JP3562125B2 - 筒内直噴式内燃機関用燃料噴射弁の駆動回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、筒内直噴式内燃機関用燃料噴射弁の駆動回路に関し、特に燃料噴射時間の制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
筒内直噴式内燃機関は、燃料噴射弁の噴射口が直接筒内に臨んでおり、基本的に吸気行程の短い時間内に燃料を噴射しなければならない。また、アイドル回転時に噴射量をほぼ最小とするためには、 0.2〜 0.4msの極めて短い噴射時間にしなければならず、非常に応答性の高い針弁の開閉が必要とされる。
【0003】
この点、日本機械学会[No930−42]機械力学・計測制御講演論文集 (Vol.B) [’93.7.21〜23・東京〕「729. 高速電磁弁の高速化に関する研究」には、開弁時にソレノイドが針弁を吸引するときには50〜 200Vの高電圧を印加して電流を速く立ち上げ、吸引力発生の応答をよくして針弁を速く開弁させる一方、閉弁時にばね力で針弁を着座させるときには、ソレノイドに逆方向の高電圧を印加してソレノイドの磁束を急速に減少させ、吸引力消滅の応答をよくして針弁を速く閉弁させる技術が記載されている。
【0004】
また、特開平6−299890号、特開昭59−85434号等には、開弁時にDC−DCコンバータを用いてコンデンサにチャージした高電圧を印加する方式が開示されている。これらは閉弁時には逆方向の高電圧を印加していないが、コイルの電圧印加端子を逆にすればよいので、モータ等で正逆転させるためにコイル電流を双方向に流す手段として一般的に知られているスイッチング素子のHブリッジ構成を用いればよい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の筒内直接噴射式内燃機関用燃料噴射弁の駆動回路では、コンデンサの放電による噴射弁のソレノイド電流が開弁状態を保持するための所定の保持電流に減衰するまでの時間が、最小噴射期間のパルス幅よりも大きくなっていた。このため、噴射パルス幅の長さによって閉弁指令時の電流値が異なり、磁束が消滅するまでの時間に差が生じるので、閉弁作動時間が変化してしまい、噴射パルス幅と実際の噴射量とが比例しなくなるという問題点があった。
【0006】
この点に関し、図8に例を示して具体的に説明する。
噴射パルス信号P2のようにパルス幅が大きい場合には、コンデンサの放電による噴射弁のソレノイド電流が所定の保持電流(電流i2)にまで減衰した後にソレノイド電流をオフにするので、噴射弁が閉弁するまでの時間は短い(T2)。一方、噴射パルス信号P1のようにパルス幅が小さいときにはコンデンサの放電によるソレノイド電流が減衰中で、まだ保持電流よりも大きい(電流i1)ときにソレノイド電流をオフにするので、噴射弁が閉弁するまでの時間が長くなってしまう(T1)。このように、噴射パルス幅によって閉弁に要する時間が変化してしまうので、噴射パルス幅と噴射量との比例関係が成立せず、正確な噴射量制御が困難になっていた。
【0007】
また、開弁時にソレノイドに高電圧を印加してコンデンサが放電した後、次の噴射弁駆動時までに再充電しなければならないが、機関の回転数が高い場合には充電時間が短すぎて十分な充電がなされず高電圧を得られないため、噴射弁の動作が不安定になるおそれがあった。
