JP3867332B2 - 車両における衝撃吸収樹脂リブ構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両の例えばセンタピラー、ルーフサイドレールに附設される衝撃吸収リブ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の車両におけるセンタピラーあるいはルーフサイドレール1とその車室内側に取付けられるガーニッシュ2との間に介装される衝撃吸収リブ3の構造としては、図7に示すように所定の長さlで所定の高さhを有する左右の縦リブ4a,4bと、この左右の縦リブ4a,4b間の長手方向には所定の間隔で幅wで高さhの複数の横リブ5が一体に形成されている。このように形成された衝撃吸収リブ3は図8(a) に示すようにセンタピラーあるいはルーフサイドレール1とガーニッシュ2との間に介装されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように形成された衝撃吸収リブ3による衝撃をダミーにより測定した結果が図9に示すもので、縦軸に衝撃荷重F(103 Kg)、横軸に変位量s(mm) を示すもので、このグラフにおいては図示右上がりの波形Aを示しており、衝撃吸収リブ3の破損状況を見ると図8(b) に示すように衝撃力Fに対し縦リブ4a,4bおよび横リブ5はそのほとんどが座屈され、座屈が進行するにつれダミーの接触面積が増大されて衝撃荷重が増大(FA )して損傷値が増大している。このように単一的な座屈による衝撃吸収では充分な衝撃吸収をなし得ない問題があり、理想的には図9に破線で示す波形Bが理想的なもので、衝撃荷重FB の付近を横這状の波形であることが好ましい。
本発明は、荷重ー変位量のグラフの波形を理想波形に近付けることで乗員の損傷を軽減することのできる衝撃吸収リブ構造を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記技術課題を解決するため、前記特許請求の範囲に記載した構成の衝撃吸収樹脂リブ構造とした。
【0005】
【発明の効果】
本発明の衝撃吸収樹脂リブは、衝撃力により引張り→剪断→座屈の変形モードを誘発することから、従来の単一的な座屈によるグラフの波形とは異なる理想波形に近い波形となり、また、ピラー、ルーフサイドレールの長手方向に平行方向に配設したリブの切断時の衝撃荷重は座屈のみの衝撃荷重より、比較的低い衝撃値となることから、損傷値を低くすることができて、効率よく衝撃吸収を計ることができる。
【0006】
【実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面にしたがって説明すると、図1はセンタピラ11部分の分解斜視図、図2はセンタピラー11部分の水平断面図を示すもので、このセンタピラー11はアウタパネル12とインナパネル13とにより中空部14を有する合わせ形に形成され、その合わせフランジ部は点溶着されて同フランジ部にはクリップ15が取付けられている。このセンタピラー11のインナパネル13の室内側とピラーガーニッシュ25との間には衝撃吸収樹脂リブ16が取付けられている。
【0007】
この衝撃吸収樹脂リブ16は図3および図4に示すように、複数枚の横リブ17とこの横リブ17の左右を所定の間隔で接続する第1縦リブ21と第2縦リブ22とより構成されている。この横リブ17は図示のようにそのセンタピラー11側の縁(以下内縁という)18はセンタピラー11のインナパネル13の外側面に倣う曲線状に形成され、その中央部では所定の範囲で直線部分18aが形成されている。また、ピラーガーニッシュ25側の縁(以下外縁という)19はピラーガーニッシュ25の内側面に倣う曲線状に形成され、その中央部では内縁18aとほぼ対応して直線部分19aが平行に形成されて、横リブ17は略変形長方形状に形成されている。このように形成された横リブ17は所定の間隔で第1縦リブ21および第2縦リブ22により接続されている。
【0008】
この第1縦リブ21および第2縦リブ22は、横リブ17の内外縁18,19の直線部分18a,19aの左右に設けられ、断面略長方形状の細長棒状に形成され、例えば第1縦リブ21は直線部分18aの両側に設けられ、また、第2縦リブ22は直線部分19の両側に設けられて、第1縦リブ21および第2縦リブ22は対応して複数の横リブ17に対し略格子状に設けられている。また、この横リブ17の最上部と最下部のリブ17の両端には対向状に取付片23が形成されて、例えばセンタピラー11に止着するように形成されている。このように形成された衝撃吸収樹脂リブ16はその内縁18がセンタピラー11のインナパネル13に沿うように取付片23を介してビス着等され、この衝撃吸収樹脂リブ16に対し被せ状にピラーガーニッシュ25が取付けられている。なお、図2中、26はドアフレーム、27はドアガラス、28はドアフレームに取付けたウエザストリップである。
【0009】
次に、上記のように構成された衝撃吸収樹脂リブ16の衝撃吸収作用を図5(a)(b)(c)(d)および図6を参照して説明すると、この図5は横リブ17の側方より見た図であって、第1縦リブ21側はセンタピラー11のインナパネル13に取付片23を介して取付けられて固定側となっており、第2縦リブ22はピラーガーニッシュ25側でフリーな状態にある。ここで、図5(a) に示すように衝撃力Fが作用すると、図5(b) に示すように第2縦リブ22には衝撃力Fの作用点を中心として図示左右方向に引張り力Ft が作用するとともに、図示のように横リブ17は曲げ力が作用して図示のように曲げを生じ、荷重Fは図6に示すように右上がりの波形▲1▼を辿って増大していく。
