JP3614745B2 - 燃焼装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼装置に関するものであり、特に小型ボイラーや給湯装置への適用が好適な燃焼装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
燃焼装置は、ボイラーや給湯装置の主要な構成部品であり、工場はもとより、一般家庭にも広く普及している。
ところで、近年酸性雨による環境破壊が深刻な社会問題となり、NOX (窒素酸化物)の総排出量を減少させることが急務となっている。そこで、家庭用等の小型の燃焼装置についても、NOX の発生を極力減少させる工夫が要求されている。
【0003】
小型の燃焼装置の分野でNOX を減少させる対策としては、燃料ガスを希薄な状態で燃焼させる方法が考えられる。ところが燃料ガスを希薄にして燃焼させると火炎がリフトし、どうしても火炎が不安定になる。そこでこの対策として濃淡燃焼と称される燃焼方式の採用が注目されている。
そして濃淡燃焼方式を採用した燃焼装置では、炎孔部材から濃度の低い燃料ガスが噴射され、濃炎孔部材からは濃度の高い燃料ガスが噴射される。ここで従来技術においては、炎孔部材からは、いずれの部位からも同一濃度の淡混合ガスが噴射されるように構成されていた。
【0004】
以下、従来技術の燃焼装置の構造について説明する。なお燃焼装置の外形形状は、従来のものも本願発明のものも同一であるから、従来技術の説明においても図1を参照しつつ説明することとする。
図19は、従来技術における濃淡燃焼方式を採用する燃焼装置の分解斜視図である。図20は、従来技術の燃焼装置で採用する燃料供給部材の部分拡大図であり、ガス供給孔の分布を示す。図21は、従来技術の燃焼装置の一方の濃混合ガス通過部と炎孔部材を外した状態で斜視図である。図22は、従来技術の燃焼装置(図1)のA平面における平面断面図である。
【0005】
従来技術の燃焼装置100は、図1の様な形状をしており、燃料供給部材102と、2個の濃混合ガス通過部103および、炎孔部材105によって構成される。
燃料供給部材102及び2個の濃混合ガス通過部103は、いずれも一枚の鋼板をプレスして表面に凹凸を有する展開図形を成形し、これを曲げ加工した後スポット溶接によって接合されたものであり、凹凸形状同士によって形成される空隙がガス流路として機能する。
【0006】
燃焼装置100は、図19に示すように、燃料供給部材102を中心として、左右に濃混合ガス通過部103が配置され、さらに燃料供給部材102の上部であって、濃混合ガス通過部103の間に炎孔部材105が装着されたものである。
即ち燃焼装置100では、二つの濃混合ガス通過部103の間によって炎孔部材105に淡混合ガスを供給する淡ガス供給路が形成され、この淡ガス供給路の中に燃料供給部材102が配置されている。
燃料供給部材102は、図19、図21の様に側面に凹凸形状が設けられており、その凸部分に燃料ガス受渡し孔106が設けられている。一方凹状の部位にはガス供給孔107が設けられるブロックが形成されている。そして凹状の部位、言い換えるとブロック内には、それぞれ4個のガス供給孔107が設けられている(但し端部には3個だけ設けられている)。
【0007】
ここで従来技術においては、ガス供給孔はいずれも同一の大きさであった。また従来技術のおいては、ガス供給孔は左右対称の位置に設けられていた。
より詳細に説明すると、図20の様に、凹状の部位がブロックを構成し、その中に4個のガス供給孔107a〜107dが設けられているが、各孔107a〜107dの面積はいずれも等しい。またガス供給孔107a、107bと、107c、107dの間隙が他の間隙よりも広くなっているが、ガス供給孔107の面積分布は、ブロックの中心線X−Xに対して対称である。
【0008】
燃焼装置100では、燃料供給部材102の外側面の凹凸と濃混合ガス通過部103の内面の凹凸により、燃料供給部材102と濃混合ガス通過部103が接する部分と離れる部分ができる。
そして燃料供給部材102と濃混合ガス通過部103が接した部位において燃料供給部材102のガス受渡し穴106が、濃混合ガス通過部103の孔31と連通する。一方、両者が離れた部位では、それぞれブロック状の空間120が形成される。ここで従来技術のおいては、各ブロック空間は、端部のものを除き、いずれも平面視が図22の様に左右対称形である。
【0009】
そして当該ブロック空間120に燃料供給部材102のガス供給孔107が開口している。
つまり従来技術の燃焼装置100においては、平面視が左右対称形のブロック状空間120に、左右対称の位置関係に設けられたガス供給孔107が開口している。
【0010】
そして燃料供給部材102から濃混合ガス通過部103及び淡ガス供給路に燃料ガスが供給される。濃混合ガスの一部は、ガス受渡し穴106から濃混合ガス通過部103に入って上昇し、頂部にある炎孔110から外部に噴射される。
【0011】
一方濃混合ガスの多くは、ガス供給孔107から燃料供給部材102と濃混合ガス通過部103の間で構成されるブロック空間120内に放出されて空気と攪拌され、さらに上昇して炎孔部材105の溝内に入り、炎孔から外部に噴射される。そして前記した様に炎孔部材105から淡混合ガスが噴射されて主炎が発生し、その周囲に設けられた炎孔110からは濃混合ガスが噴射されて補炎が発生する。
【0012】
なお従来技術において、ガス供給孔107a、107bと、107c107dの間隙を他の間隙よりも広くした理由は、炎孔部材105から噴射される淡混合ガスの濃度分布を均一にするためである。
