JP3612886B2 - 制御通信システム - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、リミットスイッチや各種センサなどの入力機器からのオンオフの状態信号を制御用コントローラなどに伝送したり、あるいは、制御用コントローラなどからのオンオフの制御信号を、工作機械等のエアーバルブやアクチュエータなどの出力機器に伝送するのに好適な制御通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
このような制御通信システムにおいて、制御用コントローラと出力機器、あるいは、制御用コントローラと入力機器の間を、個別に直接配線したのでは、配線構成が複雑となり、配線作業に手間がかかるとともに、配線数が増加する分コストも高くつくことになる。
【0003】
そこで、省配線を図った制御通信システムとして、例えば図11に示されるように、制御用コントローラ50に接続された親局51と、アクチュエータ等の出力機器あるいは各種センサ等の入力機器に接続された複数の子局521〜52nとを備え、親局51から伝送されるオンオフの制御信号を子局521〜52nを介して出力機器に出力したり、あるいは、入力機器からのオンオフの状態信号を子局521〜52nに取り込んで親局51に伝送するといった構成のものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような制御通信システムでは、断線等による伝送路の異常が生じた場合に、その検知および異常が生じた箇所の特定が容易ではなく、したがって、正常な状態に復帰させるまでに長時間を要するといった難点がある。
【0005】
本発明は、上述の点に鑑みて為されたものであって、親局と複数の子局とを備える省配線を図った制御通信システムにおいて、断線等による伝送路異常が生じた場合に、それを検知できるようにするとともに、その異常が生じた箇所を容易に特定できるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上述の目的を達成するために、次のように構成している。
【0007】
すなわち、本発明の請求項1に係る制御通信システムは、親局と複数の子局とが縦続接続され、この縦続接続は、前記親局から前記複数の子局のそれぞれへ電源を供給する電源線と、前記親局から前記複数の子局のそれぞれへシフトクロックを伝送するクロック線と、前記親局と前記複数の子局のそれぞれとの間においてデータを伝送するデータ線とをそれぞれ接続することにより行われる制御通信システムであって、前記複数の子局のそれぞれは、前記クロック線からのシフトクロックに応じて、伝送データを、前記データ線を介して隣の局に順次シフトさせて伝送するデータ伝送処理回路と、前記電源線からの電源供給の状態を表示する通電表示手段と、前記クロック線、および、前記データ線についてそれぞれ個別に、信号レベルが断線状態に対応した所定範囲のレベルであるのを予め定めた期間継続したときに断線を検出する断線検出手段と、前記断線検出手段の検出結果に基づいて、前記クロック線の断線の有無、および、前記データ線の断線の有無をそれぞれ個別に表示する断線表示手段と、を備える。
【0008】
本発明の請求項2に係る制御通信システムは、親局と複数の子局とが縦続接続され、この縦続接続は、前記親局から前記複数の子局のそれぞれへ電源を供給する電源線と、前記親局から前記複数の子局のそれぞれへシフトクロックを伝送するクロック線と、前記親局と前記複数の子局のそれぞれとの間においてデータを伝送するデータ線とをそれぞれ接続することにより行われる制御通信システムであって、前記複数の子局のそれぞれは、前記クロック線からのシフトクロックに応じて、伝送データを、前記データ線を介して隣の局に順次シフトさせて伝送するデータ伝送処理回路と、前記電源線からの電源供給の状態を表示する通電表示手段と、前記クロック線および前記データ線についてそれぞれの信号レベルがそれぞれの断線状態に対応した所定範囲のレベルにあるかを個別に計測し、それらの論理和の出力が予め定めた期間継続したときに前記クロック線および前記データ線の少なくとも一方の断線であるとの断線検出信号を出力し、かつ、前記データ線の信号レベルが断線状態に対応した前記所定範囲のレベルであるとの検出信号を出力する断線検出手段と、前記断線検出手段の断線検出信号および検出信号の両出力に基づいて、断線したのが前記クロック線および前記データ線のいずれかの種類かに応じて、前記通電表示手段の表示状態を制御する断線表示手段と、を備える。
【0009】
本発明の請求項3に係る制御通信システムは、親局と複数の子局とが縦続接続され、この縦続接続は、前記親局から前記複数の子局のそれぞれへ電源を供給する電源線と、前記親局から前記複数の子局のそれぞれへシフトクロックを伝送するクロック線と、前記親局と前記複数の子局のそれぞれとの間においてデータを伝送するデータ線とをそれぞれ接続することにより行われる制御通信システムであって、前記複数の子局のそれぞれは、前記クロック線からのシフトクロックに応じて、伝送データを、前記データ線を介して隣の局に順次シフトさせて伝送するデータ伝送処理回路と、前記電源線からの電源供給の状態を表示する通電表示手段と、前記クロック線および前記データ線についてそれぞれの信号レベルがそれぞれの断線状態に対応した所定範囲のレベルにあるかを個別に計測し、それらの論理和の出力が予め定めた期間継続したときに前記クロック線および前記データ線の少なくとも一方の断線であるとの断線検出信号を出力する断線検出手段と、前記クロック線あるいはデータ線の断線を表示する断線表示用素子を備え、前記断線検出手段から与えられる前記断線検出信号に基づき、さらに前記クロック線から与えられるシフトクロックを利用して、前記断線表示用素子の表示状態および前記通電表示手段の表示状態を組み合わせて制御して、前記電源線、前記クロック線および前記データ線のいずれかの種類が断線しているかを区別して表示を行う断線表示手段と、を備える。
【0011】
請求項1の本発明によれば、子局は、接続線の断線を検出する断線検出手段と、前記断線検出手段の出力に基づいて、断線を表示する断線表示手段とを備えているので、子局毎に接続線の断線を検出して表示できることになり、断線箇所を容易に特定できることになり、これによって、断線が生じた場合の配線の交換に要する時間および労力を大幅に削減できることになり、従来に比べて短時間で正常な状態に復帰させることができる。
【0012】
請求項2の本発明によれば、子局は、電源の供給の有無を表示する通電表示手段を備えているので、電源線あるいはグランド線が断線して電源の供給が断たれたときには、それを表示できることになり、また、システムのセットアップ時には、正常に接続が行われて電源が供給されたか否かを瞬時に視認することができる。
【0013】
請求項3の本発明によれば、断線検出手段は、データ線およびクロック線の少なくとも一方の接続線の断線を検出し、断線表示手段は、断線した接続線の種類に応じた表示を行うので、断線箇所を容易に特定できるのみならず、断線した接続線の種類を特定できることになり、これによって、断線が生じた場合の配線の交換に要する時間および労力を一層に削減できることになる。
【0015】
請求項3の本発明によれば、通電表示手段および断線表示用素子の表示状態を制御して断線した接続線の種類に応じた表示を行うので、データ線及びクロック線に個別的に対応させて断線表示用素子を設ける必要がない。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面によって、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明の一つの実施の形態の制御通信システムの全体構成図である。
【0018】
この実施の形態の制御通信システムは、図示しないプログラマブルコントローラに接続された親局2と、複数(この実施の形態では、4台)の子局31〜34とを備えており、親局2および4台の子局31〜34は、ケーブルによって電源線5、グランド線6、クロック線7およびデータ線8の4線で縦続接続されており、親局2側が上流側とされる。
【0019】
この実施の形態では、各子局31〜34に、各種センサやスイッチ等の入力機器41〜44が接続されており、子局31〜34を制御する親局2は、子局31〜34から伝送される入力機器41〜44のオンオフの状態信号をプログラマブルコントローラに与え、プログラマブルコントローラは、それに基づいて、工作機械等を制御する。
【0020】
各入力機器41〜44から取り込まれた子局31〜34の1ビットのデータは、下流側から上流側へ順次シフトされて親局2に伝送されるようになっている。
【0021】
この実施の形態では、各子局31〜34には、各種センサ等の入力機器41〜44のみが接続された入力専用となっており、通常の動作状態においては、後述のように、入力機器41〜44から各子局31〜34に取り込まれた1ビットのデータが、親局2側に順次シフトされて伝送され、親局2は、そのデータをプログラマブルコントローラに与えるという動作を繰り返すものである。
【0022】
