JP2003254513A - 燃焼装置 - Google Patents

燃焼装置

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JP2003254513A
JP2003254513A JP2002050131A JP2002050131A JP2003254513A JP 2003254513 A JP2003254513 A JP 2003254513A JP 2002050131 A JP2002050131 A JP 2002050131A JP 2002050131 A JP2002050131 A JP 2002050131A JP 2003254513 A JP2003254513 A JP 2003254513A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 火炎の安定性が高く、燃料ガスを完全燃焼で
きる燃焼装置を提供することを目的とした。 【解決手段】 燃焼装置1は、主炎孔45および補助炎
孔46を備えており、補助炎孔46内には保炎形成部材
47が配置されている。補助炎孔46は、保炎形成部材
47により屈曲分割され、上下方向に連通したスリット
状の保炎孔50が形成されている。補助炎孔47に供給
された濃ガスは、開口面積の小さな保炎孔50から噴出
し、主炎孔45の近傍に比較的小さな火炎(保炎)を形
成する。主炎孔45に形成された主炎は、保炎孔50に
形成された保炎が発する熱により安定化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスを燃焼するこ
とにより湯水を加熱する湯水加熱装置等に好適に使用で
きる燃焼装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】燃料ガスを希薄な状態で燃焼させる方法
として、濃淡燃焼方式が知られている。ここで濃淡燃焼
方式とは、低濃度の燃料ガスから発生する主炎に高濃度
の燃料ガスが燃焼した補炎を隣接させる燃焼方法であ
る。給湯器等に使用される濃淡燃焼方式の燃焼装置とし
て、金属板を重ねてこれらの空隙によってガス流路を形
成したものが知られている。
【0003】従来技術のこの種の燃焼装置の多くは、6
枚の金属板を重ねたものであり、中央の二枚によって低
濃度の燃料ガスが通過する淡ガス流路を構成し、主炎孔
が形成されている。また、前記燃焼装置には、側面側の
それぞれ二枚の金属板によっ高濃度の燃料ガスが通過す
る濃ガス流路が構成されており、補助炎孔が形成されて
いる。淡ガス流路を通過した淡ガスは、燃焼されると燃
焼装置の略中央に比較的大きな主炎を形成する。一方、
濃ガス流路から噴出した濃ガスは、燃焼されると前記主
炎に隣接する位置に比較的小さな保炎を形成する。淡ガ
スが燃焼し形成される主炎は、濃ガスが燃焼し発生した
火炎が発生する熱により安定化される。
【0004】また、燃料ガスを希薄な状態で燃焼させる
方法として、燃焼装置の外部で燃料ガスと空気とを混合
した混合ガスを供給し、燃焼させる予混合希薄燃焼方式
が知られている。予混合希薄燃焼方式を採用した燃焼装
置として、金属板を重ねてこれらの空隙によってガス流
路を形成したものが知られている。
【0005】従来技術のこの種の燃焼装置として、火炎
を安定化すべく炎孔の一部を保炎孔として用いたものが
知られている。この種の燃焼装置は、上記した濃淡燃焼
方式の燃焼装置と同様に複数の金属板を重ねたものであ
り、中央の二枚によって供給された混合ガスの大部分が
通過するガス流路を構成し、主炎孔が形成されている。
また、前記燃焼装置は、側面側のそれぞれ二枚の金属板
によって前記混合ガスの残部が通過する流路を構成し補
助炎孔が形成されている。主炎孔から噴出した混合ガス
は、燃焼されると燃焼装置の略中央に比較的大きな主炎
を形成する。一方、補助炎孔から噴出した混合ガスは、
燃焼されると前記主炎に隣接する位置に比較的小さな保
炎を形成する。燃焼装置の中心部に形成される主炎は、
保炎が発生する熱により安定化される。
【0006】補助炎孔から噴出するガスの流速が不安定
であると、当該補助炎孔に形成される保炎の安定性が低
く、主炎孔に形成される主炎を安定化することができな
い。即ち、補助炎孔から流出するガスの流速が速すぎる
場合は、保炎自体の安定性が悪く、主炎孔に形成される
主炎を安定化することができない。一方、補助炎孔から
流出するガスの流速が遅すぎる場合は、ガス供給量が少
なく、主炎を安定化するのに十分な熱量が得られないと
いう問題がある。さらに、ガスの流速が遅い場合は、補
助炎孔の基端部近傍にガスの渦流がほとんど発生せず、
保炎の安定性が確保できないという問題がある。従っ
て、従来の燃焼装置は、火炎の安定性が悪く、燃料ガス
を完全燃焼できないという問題がある。
【0007】そこで、上記した問題を解決すべく、本発
明者等は特許2715906号公報に開示されている燃
焼装置を提供した。当該燃焼装置200は、図14に示
すように、燃焼管本体201を中心として、左右に濃混
合ガス通路部202が配置され、さらに燃焼管本体20
1の上部であって、濃混合ガス通路部202の間に淡混
合ガスを噴出する炎孔部材203が設けられたものであ
る。濃混合ガス通過部202の頂部205には、複数の
炎孔206が一列に配置されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記した燃焼装置20
0は、炎孔206の開口面積および間隔を適宜調整すれ
ば、濃混合ガスの流速を安定化し、当該補助炎孔に形成
される炎の安定性を向上させることができる。しかし、
濃混合ガス通過部202の頂部205は、炎孔206を
設けることにより剛性が低下するため、炎孔206を密
に設けることができない。また、頂部205に炎孔20
6を密に設けると、炎孔206の周囲の剛性が低下する
ため、火炎により頂部205が焼き切れてしまうことが
ある。さらに、頂部205に一定の開口面積を有する炎
孔206を等間隔に設けるためには相当の手間を要する
という問題があった。そのため、従来の燃焼装置200
は、燃焼装置自体の剛性を維持しつつ、濃混合ガスの流
速を最適化することが困難であるという問題があった。
【0009】そこで本発明は、上記した問題に鑑み、火
炎の安定性が高く、燃料ガスを完全燃焼できる燃焼装置
を提供することを目的とした。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、上記した問題を
解決すべく提供される請求項1に記載の発明は、低濃度
の燃料ガスを噴射する主炎孔と、長尺状に広がり前記主
炎孔から噴射される燃料ガスよりも濃度の高い燃料ガス
を噴射する補助炎孔を備えた燃焼装置において、前記補
助炎孔を屈曲分割する保炎形成部材を具備し、当該保炎
形成部材は、前記補助炎孔内に配置され複数の保炎孔を
形成することを特徴とする燃焼装置である。
【0011】本発明の燃焼装置は、補助炎孔内に保炎形
成部材を配置することにより複数の保炎孔を形成したも
のであるため、燃焼装置自身の剛性の低下を招くことな
く高密度に保炎孔を形成することができる。そのため、
本発明の燃焼装置は、長期にわたり燃焼駆動を安定して
行える。また、上記した構成によれば、保炎孔の形状を
適宜変更することが可能であり、保炎孔に形成される火
炎の形状を任意の形状とすることができる。
【0012】また、本発明の燃焼装置は、保炎孔に形成
される火炎が発生する熱量により、主炎孔に形成される
火炎を安定化することができる。本発明の燃焼装置は、