即ち燃料供給部材102から淡ガス供給路中に燃料ガスが供給されるが、燃料ガス受渡し孔106の部分についてはガス供給孔107を設けることができない。そこでガス供給孔107の面積分布を端部側に厚くし、濃度の均一化を図ったものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術の燃焼装置は、主炎の基端部を補炎が保持して燃焼し、燃料ガスを希薄な状態で燃焼させることができ、NOX の発生量が少ない。
しかしながら従来技術の燃焼装置を高負荷状態で燃焼させると、振動燃焼が発生する場合があった。そのため従来技術の燃焼装置は、燃焼量絞り比(TDR)の拡大が困難であるという不満があった。
そこで本発明は、濃淡燃焼方式の燃焼装置改良して上記した問題を解決することを課題とするものであり、従来技術の利点を生かしつつ、振動燃焼を抑制し、燃焼量絞り比が広い燃焼装置を開発せんとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
そして上記した課題を達成するために本発明者らが実験を繰り返したところ、ガス供給孔の直径や配置を不均一にすることにより、振動燃焼が抑制されることを発見した。また淡ガス供給路に供給される空気量を部分的に不均一にすることによっても振動燃焼が抑制されることが分かった。
【0015】
これらの知見に基づいて完成された請求項1に記載の発明は、高濃度の燃料ガスを噴射する濃ガス炎孔と低濃度の燃料ガスを噴射する淡ガス炎孔を備えた燃料装置であって、複数のガス供給孔が設けられ、且つ、高濃度の燃料ガスを導く燃料供給部材を有しており、前記ガス供給孔は、前記淡ガス炎孔へ燃料ガスと空気とを導く淡ガス供給路と連通しており、前記ガス供給孔から淡ガス供給路内に流入した燃料ガスが、空気と混合されて前記淡ガス炎孔に導かれる燃焼装置において、前記ガス供給孔は、前記燃料供給部材の長手方向に区画されたブロックに分かれて配置されており、前記ガス供給孔は、各ブロック内に複数個設けてあり、さらに前記ガス供給孔は、ガス供給孔の淡ガス供給路と連通する部位における燃料ガスと空気との混合割合が、前記ブロック内で部分的に異なるように配置されている。
【0016】
本発明の燃焼装置では、前記ガス供給孔は、前記燃料供給部材の長手方向に区画されたブロックに分かれて配置されており、前記ガス供給孔は、各ブロック内に複数個設けてあり、さらに前記ガス供給孔は、ガス供給孔の淡ガス供給路と連通する部位における燃料ガスと空気との混合割合が、前記ブロック内で部分的に異なるように配置されている。そのため淡ガス炎孔から噴射されるガスの濃度に部分的にばらつきが生じる。その結果、燃焼によって発生する振動の周波数成分が分散され、燃焼装置の固有振動数との合致が阻止され、振動燃焼が抑制される。
【0017】
また同様の課題を解決するための請求項2に記載の発明は、高濃度の燃料ガスを噴射する濃ガス炎孔と低濃度の燃料ガスを噴射する淡ガス炎孔を備えた燃料装置であって、複数のガス供給孔が設けられ、且つ、高濃度の燃料ガスを導く燃料供給部材を有しており、前記ガス供給孔は、前記淡ガス炎孔へ燃料ガスと空気とを導く淡ガス供給路と連通しており、前記ガス供給孔から淡ガス供給路内に流入した燃料ガスが、空気と混合されて前記淡ガス炎孔に導かれる燃焼装置において、前記ガス供給孔は、前記燃料供給部材の長手方向に区画されたブロックに分かれて配置されており、前記ブロック内におけるガス供給孔の開口面積分布は、ブロックの端部領域よりも中央領域の方が大きくなるように設定されている
【0018】
本発明の燃焼装置では、ガス供給孔が、燃料供給部材の長手方向に区画されたブロックに分かれて配置されており、ブロック内におけるガス供給孔の開口面積分布、ブロックの端部領域よりも中央領域の方が大きくなるように設定されている。そのため、ブロック内における淡ガス炎孔から噴射されるガスの濃度に部分的にばらつきが生じ、燃焼によって発生する振動の周波数成分が分散され、燃焼装置の固有振動数との合致が阻止され、振動燃焼が抑制される。
【0019】
また請求項3に記載の発明は、高濃度の燃料ガスを噴射する濃ガス炎孔と低濃度の燃料ガスを噴射する淡ガス炎孔を備えた燃料装置であって、複数のガス供給孔が設けられ、且つ、高濃度の燃料ガスを導く燃料供給部材を有しており、前記ガス供給孔は、前記淡ガス炎孔へ燃料ガスと空気とを導く淡ガス供給路と連通しており、前記ガス供給孔から淡ガス供給路内に流入した燃料ガスが、空気と混合されて前記淡ガス炎孔に導かれる燃焼装置において、前記ガス供給孔は、前記燃料供給部材の長手方向に区画されたブロックに分かれて配置されており、前記ブロック内におけるガス供給孔の開口面積分布は、ブロックの端部領域よりも中央領域の方が大きくなるように設定されている。
【0020】
本発明の燃焼装置では、ガス供給孔が、燃料供給部材の長手方向に区画されたブロックに分かれて配置されており、ブロック内におけるガス供給孔の開口面積分布は、非対称である。そのため淡ガス炎孔から噴射されるガスの濃度に部分的にばらつきが生じ、燃焼によって発生する振動の周波数成分が分散され、燃焼装置の固有振動数との合致が阻止され、振動燃焼が抑制される。
【0021】
さらに請求項4に記載の発明は、淡ガス供給路は部分的にブロック空間に分割され、燃料供給部材に設けられたガス供給孔は当該ブロック空間に開口することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の燃焼装置である。
【0022】
本発明の燃焼装置では、淡ガス供給路は部分的にブロック空間に分割され、燃料供給部材に設けられたガス供給孔は当該ブロック空間に開口する。そのため各ブロックからそれぞれ一団となって混合ガスが淡ガス炎孔側に送られ、淡ガス炎孔から噴射される淡ガスの濃度をよりばらつかせる。
