JP4386234B2 - エネルギー吸収体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄骨の架構体、特に鉄骨系中低層住宅の架構体に作用する地震エネルギーを吸収することが出来、且つエネルギー吸収部材の両端部を規制部材で拘束することが出来るエネルギー吸収体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鉄骨の架構体に作用する地震エネルギーを吸収するエネルギー吸収体として、例えば特開平6-330653号公報に開示された技術がある。この技術(第1公知例)は、図8に示すように、上下に設けた梁51の間に一対の左右柱52を設けることによって架構体を構成し、夫々の柱52に添えて立て付けられる主枠材53と、水平に設置される連結枠材54と、主枠材53と連結枠材54の間に斜めのに設置される斜め材55とを備え、更に、連結枠材54の中央部に塑性体56を配置して構成されている。前記斜め材55は、塑性体56を柱52に取り付けると共に地震時に作用する力を伝達する機能を有するものである。
【0003】
上記構成では、大きな地震力が作用したとき、塑性体56が最初に降伏し、塑性変形を起こすことで地震エネルギーを吸収することが出来る。また斜め材55に変えて三角形や菱形の補剛パネルを用い、この補剛パネルを柱52の間に取り付けると共に補剛パネルの間に塑性体を取り付けて地震力を伝達すると共に地震エネルギーを吸収し得るように構成されたものもある。更に、塑性変形した塑性体を交換することで、速やかに当初の状態に復帰させることが出来るように構成したものもある(特開平9-273329号公報)。
【0004】
また図9に示すように、一対の左右柱52の間に複数のスリット57aを形成したスリット板57を取り付けて構成された技術(第2公知例)もある。この技術では、ウエブが塑性変形することで地震エネルギーを吸収することが出来る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記第1公知例の技術では、高いエネルギー吸収効率を示すものの、斜め材55や補剛パネルが必須であり、柱52間を狭くするために、この補剛パネルを小さくして数を増やすことが考えられる。しかし、数が増えることによって柱52への取付加工や部品点数の増加が発生するなど、現実的ではない。このため、幅寸法(左右柱52の間隔)が大きくならざるを得ないという問題がある。
【0006】
また第2公知例の技術では、耐震要素としての適切な耐力,剛性及び充分な変形能力等の条件を全て満足させるようにスリット板57に形成するスリット57aの幅,高さ,板厚等を設定するのは極めて困難であるという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、一対の柱間の距離を小さくすることが出来、さらにエネルギー吸収部材の両端部を規制部材で拘束することで、エネルギー吸収部材の変形領域を規制することが出来るエネルギー吸収体の技術を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係るエネルギー吸収体の代表的な構成は、上下の梁の間に一対の柱を配置して形成される架構体に設けられ、各柱に夫々支持される一対の取付部と、前記一対の取付部に着脱可能に架設されるエネルギー吸収部材と、前記エネルギー吸収部材に当接して当該エネルギー吸収部材の変形を拘束する一対の規制部材と、を備えて形成されるエネルギー吸収体であって、前記エネルギー吸収部材は、中央部にくびれ部が形成された板材からなる本体部を備え、該本体部は、前記くびれ部を介して対向する一方の端部が一方の取付部に取り付けられると共に他方の端部が他方の取付部に取り付けられており、前記一対の規制部材は、当該規制部材を当接させるべき前記エネルギー吸収部材の位置の平面形状と略一致した形状として夫々形成されており、前記一方の規制部材が前記エネルギー吸収部材の本体部のくびれ部中央部と一方の端部との間に設けられて当該エネルギー吸収部材を介して前記一方の取付部に取り付けられると共に、前記他方の規制部材が前記エネルギー吸収部材の本体部のくびれ部中央部と他方の端部との間に設けられて当該エネルギー吸収部材を介して前記他方の取付部に取り付けられて前記エネルギー吸収部材の変形領域を当該一対の規制部材の間となるくびれ部に規制することを特徴とする。
【0009】
