JP3610868B2 - 板状体移載搬送装置の制御方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般にカセットと呼称される搬送用ケース内に上下複数段に収納された板状体の内、任意のレベルにある板状体を取り出して搬送したり、この逆に、搬送ラインから受け継いだ板状体を搬送用ケース内の任意のレベルに移載する、板状体移載搬送装置の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、プラズマディスプレイ用ガラス板は、検査等のための搬送ラインに於いて、多数枚を1つの搬送用ケース内に上下複数段に、各別に水平横方向に持ち上げ引き出し可能に支持した状態で搬送されるが、ガラス板表面に塵埃が付着しないように、搬送ラインはクリーンな環境に維持されている。しかして、当該ガラス板を検査装置等に送り込むためには、搬送ライン上の定位置で停止させた前記搬送用ケース内から所定のレベルにあるガラス板を取り出して検査装置への搬送用コンベヤに移載しなければならない。又、この逆に、検査装置から搬出された検査済みガラス板は、搬送ライン上の定位置で待機する搬送用ケース内の所定のレベルに移載しなければならない。このガラス板の移載のために、ガラス板をすくい上げて移載する移載搬送装置が必要になるが、この移載装置の領域に於いてもクリーンな環境は維持しなければならない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
然るに、従来のこの種の設備に利用できる移載装置は、搬送用ケース内に進入して昇降する荷移載具を利用したものが一般的であるが、搬送用ケース内の移載位置と搬送用ケース外の移載位置との間で水平方向に往復移動する荷移載具は、中段横動体を備えた3段伸縮式のものが一般的であり、中段横動体と上段荷支持具との間の摺動部が搬送用ケース内に進入することになるため、当該摺動部から発生する磨耗粉等の塵埃が下側レベルのガラス板表面に落下付着する恐れがある。
【0004】
又、前記のように中段横動体の前半部が搬送用ケース内に進入することになるため、搬送用ケース内での上下のガラス板間の間隔を広くとっておかなければならず、搬送用ケース1台当たりのガラス板の収納枚数を多くしようとすると搬送用ケースの高さが非常に高くなるばかりでなく、前記荷移載具の昇降行程も大きくしなければならない。
【0005】
上記の出退昇降移動荷移載具方式に代えて、ガラス板の左右両側辺を挟んで水平に出し入れする挟持搬送方式のものも考えられるが、搬送用ケース内でガラス板の左右両側辺の周囲に空間を確保するようにガラス板を支持しなければならず、搬送用ケースの左右両側壁にガラス板の左右両側辺を支持する受け板を上下複数段に突設する簡単な支持構造を採用できないばかりでなく、後端部のみを支持した片持ち状の左右一対の棒状挟持体として、必要な強度を持たせることが困難であり、実用的ではない。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記のような従来の問題点を解消し得る板状体の移載搬送装置の制御方法を提供することを目的とするものであって、その手段を後述する実施形態の参照符号を付して示すと、板状体Pを上下複数段に、各別に水平横方向に持ち上げ引き出し可能に支持した搬送用ケース5を、搬送ライン1上の定位置で昇降可能に支持するケース昇降支持手段2と、当該ケース昇降支持手段2の横側方位置に配設された板状体移載搬送手段3とから成り、板状体移載搬送手段3は、前記ケース昇降支持手段2上に支持された搬送用ケース5に隣接する前進限位置Fと後退限位置Rとの間を一定レベルに於いて水平往復移動可能な横動体13と、この横動体13に後端部が片持ち状に支持された板状体支持搬送板14と、昇降コンベヤ15とから成り、板状体支持搬送板14は、前記横動体13の前進移動により搬送用ケース5内の板状体移載位置P1まで進入すると共に、前記横動体13の後退移動により前記搬送用ケース5内から脱出するものであり、前記昇降コンベヤ15は、前記板状体支持搬送板14の支持レベルより低い下位置Dと当該支持レベルより高い上位置Uとの間で昇降する板状体移載搬送装置の制御方法であって、前記板状体支持搬送板14と前記昇降コンベヤ15との間のケース外板状体移載位置P3が、当該板状体支持搬送板14が支持する板状体Pの一部は搬送用ケース5内にあるが当該板状体Pの重心位置は前記昇降コンベヤ15の板状体支持領域内にある位置となるように、前記横動体13の往復動と前記昇降コンベヤ15の昇降とを制御することを特徴とするものである。
【0007】
上記構成の本発明方法を実施する場合、請求項2に記載のように、前記横動体13を含む板状体支持搬送板14の全長を前記板状体Pの全長とほぼ等しくなるように構成した板
