JP3612772B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は自動変速機の制御装置、特に変速制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トルクコンバータと変速機構とを組み合わせ、この変速機構の動力伝達経路を切り換えることにより、車両の走行状態に応じて変速段を自動的に切り換えるようにした自動変速機においては、例えば車速とスロットル開度などのエンジン負荷とをパラメータとして予め設定した変速マップと、車速とスロットル開度とが示す現実の運転状態とを比較して、該運転状態が変速マップを構成する変速ラインを通過したときに変速判定を行って、そのときの運転状態が属する運転領域について設定された変速段を目標変速段として選択すると共に、選択された目標変速段が実現されるように変速段が切り換えられるようになっている。その場合に、この種の自動変速機においては、当該車両がエンジン出力で駆動されないコースト状態においてダウンシフト変速が行われる場合がある。
【0003】
例えは1〜4速の自動変速が可能とされた自動変速機において、当該車両が例えば4速状態においてエンジン出力で駆動される非コースト状態で走行しているものとする。この状態で減速のためにアクセルペダルを開放するとエンジン出力が低下することから、当該車両の走行状態がエンジン出力で駆動される非コースト状態からコースト状態に切り換わることになる。そして、車速の低下に伴って運転状態が変速ラインを順次通過し、それに対応して4→3変速,3→2変速,2→1変速の各ダウンシフト指令が順次出力されると共に、これらのダウンシフト指令に応じて変速段を低速段側へ切り換える変速制御が行われることになる。その場合に、単にアクセルペダルを開放しただけでは車速が緩やかに低下することから、適当な時間間隔をおいて発生するダウンシフト指令に応じてダウンシフトが次々と実行されることになり、変速段が低速段側へ連続的に切り換えられることになる。これに対して、ブレーキ操作を伴う急減速時においては車速が急速に低下することから、ダウンシフト指令に基づく変速動作が完了しないうちに次のダウンシフト指令が発生して飛越変速が行われることがある。例えば、3速から2速への変速動作が完了しないうちに1速へのダウンシフト指令が発生したとすると、結局は3速から1速への飛越変速が行われることになる。
【0004】
ところで、このようなコースト状態におけるダウンシフト変速時において、当該車両の走行状態がコースト状態から非コースト状態に変化する場合がある。このような場合には、変速動作の後半でエンジンの出力トルクが車輪側に伝達されることから、前方へ突き出されるようなショックが発生し、減速側への操作であるにもかかわらず運転者に加速感を感じさせることになって変速フィーリングを悪化させることになる。特に、飛越変速時においては上記の問題が顕著にあらわれる。
【0005】
この問題に対しては、例えば特開昭63−176852号公報によれば、コースト状態を検出したときに、変速マップを変速点を高車速側に設定したコースト専用マップに変更する構成が示されている。これによれば、車速が比較的大きい段階、換言すればトルクコンバータの出力回転数(タービン回転数)がエンジン回転数よりも高い段階で1速へのダウンシフト変速が行われることから、コースト状態を維持したまま変速動作が行われることになって、上記の問題については解消されるものと期待される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報記載の従来技術においては、スロットルバルブの全閉状態と、アイドルスイッチのON状態と、ブレーキスイッチのON状態とが共に満足されたときにコースト状態と判定して変速マップをコースト専用マップに切り換えるようになっていることから、次のような別の問題を発生する可能性がある。
【0007】
例えば、コースト判定状態においてアクセルペダルを浅く踏み込んだとしても、変速マップが元に戻されて例えば2速へのアップシフトが直ちに行われることになる。その場合に、車速が比較的大きい状態で上記の操作が行われると、タービン回転数も高いことから変速機構の慣性トルクが大きく、大きな変速ショックが発生することになる。また、その状態から加速操作を行ったとしても、2速状態からの加速なので、再加速性が悪化することにもなる。
【0008】
