本発明は、スロットマシン等の遊技機や遊技媒体の貸出装置等に用いられる遊技媒体払出装置に関する。
一般に、スロットマシン等の遊技機は、遊技者がメダル等の遊技媒体を賭けて複数個のリールからなる可変表示装置を回転させ、この可変表示装置が停止したときの各リールに描かれている図柄や数字等の識別情報が、所定の組み合わせとなったときに、その組み合わせの態様に応じて予め定められた枚数のメダルが払い出されるように構成されている。可変表示装置の停止図柄が所定の入賞態様となると、遊技機内部の遊技媒体払出装置から所定枚数のメダルが排出され、遊技機下部に設けられた受皿装置に払い出されて貯留される。
かかる遊技媒体払出装置は、複数のメダルが無秩序に収容される収容器の底部に、メダルが数枚ずつ水平に整列されて受容される複数の受容孔が形成された回転円板を備え、この回転円板をモータ等の駆動手段により回転駆動している。回転円板の受容孔に受容されたメダルは、回転円板の回転に伴って所定の軌道に誘導され、受容孔の下部に設けられたメダル排出手段によって外部に排出される。
このときメダル収容器にはメダルが無秩序に収容されているため、メダルが回転円板の受容孔に整然と受容されずに、受容孔とその下部の床面または収容器の内周面との間に挟まったり数枚のメダルが縦に固まったりしてメダル詰まりを起こし、回転円板の回転を阻害するという問題が生じる場合があり、従来、種々の対策が提案されている。
例えば、特開2004−310408号公報には、コイン(遊技媒体)の外径よりも大きな内径をもって貫通した複数のコイン受け孔が、中心から等距離の位置に配列された回転盤と、この回転盤を回転自在に支持する基盤とを有し、多数のコインを集積したバケットの底部に設けられた供給口から、前記コイン受け孔に送り込まれるコインを、一枚ずつ排出するコイン払出装置であって、前記回転盤の外周部に、この回転盤の回転軸と略平行となる内周壁を有する周壁を一体的に設けたことを特徴とするコイン払出装置の発明が開示されている。
また、特開2005−32209号公報には、上端から下端にかけてすぼんで形成され、上端開口部から投入されたコイン(遊技媒体)を貯留するコインバケットと、このコインバケットの下端に設けられ、コインを収容するコイン受孔が回転中心のまわりに環状に複数形成されたコインディスクと、このコインディスクを前記回転中心を中心に回転させる回転駆動手段と、前記コインディスクのコイン受孔に収容されたコインを外部に放出して払い出すコイン放出手段とを備えるホッパー装置において、前記コインディスクは、前記コインディスクの回転中心部から周縁部にわたって突出する突条が前記コイン受孔間に形成されていることを特徴とするホッパー装置の発明が開示されている。
特開2004−310408号公報
特開2005−32209号公報
しかしながら、上記特許文献1または特許文献2に開示されている発明においても、遊技媒体の受容孔に複数の遊技媒体が斜めに重なって受容孔に挟まるような不具合を完全に解消することができず、一度遊技媒体が詰まってしまうと係員が手動で対応しないとその詰まりを除去することができないので、遊技媒体が詰まることによる駆動モータの回転の阻害を生じてしまうという課題があった。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、回転円板の受容孔に遊技媒体が詰まることを有効に防止でき、各受容孔に整然と遊技媒体が受容され得る遊技媒体払出装置を提供することを目的とする。
このような課題を解決するために請求項1に記載の発明は、複数の遊技媒体を収容する収容器と、該収容器の底部に配設され前記遊技媒体が受容される複数の受容孔を備えた第1の回転円板と、該第1の回転円板と同軸的に配設され前記遊技媒体が受容される複数の受容孔と遊技媒体排出手段を備えた第2の回転円板と、前記第1の回転円板と前記第2の回転円板の間に前記第1の回転円板及び前記第2の回転円板と同軸的に配設された駆動力切替伝達手段と、前記第1の回転円板及び前記駆動力切替伝達手段に回転駆動力を付与する駆動手段と、を備えた遊技媒体払出装置であって、前記第1の回転円板は、正転方向及び逆転方向に回転可能に前記駆動手段の駆動軸に固着され、前記駆動力切替伝達手段は、前記第2の回転円板に形成された被駆動係合部と、前記被駆動係合部と係合して前記正転方向の前記回転駆動力を前記第2の回転円板へ伝達する駆動係合部が設けられた駆動力伝達部材と、該駆動力伝達部材を前記駆動軸方向に前記第2の回転円板側へ付勢する付勢部材とを具備してなり、前記第2の回転円板に対して、前記正転方向の前記回転駆動力を伝達し前記逆転方向の前記回転駆動力は伝達しないように構成され、前記第2の回転円板が前記正転方向に回転駆動されることにより前記遊技媒体が順次排出されてなることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記駆動手段の前記駆動軸は、該駆動軸方向と直交する断面が非円形の非円柱部を有し、前記駆動力伝達部材は、中心部に前記駆動軸の前記非円柱部の外形形状に対応した形状の挿通孔が形成された筒状部を有し、前記駆動力伝達部材が前記駆動軸方向に変位可能かつ前記駆動軸とともに前記正転方向及び前記逆転方向に回転可能に前記挿通孔に前記非円柱部が挿通されてなることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の発明において、前記駆動力伝達部材は、前記筒状部の外周部から回転径方向に一体的に延設された円板状の鍔部を備え、前記駆動係合部は、前記正転方向の前面側に前記鍔部の前記第2の回転円板と対向する面から略直角に突設する駆動面を備え、前記被駆動係合部は、前記第2の回転円板の前記駆動係合部と対向する対向面から前記駆動係合部側へ突設して形成され、前記正転方向の後面側に前記対向面から略直角に突設される被駆動面と該被駆動面の上端部から前記対向面まで下方に傾斜して前記正転方向の前面側に形成された傾斜面とを備え、前記駆動力伝達部材が前