また、前記エネルギー吸収部材及び前記規制部材はボルトにより取り外し可能に固定されて構成される。
【0010】
また、前記エネルギー吸収部材のくびれ部は、前記本体部の幅方向の両側が中央付近で外側に向けて凹となる円弧状に形成されている。
【0011】
また、前記エネルギー吸収部材は、前記本体部の中央部に形成されたくびれ部に沿って形成された屈折部を備えている。
【0012】
また、前記エネルギー吸収部材は低降伏点鋼よりなる。
【0013】
また、前記規制部材は、少なくとも前記エネルギー吸収部材よりも高い降伏点と高い強度を有する鋼材によって形成されている。
【0014】
上記エネルギー吸収体では、上下に配置された梁の間に一対の柱を配置して取り付けることで架構体を構成し、この架構体を構成する柱の対向する面に夫々縦長材を取り付け、更に、この縦長材に複数のエネルギー吸収部材を着脱可能に取り付けることによって、地震時に架構体に作用する水平力によってエネルギー吸収部材が塑性変形することで、地震エネルギーを吸収することが出来る。従って、縦長材は、エネルギー吸収部材を柱に取り付けると共に地震時に作用する力を伝達する機能を有する。
【0015】
特に、柱に取り付けた1つの縦長材に対し複数のエネルギー吸収部材を取り付けることによって、地震時にエネルギー吸収部材に力が作用したとき、この力は縦長材によって緩和され、柱にはエネルギー吸収部材の取付部位毎に力が集中して作用することがない。このため、柱の強度等の性能は特別に高くする必要がなく、架構体としての一定の性能が確保されていれば良い。
【0016】
これに対し、第1公知例に於ける柱間の距離を狭くし、この柱間に複数のエネルギー吸収部材を配置すると共に個々のエネルギー吸収部材を夫々補剛パネルに取り付けた場合、エネルギー吸収部材に作用する力は、補剛パネルの取付部位毎に柱に伝達されることとなり、柱の強度や曲げ剛性を高くする必要が生じる。
【0017】
従って、本発明のように、1つの縦長材に複数のエネルギー吸収部材を取り付けることによって、柱の性能を一定の値に保持して柱間の寸法を小さくすることが出来る。
【0018】
そしてエネルギー吸収部材が架構体に取り付けた縦長材に対し着脱可能に取り付けられているので、塑性変形したエネルギー吸収部材を縦長材から取り外して新たなエネルギー吸収部材を取り付けることで、初期の状態に復帰させて地震に対応することが出来る。特に、架構体に取り付けるエネルギー吸収部材の数を適宜設定することで、吸収し得る地震時のエネルギーを調整することが出来る。
【0019】
また複数のエネルギー吸収部材が架構体に取り付けた1つの縦長材に取り付けられるので、架構体を構成する一対の柱の間隔を狭くすることが出来、小形で吸収すべき地震エネルギーに高い適応性を持ったエネルギー吸収体を構成することが出来る。尚、縦長材に対するエネルギー吸収部材の取付間隔は必ずしも等間隔である必要はない。
【0020】
さらに、本発明に於いては、前述のようなエネルギー吸収部材の両端部を規制部材によって拘束することによって、該エネルギー吸収部材の変形領域を規制部材の間にのみ規制することが出来る。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、上記エネルギー吸収体の好ましい実施形態について図を用いて説明する。図1は第1実施例に係るエネルギー吸収体の構成を説明する図である。図2はエネルギー吸収体の構成を説明する図であり図1のII−II矢視図である。図3は架構体に対してエネルギー吸収部材を取り付けた状態を説明する図である。図4はエネルギー吸収部材の構成を説明する三面図である。図5は規制部材の構成を説明する図である。図6は第2実施例に係るエネルギー吸収体の構成を説明する図である。図7は第3実施例に係るエネルギー吸収体の構成を説明する図である。
【0022】
各実施例に係るエネルギー吸収体は、一対の柱を有する架構体に取り付けた縦長材に複数のエネルギー吸収部材を着脱可能に取り付けて構成したものであり、エネルギー吸収部材の取付数を適宜設定することによって吸収し得るエネルギーを調整することが可能であり、柱からなる架構体に取り付けた縦長材を介してエネルギー吸収部材を取り付けることで、架構体の幅寸法、即ち、柱間の寸法を小さくすることが可能である。
【0023】
以下説明する各実施例に於いて、一対の柱の心間寸法は300mm程度に設定されており、最大寸法であっても450mm程度に納めるように構成されている。
【0024】
