以下、本発明の実施例の詳細について説明する。図1は本発明のメダル不正払出エラー処理システムが適用される回胴式遊技装置の一例を示す正面図、図2は図1の回胴式遊技装置の内部構成を示す正面図である。
これらの図に示すように、回胴式遊技装置であるスロットマシン1は、遊技者側に面する、いわゆるフロントマスクを構成する前扉3が略矩形状の箱体である筐体2の開口側に対し、蝶番機構2aにより左側端部側を回動支点として開閉可能に取り付けられている。前扉3は、上部パネル部3A、中部パネル部3B、操作卓部3C及び下部パネル部3Dに概ね分けられ、これらは化粧板として視覚効果を高めてデザインされた硬質プラスチックにより一体的に形成されている。
筐体2の内部には、スロットマシン1全体の動作を統括制御する主制御基板300と、3個の円筒状のメインリール521,522,523を備える回胴装置520と、スロットマシン1の各部に電力を供給するための電源装置530と、ゲームの入賞に応じてメダルの払い出しを行うホッパ装置600と、ホッパ装置600から溢れたメダルを収納する補助貯留部540等とが設けられている。ここで、回胴装置520は、主制御基板300からの回転駆動開始制御信号や回転駆動停止制御信号等を受ける後述の回胴装置基板420によって各メインリール521,522,523の回転や回転停止が制御されるようになっている。
また、電源装置530のたとえば側面には、いわゆる配電盤に相当する後述の電源装置基板430が設けられている。この電源装置基板430には、電源装置530で発生される各種電源電圧をホッパ装置600等の各所に配電する配電回路が形成されており、かかる配電回路からスロットマシン1の動作に必要なシステム電源を供給する。また、電源装置基板430は、主制御基板300からのメダルの払い出しを行わせるべき旨の指令を受けると、ホッパ装置600を制御してメダルの払い出しを行わせる。
なお、主制御基板300は、メダルの払い出しを行わせるべき旨の指令を出していないにも関わらず、たとえば後述の受皿ユニット11のメダル排出口12に、たとえばセルや針金等の道具が差し込まれ、たとえばホッパ装置600の後述のホッパモータ620の所定の配線がショートされ、メダルを不正に抜き取ろうとしてして後述のホッパモータ620等が強制的に駆動される際のたとえば駆動電流電圧や誘導起電力が後述の駆動電力検知回路431によって検知されると、所定のエラー処理を行うようになっているが、その詳細については後述する。
また、前扉3は、筐体2の開口を閉塞する位置で、操作卓部3Cに設けられている鍵穴4を有する図示しない施錠装置によりロックされ、ホールスタッフ等が主制御基板300上の各電子素子等の状態の確認を含むメンテナンス作業や出玉管理作業等を行う場合、前扉3の鍵穴4に専用鍵を差し込んでそのロックを解除すると、前扉3が開放されるようになっている。
前扉3の上部パネル部3Aには、遊技に伴った演出を行う演出表示部100が取り付けられている。演出表示部100には、たとえばゲームの進行に応じた動画像等を表示する表示部101と、この表示部101を覆う表示パネル102とが設けられている。この表示パネル102は、中央部に表示部101を視認可能とする略長方形の透明窓103を有し、その透明窓103の周囲が映像を表示可能な液晶パネルで構成されている。また、演出表示部100には、意匠的に遊技者の視覚に訴える形状及び色彩、模様、絵柄等を施してデザイン設計された複数の演出用ランプ104〜108と、演出用の効果音を発するスピーカ109a,110aを有する放音部109,110が設けられている。
そして、前扉3の上部パネル部3Aの背面に設けられているサブ制御基板400に、主制御基板300から演出開始を示唆する制御信号が供給されると、そのサブ制御基板400により表示部101による動画像等の表示と、演出用ランプ104〜108による点滅又は点灯によっての演出と、放音部109,110からの効果音による演出とが行われるようになっている。
前扉3の中部パネル部3Bには、回胴装置520の各メインリール521,522,523の確認を行える確認窓201を有するパネル202を備えたメイン演出部200が設けられている。また、中部パネル部3Bの両側には、高輝度発光ダイオードを内蔵したサイドランプ5a,5bが配置されている。これらのサイドランプ5a,5bは、リーチや大当たり等の際に点灯又は点滅して遊技者の視覚に訴える演出を行うものである。