記正転方向に回転駆動されたときに前記被駆動面が前記駆動面に押圧されて、前記第2の回転円板が前記正転方向に回転駆動されてなることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、前記請求項2に記載の発明において、前記駆動力伝達部材は、前記筒状部の外周部から回転径方向に一体的に延設された円板状の鍔部を備え、前記駆動係合部は、前記正転方向の前面側に前記鍔部の前記第2の回転円板と対向する面から略直角に突設する駆動面を備え、前記被駆動係合部は、前記第2の回転円板の前記駆動係合部と対向する対向面から前記駆動係合部と反対側へ凹設して形成され、前記正転方向の前面側に前記対向面から略直角に凹設される被駆動面と該被駆動面の下端部から前記対向面まで上方に傾斜して前記正転方向の後面側に形成された傾斜面とを備え、前記駆動力伝達部材が前記正転方向に回転駆動されたときに前記被駆動面が前記駆動面に押圧されて、前記第2の回転円板が前記正転方向に回転駆動されてなることを特徴とする。
請求項1に記載の発明に係る遊技媒体払出装置によれば、複数の遊技媒体を収容する収容器と、該収容器の底部に配設され前記遊技媒体が受容される複数の受容孔を備えた第1の回転円板と、該第1の回転円板と同軸的に配設され前記遊技媒体が受容される複数の受容孔と遊技媒体排出手段を備えた第2の回転円板と、前記第1の回転円板と前記第2の回転円板の間に前記第1の回転円板及び前記第2の回転円板と同軸的に配設された駆動力切替伝達手段と、前記第1の回転円板及び前記駆動力切替伝達手段に回転駆動力を付与する駆動手段と、を備えた遊技媒体払出装置であって、前記第1の回転円板は、正転方向及び逆転方向に回転可能に前記駆動手段の駆動軸に固着され、前記駆動力切替伝達手段は、前記第2の回転円板に対して、前記正転方向の前記回転駆動力を伝達し前記逆転方向の前記回転駆動力は伝達しないように構成され、前記第2の回転円板が前記正転方向に回転駆動されることにより前記遊技媒体が順次排出されるように構成されているので、前記第1の回転円板を所定のタイミングで逆転方向に回転させることにより収容器内に無秩序に収容されている遊技媒体を攪拌して受容孔内に整列させることができ、遊技媒体の詰まりを防止することができる。
また、正転方向の回転により、万一、遊技媒体の受容孔での挟み込みが生じても、第1の回転円板の逆転時に挟み込みを除去することができる。
なお、逆転方向の回転駆動力は前記駆動力切替伝達手段の作用によって遊技媒体排出手段を備えた第2の回転円板には伝達されないので、第2の回転円板が逆転方向に回転することはなく、第2の回転円板の逆転方向への回転による遊技媒体の誤排出を防止することができる。
また、請求項1に記載の発明に係る遊技媒体払出装置によれば、前記駆動力切替伝達手段が、前記第2の回転円板に形成された被駆動係合部と、前記被駆動係合部と係合して前記正転方向の前記回転駆動力を前記第2の回転円板へ伝達する駆動係合部が設けられた駆動力伝達部材と、該駆動力伝達部材を前記駆動軸方向に前記第2の回転円板側へ付勢する付勢部材と、を具備しているので、正転方向の回転駆動力を、付勢部材によって第2の回転円板側へ付勢される駆動力伝達部材により、駆動力伝達部材の駆動係合部から第2の回転円板の被駆動係合部へ確実に伝達することができる。
請求項2に記載の発明に係る遊技媒体払出装置によれば、上記請求項1に記載の発明に係る遊技媒体払出装置の効果に加えて、前記駆動手段の前記駆動軸は、該駆動軸方向と直交する断面が非円形の非円柱部を有し、前記駆動力伝達部材は、中心部に前記駆動軸の前記非円柱部の外形形状に対応した形状の挿通孔が形成された筒状部を有し、前記駆動力伝達部材が前記駆動軸方向に変位可能かつ前記駆動軸とともに前記正転方向及び前記逆転方向に回転可能に前記挿通孔に前記非円柱部が挿通されて構成されるので、駆動軸の正転方向及び逆転方向の回転動作には同期して回転し第2の回転円板への回転駆動力の伝達は軸方向の変位で切替が可能な駆動力切替伝達手段を簡易な構造で構成することができる。
請求項3に記載の発明に係る遊技媒体払出装置によれば、上記請求項2に記載の発明に係る遊技媒体払出装置の効果に加えて、前記駆動力伝達部材は、前記筒状部の外周部から回転径方向に一体的に延設された円板状の鍔部を備え、前記駆動係合部は、前記正転方向の前面側に前記鍔部の前記第2の回転円板と対向する面から略直角に突設する駆動面を備え、前記被駆動係合部は、前記第2の回転円板の前記駆動係合部と対向する対向面から前記駆動係合部側へ突設して形成され、前記正転方向の後面側に前記対向面から略直角に突設する被駆動面と該被駆動面の上端部から前記対向面まで下方に傾斜して前記正転方向の前面側に形成された傾斜面とを備え、前記駆動力伝達部材が前記正転方向に回転駆動されたときに前記被駆動面が前記駆動面に押圧されて、前記第2の回転円板が前記正転方向に回転駆動されるように構成されているので、駆動手段による回転駆動力が正転方向のとき、正転方向の前面側に突設形成された駆動係合部の駆動面が正転方向の後面側に突設形成された被駆動係合部の被駆動面を面接触状態で確実に押圧して第2の回転円板に回転駆動力を伝達することができる。
なお、駆動手段による回転駆動力が逆転方向のときは、前記駆動力伝達部材を前記駆動軸方向に変位させながら前記駆動面の背部が前記被駆動面の背部の前記傾斜面上を滑走し、第2の回転円板には回転駆動力は伝達されない。
請求項4に記載の発明に係る遊技媒体払出装置によれば、上記請求項2に記載の発明に係る遊技媒体払出装置の効果に加えて、前記駆動力伝達部材は、前記筒状部の外周部から回転径方向に一体的に延設された円板状の鍔部を備え、前記駆動係合部は、前記正転方向の前面側に前記鍔部の前記第2の回転円板と対向する面から略直角に突設する駆動面を備え、前記被駆動係合部は、前記第2の回転円板の前記駆動係合部と対向する対向面から前記駆動係合部と反対側へ凹設して形成され、前記正転方向の前面側に前記対向面から略直角に凹設される被駆動面と該被駆動面の下端部から前記対向面まで上方に傾斜して前記正転方向の後面側に形成された傾斜面とを備え、前記駆動力伝達部材が前記正転方向に回転駆動されたときに前記被駆動面が前記駆動面に押圧されて、前記第2の回転円板が前記正転方向に回転駆動されるように構成されているので、駆動手段による回転駆動力が正転方向のとき、正転方向の前面側に突設形成された駆動係合部の駆動面が正転方向の前面側に凹設形成された被駆動係合部の被駆動面を面接触状態で確実に押圧して第2の回転円板に回転駆動力を伝達することができる。