保炎孔形成部材により補助炎孔を屈曲分割し、保炎孔を
形成することにより、高濃度の燃料ガスの流路断面積を
調整し、燃料ガスの流速および保炎孔に形成される火炎
の形状を調整することができる。そのため、本発明の燃
焼装置は、保炎孔に比較的小さく安定した火炎が形成さ
れ、これにより低濃度のガスが燃焼し主炎孔に形成され
る火炎を安定化することができる。
【0013】本発明の燃焼装置は、火炎の状態が安定し
ているため、振動燃焼がほとんど起こらず、燃焼騒音も
極めて小さい。また、本発明の燃焼装置は、保炎孔およ
び主炎孔に形成される火炎が共に安定しているため、供
給された燃料ガスの大部分が完全燃焼し、未燃成分の発
生を最小限に抑制することができる。そのため、本発明
の燃焼装置は、一酸化炭素などの有毒ガスの発生量を最
低限に抑制し、環境に調和した燃焼駆動を行うことがで
きる。また、本発明の燃焼装置は、未燃成分がほとんど
発生しないため、エネルギー変換効率が高く、所望の燃
焼量を的確に得ることができる。
【0014】請求項2に記載の発明は、燃料ガスを噴射
する主炎孔と、長尺状に広がり当該主炎孔に隣接する位
置に燃料を噴射する補助炎孔を備えた燃焼装置におい
て、前記補助炎孔を屈曲分割する保炎形成部材を具備
し、当該保炎形成部材は、前記補助炎孔内に配置され複
数の保炎孔を形成することを特徴とする燃焼装置であ
る。
【0015】本発明の燃焼装置は、補助炎孔内に配置さ
れた保炎形成部材により複数の保炎孔を形成したもので
あるため、高密度に保炎孔を形成しても燃焼装置自身の
剛性の低下が起こらない。そのため、本発明の燃焼装置
は、長期にわたり安定した燃焼駆動を行うことができ
る。
【0016】本発明の燃焼装置は、保炎孔に形成される
火炎が発生する熱量により、主炎孔に形成される火炎を
安定化することができる。本発明の燃焼装置は、補助炎
孔を屈曲分割し、保炎孔を形成することにより、燃料ガ
スの流速および保炎孔に形成される火炎の形状を調整
し、安定した火炎を形成することができる。そのため、
本発明の燃焼装置は、主炎孔に形成される火炎を安定化
し、完全燃焼することができ、振動燃焼がほとんど起こ
らない。
【0017】また、本発明の燃焼装置は、供給された燃
料ガスの大部分が、保炎孔および主炎孔において完全燃
焼し、未燃成分の発生量が極めて少ない。そのため、本
発明の燃焼装置は、一酸化炭素などの有毒ガスの発生量
が少なく、環境に調和した燃焼駆動を行うことができ
る。また、本発明の燃焼装置は、未燃成分がほとんど発
生しないため、エネルギー変換効率が高く、所望の燃焼
量を的確に得ることができる。
【0018】請求項3に記載の発明は、低濃度の燃料ガ
スを噴射する主炎孔と、長尺状に広がり前記主炎孔から
噴射される燃料ガスよりも濃度の高い燃料ガスを噴射す
る補助炎孔を備えた燃焼装置において、空気又は低濃度
の燃料ガスが導入される空気導入口と、空気及び高濃度
の燃料ガスが導入される濃ガス導入口と、前記空気導入
口と主炎孔とを連通し主炎孔に燃料ガスを供給する淡ガ
ス流路と、前記濃ガス導入口と連通し燃料ガスと空気と
を混合させる混合部とを有し、当該混合部で調整された
高濃度の燃料ガスの一部を淡ガス流路に供給し、前記高
濃度の燃料ガスの残部を濃ガス流路に供給する濃ガス供
給路と、前記補助炎孔を屈曲分割する保炎形成部材とを
具備し、当該保炎形成部材は、前記補助炎孔内に配置さ
れ複数の保炎孔を形成することを特徴とする燃焼装置で
ある。
【0019】かかる構成によれば、主炎孔に供給される
淡ガスと、補助炎孔に供給される濃ガスとの濃度比率を
安定化することが可能であり、燃焼駆動を安定して行う
ことができる。また、本発明の燃焼装置は、空気導入口
から空気のみを導入する構成とすれば、濃ガス導入口に
燃料ガスを噴射する燃料ガスノズルだけを設ければ良
く、装置全体の構造を簡略化できる。
【0020】本発明の燃焼装置は、保炎形成部材を補助
炎孔内に配置することにより、複数の保炎孔を形成した
ものであるため、燃焼装置自身の剛性の低下を招くこと
なく高密度に保炎孔を形成することができる。
【0021】本発明の燃焼装置は、補助炎孔を屈曲分割
し、保炎孔を形成することにより、燃料ガスの流速およ
び保炎孔に形成される火炎の形状を調整し、安定した火
炎を形成することができる。そのため、本発明の燃焼装
置は、保炎孔に比較的小さく安定した火炎を形成するこ
とができる。本発明の燃焼装置は、保炎孔に発生した火
炎により、主炎孔の火炎を安定化し、淡ガスを完全燃焼
することができる。そのため、本発明の燃焼装置は、振
動燃焼がほとんど起こらず、燃焼騒音が極めて小さい。
【0022】また、本発明の燃焼装置に供給された燃料
ガスは、保炎孔および主炎孔において大部分が完全燃焼
され、未燃成分として排出される燃料ガスは極めて少な
い。そのため、本発明の燃焼装置は、一酸化炭素などの
有毒ガスの発生量が少なく、エネルギー変換効率も高
い。
【0023】請求項4に記載の発明は、保炎孔形成部材
は、板状のプレートを屈曲して補助炎孔をスリット状に
分割することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに
記載の燃焼装置である。
【0024】かかる構成によれば、保炎形成部材を補助
炎孔に設けることにより、スリット状に分割された保炎
孔の開口面積を容易かつ精度良く調整することができ
る。また、保炎孔の開口面積を調整することにより、保
炎孔から噴出する燃料ガス流速を調整することができ
る。従って、本発明の燃焼装置は、保炎孔に安定した火
炎を形成し、この火炎が発する熱により主炎孔の火炎を
安定化することができる。よって、本発明の燃焼装置
は、振動燃焼がほとんど起こらない。
【0025】また、本発明の燃焼装置は、火炎の状態が
安定しているため、供給された燃料ガスの大部分が完全
燃焼される。そのため、未燃成分や、一酸化炭素などの
有毒ガスの発生量が少なく、エネルギー変換効率も高
い。
【0026】請求項5に記載の発明は、保炎形成部材
が、長尺の板状体であり、厚さ方向に突出した凹凸部を
複数有することを特徴とする請求項4に記載の燃焼装置
である。
【0027】かかる構成によれば、保炎形成部材を補助
炎孔に設けることにより、保炎孔の開口面積を容易かつ
精度良く調整することができる。また、保炎孔の開口面
積を調整することにより、保炎孔から噴出する燃料ガス
流速を調整し、任意の形状の火炎を形成することができ
る。従って、本発明の燃焼装置は、保炎孔に安定した火
炎を形成し、この火炎が発する熱により主炎孔の火炎を
安定させることができる。よって、本発明の燃焼装置
は、振動燃焼がほとんど起こらず、燃焼騒音も小さい。
【0028】また、本発明の燃焼装置に供給された燃料
ガスは、保炎孔および主炎孔において大部分が完全燃焼
される。そのため、未燃成分として排出される燃料ガス
や、一酸化炭素などの有毒ガスの発生量が少なく、エネ
ルギー変換効率も高い。
【0029】請求項6に記載の発明は、補助炎孔の側面
には、保炎孔の開口側の端部よりガス下流側へと突出し
た保炎壁部が設けられていることを特徴とする請求項1
乃至5のいずれかに記載の燃焼装置である。
【0030】かかる構成によれば、保炎孔に形成される
火炎の吹き飛びを防止し、主炎孔に形成される火炎を確
実に安定化することができる。そのため、本発明の燃焼
装置は、燃焼駆動時に発生する火炎が安定しており、振
動燃焼がほとんど発生しない。
【0031】また、本発明の燃焼装置は、保炎孔および
主炎孔に形成される火炎が安定しているため供給された
燃料ガスの大部分が完全燃焼され、未燃成分として排出
