JP3209337B2 - 電磁弁駆動回路 - Google Patents

電磁弁駆動回路

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JP3209337B2
JP3209337B2 JP34397989A JP34397989A JP3209337B2 JP 3209337 B2 JP3209337 B2 JP 3209337B2 JP 34397989 A JP34397989 A JP 34397989A JP 34397989 A JP34397989 A JP 34397989A JP 3209337 B2 JP3209337 B2 JP 3209337B2
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康秀 大内
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Tohoku Steel Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術】
本発明は、電子制御電磁弁装置の電磁弁の駆動回路に
関するものであり、特に自動車用エンジンにおける電子
制御燃料噴射装置に用いられる電子制御電磁弁装置の開
弁特性および/または閉弁特性を改善した駆動回路に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子制御燃料噴射装置は、自動車の排ガスの低減、燃
費の改善、出力の向上等、エンジンの総合的な性能向上
に大きな効果があるため、その搭載率は急速に増大して
いる。燃料噴射装置による上記の優れた効果は、燃料噴
射量をエンジンの種々の運転条件に合わせた最適な値に
制御することにより得られるものであるから、噴射量制
御の精度の向上が強く望まれている。 燃料噴射の制御は、制御信号発生器からのオン・オフ
噴射制御信号に基づいて燃料供給通路に設けられたニー
ドルバルブ、すなわち電磁噴射弁の励磁コイルへの通電
を制御することによって行われているが、その噴射量の
制御は噴射信号のオン期間、すなわち噴射弁の開弁時間
を制御することにより行われる。したがって、燃料噴射
量制御の精度は、噴射制御信号に対する噴射弁の時期的
追従性に大きく依存しているので、噴射量制御の精度を
向上するには噴射弁の応答性の向上が絶対に必要であ
る。
【0003】 このような燃料噴射弁の応答性は、噴射弁の構造や使
用されている鉄心材料等に係る電磁弁自動の性能の良否
に大きく影響されるが、電磁弁の励磁コイルを電気的に
駆動する方式にも大きく影響される。本発明はこの電磁
弁駆動方式を改善するものである。この電磁弁駆動方式
としては、大きく分けて電圧駆動方式と電流駆動方式の
2種類が実用化されている。
【0004】 第23図は、従来の電圧駆動方式による電磁弁駆動回路
の構成を示すものである。燃料噴射弁の開閉タイミング
を制御する制御信号発生器1の出力信号をトランジスタ
3のベースに供給するようにする。このトランジスタ3
のエミッターコレクタ通路を、電磁弁励磁コイル4およ
び抵抗5を経て直流電源、すなわち自動車に搭載されて
いるバッテリ6に接続する。制御信号発生器1から発生
される電磁弁の開閉制御信号によってトランジスタ3を
オン、オフさせ、励磁コイル4を流れる電流をオン、オ
フ制御して燃料噴射弁のニードルバルブを開閉すように
している。
【0005】 第24図は従来の電流駆動方式による電磁弁駆動回路の
構成を示すものである。制御信号発生器1からの制御信
号によって動作制御されるタイミング制御器2からの制
御信号を第1および第2のスイッチングトランジスタ3
および7のベースに供給する。これらのトランジスタ3
および7はそれぞれPNP型およびNPN型とする。第1トラ
ンジスタ3のコレクタをダイオード8を経て第2トラン
ジスタ7のエミッタに接続し、トランジスタ7とダイオ
ード8の直列回路と並列に電磁弁の励磁コイル4を接続
する。トランジスタ7のコレクタを直流電源、すなわち
バッテリ6の正端子に接続し、トランジスタ3のエミッ
タを抵抗5を経てバッテリ6の負端子に接続する。ま
た、トランジスタ3と抵抗5との接続点をスイッチング
制御器2に接続して、電磁弁励磁コイル4を流れる電流
の大きさを検出している。
【0006】 ニードルバルブを開いて燃料を噴射するときには、制
御信号発生器1からの信号によって第1トランジスタ3
をオン、第2トランジスタ7をオフとし、バッテリ6の
電圧をトランジスタ3を介して電磁弁励磁コイル4に印
加してこのコイルを経て電流を流し、ニードルバルブを
開とする。このとき、励磁コイル4を流れる電流の大き
さはバッテリ6の電圧および電流制限抵抗5の値によっ
て決まる。次に、タイミング制御器2は第1トランジス
タ3をオフ、第2トランジスタ7をオフとするような制
御信号を発生する。このように、制御信号発生器1が電
磁弁を閉弁するオフ信号を発生するまでの開弁期間中
は、トランジスタ3および7を通常数10KHzの繰り返し
周波数で交互にオン、オフさせて電磁弁励磁コイル4に
電流を流して燃料噴射弁のニードルバルブを開としてい
る。この場合、励磁コイルを流れる電流は脈動するが、
励磁コイル4の逆起電力をトランジスタ7およびダイオ
ード8を経て放電させているので、励磁コイル4を流れ
る電流の脈動を小さく抑えている。制御信号発生器1か
らの開弁信号の巾を制御することによって燃料噴射量の
制御を行っている。さらに、タイミング制御器2は抵抗
5の端子電圧を検出して励磁コイル4を流れる電流が噴
射弁の開弁に必要な電流まで立ち上がったことを検出し
たら直ちにトランジスタ3および7のオン、オフ制御に