本発明はこのような従来の問題点に鑑み、噴射パルス幅の大小に係わらず、閉弁に必要な時間を常に一定にして正確な噴射量制御をするとともに、高電圧電源の迅速な電圧回復により機関の高回転領域でも安定した動作が可能な筒内直接噴射式内燃機関用燃料噴射弁駆動回路を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に係る発明では、電磁駆動式燃料噴射弁によって機関燃焼室内に直接燃料を噴射する筒内直噴式内燃機関における前記燃料噴射弁の駆動回路であって、高電圧電源および低電圧電源と、前記燃料噴射弁の開弁指令時に前記高電圧電源と前記燃料噴射弁の駆動用ソレノイドとを接続して、該ソレノイドに前記燃料噴射弁の開弁力が作用する方向の高電圧を印加する開弁スイッチング手段と、前記開弁指令時から最小噴射期間経過以前の時刻に、前記高電圧電源と前記ソレノイドとの接続を遮断して高電圧の印加を停止するとともに、前記ソレノイドに流れる電流を前記燃料噴射弁の開弁状態を保持しうる所定の電流値に低下するまで急速に放電させる急速放電手段と、該急速放電手段による急速放電後、前記低電圧電源と前記ソレノイドとの接続および遮断を制御して前記ソレノイドを流れる電流を前記所定の値に保持する電流保持手段とを有する構成として、閉弁時にソレノイド電流をオフにするときにソレノイドを流れている電流が常に一定になるようにする。
【0009】
そして、高電圧電源の電圧回復を早めるために、請求項2に係る発明では、前記急速放電手段は、放電電流を前記高電圧電源に回生する。
また、請求項3に係る発明では、前記燃料噴射弁の閉弁指令時に前記高電圧電源と前記ソレノイドとを、該ソレノイドに前記燃料噴射弁の閉弁力が作用する方向に接続する閉弁スイッチング手段を含んで構成することにより、閉弁時に、開弁時および開弁保持状態とは逆向きの電流をソレノイドに流す。
【0010】
また、請求項4に係る発明では、前記開弁スイッチング手段による前記燃料噴射弁の開弁時に前記高電圧電源から前記ソレノイドに電圧が印加される方向にダイオードを含んで構成することで、電流の逆流を防止する。
また、請求項5に係る発明では、前記急速放電手段は、前記燃料噴射弁の開弁時と同一の通電方向に前記ソレノイドを流れる電流を、前記高電圧電源を充電させる方向に流すダイオードを含んで構成し、放電電流を前記高電圧電源に回生させる。
【0011】
具体的には、例えば請求項6に係る発明のように、前記高電圧電源と前記ソレノイドの一端との間に設けられた開弁用ハイサイド側スイッチング素子と、前記ソレノイドの他端と接地との間に設けられた開弁用ローサイド側スイッチング素子とを含んで構成される前記開弁スイッチング手段と、前記高電圧電源と前記ソレノイドの他端との間に設けられた閉弁用ハイサイド側スイッチング素子と、前記ソレノイドの一端と接地との間に設けられた閉弁用ローサイド側スイッチング素子とを含んで構成される閉弁スイッチング手段と、前記閉弁用ローサイド側スイッチング素子と並列に、接地側から前記ソレノイド側へ電流が流れる向きに設けたダイオードを含んで構成される前記急速放電手段とを有し、開弁時には前記開弁用スイッチング手段がオンで前記閉弁用スイッチング手段がオフ、閉弁時には前記開弁手段がオフで前記閉弁手段がオンになるように切り換えられる構成とする。
【0012】
これにより、開弁指令時に接続された開弁スイッチング手段を、それから最小噴射期間経過以前の時刻に遮断して前記ソレノイドへの高電圧の印加を停止すると共に、ソレノイドに残留する磁気エネルギーを電流として閉弁用ローサイド側スイッチング素子と並列に設けた前記ダイオードを介した回路を通じて放電させることにより、ソレノイドを流れる電流を燃料噴射弁の開弁状態を保持できるレベルにまで急速に低下させる。
【0013】
また、請求項7に係る発明のように、前記急速放電手段は、前記ソレノイドの他端と前記高電圧電源の蓄電用コンデンサの一端との間に前者から後者への通電を許容するように設けられたダイオードと、前記コンデンサの他端と接地との間に設けられたスイッチング素子とを含んで構成することで、放電電流を前記コンデンサに回生させる。