前扉3の操作卓部3Cには、ゲームに使用するメダルを投入するための投入口を有するメダル投入部6、メダルをベットするベットボタン7、ゲームの操作を指示するスタートレバー8、演出表示部100の後述のメインリール521,522,523をストップさせるストップボタン9a,9b,9c等が設けられている。
ここで、現状のスロットマシン1では、1ゲームに必要とされるメダルがたとえば3枚となっているため、メダル投入部6から3枚を超えてメダルが連続投入されると、最大50枚までクレジットされるようになっている。
ベットボタン7は、スロットマシン1のゲームに賭けるメダルの枚数を提示するための押圧式の操作スイッチであり、MAXベットボタンと呼ばれている。すなわち、メダルがクレジットされているとき、ゲーム開始時にベットボタン7を操作すると、そのクレジットされているメダルのうち3枚がベットされるようになっている。
スタートレバー8は、演出表示部100の後述のメインリール521,522,523を一斉に回転させる指示をするためのレバースイッチであり、先端に設けられている球形の操作ノブを上下左右のいずれかの方向に傾倒操作するとオン作動し、その操作ノブから手が離されるとスプリングの付勢力によって自動的に元の位置に戻ってオフするように構成されている。
ストップボタン9a,9b,9cは、回胴装置520の各メインリール521,522,523の回転停止を個別に指示するための押圧式スイッチであり、各メインリール521,522,523の配列に対応してそれぞれ並設されている。
また、前扉3の操作卓部3Cの背面には、操作卓部3Cのベットボタン7、スタートレバー8、ストップボタン9a,9b,9c等の各種メインスイッチが電気的に接続された中央表示制御基板410が設けられており、これらのスイッチの出力信号が中央表示制御基板410から主制御基板300に転送されるようになっている。
前扉3の下部パネル部3Dには、スロットマシン1のモデルタイプ等を遊技者へ認識させるため、たとえば登場キャラクターの絵等を表示するパネル10が設けられている。
下部パネル部3Dの下方には、入賞時等においてメダルを排出するメダル排出口12を有する受皿ユニット11と、後述のスピーカ13a,14aを内蔵しゲームの進行に応じて演出効果音を発生させる演出効果音部13,14と、灰皿15等とがそれぞれ配設されている。
また、前扉3の下部パネル部3Dの背面には、メダル投入部6より投入される投入物を正規のメダルか異物かを判別して振り分けるセレクト機構500と、このセレクト機構500で振り分けられたメダルを筐体2内に設けられているホッパ装置600へ案内するガイド部材501と、セレクト機構500で振り分けられた異物をメダル排出口12へ案内するガイド部材502と、後述のホッパ装置600のメダル排出スリット636から排出されたメダルを受皿ユニット11のメダル排出口12側にガイドするガイド部材503とが設けられている。また、下部パネル部3Dの下方の背面には、上述したスピーカ13a,14aが設けられている。
図3及び図4は、上述したホッパ装置600の詳細を説明するための図である。ここで、図3はホッパ装置600を示す斜視図であり、図4は図3のホッパ装置600を分解して示す斜視図である。
これらの図に示すように、ホッパ装置600は、筐体2の底部2bに取り付けられる2本のガイドレール16に引き出し自在に載置されるようになっている。また、ホッパ装置600は、ガイドレール16上に支持固定されるフレーム体610と、ホッパモータ620と、回転ディスク載置プレート630と、回転ディスク640と、メダルタンク650とを有している。
フレーム体610には、ホッパモータ620、回転ディスク載置プレート630、回転ディスク640等を収容する収容部611と、回転ディスク載置プレート630の後述する係合片631を係合する4個の係合片612とが設けられている。ここで、フレーム体610の収容部611は、回転ディスク載置プレート630、回転ディスク640等を収容する際、これらの回転ディスク載置プレート630や回転ディスク640等が上述したホッパ装置600から溢れたメダルを収納する補助貯留部540側に向けて傾けられるようになっている。これは、回転ディスク640の回転に伴い、メダルが払い出されるようにしたものであるが、その詳細については後述する。また、図4では、係合片612が2個のみ示されているが、それらの2個の係合片612に対向する箇所に残りの2個の係合片612が設けられている。