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好適実施形態を添付図に基づいて説明すると、図1〜図3に於いて、1は搬送ラインであって、その中間位置にケース昇降支持手段2が配設されている。ケース昇降支持手段2の横側方には板状体移載搬送手段3が配設され、当該板状体移載搬送手段3に接続するようにセンタリング搬送手段4が配設されている。5は搬送用ケースであって、左右両側壁(搬送ライン1での搬送方向の前後両側壁)の内側には、前記ガラス板等の板状体Pの左右両側辺を支持する左右一対の受け板5aが、等間隔おきに上下複数段に突設されている。この搬送用ケース5の少なくとも板状体移載搬送手段3のある側は開放されており、内部に収納されている板状体Pを板状体移載搬送手段3のある側へ持ち上げ引き出すことができる。
【0009】
ケース昇降支持手段2は、昇降駆動手段6により昇降操作される昇降駆動ローラーコンベヤ7から構成されている。当該昇降駆動ローラーコンベヤ7は、下降限位置又は上昇限位置に於いて前記搬送ライン1と接続するもので、搬送ライン1から乗り移ってきた搬送用ケース5を定位置で停止させる出退自在なストッパー8と、当該定位置から搬送用ケース5が後退移動するのを阻止する逆止ストッパー9とを備えている。この実施形態に於ける昇降駆動手段6は、基台10上に昇降駆動ローラーコンベヤ7を平行昇降移動可能に支持するパンタグラフリンク機構11と、このパンタグラフリンク機構11を開閉駆動して昇降駆動ローラーコンベヤ7を昇降させるアクチュエーター12とから成り、昇降駆動ローラーコンベヤ7を下降限位置と上昇限位置との間の任意のレベルで停止させることができるものである。
【0010】
板状体移載搬送手段3は、ケース昇降支持手段2(昇降駆動ローラーコンベヤ7)上のストッパー8と逆止ストッパー9との間の定位置に支持された搬送用ケース5に隣接する前進限位置F(図4参照)と後退限位置Rとの間を一定レベルに於いて水平往復移動可能な横動体13と、この横動体13に後端部が片持ち状に支持された板状体支持搬送板14と、昇降コンベヤ15とから構成されている。16は基台17上に支持されたスライドガイドレールであって、このスライドガイドレール16に横動体13が横動可能に支持されている。18は横動体13のねじ孔に螺合貫通する螺軸であって、両端が基台17上に自転のみ可能に支承され、モーター(図示省略)により正逆回転駆動されることによって横動体13を前後進移動させる。
【0011】
板状体支持搬送板14は、図3に仮想線で示すように、搬送用ケース5内の左右一対の受け板5a間の間隔よりも巾の狭い薄板状のものであって、図4に示すように、前記横動体13が前進限位置Fまで前進移動することにより、ケース昇降支持手段2(昇降駆動ローラーコンベヤ7)上の定位置に支持された搬送用ケース5内の板状体移載位置P1まで進入すると共に、図5Aに示すように、前記横動体13が後退限位置Rまで後退移動することにより、前記搬送用ケース5内から完全に脱出する後退限位置P2まで後退するものである。
【0012】
前記昇降コンベヤ15は、図2に示すように、板状体支持搬送板14の前後進移動経路を挟むように並設された左右一対の駆動ローラーコンベヤ19A,19Bから成るもので、これら両駆動ローラーコンベヤ19A,19Bは、板状体支持搬送板14の支持レベルより低い下位置D(図5A参照)と当該支持レベルより高い上位置U(図5B参照)との間で一体に昇降移動し得るように、基台17上に支持され、昇降駆動手段20により昇降駆動される。
【0013】
センタリング搬送手段4は、板状体移載搬送手段3の昇降コンベヤ15(左右一対の駆動ローラーコンベヤ19A,19B)が上位置Uにあるとき、当該昇降コンベヤ15と同一レベルで接続する駆動ローラーコンベヤ21と、センタリング手段22とから構成されている。駆動ローラーコンベヤ21は、板状体移載搬送手段3の昇降コンベヤ15(左右一対の駆動ローラーコンベヤ19A,19B)によって左右両側辺が支持された状態で送り出される板状体Pを、その左右両側辺間の中間部を支持するように受け継ぎ、板状体Pの全体が当該駆動ローラーコンベヤ21で支持される所定位置まで搬送するものである。
【0014】
センタリング手段22は、前後一対の昇降ローラーレール23a,23bと左右一対の中央寄せ板24a,24bとから成るものであって、前後一対の昇降ローラーレール23a,23bは、図1及び図2に示すように、駆動ローラーコンベヤ21上の所定位置で支持されている板状体Pの前後2箇所を左右横方向に滑動可能に支持するもので、当該駆動ローラーコンベヤ21の支持レベルより下側の下位置と当該支持レベルより上側の上位置との間で一体に昇降移動可能に基台25に昇降ガイド26を介して支持され、昇降駆動手段27により昇降駆動される。左右一対の中央寄せ板24a,24bは、前記前後一対の昇降ローラーレール23a,23bによって支持され且つ左右両側辺が駆動ローラーコンベヤ21から左右両側に突出する状態の板状体Pの左右両外側に配設され、その駆動手段は従来周知のもので、ラックピニオンギヤ等の連動機構(図示省略)により互いに等速で接近離間移動するように連動連結されると共に、適当なアクチュエーター(図示省略)により接近離間駆動される。
