JP4074975B2 - 燃焼装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼装置に関するものであり、特に小型ボイラーや給湯装置への適用が好適な燃焼装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
燃焼装置は、ボイラーや給湯装置の主要な構成部品であり、工場はもとより、一般家庭にも広く普及している。
ところで、近年酸性雨による環境破壊が深刻な社会問題となり、NOX (窒素酸化物)の総排出量を減少させることが急務となっている。そこで、家庭用等の小型の燃焼装置についても、NOX の発生を極力減少させる工夫が要求されている。
【0003】
小型の燃焼装置の分野でNOX を減少させる対策としては、燃料ガスを希薄な状態で燃焼させる方法が考えられる。ところが燃料ガスを希薄にして燃焼させると、火炎がリフトし、どうしても火炎が不安定になる。そこでこの対策として濃淡燃焼と称される燃焼方式の採用が注目されている。
ここで濃淡燃焼とは、燃料ガスに理論空気量の1.6倍程度の空気を予め混合した希薄な燃料ガス(以下淡混合ガス)から主炎を発生させ、この主炎の近辺に、空気の混合量が少なく濃度が高い燃料ガス(以下濃混合ガス)から発生する補炎を配置したものである。
【0004】
また家庭用等の小型の燃焼装置は、より小型化と製造の容易化が要求されている。
そこで本出願人は、NOX の軽減と、小型化および製造容易化の双方を達成すべく、先にプレス構造の燃焼装置を提案した(特許第2710909号)
本出願人が提案した燃焼装置100は、図10の様に二枚の側板部材101の間に燃焼管本体102と炎孔部材103を配したものである。
燃焼装置100では、側板部材101の内部は空洞となっている。そして側板部材101の内部には、濃混合ガスが供給され、濃ガス炎孔105から濃混合ガスが噴射される。炎孔部材103は、複数の仕切り板が重ねられたものであり、仕切り板同士の隙間によって上下方向に連通する。そして側板部材101同士の間には、下部側から淡混合ガスが供給される。こうして炎孔部材103からは淡混合ガスが噴射して主炎が発生し、側板部材101の濃ガス炎孔105からは濃混合ガスが噴射されて補炎が形成される。主炎は、補炎に包囲され、安定して燃焼する。
【0005】
ここで従来技術の燃焼装置100では、炎孔部材103の脱落を防止するための方策として、図11の様に、側板部材101の端部を折り返し、当該折り返し部で炎孔部材を103を押さえる構成が採用されていた。
すなわち従来技術の燃焼装置100は、二つの側板部材101と、燃焼管本体102及び炎孔部材103を別々に成型し、二つの側板部材101の間の下部に燃焼管本体102を挟み、二つの側板部材101によって構成される溝状の部位に炎孔部材103を挟む。
そして最後に、図11の様に側板部材101の端部の爪状の部位106を折り曲げ、当該爪状部106を炎孔部材103の上部に当接し、炎孔部材103の脱落を防ぐ。
また上記した様な方策に加えて、あるいは上記した様な方策に代えて、スポット溶接によって二つの側板部材101と、炎孔部材103を一体化する場合もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本出願人が先に提案した燃焼装置100は、プレス構造であるから比較的簡単に製作することができる。
しかしながら従来技術の燃焼装置は、炎孔部材103の脱落を防ぐための方策として、側板部材101の端部を折り曲げて炎孔部材103と当接させる構成を採用しているため、組立ての最終工程において、端部の爪状部106を折り返さなければならない。すなわち従来技術においては、二つの側板部材101の間に炎孔部材103を挟んだ後に、爪状部106の折り返し作業を行わなければならない。
【0007】
