続いて、本発明の一実施形態にかかる給湯装置1および燃焼装置10について、図面を参照しながら詳細に説明する。給湯装置1は、図1に示すように、箱形の本体2の内部に送風手段3や熱交換手段5、燃焼手段6、排気手段7等が設けられている。給湯装置1は、図示しないガス導入管を介して外部から導入された燃料をガスノズル8から燃焼手段6に供給して燃焼し、これによって発生した熱により、熱交換手段5に供給された湯水や熱媒体を加熱するものである。
本実施形態の給湯装置1は、燃焼手段6を構成する燃焼装置10の構成に特徴を有する。さらに詳細に説明すると、燃焼手段6は、図2に示すように、ケース部材11を備え、その内部に燃焼装置10を配した構成とされている。
燃焼装置10は、図3に示すようなバーナユニット30を、ケース部材11内に複数、上方(熱交換手段6側)に向けて火炎を形成可能なように並べて配した構成とされている。バーナユニット30は、単独でも燃焼装置として機能するものであり、予混合部材32と、炎孔部材33と、空気流路部材35(隔壁部材)とにより主要部が構成されている。
さらに具体的には、バーナユニット30(燃焼装置)は、いわゆる二段燃焼を実現可能なものであり、図2〜図6等に示すように、予混合部材32と炎孔部材33とを組み合わせて構成される中間部材36の両脇に空気流路部材35が配され、炎孔部材33と両脇の空気流路部材35によって区画された領域に燃焼部34が形成された構成とされている。換言すれば、バーナユニット30は、中間部材36や燃焼部34が空気流路部材35によって挟まれている。また、バーナユニット30は、ケース部材11の内部に収容されているため、バーナユニット30の長手方向両端側の部分は、ケース部材11の壁面によって閉塞されている。そのため、燃焼部34は、バーナユニット30の長手方向両端部において、ケース部材11の壁面によって区画されている。
また、本実施形態の燃焼装置10では、図2に示すように、隣接するバーナユニット30同士で空気流路部材35を共用した構成とされている。そのため、燃焼装置10は、複数設けられた中間部材36や燃焼部34同士の間に空気流路部材35が介在した構成でもある。
予混合部材32は、図7に示すようにずんぐりした外観形状を有するものであり、図示しないガス導入管を介して供給されてきた燃料ガスと空気とを混合するために設けられている。予混合部材32は、一枚の鋼板にプレス加工して凹凸を設けると共に、これを折り曲げて正面壁32aと裏面壁32bとを形成すると共に、これらの外周部分をガスが漏洩しないように溶接することにより内部に燃料ガスや空気が流動可能な空間(混合流路37、開口列部38)を形成したものである。すなわち、上記したようにして凹凸を設けた鋼板を、正面壁32aと裏面壁32bとが対向するように折り曲げることにより、図8や図9に示すように、正面壁32aと裏面壁32bとがほぼ密着する部分と、正面壁32aと裏面壁32bとが隙間を空けて離反する部分とができ、当該離反した部分が混合流路37や開口列部38として機能する。
予混合部材32は、図7に示すように混合流路37と開口列部38とに大別される。混合流路37は、予混合部材32の下方側にあり、一端が予混合部材32の下側の角(図7において左下側)に設けられたガス導入口40に連通し、他端が予混合部材32の内部で開口列部38に連通した流路である。混合流路37には、ガス導入口40に対して燃料ガスや空気の流れ方向下流側に一時的に流路断面積が絞られた絞り部41があり、さらにこの下流側に断面積が次第に大きくなっていく拡径部43がある。また、混合流路37は、拡径部43の下流側に断面積が一様な均一断面部45を有する。
混合流路37は、ガス導入口40から絞り部41、拡径部43を経て均一断面部45に至る区間において流路が直線的に延びている。一方、均一断面部45は、末端部において、流路がほぼ垂直上方に向けて曲がっており、予混合部材32の内部で開口列部38に繋がっている。
開口列部38は、予混合部材32の上端部に位置し、図7の様に長手方向全域に渡って延びている。開口列部38の断面形状は、図8や図9の様に二段形状となっており、上段部38aと下段部38bとに大別される。上段部38aは、下段部38bよりも幅、すなわち正面壁32aと裏面壁32bとの隙間が狭くなっている。
上段部38aは、頂部46が平坦であり、頂部46の両辺から垂直下方に延びる垂直壁47,47を有する。垂直壁47,47は、それぞれ下端部が予混合部材32の外側に向けて拡がっており、この末端部分が上記した下段部38bに繋がっている。
図7に示すように、垂直壁47,47には、多数の開口48が設けられている。開口48は、一定の間隔を開けて、予混合部材32の長手方向に列状に設けられている。本実施例では、開口48は、開口列部38の正面側と裏面側、すなわち正面壁32a側および裏面壁32b側にだけ設けられており、頂部46には設けられていない。
下段部38bは、上段部38aの下方に存在し、上段部38aと同様に予混合部材32の長手方向に向けて延びた空間である。図8や図9に示すように、下段部38bには、ほぼ垂直下方に向けて延びる垂直壁49,49を有する。下段部38aは、図7や図9に示すように混合流路32の均一断面部45の立ち上がり部分と連通している。
続いて、炎孔部材33の構成について説明する。炎孔部材33は、図5に示すように、上記した予混合部材32の頂部46側に被さるように装着される部材である。炎孔部材33は、図5や図10に示すように、本体部材50を中心とし、この両脇に減圧壁51を溶接して取り付けた構成とされている。
本体部材50は、一枚の鋼板にプレス加工を施して凹凸を設けると共に、これに曲げ加工やスポット溶接等を施して箱状に形成されたものである。本体部材50は、図10の様に頂面55と、これに対して垂直な長側面56,57と、短側面58,59とを有し、頂面55に対向する面(部分)が開放されている。
図5や図10に示すように、頂面55は、長尺状であり細長く広がっている。また、頂面55は、図10や図11等に示すように、中央の稜線部55aが最も高く、これを境として長側面56,57側に向かうに従って下方に向けて緩やかに傾斜した形状となっている。炎孔部材33は、前記した様に鋼板を曲げ加工したものであるが、図11に示すように、頂面55の稜線部55aにおいて鋼板が本体部材50の内側(図4等において下方側)に向けて折り込まれ、本体部材50の内部空間に向けてほぼ垂直下方に向けて突出した垂直壁55bを構成している。
本体部材50の頂面55には、バーナユニット30において後述する燃焼部34の炎孔として機能するスリット状の開口(以下、炎孔60と称す)が設けられている。炎孔60は、頂面55の幅方向に延びるように開口している。炎孔60は、頂面55の全域に多数設けられている。
頂面55に設けられた各炎孔60は、それぞれ頂面55の長手方向に平行に並んでいる。また、頂面55には、平行に設けられた所定数(本実施形態では3つ)の炎孔60を一組として炎孔群61が形成されている。各炎孔群61は、頂面55に一定間隔毎に配置されている。
長側面56,57は、それぞれ頂面55の幅方向(短手方向)両端部を、頂面55に対して約90°下方に向けて折り曲げて形成され、本体部材50の長手方向に長い壁面である。
本体部材50の断面形状に注目すると、図11等に示すように、上記した長側面56,57には、それぞれ2か所の上方絞り部62,62と下方絞り部63,63とが設けられている。換言すれば、本体部材50の長側面56,57は、基端部を除いて2箇所の上方膨出部65および下方膨出部66を有する。膨出部65,65は、上記した頂面55に連続する部分に設けられており、膨出部66,66は、膨出部65,65よりも本体部材50の基端部側(下端側)に存在している。また、膨出部65,65と膨出部66,66との間に上方絞り部62,62が存在し、膨出部66,66と本体部材50の基端部との間に下方絞り部63,63が存在している。
膨出部65の下端側と絞り部62の上端側の部分、並びに、膨出部66の下端側と絞り部63の上端側の部分は、それぞれ本体部材50の下方に向かうにつれて本体部材50の内側に向かって傾斜する傾斜面68,69を介してなだらかに繋がっている。また、絞り部62の下端側と膨出部66の上端側の部分、並びに、絞り部63の下端側と本体部材50の基端部は、それぞれ本体部材50の下方に向かうにつれて本体部材50の外側に向かって傾斜する傾斜面70,71を介してなだらかに繋がっている。
図10等に示すように、上記した上方膨出部65および下方膨出部66は、それぞれ炎孔部材33の長手方向全体にわたって設けられている。また、上方膨出部65,65には、開口面積の小さな開口67が複数、炎孔部材33の長手方向に列状に並べて設けられている。
下方絞り部63,63には、複数の突条64が設けられている。突条64は、本体部材50を表面側から見た状態において、下方絞り部63,63の表面から外側に向けて突出しており、本体部材50の内側に溝を形成している。突条64は、炎孔部材33の高さ方向(図10等において上下方向)に延びている。そして、突条64の裏側、すなわち本体部材50の内側に形成された溝は、上記した傾斜面69,71間を繋ぐように形成されている。
図11に示すように、長側面56,57は、本体部材50の基端部側(開放端側)において、二度に渡って約90°折り返され、底壁72aおよび外壁72bからなる嵌合用凹溝72,72を形成している。底壁72aは、長側面56,57に対してほぼ垂直に本体部材50の外側に向けて突出している。また、外壁72bは、底壁72aに対してほぼ垂直上方に立ち上がっており、長側面56,57に対してほぼ平行となっている。
外壁72b,72bには、本体部材50の長手方向両端側の位置に、長側面56,57側に向けて突出した突起72c,72cが設けられている。また、長側面56,57には、外壁72b,72b側に向けて突出した突起72d,72dが設けられている。これらの突起72c,72dは、それぞれ後に詳述する空気流路部材35を係止するために利用される。