【0015】
上記構成の板状体移載搬送装置の使用方法を説明すると、搬送ライン1と同一レベルでケース昇降支持手段2の昇降駆動ローラーコンベヤ7を待機させておき、搬送ライン1から当該昇降駆動ローラーコンベヤ7上に乗り移った搬送用ケース5を、ストッパー8で停止され且つ逆止ストッパー9で後退移動が阻止される定位置まで搬送させる。次に、当該搬送用ケース5内の板状体Pの内、取り出すべき(検査すべき)板状体Pとその直下の板状体Pとの間の空間に板状体移載搬送手段3の板状体支持搬送板14が対応するように、昇降駆動手段6により昇降駆動ローラーコンベヤ7を昇降させ、搬送用ケース5のレベル調整を行う。
【0016】
次に、板状体移載搬送手段3の横動体13を、螺軸18の正転駆動により後退限位置Rから前進限位置Fまで前進移動させ、以て、板状体支持搬送板14を後退限位置P2から図4に示すようにケース内の板状体移載位置P1まで進入させる。このとき当該板状体支持搬送板14は、取り出すべき板状体Pの直下に進入する。又、板状体移載搬送手段3の昇降コンベヤ15(左右一対の駆動ローラーコンベヤ19A,19B)は、板状体支持搬送板14の支持レベルよりも低い下位置Dにある。次に、ケース昇降支持手段2の昇降駆動ローラーコンベヤ7を昇降駆動手段6により所定量だけ下降させ、板状体支持搬送板14に対して搬送用ケース5を所定量だけ下降させることにより、板状体支持搬送板14の直上に位置する取り出すべき板状体Pを当該板状体支持搬送板14に乗り移らせる。このときの昇降駆動ローラーコンベヤ7(搬送用ケース5)の下降量は、板状体支持搬送板14に乗り移って持ち上げられる取り出すべき板状体Pが更にその直上の板状体Pに当接しない量であることは勿論である。
【0017】
ケース内の板状体移載位置P1にある板状体支持搬送板14上に搬送用ケース5内の取り出すべき板状体Pが乗り移ったならば、次に図5Aに示すように、横動体13を、螺軸18の逆転駆動により前進限位置Fから後退限位置Rまで後進移動させ、以て、板状体支持搬送板14を後退限位置P2まで後退移動させる。この結果、当該板状体支持搬送板14は搬送用ケース5内から完全に脱出すると共に、その上に支持されている板状体Pの左右両側辺は、下位置Dで待機する昇降コンベヤ15(左右一対の駆動ローラーコンベヤ19A,19B)の真上に位置することになる。この後、図5Bに示すように、昇降コンベヤ15(左右一対の駆動ローラーコンベヤ19A,19B)を下位置Dから上位置Uまで昇降駆動手段20により上昇させることにより、板状体支持搬送板14上の板状体Pの左右両側辺が前記左右一対の駆動ローラーコンベヤ19A,19Bにより持ち上げられ、板状体支持搬送板14上から昇降コンベヤ15上に乗り移る。
【0018】
次に、上位置Uまで上昇した前記昇降コンベヤ15(左右一対の駆動ローラーコンベヤ19A,19Bを駆動し、支持している板状体Pをセンタリング搬送手段4の駆動ローラーコンベヤ21上に移載し、引続き当該駆動ローラーコンベヤ21により板状体Pを定位置まで搬送して停止させる。係る状態でセンタリング手段22の前後一対の昇降ローラーレール23a,23bを昇降駆動手段27により上位置まで上昇させ、駆動ローラーコンベヤ21上の定位置にある板状体Pの前後2箇所を昇降ローラーレール23a,23bで持ち上げて駆動ローラーコンベヤ21から浮上させた後、左右一対の中央寄せ板24a,24bを互いに等速で接近移動させることにより、前後一対の昇降ローラーレール23a,23b上で左右横動可能に支持され且つ両側辺が駆動ローラーコンベヤ21から左右両側に突出している状態の板状体Pの当該左右両側辺を中央寄せ板24a,24bにより駆動ローラーコンベヤ21の中央位置側へ押圧移動させ、当該板状体Pを、その左右巾方向の中心位置と駆動ローラーコンベヤ21の左右巾方向の中心位置とが一致するようにセンタリングすることができる。
【0019】
センタリング搬送手段4においてセンタリングされた板状体Pは、その位置に於いて、併設されている検査装置により表面の検査を行うか又は、前後一対の昇降ローラーレール23a,23bを昇降駆動手段27により下位置まで下降させて駆動ローラーコンベヤ21上に降ろした状態で、併設されている検査装置により表面の検査を行うか若しくは、当該駆動ローラーコンベヤ21により次段の検査装置に送り込んで表面の検査を行うことができる。何れにしても、センタリング搬送手段4においてセンタリングされた板状体Pは、図2に示すように、駆動ローラーコンベヤ21及びこれに接続する搬送ライン30により、元の搬送ライン1のケース昇降支持手段2より下手位置で当該搬送ライン1上の搬送用ケース5内に戻すことができる。