上記した折り返し部分の爪状部106は、最も端部に位置するものであり、さらに各部材は、板を折り曲げて作られる。そのため、折り曲げ加工の際の誤差やばらつきが、端部にある爪状部106に重積される。従って折り返し部分の爪状部106は、最も寸法精度を確保しにくい位置であり、位置や大きさにばらつきが生じ易い。そのため炎孔部材103の上下方向の固定位置がばらつき易い。そのため従来技術の燃焼装置100では、炎孔部材103から発生する主炎の位置と、側板部材101から発生する補炎の位置関係にばらつきが生じやすく、補炎によるホールド作用が損なわれる懸念があった。
【0008】
さらに他の問題点として、側板部材101の濃ガス炎孔105から噴射される濃混合ガスの濃度がバラツク傾向があるという問題点がある。
すなわち燃焼管本体102内で一次空気と燃料ガスが混合され、この濃度の高い混合ガスが側板部材101に対して供給される。しかしながら従来技術においては、燃焼管本体102内での混合が十分に行われない場合があり、側板部材101での濃混合ガスの濃度にバラツキが生じ、濃度の高すぎるガスでの燃焼では、多大なNOxの発生が懸念されていた。
【0009】
そこで本発明は、従来技術の前記した問題点に注目し、組み立てが簡単で炎孔部材の位置精度が高い燃焼装置の開発を課題とするものである。また併せて本発明は、側板部材内の混合ガス濃度を適正な濃度に調整することができ、理想的な濃淡燃焼を行わしめることができる燃焼装置の開発を課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そして、上記した課題を達成するための請求項1に記載の発明は、内部に濃度の高い燃料ガスが導入されると共に内部から濃度の高い燃料ガスを噴射する炎孔が設けられた二以上の側板部材と、全体形状が長尺形状であって水平に載置した状態の時に上下に位置する面が連通し、上端から火炎を発生させる炎孔部材を有し、炎孔部材は二つの側板部材によって囲まれた部位に挟まれた状態で配され、前記二つの側板部材によって囲まれた部位に濃度の低い燃料ガスが導かれて炎孔部材から濃度の低い燃料ガスが噴射し、炎孔部材の上面には濃度の低い燃料ガスが燃焼する火炎が発生し、側板部材の炎孔からは濃度の高い燃料ガスが燃焼する火炎が発生する燃焼装置において、側板部材又は炎孔部材の一方に突起が設けられ、側板部材又は炎孔部材の他方には凹部又は開口が設けられ、当該突起と凹部又は開口が係合して炎孔部材が側板部材の間に保持され、側板部材は薄板によって構成された二重壁を有し、側板部材に設けられた突起或いは凹部には開口が設けられ、当該開口によって側板部材の二重壁内と、二つの側板部材によって囲まれた部位とが連通することを特徴とする燃焼装置である。
【0011】
本発明の燃焼装置では、側板部材又は炎孔部材の一方に突起が設けられ、側板部材又は炎孔部材の他方には凹部又は開口が設けられ、当該突起と凹部又は開口が係合して炎孔部材が側板部材の間に保持される。従って従来技術で必須であった様な折り返し作業や、溶接作業は不要である。また当該開口によって側板部材の二重壁内と、二つの側板部材によって囲まれた部位とが連通する。そのため本発明の燃焼装置では、二つの側板部材によって囲まれた部位を通過する空気が、側板部材の二重壁内に導入され、側板部材内の燃料ガスの濃度が適度に薄められる。
【0012】
また請求項2に記載の発明は、内部に濃度の高い燃料ガスが導入されると共に内部から濃度の高い燃料ガスを噴射する炎孔が設けられた二以上の側板部材と、全体形状が長尺形状であって水平に載置した状態の時に上下に位置する面が連通し、上端から火炎を発生させる炎孔部材を有し、炎孔部材は二つの側板部材によって囲まれた部位に挟まれた状態で配され、前記二つの側板部材によって囲まれた部位に濃度の低い燃料ガスが導かれて炎孔部材から濃度の低い燃料ガスが噴射し、炎孔部材の上面には濃度の低い燃料ガスが燃焼する火炎が発生し、側板部材の炎孔からは濃度の高い燃料ガスが燃焼する火炎が発生する燃焼装置において、側板部材又は炎孔部材の一方に突起が設けられ、側板部材又は炎孔部材 の他方には凹部又は開口が設けられ、当該突起と凹部又は開口が係合して炎孔部材が側板部材の間に保持され、炎孔部材は、複数の仕切り板を重ねて形成したものであり、仕切り板の一つから突起が設けられ、さらに当該突起には開口が形成され、側板部材には開口が設けられ、炎孔部材の突起が側板部材の開口と係合して仕切り板の突起に設けられた開口と側板部材に設けられた開口が連通することを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置である。