この実施の形態の親局2は、最大8台の子局が接続可能であり、各子局の1ビットデータを保持できるように8ビット構成の入出力レジスタを備えている。親局2は、各子局を制御するためのコマンドおよびデータを1ビットずつシフトさせるためのシフトクロックをクロック線7を介して伝送するものであり、コマンドとしては、子局側から親局側へデータを伝送せよ、子局31〜34に接続されている入力機器41〜44のデータを子局31〜34に入力せよの少なくとも2種類が存在する。
【0023】
各子局31〜34は、1ビットのシフトレジスタを備えており、子局31〜34に接続されている入力機器41〜44のデータを子局31〜34に入力せよとのコマンドに応答してこのシフトレジスタに、入力機器41〜44のオンオフの状態信号を取り込み、子局側から親局側へデータを伝送せよとのコマンドに応答して親局2からのシフトクロックに応じて上流側の子局に、データを順次シフトさせて伝送するものである。
【0024】
図2は、子局31〜34から親局2へデータを伝送する場合の子局の上流側および下流側のデータ線のデータを示している。
【0025】
子局31〜34から親局2へデータを伝送する場合には、親局2からの図2(A)のシフトクロックに応答して、図2(B)に示される下流側からの入力データを、1ビットずつシフトさせて図2(C)に示されるように上流側に出力するものである。
【0026】
次に、この通信制御システムの通常の動作手順を、図3に基づいて説明する。この図3において、9,101〜104は、上述の親局2の入出力レジスタおよび各子局31〜34の各シフトレジスタをそれぞれ示している。
【0027】
この実施の形態では、先ず、入力機器41〜43のオンオフの状態信号を各子局31〜34に入力せよとのコマンドが伝送され、これに応じて、例えば同図(A)に示されるように、各子局31〜34は、入力機器41〜44のデータを、1ビットのシフトレジスタ101〜104にそれぞれ取り込む。
【0028】
次に、子局31〜34のデータを親局2に伝送せよとのコマンドに引き続く8個のシフトクロックに同期して、取り込んだデータを、同図(B)に示されるように、親局2の入出力レジスタ9に伝送し、親局2は、伝送されたデータを、プログラマブルコントローラに出力する。
【0029】
その後は、再び、同図(A)と同様に、入力機器41〜44のオンオフの状態信号を各子局31〜34に入力せよとのコマンドが伝送され、これに応じて、例えば同図(C)に示されるように、各子局31〜34は、入力機器41〜44のデータを、1ビットのシフトレジスタ101〜104にそれぞれ取り込む。
【0030】
次に、子局31〜34のデータを親局2に伝送せよとのコマンドに引き続く8個のシフトクロックに同期して、取り込んだデータを、同図(D)に示されるように、親局2の入出力レジスタ9に伝送し、親局2は、伝送されたデータを、プログラマブルコントローラに出力する。
【0031】
その後は、再び、同図(A)と同様に、入力機器41〜44のデータを各子局31〜34のシフトレジスタ101〜104に取り込んで、上述と同様の動作を繰り返すのである。
【0032】
この実施の形態では、電源線5、グランド線6、クロック線7およびデータ線8といった接続線の断線を検出するとともに、断線箇所を容易に特定できるようにするために、次のように構成している。
【0033】
すなわち、図4は、子局31〜34の構成を示すブロック図であり、この図4に示されるように、各子局31〜34は、親局2からの電源の供給を表示する通電表示手段としての通電表示用LED11と、データ線8およびクロック線7の断線を検出する断線検出手段12と、この断線検出手段12の出力に基づいて、断線した接続線の種類に応じた断線の表示を行う断線表示手段13とを備えている。
【0034】
なお、14は上述の1ビットのシフトレジスタ101〜104などを含むデータ伝送処理回路であり、このデータ伝送処理回路14は、上述のように、入力機器41〜43のオンオフの状態信号を取り込み、親局2からのシフトクロックに応じて上流側の子局に、データを順次シフトさせて伝送するものである。
【0035】
通電表示用LED11は、電源線5とグランド線6との間に、負荷15を介して接続されており、親局2から電源が供給されているときには、点灯し、電源が供給されていないときには、消灯するものであり、したがって、電源線5あるいはグランド線6の断線時には、この通電表示用LED11は、消灯することになる。
【0036】
断線検出手段12は、上流側のクロック線7および下流側のデータ線8が断線したときに、それぞれハイレベルの出力を与える第1,第2コンパレータ回路16,17と、この第1,第2コンパレータ回路16,17のハイレベルの出力が一定期間継続したときにそれぞれハイレベルのタイムアップ出力を与える第1,第2タイマ回路18,19とを備えている。
【0037】
各コンパレータ回路16,17は、例えば、図5に示されるように、クロック線あるいはデータ線が断線したときに、その電位が、例えば、電源電圧の中間レベルになるように設定するための分圧抵抗R1,R2(R1=R2)と、前記中間レベルを含む一定の範囲内の電位であるときにハイレベルの出力を与えるウィンドウコンパレータ20とを備えている。正常にクロックあるいはデータの伝送が行われている場合には、クロック入力あるいはデータ入力は、電源電圧またはグランド(GND)に近い電圧レベルを示しており、電源電圧の中間レベルを、一定期間以上継続して示すことはない。
【0038】
そこで、ウィンドウコンパレータ20のハイレベルの出力が予め定めた期間継続したとき、すなわち、クロック入力あるいはデータ入力が、電源電圧の中間レベルを含む一定の範囲内の電位を予め定めた期間継続したときには、断線であるとして、図4のタイマ回路18,19は、ハイレベルのタイムアップ出力を与えるものである。
【0039】
なお、クロック線7の場合には、正常時には、ハイレベルおよびローレベルを繰り返し、ハイレベルあるいはローレベルを一定期間以上継続することはないので、本発明の他の実施の形態として、ウィンドウコンパレータ20を省略してもよい。
【0040】
断線表示手段13は、図4に示されるように、上流側のクロック線7の断線を表示するクロック断線表示用LED21と、第1タイマ回路18のタイムアップ出力に応答してクロック断線表示用LED21を点灯させる第1LED点灯回路22と、下流側のデータ線8の断線を表示するデータ断線表示用LED23と、第2タイマ回路19のタイムアップ出力に応答してデータ断線表示用LED23を点灯させる第2LED点灯回路24とを備えている。
【0041】
なお、この実施の形態では、通電表示用LED11、クロック断線表示用LED21およびデータ断線表示用LED23は、それぞれ緑色、橙色および赤色で点灯するものであり、これらLED11,21,23は、外部から目視できるように、子局31〜34の適宜箇所に配設されている。
【0042】
この断線表示手段13では、クロック線7あるいはデータ線8の電位が、電源電圧の中間レベルを含む一定範囲内に予め定めた期間継続してあったときに、第1タイマ回路18あるいは第2タイマ回路19のタイムアップ出力によって第1LED点灯回路22あるいは第2LED点灯回路24が駆動され、クロック断線表示用LED21あるいはデータ断線表示用LED23が点灯することになる。
【0043】
次に、以上の構成を有する子局31〜34による断線の表示について具体例を示す。
【0044】
例えば、図6(A)に示されるように、上流側から2番目の子局32と3番目の子局33との間の電源線5あるいはグランド線6が断線したときには、それよりも上流側の1番目および2番目の子局31,32は、電源が供給されるので、通電表示用LED11が緑色で点灯するけれども、それよりも下流側の3番目および4番目の子局33,34には、電源が供給されず、通電表示用LED11は、消灯することになる。
【0045】
これによって、通電表示用LED11が点灯している2番目の子局32と通電表示用LED11が点灯していない3番目の子局33との間の電源線5あるいはグランド線6が断線していることが分かる。
【0046】
また、例えば、図6(B)に示されるように、上流側から2番目の子局32と3番目の子局33との間のデータ線8が断線したときには、2番目の子局32の下流側のデータ線8の電位が、電源電圧の中間レベルの電位となり、断線検出手段12の第2コンパレータ回路17および第2タイマ回路19によってそれが検出されて断線表示手段13のデータ断線表示用LED23が赤色で点灯する。
【0047】
これによって、データ断線表示用LED23が点灯している2番目の子局32とその下流側の子局33との間のデータ線が断線したことが分かる。なお、電源は、すべての子局31〜34に供給されているので、通電表示用LED11は、点灯している。
【0048】
また、例えば、図6(C)に示されるように、上流側から2番目の子局32と3番目の子局33との間のクロック線7が断線したときには、3番目の子局33の上流側のクロック線7の電位および4番目の子局34の上流側のクロック線7の電位が、電源電圧の中間レベルの電位となり、各子局33,34の断線検出手段12の第1コンパレータ回路16および第1タイマ回路18によってそれが検出されて断線表示手段13のクロック断線表示用LED21が橙色で点灯する。
【0049】
これによって、クロック断線表示用LED21が点灯している子局33と、その上流側のクロック断線表示用LED21が点灯していない子局32との間のクロック線7が断線したことが分かる。なお、電源は、すべての子局31〜34に供給されているので、通電表示用LED11は、点灯している。
