乱を招くことがなくなる。
また、貸し出し動作中にもメダル空センサ180がメダルの不足を随時チェックできるので、不足を判断するために長いタイムアウトを要していた従来の方法よりも迅速にメダル貯留不足状態を検知できるようになる。