減圧壁51は、本体部材50の長側面56,57の上端部に固定されている。減圧壁51は、図5や図10に示すように長尺の板状体である。図11に示すように、減圧壁51は、断面形状が長側面56や長側面57に設けられた上方膨出部65から下方膨出部66の中腹部分に至る部分、すなわち上方膨出部65、傾斜面68、絞り部62、傾斜面70、並びに、下方膨出部66の断面形状と近似しており、これらの部分に沿うように固定されている。
炎孔部材33は、本体部材50の長側面56,57と減圧壁51との間に空隙75が存在している。空隙75は、図11に示す状態において上部側が開口している。この開口部分は、側炎孔76として機能する。なお、減圧壁51の内面には、図11の様に小さな突起77があり、この突起77が長側面56,57に当接している。これにより、側炎孔76の間隔が突起77の突出分以上確保されている。
ここで、上記したように、上方膨出部65には複数の開口67が一列に並んで設けられており、この開口67を介して本体部材50の内外が連通している。また、上記したように、減圧壁51は、上方膨出部65の外側に所定の空隙75を介して取り付けられている。また、この空隙75は、上方側が側炎孔76を介して開放されており、下方側が閉塞されている。そのため、炎孔部材33の内部空間に気体が流入すると、この気体は、図11に二点鎖線で示すように前記した開口67を介して空隙75側に流出し、減圧壁51に沿って上方に向けて流れることとなる。
続いて、空気流路部材35について説明する。空気流路部材35は、本実施形態において最も特徴的な構成とされている部材であり、図3〜図6や図12等に示すように、外観形状が薄く、壁状の部材である。空気流路部材35は、上記した予混合部材32や炎孔部材33の側方に配され、炎孔部材33から供給された燃料ガスやこれを含む予混合ガスの燃焼に必要な空気を、燃焼に適した位置に供給するための流路としての役目や、隣接するバーナユニット30同士を隔てる隔壁としての役目を果たすものである。
空気流路部材35は、図14に示すような第1隔壁構成体80と、図15に示すような第2隔壁構成体81とを組み合わせて構成されている。図12や図13に示すように、空気流路部材35は、先端側(図12等において上端側)が閉塞され、基端側(図12等において下端側)が開放された中空の部材であり、内部に後に詳述する空気流路82が設けられている。
先ず、空気流路部材35を構成する第1,2隔壁構成体80,81について詳細に説明すると、第1,2隔壁構成体80,81は、それぞれプレス加工等を施して凹凸が形成された平面視がほぼ矩形の鋼板によって構成されている。第1,2隔壁構成体80,81は、それぞれ図14や図15に示す状態において上端側(以下、上端部80a,81aと称す)が空気流路部材35として組み立てた際に先端側となる部分であり、下端側(以下、下端部80b,81bと称す)が空気流路部材35の基端部となる部分である。第1,2隔壁構成体80,81は、それぞれ、上端部80a,81a側から下端部80b,81b側に向けて3つの領域に大別される。
さらに具体的には、第1,2隔壁構成体80,81は、上端部80a,81a側から、領域A〜Cに大別される。領域Aは、第1,2隔壁構成体80,81の上端部80a,81aから高さ方向(図12、図13において上下方向)に1/3程度までの領域であり、後述する先端領域130を構成する部分である。また、領域Bは、第1,2隔壁構成体80,81のほぼ中央に位置する領域であり、後述する中間領域131を構成する部分である。領域Cは、第1,2隔壁構成体80,81の下端側に存在する領域であり、後述する基端領域132を形成する部分である。
第1,2隔壁構成体80,81は、領域Aに、第1,2隔壁構成体80,81の幅方向(図14および図15において左右方向)に直線的に延びる谷折り部L1と山折り部L2とを有する。谷折り部L1は、山折り部L2よりも上端部80a,81a側に存在している。図12や図13等に示すように、第1,2隔壁構成体80,81は、空気流路部材35の組み立て時に、谷折り部L1に沿って空気流路部材35の外側からみて谷折り状態となるように折り曲げられると共に、山折り部L2に沿って空気流路部材35の外側からみて山折り状態となるように折り曲げられる。
第1隔壁構成体80,81の谷折り部L1よりも上端部80a,81a側の部分は、空気流路部材35の組み立て状態において係合部90を構成する部分である。また、谷折り部L1から山折り部L2に至る部分は、空気流路部材35の組み立て状態において傾斜面91,94を構成する部分である。
第1,2隔壁構成体80,81は、領域Aの上端部80a,81aに、多数の係合片85,86や、係合用切欠87,88が設けられた構成とされている。係合片85および係合用切欠87は、第1隔壁構成体80の幅方向(長手方向)に交互に並んで設けられている。また同様に、係合片86および係合用切欠88は、第2隔壁構成体81の幅方向(長手方向)に交互に並んで設けられている。係合片85,86は、図14(a)や図15(a)においてハッチングで示した部分であり、空気流路部材35の組み立て前には、図14(b)や図15(b)に示すように第1,2隔壁構成体80,81の主要部に対して略垂直方向に折り曲げられる。
係合片85,86は、それぞれ第1隔壁構成体80,81の上端部80a,81aからから裏面側に向けて折り曲げられる片状の部分であり、第1,2隔壁構成体80,81を空気流路部材35の先端部分において互いに係合させるために使用されるものである。また、係合用切欠87,88は、それぞれ第1隔壁構成体80,81の上端部80a,81a側に設けられた切り欠きであり、空気流路部材35の組み立て時に係合片85,86が係合する部分である。さらに具体的には、第1隔壁構成体80側の係合片85は、空気流路部材35の組み立て状態において、第2隔壁構成体81側に設けられた係合用切欠88に係合する部分であり、第2隔壁構成体81側の係合片86は、第1隔壁構成体80側に設けられた係合用切欠87に係合する部分である。係合用切欠87,88の幅(図14、図15において左右方向の長さ)は、係合片85,86の幅とほぼ同一とされている。
上記した各係合片85,86のうち、第1,2隔壁構成体80,81の長手方向略中央部に存在する係合片85,86(以下、必要に応じて係合片85a,86aと称する)は、図14(c)や図15(c)に示すように一部が切り欠かれるなどしており、他の部位に設けられたものと形状が一部異なる。さらに詳細には、係合片85a,86aを除く他の係合片85,86は、図14(c)および図15(c)にハッチングH1で示す部分が存在するが、係合片85a,86aは、当該部分が切り欠かれて切欠83,84が形成されている。一方、係合片85a,86aには、図14(c)や図15(c)にハッチングH2で示すように、他の係合片85,86には存在しない突出部83a,84aが設けられた構成とされている。
切欠83,84は、第1,2隔壁構成体80,81を組み立てて空気流路部材35とした際に、互いに同一の場所、すなわち空気流路部材35の長手方向略中央部に到来し、火移用切欠部89を構成する。火移用切欠部89は、空気流路部材35によって隔てられた第1隔壁構成体80側の空間と、第2隔壁構成体81側の空間とを連通するものである。火移用切欠部89は、図2に示すようにバーナユニット30を多数ケース部材11内に多数配した際に、空気流路部材35によって隔てられる2つの燃焼部34,34を連通するものであり、両燃焼部34,34間における火移りを補助するために使用される。
突出部83a,84aは、それぞれ上記した各係合片85,86の折り曲げ位置と同程度、あるいは、これにわずかに達しない程度に上端部80a,81a側に向けて突出している。図17(b)に示すように、第1隔壁構成体80側の切欠83に対して隣接する位置に存在する係合片85bは、第2隔壁構成体80側に設けられた突出部84aに被さるように第1隔壁構成体80側に折り曲げられ、いわゆるハゼ折り状態とされる。これにより、突出部84aが係合片85bによって折り込まれた状態となる。そして、図17(b)に示すように、折り曲げられた係合片85bの内側に形成される隙間sの大部分が、切欠83側の端部において閉塞された状態になる。
また同様に、第2隔壁構成体81側の切欠84に対して隣接する位置に存在する係合片86bは、第1隔壁構成体80側に設けられた突出部83aに被さるように折り曲げられる。これにより、突出部83aが係合片86bによって折り込まれた状態となり、係合片85bの折り曲げ部分の内側に形成される隙間sの大部分が突出部83aによって閉塞された状態になる。
図14や図15に示すように、上記した領域Aには、長スリット92,93(開口)が設けられている。長スリット92,92は、それぞれ上記した係合用切欠87,88の幅方向のほぼ中央部から第1,2隔壁構成体80,81の下方に向けて延びるスリットである。長スリット92,93は、それぞれ末端が上記した山折り部L2をわずかに超える程度まで延びている。すなわち、長スリット92,92は、図12等に示すように、空気流路部材35の係合部90から傾斜面91を超えて下方に向かって直線的に延びている。
第1隔壁構成体80,81の谷折り部L1と山折り部L2とで挟まれた領域、すなわち空気流路部材35において傾斜面91を構成する部分には、多数の短スリット95,96(開口)および開口97,98が設けられている。短スリット95,96は、図14(c)や図15(c)に示すように、係合片85,86が設けられた部分の幅方向略中央部分を通り、上下方向に延びる仮想線V上あるいはこの近傍に存在している。また、短スリット95,96は、谷折り部L1付近から山折り部L2をわずかに下方に超えた位置まで直線的に延びている。
開口97,98は、図12や図14、図15等に示すように、上記した谷折り部L1と山折り部L2との間の領域、すなわち空気流路部材35の先端(上端)側に設けられた傾斜面91に、第1,2隔壁構成体80,81の長手方向に多数、列状に設けられている。開口97,98は、係合片85,86が設けられている部分から下方にずれた各領域に、短スリット95,96あるいは仮想線Vを介して対称の位置関係となるように設けられている。
開口97,98は、それぞれ上記した切欠83,84の延長上の領域、すなわち図14(c)や図15(c)にハッチングH3で示す領域(開口間隔拡大部)には設けられていない。換言すれば、開口97,98は、切欠83,84の延長上の領域を外れた位置に設けられている。