【0050】
このようして、断線時には、通電表示用LED11、クロック断線表示用LED21およびデータ断線表示用LED23の点灯あるいは消灯によって、断線箇所および断線した接続線の種類を容易に特定できることになり、これによって、配線の交換に要する時間労力の格段の改善を図ることができる。
【0051】
この実施の形態では、データ線8あるいはクロック線7の電位が、電源電圧の中間レベルであることを検出したけれども、必ずしも中間レベルである必要はなく、正常時の電位と区別できる電位であればよい。
【0052】
上述の実施の形態では、データ線8およびクロック線7の両接続線の断線を検出して表示したけれども、本発明の他の実施の形態として、いずれか一方の接続線の断線のみを検出して表示するようにしてもよい。
【0053】
上述の実施の形態では、断線表示用LED23,21を、データ線8およびクロック線7に個別的に対応させて設けたけれども、本発明の他の実施の形態として、単一の断線表示用LEDを設け、データ線およびクロック線の断線に応じて、点灯状態を異ならせる、例えば、データ線の断線は点滅表示し、クロック線の断線は点灯表示するようにしてもよい。
【0054】
また、各LED11,21,23の色は、上述の実施の形態に限らず、他の色であってもよく、さらに、LEDと接続線の種類とを対応づけて設けることにより、各LEDを同一の色で点灯させてもよい。
【0055】
(実施の形態2)
図7は、本発明の他の実施の形態の子局の構成を示すブロック図であり、図4に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0056】
子局31〜34は、上述の実施の形態と同様に、親局2からの電源の供給を表示する通電表示手段としての通電表示用LED11を備えており、さらに、この実施の形態では、データ線8およびクロック線7の少なくとも一方の断線を検出する断線検出手段25と、この断線検出手段25の出力に基づいて、断線した接続線の種類に応じて通電表示用LED11の表示状態を制御する断線表示手段26とを備えている。
【0057】
断線検出手段25は、上述の実施の形態と同様の構成を有する第1,第2コンパレータ回路16,17と、両コンパレータ回路16,17の出力が与えられるオアゲート27と、このオアゲート27の出力が与えられるタイマ回路28とを備えている。この断線検出手段25は、クロック線7あるいはデータ線8の電位が、電源電圧の中間レベルを含む一定範囲内にあると、第1コンパレータ回路16あるいは第2コンパレータ回路17の出力が、ハイレベルとなり、これによって、オアゲート27の出力がハイレベルとなってタイマ回路28が計測を開始し、予め定めた期間継続したときに、クロック線7あるいはデータ線8の断線であるとして、ハイレベルのタイムアップ出力を、断線表示手段26に与える。
【0058】
断線表示手段26は、データ線8の断線を検出するための第2コンパレータ回路17の出力が与えられる低周波発振器29と、この低周波発振器29の出力およびタイマ回路28の出力が与えられるアンドゲート30と、このアンドゲート30の出力によってオンオフ制御されるスイッチ31とを備えており、スイッチ31は、通電表示用LED11と負荷15との間に設けられている。
【0059】
低周波発振器29は、その出力がハイレベルの状態で待機しており、データ線8の電位が、電源電圧の中間レベルを含む一定範囲内にあったときの第2コンパレータ回路17のハイレベルの出力によって低周波発振を開始する。スイッチ31は、アンドゲート30の出力がハイレベルであるときに、オフして通電表示用LED11を消灯させ、アンドゲート30の出力がローレベルであるときに、オンして通電表示用LED11を点灯させる。
【0060】
したがって、上流側のクロック線7が断線したときには、第1コンパレータ回路16の出力、オアゲート27の出力がハイレベルとなり、タイマ回路28は、ハイレベルのタイムアップ出力を与え、これによって、アンドゲート30の出力がハイレベルとなってスイッチ31をオフして通電表示用LED11を消灯させることになる。
【0061】
また、下流側のデータ線8が断線したときには、第2コンパレータ回路17の出力がハイレベルとなって低周波発振器29が発振を開始するとともに、オアゲート27の出力がハイレベルとなり、タイマ回路28は、タイムアップ出力を与え、これによって、アンドゲート30の出力が、低周波発振器29の出力に応じて、ハイレベル、ローレベルを繰り返し、スイッチ31がオンオフして通電表示用LED11が点滅することになる。
【0062】
次に、以上の構成を有する子局による断線の表示について具体例を示す。
【0063】
例えば、図8(A)に示されるように、上流側から2番目の子局32と3番目の子局33との間の電源線5あるいはグランド線6が断線したときには、それよりも上流側の1番目および2番目の子局31,32は、電源が供給されるので、通電表示用LED11が点灯するけれども、それよりも下流側の3番目および4番目の子局33,34には、電源が供給されず、通電表示用LED11は、消灯することになる。
【0064】
また、図8(B)に示されるように、上流側から2番目の子局32と3番目の子局33との間のクロック線7が断線したときには、3番目の子局33の上流側のクロック線7の電位および4番目の子局34の上流側のクロック線7の電位が、電源電圧の中間レベルの電位となり、各子局33,34の断線検出手段16の第1コンパレータ回路16、オアゲート27およびタイマ回路28によってそれが検出され、断線表示手段26のアンドゲート30の出力がハイレベルとなってスイッチ31をオフし、通電表示用LED11は、消灯することになり、同図(A)と同じ表示状態となる。
【0065】
これによって、通電表示用LED11が点灯している2番目の子局32と通電表示用LED11が点灯していない3番目の子局33との間の電源線5、グランド線6あるいはクロック線7が断線していることが分かる。
【0066】
また、例えば、図8(C)に示されるように、上流側から2番目の子局32と3番目の子局33との間のデータ線8が断線したときには、2番目の子局32の下流側のデータ線8の電位が、電源電圧の中間レベルの電位となり、断線検出手段25の第2コンパレータ回路17、オアゲート27およびタイマ回路28の出力がハイレベルとなり、断線表示手段26の低周波発振器29が発振を開始し、アンドゲート30の出力がハイレベル、ローレベルを繰り返し、これによって、スイッチ31がオンオフして通電表示用LED11が点滅することになる。
【0067】
これによって、通電表示用LED11が点滅している2番目の子局32とその下流側の子局33との間のデータ線8が断線したことが分かる。
【0068】
このようして、電源線5、グランド線6あるいはクロック線7の断線時には、通電表示用LED11の点灯あるいは消灯によって、断線箇所を容易に特定でき、また、データ線8の断線時には、通電表示用LED11の点滅によって、断線箇所および断線した接続線の種類を容易に特定できることになり、これによって、配線の交換に要する時間労力の格段の改善を図ることができる。
【0069】
なお、この実施の形態では、通電表示と断線表示とを通電表示用LED11で兼用するために、電源線5あるいはグランド線6の断線とクロック線7の断線とを区別できないけれども、上述の実施の形態に比べて、表示用LEDの数を低減することができる。
【0070】
その他の構成は、上述の実施の形態と同様である。
【0071】
(実施の形態3)
図9は、本発明のさらに他の実施の形態の子局の構成を示すブロック図であり、図7に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0072】
子局31〜34は、上述の実施の形態と同様に、親局2からの電源の供給を表示する通電表示手段としての通電表示用LED11を備えており、さらに、この実施の形態では、データ線8およびクロック線7の少なくとも一方の断線を検出する断線検出手段32と、この断線検出手段32の出力に基づいて、断線した接続線の種類に応じた表示を行う断線表示手段33とを備えている。
【0073】
断線検出手段32は、上述の実施の形態と同様の構成を有する第1,第2コンパレータ回路16,17と、両コンパレータ回路16,17の出力が与えられるオアゲート27と、このオアゲート27の出力が与えられるタイマ回路28とを備えている。この断線検出手段32は、クロック線7あるいはデータ線8の電位が、電源電圧の中間レベルを含む一定範囲内にあると、第1コンパレータ回路16あるいは第2コンパレータ回路17の出力が、ハイレベルとなり、これによって、オアゲート27の出力がハイレベルとなってタイマ回路28が計測を開始し、予め定めた期間継続したときに、クロック線7あるいはデータ線8の断線であるとして、ハイレベルのタイムアップ出力を、断線表示手段33に与える。
【0074】
断線表示手段33は、クロックがバッファ34を介して与えられるとともに、タイマ回路28の出力が与えられるアンドゲート35と、クロック線7あるいはデータ線8の断線を表示する断線表示用LED36と、アンドゲート35の出力によって断線表示用LED36の点灯を制御するとともに、スイッチ31を制御して通電表示用LED11の表示状態を制御するLED点灯回路37とを備えている。