ホッパモータ620には、ねじ挿通穴を有する4個の取付部622が回転ディスク載置プレート630側に向けて突設されたプレート621が設けられている。このプレート621の下面側には、モータ本体623が取り付けられている。また、プレート621の上面側には、先端にねじ穴624aを有するモータ軸624が回転ディスク載置プレート630側に向けて突き出るように設けられている。なお、モータ本体623とモータ軸624との間には、ギヤ等が介在されており、モータ本体623からの駆動力がそのギヤ等を介してモータ軸624に伝達されるようになっている。また、プレート621の取付部622のねじ挿通穴に挿通される図示しないねじが回転ディスク載置プレート630側に螺着されることで、ホッパモータ620が回転ディスク載置プレート630の下面側に取り付けられるようになっている。
回転ディスク載置プレート630の外周には、上述したフレーム体610の係合片612に係合される4個の係合片612がフレーム体610側に向けて設けられている。なお、図4では、係合片631が2個のみ示されているが、それらの2個の係合片631に対向する箇所に残りの2個の係合片631が設けられている。回転ディスク載置プレート630の上面には、回転ディスク640を収容する円形の収容部632が設けられている。また、その収容部632の中心部分には、上述したホッパモータ620のモータ軸624が挿通される挿通穴632aが設けられている。
なお、その挿通穴632aから突出したホッパモータ620のモータ軸624には、ねじ挿通穴633aを有するとともに、コイルバネ634が介装され、回転ディスク640を支持して回転ディスク640を回転させる回転支持体633が取り付けられるようになっている。また、回転ディスク載置プレート630には、上述した受皿ユニット11のメダル排出口12側にガイドするガイド部材503に連通するメダル排出スリット636が設けられている。また、このメダル排出スリット636には、付勢手段637が設けられており、その付勢手段637によって下記のようにメダルの払い出しが行われるようになっている。
また、メダル排出スリット636の近傍には、メダルの払い出し枚数を検出する図示しないセンサが設けられている。また、回転ディスク載置プレート630の四隅には、メダルタンク650の後述の係合片652を係合する係合凹部635が設けられている。
回転ディスク640の中心部には、上述したホッパモータ620のモータ軸624のねじ穴624aに螺着されるねじによって取り付けられる取付部641が設けられている。また、回転ディスク640には、円周方向に一定間隔をもって形成された8個のメダル穴642が設けられている。これらのメダル穴642は、メダルの形状に合わせてほぼ円形に形成されているとともに、表面から裏面まで貫通するように形成されている。すなわち、回転ディスク640が回転すると、メダルタンク650内のメダルが回転ディスク640の各メダル穴642に1枚ずつ収容され、メダルを収容したメダル穴642が上述した付勢手段637の位置に到達すると、この付勢手段637によりメダル排出スリット636からガイド部材503側に放出されることで、メダルの払い出しが行われるようになっている。
メダルタンク650には、上述した回転ディスク載置プレート630の係合凹部635に係合される係合片652を下面側に有したプレート651が設けられている。プレート651の上面側には、回転ディスク640等を収容する収容部653と、メダルタンク650から溢れたメダルを上述した補助貯留部540側に排出するオーバーフロー口654を有したメダルタンク体655とが設けられている。また、メダルタンク体655には、回転ディスク640のメダル穴642に連通させた連通穴656と、この連通穴656に向けて傾斜する傾斜板657とが設けられている。
このようなホッパ装置600では、上述した前扉3の操作卓部3Cのメダル投入部6から投入されたメダルがセレクト機構500で振り分けられた後、ガイド部材501によってメダルタンク体655内に収容される。一方、メダルタンク体655内に収容されているメダルは、傾斜板657に沿って連通穴656側に自重により滑り落ちるようになっている。
そして、ゲームの進行に応じて、主制御基板300からのメダルの払い出しを行わせるべき旨の指令を受けると、ホッパモータ620を駆動させて回転ディスク640を回転させる。このとき、回転ディスク640の回転により、メダルタンク650内のメダルが回転ディスク640の各メダル穴642に1枚ずつ収容され、メダルを収容したメダル穴642が上述した付勢手段637の位置に到達するすると、この付勢手段637により上述した前扉3の背面側に設けられているガイド部材503側に放出される。