また、領域A内であって、上記した長スリット92,93や短スリット95,96よりも下方側(基端側)には、複数の横凹溝100,101や、多数の縦凹溝102,103、丸凹部105,106、長凹部107,108が設けられている。横凹溝100,101は、それぞれ第1,2隔壁構成部材80,81の長手方向(幅方向)に直線的に延びている。横凹溝100,101は、それぞれ第1,2隔壁構成部材80,81の幅方向に複数、所定の間隔を開けて一列に設けられている。また、横凹溝100,101は、いずれも空気流路部材35の組み立て状態において外側となる面から内側となる面に向けて窪んでいる。
上記した丸凹部105および長凹部107は、それぞれ第1隔壁構成体80に設けられており、丸凹部106および長凹部108は、それぞれ第2隔壁構成体81に設けられている。丸凹部105,106は、第1,2隔壁構成部材80,81に設けられた平面視が略円形の凹部であり、空気流路部材35の外側から内側に向けて窪んでいる。丸凹部105,106は、第1,2隔壁構成部材80,81の領域Aの下端側に2つずつ設けられている。丸凹部105,106は、それぞれ第1,2隔壁構成部材80,81の長手方向両端部から、第1隔壁構成体80の幅(図14や図15に示す状態において左右方向の長さ)に対して約1/3程度中央側にずれた位置に設けられている。
長凹部107,108は、第1,2隔壁構成部材80,81に設けられ、図14や図15に示すように流線形の形状を有する凹部である。長凹部107,108についても、丸凹部105,106と同様に空気流路部材35の内側に向けて窪んでいる。長凹部107,108の形状について具体的に説明すると、長凹部107,108は、大円と小円とをそれぞれの中心を上下方向に離して配置し、両者を共通の接線で結んで形成される外延形状とほぼ同一の平面形状を有する。長凹部107,108は、前記した大円側の部分が空気流路部材35の下方側(基端側)、小円側の部分が上方側(先端側)に向くように配されている。また、長凹部107,108の外延を構成する二つの円を結ぶ共通接線は、円の中心を結ぶ線に対して30°以下の傾きを持つ。
縦凹溝102,103は、それぞれ第1,2隔壁構成部材80,81に設けられており、第1,2隔壁構成部材80,81の高さ方向、すなわち図14や図15に示す状態において上下方向に直線的に延びており、横凹溝100,101よりも下方側に設けられている。また、縦凹溝102,103は、それぞれ第1,2隔壁構成部材80,81の長手方向に所定の間隔毎に多数、ほぼ並行に並ぶように設けられている。なお、縦凹溝102,103のうち、これらの延長上に上記した丸凹部105,106や、長凹部107,108が存在するものは、これらの凹部にさしかからないよう、他よりも短くなっている。
第1,2隔壁構成体80,81は、図12や図14〜図16等に示すように段部110,111を有する。段部110,111は、図12や図14、図15等に示すように第1,2隔壁構成部材80,81の長手方向に直線的に延びるように設けられている。第1,2隔壁構成体80,81は、図13や図16に示すように、空気流路部材35として組み立てた状態において、段部110,111を境界として領域Bに相当する部分が領域Aに相当する部分に対して外側に膨出するように形成されている。また、段部110,111は、
空気流路部材35の外側に向かうにつれて緩やかに下方(基端部側)に向けて傾斜している。さらに、図12や図14、図15等に示すように、段部110,111には、多数の開口112,113が第1,2隔壁構成体80,81の長手方向に列状に並ぶように設けられている。
図5や図12等に示すように、第1,2隔壁構成体80,81の領域Bには、突条115,116がそれぞれ複数設けられている。突条115,116は、後に詳述するように中間部材36の外面と当接して両者の間に隙間を形成するものである。図12等に示すように、突条115,116は、空気流路部材35として組み立てた状態において上下方向に直線的に延び、外側に向けて突出している。
突条115,116の下方には、窪部117,118が設けられている。窪部117,118は、それぞれ空気流路部材35の組み立て状態において内側に向けて略山形に窪んだ部分である。また、窪部117,118は、稜線に相当する部分が、第1,2隔壁構成体80,81の長手方向に向くように窪んでいる。
窪部117,118は、前記した稜線部分を境として上方側の部分と、下方側の部分とを有する。そして、窪部117,118の上方側の部分は、空気流路部材35の下方に向かうにつれて内側に向かうようになだらかに傾斜しており、下方に向いた面を構成している。また、窪部117,118の稜線部分より下方側の部分は、空気流路部材35の下方に向かうにつれて外側に突出するようになだらかに傾斜しており、上方に向いた面を構成している。
窪部117,118において、上記した稜線部分より下側の面には、開口119,120が設けられている。ここで、上記したように、窪部117,118よりも下側の面は、下方に向いて傾斜している。そのため、開口119,120についても、図12のように空気流路部材35を設置した状態において下方側に向けて開口している。
図14や図15に示すように、第1,2隔壁構成体80,81の下端(基端)側に相当する領域Cには、縦凹溝121,122が設けられている。縦凹溝121,122は、それぞれ第1,2隔壁構成体80,81の上下方向に向けて直線的に延びる溝である。また、縦凹溝121,122よりも下方には、横凹溝123,125が設けられている。横凹溝123,125は、それぞれ第1,2隔壁構成体80,81の長手方向全長にわたって延びている。横凹溝123,125は、それぞれ上記した予混合部材32や炎孔部材33と組み合わせてバーナユニット30や燃焼装置10とする際に、これらの部材との位置合わせのために使用される。縦凹溝121,122、並びに、横凹溝123,125は、共に空気流路部材35の組み立て状態において、この表面側から内側に向けて窪んでいる。
上記したように、空気流路部材35は、第1,2隔壁構成体80,81を組み合わせて構成される。すなわち、空気流路部材35は、図16に示すように第1,2隔壁構成体80,81を対向させた状態とし、それぞれの上端部80a,81aに設けられた係合片85,86を係合用切欠88,87に係合させることにより先端側が一体化されている。
さらに詳細には、第1,2隔壁構成体80,81は、それぞれの長手方向両端部をそろえた状態とすると、第1隔壁構成体80において係合片85が設けられた位置に、第2隔壁構成体81に設けられた係合用切欠88が到来し、第2隔壁構成体81において係合片86が設けられた位置に第1隔壁構成体80に設けられた係合用切欠87が到来する。この状態において、図12に示すように、第1隔壁構成体80側の係合片85は、第2隔壁構成体81側に折り曲げられ、第2隔壁構成体81の上端部81aを折り込んだ状態とされる。また同様に、第2隔壁構成体81側の係合片86は、第1隔壁構成体80側に折り曲げられ、第1隔壁構成体80の上端部80aを折り込んだ状態とされる。
係合片85によって第2隔壁構成体81の上端部81aを折り込んだ部分、並びに、係合片86によって第1隔壁構成体80の上端部80aを折り込んだ部分は、それぞれかしめた状態とされる。これにより、第1係合部90aおよび第2係合部90bが形成される。また、このようにして形成された第1,2係合部90a,90bは、図12等に示すように、空気流路部材35の長手方向に交互に並んだ状態となって係合部90を形成し、空気流路部材35の先端側を閉塞する。
また、第1隔壁構成体80の長手方向両端部に設けられたフランジ80c,80dは、それぞれ第2隔壁構成体81に設けられたフランジ81c,81dと面接触した状態とされる。そして、フランジ81c,81dのうち、図15(a)においてハッチングを付した部分がフランジ80c,80d側に向けて折り曲げられ、かしめられる。これにより、第1,2隔壁構成体80,81が、空気流路部材35の長手方向両端部においても係合した状態となる。
上記したようにして第1,2隔壁構成体80,81を一体化すると、図12や図17等に示すように、空気流路部材35の先端部であって、長手方向略中央部部分に火移用切欠部89が形成される。火移用切欠部89は、第1,2隔壁構成体80,81の上端部80a,81aのほぼ中央に存在する係合片85,86(係合片85a,86a)に設けられた切欠83,84が合わさって形成されたものであり、空気流路部材35によって分けられた第1隔壁構成体80が面する領域と、第2隔壁構成体81が面する領域とを連通する役目を果たす。本実施形態では、後に詳述するように空気流路部材35は、燃焼装置10において隣接して配されるバーナユニット30,30の燃焼部34,34の間に配される。そのため、火移用切欠部89は、燃焼装置10において、隣接する燃焼部34,34同士を空気流路部材35の先端側であって、空気流路部材35の長手方向略中央部において連通し、燃焼部34,34間における火移りを補助する役目を発揮する。
また、上記したように、火移用切欠部89に隣接する位置に存在する係合片85,86の折り曲げ部分に形成される隙間s(図17参照)は、突出部83a,84aによって大部分が閉塞されている。
上記したようにして第1,2隔壁構成部材80,81を一体化すると、図12に示すような壁状の空気流路部材35が形成される。ここで、上記したように、第1,2隔壁構成部材80,81は、谷折り部L1や山折り部L2において折り曲げられたり、段部110,111等を有する。そのため、上記したようにして第1,2隔壁構成部材80,81を上端部80a,81aやフランジ部80c,81c、フランジ部80d,81dで係合させて一体化すると、図13等に示すように、空気流路部材35の内側に空気流路82が形成される。