次に、図1〜図5により第1実施例に係るエネルギー吸収体Aの構成について説明する。図に於いて、上下の梁1,2が所定の間隔を持って配置されており、これらの梁1,2の間に一対の柱3,4が配置され、夫々上下両端部が梁1,2に固定されている。前記柱3,4は、梁1,2と共に架構体を構成するものであり、予め設定された強度と剛性を持って構成されている。柱3,4の夫々対向する面3a,4aには縦長材5,6が取り付けられ、この縦長材5,6に夫々2個、合計4個のエネルギー吸収部材7が略等間隔に配置されて取り付けられている。
【0025】
上記構成に於いて、梁1,2の構成は特に限定するものではない。即ち、エネルギー吸収体Aが1階の壁に構成される場合、梁1は鉄骨造の梁からなる2階の床梁や1階の天井梁が利用され、梁2としては1階の床梁が利用される。そして1階の床梁は必ずしも鉄骨造の梁である必要はなく、鉄筋コンクリート造の梁2であっても良い。
【0026】
柱3,4は地震時に作用する水平力をエネルギー吸収部材7に伝達することが可能なように充分に高い強度と剛性を持って構成されている。これらの柱3,4は、上下に配置された梁1,2との接続部分は断面が十字状に形成された接続部材3b,4bとして構成され、長手方向の中央部分は角形の構造用管からなる本体部3c,4cとして構成されている。
【0027】
縦長材5,6は、柱3,4の面3a,4aに取り付けられて複数(少なくとも2個)のエネルギー吸収部材7を着脱可能に取り付けるものであり、柱3,4の本体部3c,4cに沿った長尺状の部材によって構成されている。
【0028】
縦長材5,6は、所定の厚さを持ったフラットバーを柱3,4の面3a,4aに溶接して構成しても良く、本実施例のように取付部5a,6aと接続部5b,6bからなるT型の部材として構成し、この部材を柱3,4の面3a,4aにボルト8を利用して締結することで取り付けても良い。
【0029】
また縦長材5,6は柱3,4の本体部3c,4cの長さの略半分の長さを持って形成し、この部材を2本、柱3,4の面3a,4aに取り付けて構成(図1,図6参照)しても良く、また本体部3c,4cの長さと略等しい長さを持って形成し、この部材を面3a,4aに取り付けて構成しても良い。
【0030】
このように、縦長材5,6は柱3,4の長さと略等しい1本の部材によって構成しても、柱3,4の長さを分割して複数の部材によって構成しても、更に、フラットバーであっても、T型或いはL型であっても良い。何れにしても、縦長材5,6は、エネルギー吸収部材7を複数個取り付けることが可能であれば良い。
【0031】
このように、1つの縦長材5,6に複数個のエネルギー吸収部材7を取り付けることによって、地震時に作用する水平力を負担する際に、この力が縦長材5,6を介して柱3,4に伝達される。このとき、縦長材5,6が所定の長さを有しているので、柱3,4に対して過度の負担をかけることがない。この結果柱3,4の性能を低くすることが可能となる。このため、柱3,4に於ける力の作用点の回転を防止することが可能となり、固定度の向上をはかることが可能となる。
【0032】
即ち、柱3,4に対し集中荷重が作用することがなく、従って、該柱3,4に局部的な歪みや捩れ等が発生することを防止して合理的に力を伝達することが可能である。
【0033】
エネルギー吸収部材7は、図2〜図4に示すように、両端側の幅が広く且つ幅方向の両側が中央付近で外側に向けて凹となる円弧状のくびれ部が形成された板材からなる本体部7aと、中央部に形成された円弧状のくびれ部に形成された屈折部7bとによって構成されており、本体部7aの両端側には夫々2つのボルト穴7cが形成されており、これらのボルト穴7cよりも内側に1つのボルト穴7dが形成されている。
【0034】
尚、本体部7aの両側面に形成されたくびれ部の形状及び寸法等(円弧の半径、及び半径の中心位置、屈折部7bの高さ等)の条件は設計段階で設定され、個々のエネルギー吸収部材7に於ける吸収可能なエネルギーが設定される。
【0035】
1個又は2個のエネルギー吸収部材7(本実施例では2個)を縦長材5,6に当接させ、ボルト穴7cに夫々ボルト9aを挿通してナット9bを締結すると共にボルト穴7dに規制部材11を当接させてボルト10aを挿通してナット10bを締結することで、エネルギー吸収部材7を縦長材5,6に着脱可能に取り付けることが可能である。
【0036】