【0014】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、最小幅の噴射パルスが終了する前に、噴射弁のソレノイド電流を強制的に短時間で開弁状態を保持する電流のレベルに落とすことによって、閉弁時にソレノイド電流をオフにする時点でソレノイドを流れている電流が常に一定になり、閉弁時間が常に一定となるため、噴射パルス幅に対する噴射量の関係が比例となり、正確な噴射量制御ができるという効果がある。また、噴射弁のソレノイドを流れる平均電流を小さくできるので、噴射弁の消費電力が小さくなり、噴射弁の発熱を抑制することができるという効果もある。
【0015】
また、請求項2に係る発明によれば、高電圧電源と噴射弁のソレノイドとを遮断して、ソレノイド電流を強制的に短時間で開弁状態を保持する電流値に落とすときにソレノイドに残存する磁気エネルギーを電流として高電圧電源(例えば該電源内のDC−DCコンバータのコンデンサ)に回生することによって、高電圧電源の立ち上げ時間(コンデンサ充電時間)を短縮でき、機関の高回転領域においても噴射弁のソレノイドに高電圧を供給し続けることができるという効果がある。また、高電圧電源(DC−DCコンバータ)の効率が向上するので、その容量を小さくすることができるという効果もある。
【0016】
また、請求項3に係る発明によれば、請求項1の効果に加え、閉弁時に、開弁時とは逆向きの電流をソレノイドに流すことで、開弁状態のソレノイドの磁束を急速に減少させて迅速に閉弁させ、より正確な噴射弁の制御を実現できるという効果がある。
また、請求項4に係る発明によれば、開弁時に高電圧電源からソレノイドに電圧が印加される方向に電流の逆流を防止するダイオードを含んで構成することで、制御回路の共振を抑制して安定した動作を維持できるという効果がある。
【0017】
また、請求項5に係る発明によれば、高電圧電源と噴射弁のソレノイドとを遮断してソレノイド電流を急速に減少させるときにソレノイドに残存するエネルギーを、相対的に電位の高い状態にある高電圧電源(DC−DCコンバータのコンデンサ)にも回生することができ、有効に充電ができるという効果がある。
また、請求項6に係る発明によれば、閉弁用ローサイド側スイッチング素子と並列にダイオードを設けるという簡便な構成で、高電圧電源からの遮断でソレノイドに残存するエネルギーを電流として放出でき、容易かつ安価に実施できるという効果がある。
【0018】
また、請求項7に係る発明によれば、ソレノイドと開弁用高電圧電源のコンデンサとをダイオードを介して接続し、コンデンサと接地との間にスイッチング素子を介装するという簡便な構成で、高電圧電源からの遮断でソレノイドに残存するエネルギーを高電圧電源(DC−DCコンバータ)のコンデンサに回生でき、容易かつ安価に実施できるという効果がある。また、コンデンサと接地との間に設けられたスイッチング素子を閉弁時に遮断することにより、閉弁時にソレノイドの逆方向に流れる電流が、開弁用高電圧電源のコンデンサ側に漏れ出ることを防止できるという効果もある。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態として、燃料噴射弁1気筒分の駆動回路の一実施例について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施例を示す駆動回路の回路構成図である。
開弁用高電圧電源1はDC−DCコンバータを含み、燃料噴射弁開弁用の高電圧を発生する。バッテリー2は、DC12Vの低電圧電源である。また、閉弁用高電圧電源3は開弁用高電圧電源1と同様DC−DCコンバータを含み、燃料噴射弁閉弁用の高電圧を発生する。
【0020】
トランジスタ等のスイッチング素子Q1〜Q5は、各電源1〜3から燃料噴射弁のソレノイド4への通電を制御するため、それぞれ以下のように設けられている。
開弁用ハイサイド側スイッチング素子Q1は、高電圧電源1とソレノイド4の一端との間に設けられている。
【0021】