される燃料ガスや、一酸化炭素などの有毒ガスの発生量
が極めて少ない。そのため、本発明の燃焼装置は、エネ
ルギー変換効率が高く、環境に調和した燃焼駆動を行え
る。
【0032】請求項7に記載の発明は、保炎孔の側面に
は、燃焼装置の外部方向に膨出した膨出部が設けられて
おり、当該膨出部のガス上流側の端部は、保炎孔の開口
側の端部と同一平面上にあることを特徴とする請求項1
乃至6のいずれかに記載の燃焼装置である。
【0033】本発明の燃焼装置は、保炎孔から噴出した
ガスが膨出部において渦流を発生するため、保炎孔に形
成されている火炎が安定化される。そのため、主炎孔に
形成された火炎は、保炎孔に形成された火炎により確実
に安定化され、振動燃焼がほとんど起こらない。
【0034】本発明の燃焼装置は、振動燃焼がほとんど
起こらないため、供給された燃料ガスの大部分を完全燃
焼する。そのため、未燃成分および一酸化炭素などの有
毒ガスの排出量が極めて少ない。
【0035】請求項8に記載の発明は、主炎孔から流出
する燃料ガスの流速に対する保炎孔から流出する燃料ガ
スの流速の割合が、0.6以上1.2以下であることを
特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の燃焼装置
である。
【0036】かかる構成によれば、保炎孔の火炎を安定
化し、主炎孔に形成される火炎を確実に保炎することが
できる。そのため、本発明の燃焼装置は、燃焼駆動が安
定しており、一酸化炭素などの有害ガスの発生量が少な
く、未燃ガスの排出量が少ない。よって、本発明の燃焼
装置は、エネルギー変換効率が高く、環境に調和した燃
焼駆動が可能である。
【0037】保炎孔の開口部における長尺方向の長さ
は、12mm以下であることが望ましい。(請求項9)
【0038】かかる構成によれば、保炎孔の火炎の状態
がより一層安定し、主炎孔に形成される火炎を確実に保
炎することができる。そのため、本発明の燃焼装置は、
供給された燃料ガスの大部分を完全燃焼することができ
る。即ち、前記燃焼装置は、燃焼駆動時に発生する一酸
化炭素などの有害ガスの量が極めて少なく、未燃ガスの
排出量も少ない。よって、本発明の燃焼装置は、エネル
ギー変換効率が高く、環境に調和した燃焼駆動が可能で
ある。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の
第1実施形態である燃焼装置の斜視図である。また、図
2は、第1実施形態の燃焼装置の分解斜視図である。図
1において、1は本実施形態の燃焼装置である。
【0040】燃焼装置1は、低濃度の燃料ガス(以下、
「淡ガス」と称す)の燃焼により発生する火炎(主炎)
に、高濃度の燃焼ガス(以下、「濃ガス」と称す)の燃
焼により発生する火炎(保炎)を隣接させる濃淡燃焼方
式を採用した燃焼装置である。燃焼装置1は、従来の燃
焼装置と同様にケース内に並列に複数並べて使用された
り、単独で使用される。本実施例の燃焼装置1は、大別
してバーナ本体2と炎孔部材3と保炎形成部材47とに
よって構成されている。バーナ本体2は、図2に示すよ
うに中央の主構成体5と両脇の副構成体6とによって構
成されている。主構成体5は、2枚の金属製の板体7,
8を重ね合わせたものであり、副構成体6は、板体1
0,11を重ね合わせたものである。
【0041】板体7,8,10,11は、図3に示すよ
うにプレス成形加工によって金属平板に凹凸形状が設け
られたものである。本実施形態において、主構成体5を
構成する板体7,8は、一枚の金属板体を加工すること
により、一体化されている。即ち、板体7,8は、金属
板体12を折曲線13を中心として部位A,Bに分け、
部位A,Bにプレス成形を施し、凹凸形状を形成したも
のである。部位A,Bに形成された凹凸形状は、折曲線
13を中心として対称形となっている。副構成体6を構
成する板体10,11は、各々別の金属板体で構成され
ている。
【0042】副構成体6の板体10,11は、それぞれ
主構成体5の金属板体12の部位A(板体7)および部
位B(板体8)の上方に重ね合わせられ、スポット溶接
により一体化されている。また、主構成体5は、折曲線
12を中心として折り曲げられ、周囲がスポット溶接に
より溶接接合されている。
【0043】主構成体5は全体的に平面的な形状を有
し、頂部15および空気導入口16が開口している。ま
た頂部15および空気導入口16を除く、3方の辺には
フランジ部17が設けられている。フランジ部17は、
空気導入口16の上部側の一部が略半円状に切り欠かれ
ており、混合促進部18が形成されている。空気導入口
16の上部であって、混合促進部18の下流側には、板
体7,8を連通する連通孔20が設けられている。連通
孔20は、副構成体6の板体10,11により包囲され
ており、これにより混合部21が形成されている。ま
た、混合促進部18と連通孔20との周辺は、中間壁部
19となっている。
【0044】主構成体5には、2枚の板体7,8によっ
て、図2の様に、一連の気体流路22が形成されてい
る。即ち、板体7,8が密着する部分を除く他の部分に
は隙間が形成されており、この隙間によって気体流路2
2が形成される。本実施例の燃焼装置1では、板体7,
8によって構成される主構成体5の気体流路22には、
淡ガスが通過する。すなわち主構成体5に形成される気
体流路22は、淡ガス流路として機能する。
【0045】図2に示すように、淡ガス流路22は、大
別してベンチュリ部23と、淡ガス混合部25と、導通
部26と、炎孔部材配置部27とから構成されている。
即ち、淡ガス流路22は、空気導入口16から始まり、
順次、ベンチュリ部23、淡ガス混合部25、導通部2
6および炎孔部材配置部27へと連続している。
【0046】空気導入口16は略楕円形の開口であり、
空気導入口16より所定長さだけ奥側でベンチュリ部2
3に繋がる部分には、テーパ28が設けられており淡ガ
ス流路22の流路断面積が縮小されている。また、ベン
チュリ部23の下流側には、テーパ30が設けられてお
り、淡ガス流路22の流路断面積が拡大している。即
ち、淡ガス流路22は、ベンチュリ部23において流路
が内側に絞られ、流路断面積が急激に縮小されている。
ベンチュリ部23には、複数のガス導入孔29が設けら
れている。さらに詳細には、ガス導入孔29は、ベンチ
ュリ部23に千鳥状に設けられており、副構成体6側に
均等量の気体を流出すべく、開口径は配置位置により適
宜変更されている。
【0047】淡ガス流路22は、テーパ部30より下流
側に形成された淡ガス混合部25において大きく屈曲
し、方向転換している。淡ガス混合部25の末端部分
は、再度流路断面積が縮小しており、導通部26へと繋
がっている。導通部26は、淡ガス混合部25の末端側
から燃焼装置1の上方に向けて三角形状に広がってお
り、炎孔部材配置部27へと連続している。
【0048】炎孔部材配置部27は、主構成体20の上
端部に位置し、長手方向全域にわたって延伸している。
炎孔部材配置部27の側面には、長手方向に溝31が設
けられている。溝31は、炎孔部材配置部27の外側に
向かって突出しており、炎孔部材配置部25の長手方向
の全域にわたって延伸している。溝31は、炎孔部材配
置部25の剛性を向上し、燃料ガスと空気との攪拌を促
進するために設けられたものである。
【0049】副構成体12を構成する板体10,11に
は、上記した板体7,8とほぼ同様の形状の凹凸が設け
られており、長手方向の両端及び下部にはフランジ部3
2,33が設けられている。しかしながら、上記した空