【0013】
本発明の燃焼装置では、炎孔部材は、複数の仕切り板を重ねて形成したものであり、仕切り板同士の空隙によってガス流路が形成される。そして本発明の燃焼装置では、仕切り板の一つから開口を有する突起が設けられ、この突起が側板部材に設けられた開口と係合し、仕切り板の開口と側板部材の開口とが連通する。その結果、本発明の燃焼装置では、側板部材の内部と、炎孔部材の内側のガス流路とが連通する。ここで一般的に、炎孔部材を流れるガスの流速は、内側の流路の方がより早い。そのため本発明では、流速の早いガス流路と側板部材の内部が連通し、側板部材の内部により円滑に空気が導入される。
【0014】
また請求項3に記載の発明は、側板部材は薄板によって構成された二重壁を有し、側板部材に設けられた突起或いは凹部には開口が設けられ、当該開口によって側板部材の二重壁内と、二つの側板部材によって囲まれた部位とが連通することを特徴とする請求項2に記載の燃焼装置である。
【0015】
本発明の燃焼装置では、当該開口によって側板部材の二重壁内と、二つの側板部材によって囲まれた部位とが連通する。そのため本発明の燃焼装置では、二つの側板部材によって囲まれた部位を通過する空気が、側板部材の二重壁内に導入され、側板部材内の燃料ガスの濃度が適度に薄められる。
【0016】
さらに請求項4に記載の発明は、炎孔部材に炎孔部材本体から突出する突起が設けられ、側板部材には当該突起と係合する凹部又は開口が設けられ、炎孔部材に設けられた突起の炎孔部材本体部分に対する角度は、炎孔側が他方側に比べて大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の燃焼装置である。
【0017】
本発明の燃焼装置を組み立てる際には、予め二つの側板部材を組み合わせて、炎孔部材が挿入される溝状の空隙を形成させておく。そしてその後、二つの側板部材によって形成される空隙の上部の開口から、炎孔部材を押し込む。ここで本発明の燃焼装置においては、炎孔部材に設けられた突起の炎孔部材本体部分に対する角度が炎孔側と他方側で相違し、炎孔側が他方側に比べて大きい。言い換えると、突起は、炎孔部材の挿入方向に向かって鋭角であり、抜き方向に向かって鈍角である。
従って、本発明の燃焼装置では、組み立ての際に炎孔部材を挿入し易く、また炎孔部材は抜けにくい。
【0018】
さらに請求項5に記載の発明は、側板部材に設けられた開口によって側板部材の二重壁内と、二つの側板部材によって囲まれた部位とが連通されており、二つの側板部材によって囲まれた部位内を濃度が低い燃料ガスが通過し、側板部材の二重壁内に濃度が低い燃料ガスが流れ込むことを特徴とする請求項3又は4記載の燃焼装置である。
【0019】
本発明の燃焼装置では、側板部材の二重壁内と、二つの側板部材によって囲まれた部位とが連通するので、二つの側板部材によって囲まれた部位を通過する空気が、側板部材の内部に導入され、側板部材内の燃料ガスの濃度が適度に薄められる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下さらに本発明の実施形態について説明する。尚以下の説明では、上下とは、燃焼装置1を炎孔を上にして設置した状態を基準とする。
図1は、本発明の実施形態の燃焼装置の斜視図である。図2は、図1の燃焼装置の分解斜視図である。図3は、図1の燃焼装置の要部の分解斜視図である。図4は、炎孔部材に設けられた突起の拡大斜視図である。図5は、炎孔部材及び二つの側板部材の上部の断面図である。図6は、二つの側板部材の上部に炎孔部材を挿入した状態における断面図である。図7は、図1のA平面における断面図である。図8は、図1のB平面における断面図である。図9は、本発明の他の実施形態の燃焼装置の図7に相当する断面図である。