この発明は、自動変速機を搭載した車両のコースト状態からの減速に伴うダウンシフト変速時における上記の実情に対処するもので、当該車両の走行状態が変速過程で非コースト状態に移行する場合においても、過度の変速ショックを生じさせることのない良好な変速動作を行わせるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本願の請求項1に係る発明(以下、第1発明という)は、少なくとも第1の変速段と、該第1の変速段よりもギヤ比が小さく高車速側の第2の変速段と、該第2の変速段よりもギヤ比が小さく高車速側の第3の変速段とが設定された自動変速機の制御装置において、車速を検出する車速検出手段と、エンジン負荷を検出するエンジン負荷検出手段と、これらの検出手段で検出される車速とエンジン負荷とに基づいて目標変速段を設定する目標変速段設定手段と、設定された目標段となるように変速段を制御する変速制御手段と、当該車両がエンジン出力で駆動されないコースト状態であることを検出するコースト状態検出手段と、ギヤ比を検出するギヤ比検出手段と、当該車両の減速状態を検出する減速状態検出手段と、当該車両の第3の変速段からのコースト状態における減速時に目標変速段が第2変速段から第1変速段へ変化したときに、第2変速段に対応するギヤ比と実際のギヤ比を比較して、実際のギヤ比が第2の変速段に対応するギヤ比より小さいときに上記第1変速段への変速の実行を所定時間の間禁止する変速禁止手段とを設けたことを特徴とする
【0010】
また、本願の請求項2に係る発明(以下、第2発明という)は、上記第1発明の構成に加えて、第1変速段への変速の実行を禁止する所定時間を上記実際のギヤ比に応じて設定する変速実行禁止時間設定手段を設けたことを特徴とする。
【0011】
そして、本願の請求項3に係る発明(以下、第3発明という)は、上記第1、第2発明の構成に加えて、当該車両の減速度を検出する減速度検出手段を設けると共に、変速禁止手段を、上記減速度検出手段で検出される減速度が所定値以上のときに、第1変速段への変速の実行を所定時間の間禁止するように構成したことを特徴とする。
【0012】
また、本願の請求項4に係る発明(以下、第4発明という)は、上記第1〜第3発明の構成に加えて、第1変速段への変速の実行を禁止する所定時間を当該車両の減速度に応じて変更する変速実行禁止時間変更手段を設けたことを特徴とする。
【0014】
【作用】
上記の構成によれば次のような作用が得られる。
【0015】
すなわち、第1〜第発明のいずれにおいても、車両のコースト状態において、目標変速段が第2変速段から第1変速段へ変化したときには、第1変速段への変速動作が所定時間の間禁止されることになるので、例えば第3変速段からのダウンシフト変速時に、変速段が確実に第2変速段を経由して第1変速段へ切り換わることになり、これによって当該車両の走行状態が変速過程でコースト状態から非コースト状態に移行する場合においても、過度のショックを発生することのない滑らかな変速動作が行われることになる。
【0016】
また、第、第発明によれば、当該車両の減速時に上記の制御が行われるので、例えばキックダウン時のようにエンジン負荷の増大によって行われるダウンシフト変速時においては、例えば第3変速段から第1変速段への飛越変速が許可されることになって良好な加速性が確保されることになる。
【0017】
しかも、目標変速段が第2変速段から第1変速段へ変化したときに、実際のギヤ比が第2の変速段に対応するギヤ比より小さいとき、換言すれば変速段が第2変速段になっていないときに上記の制御が行われるので、変速段が不必要に第2変速段で保持されることのないスムーズな変速動作が行われることになる。
【0018】
そして特に、第発明によれば、第1変速段への変速動作を禁止する時間をギヤ比に応じて設定するようにしているので、変速段が不必要に第2変速段で保持されることのないスムーズな変速動作が確実に行われることになる。
【0019】
また、第発明によれば、当該車両の急減速時に上記の制御が行われることになることから、この場合においても変速段が不必要に第2変速段で保持されることのないスムーズな変速動作が行われることになる。
【0020】
さらに、第発明によれば、第1変速段への変速動作を禁止する時間を減速度に応じて設定するようにしているので、変速段が不必要に第2変速段で保持されることのないスムーズな変速動作がより一層確実に行われることになる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
【0022】