そして、そのガイド部材503を介して受皿ユニット11のメダル排出口12から払い出される。このとき、回転ディスク載置プレート630のメダル排出スリット636の近傍に設けられている図示しないセンサによって回転ディスク640のメダル穴642から落下したメダルの枚数である払い出し枚数が検出され、所定枚数に到達したことが検出されると、電源装置基板430によるホッパモータ620の駆動が停止される。また、その図示しないセンサによって所定枚数に到達したことが検出されると、電源装置基板430から主制御基板300に対して払い出し完了を示す信号が送出される。
なお、その図示しないセンサによって、メダルが回転ディスク640のメダル穴642等に詰まるなどして、回転ディスク640の回転がぎこちなかったり、メダルの払い出しが所定枚数に到達しないことなどが所定時間続くと、電源装置基板430によるホッパモータ620の駆動が停止されるとともに、電源装置基板430から主制御基板300にエラーが発生したことを示す信号が送出される。
この場合、主制御基板300による通常のエラー処理が実行される。このエラー処理では、たとえば主制御基板300からサブ制御基板400にエラー処理を指示する信号が出力される。このとき、サブ制御基板400により、たとえば上述した表示部101にエラー発生を示す内容がたとえばエラーコードとともに表示されたり、演出用ランプ104〜108によるエラーを示す点滅又は点灯が行われたり、放音部109,110からのエラーを示すエラー音の出力が行われたりする。
以上のようにして、通常のメダルの払い出しと、メダルの払い出し等が旨く行かなかったときの通常のエラー処理とが行われる。
図5は、スロットマシン1に設けられている制御システムを説明するためのブロック図である。制御システムは、主として主制御基板300、サブ制御基板400、回胴装置基板420、中央表示制御基板410、電源装置基板430、外部集中端子基板440を備え、それぞれが配線ケーブルによって接続されている。
主制御基板300は、CPU(Central Processing Unit)301、半導体メモリであるROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303等を備えている。
主制御基板300のCPU301は、ROM302に予め記憶されているシステムプログラムやスロットマシンゲーム用のプログラム等を読み込み、ゲームの進行に合わせて、サブ制御基板400、回胴装置基板420、中央表示制御基板410、電源装置基板430等に対する分散制御を行う。
ここで、CPU301による主な制御としては、メダルの投入(又はベットボタン7によるベット)とスタートレバー8の操作を条件として抽選を行い、その抽選結果が当選であり、かつ予め設定された有効ライン上にストップボタン9a,9b,9cの操作でその当選した図柄が停止したことを条件として所定枚数のメダルが払い出されるように、電源装置基板430を介してホッパ装置600を制御することである。
このとき、電源装置基板430からホッパ装置600のホッパモータ620に電源装置530からの駆動電源が与えられ、回転ディスク640の回転により所定枚数のメダルが払い出される。また、ホッパ装置600側に設けられている図示しないセンサによって払い出されたメダルの枚数が所定枚数に到達したことが検出されると、ホッパモータ620駆動が停止されるとともに、電源装置基板430から主制御基板300に対して払い出し完了を示す信号が送出される。これにより、主制御基板300のCPU301は、メダルの払い出しが正常に行われたことを認識し、次のゲームの進行に合わせた制御に移ることができる。
また、CPU301による主な制御としては、ゲームの進行に合わせ、内部抽選した役の情報をサブ制御基板400へ供給し、その役に相当する演出を、上述した演出用ランプ104〜108、サイドランプ5a,5b、スピーカ13a,14a,109a,110a、表示部101を介して行わせることである。