気導入口27に相当する部位については、フランジ部3
2,33が欠落している。
【0050】板体10,11において、主構成体5の淡
ガス混合部25に相当する部位には、他の部位に比べて
内側に窪んだ凹部35,36が形成されている。凹部3
5,36の形状は淡ガス混合部25の外形と略一致して
いる。また、凹部35,36の上方側で、主構成体5の
導通部26に相当する位置には、導通部26の外形と略
一致する形状に突出した濃ガス流路形成膨出部37が設
けられている。濃ガス流路形成膨出部37と、空気導入
口16の近傍の部位とは、外部方向に突出した溝38に
よって連通している。板体10,11の上部には、図2
に示すように内部方向に窪んだ堰部40が設けられてい
る。堰部40は、8個の部位に分割され、板体10,1
1の長手方向に一列に延伸している。
【0051】図4(a)は、炎孔部材配置部27に挿入
される炎孔部材3を示す図であり、同(b)はその要部
拡大図である。炎孔部材3は、厚さ方向に突出した複数
の凸部41を有する主炎孔形成板43を6枚重ね合わせ
たものであり、全体として四角柱状となっている。主炎
孔形成板41に設けられた凸部41は、炎孔部材3の外
方側に位置する主炎孔形成板43に設けられたものほど
その突出量が大きい。炎孔部材3は、隣接する凸部41
同士によって上下方向に連通した開口が形成されてお
り、その開口は主炎孔45として機能する。炎孔部材3
は、炎孔部材配置部27に上方から挿入され固定されて
いる。
【0052】炎孔部材3と副構成体6の板体10,11
との間には、補助炎孔46が設けられている。補助炎孔
46には、図7(a)に示す保炎形成部材47が固定さ
れている。保炎形成部材47は、長尺のプレートを屈曲
させ、厚さ方向に突出した複数の凹凸部48を成形した
板状体であり、断面形状が略波形となっている。凹凸部
48は、補炎形成部材47の厚さ方向に膨出した屈曲部
48aと、平面状の頂部48bとにより構成されてお
り、保炎形成部材47の短手方向の全長にわたって連続
して設けられている。補炎形成部材47は、凹凸部48
の屈曲部48aの突出方向が補助炎孔46の長手方向に
対して交差し、頂部48bが板体10,11及び炎孔部
材3の外部側の壁面に当接するように補助炎孔46内に
配置されている。そのため、補助炎孔46は、保炎形成
部材47の屈曲部48aによりスリット状に屈曲分割さ
れ、上下方向に連通した保炎孔50が形成されている。
また、頂部48bが板体10,11及び炎孔部材3の外
部側の壁面に当接しているため、補炎孔50はそれぞれ
分割され独立している。
【0053】続いて、本実施形態の燃焼装置1における
各構成部材の関係について説明する。本実施形態の燃焼
装置1は、図2に示すように板体7,8によって構成さ
れる主構成体5を中心として、その左右に保炎形成部材
47を介して副構成体6が配置されたものであり、副構
成体6の頂部15に炎孔部材3が配置されたものであ
る。主構成体5と副構成体6とは、フランジ部17,3
2,33を重ね合わせスポット溶接することにより一体
化されている。スポット溶接による接合は、主構成体5
を構成する中央の板体7,8と、副構成体6を構成する
側面部の板体10,11との間で行なわれる。即ち、中
央の一方の板体7と、これに隣接する側面部の板体10
の間で溶接接合が行なわれ、さらに中央の他方の板体1
8と、これに隣接する側面部の板体11の間についても
溶接による接合が行なわれる。
【0054】また、主構成体5と、板体10,11との
内部の接合関係を見ると、図2,5の様に、主構成体5
と、側面側の板体10,11とは、下端の空気導入口1
6の近傍と、淡ガス混合部25の近傍及び中間壁部19
で接し、他の部位は離れている。即ち、下端の空気導入
口16の近傍においては、図2,5の様に、主構成体5
の空気導入口16の側面16a,16bと、底面16
c,16dが側面側の板体10,11と接し、当該部位
に隙間はない。
【0055】しかし副構成体6たる板体10,11の開
口51は、空気導入口16よりも大きく、空気導入口1
6の上部は板体10,11の開口51と接していない。
従って、バーナ本体2の下端部は二重構造の開口となっ
ており、主構成体5の空気導入口16の上部に、主構成
体5の空気導入口16の上部の外壁と副構成体6たる板
体10,11の開口51の内側で形成される開口が存在
する。そして当該開口は、濃ガス導入口52として機能
する。
【0056】空気導入口16の上部については、板体
7,8の一部が欠落しており、濃ガス導入口52が開口
している。また当該部位の主構成体5には、連通孔20
が設けられている。従って空気導入口16の上部には比
較的広い空隙53があり、外部に開放されている。そし
て、この空隙53と前記したベンチュリ部23の周囲の
空隙55によって混合部21を形成している。
【0057】このように、本実施形態では、開口が二重
構造となっており、空気導入口16の上部が直接的に濃
ガス導入口52の壁の一部として機能するので、スペー
スに無駄がなく、燃焼装置の全高を低くすることができ
る。また本実施形態では、濃ガス導入口52が空気導入
口16上にあるので、濃ガス導入口52は主炎孔45及
び補助炎孔46に近い位置にあり、空気導入口16は、
主炎孔及び補助炎孔から遠い位置にある。
【0058】主構成体5のベンチュリ部23の周囲と、
副構成体6との間は、図2,図5の様に、空隙55が形
成されている。ベンチュリ部23の周囲は、底部を除く
三方について副構成体6と離れており、ベンチュリ部2
3の周囲は、空隙55によって包囲されている。
【0059】また主構成体5と、副構成体6の濃ガス流
路形成膨出部37についても離れており、図6の様に空
隙56が形成されている。ただし主構成体5の導通部2
6は他の部分に比べて幅が狭いので、導通部26の側面
側は他の部位よりも広い空間となっている。空隙56
は、淡ガス流路22の両側面に位置するものであり、主
構成体5の全長にわたって広がっている。
【0060】前記した主構成体5の下部の側面に形成さ
れた空隙55と、上部に形成された空隙56の間は、図
6(a)の様に主構成体5の中間壁部19と副構成体6
の内面とが接して隙間が無く、上下の空隙55,56
は、遮蔽されている。ただ、上下の空隙55,56は、
唯一、副構成体6の溝38の部分によって連通されてい
る。即ち、副構成体6には濃ガス流路形成膨出部37
と、空気導入口16の近傍の部位とを連通する溝38が
形成されており、当該溝38によって濃ガス流路形成膨
出部37と濃ガス導入口52とが連通している。一方、
中間壁部19は平板であるから、中間壁部19の両側と
各板体10,11の溝38との間で狭窄通路57が形成
される。
【0061】ここで当該狭窄通路57の部分の細部につ
いて説明すると、図5の様に、狭窄通路57は中間壁部
19の連通孔20近傍に位置する。また連通孔20近傍
の板体10,11の膨出部の境界線は、連通孔20の斜
め上方に延びる開口部位と交差する。そのため上部の空
隙56と下部の空隙55を連通する狭窄通路57は、図
5の様に、中間壁部19の連通孔20に相当する部位に
ついては一体であり、狭窄通路57の中間部に至って中
間壁部19によって左右に仕切られる。
【0062】従って、主構成体5と、副構成体6(板体
10,11)との間には、狭窄通路57を介して下部の
空隙55と上部の空隙56を繋ぐ一連の気体流路が形成
されており、これらの気体流路は、いずれも天面に開放
されている。そして、開放面が補助炎孔46として機能
する。即ち、主炎孔45が直線状であり、副構成体6に
よって形成される補助炎孔46は、主炎孔45に沿って