図1に示すように、エンジン1と共に車両のパワープラントを構成する自動変速機2は、エンジン1の出力軸1aに連結されたトルクコンバータ3と、該コンバータ3の出力回転がタービンシャフト4を介して入力される遊星歯車式の変速機構5とを有し、変速機構5の出力回転がドライブシャフト6を介して駆動輪(図示せず)に伝達されるようになっている。また、この自動変速機2は複数の変速用ソレノイド7…7を有し、これらの変速用ソレノイド7…7のON,OFFの組合せによって油圧回路が切り換えられて、上記変速機構5を構成する複数の摩擦要素(図示せず)が選択的に作動することにより、複数の変速段が得られるようになっている。
【0023】
さらに、上記自動変速機2には変速制御を行うコントロールユニット20が備えられている。このコントロールユニット20は、エンジン負荷の代表特性としてのスロットルバルブ8の開度を検出するスロットルセンサ21からの信号、変速機構5の入力回転数(タービン回転数)を検出するタービン回転数センサ22、車速を代表する変速機構5の出力回転数を検出する出力回転数センサ23からの信号、シフトレバーの操作位置(レンジ)を検出するシフト位置センサ24からの信号などを入力して、これらの信号に基づいて変速制御を行うようになっている。
【0024】
ここで、コントロールユニット20が行う変速制御の概略を説明すると、コントロールユニット20は、例えば図2に示すように予め車速とスロットル開度をパラメータとして設定した変速マップに、現実の車速Vとスロットル開度Θとを当てはめて、これらが示す運転状態が上記変速マップを構成する変速ラインを通過したときに、ダウンシフトもしくはアップシフトの判定を行って目標変速段Lmを設定する。そして、設定された目標変速段Lmを実現するソレノイドパターンを決定して、該パターンを実現する変速指令信号を変速用ソレノイド7…7に出力するようになっている。
【0025】
そして、第1実施例においては、コースト状態からの減速時におけるシフトダウン制御が図3のフローチャートに従って次のように行われる。
【0026】
すなわち、コントロールユニット20はステップS1で各種信号を読み込んだ上で、ステップS2を実行して、その時点の車速Vと変速段Lとに基づいて当該車両がコースト状態か非コースト状態かを判定するための判定基準値Θoを設定する。つまり、コントロールユニット20は、例えば図4に示すように、予め車速をパラメータとして変速段ごとに設定された判定基準値のマップに現実の車速Vを当てはめて、その時点における変速段Lに対応する値を判定基準値Θoとして設定する。その場合に、上記マップはスロットル開度を代表特性として判定基準値Θoが設定されている。
【0027】
次いで、コントロールユニット20は、ステップS3でスロットルセンサ21からの信号が示すスロットル開度Θと上記判定基準値Θoとを比較することにより、当該車両がコースト状態か否かを判定する。この場合、スロットル開度Θが判定基準値Θoと等しいかそれよりも小さな値を示すときにコースト状態と判定されることになる。
【0028】
コントロールユニット20は、上記ステップS3においてコースト状態であると判定したときには、ステップS4に進んで目標変速段Lmが4速か否かを判定し、目標変速段Lmが4速であると判定したときには、ステップS5に進んでソレノイドパターンとして4速パターンをセットした後、ステップS6で目標変速段Lmが3速か否かを判定すると共に、目標変速段Lmが4速ではないと判定したときには、ステップS5をスキップしてステップS6に移り、目標変速段Lmが3速か否かを判定する。
【0029】
次に、コントロールユニット20は、上記ステップS6において目標変速段Lmが3速であると判定したときには、ステップS7に進んでソレノイドパターンとして3速パターンをセットした後、ステップS8で目標変速段Lmが2速か否かを判定すると共に、目標変速段Lmが3速ではないと判定したときには、ステップS7をスキップしてステップS8に移り、目標変速段Lmが2速か否かを判定する。
【0030】
さらに、コントロールユニット20は、上記ステップS8において目標変速段Lmが2速であると判定したときには、ステップS9に進んでソレノイドパターンとして2速パターンをセットした後、ステップS10で目標変速段Lmが1速か否かを判定すると共に、目標変速段Lmが2速ではないと判定したときには、ステップS9をスキップしてステップS10に移り、目標変速段Lmが1速か否かを判定する。
【0031】
