JP3613885B2 - 内燃機関用インジェクタの駆動制御方法及び駆動制御装置 - Google Patents

内燃機関用インジェクタの駆動制御方法及び駆動制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関に燃料を供給するために用いるインジェクタの駆動制御方法及び該駆動制御方法を実施するために用いる駆動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関に燃料を供給するために用いるインジェクタ(電磁式燃料噴射弁)1は、例えば、図6(A),(B)に示したように、ソレノイド(電磁石)2と噴射ノズル3とにより構成される。ソレノイド2は、固定鉄心4と、該固定子鉄心に巻かれたソレノイドコイル5と、可動鉄心6とを備え、ソレノイドコイル5に駆動電流が与えられたときに、固定鉄心4が可動鉄心6を吸引する。
【0003】
噴射ノズル3は、先端に噴射口7aを有するシリンダ7と、シリンダ7内に挿入されて噴射口7aを開閉する噴射弁(ニードル弁)8とを有し、噴射弁8が可動鉄心6に連結されている。可動鉄心6は、復帰バネ9により噴射弁8を閉じる側に付勢されている。
【0004】
図6(A)はソレノイドコイル5に駆動電流が与えられていない状態を示したもので、この状態ではバネ9の付勢力により噴射弁8が閉位置に保持されて噴射口7aを閉じている。また図6(B)はソレノイドコイル5に所定の駆動電流が与えられた状態を示したもので、この状態では、固定鉄心4が可動鉄心6を吸引して噴射弁8を開位置に保持している。図示してないが、噴射ノズル3には燃料ポンプから燃料が所定の圧力で供給され、噴射弁8が開位置に変位したときに噴射口7aから燃料が噴射される。図6(A)のdは弁のストロークを示している。この燃料噴射弁を用いる場合、燃料の噴射量は、噴射ノズル3に与えられる燃料の圧力と弁を開く時間とにより決まる。
【0005】
この種のインジェクタを駆動する装置は、一般に、ソレノイドコイル5を流れる駆動電流を検出して駆動電流検出信号を出力する駆動電流検出回路と、駆動電流の指示値を与える指示信号を出力する指示信号発生回路と、駆動電流を指示値に等しくするようにソレノイドコイル5への通電を制御する通電制御回路とにより構成される。通電制御回路は、駆動電流検出信号及び指示信号を入力として燃料の噴射を指令する矩形波状の駆動パルスが与えられている期間、ソレノイドコイル5に指示信号の大きさに相応した駆動電流を流す。
【0006】
上記のようなインジェクタを駆動する方法としては、サチュレーテッド方式とピークホールド方式とが知られている。
【0007】
サチュレーテッド方式では、ソレノイドコイル5の通電回路の抵抗値を約12Ωとし、ソレノイドコイル5に対して直列にトランジスタ等からなるスイッチ素子を接続して、該スイッチ素子に駆動パルスを与える。スイッチ素子は図7(A)に示したような駆動パルスVd が与えられている間導通して、ソレノイドコイル5に一定の電源電圧を印加する。ソレノイドコイル5に電源電圧が印加されると、図7(B)に示したように、ソレノイドコイルを流れる駆動電流Id が徐々に上昇していき、該駆動電流が開弁電流Idoに達すると噴射弁が開く。駆動電流はやがてソレノイドコイルの通電回路のインピーダンスと電源電圧とにより決まる飽和値Idsatに収束し、駆動パルスVdが消滅するまでの間該飽和値に保持される。駆動パルスVd が消滅すると、駆動電流Id が零になる。
【0008】
上記のサチュレーテッド方式によると、駆動回路の構成が簡単になるため、駆動装置を安価に構成することができるが、この方式では、駆動電流Id が比較的長い期間飽和値に保持されるため、消費電力が多くなり、発熱が多くなるという問題がある。
【0009】
ところで、ソレノイドを用いて噴射弁を駆動する電磁式のインジェクタにおいては、噴射弁8を開く際にソレノイドコイル5に比較的大きな開弁電流Ido以上の電流を流す必要があるが、噴射弁8が一旦開いた後該弁を開状態に保持する際には、開弁電流よりも小さいホールド電流を流してやればよい。そこでピークホールド方式では、ソレノイドコイルの抵抗値を2Ω程度の低い値に設定して、駆動パルスが与えられたときに駆動電流を開弁電流よりも高いピーク値まで速やかに立ち上げた後、駆動電流を開弁状態を保持するために必要なホールド値まで低下させて、駆動パルスが消滅するまでの間該ホールド値を保持するようにしている。
【0010】
このピークホールド方式によれば、噴射弁が開いた後、駆動電流をホールド値まで低下させるため、電力消費量を少なくすることができ、発熱を抑えることができる。また開弁時間を短くすることができるため、駆動パルスの発生周期を一定とした場合の最大噴射量qmax を大きくすることができ、サチュレーテッド方式による場合よりもダイナミックレンジを大きくすることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来ピークホールド方式によりインジェクタを駆動する場合には、駆動パルスが与えられた時にソレノイドコイルに一定の駆動電圧を印加して、該ソレノイドコイルを流れる駆動電流を上昇させ、該駆動電流がピーク値に達した後に、ソレノイドコイルに印加する駆動電圧を低い値に切り換えて、駆動電流をホールド値まで低下させるようにしていた。図8はこのようにしてインジェクタを駆動する場合の駆動電流波形及び駆動パルスの波形の一例と、噴射弁の挙動の一例とを示したものである。
【0012】
図8に示した例では、時刻to で同図(B)に示す駆動パルスVd が与えられた時にソレノイドコイルにステップ状に立上る一定の駆動電圧を印加して同図(A)に示すように駆動電流Id をピーク値Idpに向けて上昇させる。駆動電流Id をチョッパ制御することにより一定時間駆動電流をピーク値に保った後、時刻t3 において駆動電圧をステップ状に低下させる。この駆動電圧の低下により駆動電流Id を自然に減衰させ、駆動電流がホールド値Idhに達する時刻t4 以降の期間該駆動電流をホールド値に保持するチョッパ制御を行なって、該ホールド値を駆動パルスVd が消滅する時刻t6 まで保持する。時刻t6 で駆動パルスが消滅したときにソレノイドコイルの駆動電圧を零レベルまで低下させ、駆動電流を自然に減衰させて消滅させる。このように、駆動パルスが消滅する時刻t6 でソレノイドコイルの駆動電圧を零にした場合の噴射弁の挙動は図8(C)に示した通りであり、時刻to から所定の開弁時間To が経過したときの時刻t1 においてニードル弁が開位置に向けて変位を開始し、時刻t2 において該ニードル弁のリフト量が最大になって噴射弁が開状態になる。時刻t6 で駆動電圧が零にされると、駆動電流は自然に減衰して短時間で零になるが、駆動電流が零になってもソレノイドの残留磁束により噴射弁はΔT時間の間開状態に保持されるため、噴射弁の閉動作が開始される時刻は、駆動電圧が零にされた時刻t6 から一定の遅れ時間TD6が経過した時刻t7 となる。
【0013】