【0020】
上記実施形態では、ケース内の板状体移載位置P1から板状体支持搬送板14を、支持する板状体Pが搬送用ケース5内から完全に脱出する後退限位置P2まで後退させた後、昇降コンベヤ15の上昇により、板状体支持搬送板14上の板状体Pを当該昇降コンベヤ15に乗り移らせるように構成している。即ち、前記板状体支持搬送板14と前記昇降コンベヤ15との間のケース外板状体移載位置が、当該板状体支持搬送板14が支持する板状体Pの全体が搬送用ケース5の外にある位置となっているが、この場合は、上昇する昇降コンベヤ15により板状体Pを全長にわたって安定的に支持して持ち上げることができるが、板状体移載搬送手段3の全長が、板状体Pの全長より少なくとも搬送用ケース5内には進入させることのできない横動体13の長さ分以上長くなる。
【0021】
この問題点を解消することのできる実施形態を、図6〜図8に基づいて説明する。なお、この図6〜図8に示す実施形態の構造は、先の実施形態の構造と同一であって、対応する箇所に同一の符号を付して説明は省略する。この図6〜図8に示す実施形態では、図6に仮想線で示すように、ケース昇降支持手段2上の搬送用ケース5内の板状体移載位置P1まで板状体支持搬送板14を進入させた後、昇降駆動ローラーコンベヤ7により搬送用ケース5を所定量だけ下降させて、取り出すべき板状体Pをケース内板状体移載位置P1にある板状体支持搬送板14上に乗り移らせ、この後、横動体13により板状体支持搬送板14を後退移動させるのであるが、図6に実線で示すように、この板状体支持搬送板14が支持する板状体Pの一部はまだ搬送用ケース5内にあるが、当該板状体Pの重心位置(通常はこの板状体支持搬送板14で搬出される長さ方向の略中央位置)が昇降コンベヤ15(左右一対の駆動ローラーコンベヤ19A,19B)の搬送方向に於ける板状体支持領域内に達した位置をケース外の板状体移載位置P3とし、当該ケース外の板状体移載位置P3に板状体支持搬送板14が到達したときに一旦横動体13による板状体支持搬送板14の後退移動を停止させる。
【0022】
次に図7に示すように、昇降コンベヤ15を上位置Uまで上昇させて、板状体支持搬送板14上の板状体Pの左右両側辺を左右一対の駆動ローラーコンベヤ19A,19Bで持ち上げて昇降コンベヤ15上に乗り移らせる。この後、図8に示すように、当該昇降コンベヤ15で板状体Pを搬送用ケース5から引き出すように搬送すると共に、ケース外の板状体移載位置P3で一旦停止している板状体支持搬送板14を、搬送用ケース5内から完全に脱出する後退限位置P2まで後退移動させることにより、搬送用ケース5内からの板状体Pの持ち上げ引き出しが完了する。
【0023】
この実施形態に置いては、図示のように、横動体13を含む板状体支持搬送板14の全長と昇降コンベヤ15の全長とを板状体Pの全長と略等しくなるように構成することができる。
【0024】
センタリング搬送手段4は本発明に必須のものではないが、併設する場合は、先の実施形態に示したように、板状体移載搬送手段3の後段に独立してセンタリング搬送手段4を併設する他、当該センタリング搬送手段4を構成するセンタリング手段22(前後一対の昇降ローラーレール23a,23bと左右一対の中央寄せ板24a,24b)のみを、板状体移載搬送手段3に組み込むことも可能である。
【0025】
又、図2に示すように、板状体Pを搬送ライン30から元の搬送ライン1上の搬送用ケース5内に戻す場合に於いても、上記構成の板状体移載搬送手段3とケース昇降支持手段2とを利用することができる。この場合の板状体移載搬送手段3とケース昇降支持手段2の使用手順は、上記実施形態でのケース昇降支持手段2と板状体移載搬送手段3の使用手順と逆になるだけであるから、図示及び使用手順の説明は省略する。
【0026】
【発明の効果】
以上の実施形態で示したように本発明の制御方法に使用する板状体移載搬送装置においては、搬送用ケース内に進入するのは、搬送用ケース外で前後進移動する横動体に後端部が支持された1枚の板状体支持搬送板だけであるから、従来の3段伸縮式の出退昇降移動荷移載具を利用する場合のように、搬送用ケース内に摺動部が入り込むことがなく、従って、当該摺動部から発生する磨耗粉等の塵埃が下側の板状体表面に付着する恐れが解消し、クリーンな環境を維持することが容易になる。
【0027】