そして、コントロールユニット20は、上記ステップS10において目標変速段Lmが1速であると判定したときには、ステップS11に進んでタービン回転数Ntと出力回転数Noとが示す変速機構5の演算ギヤ比Rg(=Nt/No)が所定の2速ギヤ比R2よりも小さいか否かを判定する。つまり、変速段Lが実際に2速になっていないかどうか判定するのである。コントロールユニット20は、演算ギヤ比Rgが2速ギヤ比R2よりも小さいと判定したときに、ステップS12に進んで変速遅延タイマのタイマ値Tをインクリメントした上で、ステップS13を実行して該タイマ値Tが所定のタイマ終了値Toを超えたか否かを判定し、タイマ値Tがタイマ終了値Toを超えていなければステップS12,S13のループ処理を実行すると共に、タイマ値Tが上記タイマ終了値Toを超えたと判定した時点で上記ループ処理を抜け出してステップS14に移り、ソレノイドパターンとして1速パターンをセットした後、ステップS15で変速遅延タイマのタイマ値Tをリセットする。
【0032】
次に、図5のタイムチャートを参照して第1実施例の作用を説明する。
【0033】
今、コースト状態における3速から減速を開始し、車速Vの低下に伴って運転状態が図2の変速マップにおける2速領域に移行したとすると、目標変速段Lmとして2速が設定される。この場合には、目標変速段Lmが2速になった時点で3→2変速指令が直ちに出力されて、ソレノイドパターンが3速パターンから2速パターンに切り換えられることになる。
【0034】
そして、さらに車速Vが低下して運転状態が上記変速マップにおける2速領域から1速領域に移行すると、目標変速段Lmが2速から1速に切り換わることになる。この場合に、演算ギヤ比Rgが2速ギヤ比R2が到達していないときには、目標変速段Lmが1速に設定された時点で、符号(ア)で示すように変速遅延タイマがカウントアップを開始する。そして、そのタイマ値Tが予め設定されたタイマ終了値Toに到達した時点で2→1変速指令が出力されて、ソレノイドパターンが2速パターンから1速パターンに切り換えられる。
【0035】
このように、コースト状態からの減速時に、目標変速段Lmが2速から1速に切り換わった時点で、演算ギヤ比Rgが2速ギヤ比R2に到達していないときには1速への変速動作が所定時間の間遅延されるので、符号(イ)で示すように変速段Lが確実に2速を経由して1速に切り換わることになる。これにより、仮に当該車両の走行状態が変速過程でコースト状態から非コースト状態に変化したとしても、変速機構5の出力軸トルクが、符号(ウ)で示すように急激な変動を生じることなく滑らかに変化することになって、過大な変速ショックの発生が回避されることになる。
【0036】
つまり、従来においては、目標変速段Lmが2速から1速に切り換わった時点で2→1変速指令が出力されることにより、符号(エ)で示すように変速段Lが3速から2速を飛ばして1速に切り換えられることになり、これによって変速動作の後半に出力軸トルクが符号(オ)で示すように鋭く立ち上がり、大きな変速ショックを発生していたのが回避されることになるのである。
【0037】
次に、コースト状態からの減速時におけるシフトダウン制御の第2実施例を説明する。この実施例においては、上記シフトダウン制御が図6のフローチャートに従って次のように行われる。
【0038】
すなわち、コントロールユニット20はステップT1で各種信号を読み込んだ上で、第1実施例と同様にステップT2を実行して、その時点の車速Vと変速段Lとに基づいて、前述の図4のマップを用いて、当該車両がコースト状態か非コースト状態かを判定するための判定基準値Θoを設定する。
【0039】
次いで、コントロールユニット20は、ステップT3でスロットル開度Θと上記判定基準値Θoとを比較することにより、当該車両がコースト状態か否かを判定する。
【0040】
コントロールユニット20は、上記ステップT3においてコースト状態であると判定したときには、ステップT4に進んで目標変速段Lmが4速か否かを判定し、目標変速段Lmが4速であると判定したときには、ステップT5に進んでソレノイドパターンとして4速パターンをセットした後、ステップT6で目標変速段Lmが3速か否かを判定すると共に、目標変速段Lmが4速ではないと判定したときには、ステップT5をスキップしてステップT6に移り、目標変速段Lmが3速か否かを判定する。
【0041】
