JP3932474B2 - 電磁式燃料噴射装置及び内燃機関 - Google Patents

電磁式燃料噴射装置及び内燃機関 Download PDF

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    • F02D2200/50Input parameters for engine control said parameters being related to the vehicle or its components
    • F02D2200/503Battery correction, i.e. corrections as a function of the state of the battery, its output or its type

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁式燃料噴射装置及び内燃機関に係り、特に、バッテリ電圧で直接駆動される電磁式燃料噴射装置及びこの燃料噴射装置を搭載した内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関、例えば、自動車などの車両に搭載される燃料噴射装置として、電磁式燃料噴射装置が知られている。この電磁式燃料噴射装置には電磁式燃料噴射弁(以下、インジェクタと称する。)は、燃料噴射孔を有するノズルと、ノズル内に往復動自在に挿入されて先端側にバルブ(弁体)が形成されたプランジャと、プランジャに閉弁方向の弾性力を与えるリターンスプリングと、バッテリから電力の供給を受けてプランジャに開弁方向の電磁力を与えるコイルを備えており、コイルに通電することにより、プランジャが吸引されてバルブが燃料噴射孔の弁座から離れ、燃料が燃料噴射孔から噴射されるようになっている。一方コイルへの通電が中止されると、コイルによる磁気吸引力が減衰し、リターンスプリングの弾性力によってバルブが閉じるように構成されている。
【0003】
インジェクタによる噴射量は、開弁指令時間により制御されるが、一般に、開弁指令時間、閉弁指令時間に対して、バルブの応答遅れが存在し、開弁指令時間と噴射量との関係を示す燃料噴射量特性において直線性が完全には成立しない領域が発生する。このため、インジェクタとしては、直線性が広い範囲で成立していることが要求されるが、低燃費を狙った内燃機関に搭載されるインジェクタは少ない燃料を正確に噴射する必要があり、短い開弁指令時間に対する直線性が重要である。このためインジェクタを駆動するに際して各種の駆動方式が提案されている。
【0004】
例えば、インジェクタ及びその駆動方式として、「電子制御ガソリン噴射(藤沢・小林;昭和62年・山海堂)」に記載されているように、サチュレーティッド方式(電圧駆動)とピークホールド方式(電流駆動)がよく知られている。
【0005】
サチュレーティッド方式は、一般に、コイル巻数も多く、駆動電流は、バルブがリフトを終了しても増加を続け、コイル内部抵抗及び駆動回路内の抵抗によって制限される飽和電流値に近づくようになっている。また回路インピーダンスは、ピークホールド方式に比べて高く、インダクタンスの影響により、コイルに流れる電流の立ち上がりは緩やかである。そしてコイルの内部抵抗および駆動回路内の抵抗を調整することにより、飽和電流値を適当に設定しておけば、電流制御回路を設ける必要もなく、安価なもので構成することができる。
【0006】
一方、ピークホールド方式は、コイル巻数が少なく、回路インダクタンス、回路インピーダンスが低く、開弁時の電流の立ち上がりは、サチュレーティッド方式に比べて速い。しかし、この方式においては、コイルのインダクタンスやインピーダンスが低いため、コイルに一定の状態で通電し続けるとコイルに過電流が流れてコイルが焼損することがある。このため、この方式においては、駆動回路内に電流制限機構を設け、コイルに流れる電流が予め設定されたた値(設定ピーク電流値)になったときには、コイルへの電圧印加デューティを100%から下げることにより、開弁保持に必要な値に電流を制限することが行なわれている。
【0007】
上述した二つの方式を比較すると、開弁指令時間に対する噴射量の直線性を低噴射領域においても実現するためには、電流の応答性が高いピークホールド方式を採用する場合が多い。
【0008】
例えば、特開平6−241137号公報に記載されているように、燃料圧力を検出し、燃料圧力に応じて目標ピーク電流値を大きくしたり、電流値の切替タイミングを延長し、弁体に加わる負荷変動に対して磁気吸引力、すなわち駆動力を調整する電磁式燃料噴射装置が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平6−241137号公報に開示されている燃料噴射装置はバッテリ電圧で直接駆動されるものではなく、昇圧回路、低電圧回路を備えており、駆動電気回路系の変化に対する配慮がなされていない。
【0010】
すなわち、バッテリ電圧で直接駆動される電磁式燃料噴射装置においては、弁体に加わる負荷変動のみならず、始動時や電気負荷が急変した際のバッテリ電圧の低下、コイルを含めたハーネス抵抗の経年変化あるいは発熱による抵抗増加など、バッテリ、コイル、ハーネスなどで構成される電気回路に生じる変化を考慮する必要がある。
【0011】
例えば、バッテリ電圧が低下すると、コイルにバッテリ電圧を印加しても、コイルの電流が予め設定されたピーク電流値に到達する時間が遅れる。しかも、バッテリ電圧が大幅に低下すると、コイルの電流が設定ピーク電流に到達できない可能性も生じる。
【0012】
また、電磁式燃料噴射装置においては、コイルに電圧を印加すると、コイルの電流がコイルのインダクタンス成分により遅れを生じるが、渦電流の影響により、投入された起磁力(電流とコイル巻数との積)と磁気吸引力との間にも遅れを生じる。この遅れは、ある種の積分フィルタとなるので、磁気吸引力を適切な値とし、低噴射領域まで直線性を得るためには、ピーク電流値のみではなく、通電時間も考慮する必要がある。
【0013】
すなわち、従来技術においては、ピークホールド方式を採用するに際して、バッテリ電圧で直接駆動する方式でないため、バッテリ、コイル、ハーネルなどで構成される電気回路に生じる変化に対して、各条件で噴射量の直線性を得るために最適な構成になっていない。
【0014】
本発明の第1の目的は、バッテリ電圧が変化しても噴射量の直線性を維持することができる電磁式燃料噴射装置及び内燃機関を提供することにある。
【0015】
本発明の第2の目的は、回路抵抗が変化しても噴射量の直線性を維持することができる電磁式燃料噴射装置緒内燃機関を提供することにある。
【0016】
本発明の第3の目的は、燃料圧力が変化しても噴射量の直線性を維持することができる電磁式燃料噴射装置及び内燃機関を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記第1の目的を達成するために、本発明は、燃料通路に接続された筒体として構成されて前記筒体の燃料噴射孔から燃料を噴射するノズルと、このノズル内に配置されて前記燃料噴射孔を開閉する弁体と、この弁体に閉弁方向の弾性力を与える弾性体と、バッテリから電力の供給を受けて前記弁体に前記閉弁方向の弾性力に抗して開弁方向の電磁力を与えるコイルと、前記バッテリの電圧を検出する電圧検出手段と、前記コイルに流れる電流を検出する電流検出手段と、前記バッテリの電圧に応じた目標ピーク電流値を記憶する電流値記憶手段と、噴射指令パルスに応答して前記電圧検出手段の検出電圧と前記電流検出手段の検出電流を基に前記コイルに対する通電を制御する通電制御手段とを備え、前記通電制御手段は、前記噴射指令パルスに応答して前記コイルへの通電を開始するとともに前記電圧検出手段の検出電圧に応じた目標ピーク電流値を前記電流値記憶手段から取り込みこの目標ピーク電流値と前記電流検出手段の検出電流とを比較して両者の電流値が一致したことを条件に前記コイルに対する電流を前記目標ピーク電流値より小さい保持電流に制御してなる電磁式燃料噴射装置を構成したものである。
【0018】
前記電磁式燃料噴射装置を構成するに際しては、以下の要素を付加することができる。
【0019】
(1)前記電流値記憶手段は、前記バッテリの電圧の低下に応じて電流値が小さくなる目標ピーク電流値を記憶してなる。
【0020】