【0023】
また請求項5に記載の発明は、高濃度の燃料ガスを噴射する濃ガス炎孔と,低濃度の燃料ガスを噴射する淡ガス炎孔を備えた燃料装置であって、複数のガス供給孔が設けられ高濃度の燃料ガスを供給する燃料供給部材を有し、前記ガス供給孔は、淡ガス炎孔に燃料ガス及び空気を供給する淡ガス供給路内に開口し、ガス供給孔から放出された燃料ガスは空気と混合されて淡ガス炎孔に導かれる燃焼装置において、ガス供給孔が開口する部位における淡ガス供給路の有効通気開口面積が部分的に異なる事を特徴とする燃焼装置である。
【0024】
本発明の燃焼装置では、ガス供給孔が開口する部位における淡ガス供給路の有効通気開口面積が部分的に異なる。そのため供給される空気量に部分的なばらつきが生じ、ガス供給孔が開口する部位における燃料ガスと空気との混合割合が部分的に異なることとなる。そのため淡ガス炎孔から噴射されるガスの濃度に部分的にばらつきが生じ、燃焼によって発生する振動の周波数成分が分散され、燃焼装置の固有振動数との合致が阻止され、振動燃焼が抑制される。
【0025】
また請求項6に記載の発明は、高濃度の燃料ガスを噴射する濃ガス炎孔と低濃度の燃料ガスを噴射する淡ガス炎孔を備えた燃料装置であって、複数のガス供給孔が設けられ、且つ、高濃度の燃料ガスを導く燃料供給部材を有しており、前記ガス供給孔は、前記淡ガス炎孔へ燃料ガスと空気とを導く淡ガス供給路と連通しており、前記ガス供給孔から淡ガス供給路内に流入した燃料ガスが、空気と混合されて前記淡ガス炎孔に導かれる燃焼装置において、前記淡ガス供給路の一部が、前記燃料供給部材で複数箇所に分割されており、前記ガス供給孔が、当該淡ガス供給路の一部と連通しており、当該複数箇所に分割された一つ当たりの淡ガス供給路の一部に連通しているガス供給孔の有効通気開口面積の分布が、各淡ガス供給路の一部の中央部を境界として各々非対称にした。
【0026】
本発明の燃焼装置では、淡ガス供給路の一部が、前記燃料供給部材で複数箇所に分割されており、前記ガス供給孔が、当該淡ガス供給路の一部と連通しており、当該複数箇所に分割された一つ当たりの淡ガス供給路の一部に連通しているガス供給孔の有効通気開口面積の分布が、各淡ガス供給路の一部の中央部を境界として各々非対称にしたそのため淡ガス供給路の一部に供給されるガスの濃度に部分的なばらつきが生じ、淡ガス炎孔から噴射されるガスの濃度に部分的にばらつきが発生し、燃焼によって発生する振動の周波数成分が分散され、燃焼装置の固有振動数との合致が阻止され、振動燃焼が抑制される。
【0027】
また上記した発明を具体的に実施する場合は、高濃度の燃料ガスを濃ガス炎孔に導く2つの濃混合ガス通過部を有し、前記2つの濃混合ガス通過部の間によって淡ガス炎孔に燃料ガス及び空気を供給する淡ガス供給路を構成し、燃料供給部材は2つの濃ガス通過部の間に挟まれて配置され、燃料供給部材と濃ガス通過部は部分的に接していて燃料供給部材の一部は濃混合ガス通過部と連通し、さらに燃料供給部材と濃混合ガス通過部の間には
ガス放出空間となる複数のブロック空間(淡ガス供給路の一部)が設けられ、燃料供給部材に設けられたガス供給孔は当該ブロック空間と連通しており、ガス供給孔から放出された燃料ガスは空気と混合されて淡ガス炎孔に導かれる構成とすることが推奨される。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下さらに本発明の具体的実施形態について説明する。なお以下の説明では、上下とは、燃焼装置1を炎孔を上にして設置した状態を基準とする。
図1は、本発明の実施形態(従来技術も同形状)における燃焼装置の斜視図である。
図2は、本発明の実施形態の燃焼装置をケースに収納した場合の平面図である。
図3は、本発明の実施形態の燃焼装置の分解斜視図である。
図4は、本発明の実施形態で採用する燃料供給部材の正面図(b)と平面図(a)である。
図5は、本発明の実施形態で採用する濃混合ガス通過部の正面図(b)と平面図(a)および背面図(c)である。
図6は、本発明の実施形態で採用する炎孔部材の斜視図である。
図7は、本発明の実施形態の燃焼装置(図1)のC平面での断面図である。
図8は、本発明の実施形態の燃焼装置(図1)のD平面での断面図である。
図9は、本発明の実施形態の燃焼装置の、一方の濃混合ガス通過部と炎孔部材を外した状態を示す斜視図である。
図10は、本発明の実施形態の燃焼装置(図1)のA平面での断面図である。
図11は、本発明の実施形態の燃焼装置におけるガス供給孔の分布と炎孔部材との関係を示す説明図である。
図12〜14は、本発明の他の実施形態で採用する燃料供給部材の部分拡大図であり、ガス供給孔の分布を示す。
図15は、本発明の実施形態の燃焼装置の、一方の濃混合ガス通過部と炎孔部材を外した状態を示す斜視図である。
図16は、本発明の他の実施形態の燃焼装置(図1)のA平面における平面断面である。
図17は、本発明のさらに他の実施形態の燃焼装置(図1)のA平面における平面断面である。
図18は、本発明のさらに他の実施形態の燃焼装置(図1)のA平面における平面断面である。
【0029】
本実施形態の燃焼装置1は、図2の様に、ケース4に並列に配されて一個の発熱装置50を構成するものである。燃焼装置1は、図3の様に燃料供給部材2と、2枚の濃混合ガス通過部3および、炎孔部材5(淡ガス炎孔)によって成る。
燃料供給部材2は、一枚の鋼板をプレスして表面に凹凸を有する展開図形を成形し、これを曲げ加工した後スポット溶接によって接合されたものであり、金属板に囲まれた流路を形成するものである。