入るようにして、余分なエネルギーの消費を防いでい
る。
【0007】
【発明が解決すべき課題】
上述した従来の電圧駆動方式の電磁弁駆動回路は、回
路構成は簡単であるが、第25図にその動作波形を示すよ
うに、回路に挿入された電流制限用抵抗5と、励磁コイ
ル4のインダクタの影響により、励磁コイルを流れる電
流が制御信号発生器1から供給される開弁信号の立ち上
がりに比べて大きく遅れるため、燃料噴射弁の鉄心の磁
化も遅れ、したがってリフト波形で示すように開弁時間
が著しく遅れる欠点がある。すなわち、開弁遅れ時間Tu
が長くなる欠点がある。
【0008】 第24図に示した電流駆動方式の電磁弁駆動回路におい
ては、抵抗5は十分小さい値となっているため、電圧降
下は小さく、励磁コイル4にはバッテリ6の電圧がほぼ
そのまま印加されることになるので26図に示すように、
開弁時には比較的大きな電流が励磁コイル4に流れ、開
弁遅れ時間は電圧駆動方式に比べて短くなる。また、開
弁期間中は、トランジスタ3および7を交互にオン、オ
フ動作させて、励磁コイル4を流れる電流の大きさを燃
料噴射弁の開弁保持に必要な最小電流に維持しているの
で、電磁弁の鉄心の磁化も最小となり、したがって閉弁
時の遅れ時間Tdも電圧駆動方式に比べて短くなる。この
ように、電流駆動方式は、電圧駆動方式に比べて開弁遅
れ時間Tuおよび閉弁遅れ時間Tdが共に短縮され、応答性
は比較的良好であるが、ガソリンエンジンの燃料噴射を
高精度で制御するに充分速い応答性を有しているもので
はない。
【0009】 従来の電流駆動方式においては、燃料噴射弁の励磁コ
イル4に印加される電圧は最大でもバッテリ6の電圧に
制限されるため、励磁コイルを流れる電流の立ち上がり
を改善し、開弁時間を短くすることには限界がある。特
に、低温におけるエンジン始動時などバッテリ6の電圧
が低下した状態では、さらに電流の立ち上がりが遅れ、
応答性の悪化により燃料噴射量が減少すると言う欠点が
ある。
【0010】 また、燃料噴射量制御の精度を、噴射量の広い範囲に
亘って確保すること、すなわち制御のダイナミックレン
ジの拡大には、噴射制御信号に対する噴射弁の開弁、閉
弁の時間的安定性も重要である。開弁、閉弁の僅かなタ
イミングの不安定さが、特に小噴射時の流量制御に大き
く影響し、自動車の燃費の悪化となって現れることにな
る。従来より、噴射弁の安定動作を燃料噴射弁自体の改
良に求めているため、噴射弁として高品質のものが求め
られ、多大の努力やコストを費やしていた。さらに、最
近の技術動向は、エンジン性能向上のため、燃料圧力を
高め、噴射時の燃料霧化を促進しようとする方向にある
が、燃料圧力の上昇は噴射弁の開弁時における駆動力を
弱める作用をするため応答性が一層悪化し、従来の駆動
回路では対応が困難であり、より一層の改善が望まれて
いる。
【0011】 本発明の目的は、上述した従来の欠点を除去し開弁お
よび/または閉弁の遅れ時間を短くし、したがって燃料
噴射制御に適用する場合には、燃料噴射量を高精度に制
御してエンジンの性能を最大限に発揮させることがで
き、特にバッテリ電圧が低下した場合にも制御の不安定
性が生じないようにした電磁弁駆動回路を提供しようと
するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電子制御電磁弁装置の単一のコイルにより
構成される電磁弁励磁コイルを流れる電流を制御して電
磁弁を駆動する電磁弁駆動回路において、前記電磁弁励
磁コイルに第1の電圧を印加して電磁弁を開弁し、その
状態を保持する第1の電流を流す第1の回路を閉成する
第1のスイッチング手段と、閉弁時に連続的に印加する
と電磁弁励磁コイルが焼損に至る電圧よりも相当高く、
極性が反対の第2の電圧を前記電磁弁励磁コイルに印加
して、連続的に通電すると電磁弁励磁コイルが焼損に至
る電流よりも相当大きく、方向が第1の電流とは反対の
第2の電流を流す第2の回路を瞬時に閉成する第2のス
イッチング手段と、前記第1のスイッチング手段によっ
て閉成される第1の回路に少なくとも接続されて前記第
1の電圧を印加する第1の電源手段と、前記第2のスイ
ッチング手段により閉成される第2の回路に接続されて
前記第2の電圧を印加する第2の電源手段とを具えるこ
とを特徴とするものである。
【0013】 さらに本発明は、電子制御電磁弁装置の単一のコイル
により構成される電磁弁励磁コイルを流れる電流を制御
して電磁弁を駆動する電磁弁駆動回路において、開弁時
に前記電磁弁励磁コイルに、連続的に印加すると電磁弁
励磁コイルが焼損に至る相当高い第1の電圧を印加し
て、連続的に通電すると電磁弁励磁コイルが焼損に至る
電流よりも相当大きな第1の電流を流す第1の回路を瞬
時に閉成する第1のスイッチング手段と、開弁後、前記
第1の電圧以下の第2の電圧を印加して、電磁弁を開弁
状態に維持するに必要な第2の電流を電磁弁励磁コイル
に流す第2の回路を閉成する第2のスイッチング手段
と、閉弁時に連続的に印加すると電磁弁励磁コイルが焼
損に至る電圧よりも相当高く、極性が反対の第3の電圧
を前記電磁弁励磁コイルに印加して、連続的に通電する
と電磁弁励磁コイルが焼損に至る電流よりも相当大き
く、方向が第1および第2の電流とは反対の第3の電流
を電磁弁励磁コイルに流す第3の回路を瞬時に閉成する
第3のスイッチング手段と、前記第1のスイッチング手
段によって閉成される第1の回路内に接続されて前記電
磁弁励磁コイルに前記第1の電圧を印加する第1の電源
手段と、前記第2のスイッチング手段により閉成される
第2の回路内に少なくとも接続されて前記電磁弁励磁コ
イルに前記第2の電圧を印加する第2の電源手段と、前
記第3のスイッチング手段により閉成される第3の回路
内に接続されて前記電磁弁励磁コイルに前記第3の電圧