第2の目的を達成するために、本発明は、燃料通路に接続された筒体として構成されて前記筒体の燃料噴射孔から燃料を噴射するノズルと、このノズル内に配置されて前記燃料噴射孔を開閉する弁体と、この弁体に閉弁方向の弾性力を与える弾性体と、バッテリから電力の供給を受けて前記弁体に前記閉弁方向の弾性力に抗して開弁方向の電磁力を与えるコイルと、前記バッテリと前記コイルとを結ぶ通電回路の回路抵抗と前記コイルの抵抗とを含む合成抵抗を検出する合成抵抗検出手段と、前記コイルに流れる電流を検出する電流検出手段と、前記合成抵抗に応じた目標ピーク電流値を記憶する電流値記憶手段と、噴射指令パルスに応答して前記合成抵抗検出手段の検出抵抗と前記電流検出手段の検出電流を基に前記コイルに対する通電を制御する通電制御手段とを備え、前記通電制御手段は、前記噴射指令パルスに応答して前記コイルへの通電を開始するとともに前記合成抵抗検出手段の検出抵抗に応じた目標ピーク電流値を前記電流値記憶手段から取り込みこの目標ピーク電流値と前記電流検出手段の検出電流とを比較して両者の電流値が一致したことを条件に前記コイルに対する電流を前記目標ピーク電流値より小さい保持電流に制御してなる電磁式燃料噴射装置を構成したものである。
【0021】
前記電磁式燃料噴射装置を構成するに際しては、以下の要素を付加することができる。
【0022】
(1)前記電流値記憶手段は、前記合成抵抗の抵抗値の増加に応じて電流値が小さくなる目標ピーク電流値を記憶してなる。
【0023】
また、第3の目的を達成するために、本発明は、燃料通路に接続された筒体として構成されて前記筒体の燃料噴射孔から燃料を噴射するノズルと、このノズル内に配置されて前記燃料噴射孔を開閉する弁体と、この弁体に閉弁方向の弾性力を与える弾性体と、バッテリから電力の供給を受けて前記弁体に前記閉弁方向の弾性力に抗して開弁方向の電磁力を与えるコイルと、前記燃料通路内の燃料の圧力を検出する燃料圧力検出手段と、前記コイルに流れる電流を検出する電流検出手段と、前記燃料通路内の燃料の圧力に応じた目標ピーク電流値を記憶する電流値記憶手段と、噴射指令パルスに応答して前記燃料圧力検出手段の検出圧力と前記電流検出手段の検出電流を基に前記コイルに対する通電を制御する通電制御手段とを備え、前記通電制御手段は、前記噴射指令パルスに応答して前記コイルへの通電を開始するとともに前記燃料圧力検出手段の検出圧力に応じた目標ピーク電流値を前記電流値記憶手段から取り込みこの目標ピーク電流値と前記電流検出手段の検出電流とを比較して両者の電流値が一致したことを条件に前記コイルに対する電流を前記目標ピーク電流値より小さい保持電流に制御してなる電磁式燃料噴射装置を構成したものである。
【0024】
前記電磁式燃料噴射装置を構成するに際しては、以下の要素を付加することができる。
【0025】
(1)前記電流値記憶手段は、前記燃料通路内の燃料の圧力の増加に応じて電流値が大きくなる目標ピーク電流値を記憶してなる。
【0026】
また、第1の目的を達成するために、本発明は、燃料通路に接続された筒体として構成されて前記筒体の燃料噴射孔から燃料を噴射するノズルと、このノズル内に配置されて前記燃料噴射孔を開閉する弁体と、この弁体に閉弁方向の弾性力を与える弾性体と、バッテリから電力の供給を受けて前記弁体に前記閉弁方向の弾性力に抗して開弁方向の電磁力を与えるコイルと、前記バッテリの電圧を検出する電圧検出手段と、前記バッテリの電圧に応じた目標切り替えタイミングを記憶するタイミング記憶手段と、噴射指令パルスに応答して前記電圧検出手段の検出電圧を基に前記コイルに対する通電を制御する通電制御手段とを備え、前記通電制御手段は、前記噴射指令パルスに応答して前記コイルへの通電を開始するとともに通電開始からの経過時間を計測しかつ前記電圧検出手段の検出電圧に応じた目標切り替えタイミングを前記タイミング記憶手段から取り込みこの目標切り替えタイミングと前記計測時間とを比較して両者の時間が一致したことを条件に前記コイルに対する電流を現時点におけるコイル電流値より小さい保持電流に制御してなる電磁式燃料噴射装置を構成したものである。
【0027】
前記電磁式燃料噴射装置を構成するに際しては、以下の要素を付加することが出来る。
【0028】
(1)前記タイミング記憶手段は、前記バッテリの電圧の低下に応じて遅くなる目標切り替えタイミングを記憶してなる。
【0029】
また、第2の目的を達成するために、本発明は、燃料通路に接続された筒体として構成されて前記筒体の燃料噴射孔から燃料を噴射するノズルと、このノズル内に配置されて前記燃料噴射孔を開閉する弁体と、この弁体に閉弁方向の弾性力を与える弾性体と、バッテリから電力の供給を受けて前記弁体に前記閉弁方向の弾性力に抗して開弁方向の電磁力を与えるコイルと、前記バッテリと前記コイルとを結ぶ通電回路の回路抵抗と前記コイルの抵抗とを含む合成抵抗を検出する合成抵抗検出手段と、前記合成抵抗に応じた目標切り替えタイミングを記憶するタイミング記憶手段と、噴射指令パルスに応答して前記合成抵抗出手段の検出抵抗を基に前記コイルに対する通電を制御する通電制御手段とを備え、前記通電制御手段は、前記噴射指令パルスに応答して前記コイルへの通電を開始するとともに通電開始からの経過時間を計測しかつ前記合成抵抗検出手段の検出抵抗に応じた目標切り替えタイミングを前記タイミング記憶手段から取り込みこの目標切り替えタイミングと前記計測時間とを比較して両者の時間が一致したことを条件に前記コイルに対する電流を現時点におけるコイル電流値より小さい保持電流に制御してなる電磁式燃料噴射装置を構成したものである。
【0030】
前記電磁式燃料噴射装置を構成するに際しては、以下の要素を付加することができる。
【0031】
(1)前記タイミング記憶手段は、前記合成抵抗の抵抗値の増加に応じて遅くなる目標切り替えタイミングを記憶してなる。
【0032】
また、第3の目的を達成するために、本発明は、燃料通路に接続された筒体として構成されて前記筒体の燃料噴射孔から燃料を噴射するノズルと、このノズル内に配置されて前記燃料噴射孔を開閉する弁体と、この弁体に閉弁方向の弾性力を与える弾性体と、バッテリから電力の供給を受けて前記弁体に前記閉弁方向の弾性力に抗して開弁方向の電磁力を与えるコイルと、前記燃料通路内の燃料の圧力を検出する燃料圧力検出手段と、前記燃料通路内の燃料の圧力に応じた目標切り替えタイミングを記憶するタイミング記憶手段と、噴射指令パルスに応答して前記燃料圧力検出手段の検出圧力を基に前記コイルに対する通電を制御する通電制御手段とを備え、前記通電制御手段は、前記噴射指令パルスに応答して前記コイルへの通電を開始するとともに通電開始からの経過時間を計測しかつ前記燃料圧力検出手段の検出圧力に応じた目標切り替えタイミングを前記タイミング記憶手段から取り込みこの目標切り替えタイミングと前記計測時間とを比較して両者の時間が一致したことを条件に前記コイルに対する電流を現時点におけるコイル電流値より小さい保持電流に制御してなる電磁式燃料噴射装置を構成したものである。
【0033】
前記電磁式燃料噴射装置を構成するに際しては、以下の要素を付加することができる。
【0034】
(1)前記タイミング記憶手段は、前記燃料通路内の燃料の圧力の増加に応じて遅くなる目標切り替えタイミングを記憶してなる。
【0035】
前記各電磁式燃料噴射装置を構成するに際しては、以下の要素を付加することができる。
【0036】
(1)前記バッテリの電圧が定格電圧にあることを条件に設定された燃料噴射指令パルスのパルス幅を前記電圧検出手段の検出電圧に応じて補正し補正された燃料噴射指令パルスを前記通電制御手段に出力するパルス補正手段を備えてなる。
【0037】
(2)前記合成抵抗の抵抗値が設定値にあることを条件に設定された燃料噴射指令パルスのパルス幅を前記合成抵抗検出手段の検出抵抗に応じて補正し補正された燃料噴射指令パルスを前記通電制御手段に出力するパルス補正手段を備えてなる。
【0038】
(3)前記燃料通路内の燃料の圧力が設定値にあることを条件に設定された燃料噴射指令パルスのパルス幅を前記燃料圧力検出手段の検出圧力に応じて補正し補正された燃料噴射指令パルスを前記通電制御手段に出力するパルス補正手段を備えてなる。
【0039】
また、本発明は、ピストンを往復動自在に収納するシリンダと、このシリンダ内に空気を導入する吸気装置と、前記シリンダ内の排気ガスを前記シリンダ外に排出する排気装置と、前記シリンダ内に燃料を導入する燃料噴射装置と、前記シリンダ内の燃料を点火させる点火装置とを備えている内燃機関において、前記燃料噴射装置として、前記いずれかの電磁式燃料噴射装置を備えてなる内燃機関を構成したものである。
【0040】
前記した手段によれば、バッテリ電圧が変化したとき、バッテリ電圧に応じた目標ピーク電流値を選択し、コイルの電流が目標ピーク電流値になったときに保持電流に切り替えたり、あるいはバッテリ電圧に応じた目標切り替えタイミングを選択し、通電開始からの経過時間が目標切り替えタイミングになった時点でこの時点におけるコイル電流値よりも小さい保持電流をコイルに流すようにしたりしたため、不必要に長い間コイルにピーク電流が流れ続けて過大な吸引力がコイルから発生するのを防止することができ、噴射量特性の直線性を最適な状態に維持することが可能になる。
【0041】