なお、駆動手段による回転駆動力が逆転方向のときは、上記請求項3に記載の発明に係る遊技媒体払出装置と同様に、第2の回転円板には回転駆動力は伝達されない。
また、被駆動面が第2の回転円板の前記対向面から凹設されて形成されているので、請求項3に記載の発明に係る遊技媒体払出装置に比して駆動軸方向に薄型の遊技媒体払出装置を提供することができる。
以下、本発明に係る遊技媒体払出装置の好適な一実施形態を、スロットマシンを例に図面を参照して説明する。なお、図1はスロットマシン1の外観構造を表した斜視図、図2は前扉3を開放した状態におけるスロットマシン1の内部構造を表した平面図である。図3は、スロットマシン1の制御システムを表したブロック図である。
図1において、スロットマシン1は、略矩形状の箱体である筐体2と、当該筐体2と蝶番機構により開閉可能に取り付けられた前扉3とを備えている。前扉3の前面側は、上部パネル部4と下部パネル部5に略区分けされ、これらは視覚効果を高めてデザインされたいわゆる化粧板として、硬質プラスチックにより一体的に形成されている。更に、下部パネル部5の下方には、入賞時に払い出されるメダルを貯留する受皿部6aが一体的に形成された受皿ユニット6が設けられている。
また、上部パネル部4と下部パネル部5との間には、遊技者側に突出し、ゲーム操作を行うためのスイッチ類が配置されている操作卓7が一体的に形成されている。なお、上部パネル部4、操作卓7、下部パネル部5、及び受皿ユニット6は、遊技者側に面し、これらによって「前面パネル部」が構成される。
上部パネル部4の中央には、硬質プラスチック板等で形成されたパネル面41が設けられている。パネル面41のほぼ中央には略長方形の透明な表示窓が形成され、この表示窓を通して筐体2内に設けられている可変表示装置を構成するリールユニット100の3個のリール101a、101b、101c(図2参照)が目視される。
上部パネル部4の上部には、レンズパネル46aの内部に高輝度発光ダイオード等の光源を内蔵する照明演出装置46と、ゲームに係る効果音を発生させるスピーカを内蔵する演出用放音部47a、47bがそれぞれ配置されている。
また、演出用放音部47a、47bの間には、透明な硬質プラスチック板等が嵌め込まれて形成された表示窓48aに面して遊技機の演出装置として液晶表示演出装置48が配置されている。なお、液晶表示演出装置48は、ゲームの演出に係る映像やゲーム(遊技)に関する情報を主に表示する。
上部パネル部4の側部には、蛍光灯や高輝度発光ダイオードで形成された演出用照明部49a、49bが設けられている。ゲームの進行に応じて上述した照明演出装置46、複数の演出用照明部49a、49b等が点灯又は点滅することで、ゲームにおける視覚的な演出効果を高めるように形成されている。
操作卓7の上面右側には、メダルを投入するためのメダル投入口71aを有するメダル投入部71が設けられている。また、当該上面の左側には、押しボタンスイッチである2個のベットボタン72、73が設けられている。
ベットボタン72、73はスロットマシン1の1ゲームに賭けるメダルの枚数を提示するためのボタンスイッチである。ゲームを開始する際に、ベットボタン72が1回押圧操作されることで、貯留されているメダルから1枚のメダルがゲームに対して賭けられ、同様にベットボタン72が2回押圧操作されることで2枚のメダルが賭けられる。また、ベットボタン73が押圧操作されることで3枚のメダルが当該ゲームに賭けられる。なお、ベットボタン73は、最大枚数のメダルを賭けることから、特に「マックスベットボタン」と呼ばれている。
操作卓7の前面左側には、リール101a、101b、101cの回転開始を指示するためのスタートレバー75が設けられている。スタートレバー75は、先端に球形の操作ノブを有する揺動可能な操作旱を備え、この操作旱が傾倒操作されるとオン、操作旱から手が離されるとスプリングの付勢力によって自動的に元の位置に戻ってオフ状態となるスイッチユニットで形成されている。
また、操作卓7の中央には、各リール101a、101b、101cの回転停止をそれぞれ指示するためのストップボタン76a、76b、76cが各リールの配列に対応して並設されている。
さらに、操作卓7の前面の左隅には、ゲームに賭けられたメダルをキャンセルして払い出させることを指示するとともに、後述するメダルクレジット手段210(図3参照)が内部貯留したメダルを精算して払い出させることを指示するための精算ボタン77が設けられている。
操作卓7の前面右側には、前扉3を開錠するための鍵が挿入される鍵穴78が設けられている。スロットマシン1の管理者等が鍵穴78に所定の鍵を挿入して開錠操作すると、蝶番機構によって筐体2に取り付けられている前扉3を前方へ開くことができ、また前扉3を筐体2側に閉じると、自動的にこれらを施錠するようになっている。
下部パネル部5には、スロットマシン1のモデルタイプを遊技者へ認識させる等のため、登場キャラクターの意匠などを表示するパネル51が設けられている。下部パネル部5の下側には、入賞時にメダルを排出するメダル払出口61と、演出効果音を発生させるスピーカを内蔵する演出用放音部62a、62bと、受皿ユニット6がそれぞれ配置されている。受皿ユニット6は、メダル払出口61から払い出されたメダルを貯留する受皿部6aと、遊技者の喫煙の用に供するための灰皿部材65とを備えている。