を印加する第3の電源手段とを具えることを特徴とする
ものである。
【0014】 このような本発明の電磁駆動回路を、自動車エンジン
の燃料噴射弁に適用する場合には、開弁保持電流を流す
電源手段を自動車のバッテリを以て構成し、開弁時或い
は閉弁時に開弁保持電流よりも大きな電流を流す電源手
段をバッテリ電圧を昇圧するDC−DCコンバータを以て構
成することができる。このように電磁弁の開弁時に励磁
コイルに印加する電圧をバッテリ電圧よりも高くするこ
とによって開弁時に励磁コイルを流れる電流は急速に立
ち上がり、電磁弁の鉄心を速やかに磁化し、開弁時間の
遅れを著しく短くすることができる。
【0015】 電磁弁の励磁コイルを流れる電流は、励磁コイルのイ
ンダクタンスおよび直流抵抗の影響により印加電圧の変
化に対して常に遅れ、その変化は次式で表される。
【0016】
【数1】
【0017】 ここで、 I:電流(A) E:電圧(V) L:励磁コイルのインダクタンス(H) R:回路の抵抗(Ω) t:時間(秒) である。したがって、短時間に大きな駆動電流を得るた
めには高い電源電圧と低い回路抵抗とが必要であるが、
本発明によればバッテリとは別個にDC−DCコンバータを
設け、その昇圧した電圧を励磁コイルに印加するように
しているため、駆動電流を急激に増大させることがで
き、開弁遅れ時間を短縮することができる。 さらに本発明の電磁弁駆動回路においては、電磁弁の
閉弁時に開弁時とは反対方向の大きな電流を流すことが
できるので、電磁弁の鉄心の残留磁気を速やかに減磁さ
せることができ、閉弁開始時の弁の復帰力を大幅に高め
ることができ、したがって閉弁時の遅れ時間を大幅に短
縮することができる。
【0018】 さらに、本発明の電磁弁駆動回路いおいては、開弁時
に励磁コイルに急速に立ち上がる大電流を流すことがで
きるので、開弁時間の遅れを短くすることができ、また
閉弁時には反対方向の大電流を励磁コイルに流すことが
できるので、閉弁時間の遅れを短くすることができ、さ
らに開弁期間中は比較的小さな開弁保持電流を励磁コイ
ルに流すことができるので、電磁弁鉄心の磁化を必要最
小限に抑えることができ、したがって閉弁時の遅れをさ
らに短くすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】 第1図は電磁弁の開弁時間の遅れを短縮した本願の第
1番目の発明による電磁弁駆動回路の一実施例の構成を
示すものであり、自動車用ガソリンエンジンの電子制御
燃料噴射弁に適用したものである。自動車に搭載されて
いるバッテリ11の電圧を昇圧するDC−DCコンバータ12を
設け、これらを直列に接続する。バッテリ11の負端子は
接地する。バッテリ11の正端子を、電磁弁励磁コイル1
3、第1および第2のトランジスタ14および15を経てコ
ンバータ12の負端子に接続する。トランジスタ14のエミ
ッタとトランジスタ15のコレクタとの接続点をダイオー
ド16および電流制限抵抗17を経てバッテリ11の負端子お
よびコンバータ12の正端子との接続点に接続する。トラ
ンジスタ14のベースは制御信号発生器18の出力端子に接
続し、トランジスタ15のベースは、制御信号発生器によ
って制御されるタイミング制御器19の出力端子に接続す
る。
【0020】 次に、上述した本発明の電磁弁駆動回路の動作を第2
図に示す信号波形をも参照して説明する。制御信号発生
器18からは、第2図Aに示す開弁信号が発生される。こ
の開弁信号がハイレベルにあるときに、電磁噴射弁が動
作して、ニードルバルブを開とするのが理想であるが、
開弁時の遅れおよび閉弁時の遅れによってずれが生じ
る。このずれをできるだけ小さくすることが燃料噴射量
の制御精度を向上する上で重要である。開弁信号はトラ
ンジスタ14のベースに直接供給されるとともにタイミン
グ制御器19に供給され、このタイミング制御器から第2
図Bに示すように開弁信号の立ち上がりエッジに同期し
てパルス信号を発生させ、これをトランジスタ15のベー
スに供給する。したがって、これらのトランジスタ14お
よび15は同時にオンとなる。このため、電磁弁励磁コイ
ル13には、バッテリ11およびコンバータ12の直列回路が
接続されることになるが、この回路の抵抗は非常に低い
ので励磁コイル12にはバッテリ11およびコンバータ12の
出力電圧の和に等しい電圧が印加され、励磁コイル13に
は第2図Cに示すように急速に立ち上がり、振幅の大き
な電流i1が瞬時に流れることになり、電磁弁の鉄心は急
速に磁化され、ニードルバルブは瞬時に開弁することに
なる。
【0021】 パルス信号の立ち下がりに同期してトランジスタ15が
オフとなると、励磁コイル12を流れる電流は急速に減少
し、バッテリ11の電圧と抵抗17の値によって決まる電流
i2が流れるようになる。この電流i2の値は、電磁弁の開
弁を保持するのに必要な最小電流値とすることができ
る。電磁弁の開弁制御信号がロウレベルになると、トラ
ンジスタ14はオフとなり、励磁コイル13を流れる電流は
零となる。この場合、開弁期間中の電流i2の値は抵抗17
によって開弁保持電流に維持されているので、開弁期間
中の励磁コイル13の発熱量は小さくなるとともに電磁弁
の鉄心の残留磁気は小さく、第23図に示した従来の電圧
駆動方式のものよりも閉弁動作は迅速に行われることに
なる。また、ダイオード16はトランジスタ15がオンとな
るときに、コンバータ12から抵抗17を経て電流が流れる
のを阻止するように作用するものである。
【0022】 第3図は上述した本発明の電磁弁駆動回路の開弁特性
を、横軸にバッテリ11の電圧をとり、縦軸に開弁遅れ時
間をとって示したものである。第3図には、さらに比較
のために第23図に示した従来の電磁弁駆動回路の開弁特