また、バッテリとコイルとを結ぶ通電回路の回路抵抗とコイルの抵抗とを含む合成抵抗(ハーネス抵抗)が変化したときには、この合成抵抗に応じた目標ピーク電流値を選択し、コイルの電流が目標ピーク電流値になったときに保持電流に切り替えるようにしたり、あるいは合成抵抗に応じた目標切り替えタイミングを選択し、コイルへの通電開始からの経過時間が、選択した目標切り替えタイミングになったときに現時点におけるコイル電流値よりも小さい保持電流をコイルに流すようにしたりしたため、不必要に長い間コイルに電流が流れ続けて過大な吸引力がコイルから発生するのを防止することができ、噴射量特性の直線性を最適な状態に維持することが可能になる。
【0042】
また、燃料通路内の燃料の圧力が変化したときには、燃料の圧力に応じた目標ピーク電流値を選択し、コイルへの通電後、コイルの電流が目標ピーク電流値になった時点で保持電流に切り替えたり、あるいは燃料通路内の燃料の圧力に応じた目標切り替えタイミングを選択し、コイルへの通電開始からの経過時間が、目標切り替えタイミングになった時点で現時点におけるコイル電流値よりも小さい保持電流に切り替えたりしたため、不必要に長い間コイルに電流が流れ続けて過大な吸引力がコイルから発生するのを防止することができ、噴射量特性の直線性を最適な状態に維持することが可能になる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示す電磁式燃料噴射装置の全体構成図である。図1において、内燃機関、例えば、自動車などの車両に搭載される電磁式燃料噴射装置はインジェクタ10を備えており、このインジェクタ10には、燃料タンク12内の燃料が燃料ポンプ14の駆動により燃料通路16を介して供給されているとともに、バッテリ18から直流電力が供給されるようになっている。そしてインシェクタ10に内蔵されたコイル20が通電されたときに、燃料通路16からの燃料をエンジン(図示省略)に噴射するように構成されている。
【0044】
具体的には、インジェクタ10は、図2(a)に示すように、燃料通路16に接続された筒状のインジェクタ本体22、本体22の内周側に挿入された筒状のガイド24、ガイド24端部外周に固定されたボビン26、ボビン26に装着されたコイル20、コイル20の外周側を囲む筒状のコア28、コア28の先端側にコア28と一体的に形成されたヨーク30、ヨーク30の内周側に固定された筒状のノズル32、ノズル32内に往復動自在に挿入されたプランジャ34、プランジャ34に隣接して配置されたリターンスプリング36を備えており、コイル20がターミナル38を介してバッテリ18に接続されている。ノズル32の先端側には燃料噴射孔40が形成されており、燃料噴射孔40は円錐状のバルブ(弁体)42により開閉されるようになっており、このバルブ42はプランジャ34の先端側に一体となって形成されている。そしてバルブ42は、弾性体としてのリターンスプリング36から閉弁方向の弾性力を受けてシート面(弁座面)44を閉じるようになっている。プランジャ34の先端側中ほどには燃料微粒化のためのスワーラ46が設けられている。そして、コイル20にバッテリ18からの電圧が印加されてコイル20が通電されると、コイル20から磁束が発生し、ヨーク30、コア28とプランジャ34とを結ぶ磁路が形成され、コア28、ヨーク30とプランジャ34との間に吸引力(電磁力)が発生し、この吸引力によりバルブ42には閉弁方向の弾性力に抗して、閉弁方向の力が与えられ、バルブ42がシート面44から離れ、燃料が燃料噴射孔40から噴射されるようになっている。なお、コイル20とコア28は、図2(b)に示すような等価回路モデルで表わすことができる。
【0045】
上記構成によるインジェクタ10において、その開弁時には、リターンスプリング36によるセット荷重と、加圧された燃料による燃圧(燃料の圧力)がバルブ42に働くため、開弁保持時に比べて大きな電磁吸引力が要求される。この電磁吸引力が、セット荷重や燃圧を含む力に打ち勝つ大きさに到達した時点で、初めてプランジャ34が変位を始めることになる。したがって、コイル20から電磁吸引力を発生させるのに必要な時間は、バルブ42の開弁遅れに影響を及ぼすため、できるだけ短くする必要がある。すなわち、コイル20には電流を急速に流す必要がある。そこで、本実施形態におけるインジェクタ10には、ピークホールド方式が採用されており、コイル20の抵抗、インダクタンスはともに小さい値に設定されている。
【0046】
一方、バルブ42の開弁保持動作においては、バルブ42の開弁時に比べて大きな起磁力でバルブ42を開状態に保持できる。これは、バルブ42の開弁により燃料噴射孔40から燃料が噴射され、バルブ42の前後で圧力がバランスし、燃圧による力が小さくなると同時に、コア28、ヨーク30とプランジャ34とのエアギャップが小さくなるため、このエアギャップの磁束密度が上昇し、起磁力を有効に使えるためである。さらに、バルブ42の開弁保持に続く閉弁時は、コイル20への電圧印加を中止することにより、開弁保持時の起磁力が低下し、この起磁力の低下にともなって、この起磁力がリターンスプリング36のセット荷重以下になると、閉弁動作が開始されるが、開弁保持時の起磁力が大きすぎると、閉弁遅れにつながる。したがって、開弁保持時には、保持限界に近い低い電流でバルブ42を保持する必要がある。しかも、コイル20の抵抗、インダクタンスは小さい値に設定されているため、バッテリ電圧が一定のままコイル10に印加され続けると、コイル20に過大な電流が流れ、応答遅れ及びコイル20の発熱につながる。このため、バルブ42の開弁保持時には、コイル20に対する電流制御を行ないながら保持に適当な電流値(保持電流)に制御することとしている。
【0047】
コイル20に対する通電を制御するに際して、本実施形態においては、図1に示すように、コイル20の一端に、パワートランジスタ50を介して電流検出抵抗52を接続するとともに、電流検出抵抗52の一端を接地し、パワートランジスタ50の両端にダイオード54を逆並列接続する構成を採用している。
【0048】
パワートランジスタ50は、スイッチング素子としてバッテリ18とコイル20とを結ぶ通電回路中に電流検出抵抗52とともに挿入されており、パワートランジスタ50のベースには電流制御回路56が接続され、電流制御回路56にはエンジンコントローラ58、電流切り替え制御部60が接続されている。エンジンコントローラ58は、スロットル開度など、エンジンの運転状態に応じて決定される噴射指令パルス(パルス幅Ti)を電流制御回路56に出力するようになっている。電流制御回路56は、噴射指令パルスに応答して、パワートランジスタ50をオン動作させ、コイル20への通電を開始し、その後、コイル20に流れる電流が目標ピーク電流値に到達したときに、電流切り替え制御部60からの切替指令に応答して、目標ピーク電流値よりも小さい保持電流をコイル20に流すために、パワートランジスタ50に対してオンオフ動作を繰り返すように構成されている。
【0049】
電流切り替え制御部60は、コンパレータ62、切り替え電流決定部64、抵抗推定部66、目標ピーク電流記憶部68、タイマ70を備えて構成されており、コンパレータ62が電流検出抵抗52、電流制御回路56に接続され、切り替え電流決定部64がエンジンコントローラ58、燃圧センサ72、バッテリ18に接続され、電流値記憶手段としての目標ピーク電流記憶部68には、バッテリ電圧、燃圧及びハーネス抵抗に応じた目標ピーク電流値に関するデータが格納されている。
【0050】
切り替え電流決定部64は、バッテリ18の出力電圧を取り込み、バッテリ18の電圧を検出する電圧検出手段としての機能を備えているとともに、タイマ70からクロック信号を取り込み、このクロック信号に従って、通電開始からの経過時間を計測する計測手段としての機能を備えている。さらに、切り替え電流決定部64は、燃料通路16内の燃料の圧力を検出する燃料圧力検出手段としての燃圧センサ72の検出圧力を取り込むとともに、抵抗推測部66により推測された抵抗、すなわちバッテリ18とコイル20とを結ぶ通電回路の回路抵抗とコイル20の抵抗とを含む合成抵抗をハーネス抵抗として取り込み、バッテリ電圧の変化、燃圧の変化あるいはハーネス抵抗の変化に従って、目標ピーク電流記憶部68からバッテリ電圧の変化、燃圧の変化あるいはハーネス抵抗の変化に応じた目標ピーク電流値を取り込み、この目標ピーク電流値をコンパレータ62に出力するようになっている。さらに噴射指令パルスのパルス幅Ti(バッテリ電圧が定格電圧、合成抵抗の抵抗値が設定値および燃料通路内の燃料の圧力が設定値にあることを条件に設定されたパルス幅)を、バッテリ電圧18の電圧の変化、ハーネス抵抗の変化あるいは燃圧の変化に応じて補正するパルス補正手段としての機能を備えている。そして、コンパレータ62は、コイル20に流れる電流を検出する電流検出手段としての電流検出抵抗52の出力と切り替え電流決定部64によって選択された目標ピーク電流値とを比較し、コイル20に流れる電流が目標ピーク電流値と一致したときに、電流制御回路56に対して切替指令を出力するようになっている。すなわち、パワートランジスタ50、ダイオード54、電流制御回路56、電流切り替え制御部60は通電制御手段として構成されている。