次に、コントロールユニット20は、上記ステップT6において目標変速段Lmが3速であると判定したときには、ステップT7に進んでソレノイドパターンとして3速パターンをセットした後、ステップT8で目標変速段Lmが2速か否かを判定すると共に、目標変速段Lmが3速ではないと判定したときには、ステップT7をスキップしてステップT8に移り、目標変速段Lmが2速か否かを判定する。
【0042】
さらに、コントロールユニット20は、上記ステップT8において目標変速段Lmが2速であると判定したときには、ステップT9に進んでソレノイドパターンとして2速パターンをセットした後、ステップT10で目標変速段Lmが1速か否かを判定すると共に、目標変速段Lmが2速ではないと判定したときには、ステップT9をスキップしてステップT10に移り、目標変速段Lmが1速か否かを判定する。
【0043】
そして、コントロールユニット20は、上記ステップT10において目標変速段Lmが1速であると判定したときには、ステップT11に進んで変速機構5の演算ギヤ比Rgが所定の2速ギヤ比R2よりも小さいか否かを判定する。コントロールユニット20は、演算ギヤ比Rgが2速ギヤ比R2よりも小さいと判定したときに、ステップT12に進んで演算ギヤ比Rgを図7のマップに照らし合わせることにより、変速遅延タイマのタイマ終了値Tmを設定する。ここで、上記マップは、演算ギヤ比Rgが2速ギヤ比R2に近い値を示すときにはタイマ終了値Tmの値が小さく、演算ギヤ比Rgが3速ギヤ比に近づくほどタイマ終了値Tmの値が増大するように設定されている。換言すれば、演算ギヤ比Rgと2速ギヤ比R2との差が大きいほど上記タイマ終了値Tmの値が大きくなる。
【0044】
タイマ終了値Tmを設定すると、コントロールユニット20はステップT13で変速遅延タイマのタイマ値Tをインクリメントした上で、ステップT14を実行して該タイマ値Tが上記タイマ終了値Tmを超えたか否かを判定し、タイマ値Tがタイマ終了値Tmを超えていなければステップT13,T14のループ処理を実行すると共に、タイマ値Tが上記タイマ終了値Toを超えたと判定した時点で上記ループ処理を抜け出してステップT15に移り、ソレノイドパターンとして1速パターンをセットした後、ステップT16で変速遅延タイマのタイマ値Tをリセットする。
【0045】
次に、図8及び図9のタイムチャートを参照して第2実施例の作用を説明する。
【0046】
今、第1実施例と同様に、コースト状態における3速から減速を開始し、車速Vの低下に伴って運転状態が図2の変速マップにおける2速領域に移行したとすると、目標変速段Lmとして2速が設定される。この場合には、目標変速段Lmが2速になった時点で3→2変速指令が直ちに出力されて、ソレノイドパターンが3速パターンから2速パターンに切り換えられることになる。
【0047】
そして、さらに車速Vが低下して運転状態が上記変速マップにおける2速領域から1速領域に移行すると、目標変速段Lmが2速から1速に切り換わることになる。
【0048】
この場合に、車速Vの低下が急で、図8に示すように、演算ギヤ比Rgが3速ギヤ比R3の付近で目標変速段Lmが1速に切り換わったとすると、タイマ終了値Tmとして比較的大きな第1終了値T1が設定されると共に、目標変速段Lmが1速に切り換わったときから符号(カ)で示すように変速遅延タイマがカウントアップを開始する。そして、そのタイマ値Tが上記第1終了値T1に到達した時点で2→1変速指令が出力されて、ソレノイドパターンが2速パターンから1速パターンに切り換えられる。したがって、車速Vの低下が急で変速動作が追従し切れなかったとしても、上記第1タイマ終了値T1が比較的大きな値に設定されることになるから、符号(キ)で示すように変速段Lが確実に2速を経由して1速に切り換わることになる。
【0049】
一方、車速Vの低下が緩やかで、図9に示すように、演算ギヤ比Rgが2速ギヤ比R2の付近で目標変速段Lmが1速に切り換わったとすると、タイマ終了値Tmとして比較的小さな第2終了値T2が設定されると共に、目標変速段Lmが1速に切り換わったときから変速遅延タイマがカウントアップを開始する。そして、そのタイマ値Tが上記第2終了値T2に到達した時点で2→1変速指令が出力されて、ソレノイドパターンが2速パターンから1速パターンに切り換えられる。
【0050】
このように、目標変速段Lmが2速から1速に切り換わったときに、演算ギヤ比Rgが2速ギヤ比R2に到達していないときには1速への変速動作が所定時間の間遅延されるので、符号(ク)で示すように変速段Lが確実に2速を経由して1速に切り換わることになる。しかも、演算ギヤ比Rgが2速ギヤ比R2の付近で目標変速段Lmが1速に切り換わったときには、変速遅延タイマのタイマ終了値Tmとして比較的小さな値に設定されることから、変速段が不必要に2速に保持されることなくスムーズな変速動作が行われることになる。