又、搬送用ケース内での上下の板状体間には、1枚の板状体支持搬送板のみが進入し得るだけの空間を確保すれば良いので、搬送用ケースの高さを高くすることなく収容し得る板状体の枚数を多くすることが可能になる。勿論、板状体の左右両側辺を挟んで水平に出し入れする挟持搬送方式のものを採用する場合よりも装置全体の構成が簡単で安価に実施することができるだけでなく、搬送用ケース内での板状体の支持構造が簡単になる。更に、板状体支持搬送板は、一定レベルで前後進移動する横動体の後端部を支持させるだけであって、当該横動体を昇降移動させるものではないため、薄板で構成しても昇降時に上下に揺れ動く恐れがない。換言すれば、薄板から成る板状体支持搬送板を使用することが容易になり、搬送用ケース内の各段板状体の下側に確保しなければならない空間の高さを低くし、搬送用ケースの収納効率を高めることができる。
【0028】
そして上記の板状体移載搬送装置を使用する本発明の制御方法によれば、板状体支持搬送板と昇降コンベヤとの間のケース外板状体移載位置が、当該板状体支持搬送板が支持する板状体の一部は搬送用ケース内にあるが当該板状体の重心位置は前記昇降コンベヤの板状体支持領域内にある位置となるように、横動体(板状体支持搬送板)の往復動と前記昇降コンベヤの昇降とを制御するのであるから、図4及び図5に基づいて説明した制御方法と比較して、使用する板状体移載搬送装置の板状体移載搬送手段の全長を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】装置全体の一部切り欠き側面図である。
【図2】装置全体の平面図である。
【図3】ケース昇降支持手段の側面図である。
【図4】板状体支持搬送板がケース内の板状体移載位置まで進入した状態を示す説明図である。
【図5】A図は板状体支持搬送板がケース内から板状体を持ち上げて引き出した状態を示す説明図であり、B図はその板状体を昇降コンベヤ上に乗り移した状態を示す説明図である。
【図6】別の実施形態に於いて、板状体支持搬送板がケース外の板状体移載位置まで後退移動した状態を示す説明図である。
【図7】同実施形態に於いて、板状体支持搬送板上の板状体を昇降コンベヤ上に乗り移した状態を示す説明図である。
【図8】同実施形態に於いて、板状体支持搬送板を後退限位置まで後退させ且つ昇降コンベヤで板状体を搬出する状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 搬送ライン
2 ケース昇降支持手段
3 板状体移載搬送手段
4 センタリング搬送手段
5 搬送用ケース
6 昇降駆動手段
7 昇降駆動ローラーコンベヤ
13 横動体
14 板状体支持搬送板
15 昇降コンベヤ
19A,19B 駆動ローラーコンベヤ
20 昇降駆動手段
21 駆動ローラーコンベヤ
22 センタリング手段
23a,23b 昇降ローラーレール
24a,24b 中央寄せ板
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般にカセットと呼称される搬送用ケース内に上下複数段に収納された板状体の内、任意のレベルにある板状体を取り出して搬送したり、この逆に、搬送ラインから受け継いだ板状体を搬送用ケース内の任意のレベルに移載する、板状体移載搬送装置の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、プラズマディスプレイ用ガラス板は、検査等のための搬送ラインに於いて、多数枚を1つの搬送用ケース内に上下複数段に、各別に水平横方向に持ち上げ引き出し可能に支持した状態で搬送されるが、ガラス板表面に塵埃が付着しないように、搬送ラインはクリーンな環境に維持されている。しかして、当該ガラス板を検査装置等に送り込むためには、搬送ライン上の定位置で停止させた前記搬送用ケース内から所定のレベルにあるガラス板を取り出して検査装置への搬送用コンベヤに移載しなければならない。又、この逆に、検査装置から搬出された検査済みガラス板は、搬送ライン上の定位置で待機する搬送用ケース内の所定のレベルに移載しなければならない。このガラス板の移載のために、ガラス板をすくい上げて移載する移載搬送装置が必要になるが、この移載装置の領域に於いてもクリーンな環境は維持しなければならない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
然るに、従来のこの種の設備に利用できる移載装置は、搬送用ケース内に進入して昇降する荷移載具を利用したものが一般的であるが、搬送用ケース内の移載位置と搬送用ケース外の移載位置との間で水平方向に往復移動する荷移載具は、中段横動体を備えた3段伸縮式のものが一般的であり、中段横動体と上段荷支持具との間の摺動部が搬送用ケース内に進入することになるため、当該摺動部から発生する磨耗粉等の塵埃が下側レベルのガラス板表面に落下付着する恐れがある。
【0004】
又、前記のように中段横動体の前半部が搬送用ケース内に進入することになるため、搬送用ケース内での上下のガラス板間の間隔を広くとっておかなければならず、搬送用ケース1台当たりのガラス板の収納枚数を多くしようとすると搬送用ケースの高さが非常に高くなるばかりでなく、前記荷移載具の昇降行程も大きくしなければならない。