【0051】
電流切り替え制御部60から電流制御回路56に対して電流の切替を指令する切替指令を出力するに際しては、図3に示す構成を採用することもできる。すなわち、目標ピーク電流記憶部68の代わりに目標切替時間記憶部(タイミング記憶手段)74を設け、切り替え電流決定部64の代わりに切替タイミング決定部76を設け、切替タイミング決定部76において、タイマ70からのクロックパルスを通電開始から計測し、通電開始からの経過時間が目標切り替えタイミングに一致したことを条件に切替タイミング決定部72から電流制御回路56に対して切替指令を出力する。
【0052】
そして、バッテリ電圧の変化のみを考慮した場合、目標ピーク電流記憶部68と目標切替時間記憶部74には、図4に示すように、バッテリ電圧とコイル電流との関係から定まる目標ピーク電流値、目標切り替えタイミングに関するデータがバッテリ18の電圧の変化に対応づけて記憶されることになる。
【0053】
図4(a)は、コイル20、ハーネス抵抗、燃料圧力を任意の値に設定した状態でのバッテリ電圧とコイル電流との関係を示す特性図である。図4(a)において、バッテリ電圧が低下すると、コイル電流の応答も低下することが理解される。また図中の点線で示す曲線は噴射特性を最適とする曲線である。この曲線は、実験により求めてもシミュレーションによって求めても良い。この最適曲線と電流応答との交点が各バッテリ電圧における最適目標ピーク電流値となる。図4(b)は、(a)に示す特性の関係をテーブルとしたものである。そして目標ピーク電流値に関するテーブルには、バッテリ電圧が低下する方向に対して減少する値が与えられている。またピーク到達時間すなわち目標切り替えタイミングはバッテリ電圧が低下する方向に対して増加する値が与えられている。
【0054】
次に、電流切り替え制御部60の作用を図5のフローチャートにしたがって説明する。本実施形態では、インジェクタ10の一回目の駆動ごとに目標ピーク電流値を求めている例(i回目の検出結果にてi+1回目の目標ピーク電流値を求めている例)を示す。まず、i回目の噴射前のバッテリ電圧Vbiを検出する(ステップS1)。次に、i回目の噴射のために、バッテリ電圧Vbiをコイル20に印加する(ステップS2)。このあとタイマ70からのクロック信号を計測し、計測された時間Tが予め設定された時間Tcとなった時点でコイル20に流れる電流Ip(Vbi)を検出する(ステップS3)。次に、抵抗推測部66に記憶されている各バッテリ電圧Vbと各抵抗RCに対する時間Tcにおける電流応答値マップの中からバッテリ電圧値Vbiの列のデータを検索し(ステップS4)、コイル電流Ip(Vbi)に最も近い電流値Ipiiとなる抵抗値Rciをコイル、ハーネス抵抗として記憶する(ステップS5)。次に、燃圧センサ72の出力を取り込み、i回目噴射のときの燃圧Pfiを検出する(ステップS6)。
【0055】
以上の処理により、i回目噴射時のバッテリ電圧Vbi、抵抗値Rci、燃圧Pfiが把握できるので、これらの値を基に目標ピーク電流記憶部68内のIpマップを検索し、i+1回目の目標ピーク電流Ip(i+1)を求める(ステップS7)。このあと目標ピーク電流Ip(i+1)に基づきi+1回目のコイル通電を行なう(ステップS8)。
【0056】
上述したように、ステップS1〜S8の処理を繰り返すことにより、常に最適な目標ピーク電流値でインジェクタ10を駆動することが可能になる。
【0057】
なお、目標ピーク電流値の代わりに、目標切り替えタイミングによってインジェクタ10を駆動する場合には、ステップS7においてi+1回目の目標ピーク電流Ip(i+1)を求める代わりに、目標切替時間記憶部74のTpマップに関するデータを検索し、i+1回目の目標切替時間(目標切り替えタイミング)Tp(i+1)を求める。そしてこの後目標切替時間Tp(i+1)に基づきi+1回目のコイル通電を行なう。
【0058】
以上の処理により決定された目標ピーク電流値あるいは目標切替時間(目標目標切り替えタイミング)に応じて、パワートランジスタ50の駆動が電流制御回路56によって制御される。この場合、電流検出抵抗52により検出されたコイル電流が目標ピーク電流値よりも低い間あるいは切替タイミング決定部76で計測された計測時間が目標切替時間まで経過していない間は、電流制御回路56からのオン信号によりパワートランジスタ50はオン状態に維持され、コイル20にはバッテリ電圧が印加され続け、コイルに流れる電流が増加する。そしてコイル20に流れる電流が目標ピーク電流値に到達したとき、あるいは通電開始からの経過時間が目標切替時間に到達したときには、パワートランジスタ50が一旦非導通状態となる。この後パワートランジスタ50はその時点のコイル電流値よりも低い保持電流となるようにオンオフ動作が繰り返され、コイル20に流れる電流が保持電流に維持される。すなわちコイル20には、バルブ42の開弁状態を保持するに必要な保持電流が流れる。
【0059】
次に、エンジンコントローラ58からの噴射指令パルスが立ち下がると、電流制御回路56によりパワートランジスタ50に対する通電が停止され、インジェクタ10による燃料噴射が終了する。このとき、コイル電流が目標ピーク電流に到達していない間あるいは経過時間が目標切替時間に達しない時間であっても、噴射指令パルスの立ち下がる時点でコイル20に対する通電が終了するとともにインジェクタ10による噴射が終了することになる。
【0060】
次に、バッテリ電圧・抵抗・燃圧が標準状態に設定された場合における本発明の駆動方式を説明するとともに、バッテリ電圧が低下した場合、コイル・ハーネス抵抗が増加した場合、燃料の圧力(燃圧)が増加した場合における本発明の駆動方式と従来の駆動方式との比較結果について考察する。
【0061】
<バッテリ電圧・抵抗・燃圧が標準状態に設定された場合>
図6(a)は、エンジンコントローラ58からの噴射指令パルスのパルス幅Tiが1.5msのときのインジェクタ10の通電状態の一例を示す特性図である。このとき、目標ピーク電流記憶部68から読み出した目標ピーク電流値はIpである。そして通電開始の初期段階ではパワートランジスタ50がオン状態を維持し、コイル20にバッテリ電圧Vbが印加され続ける。この状態では、コイル20に流れる電流は急激に上昇し、コイル電流がIpに到達すると、コンパレータ62からの指令によりパワートランジスタ50がオフとなり、コイル20への電圧印加が一旦中断される。このときの時間をTpとする。これによりコイル電流はIpより低下するが、このとき電流検出抵抗52によりコイル電流を検出しておき、コイル電流が、バルブ42の開弁保持に適切な電流値Ihよりも低下すると、再びパワートランジスタ50がオンとなり、以降、コイル電流50のオンオフ動作が繰り返される。このスイッチング動作時間が1.5msを過ぎ、噴射指令パルスが立ち下がると、パワートランジスタ50もオフとなり、コイル20への電圧印加も終了する。これにより、コイル20から発生する磁気吸引力が減衰し、リターンスプリング36の弾性力(スプリング力)と燃料圧力によりバルブ42がシート面44に押さえ付けられ、燃料噴射が終了する。このときコイル20の電流である保持電流が最適値Ihであるため、短い閉弁遅れを実現できる。
【0062】
図6(c)は、エンジンコントローラ58からの噴射指令パルスのパルス幅Ti(ms)を横軸に、このときの噴射量を縦軸に示した噴射量特性を示す図である。開弁時の目標ピーク電流値が最適値Ipに設定され、保持電流が最適値Ihに設定されているため、開弁時、噴射指令パルスのパルス幅の増加にしたがって、噴射量が直線的に増加する特性を実現できる。
【0063】
<バッテリ電圧が低下した場合>
図7(a)、(b)は、図6の状態から抵抗、燃圧はそのままで、バッテリ電圧が低下した場合でも、目標電流Ipをそのままの状態に維持したときのコイル電流と印加電圧の変化を示す特性図である。
【0064】
図7(a)、(b)において、バッテリ電圧がVbからVb1に低下したとき、コイル電流の上昇は鈍くなる。このため、コイル電流がIpに到達する時間は、Tpよりも大幅に遅れ、Tp1となる。このあと、バッテリ電圧Vb1の印加は一度中断され、これによりコイル電流はIpよりも低下するが、電流検出抵抗52により電流を検出しておき、コイル電流が、バルブ42の開弁保持に適切な電流値Ihよりも低下すると、再びパワートランジスタ50がオンとなり、これ以降、コイル電流がIhとなるように、コイル20には電圧Vb1の印加と、電圧Vb1の印加停止とを交互に繰り返すスイッチング動作がパワートランジスタ50に対して行なわれる。