空気流路82は、図13に示すように空気流路部材35の基端部(下端部)から先端部(上端部)まで延び、先端側が狭くなった空間であり、図示状態において基端部が下方に向けて開放された状態となっている。さらに詳細に説明すると、図12や図13に示すように、空気流路部材35を先端側から基端側に向けて高さ方向に先端領域130、中間領域131、並びに、基端領域132の3領域に分類した場合、先端領域130および基端領域132における第1,2隔壁構成部材80,81の間隔W1,W3(流路断面積)は、共に図示状態において上下方向、すなわち空気流路82における空気の流れ方向に概ね略均一であるが、先端領域130の間隔W1は、基端領域132の間隔W3の約1/3程度となっている。
すなわち、先端領域130は、第1,2隔壁構成体80,81において、上端部80a,81a側の領域Aに相当する部分であり、基端領域132は、下端部80b,81b側の領域Cに相当する部分である。第1,2隔壁構成部材80,81は、図12や図13等に示すように、谷折り部L1や段部110,111において空気流路部材35の外側に向けて膨出しており、その分領域Cに相当する基端領域132の流路断面積が領域Aに相当する先端領域130に比べて小さい。本実施形態では、空気流路82は、先端領域130における間隔W1が、基端領域132における間隔W3の約1/3に狭められている。
中間領域131は、上記した先端領域130および下端領域132の中間に位置し、第1,2隔壁構成体80,81において領域Bに相当する部分によって構成された領域である。中間領域131は、図13等に示すように、断面形状が概ねテーパー状である。すなわち、中間領域131は、図13に示す状態において、断面形状が下方(基端側)が広く、上(先端側)に向かうに連れて間隔が狭まるテーパー状である。ただし、テーパーの先端側末端部分と先端領域130との境界部分には、膨出部135が設けられている。膨出部135を構成する外壁部分は、表裏部分が平行である。
空気流路部材35は、空気流路82が基端領域132の下端部において開放されており、当該開放部分が内側に形成された空気流路82に対する空気導入口133として機能する。そして、空気流路部材35は、空気導入口133を介して空気流路82内に導入された空気を、第1,2隔壁構成体80,81に設けられた多数の開口を介して、大別して3カ所の領域に向けて供給することができる構成とされている。
さらに具体的に説明すると、空気流路部材35は、先端側において第1,2隔壁構成体80,81の上端部80a,81a側に設けられた開口97,98や長スリット92,93、短スリット95,96を介して空気流路82が外部と連通している。開口97,98や、長スリット92,93、短スリット95,96は、空気流路部材35に対して隣接する位置に設けられた燃焼部34であって、空気流路部材35の先端側に位置する領域(以下、必要に応じて第2燃焼領域34bと称す)への空気供給用の開口として機能する。
また、空気流路部材35は、中間領域131を構成する領域Bの段部110,111に設けられた開口112,113を介して空気流路82が外部と連通している。段部110,111は、図4等に示すように、空気流路部材35を燃焼装置10あるいはバーナユニット30に組み付けた際に、隣接する空気流路部材35,35間に形成される燃焼部34において、炎孔部材33側に位置する領域(以下、必要に応じて第1燃焼領域34aと称する)への空気供給用の開口として機能する。
さらに、空気流路部材35は、第1,2隔壁構成体80,81の領域B,Cの境界近傍にある窪部117,118に設けられた開口119,120とを介して空気流路82が外部と連通している。窪部117,118は、図4等に示すように、空気流路部材35を燃焼装置10あるいはバーナユニット30に組み付けた際に、中間部材36の側面に対向する位置に存在している。そして、空気流路部材35は、開口119,120を介して中間部材36の側面と空気流路部材35との間に形成される隙間140と連通している。
続いて、燃焼装置10およびバーナユニット30の構成について説明する。燃焼装置10およびバーナユニット30は、上記した予混合部材32や炎孔部材33、空気流路部材35を一体化して構成されている。バーナユニット30は、図3や図4等に示すように、予混合部材32と炎孔部材33とを一体化して構成される中間部材36の両脇に、空気流路部材35,35を配した構成とされている。
中間部材36は、図5や図6に示すように、炎孔部材33の下端側に設けられた開口部分に、予混合部材32を頂部46側を先頭として差し込んで一体化することにより構成されている。これにより、予混合部材32の頂部46側が、炎孔部材33内に形成された空洞部分に挿入された状態になる。
ここで、図5や図7に示すように、予混合部材32の長手方向両端部には、フランジ部42が設けられている。また、図5や図10に示すように、炎孔部材33の長手方向両端部には、炎孔部材33の下端側から高さ方向中間部分まで延びるスリット52が設けられている。そのため、予混合部材32を炎孔部材33に挿入すると、予混合部材32に設けられたフランジ部42が炎孔部材33に設けられたスリット52に嵌まり込む。そして、予混合部材32をフランジ部42がスリット52の奥端に当接するまで挿入すると、予混合部材32と炎孔部材33とが前記挿入方向に位置決めがなされた状態になる。このようにして予混合部材32を炎孔部材33に差し込み、一体化すると、図4に示すように、炎孔部材33の内側であって、予混合部材32の頂部46よりも上方に空間136が形成される。空間136は、炎孔部材33の絞り部62や下方膨出部66に相当する部分に形成されている。
また、図4に示すように、炎孔部材33に対して予混合部材32を差し込み、中間部材36を構成すると、予混合部材32の開口列部38の下段部38bを構成する垂直壁49,49が、炎孔部材33の下方側に設けられた下方絞り部63,63の内壁と当接し、位置決めされた状態となる。この状態において、予混合部材32の開口列部38のうち、上段部38aは、炎孔部材33の下方膨出部66に相当する位置に到来する。そして、上段部38aと下方膨出部66との間に、隙間137が形成される。隙間137は、中間部材36の長手方向略全長にわたって連通している。また、隙間137は、上記した空間136、すなわち炎孔部材33の絞り部62や下方膨出部66の内側の領域に連通し、炎孔上流側流路138を構成している。
予混合部材32の開口列部38と、炎孔部材33の間の隙間に注目すると、前記した様に炎孔部材33の側壁部31,32の下方膨出部66に開口列部38の上段部38aがある。すなわち、予混合部材32と炎孔部材33とを一体化して中間部材36を形成した状態において、予混合部材32の開口列部38に列状に設けられた開口48が炎孔部材33の下方膨出部66に相当する位置に到来する。また、上段部38aと下方膨出部66との間には、隙間137が形成されている。そのため、中間部材36は、開口48を介して予混合部材32の内部空間が、炎孔部材33と予混合部材32との間に形成された隙間137に連通している。
また、図4に示すように、隙間137は、炎孔部材33の絞り部63と下方膨出部66との境界部分近傍において大部分が閉塞されている。すなわち、上記したように、予混合部材32と炎孔部材33とを一体化した状態において、予混合部材32の下段部38bを構成する垂直壁49が、炎孔部材33の絞り部63を構成する面と面接触しており、両者の間に隙間はほとんどない。
一方、隙間137は、炎孔部材33の絞り部63に設けられた突条64の裏側、すなわち炎孔部材33の内側に形成された溝を介して、炎孔部材33の基端側の膨出部分と連通した状態となっている。また、炎孔部材33の基端部と予混合部材32との間には隙間がある。従って、前記した隙間137は、突条64の裏側に設けられた溝や、炎孔部材33の基端部側に形成された隙間を介して外部と連通しており、当該連通部分を介して空気を取り込み可能な状態となっている。すなわち、炎孔部材33の基端部側に形成された隙間は、隙間137に空気を取り入れるための空気導入口143として機能する。
ここで、炎孔部材33に設けられた突条64の位置と、予混合部材32の開口列部38に設けられた開口48との位置関係に注目すると、図10等に示すように、突条64の真上の位置に開口48がある。すなわち、突条64が設けられている位置の延長線上に開口48が設けられている。そのため、開口48を介して予混合部材32の内側から隙間137に向けて気体(予混合ガス)を供給すると、当該気体を、上記した突条64の裏側に設けられた溝や炎孔部材33の基端部側に形成された隙間を介して取り込まれた空気流に合流させることができる。
図3や図4に示すように、中間部材36の両脇には、空気流路部材35,35が装着されている。空気流路部材35は、基端側の空気導入口133に、炎孔部材33の嵌合用凹溝72,72を嵌合させることにより、中間部材36に対して位置決めされた状態で固定されている。
さらに詳細には、空気流路部材35は、基端側の部位を嵌合用凹溝72内において底壁72aに当接するまで差し込まれる。これにより、空気流路部材35の基端部が、嵌合用凹溝72内に嵌合した状態となる。すなわち、空気流路部材35の基端部を嵌合用凹溝72内に差し込むと、空気流路部材35の基端部が炎孔部材33の基端部の外壁部分に面接触した状態となると共に、空気流路部材35の基端側に設けられた横凹溝123の内面が嵌合用凹溝72の外壁72bと面接触した状態となる。これにより、空気流路部材35が中間部材36に対して固定された状態になる。
上記したようにして空気流路部材35が中間部材36の両脇に設置されると、空気流路部材35は、突条115,116が炎孔部材33に部分的に当接した状態となる。一方、図4に示すように、前記当接部分を除く部分において、空気流路部材35と炎孔部材33との間に隙間140が形成される。
隙間140は、図4に示す姿勢において、炎孔部材33の頂面55の上方に形成された燃焼部34に連通している。一方、隙間140は、嵌合用凹溝72,72の底壁72aによって封鎖されているため、基端側においては外界と連通していない。また、空気流路部材35の内側に形成された空気流路82は、空気流路部材35の中間領域131に設けられた開口119,120を介して隙間140に連通している。