エネルギー吸収部材7は低降伏点鋼を用いて構成することが好ましい。この低降伏点鋼は、炭素の含有量を減らしてより純鉄に近づけたり、結晶粒子を大きくしたり、或いはニオブ(Nb)等の元素を微量添加して製造され、一般の軟鋼と比較して降伏点が約半分程度の値に低下しており、伸び特性を高めて引張強度を低くしたものである。このため、一般の軟鋼が弾性限度内の変形量であっても、塑性変形が生起し、このとき歪みに要するエネルギーに相当する地震エネルギーを吸収することが可能である。
【0037】
上記の如きエネルギー吸収部材7では、該エネルギー吸収部材7を規制部材11によって縦長材5,6に締結して拘束することで、該エネルギー吸収部材7の変形領域を規制部材11の間に規制し、矢印方向以外の方向の変形を抑制することが可能である。
【0038】
このため、規制部材11は、図3,図5に示すように、エネルギー吸収部材7に於ける規制部材11を取り付けるべき位置の平面形状と略一致した形状を有し、且つエネルギー吸収部材7よりも高い降伏点と高い強度を有する鋼材によって形成され、更に、高い曲げ剛性を発揮し得るように構成されている。
【0039】
上記の如く構成されたエネルギー吸収体Aでは、建物の地震力が作用したとき、この地震力は梁1,2から架構体を構成する柱3,4に伝達され、縦長材5,6を介してエネルギー吸収部材7に伝達される。このとき、エネルギー吸収部材7は伝達された力の大きさに応じて弾性限度内の変形、或いは弾性限度を越えた塑性変形し、これらの変形に必要なエネルギーを吸収する。
【0040】
従って、伝達された地震エネルギーが大きい場合、エネルギー吸収部材7が塑性変形して該地震エネルギーを吸収することが可能である。また各エネルギー吸収部材7には、長尺状の縦長材5,6を介して地震力が伝達されるため、柱3,4には大きな集中荷重が作用することがなく、該柱3,4の曲げ変形を少なくして合理的にエネルギー吸収部材7の機能を発揮させることが可能である。
【0041】
そして地震が去った後、エネルギー吸収部材7を確認し、塑性変形しているエネルギー吸収部材7を縦長材5,6から取り外し、新たなエネルギー吸収部材7を取り付けることで、初期の状態に復帰させることが可能である。
【0042】
前述の第1実施例では、柱3,4に分割した縦長材5,6を取り付けると共に4個のエネルギー吸収部材7を取り付けてエネルギー吸収体Aを構成した例を説明したが、エネルギー吸収部材7の数は、4個に限定するものではなく、吸収すべき地震エネルギーに対応させて適宜設定することが可能である。
【0043】
即ち、図6は第2実施例に係るエネルギー吸収体Aの構成を説明する図である。本実施例では、架構体を構成する一対の柱3,4に夫々2つに分割した縦長材5,6をボルト8によって取り付けると共に、該縦長材5,6を介して6個のエネルギー吸収部材7を略等間隔に配置して取り付けている。またエネルギー吸収部材7とボルト8の間隔は、エネルギー吸収部材7間の間隔の略1/2倍である。このような間隔を持ってエネルギー吸収部材7を縦長材5に配置することにより、エネルギー吸収体A全体としての剛性を高めることが可能である。
【0044】
エネルギー吸収体Aを上記の如く構成した場合であっても、第1実施例と同様にして地震エネルギーを吸収することが可能である。しかし、本実施例では、エネルギー吸収部材7の数が多い分だけ、第1実施例の場合と比較してより大きい地震エネルギーを吸収することが可能である。
【0045】
図7は第3実施例に係るエネルギー吸収体Aに関するものである。図に於いて、縦長材5,6は、柱3,4の本体部3c,4cと略等しい長さを有しており、面3a,4aに溶接等の手段で取り付けられている。またエネルギー吸収部材7は7個が略等間隔に配置され、夫々縦長材5,6に着脱可能に取り付けられている。
【0046】
上記の如く構成されたエネルギー吸収体Aであっても、前述した第1,第2実施例と同様にして地震エネルギーを吸収することが可能である。
【0047】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明に係るエネルギー吸収体では、上下梁の間に配置した一対の柱に縦長材を取り付けると共に該縦長材に複数のエネルギー吸収部材を配置したので、地震エネルギーを吸収することが出来る。
【0048】
またエネルギー吸収部材の数を適宜設定することで、吸収し得るエネルギーを所望の値に調整することが出来、且つエネルギー吸収体に必要な耐力,剛性を容易に得ることが出来る。
【0049】
