JP3615842B2 - 遮音板取付構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、高速道路の道路脇に設置して、自動車騒音等を遮音するための遮音板の取付構造に関し、更に詳しくは、横方向に間隔をあけて配置してある一対の遮音板取付用支柱(例えば断面「H」型の鋼材)の間に、複数の遮音板を上下に並設(例えば、「H」の溝部分に端部を嵌め入れた状態に配置)し、一対の落下防止用第一索条体を、前記各遮音板の両端部において、上下の各遮音板にわたって貫通する状態に各別に設けてある遮音板取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の遮音板取付構造としては、図5に示すように、前記遮音板Pに、前記両支柱1の間隔方向に沿って貫通する状態に落下防止用第二索条体20を設け、前記第二索条体20の両端部を、前記一対の第一索条体21に各別に連結してあるものがあり、例えば、自動車が遮音板に衝突して遮音板Pを壊した場合でも、内部に貫通させた前記第一索条体21と第二索条体20とによって遮音板Pが落下するのを防止できるようにしたものがあった。(例えば、特開平3−191106号公報参照)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の遮音板取付構造によれば、前記第二索条体20の両端部を、前記一対の第一索条体21に各別に連結してあるから、前記第二索条体20は、一対の第一索条体21によって両端部を各別に支持されることになる。従って、例えば、自動車が遮音板を突き破る状態に衝突したような場合、前記第二索条体20は、自動車からの力に対して、引張り強度で対抗する訳であるが、両端部を上述のように支持されているから、前記自動車からの力は、前記第二索条体20を介してまともに両第一索条体21に作用することになる。結局、前記自動車からの力が、前記第一・第二索条体の強度より大きければ大きい程、遮音板のみの破損におさまらず、前記第一索条体や、それを取り付けてある支柱や、支柱を設けてある構造体等にも悪影響を与える危険性がある。
即ち、従来の遮音板取付構造によれば、遮音板の落下防止を叶えるためには、相当強靭な強度部材(各索条体や、支柱や、それらの各連結部材)を使用し、且つ、大がかりな支持構造とする必要があり、遮音板取付作業の効率が低かったり、美観性を損なったりし易いという問題点があった。
【0004】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、遮音板の落下防止を果たしながら、簡単に取付作業ができ、且つ、遮音板や、そのおさまりの美観性を確保し易い遮音板取付構造を提供するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
〔構成〕
請求項1に係わる本発明の特徴構成は、横方向に間隔をあけて配置してある一対の遮音板取付用支柱の間に上下に並設してある複数の遮音板に、前記両支柱の間隔方向に沿って貫通する状態に落下防止用第二索条体を設け、前記各遮音板の両端部において上下の各遮音板にわたって貫通する状態に各別に設けてある一対の落下防止用第一索条体の内の何れか一方に、前記第二索条体の一端部を連結し、他端部を前記遮音板に対して抜け止め状態に取り付けてあるところにある。
【0006】
請求項2に係わる本発明の特徴構成は、前記遮音板は、縦枠部材と横枠部材とを備えた額縁状の枠体と、前記枠体に嵌合自在な遮音用の可撓性薄板と、前記薄板の少なくとも一辺部を前記枠体に対して固定する止め具と、前記薄板の辺部を厚み方向に沿って前記枠体との間に挟持する挟持部材とを設けて構成してあり、前記縦枠部材に、前記第一索条体を内挿してあり、前記横枠部材に、前記第二索条体を内挿してあるところにある。
【0007】
〔作用及び効果〕