また、CPU301による主な制御としては、電源装置基板430に対し、所定枚数のメダルが払い出されるように指示を出してから、所定時間経過しても電源装置基板430からのメダルの払い出し完了を示す信号を受け取ることができなかった場合等において、通常のエラー処理を実行することである。すなわち、ホッパ装置600側において、メダルが回転ディスク640のメダル穴642等に詰まるなどして、回転ディスク640の回転がぎこちなかったり、ホッパ装置600側の図示しないセンサによるメダルの払出枚数の検知が所定枚数に到達しないことなどが所定時間続くと、電源装置基板430によるホッパモータ620の駆動が停止されるとともに、電源装置基板430から主制御基板300にエラーが発生したことを示す信号が送出される。
この場合には、主制御基板300のCPU301からサブ制御基板400に通常のエラー処理を指示する信号が出力され、サブ制御基板400により、たとえば上述した表示部101にエラー発生を示す内容がたとえばエラーコードとともに表示されたり、演出用ランプ104〜108によるエラーを示す点滅又は点灯が行われたり、放音部109,110からのエラーを示すエラー音の出力が行われたりする。
また、CPU301による主な制御としては、電源装置基板430に対し、所定枚数のメダルが払い出されるように指示を出していないにも関わらず、後述の駆動電力検知回路431によってホッパモータ620における駆動電流電圧、あるいは誘導起電力が検知されると、不正行為に対するエラー処理を実行することである。すなわち、たとえばホッパモータ620の所定の配線がショートされ、ホッパモータ620が強制的に駆動されたとき、後述の駆動電力検知回路431によりホッパモータ620への駆動電流電圧が検知される。また、たとえばホッパモータ620の所定の配線がショートされず、セルや針金等の不正行為治具を用いてホッパモータ620のモータ軸や回転ディスク640が強制的に回転されると、後述の駆動電力検知回路431により、ホッパモータ620が回転した際に生じる誘導起電力が検知される。
このようなホッパ装置600側のホッパモータ620における駆動電流電圧、あるいは誘導起電力の検知は、メダルが不正に抜き取られる際に行われるものであるため、この場合には主制御基板300のCPU301からサブ制御基板400に不正行為に対するエラー処理を指示する信号が出力される。これにより、サブ制御基板400により、たとえば上述した表示部101にエラー発生を示す内容がたとえばエラーコードとともに表示されたり、演出用ランプ104〜108によるエラーを示す点滅又は点灯が行われたり、放音部109,110からのエラーを示すエラー音の出力が行われたりする。
なお、この場合には、表示部101に表示されるエラーコードによってメダルの不正な抜き取りがあったことを確認できるが、演出用ランプ104〜108によるエラーを示す点滅又は点灯を通常のエラー処理とは異なるように行わせたり、放音部109,110からのエラーを示すエラー音の出力を通常のエラー処理とは異なるように行わせたりすることで、メダルの不正な抜き取りがあったことを直ちに確認することができる。また、この場合には、演出用ランプ104〜108や放音部109,110とは別に、ホッパモータ620や回転ディスク640の強制駆動による不正行為を知らせる専用のランプや放音部を設けておいて、これらによりメダルの不正な抜き取りがあったことを知らせるようにしてもよい。
サブ制御基板400には、演出用ランプ104〜108と、サイドランプ5a,5bと、スピーカ13a,14a,109a,110aと、表示部101とが接続されている。そして、サブ制御基板400は、主制御基板300のCPU301からのゲームの進行に合わせた制御に基づき、上述した演出用ランプ104〜108を点滅又は点灯させたり、サイドランプ5a,5bを点滅又は点灯させたり、スピーカ13a,14a,109a,110aから効果音等を発生させたり、表示部101での所定の演出映像等の表示を行わせたりする。これにより、遊技者の視覚と聴覚に訴える演出を行うことができる。
回胴装置基板420には、上述したメインリール521,522,523を回転駆動するステッピングモータ521b,522b,523bと、メインリール521,522,523の各回転位置を検出する、たとえばフォトセンサ521a,522a,523aとが接続されている。
そして、回胴装置基板420は、フォトセンサ521a,522a,523aからの検出信号と、ステッピングモータ521b,522b,523bへ出力した駆動パルス信号のパルス数との情報に基づいて、メインリール521,522,523の回転と制動、及び停止の制御を適切に行うようになっている。