【0051】
なお、目標変速段Lmが1速に切り換わったときの演算ギヤ比Rgと2速ギヤ比R2との比に応じて変速遅延タイマのタイマ終了値Tmを設定するようにしても良い。
【0052】
また、適宜の手段によって当該車両の減速度を検出して、この減速度に応じて変速遅延タイマのタイマ終了値Tmを設定するようにしても良い。その場合には、図7に示すように、減速度が大きくなるほどタイマ終了値Tmの値が大きくされる。
【0053】
次に、コースト状態からの減速時におけるシフトダウン制御の第3実施例を説明する。この実施例においては、上記シフトダウン制御が図10のフローチャートに従って次のように行われる。
【0054】
すなわち、コントロールユニット20はステップU1で各種信号を読み込んだ上で、第1実施例と同様にステップU2を実行して、その時点の車速Vと変速段Lとに基づいて、前述の図4のマップを用いて、当該車両がコースト状態か非コースト状態かを判定するための判定基準値Θoを設定する。
【0055】
次いで、コントロールユニット20は、ステップU3でスロットル開度Θと上記判定基準値Θoとを比較することにより、当該車両がコースト状態か否かを判定する。
【0056】
コントロールユニット20は、上記ステップU3においてコースト状態であると判定したときには、ステップU4に進んで目標変速段Lmが4速か否かを判定し、目標変速段Lmが4速であると判定したときには、ステップU5に進んでソレノイドパターンとして4速パターンをセットした後、ステップU6で目標変速段Lmが3速か否かを判定すると共に、目標変速段Lmが4速ではないと判定したときには、ステップU5をスキップしてステップU6に移り、目標変速段Lmが3速か否かを判定する。
【0057】
次に、コントロールユニット20は、上記ステップU6において目標変速段Lmが3速であると判定したときには、ステップU7に進んでソレノイドパターンとして3速パターンをセットした後、ステップU8で目標変速段Lmが2速か否かを判定すると共に、目標変速段Lmが3速ではないと判定したときには、ステップU7をスキップしてステップU8に移り、目標変速段Lmが2速か否かを判定する。
【0058】
さらに、コントロールユニット20は、上記ステップU8において目標変速段Lmが2速であると判定したときには、ステップU9に進んでソレノイドパターンとして2速パターンをセットした後、ステップU10で目標変速段Lmが1速か否かを判定すると共に、目標変速段Lmが2速ではないと判定したときには、ステップU9をスキップしてステップU10に移り、目標変速段Lmが1速か否かを判定する。
【0059】
そして、コントロールユニット20は、上記ステップU10において目標変速段Lmが1速であると判定したときには、ステップU11に進んで変速機構5の演算ギヤ比Rgが所定の2速ギヤ比R2よりも小さいか否かを判定する。コントロールユニット20は、演算ギヤ比Rgが2速ギヤ比R2よりも小さいと判定したときには、ステップU11のループ処理を実行すると共に、演算ギヤ比Rgが2速ギヤ比R2よりも小さくないと判定した時点で上記ループ処理から抜け出してステップU12に移り、ソレノイドパターンとして1速パターンをセットする。
【0060】
これによれば、確実に2速が経由されることになる。
【0061】
なお、以上の各実施例においては、コースト状態からのダウンシフト時に2速を保持させるようになっているが、例えば4速から2速への変速時に3速を保持させるようにしても良い。
【0062】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、自動変速機を搭載した車両のコースト状態において、目標変速段が第2変速段から第1変速段へ変化したときには、第1変速段への変速動作が所定時間の間禁止されることになるので、例えば第3変速段からのダウンシフト変速時に、変速段が確実に第2変速段を経由して第1変速段へ切り換わることになり、これによって当該車両の走行状態が変速過程でコースト状態から非コースト状態に移行する場合においても、過度のショックを発生することのない滑らかな変速動作が行われることになる。
【0063】
また、第、第発明によれば、当該車両の減速時に上記の制御が行われるので、例えばキックダウン時のようにエンジン負荷の増大によって行われるダウンシフト変速時においては、例えば第3変速段から第1変速段への飛越変速が許可されることになって良好な加速性が確保されることになる。