燃料の噴射量を制御する場合には、駆動パルスVd のパルス幅が、所望の噴射量に相応した大きさになるように変化させられる。噴射量を少なくするために駆動パルスのパルス幅が縮小されて、図8の時刻t3 において駆動パルスVd が零にされたとすると、噴射弁の挙動は同図(D)のようになる。この場合には、時刻t3 においてソレノイドコイルの駆動電圧が零にされるため、駆動電流Id は時刻t3 から図8(A)に実線及び破線で示した減衰曲線に沿って減衰して零になるが、駆動電流が零になっても残留磁束により噴射弁はΔT時間の間開状態に保持されるため、実際に噴射弁の閉動作が開始される時刻は駆動パルスが零になった時刻t3 から一定の遅れ時間TD3が経過したときの時刻t5 となる。
【0014】
また図8において、時刻t4 で駆動パルスVd が零になったとすると、噴射弁の挙動は図8(E)のようになる。この場合、駆動電流は、時刻t3 で駆動パルスが零になった場合とまったく同じ破線の減衰曲線に沿って減衰して零になる。駆動電流が零になっても残留磁束によりΔT時間の間は噴射弁が開位置に保持されるため、噴射弁の開動作が開始される時刻は、駆動パルスが零にされた時刻t4 から一定の時間TD4が経過したときの時刻となる。時刻t3 で駆動パルスが零になった場合も、時刻t4 で駆動パルスが零になった場合も、駆動電流がたどる減衰曲線は同じであるため、時刻t4 で駆動パルスが零になったときの噴射弁の閉動作開始時刻は時刻t3 で駆動パルスを零にした場合の噴射弁の閉動作開始時刻t5 と同じである。駆動パルスを時刻t3 で零にした場合の噴射弁の閉動作の遅れ時間TD3と、駆動パルスを時刻t4 で零にした場合の噴射弁の閉動作の遅れ時間TD4との間には、TD3=(t4 −t3 )+TD4の関係がある。
【0015】
上記のように、時刻t3 で駆動パルスVd を零にした場合も、時刻t4 で駆動パルスを零にした場合も、噴射弁の閉動作が開始される時刻は同じ時刻t5 であるため、駆動パルスのパルス幅をt3 −to とした場合も、t4 −to とした場合も、噴射弁が開いている時間は同じになり、燃料の噴射量は変わらないことになる。
【0016】
図8のようにしてインジェクタを駆動した場合、駆動パルスのパルス幅τと1駆動パルス当りの燃料の噴射量qとの間には図9のような関係がある。なお図9の横軸のパルス幅τは駆動パルスのデューティ比(パルス幅/1周期)で示している。
【0017】
図9の特性では、駆動パルスのパルス幅が小さくなるA部の範囲でパルス幅の変化に対する噴射量の変化がリニアでなくなる。図9のA部付近の特性を拡大して示すと図10の曲線aの通りであり、パルス幅がt3 −to からt4 −to まで増加する区間では、パルス幅を変化させても噴射量qは変化しない。パルス幅と噴射量との関係がリニアでなくても、パルス幅が増加すれば噴射量が増加する関係にある範囲は制御に使うことができるが、駆動パルスのパルス幅が変化しても噴射量が変化しない範囲は制御に全く使うことができない。従って、駆動パルスのパルス幅と噴射量qとの関係が図9のようになる場合、同図のA部の範囲は制御に使用することができない。この場合、駆動パルスのパルス幅は少なくともt4 −to 以上の範囲に設定することが必要になり、制御に使用可能な最小噴射量は図9及び図10に示したqmin となる。
【0018】
また駆動パルスのパルス幅が100%近くになると、噴射弁が閉じる前に次の駆動パルスが与えられる状態になるため、図9のB部のように、駆動パルスのパルス幅τを変化させても噴射量が変化しない状態が生じる。このB部も制御に使用することができない。従って、この場合、制御に使用可能な最大噴射量は図9に示したqmax となる。
【0019】
上記のように、従来のピークホールド方式によりインジェクタを駆動した場合には、駆動パルスのパルス幅を狭くしたときにパルス幅を増加させても噴射量が増加しない範囲が生じるため、制御に使用可能な最小噴射量qmin が比較的大きくなってダイナミックレンジが小さくなり、その分駆動パルスのパルス幅による噴射量の制御性が悪くなるという問題があった。
【0020】
本発明の目的は、制御に使用可能な最小噴射量を従来より小さくして、インジェクタのダイナミックレンジを大きくすることができるようにした内燃機関用インジェクタの駆動制御方法及び該駆動制御方法を実施するために用いる駆動制御装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる内燃機関用インジェクタの駆動制御方法は、燃料噴射口を開閉する噴射弁と該噴射弁を開く際に駆動電流が与えられるソレノイドコイルとを有する内燃機関用インジェクタを、燃料の噴射を指令する駆動パルスに応答して制御する方法である。
【0022】
本発明においては、図3(B)に示したような駆動パルスVd が与えられたときにソレノイドコイルの両端の電圧をステップ状に上昇させることにより、図3(A)に示したようにソレノイドコイルに流れる駆動電流Id を、噴射弁が開動作を開始する時の駆動電流のレベルよりも大きい値に設定されたピーク値Idpまで増大させた後、該駆動電流を、ソレノイドコイルの両端の電圧がピーク値からステップ状に低下させられたときの該駆動電流の時間的変化率よりも小さな変化率で、噴射弁を開状態に保持するために必要なホールド値Idhに向けて徐々に低下させ、駆動パルスの消滅時にソレノイドコイルの両端の電圧をステップ状に低下させることにより駆動電流を消滅させることを特徴とする。
【0023】
前述のように、従来の方法では、駆動電流をピーク値からホールド値に移行させる際に、ソレノイドコイルの両端の電圧をステップ状に低下させることにより駆動電流をホールド値まで自然に減衰させるようにしていたため、駆動パルスのパルス幅が狭められて、駆動電流がピーク値からホールド値に移行する過程で駆動パルスが零になる状態が生じた際に、駆動パルスのパルス幅の長短(駆動パルスが零になる時刻)の如何に係わりなく、噴射弁が閉動作を開始する時刻が同じになって、図8のA部のt3 〜t4 の期間のように、駆動パルスのパルス幅が増大しても1駆動パルス当りの噴射量が変化しない状態が生じるのを避けられなかった。このような状態が生じると、制御に使うことができる最小噴射量が大きくなって、インジェクタのダイナミックレンジが小さくなるため、スロットルバルブ開度などに応じて燃料の噴射量を制御する際の噴射量の調整範囲が狭くなり、噴射量制御の制御性が悪くなる。
【0024】
これに対し、本発明の方法のように、駆動電流がピーク値からホールド値まで低下する際の時間的変化率を、ソレノイドコイルの両端の電圧がステップ状に低下させられたときの駆動電流の時間的変化率よりも小さくするように制御することにより、駆動電流をピーク値からホールド値までゆっくりと変化させてホールド値に収束させるようにすると、駆動電流がピーク値からホールド値に移行する過程のいずれの時点で駆動パルスが零にされても、噴射弁の閉動作が開始される時刻は駆動パルスの立下り時刻の変化に応じて必ず変化し、駆動パルスの立下り時刻が遅れるに従って噴射弁が閉じる時刻が遅くなっていく。例えば、図3(B)に示したように、駆動パルスVd を、駆動電流がピークに達する時刻tb で零にした場合には、同図(A)に示す時刻tboで駆動電流が零になって、この時刻tboから一定の遅れ時間ΔTが経過したときに噴射弁が閉動作を開始するが、時刻tc (>tb )で駆動パルスが零になったときには、時刻tboよりも遅れた時刻tcoで駆動電流が零になり、該時刻tcoから一定の遅れ時間ΔTが経過したときに噴射弁が閉動作を開始する。以下同様に、駆動パルスが零になる時刻がtd ,te ,tf ,…のように遅れていくと、駆動電流が零になる時刻もtdo,teo,tfoのように遅れていき、噴射弁が閉動作を開始する時刻が遅れていく。従って、インジェクタから噴射される燃料の噴射量は、駆動パルスのパルス幅が増大すれば必ず増大する。