【0065】
図7(c)は、エンジンコントローラ58からの噴射指令パルスのパルス幅Ti(ms)を横軸に、バッテリ電圧がVb1に低下した状態の噴射量を縦軸に示した噴射量特性を示す図である。図7(a)に示すように、バッテリ電圧の低下に伴って、コイル電流の立ち上がりが遅くなり、開弁するタイミングが遅くなるため、(c)に示すように、噴射量の立ち上がりも遅れる。このため、開弁すれば、前述したように、バルブ42の前後で圧力がバランスし、バルブ42に加わる力が小さくなる。ここで、図6に示すように、バッテリ電圧が低下していない場合は、いちはやく電流値が保持電流値Ihとなっているが、バッテリ電圧が低下している状態では、通電時間がTp以上で、Tp1以下では、電流値Iは、Ih<I<Ipの状態で上昇を続ける。このため、磁気吸引力が、I=Ihのときに比べて過剰となる。このため、この状態で噴射パルスが立ち下がると、通電は停止されるが、過剰な磁気吸引力によって閉弁遅れが大きくなる。このときの噴射量特性は、指令パルス幅0.5ms〜1msに反映されている。また時間Tp1までの間は、バッテリ電圧が通常のときに比べて閉弁遅れが大きくなり、開弁時間が長くなる。結果として、同一パルス幅に対する開弁時間は、バッテリ電圧が通常のとき(定格電圧にあるとき)に比べて長くなり、その間の噴射量は増え、上に凸の特性となる。この特性では直線性が悪化し、制御可能範囲の最低噴射量が増えてしまい、低燃費エンジンへの適応が困難となる。またバッテリ電圧がさらに下がると、最大噴射指令パルス幅の間では、コイル電流がIpに到達できず、バルブの開弁保持に適当な電流値Ihにならずに、高い電流のままで通電が終わる可能性もある。このようになれば、噴射量特性の直線性は大幅に悪化する。さらに中途半端に高い電流で長時間通電される可能性もあり、発熱、焼損の恐れもある。
【0066】
これに対して、バッテリ電圧が低下した際に、バッテリ電圧の低下に応じて目標ピーク電流値として低い値を選択したときの特性を図8に示す。
【0067】
本実施形態においては、図8に示すように、バッテリ電圧が低下した場合、目標ピーク電流をバッテリ電圧Vb1(<Vb)に最適な値Ip1(<Ip)とすることにより、コイル電流が目標ピーク電流値に到達するまでの時間をTp2とすることができるとともに、コイル電流をバルブ42の開弁保持に適当な電流値Ihに早期に移行可能となる。またこのバッテリ電圧Vb1に対する最適ピーク電流(目標ピーク電流値)Ip1は、インジェクタ特性試験を実施することにより実験的に求めても、シミュレーションによって求めても良い。
【0068】
このように、本実施形態においては、開弁時の目標ピーク電流値が最適値Ip1に設定され、保持電流が最適値Ihに設定されているため、開弁時、噴射指令パルスのパルス幅の増加にたがって、噴射量が直線的に増加する特性を実現することができる。
【0069】
ここで、図8(c)の実線に示す特性にしたがって燃料を噴射した場合、バッテリ電圧の低下に伴って開弁遅れを生じることがある。そこで、本実施形態においては、バッテリ電圧が低下した場合、パルス幅Tiにオフセット分Ts1を加えて噴射指令パルスのパルス幅Tiを補正し、補正されたパルス幅の噴射指令パルスによって通電することにより噴射量特性を最適なものとすることができる。例えば、エンジンコントローラ58の要求噴射指令パルスのパルス幅がTi0msであった場合は、通電時間を(Ti0+Ts1)msと補正することにより、バッテリ電圧低下の影響を最小限にした状態で噴射量特性を最適な直線性に保った状態に維持することが可能になる。
【0070】
<コイル・ハーネス抵抗が増加した場合>
図9(a)、(b)は、図6に示す標準状態からバッテリ電圧、燃圧はそのままで、コイル・ハーネス抵抗(以下、単に抵抗)が増加した場合に、目標ピーク電流Ipを図6と同じ状態でコイル20を駆動したときのコイル電流、印加電圧の特性を示す図である。
【0071】
図9において、抵抗が増加し、R1となると、コイル20に流れる電流の上昇代は低くなる。これは、コイル・ハーネスで形成される電気回路の時定数は改善されるものの、収束値が低下していることに起因する。また図9(a)においては、バッテリ電圧Vbが印加されても、Vb/R1がIpに到達できず、指令噴射パルスのパルス幅Ti(ここでは、1.5ms)の間中、バッテリ電圧Vbが印加されることになる。結局、コイル電流値は、最適保持電流であるIhとなることなく、指令噴射パルスのパルス幅Tiの間、Vb/Ri(>Ih)となる。
【0072】
図9(c)は、エンジンコントローラ58からの噴射指令パルスのパルス幅Ti(ms)を横軸に、抵抗値がR1に増加した状態での噴射量を縦軸に示した噴射量特性を示す図である。図9(a)に示すように、コイル電流の上昇代は低くなり、開弁するタイミングは後ろに遅れる。このため、(c)に示すように、噴射量の立ち上がりも遅れる。このため、開弁すれば、前述したように、バルブ42の前後で圧力がバランスし、バルブ42に加わる力が小さくなる。ここで、図6に示すように、抵抗が増加していない場合は、いち早く電流値が保持電流値Ihとなっているが、抵抗が増加している状態では、コイル電流値Iは、Ih<I=Vb/Rh<Ipの状態で流れ続けている。この状態では、コイル20の磁気吸引力がI=Ihのときに比べて過剰となる。このため、噴射指令パルスが立ち下がると、通電は停止されるが、過剰な磁気吸引力により閉弁遅れが大きくなる。このときの現象は、(c)の噴射量特性に反映されている。すなわち抵抗が増加すると余剰電流による余剰吸引力により閉弁が遅れ、抵抗が通常のときに比べて開弁時間が長くなる。結果として、同一パルス幅に対する開弁時間は、バッテリ電圧が通常のとき(定格電圧にあるとき)に比べて長くなり、噴射量が増え、上に凸の特性となるとともに、パルス幅に対して急峻な立ち上がり特性となる。このような特性では噴射量の直線性が悪化し、制御可能範囲の最低噴射量が増えてしまい、低燃費エンジンへの適用が困難となる。さらに、このような状態では、最大噴射指令パルスのパルス幅の間は、コイル電流が目標ピーク電流値Ipに到達できず、バルブ42を保持するに最適な電流値Ihにならず、高い電流のままで通電が終わる。しかも中途半端に高い電流で長時間通電されることにより、発熱、焼損の恐れがある。
【0073】
これに対して、抵抗が増加したときに、抵抗の増加に応じて目標ピーク電流値を低く選択したときの特性結果を図10に示す。
【0074】
本実施形態においては、図10に示すように、抵抗が増加した場合、目標ピーク電流を抵抗R1に最適な値Ip2(<Ip)とすることにより、コイル電流が目標ピーク電流値に到達するまでの時間をTp3とすることができ、バルブ42を保持するに必要な保持電流を電流値Ihに早期に移行可能となる。この抵抗R1に対する最適ピーク電流(目標ピーク電流値)Ip2は、インジェクタ特性試験を実施することにより実験的に求めても、シミュレーションにより求めても良い。
【0075】
本実施形態によれば、開弁時の目標ピーク電流値が最適値Ipに設定され、保持電流が最適値Ihに設定されているため、開弁時、噴射指令パルスのパルス幅の増加にしたがって、噴射量が直線的に増加する特性を実現できる。
【0076】
ここで、図10(c)の実線で示す噴射量特性にしたがってインジェクタ10から燃料を噴射すると、抵抗増加による開弁遅れを生じることがある。この場合、パルス幅Tiにオフセット分Ts2を加えて噴射指令パルスのパルス幅Tiを補正することで、噴射量特性を実線で示す特性から破線で示す特性に補正することができる。例えば、エンジンコントローラ58の要求噴射指令パルスのパルス幅がTi0msであった場合は、通電時間を(Ti0+Ts2)msと補正することにより、抵抗増加の影響を最小限にした噴射量特性を実現することができる。
【0077】
図11(a)は、バッテリ電圧、燃料圧力を任意の値に設定した状態でのコイル・ハーネス抵抗とコイル電流応答との関係を示す図である。この図から、コイル・ハーネス抵抗が増加すると、電流収束値が低下することが理解される。また図中の点線で示す曲線は、噴射量特性を最適とする曲線であり、この曲線は、実験により求めても、シミュレーションにより求めても良い。この最適曲線と電流応答との交点が各コイル・ハーネス抵抗における最適目標ピーク電流値となる。
【0078】