主炎孔45の両側に位置する。また、本実施例の燃焼装
置1では、補助炎孔46に連通する空隙56は濃ガス流
路58として機能し、空隙56と下部の空隙55を繋ぐ
狭窄通路57が濃ガス供給路として機能する。即ち、混
合部21の一部である空隙55と濃ガス流路58を形成
する空隙56が狭窄通路57によって繋がっている。
【0063】より詳細に説明すると、主構成体5を構成
する板体7,8とそれに隣接する板体10,11の間に
は隙間があり、この隙間は、両者の下端近傍から上部に
かけて狭窄通路57を介して連通している。そして下部
の隙間が混合部21として機能し、上部の隙間は濃ガス
流路58として機能する。
【0064】本実施例の燃焼装置1では、前記した様
に、狭窄通路57は、混合部21の空隙55と濃ガス流
路58の空隙56との間に橋渡して設けられて濃ガス流
路58へ濃ガスを噴出するためのものである。即ち、当
該狭窄通路57以外には空隙55と空隙56とを繋ぐ流
路はなく、混合部21から供給される濃ガスは全て狭窄
通路57を介して補助炎孔46側へと流れる。
【0065】補助炎孔46内には、図2に示すように、
短冊状の板状体である保炎形成部材47が挿入され、固
定されている。保炎形成部材47は、長尺で板状の鋼板
をプレス成形し、厚さ方向に突出した複数の凹凸部60
を設けた波板である。補助炎孔46は、保炎形成部材4
7によりスリット状に屈曲分割され、開口面積の小さな
保炎孔50が複数形成されている。さらに具体的には、
保炎孔50の開口部は、長尺方向の長さ(保炎孔幅W)
が、12mm以下であるのに対して、短尺方向の長さ
(保炎孔厚d)は1mm以下である。より好ましい保炎
孔幅Wは、8mm以下であり、保炎孔厚dは1mm以下
である。最も推奨される保炎孔幅Wは、6mmであり、
保炎孔厚dは0.8mmである。
【0066】バーナ本体2の側面部、より詳細には空気
導入口16の上部には、図5の様に、混合部21の一部
として機能する比較的広い空隙部53があり、外部に開
放されている。また主構成体5のベンチュリ部23は、
他の部分に比べて幅が狭いので、ベンチュリ部23と両
側の板体10,11の間には、図5の様に比較的大きな
空隙55がある。そして、空隙53および空隙55は、
燃料ガスと空気を混合するための混合部21として機能
する一方、空隙55は、混合部21で混合された燃料ガ
スを淡ガス流路22へ分岐させる分岐部としての機能を
併せ持つ。
【0067】本実施例の燃焼装置1では、混合部21の
流路断面積を下流側へ向かうに連れて縮小した後に、再
度拡大させる形状を採用している。即ち、図2の様に、
板体10,11は主構成体5の中間壁部19と当接して
いるため、前記した様に、混合部21を形成する空隙5
3および空隙55は、上部の濃ガス流路を形成する空隙
56と遮蔽されている。そして、板体10,11と中間
壁部19との当接部位の上辺は濃ガス流路形成膨出部3
7の傾斜辺62であり、当接部位の下辺は傾斜辺62と
略平行な傾斜辺63を形成している。従って、混合部2
1の上部内壁は傾斜辺63に沿って下流側へ向けて下降
傾斜して形成されている。一方、空気導入口16の上部
外壁は下流側に向かうに連れて上昇傾斜して形成され、
テーパ28の部位に至って急激に下降傾斜している。
【0068】これにより、図5の様に、混合部21は濃
ガス導入口52から下流側へ向かうに連れて流路断面積
を縮小した先細りの形状である。そして、下流の連通孔
20に至るとベンチュリ部23を形成するテーパ28に
よって流路断面積が急激に拡大した空隙55に繋がって
いる。即ち、濃ガス導入口52からテーパ28へ至る間
は下流に向かうに連れて先細りとなり、テーパ28に掛
かる部位で流路断面積は最小となり、以降は下流へ向か
うに連れて流路断面積が急激に拡大されている。
【0069】従って、濃ガス導入口52から導入された
燃料ガスおよび空気は流路の左右に分離され、流路断面
積の縮小に伴って流速を増しつつ混合されて連通孔20
に向かう。この間、燃料ガスおよび空気は充分に混合さ
れる。そして、流路断面積が最小の部位を通過すると急
激に流路断面積が拡大され、左右に分離されつつ混合さ
れた濃ガスは流速を低下し連通孔20を介して連通して
圧力差が除去され均圧化される。
【0070】次に、本実施例の燃焼装置1の燃料ガス及
び空気の流れについて説明する。本実施例の燃焼装置1
では、前記したバーナ本体2の空気導入口16の上部の
濃ガス導入口52に燃料ガスノズル65が挿入される。
またバーナ本体2の上流側には図示しない送風機が設け
られ、濃ガス導入口52と空気導入口16の双方に空気
が供給される。濃ガス導入口52に導入される空気の燃
料ガスに対する混合割合は、理論空気量の40%程度で
あり、燃料ガス濃度が高い。一方、空気導入口16に
は、空気のみが導入される。
【0071】そして前記した濃ガス導入口52から入っ
た燃料ガスは、混合部21において空気と混合される。
ここで混合部21は、空隙部53,55を合わせたもの
であり、混合部21の流路断面積の縮小によって燃料ガ
スと空気は強制的に混合されて濃混合ガスが作られる。
【0072】混合部21で空気と十分に混合された濃ガ
スの一部は、狭窄通路57を通って上部の濃ガス流路
(空隙56)へ流出する。このとき、前記したように、
狭窄通路57は、燃焼装置1の奥側へ向けて傾斜してい
るので、狭窄通路57から流出した濃ガスは、空隙56
の全域に広がり、上部の補助炎孔46へと至り、開口面
積の小さな保炎孔50から流出する。即ち、燃料ガスの
一部は、図6の様に濃ガス流路58を主構成体5の側面
に沿って上方に流れ、主構成体5の両側に設けられた補
助炎孔46に至り、凹凸部60により形成されたスリッ
ト状の保炎孔50を経て外部へと噴射される。
【0073】濃ガス流路58を経由して保炎孔50から
噴射される混合ガスは、前記した様に理論空気量の40
%程度しか空気が混合されておらず、燃料ガスの濃度が
高い。また本実施例の燃焼装置1では、混合部21にお
ける前記した流路断面積の縮小によって空気と高濃度燃
料ガスとが充分混合された後に、更に、濃ガス流路58
たる上部側の空隙56に入る直前に狭窄通路57を通過
させるので、燃料ガスと空気との混合が一層促進され
る。
【0074】一方、混合部21(空隙部53,55)に
おいて充分混合された燃料ガスの残部は、ベンチュリ部
23の近傍に至り、淡ガス流路22の一部たるベンチュ
リ部23を包囲する空隙55(分岐部)に流れ込む。そ
して燃料ガスの残部は、ベンチュリ部23に設けられた
ガス導入孔29から、主構成体5の内部に入る。すなわ
ち燃料ガスは、ガス導入孔29を経由して淡ガス流路2
2に入る。
【0075】ここで本実施例では、ガス導入孔29は主
構成体5が部分的に断面積が狭くなった部位に設けられ
ている。そのため当該部位は流速が速く、内部は負圧傾
向となっている。一方、ベンチュリ部23の周囲は、濃
ガス流路58の一部で包囲されており、ベンチュリ部2
3の周囲には、濃混合ガスが十分に存在する。そのため
ベンチュリ部23の周囲の濃混合ガスが主構成体5の負
圧によって吸い込まれ、燃料ガスは、空気の流れに対し
て垂直方向に突入し、主構成体内(淡ガス流路22)を
流れる空気と混合される。本実施例では前記したよう
に、ガス導入孔29の設置部位に応じてその内径を変化
させ、淡ガス流路22の流路断面に対して均一量の濃ガ
スを流入させて下流側に供給する構成としている。これ
により、淡ガス流路28の内部で局部的に濃ガス濃度が
上昇することがなく、混合むらの発生が抑止される。
【0076】そして燃料ガスは、大きく曲回した淡ガス