【0025】
このように、本発明によれば、駆動電流がピーク値からホールド値に移行する過程のいずれの時点で駆動パルスが零にされても、駆動パルスのパルス幅が増加すれば必ず噴射量も増加する特性を得ることができるため、制御に使うことができる最小噴射量を小さくすることができ、インジェクタのダイナミックレンジを大きくして噴射量制御の制御性を向上させることができる。
【0026】
本発明に係わる駆動制御装置は、上記内燃機関用インジェクタの駆動電流を検出して駆動電流検出信号を出力する駆動電流検出回路と、駆動電流の指示値を与える指示信号を発生する指示信号発生回路と、駆動電流検出信号及び指示信号を入力として燃料の噴射を指令する駆動パルスが与えられているときにソレノイドコイルに指示信号の大きさに相応した駆動電流を流すように該ソレノイドコイルへの通電を制御する通電制御回路とを備えた内燃機関用インジェクタの駆動制御装置であって、本発明においては、上記指示信号発生回路が、駆動パルスの発生時に第1のレベルまで立ち上った後、ソレノイドコイルの両端の電圧をステップ状に低下させたときの駆動電流の時間的変化率よりも小さな変化率で徐々に低下して第2のレベルに収束する波形の信号を指示信号として出力するように構成される。そして、上記指示信号の第1のレベルは、噴射弁が開動作を開始する時の駆動電流のレベルよりも大きく設定された駆動電流のピーク値に相当する大きさに設定され、指示信号の第2のレベルは、噴射弁を開状態に保持するために必要な駆動電流のホールド値に相当する大きさに設定される。
【0027】
上記指示信号発生回路は、例えば、駆動パルスの立上りを微分する微分回路と該微分回路の出力に一定のベース電圧を重畳するベース電圧重畳回路とにより構成できる。この場合、指示信号の第1のレベルを、噴射弁が開動作を開始する時の駆動転流のレベルよりも大きな値に設定された駆動電流のピーク値に相当する大きさに等しくするように駆動パルスのレベルを設定し、指示信号が第1のレベルから第2のレベルに向って低下する際の時間的変化率が、ソレノイドコイルの両端の電圧をステップ状に低下させたときの駆動電流の変化の時間的変化率よりも小さくなるように微分回路の定数を設定する。また指示信号の第2のレベルが噴射弁を開状態に保持するために必要な駆動電流のホールド値に相当する大きさになるようにベース電圧の大きさを設定する。
【0028】
本発明で用いる駆動パルス発生手段は、例えば、負極側出力端子が接地された電源回路の正極側出力端子に接続された電源端子と接地側の出力端子と非接地側の出力端子とを有して、駆動パルスを発生する際に非接地側の出力端子の電位が高レベルになり、駆動パルスが発生していないときに非接地側の出力端子が接地電位に保持されるように構成される。
【0029】
この場合、指示信号発生回路は、駆動パルス発生手段の非接地側出力端子に一端が接続された微分コンデンサと該微分コンデンサの他端に一端が接続された第1の抵抗と該第1の抵抗と接地間に接続された第2の抵抗とを有して該第1の抵抗と第2の抵抗との直列回路の両端に微分パルスを発生する微分回路と、電源回路の正極側出力端子と上記第2の抵抗の一端との間に接続された第3の抵抗とにより構成できる。このように構成すると、微分回路は、駆動パルスが発生したときにピーク値までほぼ瞬時に立上った後徐々に低下していく波形の微分パルスを発生する。また第3の抵抗は第2の抵抗とともに電源電圧を分圧する分圧回路を構成するため、第2の抵抗の両端には、電源電圧を分圧して得た一定の電圧に微分パルスを重畳した波形の信号が現れる。この信号は、駆動パルスの発生時にほぼ瞬時に第1のレベルのピーク値まで上昇した後、徐々に低下して第2のレベルに収束する波形となるため、指示信号として用いることができる。
【0030】
この場合、上記指示信号の第1のレベルを、噴射弁が開動作を開始する時の駆動電流のレベルよりも大きく設定された駆動電流のピーク値に相当する大きさに等しくするように、駆動パルスのレベルを設定し、指示信号が第1のレベルから第2のレベルに向って低下する際の時間的変化率を、ソレノイドコイルの両端の電圧がステップ状に低下させられたたときの駆動電流の時間的変化率よりも小さくするように、微分回路の定数を設定しておく。また、指示信号の第2のレベルが、噴射弁を開状態に保持するために必要な駆動電流のホールド値に相当する大きさに等しくなるように、第2の抵抗及び第3の抵抗の抵抗値を設定する。
【0031】
この場合、通電制御回路は、指示信号が正相入力端子に入力され駆動電流検出信号が逆相入力端子に入力された演算増幅器と、該演算増幅器の出力信号を制御信号として該制御信号に比例した駆動電流をソレノイドコイルに供給する駆動電流供給用増幅器と、該増幅器の制御信号入力端子と駆動パルス発生手段の非接地側出力端子との間にカソードを該非接地側出力端子側に向けて接続されて駆動パルスが発生していないときに制御信号を駆動電流供給用増幅器の入力しきい値レベル未満の低レベルに保持する帰還ダイオードとにより構成できる。
【0032】
本発明においてはまた、上記指示信号発生回路を、駆動パルスを反転する反転回路と、反転回路の出力が高レベルに立上ったときに第1のレベルまで充電されるコンデンサと該コンデンサの電荷を抵抗を通して一定の時定数で放電させる放電回路とにより構成できる。
【0033】
このように構成すると、駆動パルスが発生したときに第1のレベルから徐々に低下して第2のレベルに収束した後駆動パルスが消滅したときに第1のレベルに向けて上昇する波形の指示信号が放電回路を構成する抵抗の両端に発生する。
【0034】
この場合、通電制御回路は、指示信号及び駆動電流検出信号がそれぞれ非反転入力端子及び反転入力端子に入力されて指示信号が駆動電流検出信号よりも大きいときに高レベルの出力を発生し、指示信号が駆動電流検出信号よりも小さいときに低レベルの出力を発生する比較回路と、該比較回路の出力端子と非反転入力端子との間に接続された帰還用抵抗と、ソレノイドコイルに印加する駆動電圧を出力するソレノイド駆動用電源とソレノイドコイルとの間に設けられて駆動パルスが発生している状態で比較回路の出力が高レベルの状態になったときにソレノイドコイルに駆動電圧を印加し、駆動パルスが発生している状態で比較回路の出力が高レベルの状態になったとき及び駆動パルスが発生していないときにソレノイドコイルから駆動電圧を除去するようにソレノイドコイルに印加される電圧を制御する駆動電圧制御用スイッチ回路と、駆動電圧制御用スイッチ回路がオフ状態になったときにソレノイドコイルの誘起電圧で該ソレノイドコイルに駆動電流を流すスイッチオフ時駆動電流通電回路により構成できる。