次に、図2を参照して、筐体2の内部構造と前扉3の裏面構造とを説明する。同図において、筐体2内の上部には、スロットマシン1の全体動作を集中制御するCPU(マイコン)を備え硬質プラスチックのケースに収納された主制御基板20が取り付けられている。
筐体2内の中央には、リール101a、101b、101cを備える可変表示装置を構成するリールユニット100が設けられている。リールユニット100は、前扉3が筐体2側に閉じられると前扉3のパネル面41の表示窓にリール101a、101b、101cが対向するように、所定フレームに位置決めされて取り付けられている。
リールユニット100は、円筒形状のリール101a、101b、101cがそれぞれ回転軸方向に並置されて構成されており、各リール101a、101b、101cの外周面にはその周方向に沿って複数種類の図柄や数字等による識別情報が描かれている。遊技者は、パネル面41の表示窓を通して3列のリールに描かれたそれぞれ上下方向3個の図柄等(識別情報)を目視できるようになっている。なお、各リール101a、101b、101cは、それぞれに内蔵されたステッピングモータによって回転駆動される。
また、リールユニット100の上部には、各リールを回転駆動する上記ステッピングモータへ4相の駆動パルス信号を送出する回胴装置基板が取り付けられており、主制御基板20が回胴装置基板に回胴駆動(励磁)パルスデータを送出することで、各リールの回転と制動及び停止の制御を行っている。
リールユニット100の下方には、遊技媒体払出装置としてのホッパ装置21と、ホッパ装置21から溢れたメダルを収容するための補助貯留部22と、主電源装置24が設けられている。主電源装置24の側面には、いわゆる配電盤に相当する電源装置基板23が設けられている。更に、筐体2の上部右側の内壁に、遊技場に設置されている「ホールコンピュータ」と呼ばれる管理用コンピュータと接続可能な外部集中端子基板25が取り付けられている。なお、ホッパ装置21については別途図面を参照して後に詳細に説明する。
次に、前扉3の裏面側上部には、上述の演出用放音部47a、47bに対向してスピーカ32a、32bが取り付けられている。また、スピーカ32a、32bの間には、液晶表示演出装置48が取り付けられている。更に、液晶表示演出装置48の裏面側には、電気回路基板で形成されたサブ制御基板30が取り付けられている。
なお、スロットマシン1全体の動作は、筐体2側に設けられている主制御基板20によって統括制御されており、サブ制御基板30は、液晶表示演出装置48による演出映像の表示制御、照明演出装置46及び演出用照明部49a、49bを使った演出効果照明制御、並びに演出用放音部47a、47b、62a、62bを使った演出効果音制御など、ゲームの演出に係る制御を主に行っている。
サブ制御基板30の下方には、リール101a、101b、101cを目視させるための透明な表示窓が形成されたパネル面41が配置され、パネル面41の下方には、前面側のスタートレバー75及びストップボタン76a、76b、76c等の操作スイッチ類の出力信号を主制御基板20へ転送する中継基板として機能する中央表示基板33が設けられている。
中央表示基板33の下方には、メダル選別装置34が取り付けられている。メダル選別装置34は、メダル投入部71に投入されたメダルの適否を判別し振り分ける装置である。また、メダル選別装置34はメダルセンサを内蔵しており、ゲームの待機状態等において正規のメダルが投入され、メダルセンサがこのメダルを検出することによって、メダル投入の受け付けを示す信号を主制御基板20へ送出する。
メダル選別装置34の装置本体の下方には、メダル選別装置34によって振り分けられた正規のメダルを筐体2内に設けられているホッパ装置21へ案内するガイド部材35と、メダル選別装置34により排除されたメダル(又は異物)をメダル排出口61へ案内するガイド部材36が設けられている。また、前扉3の裏面側下部には、ホッパ装置21から排出されたメダルをメダル排出口61へ案内するガイド部材37が設けられている。更に、メダル排出口61に隣接して、上述した演出用放音部62a、62bに対向するスピーカ38a、38bが取り付けられている。
次に、図3のブロック図を参照して、スロットマシン1に設けられている制御システムについて説明する。
図3において、主制御基板20は、CPU200と、記憶部201と、メダルクレジット手段210とを備えている。
記憶部201は、ROM、RAM等の半導体メモリによって構成され、スロットマシンゲーム用のシステムプログラム202が予め記憶されている。主制御基板20は、記憶部201に記憶されたシステムプログラム202に従ってCPU200が演算処理を実行することで、スロットマシン1全体の動作を統括制御している。メダルクレジット手段210は、内部貯留するメダルの数であるクレジットをメモリに記憶する。
主制御基板20には、ベットボタン72、73、スタートレバー75、ストップボタン76a、76b、76c、精算ボタン77等の操作スイッチ類、メダル選別装置34のメダルセンサ34a、ホッパ装置21等のメダル(遊技媒体)払出装置、及びサブ制御基板30等が配線ケーブルで接続されている。
主制御基板20は、前記操作スイッチ類やメダル選別装置34からの出力信号によりゲームに係る操作を検出する。主制御基板20は、動作モードがメダルベット待機状態となっている場合において、メダルセンサ34aがメダルを検出した場合、検出したメダルをゲームの賭数に加算する。
また、主制御基板20は、動作モードがメダルクレジット入力待機状態となっている場合において、メダルセンサ34aがメダルを検出した場合、検出したメダルをメダルクレジット手段210のクレジットに加算する。ここで、メダルベット待機状態とは、1つのゲームが終了した後、当該ゲームにメダルが賭けられるのを待機している状態のことを示している。メダルクレジット入力待機状態とは、当該ゲームにメダルが賭けられた後、メダルクレジット手段210の前記クレジット数が最大値(例えば50)になるまでの状態のことを示している。