図11(b)は、この関係をテーブルとしたものであり、これらのデータは目標ピーク電流記憶部68、目標切替時間記憶部74に記憶される。また最適目標ピーク電流は、バッテリ電圧と通電時間を規定することにより一義的に決定できる。この関係は目標切替時間のデータとして目標切替時間記憶部74に記憶されることになる。そして、図11(b)に示す目標ピーク電流テーブルのデータは、抵抗が増加する方向に対して減少する値として与えられている。またピーク到達時間(目標切替時間)は、抵抗が増加する方向に対して増加する値が与えられている。このように、テーブルに記憶されたデータをもとに、コイル・ハーネス抵抗が増加したとき、目標ピーク電流を減少させるか、目標切替時間を遅くすることにより、噴射量特性を改善することが可能になる。
【0079】
<燃料圧力が増加した場合>
図12(a)、(b)は、図6の状態からバッテリ電圧、抵抗はそのままで、インジェクタ10に供給される燃料の圧力(以下、単に燃圧)が増加してPf1となった場合に、目標電流Ipを図6と同じ状態でコイル20を駆動したときのコイル電流、印加電圧の特性を示す図である。燃圧が増加した状態でも目標電流Ipを変更しないときには、バッテリ電圧、コイル・ハーネス抵抗などの電気回路は、図6(a)の状態と変化がないため、電流波形及び発生する磁気吸引力は図6のときと変わらない。しかしながら燃圧によりバルブ42に加わる力が増加するため、わずかにバルブ42は開弁するが、すぐに閉弁してしまう状態となる。
【0080】
図12(c)は、エンジンコントローラ58からの噴射指令パルスのパルス幅Ti(ms)を横軸に、燃圧が増加した状態での噴射量を縦軸に示した噴射量特性を示す図である。(c)に示す噴射量特性を見ると、噴射指令パルスのパルス幅Tiに対して一定値となっている。これは、一旦バルブ42が開弁して閉弁した後は、通電時間をいくら伸ばしても開弁できない状態を示しており、噴射量を通電時間で制御するのは不可能である。すなわち従来と同様のピークホールド方式では、燃圧が増加した場合、開弁不能となり、噴射量を通電時間で制御するのが不可能となる。
【0081】
これに対して、燃圧が増加したときに、この燃圧の増加に応じて目標ピーク電流値を増加したときの特性結果を図13に示す。
【0082】
本実施形態においては、図13に示すように、燃圧が増加した場合、目標ピーク電流を燃圧Pf1に最適な値Ip3(>Ip)とすることにより開弁可能となる。この燃圧Pf1に対する最適ピーク電流Ip3は、インジェクタ特性試験を実施することにより実験的に求めても、シミュレーションにより求めても良い。
【0083】
このように、本実施形態においては、バルブ42の開弁時の目標ピーク電流値が最適値Ip3に設定され、保持電流がIhに設定されているため、開弁時、噴射指令パルスのパルス幅Tiの増加にしたがって、噴射量が直線的に増加する特性を実現することができる。
【0084】
ここで、本実施形態においては、上述した駆動方式を採用することで、図13(c)の実線で示す噴射量特性Q1によって燃料を噴射することができる。しかし、実線に示す噴射量特性でインジェクタ10から燃料を噴射したのでは、燃圧の増加にしたがってバルブ42の開弁遅れが生じることがある。この場合、パルス幅Tiにオフセット分Ts3を加えてパルス幅Tiを補正し、補正された噴射量指令パルスにしたがってコイル20を通電し、さらに噴射率補正を実施することにより、特性Q3で示すように、最適な噴射量特性にしたがって燃料を噴射することができる。例えば、エンジンコントローラ58の要求噴射指令のパルス幅がTi0msであった場合、通電時間を(Ti0+Ts3)msと補正し、さらにこの補正された通電時間を、基準燃圧の倍率の平方根√Kpで割る。すなわち通電時間を(Ti0+Ts3)/√Kpとすることにより、図13(c)の特性Q3で示すように、燃圧上昇の影響を最小限にした噴射量特性を実現することができる。
【0085】
燃圧の増加に応じて目標ピーク電流値やピーク到達時間(目標切替時間)を設定するに際しては、図14に示す特性が考慮されている。
【0086】
図14(a)は、バッテリ電圧、コイル・ハーネス抵抗を任意の値に設定した状態での電流応答の上に、各燃圧において噴射量特性を最適とする電流値をプロットしたものである。各点は、実験により求めても、シミュレーションにより求めても良い。この各点が各燃圧における最適目標ピーク電流値となる。図14(b)は、(a)に示す関係をテーブルとしたものである。さらに、最適目標ピーク電流値は、バッテリ電圧と通電時間を規定することにより一義的に決定できる。この関係を用いた場合、このテーブルに関するデータは目標切替時間記憶部74に記憶されることになる。また(b)に示すように、目標ピーク電流テーブルに記憶されたデータは、燃圧が増加する方向に対して増加する値が与えられている。またピーク到達時間(目標切替時間)に対するデータも、燃圧が増加する方向に対して増加する値が与えられている。
【0087】
このように、本実施形態において、燃圧が増加した場合、目標ピーク電流値を増加させるか目標切替時間を遅くすることにより噴射量特性を改善することが可能となる。
【0088】
本実施形態において、保持電流としてIhとして燃圧上昇に対しても変化なしとしたが、燃圧上昇に対して増加させても良い。
【0089】
前記実施形態においては、バッテリ電圧、抵抗、燃圧がそれぞれ変化するものについて述べたが、通常の運転モードでは、急激に変動するのは燃圧とバッテリ電圧であると考えられる。例えば、燃圧については、エンジン回転数、負荷状態などに対して可変燃圧システムが存在しており、電気負荷の急激な変化によりバッテリ電圧が急変することも通常発生する。
【0090】
図15は、抵抗を一定として、バッテリ電圧が6V〜14Vまで変化し、各バッテリ電圧と、7MPa(メガパスカル)から12MPaまでの燃圧に対する目標ピーク電流値及び目標切替時間のマップの関係を示す図である。各電圧における各燃圧の最適点をプロットし、燃圧ごとに結ぶと各燃圧における噴射量特性最適曲線が得られる。各点は、実験により求めても、シミュレーションにより求めても良い。図15(b)のマップは、バッテリ電圧と燃圧の二次元マップであるが、このマップを各抵抗ごとに積み重ねると、三次元の目標Ipマップ、目標Tpマップとなる。
【0091】
図16(a)は、目標Ipマップを、図16(b)は、目標Tpマップを示す概念図である。目標Ipマップ及び目標Tpマップは、バッテリ電圧、コイル・ハーネス抵抗、燃圧の3つを引数とした三次元マップである。
【0092】
図16(a)の目標Iマップに格納されている数値を各軸ごとに対応づけると、バッテリ電圧の減少に対しては、目標ピーク電流は減少する方向で、抵抗増加に対しては、目標ピーク電流は減少する方向で、燃圧の上昇に対しては目標ピーク電流が増加する方向のデータが目標ピーク電流記憶部68に格納されることになる。
【0093】
また、図16(b)の目標Tpマップに格納されている数値を各軸ごとに対応づけると、バッテリ電圧Vbの低下に対しては、目標切替時間は延長する方向で、抵抗増加に対しては目標切替時間は延長する方向で、燃圧の上昇に対しては目標切替時間が延長する方向に各データが目標切替時間記憶部74に格納されることになる。
【0094】
また、図17は、開弁時、ピーク電流値Ipでスイッチングを行ない、その後ピーク電流を保持する場合の駆動方法を採用したときの特性図である。このような駆動方法に対しても本発明は適用可能である。この場合は、目標ピーク電流Ipの他に、目標ピーク電流Ipの保持を解除する時間Tp5も記憶しておき、バッテリ電圧、抵抗、燃圧の変化に対して、最適となるような値に切替るようにする。この最適値は、実験あるいはシミュレーションにより求めても良い。また、解除する時間Tp5は、上述したIpマップ、Tpマップの設定内容から考えると、バッテリ電圧が低下したときには長い方向に、抵抗が増加したときにも長い方向に、また燃圧が増加したときには長い方向となるように設定された数値で記憶されることになる。
【0095】
前述したように、前記各実施形態においては、バッテリ電圧、燃圧に応じた目標ピーク電流、目標切替時間を検索するに際して、Ipマップ、Tpマップを検索して求めるものについて述べたが、マップの内容の傾向として、変極点、特異点などなく、単調性が高い場合は、マップの次元を省略したり、内挿補正あるいは数式により求めるなどの手段を採用することもできる。
【0096】
また、前記各実施形態においては、バッテリとして単一のバッテリ18を用いたものについて述べたが、バッテリとして電圧の異なる複数のバッテリ、例えば42Vのバッテリと14Vのバッテリを設けたときには、各バッテリとコイル20との間に選択回路を設け、開弁初期時には電圧の高いバッテリ(42V)からの電圧をコイル20に通電し、コイル20に保持電流に流すときには電圧の低いバッテリ(14V)からコイル20に通電する方法を採用することもできる。この場合、電圧の高いバッテリ(42V)のバッテリの電圧を電流切り替え制御部60で監視し、この電圧が低下したときに、目標ピーク電流値を減少させるかあるいは目標切替時間を延長する制御を行なうことで、前記実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0097】