請求項1に係わる本発明の特徴構成によれば、前記一対の落下防止用第一索条体の内の何れか一方に、前記第二索条体の一端部を連結し、他端部を前記遮音板に対して抜け止め状態に取り付けてあるから、例えば、自動車等が遮音板に衝突して、遮音板が前記支柱から外れたにしても、その遮音板を前記第二索条体から外れない状態に支持でき、しかも、第二索条体は、一方の第一索条体に支持されるから、前記遮音板が落下するのを防止できる。
更には、第二索条体は、その一端部のみを支持されているから、前記自動車等の衝突に伴って遮音板が前記支柱から外れた場合、前記第二索条体及び遮音板は、前記第一索条体周りに移動して逃げ、衝突による力がまともに作用するのを回避することが可能となる。従って、遮音板や前記第一索条体や第二索条体や支柱、及び、それらの各連結部材等の強度を、必要最小限度に抑えた設定とすることが可能となり、選択材料の幅が広がると共に、ごつごつしたデザインではなく、美観性に富んだ外観に構成することもできるようになる。そして、例えば、一般的に強度が低いとされる軽量の材料を使用することもでき、その結果、遮音板の取付作業をスムースに行い、作業効率の向上を図ることも可能となる。
【0008】
請求項2に係わる本発明の特徴構成によれば、前記遮音板は、前記額縁状の枠体と、前記可撓性薄板と、前記止め具と、前記挟持部材とを設けて構成してあり、前記縦枠部材に、前記第一索条体を内挿してあり、前記横枠部材に、前記第二索条体を内挿してあるから、通常の保形性を確保できながら、上述のような衝突力が作用した場合には、各枠部材がバラバラになってその力を吸収し易く、しかも、バラバラになったとしても、前記第一索条体・第二索条体とで確実に支持でき、遮音板の落下防止性を維持できる。
また、前記薄板に関しても、止め具によって前記枠体に対して固定してある一辺部以外は、挟持部材によって厚み方向に沿って挟持してあるだけであるから、前述のような衝突による力が作用した場合には、前記一辺部以外は枠体から外れ易く、枠体から外れることによって薄板は自由に撓み変形することが可能となる。前記薄板の撓み変形によって前記力をかわすことができ、まともに力が作用するのに比べて薄板の割れや欠けを生じ難くすることが可能となる。
更には、前記薄板や枠体等の複数の部材の組み合わせで遮音板が構成されるから、外観に変化をもたせることができ、デザイン性の高い遮音板を構成することが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
図4は、高速道路の両側部に立設してある遮音壁Wを示している。
この遮音壁Wは、等ピッチで且つ隣接する溝部Mが互いに対向する姿勢に立設したH型鋼からなる複数の遮音板取付用支柱(以後、単に支柱という)1間に、複数の遮音板Pの左右両縁部を前記支柱1の溝部Mに各別に嵌入させ、且つ、上下に積み重ねた状態に取付けて構成してある。
【0011】
前記遮音板Pは、遮音用薄板2を設け、前記薄板2を嵌め込んだ状態で支持する額縁状の枠体3を設け、前記枠体3との間に前記薄板2を挟持固定するための押縁(挟持部材の一例)4を設けて構成してある。
【0012】
前記遮音用薄板2は、ポリカーボネイト製の弾性のある透光板であり、この薄板2を、前記枠体3に形成された枠組内に保持してある。
【0013】
前記枠体3は、アルミニウムによって形成してあり、図1及び図3に示すように、枠組内方側に段部を設けた中空の角柱からなる上フレーム(横枠部材の一例)3A及び下フレーム(横枠部材の一例)3B及び一対の側フレーム(縦枠部材の一例)3Cによって構成してある。尚、遮音板の大きさや、遮音板に対する設計応力によって、前記各フレーム3A,3B,3Cの他に、前記両側フレーム3C間に前記上下のフレーム3A,3Bにわたる中フレームを設けることもある。前記各フレーム3A,3B,3Cには、前記押縁4を取り付けるための固定部5を各別に設けてあると共に、前記押縁4との間に前記薄板2を挟持自在な支持部6が設けてある。前記固定部5には、後述する前記押縁4の取付面4bに設けた複数の突起部4aが各別に嵌合自在な凹部5aを複数設けてある。前記凹部5aは、前記固定部5の長手方向に沿って間隔を隔てると共に、前記薄板2の厚み方向に沿って複数列に配置してある。