また、回胴装置基板420は、上述したスタートレバー8、ストップボタン9a,9b,9c等の操作に伴って、主制御基板300からメインリール521,522,523のそれぞれの回転又は停止させるべき旨の制御信号が供給されると、フォトセンサ521a,522a,523aからの検出信号を取り込みながら、各メインリール521,522,523の回転位置を適切に把握しつつ、ステッピングモータ521b,522b,523bへの駆動パルス信号を制御して各メインリール521,522,523の回転動作を制御する。
中央表示制御基板410には、上述したベットボタン7、スタートレバー8及びストップボタン9a,9b,9cが接続されている。中央表示制御基板410は、これらベットボタン7、スタートレバー8及びストップボタン9a,9b,9cからの出力信号を主制御基板300へ転送する中継基板として機能する。また、中央表示制御基板410は、セレクト機構500に設けられている図示しない遊技メダル検出センサからの出力信号を主制御基板300へ転送し、上述のメダル投入部6に投入されたメダル枚数を知らせるとともに、異物の投入や目詰まりの発生等を知らせる。
そして、主制御基板300は、ベットボタン7又はセレクト機構500のメダルセンサが動作し、当該ゲームへの賭け枚数を検知し、スタートレバー8がオン操作されると、リール回転開始の指示がなされたことを検知する。さらに、ストップボタン9a,9b,9cが任意の順番でストップ操作されると、その順番でメインリール521,522,523を停止させるべき指示がなされたことを検知する。
電源装置基板430には、ホッパ装置600と、駆動電力検知回路431と、電源装置530とが接続されている。電源装置基板430は、電源装置530で発生される各種電源電圧をホッパ装置600等の各所に配電する配電回路が形成されており、かかる配電回路からスロットマシン1の動作に必要なシステム電源を供給する。また、電源装置基板430は、主制御基板300からメダルの払い出しをすべき旨の指令を受けると、ホッパ装置600を制御してメダルの払い出しを行わせる。
ここで、駆動電力検知回路431は、ホッパモータ620の停止時において、たとえばホッパモータ620の所定の配線がショートされ、ホッパモータ620が強制的に駆動されたとき、ホッパモータ620への駆動電流電圧を検知する。また、駆動電力検知回路431は、たとえばホッパモータ620の所定の配線がショートされず、ホッパモータ620のモータ軸やメダルの払い出しを行う回転ディスク640がセルや針金等の不正行為治具を用いて強制的に回転されることによって生じる誘導起電力を検知する。
なお、ホッパモータ620の強制的な駆動による不正駆動の検知は、駆動電流電圧が規定値以外の値を示すときとしてもよい。これは、たとえばホッパモータ620の所定の配線が不正行為によってショートされると、ホッパモータ620へ大電流が流れることにより、規定値以外の値を示すことになるためである。
また、ホッパモータ620の強制的な駆動による不正駆動の検知は、駆動電流電圧の検知が規定回数を上回ったときとしてもよい。これは、セルや針金等の不正行為治具を用いてホッパモータ620の所定の配線が不正行為によりショートされるとき、そのショートによりホッパモータ620が駆動することを確認しなければならず、セルや針金等の不正行為治具により複数回に亘ってその不正なショートの行為が行われるためである。
また、ホッパモータ620の強制的な駆動による不正駆動の検知は、所定期間内で駆動電流電圧の検知が規定回数を上回ったとき、あるいはその所定期間内で検知された駆動電流電圧の検知時間が極めて短いときが所定回数検出されたときのいずれか又は両方の条件で、エラー処理が行われるようにしてもよい。
よって、電源装置基板430は、駆動電力検知回路431によるホッパモータ620が強制的に駆動されたときの駆動電流電圧、あるいはセルや針金等の不正行為治具を用いたホッパモータ620のモータ軸やメダルの払い出しを行う回転ディスク640の回転により生じる誘導起電力の検知を監視し、主制御基板300から所定枚数のメダルの払い出しの指示を受けていないとき、駆動電力検知回路431によってホッパ装置600側のホッパモータ620への駆動電流電圧、あるいは誘導起電力が検知されると、主制御基板300へメダルが不正に抜き取られたことを示すエラー信号を出力する。