次に、図1に示す電磁式燃料噴射装置を車両などの内燃機関に適用したときの実施形態を図18にしたがって説明する。図18において、内燃機関を構成するエンジン100には点火装置102、吸気装置104、排気装置106、シリンダ108、ピストン110を備えており、シリンダ108にはインジェクタ10が搭載されている。このインジェクタ10と燃料タンク12とを結ぶ燃料通路16には燃圧センサ72、燃料ポンプ14とともにフィードポンプ112、プレシャレギュレータ114などが配置されている。シリンダ108内にはピストン110が往復動自在に収納されており、このシリンダ108の周囲にはシリンダ108内に空気を導入する吸気装置104と、シリンダ108内の排気ガスをシリンダ108外に排出する排気装置106と、シリンダ108内に燃料を噴射するインジェクタ10と、シリンダ108内の燃料を点火させる点火装置102が配置されている。
【0098】
この内燃機関において、燃料タンク12内の燃料はフィードポンプ12の駆動により燃料ポンプ14に導かれた後、燃料ポンプ14の駆動により燃料通路16を介してインジェクタ10に加圧された状態で供給されるようになっている。エンジンコントローラ58は、エンジン10の各種運転状態に応じて、各種センサ(図示省略)からのセンサ情報を基に噴射タイミングと噴射量を決定し、この決定に従った噴射指令パルスを電流制御回路56に出力するようになっている。電流制御回路56は、噴射指令パルスに応答してパワートランジスタ50をオン状態にしてパワートランジスタ50を通電状態にし、インジェクタ10からエンジン10内に燃料を噴射させるようになっている。パワートランジスタ10がオンになってインジェクタ10内のコイル20に流れる電流が増加する過程で、バッテリ電圧、燃圧、コイル・ハーネス抵抗に応じた目標ピーク電流値が目標ピーク電流記憶部68から読み出され、この読み出された目標ピーク電流値とコイル20に流れる電流とが一致すると、コンパレータ62からの切替指令によってパワートランジスタ50に流れる電流が保持電流に切り替えられ、インジェクタ10は内燃機関の各運転状態に応じて最適な噴射量で燃料を噴射することができる。
【0099】
図19は、図3に示す電磁式燃料噴射装置を内燃機関に適用したときの実施形態を示す構成図である。
【0100】
本実施形態においては、エンジンコントローラ58からの噴射指令パルスに応答して電流制御回路56からパワートランジスタ50に対してオン信号が出力されてインジェクタ10内のコイル20に対する通電が開始された後、この通電開始からの経過時間が切替タイミング決定部76で計測され、かつ切替タイミング決定部76においてバッテリ電圧、燃圧、コイル・ハーネス抵抗に応じた目標切替タイミング(目標切り替え時間)が目標切替時間記憶部74から読み出され、読み出された目標切替タイミングと切替タイミング決定部72で計測した時間とが一致したときに、コイル20に流れる電流が保持電流に切替られるため、インジェクタ10は内燃機関の各種運転状態に応じて最適な噴射量特性にしたがって燃料を噴射することができる。
【0101】
本実施形態には、筒内噴射エンジンについて説明したが、他の種類のエンジンにも前記各実施形態における電磁式燃料噴射装置を適用することができる。
【0102】
本実施形態によれば、バッテリ電圧、コイル、ハーネス抵抗、燃圧の変化に応じた最適駆動電流波形でコイルを駆動できるため、各状態に応じて最適な燃料噴射特性を得ることが可能である。
【0103】
また、本実施形態によれば、電磁式燃料噴射装置が搭載された内燃機関において、バッテリ電圧、コイル、ハーネス抵抗、燃圧など、各運転状態に応じて最適な燃料噴射が実現されているので、低燃費、高出力の内燃機関を提供することができる。
【0104】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、バッテリ電圧が変化したとき、バッテリ電圧に応じた目標ピーク電流値を選択し、コイルの電流が目標ピーク電流値になったときに保持電流に切り替えたり、あるいはバッテリ電圧に応じた目標切り替えタイミングを選択し、通電開始からの経過時間が目標切り替えタイミングになった時点でこの時点におけるコイル電流値よりも小さい保持電流をコイルに流すようにしたりしたため、不必要に長い間コイルにピーク電流が流れ続けて過大な吸引力がコイルから発生するのを防止することができ、噴射量特性の直線性を最適な状態に維持することが可能になる。
【0105】
また、バッテリとコイルとを結ぶ通電回路の回路抵抗とコイルの抵抗とを含む合成抵抗(ハーネス抵抗)が変化したときには、この合成抵抗に応じた目標ピーク電流値を選択し、コイルの電流が目標ピーク電流値になったときに保持電流に切り替えるようにしたり、あるいは合成抵抗に応じた目標切り替えタイミングを選択し、コイルへの通電開始からの経過時間が、選択した目標切り替えタイミングになったときに現時点におけるコイル電流値よりも小さい保持電流をコイルに流すようにしたりしたため、不必要に長い間コイルに電流が流れ続けて過大な吸引力がコイルから発生するのを防止することができ、噴射量特性の直線性を最適な状態に維持することが可能になる。
【0106】
さらに、燃料通路内の燃料の圧力が変化したときには、燃料の圧力に応じた目標ピーク電流値を選択し、コイルへの通電後、コイルの電流が目標ピーク電流値になった時点で保持電流に切り替えたり、あるいは燃料通路内の燃料の圧力に応じた目標切り替えタイミングを選択し、コイルへの通電開始からの経過時間が、目標切り替えタイミングになった時点で現時点におけるコイル電流値よりも小さい保持電流に切り替えたりしたため、不必要に長い間コイルに電流が流れ続けて過大な吸引力がコイルから発生するのを防止することができ、噴射量特性の直線性を最適な状態に維持することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す電磁式燃料噴射装置のブロック構成図である。
【図2】インジェクタの構造及び等価回路モデルを示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態を示す電磁式燃料噴射装置のブロック構成図である。
【図4】バッテリ電圧とコイル電流との関係及び目標電流と時間テーブルとの関係を示す図である。
【図5】電流切り替え制御部の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】バッテリ電圧、抵抗、燃圧が標準状態にある場合のコイル電流、印加電圧、噴射量を示す図である。
【図7】バッテリ電圧低下時における従来方式の駆動状況を示す特性図である。
【図8】バッテリ電圧低下時における本発明の駆動方式によるインジェクタ駆動状況を示す特性図である。
【図9】コイル・ハーネス抵抗増加時における従来方式の駆動状況を示す特性図である。
【図10】コイル・ハーネス抵抗増加時における本発明による駆動状況を示す特性図である。
【図11】抵抗とコイル電流との関係及び目標ピーク電流、時間テーブルの内容を説明するための図である。
【図12】燃圧増加時における従来方式の駆動状況を示す特性図である。
【図13】燃圧増加時における本発明の駆動状況を説明するための特性図である。
【図14】コイル電流と各燃圧最適点の関係と、目標ピーク電流、時間テーブルの内容を説明するための図である。
【図15】バッテリ電圧と各燃圧最適点との関係及び目標ピーク電流、時間マップの内容を説明するための図である。
【図16】目標Ipマップ、目標Tpマップの概念を説明するための図である。
【図17】ピーク電流をホールドするときのインジェクタ駆動方法を説明するための特性図である。
【図18】図1に示す燃料噴射装置が搭載された内燃機関の構成を説明するためのブロック構成図である。
【図19】図3に示す燃料噴射装置が搭載された内燃機関の構成を説明するためのブロック構成図である。
【符号の説明】
10 インジェクタ
12 燃料タンク
14 燃料ポンプ
16 燃料通路
18 バッテリ
20 コイル
22 インジェクタ本体
24 ガイド
26 ボビン
28 コア
30 ヨーク
32 ノズル
34 プランジャ
36 リターンスプリング
38 ターミナル
40 燃料噴射孔
42 バルブ
44 シート面
46 スワーラ
50 パワートランジスタ
52 電流検出抵抗
56 電流制御回路
58 エンジンコントローラ
60 電流切り替え制御部
62 コンパレータ
64 切り替え電流決定部
66 抵抗推定部
68 目標ピーク電流記憶部
70 タイマ
72 燃圧センサ
74 目標切替時間記憶部
76 切替タイミング決定部
100 エンジン
102 点火装置
104 吸気装置