【0075】
下流側のデータ線8が断線したときには、アンドゲート35の一方の入力には、タイマ回路28からハイレベルのタイムアップ出力が与えられ、他方の入力には、バッファ34を介してクロックが与えられ、また、上流側のクロック線7が断線したときには、アンドゲート35の一方の入力には、タイマ回路28からハイレベルのタイムアップ出力が与えられ、他方の入力には、クロックではなくハイレベルの入力が与えられる。
【0076】
したがって、データ線8が断線したときには、LED点灯回路37には、クロックに同期したハイレベル、ローレベルのアンドゲート35の出力が与えられ、クロック線7が断線したときには、ハイレベルのアンドゲート35の出力が与えられることになる。
【0077】
このLED点灯回路37は、ハイレベルの入力によって断線表示用LED36を点灯させるとともに、スイッチ31をオフして通電表示用LED11を消灯させ、また、ローレベルの入力によって断線表示用LED36を消灯させるとともに、スイッチ31をオンして通電表示用LED11を点灯させるものである。
【0078】
したがって、データ線8の断線時には、クロックに同期して断線表示用LED36と通電表示用LED11とが交互に点灯するが、一般に、クロックの周波数では、同時点灯しているように見える。また、クロック線7の断線時には、断線表示用LED36は点灯状態となり、通電表示用LED11は消灯状態となる。
【0079】
なお、この実施の形態では、断線表示用LED36の点灯の色を橙色としている。
【0080】
次に、以上の構成を有する子局による断線の表示について具体例を示す。
【0081】
例えば、図10(A)に示されるように、上流側から2番目の子局32と3番目の子局33との間の電源線5あるいはグランド線6が断線したときには、それよりも上流側の1番目および2番目の子局31,32は、電源が供給されるので、通電表示用LED11が緑色に点灯するけれども、それよりも下流側の3番目および4番目の子局33,34には、電源が供給されず、通電表示用LED11は、消灯することになる。
【0082】
これによって、通電表示用LED11が点灯している2番目の子局32と通電表示用LED11が点灯していない3番目の子局33との間の電源線5あるいはグランド線6が断線していることが分かる。
【0083】
また、例えば、図10(B)に示されるように、上流側から2番目の子局32と3番目の子局33との間のデータ線8が断線したときには、2番目の子局32の下流側のデータ線の電位が、電源電圧の中間レベルの電位となり、断線検出手段32の第2コンパレータ回路17、オアゲート27およびタイマ回路28によってそれが検出され、断線表示手段33は、断線表示用LED36と通電表示用LED11とをクロックに同期して交互に点灯させ、断線表示用LED36と通電表示用LED11とが共に点灯しているように見える。
【0084】
これによって、断線表示用LED36が橙色に点灯している2番目の子局32とその下流側の子局33との間のデータ線が断線したことが分かる。
【0085】
また、例えば、図10(C)に示されるように、上流側から2番目の子局32と3番目の子局33との間のクロック線7が断線したときには、3番目の子局33の上流側のクロック線7の電位および4番目の子局34の上流側のクロック線7の電位が、電源電圧の中間レベルの電位となり、各子局33,34の断線検出手段32の第1コンパレータ回路16、オアゲート27およびタイマ回路28によってそれが検出され、断線表示手段33の断線表示用LED36が点灯するとともに、通電表示用LED11が消灯する。
【0086】
これによって、断線表示用LED36が点灯し、かつ、通電表示用LED11が点灯していない子局33と、その上流側の通電表示用LED11のみが点灯している子局32との間のクロック線7が断線したことが分かる。
【0087】
このようして、断線時には、通電表示用LED11および断線表示用LED36の点灯あるいは消灯によって、断線箇所および断線した接続線の種類を容易に特定できることになり、これによって、配線の交換に要する時間労力の格段の改善を図ることができる。
【0088】
その他の構成は、上述の実施の形態と同様である。
【0089】
(その他の実施の形態)
上述の各実施の形態では、LEDによって表示したけれども、本発明の他の実施の形態として、液晶やその他の表示手段によって表示するようにしてもよい。
【0090】
また、上述の各実施の形態では、入力機器41〜44からのオンオフの状態信号を取り込んで親局2に伝送する入力専用のシステムに適用したけれども、本発明の他の実施の形態として、親局からのオンオフの制御信号を各子局に伝送し、各子局に接続された出力機器に出力する出力専用のシステムに適用してもよく、あるいは、入出力兼用のシステムに適用してもよい。
【0091】
上述の各実施の形態では、電源線5、グランド線6、クロック線7およびデータ線8の4線で縦続接続したけれども、本発明の他の実施の形態として、クロックを電源に重畳して供給することにより、電源線、グランド線およびデータ線の3線で縦続接続してもよく、この場合には、例えば、図9の実施の形態では、第1コンパレータ回路16、オアゲート27およびアンドゲート35は省略できることになり、また、その断線表示も図10(C)の表示が省略されることになる。
【0092】
また、上述の実施の形態では、子局は、4台であったけれども、子局は、複数であればよく、4台に限らないのは勿論であり、特に台数が多い場合に、本発明の効果が顕著となる。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、子局毎に接続線の断線を検出して表示できることになり、断線箇所を容易に特定できることになり、これによって、断線した場合の配線の交換に要する時間および労力を大幅に削減できることになり、従来例に比べて短時間で正常な状態に復帰させることができる。
【0094】
また、電源の供給の有無を表示する通電表示手段を備えているので、電源線あるいはグランド線が断線して電源の供給が断たれたときには、それを表示できることになる。
【0095】
さらに、断線した接続線の種類に応じた表示を行うので、断線箇所を容易に特定できるのみならず、断線した接続線の種類を特定できることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施の形態の構成図である。
【図2】子局から親局へデータを伝送する場合の信号波形図である。
【図3】動作説明に供する各局のレジスタのデータを示す図である。
【図4】図1の子局の構成図である。
【図5】図4のコンパレータ回路の構成図である。
【図6】断線に応じた表示状態を示す図である。
【図7】本発明の他の実施の形態の子局の構成図である。
【図8】図7の実施の形態の表示状態を示す図である。
【図9】本発明のさらに他の実施の形態の子局の構成図である。
【図10】図9の実施の形態の表示状態を示す図である。
【図11】従来例の構成図である。
【符号の説明】
2 親局
31〜34 子局
41〜43 入力機器
5 電源線
6 グランド線
7 クロック線
8 データ線
11 通電表示用LED
12,25,32 断線検出手段
13,26,33 断線表示手段
21 クロック断線表示用LED
23 データ断線表示用LED
36 断線表示用LED
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、リミットスイッチや各種センサなどの入力機器からのオンオフの状態信号を制御用コントローラなどに伝送したり、あるいは、制御用コントローラなどからのオンオフの制御信号を、工作機械等のエアーバルブやアクチュエータなどの出力機器に伝送するのに好適な制御通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
このような制御通信システムにおいて、制御用コントローラと出力機器、あるいは、制御用コントローラと入力機器の間を、個別に直接配線したのでは、配線構成が複雑となり、配線作業に手間がかかるとともに、配線数が増加する分コストも高くつくことになる。
【0003】
そこで、省配線を図った制御通信システムとして、例えば図11に示されるように、制御用コントローラ50に接続された親局51と、アクチュエータ等の出力機器あるいは各種センサ等の入力機器に接続された複数の子局521〜52nとを備え、親局51から伝送されるオンオフの制御信号を子局521〜52nを介して出力機器に出力したり、あるいは、入力機器からのオンオフの状態信号を子局521〜52nに取り込んで親局51に伝送するといった構成のものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような制御通信システムでは、断線等による伝送路の異常が生じた場合に、その検知および異常が生じた箇所の特定が容易ではなく、したがって、正常な状態に復帰させるまでに長時間を要するといった難点がある。
【0005】
本発明は、上述の点に鑑みて為されたものであって、親局と複数の子局とを備える省配線を図った制御通信システムにおいて、断線等による伝送路異常が生じた場合に、それを検知できるようにするとともに、その異常が生じた箇所を容易に特定できるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上述の目的を達成するために、次のように構成している。