なお、ここでは駆動電力検知回路431が電源装置基板430に接続されている場合で示しているが、その駆動電力検知回路431は電源装置基板430に組み込んでいてもよいし、ホッパ装置600側に組み込んでいてもよいし、主制御基板300側に組み込んでいてもよい。
外部集中端子基板440は、主制御基板300から出力されるスロットマシン1の状態信号又はゲームの進行状況等を示す信号を、図示しないホールコンピュータへ送出するための端子基板である。
次に、スロットマシン1のメダル不正払出エラー処理方法について説明する。なお、以下では、主制御基板300から電源装置基板430に所定枚数のメダルの払い出しの指示が出されることにより、ホッパ装置600が駆動されて所定枚数のメダルの払い出しが行われる場合を中心にして説明する。
まず、図6に示すように、主制御基板300のCPU301により、メダルの投入(又はベットボタン7によるベット)とスタートレバー8の操作を条件とした抽選が行われ、その抽選結果が当選であり、かつ予め設定された有効ライン上にストップボタン9a,9b,9cの操作でその当選した図柄が停止したことを条件として所定枚数のメダルが払い出されるように、電源装置基板430が制御される(ステップS1:yes)。
このとき、電源装置基板430からホッパ装置600のホッパモータ620に電源装置530からの駆動電力が供給され(ステップS2)、ホッパモータ620の駆動により回転ディスク640が回転する。ここで、回転ディスク640の回転により、メダルタンク650内のメダルが回転ディスク640の各メダル穴642に1枚ずつ収容され、メダルを収容したメダル穴642が上述した付勢手段637の位置に到達するすると、この付勢手段637により上述した前扉3の背面側に設けられているガイド部材503側に放出され、受皿ユニット11のメダル排出口12から払い出される。このとき、回転ディスク載置プレート630のメダル排出スリット636の近傍に設けられている図示しないセンサによって回転ディスク640のメダル穴642から落下したメダルの枚数である払い出し枚数が検出され、所定枚数に到達したことが検出されると(ステップS3)、電源装置基板430によるホッパモータ620の駆動が停止される(ステップS4)。
また、その図示しないセンサによって所定枚数に到達したことが検出されると、電源装置基板430から主制御基板300に対して払い出し完了を示す信号が送出される(ステップS5)。
主制御基板300のCPU301がその払い出し完了を示す信号を受け取ると、次のメダルの投入(又はベットボタン7によるベット)とスタートレバー8の操作を条件とした抽選を行い、当選し、かつ予め設定された有効ライン上にストップボタン9a,9b,9cの操作でその当選した図柄が停止すると、上記同様に、電源装置基板430を制御することで、ホッパ装置600からの所定枚数のメダルの払い出しが行われる。
ここで、ホッパ装置600でのメダルの払い出しにおいて、メダルが回転ディスク640のメダル穴642等に詰まるなどして、回転ディスク640の回転がぎこちなかったり、メダルの払い出しが所定枚数に到達しないことなどが所定時間続くと、電源装置基板430によるホッパモータ620の駆動が停止されるとともに、電源装置基板430から主制御基板300に通常のエラーが発生したことを示す信号が送出される(ステップS6)。
この場合、主制御基板300による通常のエラー処理が実行される(ステップS7)。このエラー処理では、たとえば主制御基板300からサブ制御基板400にエラー処理を指示する信号が出力される。このとき、サブ制御基板400により、たとえば上述した表示部101にエラー発生を示す内容がたとえばエラーコードとともに表示されたり、演出用ランプ104〜108によるエラーを示す点滅又は点灯が行われたり、放音部109,110からのエラーを示すエラー音の出力が行われたりする。
このようなメダルの詰まりなどによるエラーが発生した場合は、前扉3を開放して図3で説明したように、ホッパ装置600を筐体2の底部2bに取り付けられる2本のガイドレール16に沿って手前側に引き出すことで、メダルの詰まりなどを確認することができる。ここで、メダルの詰まりなどを解消した後、たとえば電源装置530に設けられているリセットボタンを操作することで、リセット処理が完了し(ステップS8)、通常のゲームの進行に移ることができる。