【0030】
組み立て後の燃料供給部材2の形状は、図4(b)の様な正面板8と、これに対称形状の裏板9が重ね合わされたものである。燃料供給部材2の外観は平たい形をしており、頂部22を有し、周囲はガスが漏れない様に閉塞されている。
そして内部には正面板8と裏板9の間によって一連の気体流路が形成されている。即ち正面板8と裏板9の凹凸が合致する部分では、金属板同士が隙間を形成して配列された状態となっており、この隙間によって気体流路が形成される。
【0031】
本実施形態で採用する燃料供給部材2では、気体流路は、図4(b)に示すように大きく分けて混合部11と、導通部12と、放出部13からなる。
気体流路の入口から説明すると、燃焼装置1の下側角には、図1,図3,図4の様に、燃料ガス導入孔14が開口している。そして燃料ガス導入孔14の内部は、断面積が次第に大きくなり、さらに流路は大きく方向を変えて混合部11が形成されている。
混合部11の末端は、燃料供給部材2の中程の高さの位置の長手方向全域に渡って延びている。
そして導通部12は、混合部11の末端と、放出部13を繋ぐものであり、混合部11の末端に連続し、燃料供給部材2の長手方向全域に渡って延びている。導通部12の断面積、即ち当該部分での正面板8と裏板9の隙間は、図6、図7に示すように小さい。
【0032】
放出部13は、燃料供給部材2の上端部に位置し、長手方向全域に渡って延びている。放出部13の断面積、言い換えれば当該部分での正面板8と裏板9の隙間は、図6,図7の様に大きい。
放出部13の外表面には、正面板8と裏板9の双方に、それぞれ5か所の突出部(外側に向かって突出する突起)15が設けられている。そして突出部15には、それぞれ一つづつ燃料ガス受渡し孔16が設けられている。この燃料ガス受渡し孔16は、バーリング加工によって形成されたものであり、縁が正面板8等の表面から垂直に立っている。
【0033】
放出部13の外表面の内、その他の平坦部は、外側から見て、突出部15よりも凹んでおり、この凹状の部位はガス供給孔20が設けられる区画となるブロック部18(区画されたブロック)を構成している。そして当該平坦なブロック部18に4個のガス供給孔20a,20b,20c,20dが設けられている。ここで4個のガス供給孔20a,20b,20c,20dは、大きさにばらつきがあり、両側部に設けられたガス供給孔20a,20dは開口面積が小さく、中央に設けられた2個のガス供給孔20b,20cは大きい。両者の直径比は、概ね1.2〜2程度である。即ち本実施形態の燃焼装置1では、ブロック部18内におけるガス供給孔20の開口面積分布は、ブロック部18の中央側が端部側に比べて大きい。
放出部13の頂部22には開口は無い。
【0034】
次に濃混合ガス通過部3の構造について説明する。濃混合ガス通過部3も、前記した燃料供給部材2と同様に、一枚の鋼板をプレスして凹凸を有する展開図形を成形し、これを曲げ加工したものであり、金属板に囲まれた流路を形成するものである。
【0035】
なお図5は、濃混合ガス通過部3の正面図(b)と平面図(a)および背面図(c)であるが、図5では濃混合ガス通過部3の裏表面の内、内部に入る方を正面図として表している。
濃混合ガス通過部3は、図5,7,8の様に、金属製の内面板23と外面板25とが隙間をおいて配置され、面積の狭い頂部34を備え、他の周囲はガスが漏れない様に折り返されたものである。また濃混合ガス通過部3の頂部34には、補炎の炎孔35(濃ガス炎孔)が一列に配置されている。
そして内面板23と外面板25との隙間によって濃混合ガス通過部3の内部に気体流路が形成されている。濃混合ガス通過部3は、その内部の全域が、下から上に向かう気体流路として機能する。
【0036】
濃混合ガス通過部3の内面板23と外面板25は、いずれも全体形状が凹状をしており、長手方向の両端にはフランジ部24が設けられ、内面板23と外面板25は当該フランジ部24で接している。
濃混合ガス通過部3の内面板23の凹所には、図5(b)の様に複雑な形状の突条26,28,30が設けられている。
【0037】
さらに5条の突条26の下側を長手方向に連続させる比較的高さの低い突条28が設けられている。また5条の突条26の上部を長手方向に連続させる突条30が設けられている。
前記した5条の突条26には、それぞれ孔31が設けられている。
濃混合ガス通過部3の外面板25には、濃混合ガス通過部3側に突出する突起(外部から見るとすり鉢状の凹部)33が5つ設けられている。突起33の頂部の位置は、前記した内面板23の5条の突条26の真裏の位置に一致する。
【0038】
また外面板25には、6つの小突起39が設けられている。本実施形態の燃焼装置は、左右2つの濃混合ガス通過部3を有するが、小突起39は、左右の濃混合ガス通過部3で異なる位置に設けられている。
【0039】
濃混合ガス通過部3の内部構造に目を移すと、外面板25の突起33の頂面は、内面板23の5条の突条26の裏面と接し、他の部分では、外面板25と内面板23の間にはいずれも僅かな隙間がある。
【0040】
本実施形態で採用する炎孔部材5は、1枚の板をプレス成形し、さらにそれを順次折り曲げて作られたものである。
つまり本実施形態で採用する炎孔部材5は、短冊状の部材が互い違いの方向に折り曲げられ、全体として4角柱状をしたものである。
炎孔部材5を折り曲げた時、各短冊に設けられたエンボス加工部は、凸部同士が当接し、各短冊間には、隙間が形成される。この隙間は、淡混合ガスを整流して通過させる働きをし、上端の開口は、主炎の炎孔として機能する。
また炎孔部材5の構造上、頂部には、図6の様に開口していてガスを噴射する開口エリアOと、閉止されていてガスが出ない閉塞エリアCが交互に現れる。