【0021】
本実施形態の燃焼装置1は、ケースに並列に並べて使用されたり、単独で使用されるものである。燃焼装置1の構成は、図2の様に燃焼管本体2と、2枚の側板部材3および炎孔部材5によって成る。
燃焼管本体2は、一枚の鋼板をプレスして表面に凹凸を有する展開図形を成形し、これを曲げ加工した後スポット溶接によって接合されたものである。
【0022】
本実施形態で採用する燃焼管本体2は、公知のそれと同様、下側の角に、図1、図2の様な燃料ガス導入孔14が開口し、その内部は、断面積が次第に大きくなり、さらに流路は大きく方向を変えて混合部11が形成されている。燃焼管本体2の上部の側面は、凹凸形状をしている。そしてその凸部には、大径の孔16が設けられている。また燃焼管本体2の上部側面の凹部には、小径の開口17が設けられている。
【0023】
側板部材3は、薄い一枚の鋼板をプレスした後曲げ加工して作られたものであり、図2,3の様に、内面板23と外面板25とが隙間をおいて配置され、面積の狭い頂部34を備え、他の周囲はガスが漏れない様に折り返されたものである。そして内面板23と外面板25との隙間によって側板部材3の内部に閉塞された空間13が形成されている。すなわち側板部材3は、内面板23と外面板25の二重壁構造であり、内部は空洞である。また側板部材3の中央部には、図2の様に内部に濃混合ガスを導入する孔31が設けられている。
【0024】
さらに本実施形態に特有の構成として、図2、図3の様に二個一組となった開口21,22が、側板部材3の内面板23側に水平方向に一列に設けられている。ここで一組の開口の内の上方に設けられた開口21は、略長方形の孔である。またもう一つの開口22は、略正方形をしており、開口21の真下の位置に設けられている。側板部材3は、二枚を一組として組み合わされるので、開口21,22によって側板部材3の二重壁内の空間13と、二つの側板部材3によって囲まれた部位とが連通することとなる。
【0025】
次に炎孔部材5について説明する。
本実施形態の燃焼装置1で採用する炎孔部材5は、図2、図3の様に四角柱状であって、長尺形状をしている。
炎孔部材5は、具体的には図3の様に短冊状をした6枚の仕切り板20a〜20fが重ねられたものである。
各仕切り板20a〜20fには、エンボス加工が成されており、全体が凹凸形状に波打っている。
【0026】
そして各仕切り板20a〜20fが折り重ねられた状態では、各仕切り板20a〜20fは、エンボス形状の凹凸によって縦方向に貫通する間隙が形成され、当該間隙がガス流路となる。
また本実施形態で採用する炎孔部材5は、側面部分に一対の突起40,41が水平方向に一列に設けられている。
ここで上部に設けられた突起40の形状は、図3の様に略三角形であり、山形をしている。突起40は、炎孔部材5を構成する仕切り板20a〜20fの内の両側面部に配される仕切り板20a,20fに、平行に切り目を設け、その中央部を折り出したものであり、稜線42は本体部分43に対して平行である。また突起40は、上記したように平行に切り目を設けて折り出したものであるため、上下面40a,40bは、いずれも本体部分43に対して垂直である。
また突起40の上下面40a,40bには、開口46が形成されている。開口46は、最も外側の仕切り板20a,20fに設けられるため、開口46は、炎孔部材5の内部のガス流路と連通する。
【0027】
一方、下部に設けられた突起41は、水平に一本の切れ目を設け、その下部を折り出したものであり、稜線45は本体部分43に対して傾斜している。すなわち突起41の上面41aは、本体部分43に対して垂直であるが、他方側は本体部分43に対して鋭角である。言い換えると、炎孔部材5に設けられた突起41の炎孔部材本体部分43に対する角度は、炎孔側(図面上部)が他方側に比べて大きい。下部に設けられた突起41の上面41aの形状は、前記した上部に設けられた突起40の下面40bの形状と等しい。また突起41の上面41a には、開口47が形成されている。