【0035】
この場合には、指示信号の第1のレベルを噴射弁が開動作を開始する時の駆動電流のレベルよりも大きく設定された駆動電流のピーク値に相当する大きさに等しくするように反転回路の出力レベルを設定し、指示信号が第1のレベルから第2のレベルに向って低下する際の時間的変化率を、ソレノイドコイルの両端の電圧がステップ状に低下させられたたときの駆動電流の時間的変化率よりも小さくするように放電回路の時定数を設定する。また指示信号の第2のレベルは、噴射弁を開状態に保持するために必要な駆動電流のホールド値に相当する大きさに設定しておく。
【0036】
このように構成した場合には、駆動電流がチョッパ制御されて指示信号により与えられる指示値に等しくなるように制御される。
【0037】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の方法を実施するために用いるインジェクタ駆動制御装置の構成例を示したものである。同図において、11はマイクロコンピュータのCPUで、このマイクロコンピュータは、所定のプログラムを実行することにより、燃料の噴射を指令する駆動パルスVd を発生する駆動パルス発生手段を実現する。CPU11の電源端子11aは制御用直流電圧Ec を発生する図示しない制御用電源回路の正極側出力端子に接続され、該CPUの接地端子11bは図示しない制御用電源回路の負極側出力端子とともに接地電位部に接続されている。CPU11は、駆動パルスVd を発生する出力端子(非接地側出力端子)11cを有していて、駆動パルスVd が発生する際に出力端子11cの電位が高レベルになり、駆動パルスが発生していないときに出力端子11cが接地電位に保持されるようになっている。駆動パルスVd の波形は例えば図2(A)に示す通りである。
【0038】
12は内燃機関の吸気管内などの燃料噴射空間に燃料を噴射するように取り付けられるインジェクタ(電磁式燃料噴射器)、13はインジェクタ12の駆動電流Id を検出して駆動電流検出信号Vidを出力する駆動電流検出回路、14は駆動電流の指示値を与える指示信号Visを発生する指示信号発生回路、15は駆動電流検出信号Vid及び指示信号Visを入力として駆動パルスVd が与えられているときにインジェクタ12のソレノイドコイルに指示信号Visの大きさに相応した駆動電流を流すように該ソレノイドコイルへの通電を制御する通電制御回路である。
【0039】
インジェクタ12は、燃料噴射口を開閉する噴射弁と該噴射弁を開く際に駆動電流が与えられるソレノイドコイルLi とを有していて、ソレノイドコイルLi に所定のレベル以上の駆動電流Id が流れたときに噴射弁を開いて燃料を噴射する。なおRi はソレノイドコイルLi への通電回路の抵抗分を示している。
【0040】
インジェクタ12の一方の入力端子12aは駆動電圧Eb を発生する図示しない直流電源の正極側出力端子に接続され、他方の入力端子12bはNPNトランジスタTR1 のコレクタに接続されている。トランジスタTR1 のエミッタは抵抗値が十分に小さい電流検出用抵抗Ri を通して接地電位部に接続され、電流検出用抵抗Ri により、駆動電流検出回路13が構成されている。トランジスタTR1 のコレクタと接地間には、コンデンサCo と抵抗Ro との直列回路からなる保護回路16が接続されている。この保護回路16は、トランジスタTR1 がオフ状態になったときにインジェクタのソレノイドコイルに誘起する高電圧を吸収して、該高電圧からインジェクタ自身、及びトランジスタTR1 を保護する目的、及び高周波ノイズを吸収する目的で設けられているが、インジェクタに高電圧が誘起してもインジェクタ及びトランジスタTR1 が破損するおそれがない場合、及び高周波ノイズが問題にならない場合には、この保護回路を省略することができる。
【0041】
トランジスタTR1 のベースは制御信号出力用抵抗Rb を通して演算増幅器17の出力端子に接続され、演算増幅器17の逆相入力端子及び正相入力端子にそれぞれ駆動電流検出信号Vid及び指示信号Visが入力されている。
【0042】
図示の例では、トランジスタTR1 により、演算増幅器17から抵抗Rb を通して出力される信号を制御信号Vb として、ソレノイドコイルLi に制御信号Vb に比例した駆動電流Id を供給する駆動電流供給用増幅器18が構成されている。
【0043】
トランジスタTR1 のベース(増幅器18の制御信号入力端子)とCPU11の出力端子11c(駆動パルス発生手段の非接地側出力端子)との間に、カソードを出力端子11c側に向けた帰還ダイオードDf が接続されている。この帰還ダイオードDf は、駆動パルスVd が発生していないとき(CPUの出力端子11cが接地電位にあるとき)に制御信号Vb を駆動電流供給用増幅器の入力しきい値レベル未満の低レベルに保持するために設けられている。
【0044】
図示の例では、トランジスタTR1 からなる駆動電流供給用増幅器18と、演算増幅器17と、制御信号出力用抵抗Rb と、帰還ダイオードDf とにより、通電制御回路15が構成されている。
【0045】
指示信号発生回路14は、CPU(駆動パルス発生手段)11の出力端子11cに一端が接続された微分コンデンサC1 と、該微分コンデンサの他端に一端が接続された第1の抵抗R1 と、該第1の抵抗R1 と接地間に接続された第2の抵抗R2 と、微分コンデンサC1 の他端と接地間にアノードを接地側に向けて接続されたダイオードD1 とを有する微分回路14Aと、制御用直流電圧Ec を出力する制御用電源回路の正極側出力端子と第2の抵抗R2 の一端との間に接続された第3の抵抗R3 とを備えている。第2の抵抗R2 の非接地側端子(指示信号出力端子)が演算増幅器17の正相入力端子に接続されている。
【0046】
微分回路14Aは、駆動パルスVd の立上りを微分して、第1の抵抗R1 と第2の抵抗R2 との直列回路の両端に、図2(B)に示すような微分パルスVp を発生する。CPU11の出力端子11cの電位が接地電位にされて駆動パルスVd が消滅すると、コンデンサC1 の電荷がCPU11の出力端子11cと接地回路とダイオードD1 とを通して瞬時に放電するため、微分パルスVp は図2(B)に示したように瞬時に立ち下がる。このとき、微分パルスVp は、ダイオードD1 の順方向電圧降下(約0.6V)分だけマイナス側に変化する。
【0047】
また指示信号発生回路14においては、第3の抵抗R3 と第2の抵抗R2 とにより分圧回路が構成されているため、第2の抵抗R2 の両端には、該分圧回路により制御用直流電圧Ec (例えば5[V])を分圧したものに相当する電圧(ベース電圧)と微分回路14Aの出力信号とを重畳した信号が現れる。従って、第2の抵抗R2 の両端には、図2(C)に示したように、駆動パルスVd が発生したときに第1のレベルV1 までほぼ瞬時に立上った後徐々に低下して第2のレベルV2 に収束する波形の指示信号Visが発生する。
【0048】
本発明においては、指示信号Visの第1のレベルV1 を、噴射弁が開動作を開始する時の駆動電流Id のレベルよりも大きい値に設定された駆動電流のピーク値Idpに相当する大きさに等しくするように、駆動パルスVd のレベルを設定しておく。