また、前記上フレーム3Aの上端部、及び、下フレーム3Bの下端部には、上下に隣接する他の遮音板との嵌合部7を設けてあり、前記上フレーム3Aの前記支持部6には、前記薄板2を厚み方向に貫通して取付固定自在な止め具の一例であるネジ部材Tを着脱自在に複数設けてある。
【0014】
前記押縁4は、前記上フレーム3Aの支持部6との間に前記薄板2を挟持する第二挟持部材4Bと、前記一対の側フレーム3C,3C及び下フレーム3Bの各支持部6との間に前記薄板2を挟持する第一挟持部材4Aとによって構成してあり、前記第二挟持部材4Bは、前記薄板2の前記ネジ部材Tの取付位置より薄板2の面方向に沿った中心側で薄板2を枠体3との間に挟圧できるように形成してある。
前記各挟持部材4A,4Bの詳細を説明すると、アルミニウムによって中空の角柱状にそれぞれ形成してあり、前述のように、前記固定部5に対する取付面4bを設け、その取付面4bには、前記凹部5aに各別に嵌合自在な突起部4aを複数設けてある。前記凹部5aと突起部4aとは、互いを嵌合させることによって、前記枠体3と前記押縁4との長手方向に沿った相対移動を阻止できるように形成してあり、前記枠体3と押縁4との接当方向に沿った外力に対して前記枠体3と押縁4との一体性を向上させて、両部材の撓みを減少することが可能となる。
また、前記固定部5に対して前記押縁4を取り付けた状態における前記押縁4の前記薄板2側の面には、前記薄板2を前記支持部6に押し付けると共に、薄板2との間の隙間を埋めて遮音効果を高めるための一例である弾性押付部材8を付設してある。尚、前記枠体3への前記押縁4の取り付けは、図に見られるように、取付ボルト9によって実施してある。
【0015】
このように、本実施形態の遮音板Pは、枠体3の支持部6に前記薄板2の縁部を接当させた状態に嵌め込み、上縁部を前記ネジ部材Tによって上フレーム3Aに取り付け固定し、そのネジ部材Tの薄板2の面に沿った中心側に弾性押付部材8が位置して薄板2を挟圧できるように第二挟持部材4Bを上フレーム3Aに対して取り付け、前記薄板の他の縁部は、下フレーム3B・側フレーム3Cに対して第一挟持部材4Aの弾性押付部材8を押し付けて挟持支持して形成してある。
【0016】
一方、上下に並設された前記各遮音板Pには、図1・2に示すように、上下各側フレーム3Cにわたって貫通する状態に、一対の落下防止用親ワイヤロープ(第一索条体の一例)10を各別に内層してある。また、前記親ワイヤロープ10の両端部は、前記支柱1に取り付け固定してある。
そして、前記上フレーム3A及び下フレーム3Bには、一端部を前記親ワイヤロープ10に連結してある落下防止用子ワイヤロープ(第二索条体の一例)11を、貫通する状態に内挿してある。
前記子ワイヤロープ11と親ワイヤロープ10との連結構造は、子ワイヤロープ11の一端部に固着したリング部材11aの中空部に、前記親ワイヤロープ10が挿通する状態に構成してあり、前記親ワイヤロープ10の長手方向に沿って、前記リング部材11aは移動自在である。
また、前記子ワイヤロープ11の他端部は、前記上フレーム3A及び下フレーム3Cの内空最大径より大きい寸法の抜止め部材12を連結してあり、前記上フレーム3A及び下フレーム3Cから、前記子ワイヤロープ11が抜けないように構成してある。
従って、例えば、前記遮音板Pに自動車が衝突して、その力で遮音板Pがバラバラに破損したとしても、前記各ワイヤロープ10,11によって各部材は前記支柱1につなぎ止められた状態となり、落下するのを防止することが可能となる。
【0017】
〔別実施形態〕
以下に他の実施の形態を説明する。