【0041】
次に、本実施形態の燃焼装置1の各部材同士の関係について説明する。
本実施形態の燃焼装置1では、二つの濃混合ガス通過部3の間によって炎孔部材5に淡混合ガスを供給する淡ガス供給路70が形成され、この淡ガス供給路70の中に燃料供給部材2が配置されている。
具体的には、燃焼装置1は、燃料供給部材2を中心として、左右に濃混合ガス通過部3が配置され、さらに燃料供給部材2の上部であって、濃混合ガス通過部3の間に炎孔部材5が装着されたものである。
燃料供給部材2と濃混合ガス通過部3の位置関係は、濃混合ガス通過部3が燃料供給部材2の頂部22よりも突出した状態で並列に配置されている。言い換えれば燃料供給部材2の頂部22は、濃混合ガス通過部3の頂部34よりも下にあり、燃料供給部材2は、濃混合ガス通過部3によって挟まれた谷間にある。
燃料供給部材2の頂部22には、濃混合ガス通過部3の内壁部23同士によって挟まれた空間が存在し、この空間は混合室として機能する。
【0042】
燃料供給部材2と濃混合ガス通過部3が組み合った状態では、燃料供給部材2の放出部13に設けられた突出部15と、濃混合ガス通過部3の内面板23の突条26が密着されている。
逆に突出部15以外の部分、より具体的には燃料供給部材2の平坦なブロック部18と、濃混合ガス通過部3の平坦部71の間には、図8,9の様に、個別に独立したブロック空間73が形成される。このブロック空間73は、濃混合ガス通過部3同士で形成された淡ガス供給路70の一部である。即ちブロック空間73は、淡ガス供給路70の一部が部分的に分割されたものである。
【0043】
また燃料供給部材2と濃混合ガス通過部3が組み合った状態では、図7の様に燃料供給部材2の燃料ガス受渡し孔16は、濃混合ガス通過部3の孔31と合致される。本実施形態では、燃料供給部材2の燃料ガス受渡し孔16にはバーリング加工が施されていて、燃料ガス受渡し孔16の周囲は立っているので、燃料ガス受渡し孔16の周囲は濃混合ガス通過部3の孔31と嵌合し、連通する。
炎孔部材5は、濃混合ガス通過部3の内壁部23同士によって挟まれた空間であって、燃料供給部材2の頂部から少し離れた位置に位置決めされる。
【0044】
そして図7の様に濃混合ガス通過部3の内面板23、外面板25および燃料供給部材2の突条26部分の三者がスポット溶接により一体的に接合されている。
【0045】
次に、燃焼装置1の混合ガスの流れについて説明する。
本実施形態の燃焼装置1では、燃料供給部材2の導入孔14に図示しない燃料ガスノズルが挿入される。ガスノズルの挿入状態は、通常のブンゼン式燃焼燃焼装置と同様であり、導入孔14とガスノズルの間には隙間あるいは開口があり、燃料供給部材2には燃料ガスと共に空気が混入される。
空気の燃料ガスに対する混合割合は、理論空気量の40%程度であり、燃料ガス濃度の高いものである。この濃混合ガスは、導入孔14から混合部11に至り、方向を変える際に2枚の金属板である正面板8および裏板9によって作られた気体流路の内壁面と当接して混合が促進される。
【0046】
そして濃混合ガスは、混合部11から導通部12を経て放出部13へ入る。ここで本実施形態では、導通部12は、断面積が小さく作られており、細い流路であるため、混合部11のガスは、当該部分で絞られ、導通部12の長手方向の各位置から、ほぼ均等な割合で放出部13に入る。
【0047】
放出部13に入った濃混合ガスは、燃料ガス受渡し孔16およびガス供給孔20から放出される。
以後の混合ガスの経路は、濃混合ガスの流れと淡混合ガスの経路に別れるので、別々に説明する。
濃混合ガスの流れから説明すると、濃混合ガスは、放出部13の突出部15に設けられた燃料ガス受渡し孔16から濃混合ガス通過部3に入る。前記したように、放出部13の突出部15はバーリング加工がされており、バーリング加工部は濃混合ガス通過部3の突条26に設けられた孔31に挿入されており、燃料供給部材2の燃料ガス受渡し孔16と、濃混合ガス通過部3の孔31は連通している。そのため燃料供給部材2に設けられた孔の内、突出部15に設けられた燃料ガス受渡し孔16から放出される濃混合ガスは、全て濃混合ガス通過部3に入る。濃混合ガス通過部3に導入されるガスの量は、燃料供給部材2から放出される全ガス量の約30%である。
【0048】
燃料ガス受渡し孔16を経て濃混合ガス通過部3に入った濃混合ガスは、濃混合ガス通過部3の外面板25に当たり、外面板25と内面板23の隙間によって形成される気体流路を上昇する。
【0049】
そして濃混合ガスは、頂部34にある炎孔35から均一に外部に噴射される。
濃混合ガス通過部3は、周囲が閉塞していて、空気が侵入することはないので、濃混合ガス通過部3を経由して炎孔35から噴射された混合ガスは、燃料供給部材2から放出された濃混合ガスそのものであり、燃料ガスの濃度が高い。
【0050】
次に淡混合ガスの経路について説明する。
前述の放出部13に入った濃混合ガスの内、ブロック部18(凹状の部位)に設けられたガス供給孔20から放出された濃混合ガスは、図8の様に燃料供給部材2と濃混合ガス通過部3の間で構成されるブロック空間73に放出されて上昇する。一方、ブロック空間73は、図8の様に下部が開放されている。そのためガス供給孔20から放出された濃混合ガスには、下部の開口76から送風された空気が混入され、淡混合ガスとなる。
【0051】