【0049】
また指示信号Visが第1のレベルV1 から第2のレベルV2 に向って低下する際の時間的変化率が、ソレノイドコイルLi の両端の電圧をステップ状に低下させたときの駆動電流の時間的変化率(図8の時刻t3 からt4 の期間における駆動電流の変化率)よりも十分に小さくなるように、微分回路14Aの定数(コンデンサC1 の静電容量、及び抵抗R1 ,R2 の抵抗値)を設定しておく。
【0050】
更に、指示信号Visの第2のレベルV2 が、噴射弁を開状態に保持するために必要な駆動電流のホールド値Idhに相当する大きさになるように第2の抵抗R2 及び第3の抵抗R3 の抵抗値を設定する。
【0051】
図1のインジェクタ駆動制御装置において、駆動電流が流れておらず、駆動電流検出信号Vidが零になっている状態では、図2(E)に示すように演算増幅器17の出力電圧Vopが高レベルの状態になるが、駆動パルスVd が発生していない状態では、CPU11の出力端子11cの電位が零になっていて、トランジスタTR1 のベース(増幅器18の制御信号入力端子)の電位が該トランジスタの入力しきい値レベル未満に保持されているため、トランジスタTR1 は遮断状態にある。従って、駆動パルスVd が発生していない状態では、インジェクタ12の駆動電流Id が零になっている。CPU11が駆動パルスVd を発生すると、指示信号発生回路14が図2(C)に示すような指示信号Visを発生する。このとき演算増幅器17からトランジスタTR1 のベースに与えられる制御信号Vb のレベルが該トランジスタの入力しきい値レベル以上になるため、該トランジスタのコレクタエミッタ間の抵抗が低下し、インジェクタ12に駆動電流Id が流れる。駆動電流Id は指示信号Visのレベルの上昇に追従して上昇していき、指示信号Visのレベルがピークに達する時刻よりも僅かに遅れた時刻でピークに達した後、指示信号Visのレベルの低下に伴って低下していく。図2(D)に示したように、駆動電流Id の変化に伴って、駆動電流検出信号Vidのレベルが変化する。駆動パルスVd が消滅すると、トランジスタTR1 のベースの電位がダイオードDf とCPU11の接地回路とを通してしきい値レベル未満に低下させられるため、トランジスタTR1 が遮断状態になり、駆動電流Id が零になる。
【0052】
なお図2(D)においては、トランジスタTR1 が遮断状態になったときに駆動電流検出信号Vidが直ちに零になるように図示されているが、図1のように保護回路16が接続されている場合には、トランジスタTR1 が遮断状態になった後も保護回路16を通して電流が流れるので、駆動電流検出信号Vidの波形はトランジスタTR1 が遮断した後所定の時間をかけて減衰していく波形になる。
【0053】
上記のような制御を行わせると、図3(B)に示したように、時刻ta において立上る駆動パルスVd が与えられたときに、同図(A)に示したように駆動電流Id が急速に上昇し、時刻tb (>ta )においてピーク値Idpに達する。ピーク値Idpは噴射弁が開動作を開始する時の駆動電流のレベルよりも十分に大きく設定されているため、駆動電流Id がピーク値Idpに達するまでの間に噴射弁が開く。駆動パルスVd が時刻tg まで高レベルの状態を保持するものとすると、駆動電流Id は時刻tb から時刻tg にかけて、ゆっくりと低下していき、時刻tg に達するまでの間にホールド値Idhに収束する。
【0054】
駆動電流Id が図3(A)のような波形を呈する場合、噴射量を少なくするために駆動電流Id がピークに達する時刻tb で駆動パルスVd を零にしたとすると、駆動電流Id は図3(A)の鎖線bに沿って減少していき、時刻tbo(>tb )で零になる。時刻tboで駆動電流が零になった後、所定の遅れ時間ΔTが経過した後に噴射弁が閉動作を開始する。
【0055】
また図3において、駆動電流がピーク値からホールド値に向って低下していく過程の時刻tc (>tb )で駆動パルスVd が零にされたとすると、駆動電流Id は図3(A)の鎖線cに沿って低下していき、時刻tco(>tbo)で零になる。この時刻tcoから所定の遅れ時間が経過したときに噴射弁が閉動作を開始する。
【0056】
同様に、駆動パルスVd が零になる時刻がtd ,te 及びtf のように遅れていくと、駆動電流Id はそれぞれ図3(A)の鎖線d,e及びfに沿って減衰して時刻tdo,teo及びtfo(tfo>teo>tdo>tco>tbo)で零になり、これらの時刻tdo,teo及びtfoよりもそれぞれ所定の時間遅れた時刻に噴射弁の閉動作が開始される。
【0057】
このように本発明によれば、駆動電流がピーク値からホールド値に向けて低下していく過程で、駆動パルスが零にされた時に、駆動パルスが零になる時刻が遅ければ遅い程(駆動パルスのパルス幅が長ければ長い程)噴射弁が閉動作を開始する時刻が遅れるため、駆動パルスのパルス幅が増大すれば必ず噴射量が増加する特性を得ることができる。本発明による制御を行わせた場合、図9のA部付近における駆動電流Id と駆動パルスのパルス幅τとの関係は、図10の曲線bのようになり、同図の曲線aの上端部分(時刻t3 からt4 にかけての部分)のように、駆動パルスのパルス幅τが変化しても噴射量qが変化しないといった異常な状態が生じるのを防ぐことができる。従って、本発明によれば、制御に使用可能な最小噴射量を例えば図9及び図10のqmin ´まで低下させることができ、ダイナミックレンジqmax /qmin ´を大きくすることができる。
【0058】
上記の例では、トランジスタTR1 を能動領域で(増幅器として)使用して、指示信号Visと駆動電流検出信号Vidとの差に相応した制御信号によって該トランジスタを制御することにより、駆動電流Id を指示信号の変化に追従させて変化させるようにしているが、駆動電流をチョッパ制御するように構成することもできる。
【0059】
図4は駆動電流をチョッパ制御する場合の駆動制御装置の回路構成例を示したものである。同図において、11ないし13はそれぞれ図1の例で示したものと同様のCPU、インジェクタ及び駆動電流検出回路、14´は指示信号発生回路、15´は通電制御回路、19は駆動電圧制御用スイッチ回路である。
【0060】
インジェクタ12の一方の入力端子12aはPNPトランジスタTR2 のコレクタに接続され、他端はNPNトランジスタTR1 のコレクタに接続されている。この例では、トランジスタTR1 及びTR2 がスイッチ素子として用いられ、トランジスタTR1 のエミッタと接地間には駆動電流検出回路13を構成する電流検出用抵抗Ri が接続されている。トランジスタTR1 ベースは抵抗R4 を通してCPU11の出力端子11cに接続されている。
【0061】