〈1〉 前記遮音板Pは、先の実施形態で説明した形状・構造・材質に限るものではなく、例えば、枠体を合成樹脂で構成してあれば、軽量化を図ることが可能となり、遮音板取付作業性を向上させることができる。更には、自動車の衝突等の外力を受けた時に、積極的に分解しやすい構造(例えば、各フレームどうしを嵌合のみで連結しておく)としておくことで、外力に対する無理な抵抗を回避して、良好な衝撃吸収を果たすことができる。
〈2〉 前記各索条体は、先の実施形態で説明したワイヤロープに限るものではなく、例えば、帯状バネ板やスプリング等の弾性部材を使用すれば、より一層、衝撃吸収効果を発揮することが可能となる。また、炭素繊維や硝子繊維から構成したロープであってもよい。
【0018】
尚、特許請求の範囲の項に、図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】遮音板を表す斜視図
【図2】索条体の取付状況を示す正面視概念図
【図3】遮音板の断面図
【図4】遮音板を取り付け状況を示す斜視図
【図5】従来例の索条体の取付構造を示す正面視断面図
【符号の説明】
1 遮音板取付用支柱
2 薄板
3 枠体
3A 横枠部材
3B 横枠部材
3C 縦枠部材
4 挟持部材
10 第一索条体
11 第二索条体
P 遮音板
T 止め具
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、高速道路の道路脇に設置して、自動車騒音等を遮音するための遮音板の取付構造に関し、更に詳しくは、横方向に間隔をあけて配置してある一対の遮音板取付用支柱(例えば断面「H」型の鋼材)の間に、複数の遮音板を上下に並設(例えば、「H」の溝部分に端部を嵌め入れた状態に配置)し、一対の落下防止用第一索条体を、前記各遮音板の両端部において、上下の各遮音板にわたって貫通する状態に各別に設けてある遮音板取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の遮音板取付構造としては、図5に示すように、前記遮音板Pに、前記両支柱1の間隔方向に沿って貫通する状態に落下防止用第二索条体20を設け、前記第二索条体20の両端部を、前記一対の第一索条体21に各別に連結してあるものがあり、例えば、自動車が遮音板に衝突して遮音板Pを壊した場合でも、内部に貫通させた前記第一索条体21と第二索条体20とによって遮音板Pが落下するのを防止できるようにしたものがあった。(例えば、特開平3−191106号公報参照)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の遮音板取付構造によれば、前記第二索条体20の両端部を、前記一対の第一索条体21に各別に連結してあるから、前記第二索条体20は、一対の第一索条体21によって両端部を各別に支持されることになる。従って、例えば、自動車が遮音板を突き破る状態に衝突したような場合、前記第二索条体20は、自動車からの力に対して、引張り強度で対抗する訳であるが、両端部を上述のように支持されているから、前記自動車からの力は、前記第二索条体20を介してまともに両第一索条体21に作用することになる。結局、前記自動車からの力が、前記第一・第二索条体の強度より大きければ大きい程、遮音板のみの破損におさまらず、前記第一索条体や、それを取り付けてある支柱や、支柱を設けてある構造体等にも悪影響を与える危険性がある。
即ち、従来の遮音板取付構造によれば、遮音板の落下防止を叶えるためには、相当強靭な強度部材(各索条体や、支柱や、それらの各連結部材)を使用し、且つ、大がかりな支持構造とする必要があり、遮音板取付作業の効率が低かったり、美観性を損なったりし易いという問題点があった。
【0004】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、遮音板の落下防止を果たしながら、簡単に取付作業ができ、且つ、遮音板や、そのおさまりの美観性を確保し易い遮音板取付構造を提供するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