性をも示した。この特性は、バッテリ11の電圧を可変と
しまたコンバータ12は、バッテリ11の電圧を2倍に昇圧
するようにして、開弁遅れ時間、すなわち制御信号発生
器18から開弁信号が発生されてから、ニードルバルブが
全開するまでの時間を非接触変位センサーで測定したも
のである。この場合、燃料噴射弁からは実際にはガソリ
ンは噴射させないで、空気中で測定した。
【0023】 本発明の電磁弁駆動回路においては、励磁コイルを流
れる電流の立ち上がりが急峻になっているので、開弁遅
れ時間は著しく短縮され、自動車バッテリの通常の動作
電圧範囲において従来の電磁弁駆動回路にくらべて50〜
60%も短縮されていることが分かる。また、バッテリ電
圧が低下した場合の開弁遅れ時間の増大も非常に小さな
ものとなり、殆ど無視することができる。さらに、DC−
DCコンバータ12の出力電圧を24ボルトとしたが、さらに
出力を高くすることによって開弁遅れ時間をさらに短縮
することができるが、この出力電圧の上限値はスイッチ
ング素子として使用するトランジスタの耐圧によって制
限される。
【0024】 第4図および第5図は、第1図に示した本発明の電磁
弁駆動回路の変形例を示すものであり、第1図に示した
素子と同一の素子には同じ符号を付けて示し、トランジ
スタは単にスイッチ接点として示した。第4図に示す実
施例においては、バッテリ11とトランジスタ14との直列
回路およびDC−DCコンバータ12とトランジスタ15との直
列回路よりなる並列回路を電磁弁の励磁コイル13と直列
に接続したものであり、電磁弁の開弁時には、トランジ
スタ15のみをオンとしてコンバータ12の高い出力電圧を
励磁コイル13に印加して急速に立ち上がる電流を励磁コ
イルに流して開弁遅れを短縮し、その後トランジスタ15
をオフとし、トランジスタ14をオンとしてバッテリ11の
電圧を励磁コイル13に印加して開弁保持電流を流すよう
にしたものである。本例において、バッテリ11と直列に
ダイオード20を破線で示すような極性に接続する場合に
は、開弁時にトランジスタ14をトランジスタ15と同時に
オンとすることができる。
【0025】 第5図に示す変形例においては、バッテリ11とDC−DC
コンバータ12とをトランジスタ15を介して直列に接続
し、バッテリ11の正端子を電磁弁の励磁コイル13の一端
に接続し、励磁コイルの他端を、トランジスタ14を介し
てバッテリ11の負端子とトランジスタ15との接続点に接
続するとともにコンバータ12の負端子に接続する。本例
においては、開弁時にトランジスタ15をオンとしてバッ
テリ11の電圧およびコンバータ12の電圧の和の電圧を励
磁コイル13に印加して急速に立ち上げる電流を流して開
弁遅れを小さくし、開弁後はトランジスタ15をオフと
し、トランジスタ14をオンとしてバッテリ11の電圧を励
磁コイル13に印加して開弁保持電流を流すようにしてい
る。本例においてもトランジスタ14と直列にダイオード
20を接続することができ、この場合には開弁時において
トランジスタ14をトランジスタ15と同時にオンとするこ
とができる。
【0026】 上述したように本発明の電磁弁駆動回路においては、
電磁弁の開弁時には、コンバータ12の出力電圧(第4図
の実施例)またはコンバータの出力電圧とバッテリ電圧
との和の電圧(第1図および第5図の実施例)が励磁コ
イル13に印加されるが、これらの電圧はいずれもバッテ
リ電圧よりも高い電圧となっているので、励磁コイルを
流れる電流は急速に立ち上がるものとなり、開弁遅れ時
間をきわめて短くすることができる。また、開弁後は、
励磁コイルに流す電流は開弁保持電流とすることができ
るので無駄な発熱を防ぐことができるとともに鉄心の残
留磁気を小さく抑えることができ、したがって閉弁遅れ
時間もある程度短縮することができる。
【0027】 第6図は、第1図に示した本発明の電磁弁駆動回路の
さらに他の変形例を示すものであり、第1図に示した電
磁弁の励磁コイル13と並列にコンデンサ21を接続したも
のであり、その他の構成は第1図に示したものと同一で
ある。本例においては、第7図に示したように、開弁時
において電流i1は急峻に立ち上がり、開弁後は開弁保持
電流i2が流れ、閉弁時には励磁コイル13の逆起電力はコ
ンデンサ21の励磁コイル13との共振回路をリンギング電
流として流れて消滅し、電流は急速に立ち下がり、反対
方向の電流i3が流れることになり、この結果として電磁
弁の鉄心の残留磁気を強制的に打消すことができ、閉弁
遅れ時間を短縮することができる。
【0028】 第8図は、第6図に示した実施例のコンデンサ21の容
量と閉弁遅れ時間との関係を示すものであり、コンデン
サの容量を0.35μFとするときに閉弁遅れ時間を最も短
くすることができる。この閉弁遅れ時間は、第1図に示
すようにコンデンサを接続しない場合に比べて20%以上
短縮することができる。このコンデンサ21の容量の最適
値は、電磁弁のインダクタンス、磁路を構成する磁性材
料によって異なるので、それぞれの場合について最適値
を決定する必要がある。
【0029】 上述したように、本発明によれば電磁弁の開弁時の遅
れ時間を短縮することができるが、これによって開弁時
間の変動範囲を減少することもできる。
【0030】 第9図は本発明の電磁弁駆動回路の他の実施例を示す
回路図であり、本例では電磁弁の閉弁時の遅れを改善す
るものであり、基本的には電圧駆動方式のものである。
電磁燃料噴射弁の励磁コイル31の一端を抵抗器33を経て
トランジスタ32のコレクタに接続し、そのエミッタを接
地する。励磁コイル31の他端をバッテリ34の正端子に接
続し、バッテリの負端子は接地する。励磁コイル31とバ