【0007】
すなわち、本発明の請求項1に係る制御通信システムは、親局と複数の子局とが縦続接続され、この縦続接続は、前記親局から前記複数の子局のそれぞれへ電源を供給する電源線と、前記親局から前記複数の子局のそれぞれへシフトクロックを伝送するクロック線と、前記親局と前記複数の子局のそれぞれとの間においてデータを伝送するデータ線とをそれぞれ接続することにより行われる制御通信システムであって、前記複数の子局のそれぞれは、前記クロック線からのシフトクロックに応じて、伝送データを、前記データ線を介して隣の局に順次シフトさせて伝送するデータ伝送処理回路と、前記電源線からの電源供給の状態を表示する通電表示手段と、前記クロック線、および、前記データ線についてそれぞれ個別に、信号レベルが断線状態に対応した所定範囲のレベルであるのを予め定めた期間継続したときに断線を検出する断線検出手段と、前記断線検出手段の検出結果に基づいて、前記クロック線の断線の有無、および、前記データ線の断線の有無をそれぞれ個別に表示する断線表示手段と、を備える。
【0008】
本発明の請求項2に係る制御通信システムは、親局と複数の子局とが縦続接続され、この縦続接続は、前記親局から前記複数の子局のそれぞれへ電源を供給する電源線と、前記親局から前記複数の子局のそれぞれへシフトクロックを伝送するクロック線と、前記親局と前記複数の子局のそれぞれとの間においてデータを伝送するデータ線とをそれぞれ接続することにより行われる制御通信システムであって、前記複数の子局のそれぞれは、前記クロック線からのシフトクロックに応じて、伝送データを、前記データ線を介して隣の局に順次シフトさせて伝送するデータ伝送処理回路と、前記電源線からの電源供給の状態を表示する通電表示手段と、前記クロック線および前記データ線についてそれぞれの信号レベルがそれぞれの断線状態に対応した所定範囲のレベルにあるかを個別に計測し、それらの論理和の出力が予め定めた期間継続したときに前記クロック線および前記データ線の少なくとも一方の断線であるとの断線検出信号を出力し、かつ、前記データ線の信号レベルが断線状態に対応した前記所定範囲のレベルであるとの検出信号を出力する断線検出手段と、前記断線検出手段の断線検出信号および検出信号の両出力に基づいて、断線したのが前記クロック線および前記データ線のいずれかの種類かに応じて、前記通電表示手段の表示状態を制御する断線表示手段と、を備える。
【0009】
本発明の請求項3に係る制御通信システムは、親局と複数の子局とが縦続接続され、この縦続接続は、前記親局から前記複数の子局のそれぞれへ電源を供給する電源線と、前記親局から前記複数の子局のそれぞれへシフトクロックを伝送するクロック線と、前記親局と前記複数の子局のそれぞれとの間においてデータを伝送するデータ線とをそれぞれ接続することにより行われる制御通信システムであって、前記複数の子局のそれぞれは、前記クロック線からのシフトクロックに応じて、伝送データを、前記データ線を介して隣の局に順次シフトさせて伝送するデータ伝送処理回路と、前記電源線からの電源供給の状態を表示する通電表示手段と、前記クロック線および前記データ線についてそれぞれの信号レベルがそれぞれの断線状態に対応した所定範囲のレベルにあるかを個別に計測し、それらの論理和の出力が予め定めた期間継続したときに前記クロック線および前記データ線の少なくとも一方の断線であるとの断線検出信号を出力する断線検出手段と、前記クロック線あるいはデータ線の断線を表示する断線表示用素子を備え、前記断線検出手段から与えられる前記断線検出信号に基づき、さらに前記クロック線から与えられるシフトクロックを利用して、前記断線表示用素子の表示状態および前記通電表示手段の表示状態を組み合わせて制御して、前記電源線、前記クロック線および前記データ線のいずれかの種類が断線しているかを区別して表示を行う断線表示手段と、を備える。
【0011】
請求項1の本発明によれば、子局は、接続線の断線を検出する断線検出手段と、前記断線検出手段の出力に基づいて、断線を表示する断線表示手段とを備えているので、子局毎に接続線の断線を検出して表示できることになり、断線箇所を容易に特定できることになり、これによって、断線が生じた場合の配線の交換に要する時間および労力を大幅に削減できることになり、従来に比べて短時間で正常な状態に復帰させることができる。
【0012】
請求項2の本発明によれば、子局は、電源の供給の有無を表示する通電表示手段を備えているので、電源線あるいはグランド線が断線して電源の供給が断たれたときには、それを表示できることになり、また、システムのセットアップ時には、正常に接続が行われて電源が供給されたか否かを瞬時に視認することができる。
【0013】
請求項3の本発明によれば、断線検出手段は、データ線およびクロック線の少なくとも一方の接続線の断線を検出し、断線表示手段は、断線した接続線の種類に応じた表示を行うので、断線箇所を容易に特定できるのみならず、断線した接続線の種類を特定できることになり、これによって、断線が生じた場合の配線の交換に要する時間および労力を一層に削減できることになる。
【0015】
請求項3の本発明によれば、通電表示手段および断線表示用素子の表示状態を制御して断線した接続線の種類に応じた表示を行うので、データ線及びクロック線に個別的に対応させて断線表示用素子を設ける必要がない。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面によって、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明の一つの実施の形態の制御通信システムの全体構成図である。
【0018】
この実施の形態の制御通信システムは、図示しないプログラマブルコントローラに接続された親局2と、複数(この実施の形態では、4台)の子局31〜34とを備えており、親局2および4台の子局31〜34は、ケーブルによって電源線5、グランド線6、クロック線7およびデータ線8の4線で縦続接続されており、親局2側が上流側とされる。
【0019】
この実施の形態では、各子局31〜34に、各種センサやスイッチ等の入力機器41〜44が接続されており、子局31〜34を制御する親局2は、子局31〜34から伝送される入力機器41〜44のオンオフの状態信号をプログラマブルコントローラに与え、プログラマブルコントローラは、それに基づいて、工作機械等を制御する。
【0020】
各入力機器41〜44から取り込まれた子局31〜34の1ビットのデータは、下流側から上流側へ順次シフトされて親局2に伝送されるようになっている。
【0021】
この実施の形態では、各子局31〜34には、各種センサ等の入力機器41〜44のみが接続された入力専用となっており、通常の動作状態においては、後述のように、入力機器41〜44から各子局31〜34に取り込まれた1ビットのデータが、親局2側に順次シフトされて伝送され、親局2は、そのデータをプログラマブルコントローラに与えるという動作を繰り返すものである。
【0022】
この実施の形態の親局2は、最大8台の子局が接続可能であり、各子局の1ビットデータを保持できるように8ビット構成の入出力レジスタを備えている。親局2は、各子局を制御するためのコマンドおよびデータを1ビットずつシフトさせるためのシフトクロックをクロック線7を介して伝送するものであり、コマンドとしては、子局側から親局側へデータを伝送せよ、子局31〜34に接続されている入力機器41〜44のデータを子局31〜34に入力せよの少なくとも2種類が存在する。
【0023】
各子局31〜34は、1ビットのシフトレジスタを備えており、子局31〜34に接続されている入力機器41〜44のデータを子局31〜34に入力せよとのコマンドに応答してこのシフトレジスタに、入力機器41〜44のオンオフの状態信号を取り込み、子局側から親局側へデータを伝送せよとのコマンドに応答して親局2からのシフトクロックに応じて上流側の子局に、データを順次シフトさせて伝送するものである。
【0024】
図2は、子局31〜34から親局2へデータを伝送する場合の子局の上流側および下流側のデータ線のデータを示している。
【0025】
子局31〜34から親局2へデータを伝送する場合には、親局2からの図2(A)のシフトクロックに応答して、図2(B)に示される下流側からの入力データを、1ビットずつシフトさせて図2(C)に示されるように上流側に出力するものである。
【0026】
次に、この通信制御システムの通常の動作手順を、図3に基づいて説明する。この図3において、9,101〜104は、上述の親局2の入出力レジスタおよび各子局31〜34の各シフトレジスタをそれぞれ示している。
【0027】
この実施の形態では、先ず、入力機器41〜43のオンオフの状態信号を各子局31〜34に入力せよとのコマンドが伝送され、これに応じて、例えば同図(A)に示されるように、各子局31〜34は、入力機器41〜44のデータを、1ビットのシフトレジスタ101〜104にそれぞれ取り込む。
【0028】
次に、子局31〜34のデータを親局2に伝送せよとのコマンドに引き続く8個のシフトクロックに同期して、取り込んだデータを、同図(B)に示されるように、親局2の入出力レジスタ9に伝送し、親局2は、伝送されたデータを、プログラマブルコントローラに出力する。