混合部25でさらに混合が促進され、導通部26を経て
炎孔部材配置部27に至り、炎孔部材3に入って主炎孔
45から外部に噴射される。
【0077】燃料ガスは、それぞれ上記した経路を辿
り、炎孔部材3の主炎孔45から淡混合ガスが噴射さ
れ、側面に位置する補助炎孔46内の保炎孔50から濃
混合ガスが噴射される。本実施例の燃焼装置1におい
て、保炎孔50から噴射される濃混合ガスの流速は、主
炎孔45から噴射される淡混合ガスの流速の60%以上
120%以下である。
【0078】主炎孔45から噴射された淡混合ガスによ
り形成される火炎(主炎)の側方において、保炎孔46
から噴射された濃混合ガスが燃焼され主炎よりも小さい
火炎(保炎)が形成される。また、保炎孔50から噴射
される濃混合ガスの流速は、主炎孔45から噴射される
淡混合ガスの流速の60%以上120%以下であり、保
炎孔50の基端部近傍には濃混合ガスの渦流が発生し、
燃焼が促進されている。そのため、保炎孔50から噴射
された濃混合ガスは、大部分が完全燃焼され、安定性の
高い火炎(保炎)を形成し、主炎孔45の主炎を保炎す
るのに十分な熱量を発生する。主炎孔45から噴射され
た淡混合ガスが燃焼し発生する火炎(主炎)は、保炎孔
50に形成された小さな火炎(保炎)により安定化され
る。そのため、本実施形態の燃焼装置1は、振動燃焼が
ほとんど起こらず、燃焼騒音が極めて小さい。
【0079】また、燃焼装置1に供給された燃料ガスの
大部分は、主炎孔45および保炎孔50において完全燃
焼される。従って、燃焼装置1によれば、一酸化炭素等
の有毒ガスの発生量を最低限に抑制し、環境に調和した
燃焼駆動が可能である。また、燃焼装置1は、燃料に供
せず排出される未燃成分が極めて少ないため、燃焼駆動
時のエネルギー変換効率が高く、所望の燃焼量を的確に
発生することができる。さらに、本実施形態の燃焼装置
1は、有毒ガスや未燃成分の排出量が非常に少ないた
め、近隣の人に異臭や目への刺激等の不快感を与えな
い。
【0080】また、本実施形態の燃焼装置1は、補助炎
孔46内に保炎形成部材47を配置し複数の保炎孔50
を形成したものであり、燃焼装置1自身の剛性の低下を
招くことなく高密度に保炎孔を形成することができる。
そのため、燃焼装置1は、長期にわたる燃焼駆動を安定
して行える。また、上記した構成によれば、保炎孔50
の形状を適宜変更し、保炎孔50に任意の形状の火炎を
形成することが可能である。
【0081】続いて、本発明の第2実施形態の燃焼装置
について図面を参照しながら説明する。図8は、本実施
形態の燃焼装置の斜視図であり、図9はその分解斜視図
である。なお、以下の説明において、上記第1実施形態
の燃焼装置1と同一の構成を有する部分には同一の符号
を付し、詳細の説明については省略する。
【0082】本実施形態の燃焼装置70は、予め燃焼に
必要な空気と混合させたガスを供給し、燃焼させる全一
次燃焼方式を採用した燃焼装置である。燃焼装置70
は、大別してバーナ本体71と気体供給管72と炎孔部
材73と仕切り板89と炎孔形成部材47とにより構成
されている。バーナ本体71は、図9に示すように金属
平板を所定形状にプレス成形し、凹凸を設けた板体7
5,76により構成されている。バーナ本体71は、板
体75,76を溶接接合し、一体化したものである。
【0083】バーナ本体71は、全体的に平面的な形状
を有し、頂部77およびガス導入口78が開口してい
る。頂部77、ガス導入口78および空気導入口79を
除く辺には、フランジ部80,81が設けられている。
板体75,76の上端側および下端側には、長尺方向に
長い凹部82a,82bおよび凹部83が設けられてい
る。また、板体75,76の上方側の端部には、外方に
突出した膨出部84が設けられている。膨出部84は、
外方に水平に突出した水平壁部84aと、水平壁部84
aの端部から上方へと突出した保炎壁部84bとから成
る。さらに詳細には、本実施形態において、水平壁部8
4aは、外方に0.4〜2mm程度外方に突出してお
り、保炎壁部84bは、上方に0.5〜5mm程度上方
に突出している。水平壁部84aの突出長さは、0.4
〜3mm程度であることが望ましい。
【0084】気体供給管72は、互いに対称形となるよ
うに金属平板を所定形状にプレス成形した板体85,8
6により構成されている。ガス供給管72は、気体導入
口87を有し、気体導入口87を除く3方の辺にフラン
ジ部88,90が設けられている。気体供給管72は、
板体85,86を重ね合わせ、フランジ部88,90を
スポット溶接により接合したものである。気体供給管7
2は、フランジ88,90が密着している。気体導入管
72は、フランジ88,90が板体75,76により挟
持されており、これにより板体75,76の下方側に固
定されている。また、気体供給管72は、板体85,8
6の隙間によって形成される気体流路91を有する。気
体流路91は、大別して導入部92と狭窄部93と気体
流出部95とから成る。即ち、気体流路91は、気体導
入口87から始まり、順次、導入部92、狭窄部93,
気体流出部95へと続く。
【0085】気体導入口87は、導入部92の外端部に
形成された略楕円形の開口である。導入部92は、断面
積が気体導入口92の開口面積と略同一であり、狭窄部
93に繋がる。狭窄部93は、テーパ96,97が連続
したものであり、気体上流側から下流側へと向かうに従
い、気体流路91の流路断面積が徐々に増減する部分で
ある。即ち、気体流路91の流路断面積は、テーパ96
により徐々に減縮された後、テーパ97により徐々に拡
大されている。気体流出部95は、狭窄部93のテーパ
97に連続した部分であり、側面に複数の気体流出孔9
8が設けられている。気体流出孔98は、気体流出部9
5の長手方向に一列に搾孔されている。一方、気体供給
管72の気体流出部95と、板体75,76との間に
は、図10に示すように頂部77に連通した空隙100
が形成されている。
【0086】炎孔部材73は、上記第1実施形態の燃焼
装置1において用いられている炎孔部材3とほぼ同様の
構成を有する。即ち、炎孔部材73は、厚さ方向に突出
した複数の凸部41を有する主炎孔形成板43を6枚重
ね合わせ頂部77に沿う形状に成形し、一体化したもの
である。主炎孔形成板41に設けられた凸部41は、炎
孔部材73の外方側に位置するものほどその突出量が大
きい。そのため、炎孔部材73には、隣接する凸部41
同士によって上下に連通した開口が形成されており、こ
れにより主炎孔101が形成されている。炎孔部材73
は、板体75,76の頂部77,77間に配置されてい
る。
【0087】炎孔部材73とバーナ本体71を構成する
板体75,76との間には、補助炎孔102,102が
形成されている。補助炎孔102,102の上端(開口
側の端部)は、膨出部84ガス上流側の端部である水平
壁部84aと同一平面上にある。補助炎孔102,10
2には、仕切り板89を介して炎孔部材73の側面に沿
うように保炎形成部材47が設けられており、その上端
は、水平壁部84aと同一平面上にある。補助炎孔10
2は、保炎形成部材47に設けられた凹凸部48により
複数の保炎孔103に屈曲分割されている。保炎孔10
3は、開口面積が比較的小さく、上下方向に連通したス
リット状の貫通孔である。さらに具体的には保炎孔10
3の開口部は、長尺方向の長さ(保炎孔幅W)12mm
以下であり、短尺方向の長さ(保炎孔厚d)は1mm以
下である。保炎孔幅Wは8mm以下であることがより好
ましく、保炎孔厚dは1mm以下であることがより好ま