ッテリ34の正端子との接続点をDC−DCコンバータ35の負
端子に接続し、このコンバータの正端子をトランジスタ
36のエミッタに接続し、そのコレクタは励磁コイル31と
抵抗器33との接続点に接続する。トランジスタ32のベー
スは抵抗37を介して制御信号入力端子38に接続し、トラ
ンジスタ36のエミッタおよびベースをそれぞれ抵抗39お
よび40を経てコンデンサ41の一端に接続し、その他端は
制御信号入力端子38に接続する。前例と同様に、DC−DC
コンバータ35はバッテリ34によって駆動され、バッテリ
電圧を昇圧した電圧を出力することができるように構成
されている。
【0031】 次に、本例の駆動回路の動作を第10図に示す信号波形
をも参照して説明する。第10図Aは入力端子38に供給さ
れる開弁制御信号を示すものであり、この制御信号によ
ってトランジスタ32がオンとなるとともにトランジスタ
36のベースには、第10図Bに示すように制御信号の立ち
上がりにおいてスパイク状のパルス電圧が印加される
が、トランジスタ36はオフ状態のままである。トランジ
スタ32がオンとなると、バッテリ34の電圧が抵抗33を経
て電磁弁の励磁コイル31に印加され、励磁コイルには第
10図Cに示すように徐々に立ち上がる電流が流れ、電磁
弁は第10図Dにリフト波形を示すように開弁状態とな
る。本例においては、この開弁時にはバッテリ電圧を印
加しているだけであるので、開弁の遅れ時間Tuは従来の
電圧駆動方式による駆動回路と同様である。制御パルス
が立ち下がると、トランジスタ32はオフとなるが、トラ
ンジスタ36のベースには負のスパイク状パルスが印加さ
れ、トランジスタのエミッタ−ベース間の導通電圧であ
る0.6ボルト以上の電圧が印加されている間はオンとな
り、コンバータ35の高電圧が励磁コイル31に印加され、
励磁コイルには方向が反対で急激に変化する電流が流れ
る。このように、閉弁時には励磁コイル31には、方向が
開弁時とは反対方向で、急激に変化する電流が流れるた
め、電磁弁の鉄心の残留磁気は急速に低減し、電磁弁は
迅速に閉弁動作を行うようになる。このため、閉弁遅れ
時間Tdは従来のものに比べて著しく小さな値となる。
【0032】 第11図は上述した実施例と同様に、閉弁特性を改善し
た本発明の駆動回路の実施例を示すものであるが、本例
では電流駆動方式を採用したものである。本例におい
て、前例と同じ素子には同一符号を付けて示す。本例で
は、電磁弁の励磁コイル31の一端をトランジスタ32およ
び抵抗33を経て接地し、他端をバッテリ34の正端子に接
続し、バッテリ34によって駆動されるDC−DCコンバータ
35の負端子を励磁コイル31とバッテリとの接続点に接続
し、正端子をトランジスタ36を介して励磁コイル31の他
端に接続する。トランジスタ36のコレクタとベースとの
間にはフォトカプラ43を接続し、ベースとエミッタとの
間には抵抗44を接続する。励磁コイル31と並列にダイオ
ード45およびトランジスタ46を接続する。本例では、さ
らに制御信号入力端子38にタイミング制御器47を接続
し、このタイミング制御器の出力信号をトランジスタ3
2,46のベースに供給するとともに抵抗48を経てフォトカ
プラ43に接続する。
【0033】 本例の駆動回路の動作を第12図の信号波形をも参照し
て説明する。制御信号入力端子38に第12図Aに示す開弁
制御信号を供給すると、タイミング制御器47は第12図B,
CおよびDに示す制御パルスをトランジスタ32および46
のベースおよびフォトカプラ43に供給する。開弁時には
トランジスタ32が先ずオンとなり、励磁コイル31にはバ
ッテリ34の電圧が印加され、励磁コイルには第12図Eに
示すように電流が流れ、電磁弁は開弁される。タイミン
グ制御器47は、開弁制御信号がハイレベルにある間は、
例えば10KHzの周波数の制御パルスを発生し続け、トラ
ンジスタ32および46を交互にオン、オフさせる。トラン
ジスタ46がオンとなると、励磁コイル31の逆起電力はダ
イオード45およびトランジスタ46を経て放電される。こ
のようにして、トランジスタ32および46を交互にオン、
オフさせることによって励磁コイルコイル31には開弁保
持電流が流れることになる。
【0034】 開弁制御信号の立ち下がりにおいて、タイミング制御
器47は第12図Dに示すようなパルスをフォトカプラ43に
供給し、トランジスタ36をオンとする。このため、コン
バータ35の出力高電圧がトランジスタ36を経て励磁コイ
ル31に印加され、励磁コイルには第12図Eに示すように
開弁時とは反対方向の電流が急激に流れることになり、
電磁弁の閉弁遅れ時間Tdを短縮することができる。開弁
遅れ時間Tuは前例と同様に従来の電流駆動方式の駆動回
路に比べて改善されてはいない。本例においては、電磁
弁の開弁期間中、励磁コイル31に開弁保持電流を流すよ
うにしため閉弁には電磁弁の鉄心の残留磁気は急激に消
滅するので閉弁遅れ時間を、前例に比べてさらに短縮す
ることができる。
【0035】 第13図は、電磁弁の開弁時および閉弁時の遅れを短縮
するとともに開弁期間中に励磁コイルに流れる電流を開
弁保持電流とした本願の第3番目の発明による電磁弁駆
動回路の基本的構成を示すものである。本例では、バッ
テリ51と、このバッテリによって駆動される第1および
第2のDC−DCコンバータ52および53を設け、バッテリ51
の正端子を抵抗54およびトランジスタ55を経て電磁弁の
励磁コイル56の一端に接続し、コンバータ52の正端子を
トランジスタ57を経て励磁コイルの一端に接続し、コン
バータ53の負端子をトランジスタ58を経て励磁コイル56
の一端に接続する。また、バッテリ51およびコンバータ
52の負端子およびコンバータ53の正端子を接地するとと