保持用ハイサイド側スイッチング素子Q2は、低電圧電源2とソレノイド4の一端との間に設けられている。
開弁および保持用ローサイド側スイッチング素子Q3は、ソレノイド4の他端側に設けられており、電流検出抵抗5を介して接地されている。
閉弁用ハイサイド側スイッチング素子Q4は、閉弁時用高電圧電源3とソレノイド4の他端との間に設けられている。
【0022】
閉弁用ローサイド側スイッチング素子Q5は、ソレノイド4の一端と接地との間に設けられている。
このように、各スイッチング素子Q1およびQ3〜Q5はソレノイド4を中心にしてHブリッジを構成している。
D1〜D3は逆流防止用のダイオードである。また、ダイオードD4は、接地からスイッチング素子Q2とソレノイド4との接続点に向って電流が流れる方向に、スイッチング素子Q5と並列に設けてある。
【0023】
次に高電圧電源1について説明する。
一端が低電圧電源6に接続されたコイル7の他端は、スイッチング素子Q6を介して接地される一方、逆流防止用のダイオードD5を介して高圧発生用コンデンサ8の一端にも接続されている。このコンデンサ8の他端はスイッチング素子Q7を介して接地される一方、ソレノイド4の他端と逆流防止用のダイオードD6を介して接続されている。また、コンデンサ8の一端側の電圧と設定電圧との差を出力する差動アンプ9と、三角波発生器10とは、それぞれの出力端が比較器11の入力端に接続されている。そして、この比較器11の出力端からの信号によりスイッチング素子Q6がオン/オフされる構成となっている。
【0024】
すなわち、差動アンプ9は、コンデンサ8の電圧と設定電圧との差に応じた値を比較器11に出力し、比較器11は、三角波発信器10の出力と前記差動アンプ9の出力との比較に基づいてスイッチング素子Q6をオン/オフ制御する。
スイッチング素子Q6がオンの状態でコイル7に低電圧電源6からの電流が流れているときに、スイッチング素子Q6がオフに切り替わると、コイル7に残存する磁気エネルギーが電流としてダイオードD5を介して流れ、コンデンサ8に充電される。このようにして、コンデンサ8が所定の電圧に充電されるまでスイッチング素子Q6のオン/オフが数KHz 〜数十KHz の周波数で繰り返される。
【0025】
閉弁時用高電圧電源3もDC−DCコンバータであり、高電圧発生用コンデンサ12のみを図示する。コンデンサ12の一端はスイッチング素子Q4に接続されており、他端は接地されている。
このような構成では、スイッチング素子Q1およびQ3が開弁スイッチング手段に相当し、スイッチング素子Q4およびQ5が閉弁スイッチング手段に相当する。また、スイッチング素子Q1、Q3およびQ7と、ダイオードD4およびD6とが急速放電手段に相当し、スイッチング手段Q2が電流保持手段に相当する。
【0026】
次に、図2〜図5の本発明駆動回路の電流の流れを示す図と、図6および図7のタイミングチャートとを同時に参照し、本発明の回路の動作を説明する。
まず最初に、図示しない外部信号源から開弁指令として噴射パルスが送出されたとき(時刻t1)、スイッチング素子Q7をオン状態でスイッチング素子Q1とQ3とを同時にオンにすると、高電圧電源1内のコンデンサ7から高電圧の電荷が図2のA矢印のように放電されて、ソレノイド4の電流が急速に立ち上がる。
【0027】
電流はピークに達した後、徐々に減衰するが、最小噴射期間のパルス幅Timini よりも所定時間だけ前の時刻t2において、ソレノイド4の電流を強制的に短時間で開弁状態を保持するレベルに落とすために、スイッチング素子Q1およびQ3をオフにする。このとき、高電圧印加から開放されたソレノイド4に残存していた磁気エネルギーが電流に変換され、図3のB矢印のように、電流がダイオードD4およびD6を含む回路で、瞬時にコンデンサ8に回生されて、ソレノイド電流は急速に減少する。このとき同時にコンデンサ8の充電電圧は急激に上昇するので、充電時間が短くなるとともに、DC−DCコンバータの効率が向上する。