【0005】
上記の出退昇降移動荷移載具方式に代えて、ガラス板の左右両側辺を挟んで水平に出し入れする挟持搬送方式のものも考えられるが、搬送用ケース内でガラス板の左右両側辺の周囲に空間を確保するようにガラス板を支持しなければならず、搬送用ケースの左右両側壁にガラス板の左右両側辺を支持する受け板を上下複数段に突設する簡単な支持構造を採用できないばかりでなく、後端部のみを支持した片持ち状の左右一対の棒状挟持体として、必要な強度を持たせることが困難であり、実用的ではない。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記のような従来の問題点を解消し得る板状体の移載搬送装置の制御方法を提供することを目的とするものであって、その手段を後述する実施形態の参照符号を付して示すと、板状体Pを上下複数段に、各別に水平横方向に持ち上げ引き出し可能に支持した搬送用ケース5を、搬送ライン1上の定位置で昇降可能に支持するケース昇降支持手段2と、当該ケース昇降支持手段2の横側方位置に配設された板状体移載搬送手段3とから成り、板状体移載搬送手段3は、前記ケース昇降支持手段2上に支持された搬送用ケース5に隣接する前進限位置Fと後退限位置Rとの間を一定レベルに於いて水平往復移動可能な横動体13と、この横動体13に後端部が片持ち状に支持された板状体支持搬送板14と、昇降コンベヤ15とから成り、板状体支持搬送板14は、前記横動体13の前進移動により搬送用ケース5内の板状体移載位置P1まで進入すると共に、前記横動体13の後退移動により前記搬送用ケース5内から脱出するものであり、前記昇降コンベヤ15は、前記板状体支持搬送板14の支持レベルより低い下位置Dと当該支持レベルより高い上位置Uとの間で昇降する板状体移載搬送装置の制御方法であって、前記板状体支持搬送板14と前記昇降コンベヤ15との間のケース外板状体移載位置P3が、当該板状体支持搬送板14が支持する板状体Pの一部は搬送用ケース5内にあるが当該板状体Pの重心位置は前記昇降コンベヤ15の板状体支持領域内にある位置となるように、前記横動体13の往復動と前記昇降コンベヤ15の昇降とを制御することを特徴とするものである。
【0007】
上記構成の本発明方法を実施する場合、請求項2に記載のように、前記横動体13を含む板状体支持搬送板14の全長を前記板状体Pの全長とほぼ等しくなるように構成した板
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好適実施形態を添付図に基づいて説明すると、図1〜図3に於いて、1は搬送ラインであって、その中間位置にケース昇降支持手段2が配設されている。ケース昇降支持手段2の横側方には板状体移載搬送手段3が配設され、当該板状体移載搬送手段3に接続するようにセンタリング搬送手段4が配設されている。5は搬送用ケースであって、左右両側壁(搬送ライン1での搬送方向の前後両側壁)の内側には、前記ガラス板等の板状体Pの左右両側辺を支持する左右一対の受け板5aが、等間隔おきに上下複数段に突設されている。この搬送用ケース5の少なくとも板状体移載搬送手段3のある側は開放されており、内部に収納されている板状体Pを板状体移載搬送手段3のある側へ持ち上げ引き出すことができる。
【0009】
ケース昇降支持手段2は、昇降駆動手段6により昇降操作される昇降駆動ローラーコンベヤ7から構成されている。当該昇降駆動ローラーコンベヤ7は、下降限位置又は上昇限位置に於いて前記搬送ライン1と接続するもので、搬送ライン1から乗り移ってきた搬送用ケース5を定位置で停止させる出退自在なストッパー8と、当該定位置から搬送用ケース5が後退移動するのを阻止する逆止ストッパー9とを備えている。この実施形態に於ける昇降駆動手段6は、基台10上に昇降駆動ローラーコンベヤ7を平行昇降移動可能に支持するパンタグラフリンク機構11と、このパンタグラフリンク機構11を開閉駆動して昇降駆動ローラーコンベヤ7を昇降させるアクチュエーター12とから成り、昇降駆動ローラーコンベヤ7を下降限位置と上昇限位置との間の任意のレベルで停止させることができるものである。
【0010】
板状体移載搬送手段3は、ケース昇降支持手段2(昇降駆動ローラーコンベヤ7)上のストッパー8と逆止ストッパー9との間の定位置に支持された搬送用ケース5に隣接する前進限位置F(図4参照)と後退限位置Rとの間を一定レベルに於いて水平往復移動可能な横動体13と、この横動体13に後端部が片持ち状に支持された板状体支持搬送板14と、昇降コンベヤ15とから構成されている。16は基台17上に支持されたスライドガイドレールであって、このスライドガイドレール16に横動体13が横動可能に支持されている。18は横動体13のねじ孔に螺合貫通する螺軸であって、両端が基台17上に自転のみ可能に支承され、モーター(図示省略)により正逆回転駆動されることによって横動体13を前後進移動させる。