トランジスタTR2 のエミッタは駆動電圧Eb を発生する電源に接続され、コレクタと接地間にはアノードを接地側に向けたダイオードD2 が接続されている。トランジスタTR2 のベースには、トランジスタTR2 のオンオフを制御するためのスイッチ素子として使われるNPNトランジスタTR3 のコレクタが抵抗R5 を通して接続され、該トランジスタのエミッタは接地されている。トランジスタTR3 のベースは抵抗R6 を通して比較回路CMの出力端子に接続され、該比較回路CMの出力端子は抵抗R7 を通して制御用直流電圧Ec を出力する図示しない制御用電源回路の正極側出力端子に接続されている。また比較回路CMの出力端子と非反転入力端子との間に帰還抵抗R8 が接続されている。比較回路CMの非反転入力端子及び反転入力端子にそれぞれ指示信号Vis及び駆動電流検出信号Vidが入力されている。比較回路CMは、指示信号Visが駆動電流検出信号Vidよりも大きいときにその出力電圧Vcmを高レベルにし、指示信号Visが駆動電流検出信号Vidよりも小さいときに出力電圧Vcmを低レベルにする。比較回路CMの出力電圧の変化は帰還抵抗R8 を通して該比較回路の非反転入力端子に伝えられるため、比較回路CMの出力電圧Vcmの変化に伴って指示信号Visのレベルが変化させられて、該比較回路CMの動作にヒステリシスが与えられる。
【0062】
図示の例では、トランジスタTR1 ,TR2 及びTR3 と抵抗R4 ,R5 及びR6 とにより、駆動電圧制御用スイッチ回路19が構成されている。このスイッチ回路は、ソレノイドコイルLi に駆動電圧Eb を印加するソレノイド駆動用電源(図示せず。)とソレノイドコイルLi との間に設けられていて、駆動パルスVd が発生している状態で比較回路CMの出力が高レベルの状態になったときにソレノイドコイルLi に駆動電圧Eb を印加し、駆動パルスVd が発生している状態で比較回路CMの出力が高レベルの状態になったとき及び駆動パルスVd が発生していないときにソレノイドコイルLi から駆動電圧Eb を除去するように、ソレノイドコイルLi に印加される電圧を制御する。
【0063】
また図4に示した例では、インジェクタ12−トランジスタTR1 のコレクタエミッタ間−抵抗R1 −ダイオードD2 −インジェクタ12の回路により、スイッチ回路19の動作によりインジェクタ12が電源から切り離されたときに、インジェクタのソレノイドコイルLi の誘起電圧により該ソレノイドコイルに駆動電流を流すスイッチオフ時駆動電流通電回路が構成されている。
【0064】
図4のインジェクタ駆動制御装置では、駆動電圧制御用スイッチ回路19と、上記スイッチオフ時駆動電流通電回路と、比較回路CMと、帰還抵抗R8 とにより、通電制御回路15´が構成されている。
【0065】
指示信号発生回路14´は、CPU11の出力端子11aに入力端子が接続された反転回路INVと、該反転回路INVの出力端子にアノードが接続されたダイオードD3 と、該ダイオードD3 のカソードに一端が接続された充電用抵抗R10と、該抵抗R10の他端と接地間に接続されたコンデンサC2 と、コンデンサC2 の非接地側端子に一端が接続された第1の放電用抵抗R11と、該第1の放電用抵抗R11の他端と接地間に接続された第2の放電用抵抗R12と、第1の放電用抵抗R11の他端と制御用直流電圧Ec を発生する制御用電源回路の正極側出力端子との間に接続されたベース電圧重畳用抵抗R13とからなっていて、第2の放電用抵抗R12の両端に指示信号Visを発生する。
【0066】
図4のインジェクタ駆動制御装置において、駆動パルスVd が発生していないときには、反転回路INVの出力電圧が高レベルの状態にあり、コンデンサC2 は該反転回路INVの出力電圧により、抵抗R10を通して充電されている。駆動パルスVd が発生すると、反転回路INVの出力電圧が零になるため、コンデンサC2 の電荷は抵抗R11及びR12を通して一定の時定数で放電していく。コンデンサC2 の放電が進み、コンデンサC2 の両端の電圧が放電用抵抗R11の両端の電圧降下と、制御用電源電圧Ec を抵抗R13とR12とにより分圧した電圧との和に相当するベース電圧Vo に等しくなるとコンデンサC2 の放電が停止する。駆動パルスVd が消滅すると反転回路INVの出力電圧が高レベルになるため、コンデンサC2 が再び充電される。従って、コンデンサC2 の両端には、図5(B)に示すように、駆動パルスVd が発生していないときに高レベルの状態を保ち、駆動パルスが発生しているときに徐々に低下して一定のレベルVo に収束する波形の電圧Vis´が発生する。このコンデンサC2 の両端の電圧Vis´から抵抗R11の両端の電圧降下を差し引いたものに相当する電圧が指示信号Visとして抵抗R12の両端に得られ、この指示信号が比較器CMの非反転入力端子に入力される。
【0067】
図4(C)に破線で示したように、この指示信号VisはコンデンサC2 の端子電圧Vis´の変化に追従して変化する波形の信号となる。また図示の例では、比較器CMの出力端子の電位の変化が帰還抵抗R8 を通して該比較器の非反転入力端子に伝えられるため、指示信号Visは、駆動電流検出信号Vidのレベルが指示信号Visのレベルを超えて比較器CMの出力電圧Vcmが低下する毎に低下させられ、駆動電流検出信号Vidのレベルが指示信号Visのレベルよりも低くなると復帰させられる。
【0068】
インジェクタのソレノイドコイルLi を流れる駆動電流が指示値よりも低く、駆動電流検出信号Vid(図5Cに実線で示した曲線)のレベルが指示信号Vis(図5Cに破線で示した曲線)のレベルよりも低いときには、図5(D)に示したように、比較回路CMの出力電圧Vcmが高レベルの状態にあるため、スイッチ回路19のトランジスタTR3 が導通する。これによりトランジスタTR2 にベース電流が与えられるため、該トランジスタTR2 が導通する。またCPU11が駆動パルスVd を発生している間はトランジスタTR1 が導通している。従って、トランジスタTR2 のエミッタコレクタ間とインジェクタ12とトランジスタTR1 のコレクタエミッタ間とを通して駆動電流Id が流れる。駆動電流Id が指示信号Visにより与えられる指示値を超えると、駆動電流検出信号Vidが指示信号Visを超えるため、比較回路CMの出力電圧Vcmが低レベルの状態になり、トランジスタTR3 及びTR2 が遮断状態になる。このときインジェクタ12のソレノイドコイルLi を流れる駆動電流Id はトランジスタTR1 のコレクタエミッタ間とダイオードD2 とを通して流れ、次第に減衰していく。比較回路CMの出力電圧が低レベルになると、帰還抵抗R8 の働きにより指示信号Visのレベルが低下するため、駆動電流検出信号Vidが指示信号Visよりも高い状態が一定時間の間継続し、トランジスタTR3 及びTR2 はしばらくの間遮断状態を保持する。駆動電流Id が指示信号Visにより与えられる指示値以下になると比較回路CMの出力電圧Vcm(図5D)が高レベルになるため、トランジスタTR3 及びTR2 が導通し、再び駆動電流Id が流れる。これらの動作の繰り返しにより、駆動電流Id が指示信号Visにより与えられる指示値に等しくなるように制御される。
【0069】
図4の例では、トランジスタTR2 がオンオフを繰り返して駆動電流を断続させながら指示値に等しくするように制御するため、駆動電流を制御するスイッチ素子(トランジスタTR1 及びTR2 )の内部損失を少なくすることができ、該スイッチ素子からの発熱を抑制することができる。