【0064】
しかも、目標変速段が第2変速段から第1変速段へ変化したときに、実際のギヤ比が第2の変速段に対応するギヤ比より小さいとき、換言すれば変速段が第2変速段になっていないときに上記の制御が行われるので、変速段が不必要に第2変速段で保持されることのないスムーズな変速動作が行われることになる。
【0065】
そして特に、第発明によれば、第1変速段への変速動作を禁止する時間をギヤ比に応じて設定するようにしているので、変速段が不必要に第2変速段で保持されることのないスムーズな変速動作が確実に行われることになる。
【0066】
また、第発明によれば、当該車両の急減速時に上記の制御が行われることになることから、この場合においても変速段が不必要に第2変速段で保持されることのないスムーズな変速動作が行われることになる。
【0067】
さらに、第発明によれば、第1変速段への変速動作を禁止する時間を減速度に応じて設定するようにしているので、変速段が不必要に第2変速段で保持されることのないスムーズな変速動作がより一層確実に行われることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に共通するパワープラントの制御システム図である。
【図2】変速マップを示す運転領域図である。
【図3】コースト状態からの減速時におけるシフトダウン制御の第1実施例を示すフローチャート図である。
【図4】該制御に用いるマップの説明図である。
【図5】第1実施例の作用を示すタイムチャート図である。
【図6】コースト状態からの減速時におけるシフトダウン制御の第2実施例を示すフローチャート図である。
【図7】該制御に用いるマップの説明図である。
【図8】第2実施例の急減速時の作用を示すタイムチャート図である。
【図9】同じく緩減速時の作用を示すタイムチャート図である。
【図10】同じくコースト状態からの減速時におけるシフトダウン制御の第3実施例を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
2 自動変速機
20 コントロールユニット
21 スロットルセンサ
22 タービン回転数センサ
23 出力回転数センサ

Claims (4)

  1. 少なくとも第1の変速段と、該第1の変速段よりもギヤ比が小さく高車速側の第2の変速段と、該第2の変速段よりもギヤ比が小さく高車速側の第3の変速段とが設定された自動変速機の制御装置であって、車速を検出する車速検出手段と、エンジン負荷を検出するエンジン負荷検出手段と、これらの検出手段で検出される車速とエンジン負荷とに基づいて目標変速段を設定する目標変速段設定手段と、設定された目標段となるように変速段を制御する変速制御手段と、当該車両がエンジン出力で駆動されないコースト状態であることを検出するコースト状態検出手段と、ギヤ比を検出するギヤ比検出手段と、当該車両の減速状態を検出する減速状態検出手段と、当該車両の第3の変速段からのコースト状態における減速時に目標変速段が第2変速段から第1変速段へ変化したときに、第2変速段に対応するギヤ比と実際のギヤ比を比較して、実際のギヤ比が第2の変速段に対応するギヤ比より小さいときに上記第1変速段への変速の実行を所定時間の間禁止する変速禁止手段とが設けられていることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 第1変速段への変速の実行を禁止する所定時間を上記実際のギヤ比に応じて設定する変速実行禁止時間設定手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
  3. 当該車両の減速度を検出する減速度検出手段が設けられていると共に、変速禁止手段は、上記減速度検出手段で検出される減速度が所定値以上のときに、第1変速段への変速の実行を所定時間の間禁止するように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動変速機の制御装置。
  4. 第1変速段への変速の実行を禁止する所定時間を当該車両の減速度に応じて変更する変速実行禁止時間変更手段が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
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