主制御基板20には各リール101a、101b、101cに設けられる基準位置センサ120a、120b、120cの検出信号が入力され、主制御基板20は、各リールの基準となる回転位置を把握しながら、回胴装置基板130に所定の回胴駆動パルスデータを送出する。回胴装置基板130は、主制御基板20からの回胴駆動パルスデータに従って各ステッピングモータ110a、110b、110cを回転駆動することで、各リール101a、101b、101cの回転及び停止の動作制御を行っている。
主制御基板20は、入賞が確定した場合等において、ホッパ装置21を制御することで、所定数のメダルを受皿部6aに払い出す。
また、主制御基板20は、精算ボタン77が操作された場合、ゲームに賭けられたメダルをキャンセルしてホッパ装置21に払い出させるとともに、メダルクレジット手段210が内部貯留したメダルを精算してホッパ装置21に精算前のクレジット数のメダルを払い出させる。
サブ制御基板30は、主制御基板20からの制御信号に基づいて液晶表示演出装置48、照明演出装置46、演出用照明部49a、49b、演出用放音部47a、47b、62a、62b等の演出装置230を制御駆動することで、遊技者の視覚や聴覚に訴える演出をゲームの進行に応じて行っている。
一方、主制御基板20の記憶部201には、入賞抽選テーブル203及び内部抽選フラグ204が記憶されている。例えばCPU200は、スタートレバー75の操作を検出した時点で図示しない乱数発生装置から乱数値を取得し、入賞抽選テーブル203を参照することで、得られた乱数値に割り当てられた入賞役またはハズレを抽選する。そして、CPU200は、乱数値に対応する入賞役が存在すると、それを当該ゲームの入賞役として抽選結果を当選にし、当該入賞役を記憶部201の内部抽選フラグ204に記憶する。ここでは、かかる入賞役の抽選方法を「内部抽選」と呼んでいる。
次に、スロットマシン1におけるゲーム動作の概要を説明する。スロットマシン1は、先のゲームにおいて入賞しメダルの配当が完了した時、又は先のゲームにおいてハズレが確定すると待機状態となる。この待機状態においては、当該状態を遊技者に示唆するとともにゲーム操作を促す待機モードの演出が行われる。次に、遊技者がメダル投入部71にメダルを投入し、もしくは、何れかのベットボタン72、73を押圧操作することで、スロットマシン1は、内部に貯留したメダル(クレジット)から当該ゲームに所定枚数のメダルが賭けられゲームを準備する。
ゲーム準備の状態でスタートレバー75が傾倒操作されゲームが開始されると、主制御基板20は、3個のリール101a、101b、101cを一斉に回転させ始めるとともに、上述した内部抽選を実行する。内部抽選の結果は、内部抽選フラグ204に記憶される。
次に、遊技者により何れかのストップボタン76a、76b、76cが押圧操作されることで、リール101a、101b、101cが停止し、主制御基板20は、停止した各リールが表示する図柄と上述の内部抽選フラグ204に対応する入賞役に係る図柄の組合せとが一致しているかどうか判定する。
これら図柄の組合せが内部抽選の入賞役と一致し役への入賞が確定すると、スロットマシン1は、主制御基板20によりメダルクレジット手段210の制御を行い、内部貯留しているメダルのクレジット数が所定の数になるまで、当該役の種類に応じて予め決められた配当数のメダルをクレジット数に加算する。さらに、スロットマシン1は、前記配当数と前記クレジット数の加算結果が前記所定の数を超過すると、この超過した数のメダルを受皿部6aへ払い出す。
次に、図4乃至図9を参照して本発明の遊技媒体払出装置の一実施形態について詳細に説明する。図4は本実施形態に係るホッパ装置21の分解斜視図、図5は本実施形態に係るホッパ装置21の断面図、図6は本発明の一実施形態に係る駆動力伝達部材600の斜視図、図7は本発明の一実施形態に係る第2の回転円板700の要部を示す斜視図、図8及び図9は本発明の一実施形態の動作を説明するための図である。
図4は本発明の遊技媒体払出装置の一実施形態に係るホッパ装置21の分解斜視図であり、図において、符号300はメダル等の複数の遊技媒体を収容する収容器であり、外径が矩形状に形成された基体部320と、この基体部320の上面から一体的に形成された円筒状のメダル収容部310とを備え、硬質プラスチック等で成形加工されている。基体部320下面の所定の位置には、メダルをホッパ装置21の外部へ排出するためのメダル排出口321が設けられている。
符号400は第1の回転円板に相当する攪拌ディスクを示し、この攪拌ディスク400は硬質プラスチックの成型品またはアルミニウム合金等のダイカスト成型品で形成され、中央にねじ550が挿通される挿通孔411が穿設されたボス410を備え円板状に形成されている。攪拌ディスク400のディスク面450の同一半径上には、メダルを数枚ずつ水平に整列して受容する受容孔420が環状に複数個(本実施例では4個)穿設形成されている。隣接する受容孔420間には、中央のボス410から攪拌ディスク400の周縁部440にわたって放射状に延伸する複数(実施例では4本)のリブ430が、周縁部440とともにディスク面450から突設形成されている。これらのリブ430は、攪拌ディスク400を回転駆動することにより収容器300内の攪拌ディスク400上に無秩序に収容されるメダルを攪拌して水平に整列させ、メダルを受容孔420内に整然と受容させる機能を有している。
符号500は、攪拌ディスク400と後述するクラッチ600との間に介挿される付勢部材としてのコイルばねを示し、クラッチ600を後述する払出ディスク700側へ付勢するように機能する。
符号600は、後述する駆動手段としてのモータ900の回転駆動力を払出ディスク700に選択的に伝達する駆動力伝達部材としてのクラッチを示し、硬質プラスチック等を成型加工して形成されている。クラッチ600は、モータ900の駆動軸910が挿通される挿通孔611が穿設形成された筒状部610とこの筒状部610の外周から外側へ円板状に延設形成された鍔部620を備え、この鍔部620の下面には駆動係合部630が突設形成されている。