【0070】
なお図4の例では、帰還抵抗R8 の抵抗値によりトランジスタTR2 のオンデューティ比を変化させることができ、帰還抵抗R8 の抵抗値を大きくして帰還量を少なくしていくと、トランジスタTR2 のオンデューティ比が大きくなって、図1に示した駆動制御装置の動作に近付く。また、帰還抵抗R8 の抵抗値を小さくして帰還量を多くすると、トランジスタTR2 のオンデューティ比が小さくなって、駆動電流に含まれる脈動分が多くなるため、該駆動電流を滑らかに制御することができなくなる。駆動電流Id に含まれる脈動分をインジェクタの動作に支障を来さない範囲に制限し、かつトランジスタTR2 及びTR1 の内部損失をできるだけ少なくするように、帰還抵抗R8 の抵抗値を適当な値に設定しておく。
【0071】
上記の例では、図3(A)に示したように、駆動電流をピーク値まで上昇させた後、直ちにホールド値に向けて低下させるようにしたが、駆動電流をピーク値に一定時間保持した後に、ソレノイドコイルの両端の電圧がステップ状に低下させられたときの駆動電流の時間的変化率よりも小さな変化率で駆動電流をホールド値に向けて低下させるように制御する場合も本発明の範囲に包含される。
【0072】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、駆動電流がピーク値からホールド値まで低下する際の時間的変化率を、ソレノイドコイルの両端の電圧がステップ状に低下させられたときの駆動電流の時間的変化率よりも小さくするように制御することにより、駆動電流をピーク値からホールド値に向けてゆっくりと変化させるようにしたので、駆動パルスのパルス幅が縮小されて、駆動電流がピーク値からホールド値に移行する過程で駆動パルスが零にされる場合でも、駆動パルスのパルス幅の増加に伴って噴射量が増加する特性を得ることができる。そのため、制御に使うことができる最小噴射量を小さくすることができ、インジェクタのダイナミックレンジを大きくして噴射量制御の制御性を向上させることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる駆動制御方法を実施するために用いる駆動制御装置の構成例を示した回路図である。
【図2】図1の装置の各部の信号波形を示した波形図である。
【図3】本発明の制御方法を実施した場合にインジェクタのソレノイドコイルに流れる駆動電流の波形の一例を駆動パルスの波形の一例とともに示した波形図である。
【図4】本発明に係わる駆動制御方法を実施する駆動制御装置の他の構成例を示した回路図である。
【図5】図4の各部の信号波形を示した波形図である。
【図6】本発明で制御の対象とするインジェクタの構造の一例を示したもので、(A)及び(B)はそれぞれ同インジェクタの閉状態及び開状態を示した断面図である。
【図7】従来の方法によりインジェクタの通電を制御する場合の駆動パルスの波形と駆動電流の波形とを示した波形図である。
【図8】従来の方法によりインジェクタの通電を制御する場合の駆動電流波形と駆動パルスの波形と噴射弁の挙動とを示す波形図である。
【図9】燃料の噴射を指令する駆動パルスが与えられた時にインジェクタから噴射される燃料の噴射量と駆動パルスのパルス幅との関係の一例を示した線図である。
【図10】図9のA部を拡大して示した線図である。
【符号の説明】
11 CPU
12 インジェクタ
13 駆動電流検出回路
14,14´ 指示信号発生回路
14A 微分回路
15,15´ 通電制御回路
17 演算増幅器
18 駆動電流供給用増幅器
19 駆動電圧制御用スイッチ回路
Li インジェクタのソレノイドコイル
TR1 〜TR3 トランジスタ
C1 ,C2 コンデンサ
CM 比較回路
INV 反転回路
Vd 駆動パルス
Id 駆動電流
Vid 駆動電流検出信号
Vip 駆動電流のピーク値
Vih 駆動電流のホールド値
Vis 指示信号

Claims (6)

  1. 燃料噴射口を開閉する噴射弁と該噴射弁を開く際に駆動電流が与えられるソレノイドコイルとを有する内燃機関用インジェクタを、燃料の噴射を指令する駆動パルスに応答して制御する内燃機関用インジェクタの駆動制御方法において、
    前記駆動パルスが与えられたときに前記ソレノイドコイルの両端の電圧をステップ状に上昇させることにより該ソレノイドコイルに流れる駆動電流を前記噴射弁が開動作を開始するレベルよりも大きな値に設定されたピーク値まで増大させた後、前記駆動電流を、前記ソレノイドコイルの両端の電圧が前記ピーク値からステップ状に低下させられたときの該駆動電流の時間的変化率よりも小さな変化率で、前記噴射弁を開状態に保持するために必要なホールド値に向けて徐々に低下させ、前記駆動パルスの消滅時に前記ソレノイドコイルの両端の電圧をステップ状に低下させて前記駆動電流を消滅させることを特徴とする内燃機関用インジェクタの駆動制御方法。
  2. 燃料噴射口を開閉する噴射弁と該噴射弁を開く際に駆動電流が与えられるソレノイドコイルとを有する内燃機関用インジェクタの前記駆動電流を検出して駆動電流検出信号を出力する駆動電流検出回路と、前記駆動電流の指示値を与える指示信号を発生する指示信号発生回路と、前記駆動電流検出信号及び指示信号を入力として燃料の噴射を指令する駆動パルスが与えられているときに前記ソレノイドコイルに指示信号の大きさに相応した駆動電流を流すように該ソレノイドコイルへの通電を制御する通電制御回路とを備えた内燃機関用インジェクタの駆動制御装置において、
    前記指示信号発生回路は、前記駆動パルスが発生したときに第1のレベルまで立ち上った後、前記ソレノイドコイルの両端の電圧がステップ状に低下させられたときの前記駆動電流の時間的変化率よりも小さな変化率で徐々に低下して最終的には第2のレベルに収束する波形の信号を前記指示信号として出力するように構成され、
    前記指示信号の第1のレベルは前記噴射弁が開動作を開始する時の駆動電流のレベルよりも大きい値に設定された駆動電流のピーク値に相当する大きさに設定され、
    前記指示信号の第2のレベルは、前記噴射弁を開状態に保持するために必要な駆動電流のホールド値に相当する大きさに設定されていることを特徴とする内燃機関用インジェクタの駆動制御装置。
  3. 燃料噴射口を開閉する噴射弁と該噴射弁を開く際に駆動電流が与えられるソレノイドコイルとを有する内燃機関用インジェクタの前記駆動電流を検出して駆動電流検出信号を出力する駆動電流検出回路と、前記駆動電流の指示値を与える指示信号を発生する指示信号発生回路と、前記駆動電流検出信号及び指示信号を入力として燃料の噴射を指令する駆動パルスが与えられているときに前記ソレノイドコイルに指示信号の大きさに相応した駆動電流を流すように該ソレノイドコイルへの通電を制御する通電制御回路とを備えた内燃機関用インジェクタの駆動制御装置において、
    前記指示信号発生回路は、前記駆動パルスの立上りを微分する微分回路と該微分回路の出力に一定のベース電圧を重畳するベース電圧重畳回路とを有して、前記駆動パルスが発生したときに第1のレベルまでほぼ瞬時に立上った後徐々に低下して第2のレベルに収束する波形の信号を前記指示信号として発生するように構成され、