【0011】
板状体支持搬送板14は、図3に仮想線で示すように、搬送用ケース5内の左右一対の受け板5a間の間隔よりも巾の狭い薄板状のものであって、図4に示すように、前記横動体13が前進限位置Fまで前進移動することにより、ケース昇降支持手段2(昇降駆動ローラーコンベヤ7)上の定位置に支持された搬送用ケース5内の板状体移載位置P1まで進入すると共に、図5Aに示すように、前記横動体13が後退限位置Rまで後退移動することにより、前記搬送用ケース5内から完全に脱出する後退限位置P2まで後退するものである。
【0012】
前記昇降コンベヤ15は、図2に示すように、板状体支持搬送板14の前後進移動経路を挟むように並設された左右一対の駆動ローラーコンベヤ19A,19Bから成るもので、これら両駆動ローラーコンベヤ19A,19Bは、板状体支持搬送板14の支持レベルより低い下位置D(図5A参照)と当該支持レベルより高い上位置U(図5B参照)との間で一体に昇降移動し得るように、基台17上に支持され、昇降駆動手段20により昇降駆動される。
【0013】
センタリング搬送手段4は、板状体移載搬送手段3の昇降コンベヤ15(左右一対の駆動ローラーコンベヤ19A,19B)が上位置Uにあるとき、当該昇降コンベヤ15と同一レベルで接続する駆動ローラーコンベヤ21と、センタリング手段22とから構成されている。駆動ローラーコンベヤ21は、板状体移載搬送手段3の昇降コンベヤ15(左右一対の駆動ローラーコンベヤ19A,19B)によって左右両側辺が支持された状態で送り出される板状体Pを、その左右両側辺間の中間部を支持するように受け継ぎ、板状体Pの全体が当該駆動ローラーコンベヤ21で支持される所定位置まで搬送するものである。
【0014】
センタリング手段22は、前後一対の昇降ローラーレール23a,23bと左右一対の中央寄せ板24a,24bとから成るものであって、前後一対の昇降ローラーレール23a,23bは、図1及び図2に示すように、駆動ローラーコンベヤ21上の所定位置で支持されている板状体Pの前後2箇所を左右横方向に滑動可能に支持するもので、当該駆動ローラーコンベヤ21の支持レベルより下側の下位置と当該支持レベルより上側の上位置との間で一体に昇降移動可能に基台25に昇降ガイド26を介して支持され、昇降駆動手段27により昇降駆動される。左右一対の中央寄せ板24a,24bは、前記前後一対の昇降ローラーレール23a,23bによって支持され且つ左右両側辺が駆動ローラーコンベヤ21から左右両側に突出する状態の板状体Pの左右両外側に配設され、その駆動手段は従来周知のもので、ラックピニオンギヤ等の連動機構(図示省略)により互いに等速で接近離間移動するように連動連結されると共に、適当なアクチュエーター(図示省略)により接近離間駆動される。
【0015】
上記構成の板状体移載搬送装置の使用方法を説明すると、搬送ライン1と同一レベルでケース昇降支持手段2の昇降駆動ローラーコンベヤ7を待機させておき、搬送ライン1から当該昇降駆動ローラーコンベヤ7上に乗り移った搬送用ケース5を、ストッパー8で停止され且つ逆止ストッパー9で後退移動が阻止される定位置まで搬送させる。次に、当該搬送用ケース5内の板状体Pの内、取り出すべき(検査すべき)板状体Pとその直下の板状体Pとの間の空間に板状体移載搬送手段3の板状体支持搬送板14が対応するように、昇降駆動手段6により昇降駆動ローラーコンベヤ7を昇降させ、搬送用ケース5のレベル調整を行う。
【0016】
次に、板状体移載搬送手段3の横動体13を、螺軸18の正転駆動により後退限位置Rから前進限位置Fまで前進移動させ、以て、板状体支持搬送板14を後退限位置P2から図4に示すようにケース内の板状体移載位置P1まで進入させる。このとき当該板状体支持搬送板14は、取り出すべき板状体Pの直下に進入する。又、板状体移載搬送手段3の昇降コンベヤ15(左右一対の駆動ローラーコンベヤ19A,19B)は、板状体支持搬送板14の支持レベルよりも低い下位置Dにある。次に、ケース昇降支持手段2の昇降駆動ローラーコンベヤ7を昇降駆動手段6により所定量だけ下降させ、板状体支持搬送板14に対して搬送用ケース5を所定量だけ下降させることにより、板状体支持搬送板14の直上に位置する取り出すべき板状体Pを当該板状体支持搬送板14に乗り移らせる。このときの昇降駆動ローラーコンベヤ7(搬送用ケース5)の下降量は、板状体支持搬送板14に乗り移って持ち上げられる取り出すべき板状体Pが更にその直上の板状体Pに当接しない量であることは勿論である。
【0017】