【0029】
その後は、再び、同図(A)と同様に、入力機器41〜44のオンオフの状態信号を各子局31〜34に入力せよとのコマンドが伝送され、これに応じて、例えば同図(C)に示されるように、各子局31〜34は、入力機器41〜44のデータを、1ビットのシフトレジスタ101〜104にそれぞれ取り込む。
【0030】
次に、子局31〜34のデータを親局2に伝送せよとのコマンドに引き続く8個のシフトクロックに同期して、取り込んだデータを、同図(D)に示されるように、親局2の入出力レジスタ9に伝送し、親局2は、伝送されたデータを、プログラマブルコントローラに出力する。
【0031】
その後は、再び、同図(A)と同様に、入力機器41〜44のデータを各子局31〜34のシフトレジスタ101〜104に取り込んで、上述と同様の動作を繰り返すのである。
【0032】
この実施の形態では、電源線5、グランド線6、クロック線7およびデータ線8といった接続線の断線を検出するとともに、断線箇所を容易に特定できるようにするために、次のように構成している。
【0033】
すなわち、図4は、子局31〜34の構成を示すブロック図であり、この図4に示されるように、各子局31〜34は、親局2からの電源の供給を表示する通電表示手段としての通電表示用LED11と、データ線8およびクロック線7の断線を検出する断線検出手段12と、この断線検出手段12の出力に基づいて、断線した接続線の種類に応じた断線の表示を行う断線表示手段13とを備えている。
【0034】
なお、14は上述の1ビットのシフトレジスタ101〜104などを含むデータ伝送処理回路であり、このデータ伝送処理回路14は、上述のように、入力機器41〜43のオンオフの状態信号を取り込み、親局2からのシフトクロックに応じて上流側の子局に、データを順次シフトさせて伝送するものである。
【0035】
通電表示用LED11は、電源線5とグランド線6との間に、負荷15を介して接続されており、親局2から電源が供給されているときには、点灯し、電源が供給されていないときには、消灯するものであり、したがって、電源線5あるいはグランド線6の断線時には、この通電表示用LED11は、消灯することになる。
【0036】
断線検出手段12は、上流側のクロック線7および下流側のデータ線8が断線したときに、それぞれハイレベルの出力を与える第1,第2コンパレータ回路16,17と、この第1,第2コンパレータ回路16,17のハイレベルの出力が一定期間継続したときにそれぞれハイレベルのタイムアップ出力を与える第1,第2タイマ回路18,19とを備えている。
【0037】
各コンパレータ回路16,17は、例えば、図5に示されるように、クロック線あるいはデータ線が断線したときに、その電位が、例えば、電源電圧の中間レベルになるように設定するための分圧抵抗R1,R2(R1=R2)と、前記中間レベルを含む一定の範囲内の電位であるときにハイレベルの出力を与えるウィンドウコンパレータ20とを備えている。正常にクロックあるいはデータの伝送が行われている場合には、クロック入力あるいはデータ入力は、電源電圧またはグランド(GND)に近い電圧レベルを示しており、電源電圧の中間レベルを、一定期間以上継続して示すことはない。
【0038】
そこで、ウィンドウコンパレータ20のハイレベルの出力が予め定めた期間継続したとき、すなわち、クロック入力あるいはデータ入力が、電源電圧の中間レベルを含む一定の範囲内の電位を予め定めた期間継続したときには、断線であるとして、図4のタイマ回路18,19は、ハイレベルのタイムアップ出力を与えるものである。
【0039】
なお、クロック線7の場合には、正常時には、ハイレベルおよびローレベルを繰り返し、ハイレベルあるいはローレベルを一定期間以上継続することはないので、本発明の他の実施の形態として、ウィンドウコンパレータ20を省略してもよい。
【0040】
断線表示手段13は、図4に示されるように、上流側のクロック線7の断線を表示するクロック断線表示用LED21と、第1タイマ回路18のタイムアップ出力に応答してクロック断線表示用LED21を点灯させる第1LED点灯回路22と、下流側のデータ線8の断線を表示するデータ断線表示用LED23と、第2タイマ回路19のタイムアップ出力に応答してデータ断線表示用LED23を点灯させる第2LED点灯回路24とを備えている。
【0041】
なお、この実施の形態では、通電表示用LED11、クロック断線表示用LED21およびデータ断線表示用LED23は、それぞれ緑色、橙色および赤色で点灯するものであり、これらLED11,21,23は、外部から目視できるように、子局31〜34の適宜箇所に配設されている。
【0042】
この断線表示手段13では、クロック線7あるいはデータ線8の電位が、電源電圧の中間レベルを含む一定範囲内に予め定めた期間継続してあったときに、第1タイマ回路18あるいは第2タイマ回路19のタイムアップ出力によって第1LED点灯回路22あるいは第2LED点灯回路24が駆動され、クロック断線表示用LED21あるいはデータ断線表示用LED23が点灯することになる。
【0043】
次に、以上の構成を有する子局31〜34による断線の表示について具体例を示す。
【0044】
例えば、図6(A)に示されるように、上流側から2番目の子局32と3番目の子局33との間の電源線5あるいはグランド線6が断線したときには、それよりも上流側の1番目および2番目の子局31,32は、電源が供給されるので、通電表示用LED11が緑色で点灯するけれども、それよりも下流側の3番目および4番目の子局33,34には、電源が供給されず、通電表示用LED11は、消灯することになる。
【0045】
これによって、通電表示用LED11が点灯している2番目の子局32と通電表示用LED11が点灯していない3番目の子局33との間の電源線5あるいはグランド線6が断線していることが分かる。
【0046】
また、例えば、図6(B)に示されるように、上流側から2番目の子局32と3番目の子局33との間のデータ線8が断線したときには、2番目の子局32の下流側のデータ線8の電位が、電源電圧の中間レベルの電位となり、断線検出手段12の第2コンパレータ回路17および第2タイマ回路19によってそれが検出されて断線表示手段13のデータ断線表示用LED23が赤色で点灯する。
【0047】
これによって、データ断線表示用LED23が点灯している2番目の子局32とその下流側の子局33との間のデータ線が断線したことが分かる。なお、電源は、すべての子局31〜34に供給されているので、通電表示用LED11は、点灯している。
【0048】
また、例えば、図6(C)に示されるように、上流側から2番目の子局32と3番目の子局33との間のクロック線7が断線したときには、3番目の子局33の上流側のクロック線7の電位および4番目の子局34の上流側のクロック線7の電位が、電源電圧の中間レベルの電位となり、各子局33,34の断線検出手段12の第1コンパレータ回路16および第1タイマ回路18によってそれが検出されて断線表示手段13のクロック断線表示用LED21が橙色で点灯する。
【0049】
これによって、クロック断線表示用LED21が点灯している子局33と、その上流側のクロック断線表示用LED21が点灯していない子局32との間のクロック線7が断線したことが分かる。なお、電源は、すべての子局31〜34に供給されているので、通電表示用LED11は、点灯している。
【0050】
このようして、断線時には、通電表示用LED11、クロック断線表示用LED21およびデータ断線表示用LED23の点灯あるいは消灯によって、断線箇所および断線した接続線の種類を容易に特定できることになり、これによって、配線の交換に要する時間労力の格段の改善を図ることができる。
【0051】
この実施の形態では、データ線8あるいはクロック線7の電位が、電源電圧の中間レベルであることを検出したけれども、必ずしも中間レベルである必要はなく、正常時の電位と区別できる電位であればよい。
【0052】
上述の実施の形態では、データ線8およびクロック線7の両接続線の断線を検出して表示したけれども、本発明の他の実施の形態として、いずれか一方の接続線の断線のみを検出して表示するようにしてもよい。
【0053】
上述の実施の形態では、断線表示用LED23,21を、データ線8およびクロック線7に個別的に対応させて設けたけれども、本発明の他の実施の形態として、単一の断線表示用LEDを設け、データ線およびクロック線の断線に応じて、点灯状態を異ならせる、例えば、データ線の断線は点滅表示し、クロック線の断線は点灯表示するようにしてもよい。
【0054】
また、各LED11,21,23の色は、上述の実施の形態に限らず、他の色であってもよく、さらに、LEDと接続線の種類とを対応づけて設けることにより、各LEDを同一の色で点灯させてもよい。
【0055】
(実施の形態2)
図7は、本発明の他の実施の形態の子局の構成を示すブロック図であり、図4に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0056】
子局31〜34は、上述の実施の形態と同様に、親局2からの電源の供給を表示する通電表示手段としての通電表示用LED11を備えており、さらに、この実施の形態では、データ線8およびクロック線7の少なくとも一方の断線を検出する断線検出手段25と、この断線検出手段25の出力に基づいて、断線した接続線の種類に応じて通電表示用LED11の表示状態を制御する断線表示手段26とを備えている。