ここで本実施形態の燃焼装置1では、ブロック空間73内における淡混合ガスの濃度分布が一様ではない。即ち本実施形態の燃焼装置1では、燃料供給部材2のブロック部18に設けられたガス供給孔20a〜20dは、大きさにばらつきがあり、両側部に設けられたガス供給孔20a,20dは開口面積が小さく、中央に設けられた2個のガス供給孔20b,20cは大きいので、ブロック空間73内においては、その中心部に、より多量の濃混合ガスが供給される。一方、ブロック空間73の平面視形状は対称形であり、ブロック空間73を流れる空気の量は均等である。そのためガス供給孔20がブロック空間73(淡ガス供給路の一部)に連通する部位における燃料ガスと空気との混合割合が、部分的に異なり、ブロック空間73内では中心部分のガス濃度が高く、端部側のガス濃度は比較的低いものとなる。
【0052】
そして淡混合ガスは、図9の様にブロック空間73を出て、炎孔部材5下部の混合室に入る。前記したようにブロック空間73内では中心部分のガス濃度が高く、端部側のガス濃度は比較的低いので、ブロック空間73を出る際のガス濃度は部位によって異なり、図9の矢印の太さで示す様に、ブロック空間73の中心部からは比較的高濃度の混合ガスが混合室に入り、端部側からは比較的低濃度の混合ガスが混合室に入る。
【0053】
そして混合室で各ブロック空間73から排出された混合ガスが混じり合うが、各ブロック空間73に対応した部位ごとに濃度のばらつきを残しつつ、混合室を上昇し、炎孔部材5の溝内に入り、炎孔から外部に噴射される。
そのため炎孔部材5から噴射される淡混合ガスは、部位によって濃度のばらつきを持つ。
なお本実施形態の燃焼装置1では、燃料供給部材2に、燃料ガス受渡し孔16を備えた突出部15と、ガス供給孔20が設けられたブロック部18が交互に設けられており、燃料ガス受渡し孔16が設けられた部位からは淡ガス供給路70に燃料ガスが供給されないから、炎孔部材5から噴射される淡混合ガスは、そもそも部位によってばらつきを持つ傾向にある。本実施形態の燃焼装置1は、この傾向をさらに増長させるものであり、ブロック部18に設けるガス供給孔20の面積分布を、燃料ガス受渡し孔16から離れる位置に偏重させ、燃料ガス受渡し孔16寄りの部位から混合室に流れる混合ガスの濃度をさらに低下させた構成を採用している。
【0054】
本実施形態の燃焼装置1では、混合ガスは、それぞれ上記した経路を辿り、炎孔部材5の開口からは、淡混合ガスが噴射され、濃混合ガス通過部3の炎孔35からは、濃混合ガスが噴射される。また燃焼装置1同士によって形成される空隙37(図2)から二次空気が供給される。
そのため本実施形態の燃焼装置1では、淡混合ガスによって発生する主炎の周囲を濃混合ガスによって発生する補炎が包囲する。従って本実施形態の燃焼装置1は、火炎のリフトを起こすことなく、燃料ガスを希薄な状態で燃焼させることができる効果があり、NOX の発生を減少させることができる。
【0055】
また本実施形態の燃焼装置1では、炎孔部材5から噴射される淡混合ガスは、部位によって濃度のばらつきを持つので、炎孔部材5上の火炎の分布にばらつきが生じる。
具体的に説明すると、図11(a)の様に、ブロック空間73の真上部分に炎孔部材の開口エリアOが位置する場合であれば、火炎は中央部分の勢いが強いものとなり、両端部の濃度は低いものとなる。そのため火炎の形状は、細長いものとなる。
これに対して図11(b)の様に、ブロック空間73の真上部分に閉塞エリアCが位置する場合は、火炎の中央部分の勢力が下がり、両端部が強くなる。そのため火炎の形状は、台形に近づく。
【0056】
このように本実施形態の燃焼装置1では、炎孔部材5の火炎の分布や形状が多彩となり、火炎が発生する振動は多種類のものとなり、振動周期が分散される。そのため燃焼量を増加させても、主炎が発生する振動は互いに打ち消しあい、主炎の振動は燃焼装置1の固有振動数に同調しにくい。また仮に主炎の振動が燃焼装置1の固有振動数と同調しても、振動が増幅せず、すぐに収斂する。そのため本実施形態の燃焼装置1は、振動燃焼が発生しにくい。
【0057】
なお図11で説明した二種類の火炎形状を比較した場合、図11(b)の様に、ブロック空間73の真上部分に閉塞エリアCが位置して火炎が台形に近づく方が、主炎が全体として一連に繋がり易いので、好ましいと言える。
【0058】
以上説明した実施形態では、燃料供給部材2のブロック部18に設けられたガス供給孔20の開口径に変化を持たせた。具体的には、中央よりのガス供給孔20b,20cの直径を大きなものとして、ブロック空間73内のガス濃度にばらつきを持たせ、中心部のガス濃度が高く、端部側のガス濃度が低くなる様に設計した。しかしながら、他の方法によっても同様の作用効果が期待できる。
例えば図12に示す様に、ブロック部18内のガス供給孔20を複数列設け、中心部分により多くのガス供給孔20を配置する。そうすることにより、ブロック空間73内において、中心部により多くの燃料ガスが供給され、燃料ガスの濃度にばらつきが生じ、結果的に主炎の分布や形状が多彩となる。
【0059】
また図13,図14に示す様に、各ガス供給孔20を中心軸X−Xに対して非対称に配置することによってもブロック空間73内の燃料ガスの濃度にばらつきが生じる。図13に示す例は、ブロック部18に4個のガス供給孔20を設け、これらを全体的に中心軸X−Xに対して左側に寄せたものである。
また図14に示す例は、中心軸X−Xの片側により多くのガス供給孔20を設けたものである。
【0060】
以上説明した実施形態は、いずれもブロック空間73に供給される燃料ガスの量にばらつきを持たせたものであるが、ブロック空間73に供給される空気量を変化させても同様の作用効果が期待できる。
【0061】
図15,図16は、空気量に変化を持たせる一例を示すものであり、燃料供給部材2のブロック部18に段差を設けたものである。