符号700は第2の回転円板に相当する払出ディスクを示し、この払出ディスク700は硬質プラスチックの成型品またはアルミニウム合金等のダイカスト成型品で形成され、中央部710の中心にクラッチ600の筒状部610が挿通される挿通孔711が穿設され、この挿通孔711の近傍にクラッチ600の駆動係合部630と係合する被駆動係合部730が形成されている。払出ディスク700は円板状に形成され、このディスク面750には、上述した攪拌ディスク400の受容孔420に対応した位置に、メダルを数枚ずつ水平に整列して受容する受容孔720が環状に複数個(本実施例では4個)穿設形成されている。払出ディスク700の周縁部740はディスク面750から突設成型されており、払出ディスク700の下面には、払出ディスク700の回転に伴って受容孔720に受容したメダルを払出ディスク700の径方向外側へ誘導し、収容器300のメダル排出口321からホッパ装置21の外部へ排出する遊技媒体排出手段751が一体的に形成されている。
符号800はホッパ装置21の基台を示す。この基台800は、鉄板等の金属板を天板820と左右の側板830を有するようにコの字状に折曲して形成されており、天板820の中央部にはモータ900の駆動軸910が挿通される貫通孔810が穿設形成されている。
符号900は駆動手段としてのモータを示し、正転方向及び逆転方向に回転可能な駆動軸910を備えている。駆動軸910の外周面の一部には平面状に切削された切削加工面912が形成され、所謂Dカット加工が施されている。また、駆動軸910の先端部には、この駆動軸910に攪拌ディスク400を固着するためのねじ550(図5参照)が螺入されるねじ孔911が螺刻されている。
本実施形態に係るホッパ装置は、図示しない複数のメダル(遊技媒体)を収容する収容器300と、この収容器300の底部に配設されメダルが受容される複数の受容孔420を備えた第1の回転円板としての攪拌ディスク400と、この攪拌ディスク400と同軸的に配設され、メダルが受容される複数の受容孔720とメダル排出手段751を備えた第2の回転円板としての払出ディスク700と、これら攪拌ディスク400と払出ディスク700の間に同軸的に配設され払出ディスク700の中央部710に形成された被駆動係合部730と協働して駆動力切替伝達手段を構成する駆動係合部630を備えた駆動力伝達部材としてのクラッチ600と、このクラッチ600を払出ディスク700側に付勢する付勢部材としてのコイルばね500と、基台800と、この基台800に取付けられる駆動軸910を備えた駆動手段としてのモータ900とから構成されている。
図5は本発明の遊技媒体払出装置の一実施形態に係るホッパ装置21を図4に示す方形状の収容器300の基体部320及び基台800の天板820の対角線を通る平面で切断した縦断面図である。
図において、基台800の天板820中央の貫通孔810に駆動軸910を挿通するようにして天板820の下面側にモータ900が取付けられる。天板820から上方へ突出する駆動軸910に払出ディスク700の挿通口711を遊挿するようにして払出ディスク700を天板820上に載置し、その上方からクラッチ600を駆動軸910に嵌めるようにして組み込む。このとき、クラッチ600の筒状部610の外周部は、払出ディスク700の挿通口711に遊挿される。
クラッチ600の中心部の挿通孔611の内周面形状は、駆動軸910の外周面に形成されたDカット加工に対応した形状に穿設形成されているので、クラッチ600は駆動軸910の回転に伴って正転方向及び逆転方向に回転可能であるとともに、駆動軸910方向には上下に変位可能に配設される。
クラッチ600の上方からコイルばね500を介して駆動軸910の先端部に攪拌ディスク400が取付けられ、上方からねじ550が駆動軸910先端のねじ孔911に螺入されて攪拌ディスク400が駆動軸910に堅固に固着される。従って、攪拌ディスク400は常に駆動軸910の回転に伴って正転方向及び逆転方向に回転する。なお、本実施形態のホッパ装置21においては攪拌ディスク400の上方から見て時計回り(CW)の方向を正転方向、反時計回り(CCW)の方向を逆転方向とする。
攪拌ディスク400が駆動軸910に固着された後、メダル収容器300を、その基体部320中央に設けられた円柱状のディスク収容空間322に攪拌ディスク400及び払出ディスク700が収容されるように基台800の天板820上に載置し、図示しないねじ等で収容器300を基台800に固定してホッパ装置21が構成される。
図6は本実施形態に係るホッパ装置21のクラッチ600を下方から見た斜視図であり、図7は本実施形態に係るホッパ装置21の払出ディスク700の中央部710を上方から見た要部斜視図である。
図6において、クラッチ600の中心部には駆動軸910が挿通される挿通孔611が穿設形成された筒状部610が形成されている。挿通孔611の内周面の一部は平面状に加工された平面部612となっており、図4で説明した駆動軸910の切削加工面(Dカット加工面)912と略同形状に形成されている。この平面部612により、挿通孔611に挿通される駆動軸910の回転駆動力がクラッチ600に確実に伝達される。
筒状部610の外周から径方向外側に一体的に延設形成された円板状の鍔部620が形成され、この鍔部620の払出ディスク700と対向する下面621には一対の駆動係合部630が下方に突設形成されている。駆動係合部630は、正転方向(CW)の前面側に鍔部620の下面621から略直角に突設する駆動面631と、この駆動面631の正転方向後面側に駆動面631の下端部から鍔部620の下面621まで上方に傾斜して形成された傾斜面632を備えている。