【0057】
断線検出手段25は、上述の実施の形態と同様の構成を有する第1,第2コンパレータ回路16,17と、両コンパレータ回路16,17の出力が与えられるオアゲート27と、このオアゲート27の出力が与えられるタイマ回路28とを備えている。この断線検出手段25は、クロック線7あるいはデータ線8の電位が、電源電圧の中間レベルを含む一定範囲内にあると、第1コンパレータ回路16あるいは第2コンパレータ回路17の出力が、ハイレベルとなり、これによって、オアゲート27の出力がハイレベルとなってタイマ回路28が計測を開始し、予め定めた期間継続したときに、クロック線7あるいはデータ線8の断線であるとして、ハイレベルのタイムアップ出力を、断線表示手段26に与える。
【0058】
断線表示手段26は、データ線8の断線を検出するための第2コンパレータ回路17の出力が与えられる低周波発振器29と、この低周波発振器29の出力およびタイマ回路28の出力が与えられるアンドゲート30と、このアンドゲート30の出力によってオンオフ制御されるスイッチ31とを備えており、スイッチ31は、通電表示用LED11と負荷15との間に設けられている。
【0059】
低周波発振器29は、その出力がハイレベルの状態で待機しており、データ線8の電位が、電源電圧の中間レベルを含む一定範囲内にあったときの第2コンパレータ回路17のハイレベルの出力によって低周波発振を開始する。スイッチ31は、アンドゲート30の出力がハイレベルであるときに、オフして通電表示用LED11を消灯させ、アンドゲート30の出力がローレベルであるときに、オンして通電表示用LED11を点灯させる。
【0060】
したがって、上流側のクロック線7が断線したときには、第1コンパレータ回路16の出力、オアゲート27の出力がハイレベルとなり、タイマ回路28は、ハイレベルのタイムアップ出力を与え、これによって、アンドゲート30の出力がハイレベルとなってスイッチ31をオフして通電表示用LED11を消灯させることになる。
【0061】
また、下流側のデータ線8が断線したときには、第2コンパレータ回路17の出力がハイレベルとなって低周波発振器29が発振を開始するとともに、オアゲート27の出力がハイレベルとなり、タイマ回路28は、タイムアップ出力を与え、これによって、アンドゲート30の出力が、低周波発振器29の出力に応じて、ハイレベル、ローレベルを繰り返し、スイッチ31がオンオフして通電表示用LED11が点滅することになる。
【0062】
次に、以上の構成を有する子局による断線の表示について具体例を示す。
【0063】
例えば、図8(A)に示されるように、上流側から2番目の子局32と3番目の子局33との間の電源線5あるいはグランド線6が断線したときには、それよりも上流側の1番目および2番目の子局31,32は、電源が供給されるので、通電表示用LED11が点灯するけれども、それよりも下流側の3番目および4番目の子局33,34には、電源が供給されず、通電表示用LED11は、消灯することになる。
【0064】
また、図8(B)に示されるように、上流側から2番目の子局32と3番目の子局33との間のクロック線7が断線したときには、3番目の子局33の上流側のクロック線7の電位および4番目の子局34の上流側のクロック線7の電位が、電源電圧の中間レベルの電位となり、各子局33,34の断線検出手段16の第1コンパレータ回路16、オアゲート27およびタイマ回路28によってそれが検出され、断線表示手段26のアンドゲート30の出力がハイレベルとなってスイッチ31をオフし、通電表示用LED11は、消灯することになり、同図(A)と同じ表示状態となる。
【0065】
これによって、通電表示用LED11が点灯している2番目の子局32と通電表示用LED11が点灯していない3番目の子局33との間の電源線5、グランド線6あるいはクロック線7が断線していることが分かる。
【0066】
また、例えば、図8(C)に示されるように、上流側から2番目の子局32と3番目の子局33との間のデータ線8が断線したときには、2番目の子局32の下流側のデータ線8の電位が、電源電圧の中間レベルの電位となり、断線検出手段25の第2コンパレータ回路17、オアゲート27およびタイマ回路28の出力がハイレベルとなり、断線表示手段26の低周波発振器29が発振を開始し、アンドゲート30の出力がハイレベル、ローレベルを繰り返し、これによって、スイッチ31がオンオフして通電表示用LED11が点滅することになる。
【0067】
これによって、通電表示用LED11が点滅している2番目の子局32とその下流側の子局33との間のデータ線8が断線したことが分かる。
【0068】
このようして、電源線5、グランド線6あるいはクロック線7の断線時には、通電表示用LED11の点灯あるいは消灯によって、断線箇所を容易に特定でき、また、データ線8の断線時には、通電表示用LED11の点滅によって、断線箇所および断線した接続線の種類を容易に特定できることになり、これによって、配線の交換に要する時間労力の格段の改善を図ることができる。
【0069】
なお、この実施の形態では、通電表示と断線表示とを通電表示用LED11で兼用するために、電源線5あるいはグランド線6の断線とクロック線7の断線とを区別できないけれども、上述の実施の形態に比べて、表示用LEDの数を低減することができる。
【0070】
その他の構成は、上述の実施の形態と同様である。
【0071】
(実施の形態3)
図9は、本発明のさらに他の実施の形態の子局の構成を示すブロック図であり、図7に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0072】
子局31〜34は、上述の実施の形態と同様に、親局2からの電源の供給を表示する通電表示手段としての通電表示用LED11を備えており、さらに、この実施の形態では、データ線8およびクロック線7の少なくとも一方の断線を検出する断線検出手段32と、この断線検出手段32の出力に基づいて、断線した接続線の種類に応じた表示を行う断線表示手段33とを備えている。
【0073】
断線検出手段32は、上述の実施の形態と同様の構成を有する第1,第2コンパレータ回路16,17と、両コンパレータ回路16,17の出力が与えられるオアゲート27と、このオアゲート27の出力が与えられるタイマ回路28とを備えている。この断線検出手段32は、クロック線7あるいはデータ線8の電位が、電源電圧の中間レベルを含む一定範囲内にあると、第1コンパレータ回路16あるいは第2コンパレータ回路17の出力が、ハイレベルとなり、これによって、オアゲート27の出力がハイレベルとなってタイマ回路28が計測を開始し、予め定めた期間継続したときに、クロック線7あるいはデータ線8の断線であるとして、ハイレベルのタイムアップ出力を、断線表示手段33に与える。
【0074】
断線表示手段33は、クロックがバッファ34を介して与えられるとともに、タイマ回路28の出力が与えられるアンドゲート35と、クロック線7あるいはデータ線8の断線を表示する断線表示用LED36と、アンドゲート35の出力によって断線表示用LED36の点灯を制御するとともに、スイッチ31を制御して通電表示用LED11の表示状態を制御するLED点灯回路37とを備えている。
【0075】
下流側のデータ線8が断線したときには、アンドゲート35の一方の入力には、タイマ回路28からハイレベルのタイムアップ出力が与えられ、他方の入力には、バッファ34を介してクロックが与えられ、また、上流側のクロック線7が断線したときには、アンドゲート35の一方の入力には、タイマ回路28からハイレベルのタイムアップ出力が与えられ、他方の入力には、クロックではなくハイレベルの入力が与えられる。
【0076】
したがって、データ線8が断線したときには、LED点灯回路37には、クロックに同期したハイレベル、ローレベルのアンドゲート35の出力が与えられ、クロック線7が断線したときには、ハイレベルのアンドゲート35の出力が与えられることになる。
【0077】
このLED点灯回路37は、ハイレベルの入力によって断線表示用LED36を点灯させるとともに、スイッチ31をオフして通電表示用LED11を消灯させ、また、ローレベルの入力によって断線表示用LED36を消灯させるとともに、スイッチ31をオンして通電表示用LED11を点灯させるものである。
【0078】
したがって、データ線8の断線時には、クロックに同期して断線表示用LED36と通電表示用LED11とが交互に点灯するが、一般に、クロックの周波数では、同時点灯しているように見える。また、クロック線7の断線時には、断線表示用LED36は点灯状態となり、通電表示用LED11は消灯状態となる。
【0079】
なお、この実施の形態では、断線表示用LED36の点灯の色を橙色としている。
【0080】
次に、以上の構成を有する子局による断線の表示について具体例を示す。
【0081】
例えば、図10(A)に示されるように、上流側から2番目の子局32と3番目の子局33との間の電源線5あるいはグランド線6が断線したときには、それよりも上流側の1番目および2番目の子局31,32は、電源が供給されるので、通電表示用LED11が緑色に点灯するけれども、それよりも下流側の3番目および4番目の子局33,34には、電源が供給されず、通電表示用LED11は、消灯することになる。