もに励磁コイル56の他端を接地する。制御信号入力端子
59にはタイミング制御器60を接続し、このタイミング制
御器の出力端子をトランジスタ55,57および58のベース
に接続する。
【0036】 次に、本例の駆動回路の動作を第14図に示す信号波形
をも参照して説明する。入力端子59に第14図Aに示す制
御信号が供給されると、トランジスタ55,57および58の
ベースには第14図C,BおよびDに示す制御パルスがタイ
ミング制御器60から供給される。すなわち、制御信号の
立ち上がりにおいてトランジスタ57がオンとなり、コン
バータ52の電圧が励磁コイル56に印加され、励磁コイル
には、第14図Eに示すように急激に増大する電流が流
れ、したがって開弁時における遅れ時間Tuを短くするこ
とができる。電磁弁の開弁後は、トランジスタ55がオン
となり、バッテリ51の電圧が励磁コイル56に印加され、
励磁コイルには抵抗54で制限された電流が流れ、電磁弁
を開弁状態に維持する。制御信号の立ち下がりにおい
て、トランジスタ58がオンとなり、コンバータ53の電圧
が励磁コイルに印加されるが、この電圧はバッテリ51お
よびコンバータ52の電圧とは反対極性となっているの
で、励磁コイル56には反対方向の電流が急激に流れるよ
うになり、閉弁遅れ時間Tdを短縮することができる。こ
のように、本例においては、電磁弁の開弁時および閉弁
時の遅れ時間を短縮することができるとともに開弁期間
中の電流は抵抗54によって開弁保持電流にすることがで
きるので、閉弁遅れ時間をさらに短縮することができる
とともに励磁コイルでの発熱を抑えることができる。
【0037】 第13図に示した実施例におけるタイミング制御器60は
既知の再トリガ可能な単安定マルチバイブレータを用い
たパルス発生器を以て構成することができるが、このよ
うなパルス発生器の一例を第15図に示す。第15図に示す
ように、開弁制御信号を受ける入力端子INに3段のリト
リガブル単安定マルチバイブレータMMV−A〜MMV−Cを
縦続接続する。開弁制御信号が入力端子INに与えられる
と、MMV−AのQ端子はハイレベルとなり、抵抗RXAとコ
ンデンサCXAとの積によって決まる巾を有するパルスが
出力される。このパルスを出力端子O−1に供給する。
MMV−BのQ端子は、MMV−AのQ端子に現われる上述し
たパルスの立ち下がりに応答してハイレベルとなり、抵
抗RXBとコンデンサCXBとの積によって決まる巾を有する
パルスが出力される。このパルス巾は、電磁弁繰り返し
開閉周期よりも十分に長くなるように設定する。またMM
−BのCLR端子は入力端子INに接続されているので、開
弁制御信号の立ち下りに同期してMMV−BのQ端子はロ
ーレベルになる。このパルスを出力端子O−2に供給す
る。MMV−CのQ端子は、MMV−BのQ端子に現れる上述
したパルスの立ち下がりに応答してハイレベルとなり、
抵抗RXCとコンデンサCXCとの積によって決まる巾を有す
るパルスが出力される。このパルスは出力端子O−3に
出力される。このようにして、第13図に示す電磁弁駆動
回路に必要な制御パルスを発生させることができるが、
タイミング制御器は上述した例だけに限定されるもので
はなく、他の種々の回路構成が可能である。
【0038】 第16図は本発明の駆動回路のさらに他の実施例を示す
ものであり、第13図に示した素子と同じ素子には同じ符
号を付けて示した。第17図Aに示す様な開弁制御信号が
供給されると、電磁弁の開弁時には第17図CおよびBに
示すようにトランジスタ55および57がオンとなり、バッ
テリ51およびコンバータ52の和の電圧が励磁コイル56に
印加され、急速に立ち上がる電流が流れ、開弁遅れ時間
を短くすることができる。開弁後はトランジスタ55のみ
が引き続きオンとなり、バッテリ51から抵抗54およびダ
イオード90を経て励磁コイル56に開弁保持電流が流れ
る。閉弁時には第17図Dに示すようにトランジスタ58の
みがオンとなり、励磁コイル56には反対方向の急激に増
大する電流が流れ、閉弁遅れ時間を短くすることができ
る。
【0039】 第18図は本発明の駆動回路のさらに他の実施例を示す
ものである。本例では、第19図Aに示す様な開弁制御信
号が供給されると、電磁弁の開弁時には第19図Bに示す
ようにトランジスタ57のみがオンとなり、バッテリ51お
よびコンバータ52の和の高い電圧が励磁コイル56に印加
され、励磁コイル56には急速に立ち上がる電流が流れ、
開弁遅れ時間を短くすることができる。開弁後は、第19
図Cに示すようにオランジスタ55のみがオンとなり、バ
ッテリ51から抵抗54を経て励磁コイル56に開弁保持電流
が流れる。閉弁時には第19図Dに示すようにトランジス
タ58のみがオンとなり、励磁コイル56には反対方向の急
激に増大する電流が流れ、閉弁遅れ時間を短くすること
ができる。
【0040】 第20図は第16図に基本構成を示した本発明の電磁弁駆
動回路の一実施例の構成を示す回路図である。本例は電
流駆動方式を適用したものであり、電磁弁の励磁コイル
71の一端をバッテリ72の正端子に接続し、バッテリの負
端子は接地する。励磁コイル71の他端はトランジスタ73
および74を経てDC−DCコンバータ75の出力端子76に接続
し、これらトランジスタの接続点をダイオード77および
抵抗78を経て接地する。励磁コイル71とトランジスタ73
のコレクタとの接続点をトランジスタ79を経てコンバー
タ75の出力端子80に接続する。このトランジスタ79のエ
ミッタは抵抗81および82を介してベースに接続する。ト
ランジスタ73のベースは抵抗83を経て、直列接続した反
転段84および85の出力端子に接続する。また、トランジ
スタ74のベースは抵抗86およびコンデンサ87を介して反