図7は本実施形態に係るホッパ装置21の払出ディスク700の中央部710を上方から見た要部斜視図であり、図において、払出ディスク700の中央部710中心にクラッチ600の筒状部610が挿通される挿通孔711が穿設形成され、この挿通孔711の径方向外側でクラッチ600の駆動係合部630と対向する対向面712にはクラッチ600の駆動係合部630と係合する一対の被駆動係合部730が上方に突設形成されている。
この被駆動係合部730は、正転方向の後面側に対向面712から略直角に突設する被駆動面731と、この被駆動面731の正転方向前面側に被駆動面731の上端部から対向面712まで下方に傾斜して形成された傾斜面732を備えている。
次に図8及び図9を参照して本実施形態に係るホッパ装置21の駆動力切替伝達手段の動作について説明する。図8はモータ900(図5参照)が正転方向(CW)の回転駆動力を発生しているときのクラッチ600と払出ディスク700の動作を示す図であり、図9はモータ900が逆転方向(CCW)の回転駆動力を発生しているときのクラッチ600と払出ディスク700の動作を示す図である。
図8において、モータ900が正転方向の回転駆動力を発生しているとき、この正転方向の回転駆動力はモータ900の駆動軸910からクラッチ600に伝達されクラッチ600が正転方向に回転する。クラッチ600が正転方向に回転すると、クラッチ600の駆動係合部630の正転方向前面側に突設形成されている駆動面631が払出ディスク700の中央部710の被駆動係合部730の正転方向後面側に突設形成された被駆動面731に当接し、クラッチ600に伝達された正転方向の回転駆動力が払出ディスク700に伝達され払出ディスク700が正転方向に回転駆動される。
クラッチ600は、駆動軸910方向に変位可能に配設されているが、コイルばね500により常に払出ディスク700側へ付勢されているので、モータ900が正転方向の回転駆動力を発生している間は、一度係合した駆動係合部630と被駆動係合部730との係合は解除されることはない。モータ900は、払い出すべき数のメダルがホッパ装置21のメダル排出口321から排出されるまで、正転方向の回転駆動力を駆動軸910及びクラッチ600を介して払出ディスク700に伝達する。
なお、正転方向に払出ディスク700が回転しているとき、払出ディスク700に形成されている4個のメダル受容孔720は、モータ900の駆動軸910から直接回転駆動力を伝達されている攪拌ディスク400(図5参照)に形成された4個の受容孔420と軸方向に重なるように位置するように構成されている。即ち、攪拌ディスク400と払出ディスク700が共に正転方向に回転駆動されているとき、双方のディスク400、700に形成されている受容孔420、720は軸方向に同じ位置で同期して回転する。
このとき、攪拌ディスク400の受容孔420に整列して受容されたメダルは、真下に位置する払出ディスク700の受容孔720に逐次移動し払出ディスク700下面のメダル排出手段751(図4参照)に誘導されてメダル排出口321から1枚ずつホッパ装置21の外部に排出される。
図9はモータ900が逆転方向(CCW)の回転駆動力を発生しているときのクラッチ600と払出ディスク700の動作を示す図であり、図において、モータ900が逆転方向の回転駆動力を発生しているとき、この逆転方向の回転駆動力はモータ900の駆動軸910からクラッチ600に伝達されクラッチ600が逆転方向に回転する。図8に示すようにクラッチ600の駆動係合部630と払出ディスク700の被駆動係合部730が係合している状態からクラッチ600が逆転方向に回転すると、クラッチ600の駆動係合部630と払出ディスク700の被駆動係合部730との係合が解除され、クラッチ600に伝達された逆転方向の回転駆動力は払出ディスク700に伝達されず、払出ディスク700は回転しない。
クラッチ600の駆動係合部630が払出ディスク700の被駆動係合部730の位置までクラッチ600が逆転方向に回転すると、駆動係合部630の正転方向後面側の傾斜面632と被駆動係合部730の正転方向前面側の傾斜面732とが当接するが、これらの傾斜面632、732同士は係合することなく、クラッチ600の傾斜面632が払出ディスク700の傾斜面732上を上方に滑走して、クラッチ600はコイルばね500の付勢力に抗して駆動軸910方向上方に変位する。クラッチ600の傾斜面632が払出ディスク700の傾斜面732を通過すると、コイルばね500の付勢力によりクラッチ600は駆動軸910方向下方に変位して、モータ900が正転方向の回転駆動力を発生したときにクラッチ600の駆動係合部630の駆動面631と払出ディスク700の被駆動係合部730の被駆動面731が係合可能な駆動軸910方向位置に復帰する。
即ち、モータ900が逆転方向の回転駆動力を発生しているときは、クラッチ600が所定間隔で駆動軸910方向の上下動を行い、クラッチ600に伝達された回転駆動力は払出ディスク700に伝達されないので、払出ディスク700が逆転方向に回転することはない。従って、払出ディスク700が逆転方向に回転することによって生じるメダルの誤排出を防止することができる。
本実施形態に係るホッパ装置21は、メダルを払い出すときにモータ900を正転方向に回転させ、メダル詰まりの予防若しくはメダル詰まり解消のためにメダルを払い出すことなく収容器300内のメダルを攪拌、整列させるときにモータ900を逆転方向に回転させるように制御される。
モータ900を逆転方向に回転させる制御は、ホッパ装置21がメダル詰まりを検出したときだけではなく、当選役に応じた枚数の1回の払出動作毎、所定枚数の払出動作毎、所定時間の経過毎、所定ゲーム数の経過毎、その他任意に設定することができる。
図10は、本発明の他の実施形態に係るホッパ装置21の払出ディスク700の中央部710を上方から見た要部斜視図である。この第2の実施形態においては、上述した第1の実施形態と払出ディスク700に形成された被駆動係合部760の形状が異なる。