続いて、給湯装置1、燃焼装置10、並びに、バーナユニット30の機能について説明する。給湯装置1は、図2に示すようにケース部材11に空気流路部材35や中間部材36が多数、互い違いに配され、ケース燃焼装置10やバーナユニット30が形成されている。上記したように、各バーナユニット30は、ケース部材11内に配された状態において、隣接するバーナユニット30と空気流路部材35を共用している。そのため、燃焼装置10は、ケース部材11内に配された中間部材36の間に空気流路部材35が配された構成とされている。
上記したようにしてケース部材11内に燃焼装置10やバーナユニット30が形成されると、例えば図4等に示すように、隣接する空気流路部材35,35間であって、中間部材36を構成する炎孔部材33の頂面55の上方に燃焼部34が形成される。燃焼部34は、図4に示すように頂面55側の第1燃焼領域34aと、空気流路部材35の先端側の第2燃焼領域34bとに大別される。
バーナユニット30は、いわゆる二段燃焼を実現可能な構成とされている。すなわち、バーナユニット30は、炎孔部材33から燃焼部34に供給された予混合ガスを、第1燃焼領域34aにおいて理論空気量よりも少量の空気量の下で燃焼させると共に、当該第1燃焼領域34aでの燃焼において予混合ガスを完全燃焼させるのに不足した空気量以上の空気を第2燃焼領域34bに供給して燃焼させる構成とされている。本実施形態のバーナユニット30は、二段燃焼を実現すべく、空気や燃料ガスが各所を様々なルートで流れる。
図1に示すように、給湯装置1は、燃焼装置10の下方に送風手段3を有し、この送風手段3が作動すると、ケース部材11の底側からこの内部に配された燃焼装置10に空気が供給される。また、ケース部材11に臨む位置に設けられたガスノズル8によって燃料ガスが供給され、各バーナユニット30の予混合部材32に設けられたガス導入口40に供給される。
上記したようにして各バーナユニット30に供給された空気や燃料ガスは、図18〜図20に矢印で示すように流れる。さらに詳細に説明すると、送風手段3の作動に伴ってバーナユニット30に供給される空気や燃料ガスの流れは、第1〜3の気流ルートP,Q,Rの3ルートに大別される。また、第1の気流ルートPは、さらにルートP1〜P3の3ルートに細分され、第2の気流ルートQは、ルートQ1,Q2に細分される。
すなわち、第1の気流ルートPは、図18にハッチングや矢印で示すように、空気流路部材35内に形成された空気流路82を介してバーナユニット30の各所に空気を供給するルートである。また、第2の気流ルートQは、図19にハッチングや矢印で示すように、中間部材36の内部を流れるルートである。また、第3の気流ルートRは、一次空気および燃料ガスが流れるルートであり、図20に矢印やハッチングで示すように、予混合部材32のガス導入口40から流入するルートである。
第1の気流ルートPは、上記したようにルートP1〜P3に大別される。ルートP1は、図18にハッチングや矢印P1で示すように、空気流路部材35を通ってこの先端側に設けられた開口97,98や長スリット92,93、短スリット95,96を介して燃焼部34に至る流路である。ルートP1は、空気流路部材35の空気導入口133から導入された空気を、主として燃焼部34の第2燃焼領域34bに供給するルートである。
ここで、図4や図18に示すように、本実施形態のバーナユニット30では、空気流路部材35は、大部分において流路断面積がほぼ一定であるが、先端部分に傾斜面91,94を有し、先細り形状となっている。そのため、バーナユニット30では、空気流路部材35内を流れる空気が、前記先端部分において滞留したり乱流状態になるなどして、気流ルートR1を通って燃焼部34に供給される空気流が不安定になったり、第2燃焼領域34bに形成される火炎(以下、必要に応じて二次火炎と称す)が揺らぐ等して不安定になる可能性がある。また、前記したように空気流や二次火炎が不安定になると、燃焼作動に伴って発生する騒音が高くなってしまう可能性もある。
しかし、本実施形態のバーナユニット30で採用している空気流路部材35は、長スリット92,93や短スリット95,96が傾斜面91,94のほぼ全域にわたって設けられている。そのため、バーナユニット30では、空気流路部材35内を流れる空気が、前記したように先端部分において滞留したり、乱流状態となるような不具合が起こりにくい。従って、バーナユニット30では、ルートP1を介して燃焼部34に供給される空気流や、第2燃焼領域34bに形成される二次火炎が安定し、燃焼作動に伴って発生する騒音も小さい。
ルートP2は、図18にハッチングや矢印P2で示すように、空気流路82を流れ、空気流路部材35の中間領域131の上端部にある傾斜面110,111に設けられた開口112,113を介して燃焼部34の第1燃焼領域34aに至るルートである。開口112,113から噴出される空気は、図18等に示す状態において、バーナユニット30の軸線に対して斜め上方に向かって流れる。
ルートP3は、図18にハッチングや矢印P3で示すように、空気流路82を通り、空気流路82の中腹部分、すなわち空気流路部材35の中間領域131の下端側に設けられた開口119,120から、空気流路部材35と中間部材36(炎孔部材33)との間に形成された隙間140に至るルートである。ここで、上記したように、隙間140は、炎孔部材33の減圧壁51と空気流路部材35との間において燃焼部34に連通している。そのため、ルートP3を流れる空気は、隙間140を通って最終的に燃焼部34に到達する。
続いて、第2の気流ルートQについて説明する。第2の気流ルートQは、ルートQ1,Q2に大別される。ルートQ1は、図19においてハッチングや矢印Q1で示すルートである。すなわち、ルートQ1は、中間部材36を構成する炎孔部材33の基端側に形成された空気導入口143を介して中間部材36の内部、すなわち隙間137を流れ、炎孔部材33の内側であって予混合部材32の頂部46上方に形成された空間136に至り、炎孔部材33の頂部55に形成された炎孔60を経て燃焼部34の第1燃焼領域34aに到達するルートである。また、ルートQ2は、空気導入口143から隙間137を経て空間136に至り、空間136を形成する炎孔部材33の本体部材50が備える開口67から本体部材50と減圧壁51との間に形成された空隙75を経て燃焼部34に至るルートである。
ここで、図19に示す部位での断面では、ルートQ1,Q2は、予混合部材32と炎孔部材33とが、炎孔部材33の絞り部63の位置において面接触しており、上下方向に連通していない。しかし、上記したように、炎孔部材33は、基端側の部位と、この上方にある下方膨出部66とが、絞り部63に相当する位置に設けられた複数の突条64,64の裏側に形成された溝を介して上下方向に連通している。そのため、ルートQ1,Q2を介して供給される空気は、いずれも炎孔部材33の基端側にある空気導入口143から導入された後、図19に二点鎖線で示すように突条64,64の裏側にある溝を通って隙間137に至ることとなる。
続いて、第3の気流ルートRについて説明する。第3の気流ルートRは、一次空気および燃料ガスが予混合部材32の内部を流れ、予混合部材32の外側に形成された隙間137において上記したルートQと合流するルートである。さらに詳細には、第3の気流ルートRは、予混合部材32のガス導入口40から始まり、予混合部材32の混合流路37および開口列部38を経て、開口列部38に設けられた多数の開口48から隙間137に至るルートである。第3の気流ルートRを流れる一次空気や燃料ガスは、混合流路37等を通過する間に混合され、予混合ガスとなる。
続いて、本実施形態において、燃焼装置10を構成するバーナユニット30が燃焼作動を行う場合の動作について説明する。燃焼装置10においてバーナユニット30が燃焼作動を行う場合は、送風手段3が作動状態となり、外気(空気)が燃焼装置10のケース部材11内に導入される。また、これと並行してガスノズル8からケース部材11内に燃料ガスが導入される。
ケース部材11内に導入された空気や燃料ガスは、上記した第1〜3の気流ルートP,Q,Rを経て、バーナユニット30の各所に供給される。すなわち、ケース部材11内に導入された空気は、その一部が空気流路部材35の基端部に設けられた空気導入口133から空気流路82に流入する。そして、空気流路82内に流入した空気の一部は、図18に矢印P1で示すように、上記した第1の気流ルートPのルートP1を経て、燃焼部34の第2燃焼領域34bに供給される。また、空気流路82に流入した空気の一部は、図18に矢印P2で示すように、ルートP2を経て、燃焼部34の基部側に位置する空気流路35の傾斜面110,111に設けられた開口112,113から第1燃焼領域34aに供給される。さらに、空気流路82に流入した空気の残部は、図18に矢印P3で示すように、ルートP3を経て炎孔部材33に設けられた側炎孔76,76に隣接する位置に供給される。
また、ケース部材11内に導入された空気の一部や燃料ガスは、予混合部材32によって形成された第3の気流ルートRを経て予混合されて予混合ガスになる。そして、この予混合ガスは、予混合部材32の開口列部38に設けられた開口48を経て予混合部材32と炎孔部材33との間に形成された隙間137、すなわち第2の気流流路Qに供給される。
隙間137に供給された予混合ガスは、炎孔部材33の基端部側に設けられた空気導入口143から流入し、第2の気流ルートQを流れる空気流と合流する。その後、空気流と合流した予混合ガスは、予混合部材32の上方に形成された空間136に流入し、空間136全体に拡がる。これにより、第3の気流ルートRにおいて形成された予混合ガスが、第2の気流ルートQを流れる空気とより一層混合された状態となる。そして、空間136に存在する予混合ガスの一部は、上記したルートQ1で示したように炎孔部材33の頂面55に設けられた炎孔60から、燃焼部34に向けて放出される。一方、空間136に存在する予混合ガスの残部は、炎孔部材33を構成する本体部材50に設けられた開口67から本体部材50と減圧壁51との間に形成された空隙75に流出し、側炎孔76から燃焼部34側に放出される。