【0028】
次に、本実施形態の燃焼装置1の各部材同士の関係について説明する。
本実施形態の燃焼装置1は、燃焼管本体2を中心として、左右に側板部材3が配置され、さらに燃焼管本体2の上部であって、側板部材3の間に炎孔部材5が装着されたものである。
燃焼管本体2と側板部材3の位置関係は、側板部材3が燃焼管本体2の頂部24よりも突出した状態で並列に配置されている。言い換えれば燃焼管本体2の頂部24は、側板部材3の頂部34よりも下にあり、燃焼管本体2は、側板部材3によって挟まれた谷間にある。
従って燃焼管本体2の頂部24には、側板部材3の内面板23同士によって挟まれた空間が存在する。
【0029】
また燃焼管本体2と側板部材3が組み合った状態では、燃焼管本体2の上部側面の凸部に設けられた孔16は、図7の様に側板部材3の中央部に設けられた孔31と合致され、燃焼管本体2と側板部材3が連通する。
また燃焼管本体2の上部側面の凹部と側板部材3との間には、図8の様に隙間があり、燃焼管本体2に設けられた小径の孔17は、当該隙間に開口する。燃焼管本体2の上部側面の凹部と側板部材3との間の隙間は、空気導入口として機能する。
【0030】
炎孔部材5は、側板部材3の内面板23同士によって挟まれた空間であって、燃焼管本体2の頂部24から少し離れた位置に配される。
そして炎孔部材5が側板部材3同士の間の正規の位置に配された時、炎孔部材5に設けられた突起40,41が、側板部材3に設けられた開口21,22と係合する。
【0031】
燃焼装置1を組み立てる際の手順は、次の通りである。すなわち燃焼装置1を組み立てる際は、左右の側板部材3と、燃焼管本体2を先に組み合わせて、スポット溶接等により接合する。その結果、図3、図5の様に、左右の側板部材3と、燃焼管本体2によって、上部が開口した溝48が形成される。そして当該溝48内に、炎孔部材5を押し込む。
ここで、本実施形態では、炎孔部材5に突起40,41が設けられているが、下部に設けられた突起41は、先端側が鋭角であるから、挿入に際して側板部材3の内面板23を押し広げる作用に優れる。そのため炎孔部材5の突起41は、溝48にスムーズに入る。
また上部に設けられた突起40の下面41b は、本体部43に対して垂直であるが、突起40は、前記した突起41の真上の位置にあり、且つ当該下面40b の大きさ及び形状は、下部に設けられた突起41の上面41aと同一であるから、突起40の部分についても、下部の突起41に続いて溝48にスムーズに入る。
そして炎孔部材5が、溝48の所定の位置に納まった時、炎孔部材5に設けられた上部の突起40が、側板部材3に設けられた上部の開口21と係合し、炎孔部材5に設けられた下部の突起41は、側板部材3に設けられた下部の開口22と係合する。
【0032】
また一旦、炎孔部材5の突起40,41が、側板部材3に設けられた開口21,22と係合すると、突起40,41の上面側40a,41aがいずれも本体部43に対して垂直であるから、炎孔部材5は抜けにくい。
【0033】
次に、本実施形態の燃焼装置1の燃料ガス及び空気の流れについて説明する。本実施形態の燃焼装置1では、燃焼管本体2から側板部材3同士の空間に放出された濃混合ガスは、下部の開口18から入った空気と混合されて淡混合ガスとなり、上に昇る。そして淡混合ガスは、炎孔部材5の間隙を通って外気に噴射され、主炎を発生させる。
【0034】
また燃焼管本体2から、孔16,31を介して側板部材3の内部に濃混合ガスが導入される。そして本実施形態の燃焼装置1では、側板部材3に設けられた開口21,22から、側板部材3の内部に空気(詳細には淡混合ガス)が導入され、濃混合ガスが適度に薄められる。
より詳細に説明すると、側板部材3に設けられた開口21,22は、燃焼管本体2の頂部24及び側板部材3の内面板23同士によって挟まれた溝状の空隙部に開口し、この溝状の部位内は淡混合ガスが通過する。そのため側板部材3に設けられた開口21,22から側板部材3内に淡混合ガスが流れ込む。