転段85の出力端子に接続する。さらに、トランジスタ74
のエミッタを抵抗88を経て、抵抗86とコンデンサ87との
接続点に接続し、抵抗81と82との接続点をコンデンサ89
を経て反転段85の出力端子に接続する。反転段84の入力
端子は制御信号を受ける制御信号入力端子90に接続す
る。DC−DCコンバータ75は既知のジェンセン型のコンバ
ータを以て構成し、バッテリ72の+12ボルトの電圧を昇
圧して出力端子76に、−24ボルト、出力端子80に+160
ボルトの電圧を発生するものである。
【0041】 次に、本例の駆動回路の動作を第21図に示す信号波形
を参照して説明する。入力端子90には、第21図Aに示す
開弁制御信号が供給される。この開弁制御信号によっ
て、トランジスタ73はオンとなる。また、トランジスタ
74および79のベースには、開弁制御信号の立ち上がりに
おいて正、立ち下がりにおいて負のスパイク状パルスが
印加され、立ち上がりにおいてトランジスタ74がオン、
立ち下がりにおいトランジスタ79がオンとなる。したが
って、開弁時には電磁弁ので励磁コイル71には、バッテ
リ72の電圧とコンバータ75の出力端子76の電圧の和の電
圧が印加され、励磁コイルは急激に立ち上がる電流が流
れ、開弁時の遅れ時間を短縮することができる。開弁後
は、トランジスタ73のみがオンとなり、バッテリ72の電
圧が印加され、励磁コイルには抵抗78によって制限され
た開弁保持電流が流れる。開弁制御信号の立ち下がり時
に、トランジスタ73および74はオフとなり、トランジス
タ79がオンとなる。したがって、励磁コイル71にはコン
バータ75の出力端子80に現れる160ボルトの電圧が印加
され、励磁コイルを経てそれまでとは反対方向の急激に
増大する電流が流れ、電磁弁の鉄心の残留磁気は速やか
に消滅し、電磁弁の閉弁遅れ時間を短縮することができ
る。
【0042】 上述したように、本発明においては、電磁弁の閉弁時
に、励磁コイルに開弁期間中とは反対方向で、急激に増
大する電流を流すようにしたため、励磁コイルに発生す
る逆起電力を迅速に消滅させるとともに電磁弁の鉄心の
残留磁気を強制的に打ち消すことができ、したがって閉
弁時の遅れ時間をきわめて短くすることができる。さら
に電磁弁の開弁時に急激に増大する電流を励磁コイルに
流すようにした場合には、電磁弁の開弁遅れ時間を短縮
するとともに、この遅れ時間のばらつきを小さくするこ
とができる。また、本発明においては、3つの電源手段
を設け、開弁時、開弁期間中および開弁時のそれぞれに
おいて最適の電流を励磁コイルに流すようにしたもので
は、閉弁遅れ時間および閉弁遅れ時間を短縮することが
できるとともに開弁期間中は励磁コイルを流れる電流を
開弁保持電流に維持することができるので、励磁コイル
の発熱を最少に抑えることができるとともに電磁弁の鉄
心の残留磁気を最少とすることができるので閉弁遅れ時
間をさらに短縮することができる。
【0043】 上述した本発明の効果を実証するために、第22図A,B
およびCに示した従来の電圧駆動方式による電磁弁駆動
回路における閉弁遅れ時間、従来の回路において励磁コ
イルと並列にコンデンサを接続した駆動回路の閉弁遅れ
時間および本発明による電圧駆動方式の電磁弁駆動回路
において、閉弁時に励磁コイルに印加する電圧を120,14
0および160ボルトとした場合の閉弁遅れ時間をそれぞれ
測定した結果を以下に示す。なお、第22図において、Tr
はスイッチングトランジスタ、EFIは電磁弁の励磁コイ
ル、E1はバッテリ、E2はDC−DCコンバータ、Rは電流制
限抵抗、Cはコンデンサである。また、この実験ではバ
ッテリ電圧は14ボルトとし、開弁制御信号の周期を10ミ
リ秒、パルス巾を2ミリ秒とし、ニードルバルブは空気
中で動作させ、その開閉は非接触変位センサによって検
出した。
【0044】
【表1】
【0045】 この実験結果から明らかなように、本発明の電磁弁駆
動回路によれば、従来の駆動回路に比べて閉弁時の遅れ
時間を大幅に短くすることができ、したがって燃料噴射
弁に適用した場合、噴射燃料を精度良く制御することが
でき、エンジンの性能を最大限に発揮させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1図は開弁特性を改善した本発明の電磁弁駆動回路の
一実施例の構成を示す回路図である。
【図2】 第2図は同じくその動作を説明するための信号波形図で
ある。
【図3】 第3図はバッテリの電圧と開弁遅れ時間との関係を示す
グラフである。
【図4】 第4図は第1図の変形例の構成を示す回路図である。
【図5】 第5図は第1図の変形例の構成を示す回路図である。
【図6】 第6図は励磁コイルと並列にコンデンサを接続した第1
図の変形例を示す回路図である。
【図7】 第7図は同じくその動作を説明するための電流波形図で
ある。
【図8】 第8図はコンデンサの容量と開弁遅れ時間との関係を示
すグラフである。
【図9】 第9図は閉弁特性を改善した本発明の電磁弁駆動回路の
一実施例の構成を示す回路図である。
【図10】 第10図は同じくその動作を説明するための信号波形図で
ある。
【図11】 第11図は第9図の変形例の構成を示す回路図である。
【図12】 第12図は同じくその動作を説明するための信号波形図で
ある。
【図13】 第13図は開弁特性および閉弁特性の双方を改善した本発
明の電磁弁駆動回路の一実施例の構成を示す回路図であ
る。
【図14】 第14図は同じくその動作を説明するための信号波形図で
ある。
【図15】 第15図は同じくそのタイミング制御器の一例の構成を示
す回路図である。
【図16】 第16図は第13図の変形例を示す回路図である。