さらに詳細に説明すると、ケース部材11内に導入された空気(一次空気)や燃料ガスは、予混合部材32のガス導入口40から導入され、混合流路37内を流れる。ここで、図5や図7等に示すように、混合流路37の中途には、絞り部41や拡径部43等があり、流路断面積が空気や燃料ガスの流れ方向に進むにつれて変化する構成とされている。そのため、空気や燃料ガスは、混合流路37を流れるうちに徐々に混合されていき、やがて予混合ガスとなる。そして、この予混合ガスは、混合流路37の上方に設けられた開口列部38に流れ込む。ここで、本実施形態に示す例では、混合流路37は、均一断面部45から開口列部38に至る間に絞りとなる部位、すなわち流路断面積が小さくなる部分がない。そのため、混合流路37を流れる予混合ガスは、流れの部位によらず、略均一の流速で開口列部38に入り、開口列部38内に略均一に拡がる。
開口列部38に入った予混合ガスは、各開口48から略均等に予混合部材32の外側に向けて放出される。すなわち、開口列部38は、相当の内容積を有する。そのため、仮に予混合部材32の曲路等を通過する際に、予混合ガスの流れに微小な渦が発生していたとしても、この渦は開口列部38に空気や燃料ガスが流入した時点で収斂される。また、開口列部38の直前に絞りとなる部位が無いため、開口列部38に導入される予混合ガスの流速のばらつきも小さい。そのため、開口列部38の内部に流入した予混合ガスは、圧力のばらつきが少ない。従って、予混合ガスは、各開口48から均等に放出される。各開口48から放出された燃料ガスは、炎孔部材33の下方膨出部66によって構成される隙間137に入り、上記した第2の気体ルートQを流れる空気と混合される。
一方、第2の気体ルートQ、すなわち隙間137を流れる空気は、図面下側から上方向に流れるものであり、整流されたものである。すなわち、隙間137に流れ込み第2の気体ルートQを流れる空気は、図19に示すように、炎孔部材33の基端側に設けられた空気導入口143から導入されるものであるが、この空気は、炎孔部材33の絞り部63に設けられた突条64の裏側に形成された凹状で上下方向に直線的に延びる溝を通過する。そのため、隙間137には、空気導入口143側から取り込まれた空気が整流され、下方(基端側)から上方(先端側)に向けて層流状態となって供給される。
ここで、図19に示すように、第2の気体ルートQを構成する隙間137において空気が上下方向に流れるのに対し、予混合部材32に設けられた開口列部38の開口48を介して第3の気体ルートRから第2気体ルートQに合流する予混合ガスは、第2の気体ルートQの隙間137における空気流に対して交差する方向(本実施形態では、略直交する方向)に流れる。そのため、開口列部38の開口48から放出された予混合ガスは、隙間137を流れる空気と合流する際に激しく衝突し、予混合ガスと隙間137を流れる空気とが十分混合される。
さらに、本実施形態では、予混合部材32と炎孔部材33とを一体化して中間部材36を形成した状態において、炎孔部材33の側方に設けられた突条64の延長線上に開口列部38の開口48が到来する構成とされている。そのため、突条64の裏側に形成された凹状の溝を通る空気流は、炎孔部材33の開口48から放出される予混合ガスの流れと確実に交差して衝突し、予混合ガスと空気流の混合がより一層促進された状態になる。また、隙間137は、開口列部38の長手方向全域に渡って連通しているため、予混合ガスと空気との混合気(以下、予混合ガスと総称する)の圧力も平滑化される。
隙間137を流れる予混合ガスは、さらに下流側、すなわち図示状態において上方側に流れ、予混合部材32の上方に形成された空間136に流入する。予混合ガスは、空間136に流入する際にも混合が促進される。そして、空間136に流入した予混合ガスの大部分は、炎孔60を構成するスリットから燃焼部34の第1燃焼領域34aに部位によらず略均一の流速で放出される。一方、空間136に入った空気の残部は、本体部材50の側方に設けられた開口67から放出され、本体部材50と減圧壁51との空隙75に入り、上方に開放された側炎孔76から燃焼部34の第1燃焼領域34aに放出される。
上記したようにして炎孔60や側炎孔76から予混合ガスが放出されると、この予混合ガスが点火される。炎孔60から放出された予混合ガスへの点火が行われると、図4や図18〜20に示すように、燃焼部34の第1燃焼領域34aで一次燃焼され、一次火炎を形成する。
ここで、一次燃焼に供される予混合ガスは、これに含まれている空気が、予混合ガス中に含まれている燃料ガスを完全燃焼するのに要する量(以下、理論空気量と称す)に満たない。また、空気流路部材35の傾斜面110,111に設けられた開口112,113から放出される空気が、一次燃焼に際して一次火炎側に補助的に供給されるが、当該空気の供給量を勘案しても、一次燃焼のために供給される空気量は、理論空気量には達しない。そのため、第1燃焼領域34aにおける一次燃焼では、予混合ガス中に含まれている燃料ガスの一部が燃焼し、残部は未燃状態のまま下流側、すなわちバーナユニット30の先端側に存在する第2燃焼領域34b側に向けて流れる。
一方、一次燃焼で形成された一次火炎は、炎孔60の両脇に設けられた側炎孔76,76から放出された予混合ガスの燃焼に伴って形成された火炎によって保炎される。側炎孔76,76から放出される予混合ガスは、燃焼部34の第1燃焼領域34aの基端部に向けて開放された隙間140を介して供給される空気の存在下において完全燃焼し、一次火炎の基端部に一次火炎よりも十分小さな火炎を形成する。
すなわち、本実施形態では、予混合ガスの一部が、側炎孔76から第1燃焼領域34aに放出されるが、この予混合ガスの流速は、炎孔60から放出される予混合ガスの流速に比べて十分遅い。さらに詳細に説明すると、側炎孔76から放出される予混合ガスは、炎孔部材33の本体部材50に設けられた開口67から、本体部材50と減圧壁51との間に形成された空隙75に流入したものである。ここで、この空隙75は、図11等に示すように、スリット状でごく狭いものであるため、空隙75に入って側炎孔76から放出される予混合ガスの量はごく少量である。さらに、側炎孔76は、炎孔部材33の長手方向に向けて延びている。そのため、側炎孔76から放出される予混合ガスは、炎孔60から放出される予混合ガスの流速よりも十分遅くなる。また、側炎孔76の側方には、側炎孔76における予混合ガスを完全燃焼するのに十分な量の空気が隙間140から放出される。そのため、側炎孔76には、予混合ガスの流速が低いことと相まって、安定した保炎が形成される。また、この保炎により、炎孔60に形成された一次火炎の基端部が保持され、一次火炎が安定する。
燃焼部34の第1燃焼領域34aで一次燃焼が行われると、一次燃焼によって発生した燃焼ガス中に、燃料ガスが一部、燃焼せず未燃状態のまま残留した状態となっている。この未燃状態の燃料ガスを含む燃焼ガス(以下、必要に応じて未燃分残留ガスと称す)は、バーナユニット30の下流側、すなわち図示状態において上端側(先端側)に位置する第2燃焼領域34bへと流れる。第2燃焼領域34bに流れた未燃分残留ガスは、上記した第1の気体ルートPのルートP1を経て空気流路部材35の先端側に設けられた開口97,98や、長スリット92,93、短スリット95,96から放出される空気の存在下で二次燃焼して二次火炎を形成し、未燃分残留ガス中に含まれている未燃状態の燃料ガスが完全燃焼される。
本実施形態の給湯装置1、燃焼装置10、並びに、バーナユニット30の動作について説明する。給湯装置1は、ユーザーからの使用要求等に基づいて燃焼装置10を構成する各バーナユニット30において燃料ガスを燃焼させ、これによって発生した高温の燃焼ガスとの熱交換により熱交換手段5に供給された湯水を加熱する。
さらに具体的には、本実施形態の燃焼装置10は、ケース部材11内に配された多数のバーナユニット30の全部あるいは一部において燃焼作動を実施することができる。燃焼装置10が燃焼作動を実施する場合は、先ず送風手段3が作動状態とされ、外気が燃焼作動を実施するバーナユニット30に供給される。また、これと並行して、燃焼作動を行うバーナユニット30に対して、ガスノズル8から燃料ガスが供給される。各バーナユニット30に供給された空気や燃料ガスは、上記したのと同様にしてバーナユニット30の各所に行き渡る。そして、各バーナユニット30に供給された燃料ガスは、空気と予混合されて予混合ガスとなり、炎孔部材33の炎孔60やこの両脇に設けられた側炎孔76から燃焼部34に放出される。また、各バーナユニット30に供給された空気は、側炎孔76の脇に設けられた隙間140や、空気流路部材35に設けられた開口97,98,112,113や長スリット92,93、短スリット95,96から燃焼部34側に放出される。
上記したようにして、燃焼に供する各バーナユニット30に予混合ガスや空気が行き渡ると、燃焼装置10においてバーナユニット30の上方に設けられた点火装置12(図1および図2参照)により、予混合ガスが点火される。点火装置12は、図2に示すように、多数並べて配されたバーナユニット30のうちの一つ(図2においてバーナユニット30a)が備える燃焼部34の上方に位置している。そのため、点火装置12による点火作業が行われると、先ずバーナユニット30aの燃焼部34において予混合ガスが燃焼を開始する。
バーナユニット30aにおいて予混合ガスが燃焼を開始すると、図4等に示すように、バーナユニット30aの燃焼部34の第1燃焼領域34aに一次火炎が形成され、この両脇に設けられた側炎孔76に小さな火炎(保炎)が形成される。また、第1燃焼領域34aに対して炎孔60から放出された予混合ガスの流れ方向下流側、すなわちバーナユニット30aの先端側に設けられた第2燃焼領域34bでは、第1燃焼領域34aにおける燃焼(一次燃焼)において未燃焼状態のまま残存している燃料ガスが燃焼(二次燃焼)し、二次火炎が形成される。このようにしてバーナユニット30aで一次火炎、保炎、並びに、二次火炎が形成されると、バーナユニット30aからこれに隣接するバーナユニット30に向けて火移りが起こる。
ここで、本実施形態の給湯装置1および燃焼装置10において採用されているバーナユニット30は、各空気流路部材35の先端側であって、長手方向略中央部に火移用切欠部89を有し、これを介して隣接するバーナユニット30,30の燃焼部34同士、さらに詳細には第2燃焼領域34b同士が連通している。そのため、バーナユニット30において二次火炎が形成されると、バーナユニット30を構成する空気流路部材35,35の火移用切欠部89,89を介してバーナユニット30に隣接するバーナユニット30,30の燃焼部34,34に向けて順次、スムーズに火移りしていき、燃焼に供するバーナユニット30の全ての燃焼部34に火炎(一次火炎、二次火炎、保炎)が形成される。