【0035】
本実施形態では、各開口21,22に突起40,41が係合しているが、突起40,41自体に開口が設けられているため、最も側部の仕切り板20a,20fの内側に形成される淡混合ガス通路と側板部材3の内側の空洞13とが連通し、当該流路から淡混合ガスが側板部材3側に流れ込む。また特に、本実施形態の燃焼装置1では、下部の開口22と係合する突起41の切り起こし部分が斜め方向を向いているので、淡混合ガスは、切り起こしに沿って側板部材3の内部に流れ込む。そのため側板部材3内への空気の流入は円滑であり、側板部材3内で燃焼ガスが適度な濃度に希釈される。
【0036】
そして濃混合ガスは、側板部材3の頂面に設けられた濃ガス炎孔35から濃混合ガスが噴射され、燃焼して補炎を発生させる。
そのため本実施形態の燃焼装置1では、濃ガス炎孔35によって発生する補炎によって炎孔部材5の略全周が包囲される。また補炎から発生するNOX は少ない。
【0037】
以上説明した実施形態では、炎孔部材5の突起40,41が係合する開口21,22から側板部材3の内部に空気を導入したが、燃焼管本体2の頂部24及び側板部材3の内面板23同士によって挟まれた溝状の空隙部に、図9の様にさらに別の開口50を設けて側板部材3の内部に空気を導入してもよい。また本実施形態では、側板部材3に開口21,22を設けたが、開口に代わって凹部(開口部を持たない)を設け、当該凹部に炎孔部材5の突起40,41を係合させ、側板部材3には、他の開口(例えば図9の開口50)から空気を導入することも可能である。
さらに本実施形態では、側板部材3側に開口21,22を設け、炎孔部材5側に突起40,41を設けたが、逆に側板部材3側に突起を設け、炎孔部材5にこれと係合する開口又は凹部を設けてもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上説明した様に、請求項1に記載の燃焼装置では、側板部材又は炎孔部材の一方に突起が設けられ、側板部材又は炎孔部材の他方に凹部又は開口が設けられ、当該突起と凹部又は開口が係合して炎孔部材が側板部材の間に保持されている。そのため本発明の燃焼装置では、従来の様な炎孔部材を固定するための折り返し作業や、溶接作業は不要である。従って本発明の燃焼装置は、組み立てが簡単であり、量産に適する。さらに本発明の燃焼装置は、炎孔部材の位置決め精度が向上するため、補炎は、適正な位置に配され、しっかりと主炎をホールドする。従って本発明の燃焼装置は、主炎を安定して燃焼させることができる効果がある。
【0039】
さらに請求項1、3、5に記載の燃焼装置では、側板部材に設けられた開口によって側板部材の内部と、二つの側板部材によって囲まれた部位とが連通する。そのため本発明の燃焼装置では、二つの側板部材によって囲まれた部位を通過する空気が、側板部材の二重壁内に導入され、側板部材内の燃料ガスの濃度が適度に薄められる。従って、適正なガス濃度の補炎を発生させる効果がある。
【0040】
また請求項2に記載の燃焼装置では、流速の早い炎孔部材内部のガス流路と側板部材の内部が連通し、側板部材の内部により円滑に空気が導入される効果がある。
【0041】
さらに請求項4に記載の燃焼装置は、炎孔部材に設けられた突起の炎孔部材本体部分に対する角度が炎孔側と他方側で相違し、炎孔側が他方側に比べて大きいので、組み立ての際に炎孔部材を挿入し易く、また炎孔部材は抜けにくい。従って本発明の燃焼装置は、組み立てが容易であり、かつその位置や形状を維持する作用が高いという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の燃焼装置の斜視図である。
【図2】 図1の燃焼装置の分解斜視図である。
【図3】 図1の燃焼装置の要部の分解斜視図である。
【図4】 炎孔部材に設けられた突起の拡大斜視図である。
【図5】 炎孔部材及び二つの側板部材の上部の断面図である。