また一対の柱と、縦長材と、縦長材に対し着脱可能なエネルギー吸収部材とによって構成されるため、幅の狭い柱間であっても容易に構成することが出来る。このため、建物に於ける耐震要素の振り付けの自由度を向上することが出来る。
【0050】
さらに、地震エネルギーを吸収して塑性変形したエネルギー吸収部材が他の部材とは独立して構成されるため、地震後の補修の際にも単にエネルギー吸収部材のみを交換することで良く、低いコストでの補修を実現することが出来る。
【0051】
以上のように本発明のエネルギー吸収体は、幅の狭い部位であっても容易に構成出来、地震後の修復が容易であるので、特に土地の狭い都市型の鉄骨系中低層住宅であって、車庫や開口を大きく取った場合に設置して地震エネルギーを吸収するものとして極めて有効である。
【0052】
さらに、本発明に於いては、前述のようなエネルギー吸収部材の両端部を規制部材によって拘束するように構成したので、該エネルギー吸収部材の変形領域を規制部材の間にのみ規制することが出来る効果を有している。
【0053】
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例に係るエネルギー吸収体の構成を説明する図である。
【図2】 エネルギー吸収体の構成を説明する図であり図1のII−II矢視図である。
【図3】 架構体に対してエネルギー吸収部材を取り付けた状態を説明する図である。
【図4】 エネルギー吸収部材の構成を説明する三面図である。
【図5】 規制部材の構成を説明する図である。
【図6】 第2実施例に係るエネルギー吸収体の構成を説明する図である。
【図7】 第3実施例に係るエネルギー吸収体の構成を説明する図である。
【図8】 第1公例を説明する図である。
【図9】 第2公知例を説明する図である。
【符号の説明】
A エネルギー吸収体
1,2 梁
3,4 柱
3a,4a 面
3b,4b 接続部材
3c,4c 本体部
5,6 縦長材
7 エネルギー吸収部材
7a 本体部
7b 屈折部
7c,7d ボルト穴
8,9a,10a ボルト
9b,10b ナット
11 規制部材
Claims (6)
- 上下の梁の間に一対の柱を配置して形成される架構体に設けられ、各柱に夫々支持される一対の取付部と、
前記一対の取付部に着脱可能に架設されるエネルギー吸収部材と、
前記エネルギー吸収部材に当接して当該エネルギー吸収部材の変形を拘束する一対の規制部材と、
を備えて形成されるエネルギー吸収体であって、
前記エネルギー吸収部材は、中央部にくびれ部が形成された板材からなる本体部を備え、該本体部は、前記くびれ部を介して対向する一方の端部が一方の取付部に取り付けられると共に他方の端部が他方の取付部に取り付けられており、
前記一対の規制部材は、当該規制部材を当接させるべき前記エネルギー吸収部材の位置の平面形状と略一致した形状として夫々形成されており、
前記一方の規制部材が前記エネルギー吸収部材の本体部のくびれ部中央部と一方の端部との間に設けられて当該エネルギー吸収部材を介して前記一方の取付部に取り付けられると共に、前記他方の規制部材が前記エネルギー吸収部材の本体部のくびれ部中央部と他方の端部との間に設けられて当該エネルギー吸収部材を介して前記他方の取付部に取り付けられて前記エネルギー吸収部材の変形領域を当該一対の規制部材の間となるくびれ部に規制することを特徴とするエネルギー吸収体。 - 前記エネルギー吸収部材及び前記規制部材はボルトにより取り外し可能に固定されて構成されることを特徴とする請求項1のエネルギー吸収体。
- 前記エネルギー吸収部材のくびれ部は、前記本体部の幅方向の両側が中央付近で外側に向けて凹となる円弧状に形成されていることを特徴とした請求項1又は請求項2のエネルギー吸収体。
- 前記エネルギー吸収部材は、前記本体部の中央部に形成されたくびれ部に沿って形成された屈折部を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のエネルギー吸収体。
- 前記エネルギー吸収部材は低降伏点鋼よりなることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のエネルギー吸収体。
- 前記規制部材は、少なくとも前記エネルギー吸収部材よりも高い降伏点と高い強度を有する鋼材によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のエネルギー吸収体。
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