また、図12等に示すように、空気流路部材35は、先端側に燃焼部34に空気を供給するために開口97,98や長スリット92,93、短スリット95,96が設けられた構成とされているが、これらは火移用切欠部89が設けられた領域の延長上を外れた位置に設けられている。さらに、空気流路部材35では、図17に示すように、火移用切欠部89に隣接する位置に存在する係合片85,86の折り曲げ部分に形成される隙間s(図17参照)は、突出部83a,84aによって大部分が閉塞されており、隙間sから火移用切欠部89にほとんど空気が流れ込まない。そのため、本実施形態の燃焼装置10では、前記した開口97,98等から放出される空気により火移用切欠部89における火移りが阻害される可能性が低い。
ここで、上記したように、燃焼装置10は、ケース部材11内に多数のバーナユニット30を備えており、その全てにおいて燃焼作動を実施することも、一部において燃焼作動を実施することも可能である。本実施形態の給湯装置1では、給湯される湯水の量や設定温度に応じて熱交換手段5で湯水を加熱するのに要する熱エネルギー量に基づいて燃焼装置10に要求される燃焼量(以下、必要に応じて要求燃焼量と称す)が決定され、この要求燃焼量に応じて燃焼装置10において燃焼作動を実施するバーナユニット30の数が変更される。
さらに詳細に説明すると、燃焼装置10は、上記したようにケース部材11内に多数のバーナユニット30を並べて配したものであるが、要求燃焼量の大小によって全てのバーナユニット30が燃焼作動したり、一部のバーナユニット30のみが燃焼作動する場合がある。さらに具体的には、燃焼装置10に対する要求燃焼量が所定量以上である(以下、必要に応じて大燃焼量と称す)場合は、燃焼装置10を構成する全てのバーナユニット30が燃焼作動する。
一方、燃焼装置10に対する要求燃焼量が所定量に満たない(以下、必要に応じて小燃焼量と称す)場合には、ケース部材11内に配された多数のバーナユニット30の一部が燃焼作動するが、残部が燃焼作動しない。本実施形態では、燃焼装置10を構成するバーナユニット30のうち、所定位置に設けられた空気流路部材35(以下、必要に応じて空気流路部材35aと称す)を境としてケース部材11の一方側に配されたバーナユニット30については燃焼作動を実施するが、他方側に配されたバーナユニット30については燃焼作動を実施しない。
さらに具体的には、図3に示す状態において右側から3つめの中間部材36に対して左側に配された空気流路部材35が上記した境界位置にある空気流路部材35aに相当する場合は、空気流路部材35aより左方に設けられた各バーナユニット30は、要求燃焼量の大小によらず燃焼作動を実施するが、空気流路部材35aの右方に存在するバーナユニット30は要求燃焼量が小燃焼量である場合に燃焼作動を行わない。そのため、図3に示す状態では、要求燃焼量が小燃焼量である場合に、空気流路部材35aの左側の面、すなわち第2隔壁構成体81が高温になるが、第1隔壁構成体80は高温にならず、第1,2隔壁構成体80,81間の温度差が大きくなる。
すなわち、図2に示す状態において、空気流路部材35aは、左側(第2隔壁構成体81側)に面した燃焼部34において火炎が形成されるが、右側(第1隔壁構成体80側)に面した燃焼部34では火炎が形成されない。そのため、空気流路部材35aは、第2隔壁構成体81が火炎によって加熱され高温になる反面、第1隔壁構成体80は高温にならない。よって、要求燃焼量が小燃焼量である場合は、第1,2隔壁構成体80,81間に大きな温度差が形成され、第2隔壁構成体81側が第1隔壁構成体80よりも大きく膨張したり伸びる。従って、仮に空気流路部材35aを構成する第1,2隔壁構成体80,81が溶接等でしっかりと固定されていたとすると、当該固定部分等に大きな熱的ストレスが作用し、条件によっては前記固定部分や第1,2隔壁構成体80,81に亀裂が生じる等の不具合が起こる可能性がある。
しかし、本実施形態のバーナユニット30では、燃焼装置10に対する要求燃焼量が小燃焼量である場合に上記したような熱的ストレスが作用することを考慮し、第1,2隔壁構成体80,81を溶接等で固定してしまうのではなく、空気流路部材35の先端部分や長手方向両端部において第1,2隔壁構成体80,81を折り曲げて互いに係合させ、かしめて一体化することにより、上記したような熱的ストレスによる不具合の発生を防止している。
さらに具体的には、第1,2隔壁構成体80,81の上端部80a,81aに設けた係合片85,86を折り曲げて第1,2係合部90a,90bが空気流路部材35の長手方向に交互に並んだ係合部90を形成し、第1,2隔壁構成体80,81を上端部80a,81a側で係合させた上、係合部90をかしめて固定している。また、第2隔壁構成体81の長手方向両端部のフランジ81c,81dを第1隔壁構成体80側に折り曲げることにより、第1,2隔壁構成体80,81を長手方向両端部において係合させた上、この係合部分をかしめて固定している。そのため、第1,2隔壁構成体80,81は、係合部90等において一体化されているが、当該部位における第1,2隔壁構成部材80,81間に作用する拘束力(固定力)は溶接等で固定する場合に比べて小さい。従って、第1,2隔壁構成体80,81のいずれか一方のみが高温になり他方に比べて多少膨張や変形を起こしても、この膨張や変形が係合部90等で緩和あるいは相殺され、第1,2隔壁構成体80,81に無理な応力が作用しない。
上記したように、本実施形態の燃焼装置10は、バーナユニット30を構成する空気流路部材35の先端部に火移用切欠部89を設け、火移用切欠部89に隣接する位置に存在する係合片85,86の折り曲げ部分に形成される隙間s(図17参照)の大部分を、突出部83a,84aによって閉塞する構成であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、突出部83,84を設けない構成としてもよい。
本実施形態の燃焼装置10は、火移用切欠部89を設けることにより隣接する燃焼部34,34間における火移りを補助する構成であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、火移用切欠部89を設けない構成としてもよい。また、本実施形態の燃焼装置10のように、ケース部材11内に配された全ての空気流路部材35に火移用切欠部89を設けるのではなく、例えば火移りが滞りやすいと想定される部分に存在する空気流路部材35にのみ火移用切欠部89を設ける等、一部の空気流路部材35にのみ火移用切欠部89を設ける構成としてもよい。
また、上記したように空気流路部材35に火移用切欠部89を設けない構成とする場合についても、上記実施形態で火移用切欠部89が設けられた部分の延長上に相当する領域に開口97,98や長スリット92,93、短スリット95,96を設けなかったのと同様に、所定の領域に開口97,98等を設けない構成としてもよい。かかる構成とした場合、開口97,98等が設けられていない部分の気流が他の部位よりも緩やかになるため、当該部位で隣接する燃焼部34,34間における火移りがスムーズに進行する。
上記したバーナユニット30で採用されている空気流路部材35は、図4や図12等に示すように、第1,2隔壁構成体80,81の谷折り部L1を境としてこれよりも上端部80a,81a側の部分が面接触し、垂直上方(先端側)に向けて立ち上がった部分(以下、必要に応じて立ち上がり部と称す)を有し、この先端側において係合片85,86が折り曲げられ、係合部90が形成されたものであった。しかし、空気流路部材35の先端部分に前記したような立ち上がり部分が存在すると、これが火移りの支障となる可能性がある。そこで、かかる懸念が有る場合は、例えば図21に示すバーナユニット150(燃焼装置)の空気流路部材151のように、前記した立ち上がり部に相当する部分がない構成とすることも可能である。
さらに具体的に説明すると、図21に示すバーナユニット150は、上記したバーナユニット30と大部分が同一であるが、空気流路部材151の先端側の部位の構成のみが異なる。すなわち、空気流路部材151は、図22(a),(b)に示すような第1,2隔壁構成体160,170を係合させて一体化したものであり、空気流路部材151の先端部には上記した空気流路部材35のように立ち上がり部分がない。
第1,2隔壁構成体160,170は、図22(a),(b)に示すように、上記したバーナユニット30を構成する第1,2隔壁構成体80,81と大部分が同一の構成とされているが、横凹溝100が設けられている部分よりも上端部160a,170a側の部分の構成が、第1,2隔壁構成体80,81のものと異なる。さらに詳細には、第1,2隔壁構成体80,81では、上端部80a,81a側の位置に、係合片85,86や、長スリット92,93、短スリット95,96、開口97,98等が設けられている。しかし、第1,2隔壁構成体160,170では、これらに代わって係合片161,171やスリット162,172が多数設けられており、各係合片161,171に3つの開口163〜165や開口173〜175が設けられている。
図22(a),(b)に示すように、開口163〜165や開口173〜175は、それぞれ各係合片161,171の幅方向(図22において左右方向)略中央部において、第1,2隔壁構成体160,170の高さ方向(図22において上下方向)に所定の間隔を開けて一列に配されている。すなわち、開口164,174は、それぞれ各係合片161,171の略中央部分に設けられている。そして、開口163,173および開口165,175は、それぞれ前記した開口164,174の中心を通り、第1,2隔壁構成体160,170の長手方向に伸びる仮想線T1に対して対称の位置関係にある。