即ち図15に示す燃焼装置51では、燃料供給部材2のブロック部18が二つの平面18a,18bによって構成されている。より具体的には、平面18bは、平面18aに対して中心部に引き込んでいる。
そのためブロック空間80の平面視形状は、図16の様に中心に対して非対称となり、平面18bによって構成される部位の有効断面積が平面18aによって構成される部位のそれよりも大きい。これに対してガス供給孔20から供給される燃料ガスは均等にブロック空間80に噴射されるから、平面18bによって構成される部位のガス濃度は、平面18aによって構成される部位のガス濃度よりも低いものとなる。
従って先の実施形態と同様に炎孔部材5から噴射される淡混合ガスは、部位によって濃度のばらつきが生じ、主炎から多種類の振動周波が発生されて振動周期が分散され、振動燃焼が発生しにくい。
【0062】
また図15,図16に示した実施形態では、燃料供給部材2の形状によってブロック空間80の面積を非対称のものとしたが、濃混合ガス通過部3の内面に凹凸を設けることによっても同様の効果が発揮される。図17に示す例は、ブロック空間80を構成する濃混合ガス通過部3の内壁部23の下部の内面53に段部を設けて二つの平面53a,53bを形成し、ブロック空間80を非対称形状としたものである。
【0063】
また上記した実施形態では、いずれもブロック空間の片側の面積を増大させたが、図18に示す実施形態の様に、中央の面積を増大させてもよい。
なお勿論、燃料供給部材2と濃混合ガス通過部3の双方に凹凸面を設けてもよく、さらにこれに加えて、ブロック部18のガス供給孔20を非対称に設けてもよい。
また上記した実施形態では、ブロック空間の縦方向全体に渡る凹凸面を設けたが、部分的な突起や空気遮蔽物を設けることによって有効通気開口面積を減少させ、ブロック空間に導入される空気に分布変化をつけてもよい。また空気遮蔽物を下部の開口76の近傍に設ける構成によっても、有効通気開口面積が変化し、ブロック空間に導入される空気に分布変化をつけることが可能である。
【0064】
【発明の効果】
以上説明した様に、本請求項1に記載の発明では、前記ガス供給孔は、前記燃料供給部材の長手方向に区画されたブロックに分かれて配置されており、前記ガス供給孔は、各ブロック内に複数個設けてあり、さらに前記ガス供給孔は、ガス供給孔の淡ガス供給路と連通する部位における燃料ガスと空気との混合割合が、前記ブロック内で部分的に異なるように配置されているので、淡ガス炎孔から噴射されるガスの濃度に部分的にばらつきを生じさせ、燃焼によって発生する振動の周波数成分が分散して、振動燃焼が抑制される効果がある。
そのため本発明の燃焼装置は、燃焼量絞り比を高く設定することができる効果がある。
【0065】
また請求項2に記載の燃焼装置では、ガス供給孔が、燃料供給部材の長手方向に区画されたブロックに分かれて配置されており、ガス供給孔の開口面積分布を端部領域よりも中央領域の方が大きくなるように設定したので、淡ガス炎孔から噴射されるガスの濃度に部分的にばらつきが生じ、振動燃焼を抑制することができる。そのため本発明の燃焼装置は、燃焼量絞り比を高く設定することができる効果がある。
【0066】
請求項3に記載の燃焼装置では、ガス供給孔が、燃料供給部材の長手方向に区画されたブロックに分かれて配置されており、ブロック内におけるガス供給孔の開口面積分布を非対称として淡ガス炎孔から噴射されるガスの濃度に部分的にばらつきを生じさせ、振動燃焼を抑制することができる。そのため本発明の燃焼装置は、燃焼量絞り比を高く設定することができる効果がある。
【0067】
また請求項4に記載の燃焼装置では、淡ガス供給路を部分的にブロック空間に分割してガス供給孔をブロック空間に開口する構成としてため、淡ガス炎孔から噴射される淡ガスの濃度がよりばらつく結果となり、振動燃焼がより抑制される。
【0068】
また請求項5に記載の燃焼装置では、供給される空気量に部分的なばらつきを生じさせ、淡ガス炎孔から噴射されるガスの濃度に部分的にばらつきが生じさせることにより、振動燃焼が抑制される効果が発揮される。
そのため本発明の燃焼装置は、燃焼量絞り比を高く設定することができる効果がある。
【0069】
また請求項6に記載の燃焼装置では、前記淡ガス供給路の一部が、前記燃料供給部材で複数箇所に分割されており、前記ガス供給孔が、当該淡ガス供給路の一部と連通しており、当該複数箇所に分割された一つ当たりの淡ガス供給路の一部に連通しているガス供給孔の有効通気開口面積の分布が、各淡ガス供給路の一部の中央部を境界として各々非対称となるようにしたので、燃料ガスの濃度に部分的なばらつきを生じさせることができ、振動燃焼が抑制される効果が発揮される。
そのため本発明の燃焼装置は、燃焼量絞り比を高く設定することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態及び従来技術における燃焼装置の斜視図である。
【図2】本発明の実施形態の燃焼装置をケースに収納した場合の平面図である。
【図3】本発明の実施形態の燃焼装置の分解斜視図である。
【図4】本発明の実施形態で採用する燃料供給部材の正面図(b)と平面図(a)である。
【図5】本発明の実施形態で採用する濃混合ガス通過部の正面図(b)と平面図(a)および背面図(c)である。
【図6】本発明の実施形態で採用する炎孔部材の斜視図である。
【図7】本発明の実施形態の燃焼装置(図1)のC平面での断面図である。
【図8】本発明の実施形態の燃焼装置(図1)のD平面での断面図である。
【図9】本発明の実施形態の燃焼装置の、一方の濃混合ガス通過部と炎孔部材を外した状態を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施形態の燃焼装置(図1)のA平面での断面図である。