〔構成〕
請求項1に係わる本発明の特徴構成は、横方向に間隔をあけて配置してある一対の遮音板取付用支柱の間に上下に並設してある複数の遮音板に、前記両支柱の間隔方向に沿って貫通する状態に落下防止用第二索条体を設け、前記各遮音板の両端部において上下の各遮音板にわたって貫通する状態に各別に設けてある一対の落下防止用第一索条体の内の何れか一方に、前記第二索条体の一端部を連結し、他端部を前記遮音板に対して抜け止め状態に取り付けてあるところにある。
【0006】
請求項2に係わる本発明の特徴構成は、前記遮音板は、縦枠部材と横枠部材とを備えた額縁状の枠体と、前記枠体に嵌合自在な遮音用の可撓性薄板と、前記薄板の少なくとも一辺部を前記枠体に対して固定する止め具と、前記薄板の辺部を厚み方向に沿って前記枠体との間に挟持する挟持部材とを設けて構成してあり、前記縦枠部材に、前記第一索条体を内挿してあり、前記横枠部材に、前記第二索条体を内挿してあるところにある。
【0007】
〔作用及び効果〕
請求項1に係わる本発明の特徴構成によれば、前記一対の落下防止用第一索条体の内の何れか一方に、前記第二索条体の一端部を連結し、他端部を前記遮音板に対して抜け止め状態に取り付けてあるから、例えば、自動車等が遮音板に衝突して、遮音板が前記支柱から外れたにしても、その遮音板を前記第二索条体から外れない状態に支持でき、しかも、第二索条体は、一方の第一索条体に支持されるから、前記遮音板が落下するのを防止できる。
更には、第二索条体は、その一端部のみを支持されているから、前記自動車等の衝突に伴って遮音板が前記支柱から外れた場合、前記第二索条体及び遮音板は、前記第一索条体周りに移動して逃げ、衝突による力がまともに作用するのを回避することが可能となる。従って、遮音板や前記第一索条体や第二索条体や支柱、及び、それらの各連結部材等の強度を、必要最小限度に抑えた設定とすることが可能となり、選択材料の幅が広がると共に、ごつごつしたデザインではなく、美観性に富んだ外観に構成することもできるようになる。そして、例えば、一般的に強度が低いとされる軽量の材料を使用することもでき、その結果、遮音板の取付作業をスムースに行い、作業効率の向上を図ることも可能となる。
【0008】
請求項2に係わる本発明の特徴構成によれば、前記遮音板は、前記額縁状の枠体と、前記可撓性薄板と、前記止め具と、前記挟持部材とを設けて構成してあり、前記縦枠部材に、前記第一索条体を内挿してあり、前記横枠部材に、前記第二索条体を内挿してあるから、通常の保形性を確保できながら、上述のような衝突力が作用した場合には、各枠部材がバラバラになってその力を吸収し易く、しかも、バラバラになったとしても、前記第一索条体・第二索条体とで確実に支持でき、遮音板の落下防止性を維持できる。
また、前記薄板に関しても、止め具によって前記枠体に対して固定してある一辺部以外は、挟持部材によって厚み方向に沿って挟持してあるだけであるから、前述のような衝突による力が作用した場合には、前記一辺部以外は枠体から外れ易く、枠体から外れることによって薄板は自由に撓み変形することが可能となる。前記薄板の撓み変形によって前記力をかわすことができ、まともに力が作用するのに比べて薄板の割れや欠けを生じ難くすることが可能となる。
更には、前記薄板や枠体等の複数の部材の組み合わせで遮音板が構成されるから、外観に変化をもたせることができ、デザイン性の高い遮音板を構成することが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
図4は、高速道路の両側部に立設してある遮音壁Wを示している。
この遮音壁Wは、等ピッチで且つ隣接する溝部Mが互いに対向する姿勢に立設したH型鋼からなる複数の遮音板取付用支柱(以後、単に支柱という)1間に、複数の遮音板Pの左右両縁部を前記支柱1の溝部Mに各別に嵌入させ、且つ、上下に積み重ねた状態に取付けて構成してある。