しい。最も推奨される保炎孔幅Wは6mmであり、保炎
孔厚dは0.8mmである。
【0088】空気導入口79は、バーナ本体71の下端
部に形成された開口であり、燃焼装置70の外部の空気
をバーナ本体71内に導入する部分である。空気導入口
79は、板体75,76と気体供給管72とにより構成
される空隙100に連続している。
【0089】続いて、本実施形態の燃焼装置70におけ
る混合ガスおよび空気の流れについて説明する。本実施
形態の燃焼装置70の気体導入口87には、図8に示す
ように、混合ガスノズル105が接続されている。気体
導入口87には、混合ガスノズル105から、燃焼装置
70の外部において予め燃料ガスと空気とが混合された
混合ガスが供給される。
【0090】気体導入口87から流入した混合ガスは、
導入部92を通過し、狭窄部93へと流れる。混合ガス
は、狭窄部93を通過する際に強制的に混合される。狭
窄部93を通過した混合ガスは、気体流出部93内へと
流入し、図10に破線で示すように気体流出孔98から
空隙100側へと流出する。
【0091】一方、空気は、図10に一点鎖線で示すよ
うに、バーナ本体71の下方に設けられた空気導入口7
9から流入し、空隙100へと流れ込む。空隙100に
流れ込んだ空気は、気体流出孔98から流出した混合ガ
スと混合されながら、バーナ本体71の上方へと流れ
る。
【0092】空隙100に流出し空気と混合された混合
ガスは、バーナ本体71の上方に設けられた主炎孔10
1および補助炎孔102内の保炎孔103に至った後、
燃焼装置1の外部へと噴射される。さらに具体的には、
保炎孔103から噴射される混合ガスの流速は、主炎孔
101から流出する混合ガスの流速の60%以上120
%以下である。
【0093】主炎孔101から噴出した混合ガスは、燃
焼され火炎(主炎)が形成されている。保炎孔103か
ら噴出された混合ガスは、水平壁部84aおよび保炎壁
部84bにより膨出部84の下方および保炎孔103の
基端部近傍に渦状の気流を形成している。そのため、保
炎孔103から噴射された混合ガスは大部分が容易に完
全燃焼され、安定性が高く主炎よりも小さな火炎(保
炎)を形成し、主炎孔101の主炎を安定させるのに十
分な熱量を発生する。即ち、主炎孔101に形成された
主炎は、保炎孔103に形成された保炎により安定化さ
れる。そのため、本実施形態の燃焼装置70は、振動燃
焼がほとんど起こらず、燃焼騒音が極めて小さい。
【0094】また、燃焼装置70に供給された燃料ガス
の大部分は、主炎孔101および保炎孔103において
完全燃焼される。従って、燃焼装置70は、燃焼駆動時
に発生する一酸化炭素等の有毒ガスの量が極めて少な
く、環境に調和した燃焼駆動が可能である。また、燃焼
装置70は、燃料に供せず排出される未燃成分が極めて
少ないため、燃焼駆動時のエネルギー変換効率が高く、
所望の燃焼量を的確に発生することができる。さらに、
本実施形態の燃焼装置70は、有毒ガスや未燃成分をほ
とんど外部に排出しないため、近隣の人に有毒ガスや未
燃成分による異臭や目への刺激等の不快感を感じさせな
い。
【0095】また、本実施形態の燃焼装置70は、補助
炎孔102内に保炎形成部材47を配置し複数の保炎孔
103を形成したものであるため、燃焼装置70自身の
剛性を低下させることなく高密度に保炎孔103を形成
することができる。そのため、燃焼装置1は、燃焼駆動
を長期にわたり安定して行える。また、上記した構成に
よれば、保炎形成部材47の形状を変更することによ
り、保炎孔103の形状を任意の形状とすることが可能
である。
【0096】本実施形態の燃焼装置70は、板体75,
76の上端に膨出部84を設け、保炎孔103から噴出
される混合ガスの渦流を発生させる構成であったが、保
炎孔103に安定した火炎が形成される場合は、膨出部
84を設けない構成としてもよい。また、図11に示す
ように燃焼装置70がケース(図示せず)の内部に並列
に複数並べて使用される場合などは、隣接する燃焼装置
70の燃焼駆動により発生する熱により比較的火炎が安
定するため、一部の燃焼装置70にのみ膨出部84を設
ける構成としても良い。また、保炎孔103から流出す
る混合ガスが高濃度であるなどの理由で、保炎孔103
の基端部に燃料ガスの渦流が発生しなくても安定した火
炎が形成できる場合は、膨出部84は保炎壁部84bの
みで構成されても良い。
【0097】補助炎孔46,102内に固定されている
炎孔形成部材47の凹凸部48の形状は、上記第1,2
実施形態において示した形状に限定されるものではな
く、適宜の形状を採用することができる。即ち、炎孔形
成部材47は、その一部又は全体に厚さ方向に屈曲させ
た屈曲部を有するものとすることができる。補助炎孔4
6,102は、炎孔形成部材47の屈曲部の一部又は全
部が補助炎孔46,102の長尺方向に対して交差する
ように配置することにより屈曲分割される。例えば、炎
孔形成部材47は、板状のプレートを屈曲させて図7
(b)に示すような断面形状が円弧状である凹凸部48
を設けたものとすることができる。かかる構成によれ
ば、凹凸部48を形成する断面形状が半円弧状の壁面
(屈曲部48a)によって、補助炎孔が屈曲分割され
る。さらに、炎孔形成部材47を図7(b)に示すよう
な構成とすれば、燃焼駆動時に炎孔形成部材47に作用
する熱応力を凹凸部48において分散することが可能で
あり、炎孔形成部材47並びに燃焼装置1,70の長期
安定性を向上することができる。
【0098】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
12は、上記第2実施形態の燃焼装置1における、保炎
孔50の保炎孔幅Wと燃焼装置1に供給される混合ガス
の空気過剰率の関係を示すグラフである。また、図13
は、主炎孔45から噴出する混合ガスの流速に対する保
炎孔50から噴出する混合ガスの流速の比と、燃焼装置
1に供給される混合ガスの空気過剰率との関係を示すグ
ラフである。なお、保炎孔50の保炎孔幅Wは、炎孔形
成部材47の凹凸部47のピッチを変更することにより
調整される。
【0099】以下、保炎孔幅W、並びに、主炎孔45か
ら噴出する混合ガスの流速に対する保炎孔50から噴出
する混合ガスの流速の比(以下、ガス流速比と称す)と
混合ガスの空気過剰率との関係を測定した結果について
説明する。炎孔形成部材47の凹凸部47のピッチを調
整し、保炎孔幅Wを変更した場合、保炎孔幅Wを12m
m以下とすると、空気過剰率の小さな混合ガスを供給し
ても安定燃焼を行うことができた。また、保炎孔幅Wを
小さくすればするほど、混合ガスを安定燃焼可能な空気
過剰率の下限値が小さくなった。即ち、保炎孔幅Wが小
さいほど、安定燃焼領域が大きく、より空気過剰率の小
さな混合ガスを安定燃焼できることが判明した。
【0100】一方、保炎孔幅Wが12mmより大きい
と、極端に空気過剰率の大きな混合ガスを供給しないと
安定燃焼を行うことができず、保炎孔幅Wを120mm
とした場合は空気過剰率が2.0程度の希薄な混合ガス
を供給しないと振動燃焼が発生した。従って、燃焼装置
1において混合ガスを安定燃焼するためには、保炎孔幅
Wは12mm以下であることが望ましいことが判明し
た。
【0101】また、ガス流速比を0.6から1.5まで
変更した際の試験結果を図13に示す。ガス流速比が
1.0、即ち保炎孔50から噴出するガス流速が主炎孔
45から噴出するガス流速と同一である場合、空気過剰
率が1.4程度である高濃度の混合ガスを供給しても燃
料ガスを安定燃焼することができた。ガス流速比と、合