【図17】 第17図は同じくその動作を説明するための信号波形図で
ある。
【図18】 第18図は第13図の他の変形例を示す回路図である。
【図19】 第19図は同じくその動作を説明するための信号波形図で
ある。
【図20】 第20図は第13図に示した回路の詳細な構成を示す回路図
である。
【図21】 第21図は同じくその動作を説明するための信号波形図で
ある。
【図22】 第22図は本発明の効果を示すための実験に使用した電磁
弁駆動回路の構成を示す回路図である。
【図23】 第23図は従来の電圧駆動方式による電磁弁駆動回路の構
成を示す回路図である。
【図24】 第24図は同じく従来の電流駆動方式による電磁弁駆動回
路の構成を示す回路図である。
【図25】 第25図は第23図に示す回路の動作を説明するための信号
波形図である。
【図26】 第26図は第24図に示す回路の動作を説明するための信号
波形図である。
【符号の説明】
1,18……制御信号発生器、2,19……タイミング制御器 3,7,14,15……トランジスタ 5,33,37,39,40,44,48,78,81,82,83,86,88……抵抗器 6,11……バッテリ、4,13……励磁コイル、8,16……ダイ
オード 12……DC−DCコンバータ、17……電流制限抵抗、20……
ダイオード、 21……コンデンサ、31……励磁コイル、32,36……トラ
ンジスタ 34……バッテリ、35……DC−DCコンバータ、41,87,89…
…コンデンサ 43……フォトカプラ、45,77,90……ダイオード、46……
トランジスタ 47……タイミング制御器、51……バッテリ、52,53……D
C−DCコンバータ 54……電流制限抵抗、55,57,58……トランジスタ、56…
…励磁コイル 60……タイミング制御器、71……励磁コイル、72……バ
ッテリ 73,74,79……トランジスタ、75……DC−DCコンバータ 84,85……インバータ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−214081(JP,A) 特開 昭62−276236(JP,A) 特開 昭57−203829(JP,A) 特開 昭60−256689(JP,A) 特開 昭63−34387(JP,A) 特開 平2−185649(JP,A) 特開 昭55−98622(JP,A) 特開 昭57−203832(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/20 330 F16K 31/06 310 H01F 7/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子制御電磁弁装置の単一のコイルにより
    構成される電磁弁励磁コイルを流れる電流を制御して電
    磁弁を駆動する電磁弁駆動回路において、前記電磁弁励
    磁コイルに第1の電圧を印加して電磁弁を開弁し、その
    状態を保持する第1の電流を流す第1の回路を閉成する
    第1のスイッチング手段と、閉弁時に連続的に印加する
    と電磁弁励磁コイルが焼損に至る電圧よりも相当高く、
    極性が反対の第2の電圧を前記電磁弁励磁コイルに印加
    して、連続的に通電すると電磁弁励磁コイルが焼損に至
    る電流よりも相当大きく、方向が第1の電流とは反対の
    第2の電流を流す第2の回路を瞬時に閉成する第2のス
    イッチング手段と、前記第1のスイッチング手段によっ
    て閉成される第1の回路に少なくとも接続されて前記第
    1の電圧を印加する第1の電源手段と、前記第2のスイ
    ッチング手段により閉成される第2の回路に接続されて
    前記第2の電圧を印加する第2の電源手段とを具えるこ
    とを特徴とする電磁弁駆動回路。
  2. 【請求項2】電子制御電磁弁装置の単一のコイルにより
    構成される電磁弁励磁コイルを流れる電流を制御して電
    磁弁を駆動する電磁弁駆動回路において、開弁時に前記
    電磁弁励磁コイルに、連続的に印加すると電磁弁励磁コ
    イルが焼損に至る相当高い第1の電圧を印加して、連続
    的に通電すると電磁弁励磁コイルが焼損に至る電流より
    も相当大きな第1の電流を流す第1の回路を瞬時に閉成
    する第1のスイッチング手段と、開弁後、前記第1の電
    圧以下の第2の電圧を印加して、電磁弁を開弁状態に維
    持するに必要な第2の電流を電磁弁励磁コイルに流す第
    2の回路を閉成する第2のスイッチング手段と、閉弁時
    に連続的に印加すると電磁弁励磁コイルが焼損に至る電
    圧よりも相当高く、極性が反対の第3の電圧を前記電磁
    弁励磁コイルに印加して、連続的に通電すると電磁弁励
    磁コイルが焼損に至る電流よりも相当大きく、方向が第
    1および第2の電流とは反対の第3の電流を電磁弁励磁
    コイルに流す第3の回路を瞬時に閉成する第3のスイッ
    チング手段と、前記第1のスイッチング手段によって閉
    成される第1の回路内に接続されて前記電磁弁励磁コイ
    ルに前記第1の電圧を印加する第1の電源手段と、前記
    第2のスイッチング手段により閉成される第2の回路内
    に少なくとも接続されて前記電磁弁励磁コイルに前記第
    2の電圧を印加する第2の電源手段と、前記第3のスイ
    ッチング手段により閉成される第3の回路内に接続され
    て前記電磁弁励磁コイルに前記第3の電圧を印加する第
    3の電源手段とを具えることを特徴とする電磁弁駆動回
    路。
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