【0010】
そして、図6に示すように衝撃力Fが増加していくと、図5(c) に示すように第2縦リブ22の衝撃力Fの作用点近傍で同第2縦リブ22は左右に切断縦リブ22a,22bに剪断される。このときの荷重は図6▲2▼に示すように荷重FB´で理想波形Bの衝撃荷重FB に近いものとなる。なお、この状態において左右の第1縦リブ21側の上下は取付片23を介してセンタピラー11に取付けられて固定状態にある。
【0011】
そして、この荷重FB´は左右の切断縦リブ22a,22bに作用し、この荷重FB´により左右の切断縦リブ22a,22bに連繋された横リブ17に作用して同横リブ17は図5(d) に示すように座屈(あるいは倒れ)を生じ、荷重FB´は図6に示すように波形▲3▼を辿ることとなり、この波形▲1▼▲2▼▲3▼を辿る波形B´となる。
【0012】
このように本実施形態の衝撃吸収樹脂リブ16は、センタピラー11とピラーガーニッシュ25の間にあって、左右の第1縦リブ21側の上下は一方のセンタピラー11側に取付片23を介して取付けられている。この状態でピラーガーニッシュ25側から衝撃力Fが作用すると、上記したようにこの衝撃力Fは衝撃吸収樹脂リブ16の第2縦リブ22に対しその作用点を中心として引張り力Ft が作用し、横リブ17に曲げ力が作用される。さらに、衝撃力Fが作用することで引張り力Ft が増大されることで第2縦リブ22は衝撃力Fの作用点近傍で剪断される。この第2縦リブ22の剪断時の衝撃荷重FB´は理想波形Bの衝撃荷重FB に近いものとなる。そして、この荷重FB´は左右の切断縦リブ22a,22bに作用し、この荷重FB´により左右の切断縦リブ22a,22bに連繋された横リブ17に作用して同横リブ17は座屈(あるいは倒れ)を生じることとなる。
【0013】
このように衝撃吸収樹脂リブ16は、衝撃力Fにより引張り→剪断→座屈の変形モードを誘発することから、従来の単一的な座屈によるグラフの波形Aとは異なり図6に示すように波形▲1▼▲2▼▲3▼を辿る波形B´は理想波形Bに近い波形となり、また、第2縦リブ22の切断時の衝撃荷重FB´は座屈のみの衝撃荷重FA より、FA >FB となることから、損傷値を低くすることができて、効率よく衝撃吸収を計ることができる。
【0014】
なお、上記実施形態においては、センタピラーに附設して例示したが、ルーフサイドレール側にも適用し得る。また、左右の第1縦リブ21側の上下を取付片23を介してセンタピラー11側に取付けるように例示したが、これに限定するものではなく、例えばピラーガーニッシュ25側に熱カシメする構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】センタピラー部分の分解斜視図である。
【図2】センタピラー部分の水平断面図である。
【図3】衝撃吸収樹脂リブの一部拡大図である。
【図4】衝撃吸収樹脂リブの取付けのための下部側(上部を含む)の拡大図である。
【図5】 (a)(b)(c)(d)衝撃吸収樹脂リブに衝撃力が作用した場合の作用説明図である。
【図6】図5の衝撃吸収樹脂リブの変形モードによる荷重ー変位のグラフである。
【図7】従来の衝撃吸収樹脂リブの斜視図である。
【図8】 (a)(b)従来の衝撃吸収樹脂リブ衝撃力が作用した場合の作用説明図である。
【図9】従来の衝撃吸収樹脂リブ衝撃力が作用した場合の荷重ー変位のグラフである。
【符号の説明】
11 センタピラー
16 衝撃吸収樹脂リブ
17 横リブ(ピラー、ルーフサイドレールの長手方向に直角方向に配置してリブ)
21 第1縦リブ(ピラー、ルーフサイドレールの長手方向に平行方向に配置してリブ)
22 第2縦リブ(ピラー、ルーフサイドレールの長手方向に平行方向に配置してリブ)
23 取付片
25 ピラーガーニッシュ
Claims (1)
- 車両のピラーあるいはルーフサイドレールとガーニッシュとの間に、これらの長手方向に沿って介装されて、前記ガーニッシュから前記ピラーあるいはルーフサイドレールに向けて付加される衝撃力を吸収するための衝撃吸収樹脂リブの構造であって、
該衝撃吸収樹脂リブは、前記ピラーあるいはルーフサイドレールの長手方向に配設した複数の横リブと、前記ピラーあるいはルーフサイドレールの長手方向に沿って配設されて、前記複数の横リブを所定の間隔で連結する縦リブを有し、
該縦リブは、前記衝撃力の付加方向について、前記ピラーあるいはルーフサイドレール側の第1縦リブと、前記ガーニッシュ側の第2縦リブとに二分されており、前記第2縦リブを引っ張り変形若しくは剪断させて前記衝撃力を吸収する構成とした衝撃吸収樹脂リブ構造。
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- 1997-01-29 JP JP01550997A patent/JP3867332B2/ja not_active Expired - Fee Related
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