即ち、図10において、払出ディスク700の中央部710中心にクラッチ600の筒状部610が挿通される挿通孔711が穿設形成され、この挿通孔711の径方向外側でクラッチ600(図6参照)の駆動係合部630と対向する対向面712にはクラッチ600の駆動係合部630と係合する一対の被駆動係合部760が下方に凹設形成されている。
この被駆動係合部760は、正転方向の前面側に対向面712から略直角に凹設する被駆動面761と、この被駆動面731の正転方向後面側に被駆動面761の下端部から対向面712まで上方に傾斜して形成された傾斜面762を備えている。
このように形成された被駆動係合部760は、クラッチ600に正転方向の回転駆動力が伝達されているとき、クラッチ600の駆動係合部630が払いディスク700の被駆動係合部760に嵌合するように係合し、駆動係合部630の駆動面631が被駆動係合部760の被駆動面761に当接して払出ディスク700に正転方向の回転駆動力を伝達するように機能する。
また、クラッチ600に逆転方向の回転駆動力が伝達されているときは、クラッチ600の駆動係合部630が払出ディスク700の対向面712上若しくは被駆動係合部760の傾斜面762上を摺動して滑走するので、払出ディスク700には逆転方向の回転駆動力は伝達されない。なお、被駆動係合部760の傾斜面762は、対向面712から略直角に凹設形成される1つの被駆動面761の下端部から正転方向後面側へ次の被駆動面761の上端部まで緩勾配で上方に傾斜する傾斜面762とすることもできる。
この第2の実施形態によれば、被駆動係合部760が払出ディスク700の対向面712から凹設して形成されているので、前述した第1の実施形態に比べて駆動軸910方向に薄型のホッパ装置21を提供することができる。
上述した各実施形態においては、モータ900の回転軸を駆動軸910として利用する例を示したが、本発明はこれに限定されることなく、例えば、モータ900に適当なギアボックスを組み合わせてそのギアボックスによって減速された最終段の出力軸を駆動軸910として利用することもできる。
また、駆動軸910の形状もDカット加工に限定されることはなく、例えば、断面が正方形、6角形等の多角形状や半円形状でも良いし、単なる縦溝でも良い。即ち、駆動軸910の断面形状が非円形であれば本発明の作用が得られるので、駆動軸910の形状は駆動軸910からクラッチ600への回転駆動力伝達及びクラッチ600の駆動軸910方向の変位動作の安定性及び信頼性、並びに駆動軸910及びクラッチ600の加工コストを考慮して適宜選択することができる。
以上説明したように本発明によれば、回転円板の受容孔に遊技媒体が詰まることを有効に防止でき、各受容孔に整然と遊技媒体が受容され得る遊技媒体払出装置を提供することができる。
本発明は、スロットマシンに限らず、雀球遊技機やアレンジボール機等その他の遊技機にも利用することができる。
本発明の一実施形態に係る遊技媒体払出装置を備えたスロットマシンの外観構造を表した正面図である。
本発明の一実施形態に係る遊技媒体払出装置を備えたスロットマシンの内部構造を表した平面図である。
本発明の一実施形態に係る遊技媒体払出装置を備えたスロットマシンの制御システムを表したブロック図である。
本発明の一実施形態に係る遊技媒体払出装置を示す分解斜視図である。
本発明の一実施形態に係る遊技媒体払出装置の断面図である。
本発明の一実施形態に係る遊技媒体払出装置のクラッチの斜視図である。
本発明の一実施形態に係る遊技媒体払出装置の払出ディスクの要部斜視図である。
本発明の一実施形態に係る遊技媒体払出装置の動作を説明するための図である。
本発明の一実施形態に係る遊技媒体払出装置の動作を説明するための図である。
本発明の他の実施形態に係る遊技媒体払出装置の払出ディスクの要部斜視図である。
符号の説明
1…スロットマシン、2…筐体、3…前扉、4…上部パネル部、
5…下部パネル部、6…受皿ユニット、6a…受皿部、7…操作卓、
20…主制御基板、21…ホッパ装置、22…補助貯留部、
23…電源装置基板、24…主電源装置、25…外部集中端子基板、
30…サブ制御基板、32a、32b、38a、38b…スピーカ、
33…中央表示基板、34…メダル選別装置、34a…メダルセンサ、
35、36、37…ガイド部材、41…パネル面、46…照明演出装置、
46a…レンズパネル、47a、47b、62a、62b…演出用放音部、
48…液晶表示ユニット、48a…表示窓、49a、49b…演出用照明部、
51…パネル、61…メダル払出口、65…灰皿部材、71…メダル投入部、
71a…メダル投入口、72、73…ベットボタン、75…スタートレバー、
76a、76b、76c…ストップボタン、77…精算ボタン、78…鍵穴、
100…リールユニット、101a、101b、101c…リール、
110a、110b、110c…ステッピングモータ、
120a、120b、120c…基準位置センサ、
130…回胴装置基板、200…CPU、201…記憶部、
202…システムプログラム、203…入賞抽選テーブル、
204…内部抽選フラグ、210…メダルクレジット手段、
230…演出装置、300…収容器、310…収容部、320…基体部、
321…メダル排出口、400…攪拌ディスク(第1の回転円板)、
410…ボス、411…挿通孔、420…受容孔、430…リブ、
440…周縁部、450…ディスク面、500…コイルばね(付勢部材)、
550…ねじ、600…クラッチ(駆動力伝達部材)、610…筒状部、
611…挿通孔、612…平面部、620…鍔部、621…下面、
630…駆動係合部、631…駆動面、632…傾斜面、
700…払出ディスク(第2の回転円板)、710…中央部、
711…挿通孔、712…対向面、720…受容孔、
730、760…被駆動係合部、731、761…被駆動面、
732、762…傾斜面、740…周縁部、750…ディスク面、
800…基台、810…貫通孔、820…天板、830…側板、
900…モータ(駆動手段)、910…駆動軸、911…ねじ孔、
912…切削加工面(Dカット加工部)