【図6】 二つの側板部材の上部に炎孔部材を挿入した状態における断面図である。
【図7】 図1のA平面における断面図である。
【図8】 図1のB平面における断面図である。
【図9】 本発明の他の実施形態の燃焼装置の図7に相当する断面図である。
【図10】 従来技術の燃焼装置の分解斜視図である。
【図11】 従来技術の燃焼装置を組み立てる際の工程を示す説明図である。
【符号の説明】
1 燃焼装置
2 燃焼管本体
3 側板部材
5 炎孔部材
20a〜20f 仕切り板
23 内面板
25 外面板
21,22 開口
40,41 突起
40a,41a 突起の上面
46,47 開口
Claims (5)
- 内部に濃度の高い燃料ガスが導入されると共に内部から濃度の高い燃料ガスを噴射する炎孔が設けられた二以上の側板部材と、全体形状が長尺形状であって水平に載置した状態の時に上下に位置する面が連通し、上端から火炎を発生させる炎孔部材を有し、炎孔部材は二つの側板部材によって囲まれた部位に挟まれた状態で配され、前記二つの側板部材によって囲まれた部位に濃度の低い燃料ガスが導かれて炎孔部材から濃度の低い燃料ガスが噴射し、炎孔部材の上面には濃度の低い燃料ガスが燃焼する火炎が発生し、側板部材の炎孔からは濃度の高い燃料ガスが燃焼する火炎が発生する燃焼装置において、側板部材又は炎孔部材の一方に突起が設けられ、側板部材又は炎孔部材の他方には凹部又は開口が設けられ、当該突起と凹部又は開口が係合して炎孔部材が側板部材の間に保持され、側板部材は薄板によって構成された二重壁を有し、側板部材に設けられた突起或いは凹部には開口が設けられ、当該開口によって側板部材の二重壁内と、二つの側板部材によって囲まれた部位とが連通することを特徴とする燃焼装置。
- 内部に濃度の高い燃料ガスが導入されると共に内部から濃度の高い燃料ガスを噴射する炎孔が設けられた二以上の側板部材と、全体形状が長尺形状であって水平に載置した状態の時に上下に位置する面が連通し、上端から火炎を発生させる炎孔部材を有し、炎孔部材は二つの側板部材によって囲まれた部位に挟まれた状態で配され、前記二つの側板部材によって囲まれた部位に濃度の低い燃料ガスが導かれて炎孔部材から濃度の低い燃料ガスが噴射し、炎孔部材の上面には濃度の低い燃料ガスが燃焼する火炎が発生し、側板部材の炎孔からは濃度の高い燃料ガスが燃焼する火炎が発生する燃焼装置において、側板部材又は炎孔部材の一方に突起が設けられ、側板部材又は炎孔部材の他方には凹部又は開口が設けられ、当該突起と凹部又は開口が係合して炎孔部材が側板部材の間に保持され、炎孔部材は、複数の仕切り板を重ねて形成したものであり、仕切り板の一つから突起が設けられ、さらに当該突起には開口が形成され、側板部材には開口が設けられ、炎孔部材の突起が側板部材の開口と係合して仕切り板の突起に設けられた開口と側板部材に設けられた開口が連通することを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置。
- 側板部材は薄板によって構成された二重壁を有し、側板部材に設けられた突起或いは凹部には開口が設けられ、当該開口によって側板部材の二重壁内と、二つの側板部材によって囲まれた部位とが連通することを特徴とする請求項2に記載の燃焼装置。
- 炎孔部材に炎孔部材本体から突出する突起が設けられ、側板部材には当該突起と係合する凹部又は開口が設けられ、炎孔部材に設けられた突起の炎孔部材本体部分に対する角度は、炎孔側が他方側に比べて大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の燃焼装置。
- 側板部材に設けられた開口によって側板部材の二重壁内と、二つの側板部材によって囲まれた部位とが連通されており、二つの側板部材によって囲まれた部位内を濃度が低い燃料ガスが通過し、側板部材の二重壁内に濃度が低い燃料ガスが流れ込むことを特徴とする請求項3又は4記載の燃焼装置。
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