    前記指示信号の第1のレベルを、前記噴射弁が開動作を開始する時の前記駆動電流のレベルよりも大きく設定された駆動電流のピーク値に相当する大きさに等しくするように、前記駆動パルスのレベルが設定され、
    前記指示信号が第1のレベルから第2のレベルに向って低下する際の時間的変化率が、前記ソレノイドコイルの両端の電圧をステップ状に低下させたときの前記駆動電流の時間的変化率よりも小さくなるように前記微分回路の定数が設定され、
    前記指示信号の第2のレベルが、前記噴射弁を開状態に保持するために必要な駆動電流のホールド値に相当する大きさになるように前記ベース電圧の大きさが設定されていることを特徴とする内燃機関用インジェクタの駆動制御装置。
  4. 燃料の噴射を指令する駆動パルスを発生する駆動パルス発生手段と、燃料噴射口を開閉する噴射弁と該噴射弁を開く際に駆動電流が与えられるソレノイドコイルとを有する内燃機関用インジェクタの前記駆動電流を検出して駆動電流検出信号を出力する駆動電流検出回路と、前記駆動電流の指示値を与える指示信号を発生する指示信号発生回路と、前記駆動電流検出信号及び指示信号を入力として前記駆動パルスが与えられているときに前記ソレノイドコイルに指示信号の大きさに相応した駆動電流を流すように該ソレノイドコイルへの通電を制御する通電制御回路とを備えた内燃機関用インジェクタの駆動制御装置において、
    前記駆動パルス発生手段は、負極側出力端子が接地された電源回路の正極側出力端子に接続された電源端子と接地側の出力端子と非接地側の出力端子とを有して、駆動パルスを発生する際に非接地側の出力端子の電位が高レベルになり、駆動パルスが発生していないときに非接地側の出力端子が接地電位に保持されるように構成され、
    前記指示信号発生回路は、前記駆動パルス発生手段の非接地側出力端子に一端が接続された微分コンデンサと該微分コンデンサの他端に一端が接続された第1の抵抗と該第1の抵抗と接地間に接続された第2の抵抗とを有して該第1の抵抗と第2の抵抗との直列回路の両端に微分パルスを発生する微分回路と、前記電源回路の正極側出力端子と前記第2の抵抗の一端との間に接続された第3の抵抗とを備えていて、前記駆動パルスが発生したときに第1のレベルまでほぼ瞬時に立上った後徐々に低下して第2のレベルに収束する波形の信号を前記指示信号として前記第2の抵抗の両端に発生するように構成され、
    前記指示信号の第1のレベルを、前記噴射弁が開動作を開始する時の駆動電流のレベルよりも大きい値に設定された駆動電流のピーク値に相当する大きさに等しくするように、前記駆動パルスのレベルが設定され、
    前記指示信号が第1のレベルから第2のレベルに向って低下する際の時間的変化率が、前記ソレノイドコイルの両端の電圧をステップ状に低下させたときの前記駆動電流の時間的変化率よりも小さくなるように、前記微分回路の定数が設定され、
    前記指示信号の第2のレベルが、前記噴射弁を開状態に保持するために必要な駆動電流のホールド値に相当する大きさになるように前記第2の抵抗及び第3の抵抗の抵抗値が設定されていることを特徴とする内燃機関用インジェクタの駆動制御装置。
  5. 前記通電制御回路は、前記指示信号及び駆動電流検出信号がそれぞれ正相入力端子及び逆相入力端子に入力された演算増幅器と、前記演算増幅器から出力される信号を制御信号として前記ソレノイドコイルに前記制御信号に比例した駆動電流を供給する駆動電流供給用増幅器と、前記駆動電流供給用増幅器の制御信号入力端子と前記駆動パルス発生手段の非接地側出力端子との間にカソードを該非接地側出力端子側に向けて接続されて前記駆動パルスが発生していないときに前記制御信号を前記駆動電流供給用増幅器の入力しきい値レベル未満の低レベルに保持する帰還ダイオードとを備えていることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関用インジェクタの駆動制御装置。
  6. 燃料噴射口を開閉する噴射弁と該噴射弁を開く際に駆動電流が与えられるソレノイドコイルとを有する内燃機関用インジェクタの前記駆動電流を検出して駆動電流検出信号を出力する駆動電流検出回路と、前記駆動電流の指示値を与える指示信号を発生する指示信号発生回路と、前記駆動電流検出信号及び指示信号を入力として燃料の噴射を指令する駆動パルスが与えられているときに前記ソレノイドコイルに指示信号の大きさに相応した駆動電流を流すように該ソレノイドコイルへの通電を制御する通電制御回路とを備えた内燃機関用インジェクタの駆動制御装置において、
    前記指示信号発生回路は、前記駆動パルスを反転する反転回路と、前記反転回路の出力が高レベルに立上ったときに第1のレベルまで充電されるコンデンサと前記コンデンサの電荷を抵抗を通して一定の時定数で放電させる放電回路とを有して、前記駆動パルスが発生したときに第1のレベルから徐々に低下して第2のレベルに収束した後前記駆動パルスが消滅したときに前記第1のレベルに向けて上昇する波形の信号を前記指示信号として前記放電回路を構成する抵抗の両端に発生するように構成され、
    前記通電制御回路は、前記指示信号及び駆動電流検出信号がそれぞれ非反転入力端子及び反転入力端子に入力されて前記指示信号が駆動電流検出信号よりも大きいときに高レベルの出力を発生し、前記指示信号が駆動電流検出信号よりも小さいときに低レベルの出力を発生する比較回路と、前記比較回路の出力端子と非反転入力端子との間に接続された帰還用抵抗と、前記ソレノイドコイルに印加する駆動電圧を出力するソレノイド駆動用電源と前記ソレノイドコイルとの間に設けられて前記駆動パルスが発生している状態で前記比較回路の出力が高レベルの状態になったときに前記ソレノイドコイルに駆動電圧を印加し、前記駆動パルスが発生している状態で前記比較回路の出力が低レベルの状態になったとき及び前記駆動パルスが発生していないときに前記ソレノイドコイルから駆動電圧を除去するように前記ソレノイドコイルに印加される電圧を制御する駆動電圧制御用スイッチ回路と、前記駆動電圧制御用スイッチ回路がオフ状態になったときに前記ソレノイドコイルの誘起電圧で該ソレノイドコイルに駆動電流を流すスイッチオフ時駆動電流通電回路とを備えてなり、
    前記指示信号の第1のレベルを、前記噴射弁が開動作を開始する時の駆動電流のレベルよりも大きい値に設定された駆動電流のピーク値に相当する大きさに等しくするように、前記反転回路の出力レベルが設定され、
    前記指示信号が第1のレベルから第2のレベルに向って低下する際の時間的変化率を、前記ソレノイドコイルの両端の電圧がステップ状に低下させられたたときの前記駆動電流の時間的変化率よりも小さくするように、前記放電回路の時定数が設定され、
    前記指示信号の第2のレベルは、前記噴射弁を開状態に保持するために必要な駆動電流のホールド値に相当する大きさに設定されていることを特徴とする内燃機関用インジェクタの駆動制御装置。
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