【0082】
これによって、通電表示用LED11が点灯している2番目の子局32と通電表示用LED11が点灯していない3番目の子局33との間の電源線5あるいはグランド線6が断線していることが分かる。
【0083】
また、例えば、図10(B)に示されるように、上流側から2番目の子局32と3番目の子局33との間のデータ線8が断線したときには、2番目の子局32の下流側のデータ線の電位が、電源電圧の中間レベルの電位となり、断線検出手段32の第2コンパレータ回路17、オアゲート27およびタイマ回路28によってそれが検出され、断線表示手段33は、断線表示用LED36と通電表示用LED11とをクロックに同期して交互に点灯させ、断線表示用LED36と通電表示用LED11とが共に点灯しているように見える。
【0084】
これによって、断線表示用LED36が橙色に点灯している2番目の子局32とその下流側の子局33との間のデータ線が断線したことが分かる。
【0085】
また、例えば、図10(C)に示されるように、上流側から2番目の子局32と3番目の子局33との間のクロック線7が断線したときには、3番目の子局33の上流側のクロック線7の電位および4番目の子局34の上流側のクロック線7の電位が、電源電圧の中間レベルの電位となり、各子局33,34の断線検出手段32の第1コンパレータ回路16、オアゲート27およびタイマ回路28によってそれが検出され、断線表示手段33の断線表示用LED36が点灯するとともに、通電表示用LED11が消灯する。
【0086】
これによって、断線表示用LED36が点灯し、かつ、通電表示用LED11が点灯していない子局33と、その上流側の通電表示用LED11のみが点灯している子局32との間のクロック線7が断線したことが分かる。
【0087】
このようして、断線時には、通電表示用LED11および断線表示用LED36の点灯あるいは消灯によって、断線箇所および断線した接続線の種類を容易に特定できることになり、これによって、配線の交換に要する時間労力の格段の改善を図ることができる。
【0088】
その他の構成は、上述の実施の形態と同様である。
【0089】
(その他の実施の形態)
上述の各実施の形態では、LEDによって表示したけれども、本発明の他の実施の形態として、液晶やその他の表示手段によって表示するようにしてもよい。
【0090】
また、上述の各実施の形態では、入力機器41〜44からのオンオフの状態信号を取り込んで親局2に伝送する入力専用のシステムに適用したけれども、本発明の他の実施の形態として、親局からのオンオフの制御信号を各子局に伝送し、各子局に接続された出力機器に出力する出力専用のシステムに適用してもよく、あるいは、入出力兼用のシステムに適用してもよい。
【0091】
上述の各実施の形態では、電源線5、グランド線6、クロック線7およびデータ線8の4線で縦続接続したけれども、本発明の他の実施の形態として、クロックを電源に重畳して供給することにより、電源線、グランド線およびデータ線の3線で縦続接続してもよく、この場合には、例えば、図9の実施の形態では、第1コンパレータ回路16、オアゲート27およびアンドゲート35は省略できることになり、また、その断線表示も図10(C)の表示が省略されることになる。
【0092】
また、上述の実施の形態では、子局は、4台であったけれども、子局は、複数であればよく、4台に限らないのは勿論であり、特に台数が多い場合に、本発明の効果が顕著となる。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、子局毎に接続線の断線を検出して表示できることになり、断線箇所を容易に特定できることになり、これによって、断線した場合の配線の交換に要する時間および労力を大幅に削減できることになり、従来例に比べて短時間で正常な状態に復帰させることができる。
【0094】
また、電源の供給の有無を表示する通電表示手段を備えているので、電源線あるいはグランド線が断線して電源の供給が断たれたときには、それを表示できることになる。
【0095】
さらに、断線した接続線の種類に応じた表示を行うので、断線箇所を容易に特定できるのみならず、断線した接続線の種類を特定できることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施の形態の構成図である。
【図2】子局から親局へデータを伝送する場合の信号波形図である。
【図3】動作説明に供する各局のレジスタのデータを示す図である。
【図4】図1の子局の構成図である。
【図5】図4のコンパレータ回路の構成図である。
【図6】断線に応じた表示状態を示す図である。
【図7】本発明の他の実施の形態の子局の構成図である。
【図8】図7の実施の形態の表示状態を示す図である。
【図9】本発明のさらに他の実施の形態の子局の構成図である。
【図10】図9の実施の形態の表示状態を示す図である。
【図11】従来例の構成図である。
【符号の説明】
2 親局
31〜34 子局
41〜43 入力機器
5 電源線
6 グランド線
7 クロック線
8 データ線
11 通電表示用LED
12,25,32 断線検出手段
13,26,33 断線表示手段
21 クロック断線表示用LED
23 データ断線表示用LED
36 断線表示用LED
Claims (3)
- 親局と複数の子局とが縦続接続され、この縦続接続は、前記親局から前記複数の子局のそれぞれへ電源を供給する電源線と、前記親局から前記複数の子局のそれぞれへシフトクロックを伝送するクロック線と、前記親局と前記複数の子局のそれぞれとの間においてデータを伝送するデータ線とをそれぞれ接続することにより行われる制御通信システムであって、
前記複数の子局のそれぞれは、
前記クロック線からのシフトクロックに応じて、伝送データを、前記データ線を介して隣の局に順次シフトさせて伝送するデータ伝送処理回路と、
前記電源線からの電源供給の状態を表示する通電表示手段と、
前記クロック線、および、前記データ線についてそれぞれ個別に、信号レベルが断線状態に対応した所定範囲のレベルであるのを予め定めた期間継続したときに断線を検出する断線検出手段と、
前記断線検出手段の検出結果に基づいて、前記クロック線の断線の有無、および、前記データ線の断線の有無をそれぞれ個別に表示する断線表示手段と、
を備えることを特徴とする制御通信システム。 - 親局と複数の子局とが縦続接続され、この縦続接続は、前記親局から前記複数の子局のそれぞれへ電源を供給する電源線と、前記親局から前記複数の子局のそれぞれへシフトクロックを伝送するクロック線と、前記親局と前記複数の子局のそれぞれとの間においてデータを伝送するデータ線とをそれぞれ接続することにより行われる制御通信システムであって、
前記複数の子局のそれぞれは、
前記クロック線からのシフトクロックに応じて、伝送データを、前記データ線を介して隣の局に順次シフトさせて伝送するデータ伝送処理回路と、
前記電源線からの電源供給の状態を表示する通電表示手段と、
前記クロック線および前記データ線についてそれぞれの信号レベルがそれぞれの断線状態に対応した所定範囲のレベルにあるかを個別に計測し、それらの論理和の出力が予め定めた期間継続したときに前記クロック線および前記データ線の少なくとも一方の断線であるとの断線検出信号を出力し、かつ、前記データ線の信号レベルが断線状態に対応した前記所定範囲のレベルであるとの検出信号を出力する断線検出手段と、
前記断線検出手段の断線検出信号および検出信号の両出力に基づいて、断線したのが前記クロック線および前記データ線のいずれかの種類かに応じて、前記通電表示手段の表示状態を制御する断線表示手段と、
を備えることを特徴とする制御通信システム。 - 親局と複数の子局とが縦続接続され、この縦続接続は、前記親局から前記複数の子局のそれぞれへ電源を供給する電源線と、前記親局から前記複数の子局のそれぞれへシフトクロックを伝送するクロック線と、前記親局と前記複数の子局のそれぞれとの間においてデータを伝送するデータ線とをそれぞれ接続することにより行われる制御通信システムであって、
前記複数の子局のそれぞれは、
前記クロック線からのシフトクロックに応じて、伝送データを、前記データ線を介して隣の局に順次シフトさせて伝送するデータ伝送処理回路と、
前記電源線からの電源供給の状態を表示する通電表示手段と、
前記クロック線および前記データ線についてそれぞれの信号レベルがそれぞれの断線状態に対応した所定範囲のレベルにあるかを個別に計測し、それらの論理和の出力が予め定めた期間継続したときに前記クロック線および前記データ線の少なくとも一方の断線であるとの断線検出信号を出力する断線検出手段と、
前記クロック線あるいはデータ線の断線を表示する断線表示用素子を備え、前記断線検出手段から与えられる前記断線検出信号に基づき、さらに前記クロック線から与えられるシフトクロックを利用して、前記断線表示用素子の表示状態および前記通電表示手段の表 示状態を組み合わせて制御して、前記電源線、前記クロック線および前記データ線のいずれかの種類が断線しているかを区別して表示を行う断線表示手段と、
を備えることを特徴とする制御通信システム。
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