【図11】本発明の実施形態の燃焼装置におけるガス供給孔の分布と炎孔部材との関係を示す説明図である。
【図12】本発明の他の実施形態で採用する燃料供給部材の部分拡大図であり、ガス供給孔の分布を示す。
【図13】本発明の他の実施形態で採用する燃料供給部材の部分拡大図であり、ガス供給孔の分布を示す。
【図14】本発明の他の実施形態で採用する燃料供給部材の部分拡大図であり、ガス供給孔の分布を示す。
【図15】本発明の実施形態の燃焼装置の、一方の濃混合ガス通過部と炎孔部材を外した状態を示す斜視図である。
【図16】本発明の他の実施形態の燃焼装置(図1)のA平面における平面断面である。
【図17】本発明のさらに他の実施形態の燃焼装置(図1)のA平面における平面断面である。
【図18】本発明のさらに他の実施形態の燃焼装置(図1)のA平面における平面断面である。
【図19】従来技術における濃淡燃焼方式を採用する燃焼装置の分解斜視図である。
【図20】従来技術の燃焼装置で採用する燃料供給部材の部分拡大図であり、ガス供給孔の分布を示す。
【図21】従来技術の燃焼装置の一方の濃混合ガス通過部と炎孔部材を外した状態で斜視図である。
【図22】従来技術の燃焼装置(図1)のA平面における平面断面図である。
【符号の説明】
1 燃焼装置
2 燃料供給部材
3 濃混合ガス通過部
5 炎孔部材(淡ガス炎孔)
18 ブロック部(区画されたブロック)
18a,18b 平面
20a,20b,20c,20d ガス供給孔
35 炎孔(濃ガス炎孔)
37 空隙
53a,53b 平面
73,80 ブロック空間(淡ガス供給路の一部)

Claims (6)

  1. 高濃度の燃料ガスを噴射する濃ガス炎孔と低濃度の燃料ガスを噴射する淡ガス炎孔を備えた燃料装置であって、複数のガス供給孔が設けられ、且つ、高濃度の燃料ガスを導く燃料供給部材を有しており、前記ガス供給孔は、前記淡ガス炎孔へ燃料ガスと空気とを導く淡ガス供給路と連通しており、前記ガス供給孔から淡ガス供給路内に流入した燃料ガスが、空気と混合されて前記淡ガス炎孔に導かれる燃焼装置において、
    前記ガス供給孔は、前記燃料供給部材の長手方向に区画されたブロックに分かれて配置されており、前記ガス供給孔は、各ブロック内に複数個設けてあり、さらに前記ガス供給孔は、ガス供給孔の淡ガス供給路と連通する部位における燃料ガスと空気との混合割合が、前記ブロック内で部分的に異なるように配置されていることを特徴とする燃焼装置。
  2. 高濃度の燃料ガスを噴射する濃ガス炎孔と低濃度の燃料ガスを噴射する淡ガス炎孔を備えた燃料装置であって、複数のガス供給孔が設けられ、且つ、高濃度の燃料ガスを導く燃料供給部材を有しており、前記ガス供給孔は、前記淡ガス炎孔へ燃料ガスと空気とを導く淡ガス供給路と連通しており、前記ガス供給孔から淡ガス供給路内に流入した燃料ガスが、空気と混合されて前記淡ガス炎孔に導かれる燃焼装置において、
    前記ガス供給孔は、前記燃料供給部材の長手方向に区画されたブロックに分かれて配置されており、
    前記ブロック内におけるガス供給孔の開口面積分布は、ブロックの端部領域よりも中央領域の方が大きくなるように設定されていることを特徴とする燃焼装置。
  3. 高濃度の燃料ガスを噴射する濃ガス炎孔と低濃度の燃料ガスを噴射する淡ガス炎孔を備えた燃料装置であって、複数のガス供給孔が設けられ、且つ、高濃度の燃料ガスを導く燃料供給部材を有しており、前記ガス供給孔は、前記淡ガス炎孔へ燃料ガスと空気とを導く淡ガス供給路と連通しており、前記ガス供給孔から淡ガス供給路内に流入した燃料ガスが、空気と混合されて前記淡ガス炎孔に導かれる燃焼装置において、
    前記ガス供給孔は、前記燃料供給部材の長手方向に区画されたブロックに分かれて配置されており、
    前記ブロック内におけるガス供給孔の開口面積分布は、非対称であることを特徴とする燃焼装置。
  4. 淡ガス供給路は部分的にブロック空間に分割され、燃料供給部材に設けられたガス供給孔は当該ブロック空間に開口することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の燃焼装置。
  5. 高濃度の燃料ガスを噴射する濃ガス炎孔と,低濃度の燃料ガスを噴射する淡ガス炎孔を備えた燃料装置であって、複数のガス供給孔が設けられ高濃度の燃料ガスを供給する燃料供給部材を有し、前記ガス供給孔は、淡ガス炎孔に燃料ガス及び空気を供給する淡ガス供給路内に開口し、ガス供給孔から放出された燃料ガスは空気と混合されて淡ガス炎孔に導かれる燃焼装置において、ガス供給孔が開口する部位における淡ガス供給路の有効通気開口面積が部分的に異なる事を特徴とする燃焼装置。
  6. 高濃度の燃料ガスを噴射する濃ガス炎孔と低濃度の燃料ガスを噴射する淡ガス炎孔を備えた燃料装置であって、複数のガス供給孔が設けられ、且つ、高濃度の燃料ガスを導く燃料供給部材を有しており、前記ガス供給孔は、前記淡ガス炎孔へ燃料ガスと空気とを導く淡ガス供給路と連通しており、前記ガス供給孔から淡ガス供給路内に流入した燃料ガスが、空気と混合されて前記淡ガス炎孔に導かれる燃焼装置において、
    前記淡ガス供給路の一部が、前記燃料供給部材で複数箇所に分割されており、前記ガス供給孔が、当該淡ガス供給路の一部と連通しており、当該複数箇所に分割された一つ当たりの淡ガス供給路の一部に連通しているガス供給孔の有効通気開口面積の分布が、各淡ガス供給路の一部の中央部を境界として各々非対称であることを特徴とする燃焼装置。
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