【0028】
次に、コイル電流が所定の保持電流i0まで低下したことが電流検出抵抗5から検出されたとき(時刻t3)、スイッチング素子Q2およびQ3をオンにすると、図4のC矢印のように、バッテリー2からの電圧が印加されてソレノイド4に保持電流が流れる。保持電流を所定のi0に制御するため、電流検出抵抗5から検出した電流値に基づいて、図示しない電流制御回路が、スイッチング素子Q2のオン/オフを指令し、PWM(Pulse Width Modulation: パルス幅変調) 制御によりコイル電流が保持電流i0に制御される。
【0029】
最後に、外部信号源からの噴射パルスの終了による閉弁時、スイッチング素子Q2、Q3およびQ7をオフにし、スイッチング素子Q4およびQ5をオンにすると、高電圧電源3内DC−DCコンバータのコンデンサ12から高電圧の電荷が放電され、図5のD矢印のように、逆方向に電流が流れ、急速に噴射弁ソレノイド4の磁束を消滅させることができ、迅速に閉弁することができる。
【0030】
このとき、噴射パルス幅が大きく、従来の駆動回路でも開弁保持状態の電流値にまでソレノイド電流が低下している場合(図6の時刻t4)には、閉弁に必要とされる時間は、本発明の駆動回路も同様である。
しかし、噴射パルス幅が小さい場合は、従来の駆動回路ではソレノイド電流がまだ高い状態(図7の時刻t4’)から閉弁動作が開始されるのに対し、本発明の駆動回路では既に保持電流i0にまで下げられたところから閉弁動作が開始されるので、速やかに閉弁が行われる。その結果、図6と図7との比較から明らかなように、従来の駆動回路では、噴射パルスが終了してから閉弁されるまでの時間が噴射パルス幅によって異なるのに対し、本発明の駆動回路では常に一定の時間で迅速に閉弁される。
【0031】
また、閉弁時にスイッチング素子Q7をオフにするのは、E矢印のような漏れ電流が流れてソレノイド電流が減少してしまうのを防止するためである。
尚、上述した駆動回路の例では、開弁時の高電圧電源と閉弁時の高電圧電源とを別個に設けたため各電源の立ち上げに余裕があるが、簡易のため1つの高電圧電源で開弁時・閉弁時の電流供給を賄うように構成してもよい。
【0032】
以上説明してきたように、最小の噴射パルス幅が終了する前に、噴射弁のソレノイド電流を強制的に短時間で開弁を保持する電流のレベルまで落とし、閉弁時に噴射弁電流をオフにするときの電流が常に一定になるようにする。これにより閉弁時間が常に一定となり、噴射パルス幅に対して噴射量が比例するようにできる。また、噴射弁に流れる電流の平均値を小さくできるので、噴射弁の消費電力が小さくなるとともに、噴射弁の発熱を抑制することができる。
【0033】
また、噴射弁のソレノイド電流を強制的に保持電流レベルに落とすときの不要なエネルギーを高電圧電源1内DC−DCコンバータのコンデンサ8に回生することによってコンデンサ8の充電時間を短縮できるので、機関の高回転領域においてもソレノイド4に十分な高電圧を印加することができる。また、DC−DCコンバータの効率が向上するので、容量を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す駆動回路の回路構成図
【図2】同上の駆動回路の開弁時の電流の流れ方向を示す図
【図3】同上の駆動回路の高電圧電源とソレノイドとの接続を遮断したときの電流の流れ方向を示す図
【図4】同上の駆動回路の開弁保持状態での電流の流れ方向を示す図
【図5】同上の駆動回路の閉弁時の電流の流れ方向を示す図
【図6】同上の駆動回路の噴射パルス幅が大きいときのタイミングチャート
【図7】同上の駆動回路の噴射パルス幅が小さいときのタイミングチャート
【図8】従来の駆動回路のタイミングチャート
【符号の説明】
1 開弁用高電圧電源
2 バッテリ