これに対し、通常のゲームの進行中に、主制御基板300のCPU301により、メダルの投入(又はベットボタン7によるベット)とスタートレバー8の操作を条件とした抽選が繰り返され、その抽選結果が当選でなかったり、その抽選結果が当選であっても予め設定された有効ライン上にストップボタン9a,9b,9cの操作でその当選した図柄が停止しなければメダルの払い出しが指示されないことになる(ステップS1:no)。
ここで、主制御基板300のCPU301から電源装置基板430側に所定枚数のメダルの払い出しの指示が出されていないとき、駆動電力検知回路431によってホッパ装置600側のホッパモータ620の不正駆動、すなわちホッパモータ620における駆動電流電圧、あるいは誘導起電力が検知されると(ステップS9:yes)、主制御基板300へメダルが不正に抜き取られたことを示すエラー信号が出力される。
すなわち、たとえばホッパモータ620の所定の配線がショートされ、ホッパモータ620が強制的に駆動されたとき、上述したようにホッパモータ620への駆動電流電圧が検知される。また、たとえばホッパモータ620の所定の配線がショートされず、ホッパモータ620のモータ軸や回転ディスク640がセルや針金等の不正行為治具を用いて強制的に回転されると、上述したように、これに併せてホッパモータ620が回転した際に生じる誘導起電力が検知される。
主制御基板300のCPU301がこのようなメダルが不正に抜き取られたことを示すエラー信号を受け取ると、不正行為に対するエラー処理を実行する(ステップS10)。この場合、上述した通常のエラー処理と同様に、サブ制御基板400により、たとえば上述した表示部101にエラー発生を示す内容がたとえばエラーコードとともに表示されたり、演出用ランプ104〜108によるエラーを示す点滅又は点灯が行われたり、放音部109,110からのエラーを示すエラー音の出力が行われたりするようにしてもよい。ただし、この場合には、たとえば表示部101にメダルが不正に抜き取られたことを示すエラーコードが表示されるようにすれば、ホールスタッフ等がそのエラーコードからメダルが不正に抜き取られたことを即座に判断することができる。
なお、この場合には、表示部101に表示されるエラーコードによってメダルの不正な抜き取りがあったことを確認できるが、演出用ランプ104〜108によるエラーを示す点滅又は点灯を通常のエラー処理とは異なるように行わせたり、放音部109,110からのエラーを示すエラー音の出力を通常のエラー処理とは異なるように行わせたりすることで、メダルの不正な抜き取りがあったことを直ちに確認することができる。
このように、本実施例では、メイン制御手段としてのたとえば主制御基板300による制御により、ゲームの進行に合わせて電源供給制御手段としてのたとえば電源装置基板430からホッパ装置600のホッパモータ620への駆動電源の供給と、たとえばサブ制御基板400による光、音及び/又は映像による演出とが行われるが、ホッパ装置600にメダルの払い出しを指示していないとき、ホッパモータ620のメダルの払い出しにおける不正駆動が検知されると、主制御基板300によりたとえば光、音及び/又は映像によるエラーを知らせるエラー処理が実行されるようにした。
ここで、不正駆動の検知は、ホッパ装置600にメダルの払い出しを指示していないときに生じる駆動電流電圧又は誘導起電力を検知することで行われる。すなわち、たとえばホッパモータ620の所定の配線がショートされ、ホッパモータ620が強制的に駆動されたとき、ホッパモータ620への駆動電流電圧が検知される。また、たとえばホッパモータ620の所定の配線がショートされず、ホッパモータ620のモータ軸やメダルの払い出しを行う回転ディスク640がセルや針金等の不正行為治具を用いて強制的に回転されると、これに併せてホッパモータ620が回転した際に生じる誘導起電力が検知される。
そして、このようなホッパ装置600にメダルの払い出しを指示していないときの不正駆動の検知があると、主制御基板300により、たとえばサブ制御基板400による光、音及び/又は映像による演出が制御されることで、エラーを知らせるエラー処理が実行され、たとえばホッパモータ620の所定の配線がショートされ、ホッパモータ620が強制的に駆動されてメダルが不正に抜き取られてしまったり、ホッパモータ620のモータ軸やメダルの払い出しを行う回転ディスク640がセルや針金等の不正行為治具を用いて強制的に回転されてメダルが不正に抜き取られてしまったりするというような不正行為に対するエラー処理を確実に行うことができる。