空気流路部材150は、上記した第1,2隔壁構成体160,170を係合させて一体化することによって形成される。すなわち、空気流路部材150の組み立てに際し、第1,2隔壁構成体160,170は、所定の間隔を開けて対向した状態とされる。そして、隔壁構成体170の長手方向両端部に設けられたフランジ部170c,170dを折り曲げ、これによって隔壁構成体160の長手方向両端部のフランジ160c,160dを折り込むことにより、隔壁構成部材160,170が長手方向両端部で係合した状態とされる。また、第1,2隔壁構成体160,170は、上端部160a,170aに設けられた係合片161,171が図21(d),(e)に示すように半円状に曲げられ、互いに係合した係合部180が形成される。
係合部180は、図21(d)のような断面形状を有する第1係合部181と、図21(e)のような断面形状を有する第2係合部182とが空気流路部材150の長手方向に交互に並んだ構成とされている。第1,2係合部181,182は、係合片161と係合片171とを一体的に半円状に折り曲げて係合させたものである。第1係合部181は、図21(d)に示すように、係合片161が係合片171に対して覆い被さるように係合しており、第2係合部182は、図21(e)に示すように、係合片171が係合片161に対して覆い被さるように係合している。
第1,2係合部181,182において、係合片161,171に設けられた開口163〜165と、開口173〜175とが連通する。具体的には、開口163,175、開口164,174、並びに、開口165,173が連通する。開口163,175が連通した部分および開口165,173が連通した部分は、上記実施形態において説明した空気流路部材35の先端側に設けられた開口97,98と同様に、バーナユニット150において空気流路部材151,151の間に形成される燃焼部34の第2燃焼領域34bに空気を供給するための開口として機能する。また、開口164,174が連通した部分は、図21に示す状態において上方に向けて開放されており、当該開放部分を介して空気流路部材151内を流れる空気を上方に向けて放出することができる。
上記したようにして係合部180を形成し、第1,2隔壁構成体160,170を一体化すると、第1係合部181と第2係合部182との間において、スリット162,172が連通した状態となる。スリット162,172は、上記実施形態において説明した空気流路部材35の長スリット92,93や短スリット95,96に相当するものであり、これらと同様に燃焼部34の第2燃焼領域34bに空気を供給するための開口として機能する。
上記したように、図21に示すバーナユニット150では、各空気流路部材151の上端部に、空気流路部材35の頂部にあるような立ち上がり部分がない。そのため、給湯装置1を構成する燃焼装置10において、上記したバーナユニット30に代わって、バーナユニット150をケース部材11内に並べた構成とすれば、隣接するバーナユニット150,150の燃焼部34,34間における火移りがスムーズに進行する。
また、図21に示すバーナユニット150は、空気流路部材35が備える立ち上がり部分に相当するものがないため、その分空気流路部材151の高さが低い。そのため、上記したような構成とすれば、バーナユニット150やこれを採用した燃焼装置10をより一層コンパクト化することができる。
上記した説明では、説明を省略したが、各係合片161,171に設けられた開口163〜165および開口173〜175の開口径は、全てが同一であっても、部位によって異なる構成としてもよい。しかし、空気流路部材151の寸法公差や、第1,2隔壁構成体160,170を一体化する際の位置ズレ、第1,2隔壁構成体160,170の温度変化に伴う膨張や変形等の影響を考慮すると、図21(d),(e)に示すように、第1係合部181を構成する係合片161,171に設けられるものと、第2係合部182を構成する係合片161,171に設けられるものとで開口163〜165や開口173〜175の開口径の大きさを調整することが望ましい。
さらに具体的には、第1係合部181を構成する係合片161,171に設けられる開口163〜165や開口173〜175の開口径は、係合片161,171のうち外側に位置するものの開口径が、内側に位置するものの開口径よりも小さいことが望ましい。さらに詳細には、図21(d)に示すように、第1係合部181を構成する係合片161に設けられる開口163〜165は、係合片171に設けられる開口173〜175の開口径よりも小さいことが望ましい。また同様に、図21(e)に示すように、第2係合部182を構成する係合片171に設けられる開口173〜175は、係合片161に設けられる開口163〜165の開口径よりも小さいことが望ましい。
上記した第1,2隔壁構成体160,170に設けられていた係合片161,171は、いずれも平面視が略矩形のものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図23(a)に示すように、係合片161,171に代えて平面視が略「L」字型の係合片185,186を設け、図示のように折り曲げる構成としてもよい。かかる構成とした場合、図23(a)に示すように、第1,2隔壁構成体160,170に対して交差するように伸びる部分(交差部185a,186a)同士の間、並びに、第1,2隔壁構成体160,170に対して略平行に伸びる部分(平行部185b,186b)同士の間に隙間が空く構成とすれば、これにより形成される隙間187を空気放出用の開口として有効利用することができる。
また、図23(b)のように、第1,2隔壁構成体160,170に設けられていた係合片161,171のうちいずれか一方(図23(b)では、係合片161)の幅方向略中央部にスリット190を設けた構成としてもよい。かかる構成とすれば、係合片161,171の他方側(図23(b)では係合片171)に設けられている開口が確実に露出する。
上記したバーナユニット150についても、上記したバーナユニット30と同様に、空気流路部材151が第1,2隔壁構成体160,170によって構成されており、両者を端部において互いに係合させて係合部180を形成して一体化した構成とされている。そのため、バーナユニット150についても、上記したバーナユニット30(バーナユニット30a)と同様に燃焼作動を行う燃焼部34と燃焼作動を実施しない燃焼部34との間に配され、第1,2隔壁構成体160,170のうち一方のみが温度上昇により膨張等しても、これが係合部180において緩和される。そのため、バーナユニット150は、第1隔壁構成体160と第2隔壁構成体170とで温度差が発生するような状況下に配されても、空気流路部材151が損傷する等の不具合が起こりにくい。
また、上記したように、バーナユニット30,150において、空気流路部材35,151は、いずれも第1,2隔壁構成体80,81あるいは第1,2隔壁構成体160,170が略同一の構成を有し、先端側で互いに係合している。そのため、バーナユニット30,150は、仮に燃焼作動に伴っても第1,2隔壁構成体80,81や第1,2隔壁構成体160,170の双方が加熱されても、両者の延びや膨張の度合いがほぼ同一となり、第1,2隔壁構成体のいずれか一方が極端に大きく変形したり、一方に大きな熱的ストレスが作用する可能性が低い。従って、バーナユニット30,150は、第1,2隔壁構成体80,81や第1,2隔壁構成体160,170の双方が加熱される状況下で使用されても、空気流路部材35,151に亀裂が入る等の不具合が起こりにくい。
上記したバーナユニット30,150は、いずれも第1係合部90a,181および第2係合部90b、182が、空気流路部材35,151の長手方向に、交互に並んだものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1係合部90a,181および第2係合部90b、182の順は適宜変更されてもよい。
また、上記実施形態では、係合部90,180を構成するために、第1,2隔壁構成体80,81や第1,2隔壁構成体160,170に係合片85,86や係合片161,162を多数設けた構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば第1,2隔壁構成体80,81のいずれか一方や、第1,2隔壁構成体160,170のいずれか一方の上端部全体を折り曲げ、それぞれの他方の上端部全体を折り込んだ構成としてもよい。かかる構成とすれば、係合片85,86や係合片161,162を多数設ける場合に比べてバーナユニット30,150の製造をより一層簡略化することができる。
また、上記したバーナユニット30,150において、係合部90,180がかしめられている。そのため、バーナユニット30,150は、第1,2隔壁構成体80,81や第1,2隔壁構成体160,170の膨張や変形の自由度を確保しつつ、これらをしっかりと一体化することができる。なお、上記実施形態では、係合部90,180をかしめた構成を例示したが、当該部位をかしめない構成としてもよい。
上記したバーナユニット150は、空気流路部材151の先端部分に隣接する燃焼部34,34間における火移りを阻害するような構造物が存在しないため、比較的火移りがスムーズに進むものと想定される。しかし、空気流路部材151は、多数ある開口163〜165と開口173〜175とが連通して形成される空気放出用の孔の一部を削除したり、閉塞した構成とすることにより、火移り性能をより一層向上させることも可能である。換言すれば、空気流路部材151の先端側に多数ある空気放出用の孔のいずれかについて、隣接する空気放出用の孔との間隔が他よりも広い部分(開口間隔拡大部)を設けた構成としてもよい。かかる構成とすれば、前記開口間隔拡大部において空気流が少なくなり、当該部位あるいはこの近傍において隣接する燃焼部34,34間での火移りがより一層スムーズに進行することとなる。
上記実施形態で例示した第1,2隔壁構成体80,81,160,170は、いずれも1枚の鋼板に凹凸をつけたり、折り曲げるなどして構成されたものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば部位毎に設けられた複数の部材を組み合わせたものとしたり、2枚以上の鋼板を重ね合わせたものとすることも可能である。