ガスを安定燃焼可能な空気過剰率の下限値との関係は、
図13に示すように、ガス流速比が1.0である点を頂
点とする略2次関数的な関係を有することが判明した。
ガス流速比が1.0から離れるほど、即ち主炎孔45或
いは保炎孔50のいずれか一方から噴出する混合ガスの
流速が大きくなるほど、空気過剰率の大きな混合ガスを
供給しないと安定燃焼を行うことができなかった。ガス
流速比が0.6より小さい場合や、ガス流速比が1.2
より大きい場合は、空気過剰率が大きくガス濃度の低い
混合ガスでないと安定燃焼できなかった。従って、燃焼
装置1において混合ガスを安定燃焼するためには、ガス
流速比を0.6以上1.2以下程度の範囲であることが
望ましいことが判明した。
【0102】
【発明の効果】請求項1に記載の燃焼装置によれば、保
炎孔から噴射される高濃度の燃料ガスを燃焼し、比較的
小さく安定した火炎を形成することにより、主炎孔に形
成される火炎を安定化することができる。
【0103】請求項2に記載の燃焼装置は、保炎孔に比
較的小さく安定した火炎を形成することにより、主炎孔
から噴出する燃料ガスの燃焼を安定化できる。
【0104】請求項3に記載の燃焼装置は、保炎孔に形
成される火炎が安定しているため、この火炎が発生する
熱により主炎孔に形成される火炎が安定化され、振動燃
焼がほとんど起こらない。
【0105】請求項4および5に記載の燃焼装置は、保
炎孔の開口面積を調整することにより、保炎孔に安定し
た火炎を形成し、主炎孔に形成される火炎を安定化する
ことができる。
【0106】請求項6に記載の燃焼装置によれば、保炎
孔に形成される火炎の吹き飛びを防止し、主炎孔に形成
される火炎を確実に安定化することができる。
【0107】請求項7に記載の燃焼装置は、保炎孔から
噴出したガスが膨出部において渦流により安定化された
火炎により、主炎孔に形成された火炎を安定化すること
ができる。
【0108】請求項8乃至10に記載の発明によれば、
保炎孔の火炎を安定化し、主炎孔に形成される火炎を確
実に保炎することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る燃焼装置の斜視図
である。
【図2】図1の燃焼装置の分解斜視図である。
【図3】図1の燃焼装置の展開図である。
【図4】(a)は図1の燃焼装置の一部を示す平面図で
あり、(b)はその拡大図である。
【図5】図1のA方向矢視斜視図である。
【図6】(a)は図1のB−B断面図であり、(b)は
図1のC−C断面図である。
【図7】(a)は図1の燃焼装置に用いられる保炎形成
部材を示す斜視図であり、(b)はその変形実施例であ
る。
【図8】本発明の第2実施形態に係る燃焼装置の斜視図
である。
【図9】図8の燃焼装置の分解斜視図である。
【図10】図8の燃焼装置のD−D断面図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る燃焼装置の変形
実施形態を示す断面図である。
【図12】本発明の第2実施形態の燃焼装置における保
炎孔幅と空気過剰率との関係を示すグラフである。
【図13】本発明の第2実施形態の燃焼装置におけるガ
ス流速比と空気過剰率との関係を示すグラフである。
【図14】従来の燃焼装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,70 燃焼装置 2,71 バーナ本体 3 炎孔部材 16 空気導入口 21 混合部 22 気体流路(淡ガス流路) 45,101 主炎孔 46,102 補助炎孔 47 保炎形成部材 48 凹凸部 50,103 保炎孔 58 濃ガス流路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K017 AA02 AA06 AA08 AB02 AB07 AC02 AD01 AD04 CA04 CA06 CA08 CB01 CB09 CD01 CE03 CE04 3K065 TA01 TA07 TA15 TC01 TD05 TG01 TH01 TH04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低濃度の燃料ガスを噴射する主炎孔と、
    長尺状に広がり前記主炎孔から噴射される燃料ガスより
    も濃度の高い燃料ガスを噴射する補助炎孔を備えた燃焼
    装置において、前記補助炎孔を屈曲分割する保炎形成部
    材を具備し、当該保炎形成部材は、前記補助炎孔内に配
    置され複数の保炎孔を形成することを特徴とする燃焼装
    置。
  2. 【請求項2】 燃料ガスを噴射する主炎孔と、長尺状に
    広がり当該主炎孔に隣接する位置に燃料を噴射する補助
    炎孔を備えた燃焼装置において、前記補助炎孔を屈曲分
    割する保炎形成部材を具備し、当該保炎形成部材は、前
    記補助炎孔内に配置され複数の保炎孔を形成することを
    特徴とする燃焼装置。
  3. 【請求項3】 低濃度の燃料ガスを噴射する主炎孔と、
    長尺状に広がり前記主炎孔から噴射される燃料ガスより
    も濃度の高い燃料ガスを噴射する補助炎孔を備えた燃焼
    装置において、空気又は低濃度の燃料ガスが導入される
    空気導入口と、空気及び高濃度の燃料ガスが導入される
    濃ガス導入口と、前記空気導入口と主炎孔とを連通し主
    炎孔に燃料ガスを供給する淡ガス流路と、前記濃ガス導
    入口と連通し燃料ガスと空気とを混合させる混合部とを
    有し、当該混合部で調整された高濃度の燃料ガスの一部
    を淡ガス流路に供給し、前記高濃度の燃料ガスの残部を
    濃ガス流路に供給する濃ガス供給路と、前記補助炎孔を
    屈曲分割する保炎形成部材とを具備し、当該保炎形成部
    材は、前記補助炎孔内に配置され複数の保炎孔を形成す
    ることを特徴とする燃焼装置。
  4. 【請求項4】 保炎孔形成部材は、板状のプレートを屈
    曲して補助炎孔をスリット状に分割することを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれかに記載の燃焼装置。
  5. 【請求項5】 保炎形成部材は、長尺の板状体であり、
    厚さ方向に突出した凹凸部を複数有することを特徴とす
    る請求項4に記載の燃焼装置。
  6. 【請求項6】 補助炎孔の側面には、保炎孔の開口側の
    端部よりガス下流側へと突出した保炎壁部が設けられて
    いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載
    の燃焼装置。
  7. 【請求項7】 保炎孔の側面には、燃焼装置の外部方向
    に膨出した膨出部が設けられており、当該膨出部のガス
    上流側の端部は、保炎孔の開口側の端部と同一平面上に
    あることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載
    の燃焼装置。
  8. 【請求項8】 主炎孔から流出する燃料ガスの流速に対
    する保炎孔から流出する燃料ガスの流速の割合が、0.
    6以上1.2以下であることを特徴とする請求項1乃至
    7のいずれかに記載の燃焼装置。
  9. 【請求項9】 保炎孔の開口部における長尺方向の長さ
    が、12mm以下であることを特徴とする請求項1乃至
    8のいずれかに記載の燃焼装置。
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