3 閉弁用高電圧電源
4 ソレノイド
5 電流検出抵抗
6 バッテリ
7 コイル
8 コンデンサ
9 差動アンプ
10 三角波発生器
11 比較器
12 コンデンサ
D1〜D6 ダイオード
Q1〜Q7 スイッチング素子
Claims (7)
- 電磁駆動式燃料噴射弁によって機関燃焼室内に直接燃料を噴射する筒内直噴式内燃機関における前記燃料噴射弁の駆動回路であって、
高電圧電源および低電圧電源と、
前記燃料噴射弁の開弁指令時に前記高電圧電源と前記燃料噴射弁の駆動用ソレノイドとを接続して、該ソレノイドに前記燃料噴射弁の開弁力が作用する方向の高電圧を印加する開弁スイッチング手段と、
前記開弁指令時から最小噴射期間経過以前の時刻に、前記高電圧電源と前記ソレノイドとの接続を遮断して高電圧の印加を停止するとともに、前記ソレノイドに流れる電流を前記燃料噴射弁の開弁状態を保持しうる所定の電流値に低下するまで急速に放電させる急速放電手段と、
該急速放電手段による急速放電後、前記低電圧電源と前記ソレノイドとの接続および遮断を制御して前記ソレノイドを流れる電流を前記所定の値に保持する電流保持手段と、
を有することを特徴とする筒内直噴式内燃機関用燃料噴射弁の駆動回路。 - 前記急速放電手段は、放電電流を前記高電圧電源に回生させることを特徴とする請求項1記載の筒内直噴式内燃機関用燃料噴射弁の駆動回路。
- 前記燃料噴射弁の閉弁指令時に前記高電圧電源と前記ソレノイドとを、該ソレノイドに前記燃料噴射弁の閉弁力が作用する方向に接続する閉弁スイッチング手段を含んで構成されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の筒内直噴式内燃機関用燃料噴射弁の駆動回路。
- 前記開弁スイッチング手段による前記燃料噴射弁の開弁時に前記高電圧電源から前記ソレノイドに電圧が印加される方向にダイオードを含んで構成されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の筒内直噴式内燃機関用燃料噴射弁の駆動回路。
- 前記急速放電手段は、前記燃料噴射弁の開弁時と同一の通電方向に前記ソレノイドを流れる電流を、前記高電圧電源を充電させる方向に流すダイオードを含んで構成されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の筒内直噴式内燃機関用燃料噴射弁の駆動回路。
- 前記高電圧電源と前記ソレノイドの一端との間に設けられた開弁用ハイサイド側スイッチング素子と、前記ソレノイドの他端と接地との間に設けられた開弁用ローサイド側スイッチング素子と、を含んで構成される前記開弁スイッチング手段と、
前記高電圧電源と前記ソレノイドの他端との間に設けられた閉弁用ハイサイド側スイッチング素子と、前記ソレノイドの一端と接地との間に設けられた閉弁用ローサイド側スイッチング素子とを含んで構成される閉弁スイッチング手段と、
前記閉弁用ローサイド側スイッチング素子と並列に、接地側から前記ソレノイド側へ電流が流れる向きに設けたダイオードを含んで構成される前記急速放電手段と、
を有し、開弁時には前記開弁用スイッチング手段がオンで前記閉弁用スイッチング手段がオフ、閉弁時には前記開弁手段がオフで前記閉弁手段がオンになるように切り換えられることを特徴とする請求項1記載の筒内直噴式内燃機関用燃料噴射弁の駆動回路。 - 前記急速放電手段は、前記ソレノイドの他端と前記高電圧電源の蓄電用コンデンサの一端との間に前者から後者への通電を許容するように設けられたダイオードと、前記コンデンサの他端と接地との間に設けられたスイッチング素子と、を含んで構成され、放電電流を前記コンデンサに回生させることを特徴とする請求項6記載の筒内直噴式内燃機関用燃料噴射弁の駆動回路。
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