【0011】
前記遮音板Pは、遮音用薄板2を設け、前記薄板2を嵌め込んだ状態で支持する額縁状の枠体3を設け、前記枠体3との間に前記薄板2を挟持固定するための押縁(挟持部材の一例)4を設けて構成してある。
【0012】
前記遮音用薄板2は、ポリカーボネイト製の弾性のある透光板であり、この薄板2を、前記枠体3に形成された枠組内に保持してある。
【0013】
前記枠体3は、アルミニウムによって形成してあり、図1及び図3に示すように、枠組内方側に段部を設けた中空の角柱からなる上フレーム(横枠部材の一例)3A及び下フレーム(横枠部材の一例)3B及び一対の側フレーム(縦枠部材の一例)3Cによって構成してある。尚、遮音板の大きさや、遮音板に対する設計応力によって、前記各フレーム3A,3B,3Cの他に、前記両側フレーム3C間に前記上下のフレーム3A,3Bにわたる中フレームを設けることもある。前記各フレーム3A,3B,3Cには、前記押縁4を取り付けるための固定部5を各別に設けてあると共に、前記押縁4との間に前記薄板2を挟持自在な支持部6が設けてある。前記固定部5には、後述する前記押縁4の取付面4bに設けた複数の突起部4aが各別に嵌合自在な凹部5aを複数設けてある。前記凹部5aは、前記固定部5の長手方向に沿って間隔を隔てると共に、前記薄板2の厚み方向に沿って複数列に配置してある。
また、前記上フレーム3Aの上端部、及び、下フレーム3Bの下端部には、上下に隣接する他の遮音板との嵌合部7を設けてあり、前記上フレーム3Aの前記支持部6には、前記薄板2を厚み方向に貫通して取付固定自在な止め具の一例であるネジ部材Tを着脱自在に複数設けてある。
【0014】
前記押縁4は、前記上フレーム3Aの支持部6との間に前記薄板2を挟持する第二挟持部材4Bと、前記一対の側フレーム3C,3C及び下フレーム3Bの各支持部6との間に前記薄板2を挟持する第一挟持部材4Aとによって構成してあり、前記第二挟持部材4Bは、前記薄板2の前記ネジ部材Tの取付位置より薄板2の面方向に沿った中心側で薄板2を枠体3との間に挟圧できるように形成してある。
前記各挟持部材4A,4Bの詳細を説明すると、アルミニウムによって中空の角柱状にそれぞれ形成してあり、前述のように、前記固定部5に対する取付面4bを設け、その取付面4bには、前記凹部5aに各別に嵌合自在な突起部4aを複数設けてある。前記凹部5aと突起部4aとは、互いを嵌合させることによって、前記枠体3と前記押縁4との長手方向に沿った相対移動を阻止できるように形成してあり、前記枠体3と押縁4との接当方向に沿った外力に対して前記枠体3と押縁4との一体性を向上させて、両部材の撓みを減少することが可能となる。
また、前記固定部5に対して前記押縁4を取り付けた状態における前記押縁4の前記薄板2側の面には、前記薄板2を前記支持部6に押し付けると共に、薄板2との間の隙間を埋めて遮音効果を高めるための一例である弾性押付部材8を付設してある。尚、前記枠体3への前記押縁4の取り付けは、図に見られるように、取付ボルト9によって実施してある。
【0015】
このように、本実施形態の遮音板Pは、枠体3の支持部6に前記薄板2の縁部を接当させた状態に嵌め込み、上縁部を前記ネジ部材Tによって上フレーム3Aに取り付け固定し、そのネジ部材Tの薄板2の面に沿った中心側に弾性押付部材8が位置して薄板2を挟圧できるように第二挟持部材4Bを上フレーム3Aに対して取り付け、前記薄板の他の縁部は、下フレーム3B・側フレーム3Cに対して第一挟持部材4Aの弾性押付部材8を押し付けて挟持支持して形成してある。
【0016】
一方、上下に並設された前記各遮音板Pには、図1・2に示すように、上下各側フレーム3Cにわたって貫通する状態に、一対の落下防止用親ワイヤロープ(第一索条体の一例)10を各別に内層してある。また、前記親ワイヤロープ10の両端部は、前記支柱1に取り付け固定してある。