106 排気装置
108 シリンダ
110 ピストン
112 フィードポンプ
114 プレッシャレギュレータ

Claims (16)

  1. 燃料通路に接続された筒体として構成されて前記筒体の燃料噴射孔から燃料を噴射するノズルと、このノズル内に配置されて前記燃料噴射孔を開閉する弁体と、この弁体に閉弁方向の弾性力を与える弾性体と、バッテリから電力の供給を受けて前記弁体に前記閉弁方向の弾性力に抗して開弁方向の電磁力を与えるコイルと、前記バッテリの電圧を検出する電圧検出手段と、前記コイルに流れる電流を検出する電流検出手段と、前記バッテリの電圧に応じた目標ピーク電流値を記憶する電流値記憶手段と、噴射指令パルスに応答して前記電圧検出手段の検出電圧と前記電流検出手段の検出電流を基に前記コイルに対する通電を制御する通電制御手段とを備え、前記通電制御手段は、前記噴射指令パルスに応答して前記コイルへの通電を開始するとともに前記電圧検出手段の検出電圧に応じた目標ピーク電流値を前記電流値記憶手段から取り込みこの目標ピーク電流値と前記電流検出手段の検出電流とを比較して両者の電流値が一致したことを条件に前記コイルに対する電流を前記目標ピーク電流値より小さい保持電流に制御してなる電磁式燃料噴射装置。
  2. 前記電流値記憶手段は、前記バッテリの電圧の低下に応じて電流値が小さくなる目標ピーク電流値を記憶してなることを特徴とする請求項1記載の電磁式燃料噴射装置。
  3. 燃料通路に接続された筒体として構成されて前記筒体の燃料噴射孔から燃料を噴射するノズルと、このノズル内に配置されて前記燃料噴射孔を開閉する弁体と、この弁体に閉弁方向の弾性力を与える弾性体と、バッテリから電力の供給を受けて前記弁体に前記閉弁方向の弾性力に抗して開弁方向の電磁力を与えるコイルと、前記バッテリと前記コイルとを結ぶ通電回路の回路抵抗と前記コイルの抵抗とを含む合成抵抗を検出する合成抵抗検出手段と、前記コイルに流れる電流を検出する電流検出手段と、前記合成抵抗に応じた目標ピーク電流値を記憶する電流値記憶手段と、噴射指令パルスに応答して前記合成抵抗検出手段の検出抵抗と前記電流検出手段の検出電流を基に前記コイルに対する通電を制御する通電制御手段とを備え、前記通電制御手段は、前記噴射指令パルスに応答して前記コイルへの通電を開始するとともに前記合成抵抗検出手段の検出抵抗に応じた目標ピーク電流値を前記電流値記憶手段から取り込みこの目標ピーク電流値と前記電流検出手段の検出電流とを比較して両者の電流値が一致したことを条件に前記コイルに対する電流を前記目標ピーク電流値より小さい保持電流に制御してなる電磁式燃料噴射装置。
  4. 前記電流値記憶手段は、前記合成抵抗の抵抗値の増加に応じて電流値が小さくなる目標ピーク電流値を記憶してなることを特徴とする請求項3記載の電磁式燃料噴射装置。
  5. 前記燃料通路内の燃料の圧力を検出する燃料圧力検出手段と、前記燃料通路内の燃料の圧力に応じた目標ピーク電流値を記憶する電流値記憶手段とを備え、前記通電制御手段は、前記噴射指令パルスに応答して前記コイルへの通電を開始するとともに前記燃料圧力検出手段の検出圧力に応じた目標ピーク電流値を前記電流値記憶手段から取り込みこの目標ピーク電流値と前記電流検出手段の検出電流とを比較して両者の電流値が一致したことを条件に前記コイルに対する電流を前記目標ピーク電流値より小さい保持電流に制御することを特徴とする請求項 1 乃至 4 のいずれか 1 項に記載の電磁式燃料噴射装置
  6. 前記電流値記憶手段は、前記燃料通路内の燃料の圧力の増加に応じて電流値が大きくなる目標ピーク電流値を記憶してなることを特徴とする請求項5記載の電磁式燃料噴射装置。
  7. 燃料通路に接続された筒体として構成されて前記筒体の燃料噴射孔から燃料を噴射するノズルと、このノズル内に配置されて前記燃料噴射孔を開閉する弁体と、この弁体に閉弁方向の弾性力を与える弾性体と、バッテリから電力の供給を受けて前記弁体に前記閉弁方向の弾性力に抗して開弁方向の電磁力を与えるコイルと、前記バッテリの電圧を検出する電圧検出手段と、前記バッテリの電圧に応じた目標切り替えタイミングを記憶するタイミング記憶手段と、噴射指令パルスに応答して前記電圧検出手段の検出電圧を基に前記コイルに対する通電を制御する通電制御手段とを備え、前記通電制御手段は、前記噴射指令パルスに応答して前記コイルへの通電を開始するとともに通電開始からの経過時間を計測しかつ前記電圧検出手段の検出電圧に応じた目標切り替えタイミングを前記タイミング記憶手段から取り込みこの目標切り替えタイミングと前記計測時間とを比較して両者の時間が一致したことを条件に前記コイルに対する電流を現時点におけるコイル電流値より小さい保持電流に制御してなる電磁式燃料噴射装置。
  8. 前記タイミング記憶手段は、前記バッテリの電圧の低下に応じて遅くなる目標切り替えタイミングを記憶してなることを特徴とする請求項7記載の電磁式燃料噴射装置。
  9. 燃料通路に接続された筒体として構成されて前記筒体の燃料噴射孔から燃料を噴射するノズルと、このノズル内に配置されて前記燃料噴射孔を開閉する弁体と、この弁体に閉弁方向の弾性力を与える弾性体と、バッテリから電力の供給を受けて前記弁体に前記閉弁方向の弾性力に抗して開弁方向の電磁力を与えるコイルと、前記バッテリと前記コイルとを結ぶ通電回路の回路抵抗と前記コイルの抵抗とを含む合成抵抗を検出する合成抵抗検出手段と、前記合成抵抗に応じた目標切り替えタイミングを記憶するタイミング記憶手段と、噴射指令パルスに応答して前記合成抵抗出手段の検出抵抗を基に前記コイルに対する通電を制御する通電制御手段とを備え、前記通電制御手段は、前記噴射指令パルスに応答して前記コイルへの通電を開始するとともに通電開始からの経過時間を計測しかつ前記合成抵抗検出手段の検出抵抗に応じた目標切り替えタイミングを前記タイミング記憶手段から取り込みこの目標切り替えタイミングと前記計測時間とを比較して両者の時間が一致したことを条件に前記コイルに対する電流を現時点におけるコイル電流値より小さい保持電流に制御してなる電磁式燃料噴射装置。
  10. 前記タイミング記憶手段は、前記合成抵抗の抵抗値の増加に応じて遅くなる目標切り替えタイミングを記憶してなることを特徴とする請求項9記載の電磁式燃料噴射装置。
  11. 前記燃料通路内の燃料の圧力を検出する燃料圧力検出手段と、前記燃料通路内の燃料の圧力に応じた目標切り替えタイミングを記憶するタイミング記憶手段とを備え、前記通電制御手段は、前記噴射指令パルスに応答して前記コイルへの通電を開始するとともに通電開始からの経過時間を計測しかつ前記燃料圧力検出手段の検出圧力に応じた目標切り替えタイミングを前記タイミング記憶手段から取り込みこの目標切り替えタイミングと前記計測時間とを比較して両者の時間が一致したことを条件に前記コイルに対する電流を現時点におけるコイル電流値より小さい保持電流に制御することを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の電磁式燃料噴射装置。
  12. 前記タイミング記憶手段は、前記燃料通路内の燃料の圧力の増加に応じて遅くなる目標切り替えタイミングを記憶してなることを特徴とする請求項11記載の電磁式燃料噴射装置。
  13. 前記バッテリの電圧が定格電圧にあることを条件に設定された燃料噴射指令パルスのパルス幅を前記電圧検出手段の検出電圧に応じて補正し補正された燃料噴射指令パルスを前記通電制御手段に出力するパルス補正手段を備えてなることを特徴とする請求項1、2又はのいずれか1項に記載の電磁式燃料噴射装置。
  14. 前記合成抵抗の抵抗値が設定値にあることを条件に設定された燃料噴射指令パルスのパルス幅を前記合成抵抗検出手段の検出抵抗に応じて補正し補正された燃料噴射指令パルスを前記通電制御手段に出力するパルス補正手段を備えてなることを特徴とする請求項3、4又はのいずれか1項に記載の電磁式燃料噴射装置。
  15. 前記燃料通路内の燃料の圧力が設定値にあることを条件に設定された燃料噴射指令パルスのパルス幅を前記燃料圧力検出手段の検出圧力に応じて補正し補正された燃料噴射指令パルスを前記通電制御手段に出力するパルス補正手段を備えてなることを特徴とする請求項5、6又は11のいずれか1項に記載の電磁式燃料噴射装置。
  16. ピストンを往復動自在に収納するシリンダと、このシリンダ内に空気を導入する吸気装置と、前記シリンダ内の排気ガスを前記シリンダ外に排出する排気装置と、前記シリンダ内に燃料を導入する燃料噴射装置と、前記シリンダ内の燃料を点火させる点火装置とを備えている内燃機関において、前記燃料噴射装置として、請求項1乃至15のうちいずれか1項に記載の電磁式燃料噴射装置を備えてなることを特徴とする内燃機関。
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