そして、前記上フレーム3A及び下フレーム3Bには、一端部を前記親ワイヤロープ10に連結してある落下防止用子ワイヤロープ(第二索条体の一例)11を、貫通する状態に内挿してある。
前記子ワイヤロープ11と親ワイヤロープ10との連結構造は、子ワイヤロープ11の一端部に固着したリング部材11aの中空部に、前記親ワイヤロープ10が挿通する状態に構成してあり、前記親ワイヤロープ10の長手方向に沿って、前記リング部材11aは移動自在である。
また、前記子ワイヤロープ11の他端部は、前記上フレーム3A及び下フレーム3Cの内空最大径より大きい寸法の抜止め部材12を連結してあり、前記上フレーム3A及び下フレーム3Cから、前記子ワイヤロープ11が抜けないように構成してある。
従って、例えば、前記遮音板Pに自動車が衝突して、その力で遮音板Pがバラバラに破損したとしても、前記各ワイヤロープ10,11によって各部材は前記支柱1につなぎ止められた状態となり、落下するのを防止することが可能となる。
【0017】
〔別実施形態〕
以下に他の実施の形態を説明する。
〈1〉 前記遮音板Pは、先の実施形態で説明した形状・構造・材質に限るものではなく、例えば、枠体を合成樹脂で構成してあれば、軽量化を図ることが可能となり、遮音板取付作業性を向上させることができる。更には、自動車の衝突等の外力を受けた時に、積極的に分解しやすい構造(例えば、各フレームどうしを嵌合のみで連結しておく)としておくことで、外力に対する無理な抵抗を回避して、良好な衝撃吸収を果たすことができる。
〈2〉 前記各索条体は、先の実施形態で説明したワイヤロープに限るものではなく、例えば、帯状バネ板やスプリング等の弾性部材を使用すれば、より一層、衝撃吸収効果を発揮することが可能となる。また、炭素繊維や硝子繊維から構成したロープであってもよい。
【0018】
尚、特許請求の範囲の項に、図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】遮音板を表す斜視図
【図2】索条体の取付状況を示す正面視概念図
【図3】遮音板の断面図
【図4】遮音板を取り付け状況を示す斜視図
【図5】従来例の索条体の取付構造を示す正面視断面図
【符号の説明】
1 遮音板取付用支柱
2 薄板
3 枠体
3A 横枠部材
3B 横枠部材
3C 縦枠部材
4 挟持部材
10 第一索条体
11 第二索条体
P 遮音板
T 止め具
Claims (2)
- 横方向に間隔をあけて配置してある一対の遮音板取付用支柱(1)の間に、複数の遮音板(P)を上下に並設し、一対の落下防止用第一索条体(10)を、前記各遮音板(P)の両端部において、上下の各遮音板(P)にわたって貫通する状態に各別に設けてある遮音板取付構造であって、
前記遮音板(P)に、前記両支柱(1)の間隔方向に沿って貫通する状態に落下防止用第二索条体(11)を設け、前記第二索条体(11)の一端部を、前記一対の第一索条体(10)の内の何れか一方に連結し、他端部を前記遮音板(P)に対して抜け止め状態に取り付けてある遮音板取付構造。 - 前記遮音板(P)は、縦枠部材(3C)と横枠部材(3A),(3B)とを備えた額縁状の枠体(3)と、前記枠体(3)に嵌合自在な遮音用の可撓性薄板(2)と、前記薄板(2)の少なくとも一辺部を前記枠体(3)に対して固定する止め具(T)と、前記薄板(2)の辺部を厚み方向に沿って前記枠体(3)との間に挟持する挟持部材(4)とを設けて構成してあり、前記縦枠部材(3C)に、前記第一索条体(10)を内挿してあり、前記横枠部材(3A),(3B)に、前記第二索条体(11)を内挿してある請求項1に記載の遮音板取付構造。
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-
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