ケース内の板状体移載位置P1にある板状体支持搬送板14上に搬送用ケース5内の取り出すべき板状体Pが乗り移ったならば、次に図5Aに示すように、横動体13を、螺軸18の逆転駆動により前進限位置Fから後退限位置Rまで後進移動させ、以て、板状体支持搬送板14を後退限位置P2まで後退移動させる。この結果、当該板状体支持搬送板14は搬送用ケース5内から完全に脱出すると共に、その上に支持されている板状体Pの左右両側辺は、下位置Dで待機する昇降コンベヤ15(左右一対の駆動ローラーコンベヤ19A,19B)の真上に位置することになる。この後、図5Bに示すように、昇降コンベヤ15(左右一対の駆動ローラーコンベヤ19A,19B)を下位置Dから上位置Uまで昇降駆動手段20により上昇させることにより、板状体支持搬送板14上の板状体Pの左右両側辺が前記左右一対の駆動ローラーコンベヤ19A,19Bにより持ち上げられ、板状体支持搬送板14上から昇降コンベヤ15上に乗り移る。
【0018】
次に、上位置Uまで上昇した前記昇降コンベヤ15(左右一対の駆動ローラーコンベヤ19A,19Bを駆動し、支持している板状体Pをセンタリング搬送手段4の駆動ローラーコンベヤ21上に移載し、引続き当該駆動ローラーコンベヤ21により板状体Pを定位置まで搬送して停止させる。係る状態でセンタリング手段22の前後一対の昇降ローラーレール23a,23bを昇降駆動手段27により上位置まで上昇させ、駆動ローラーコンベヤ21上の定位置にある板状体Pの前後2箇所を昇降ローラーレール23a,23bで持ち上げて駆動ローラーコンベヤ21から浮上させた後、左右一対の中央寄せ板24a,24bを互いに等速で接近移動させることにより、前後一対の昇降ローラーレール23a,23b上で左右横動可能に支持され且つ両側辺が駆動ローラーコンベヤ21から左右両側に突出している状態の板状体Pの当該左右両側辺を中央寄せ板24a,24bにより駆動ローラーコンベヤ21の中央位置側へ押圧移動させ、当該板状体Pを、その左右巾方向の中心位置と駆動ローラーコンベヤ21の左右巾方向の中心位置とが一致するようにセンタリングすることができる。
【0019】
センタリング搬送手段4においてセンタリングされた板状体Pは、その位置に於いて、併設されている検査装置により表面の検査を行うか又は、前後一対の昇降ローラーレール23a,23bを昇降駆動手段27により下位置まで下降させて駆動ローラーコンベヤ21上に降ろした状態で、併設されている検査装置により表面の検査を行うか若しくは、当該駆動ローラーコンベヤ21により次段の検査装置に送り込んで表面の検査を行うことができる。何れにしても、センタリング搬送手段4においてセンタリングされた板状体Pは、図2に示すように、駆動ローラーコンベヤ21及びこれに接続する搬送ライン30により、元の搬送ライン1のケース昇降支持手段2より下手位置で当該搬送ライン1上の搬送用ケース5内に戻すことができる。
【0020】
上記実施形態では、ケース内の板状体移載位置P1から板状体支持搬送板14を、支持する板状体Pが搬送用ケース5内から完全に脱出する後退限位置P2まで後退させた後、昇降コンベヤ15の上昇により、板状体支持搬送板14上の板状体Pを当該昇降コンベヤ15に乗り移らせるように構成している。即ち、前記板状体支持搬送板14と前記昇降コンベヤ15との間のケース外板状体移載位置が、当該板状体支持搬送板14が支持する板状体Pの全体が搬送用ケース5の外にある位置となっているが、この場合は、上昇する昇降コンベヤ15により板状体Pを全長にわたって安定的に支持して持ち上げることができるが、板状体移載搬送手段3の全長が、板状体Pの全長より少なくとも搬送用ケース5内には進入させることのできない横動体13の長さ分以上長くなる。
【0021】
この問題点を解消することのできる実施形態を、図6〜図8に基づいて説明する。なお、この図6〜図8に示す実施形態の構造は、先の実施形態の構造と同一であって、対応する箇所に同一の符号を付して説明は省略する。この図6〜図8に示す実施形態では、図6に仮想線で示すように、ケース昇降支持手段2上の搬送用ケース5内の板状体移載位置P1まで板状体支持搬送板14を進入させた後、昇降駆動ローラーコンベヤ7により搬送用ケース5を所定量だけ下降させて、取り出すべき板状体Pをケース内板状体移載位置P1にある板状体支持搬送板14上に乗り移らせ、この後、横動体13により板状体支持搬送板14を後退移動させるのであるが、図6に実線で示すように、この板状体支持搬送板14が支持する板状体Pの一部はまだ搬送用ケース5内にあるが、当該板状体Pの重心位置(通常はこの板状体支持搬送板14で搬出される長さ方向の略中央位置)が昇降コンベヤ15(左右一対の駆動ローラーコンベヤ19A,19B)の搬送方向に於ける板状体支持領域内に達した位置をケース外の板状体移載位置P3とし、当該ケース外の板状体移載位置P3に板状体支持搬送板14が到達したときに一旦横動体13による板状体支持搬送板14の後退移動を停止させる。
【0022】
次に図7に示すように、昇降コンベヤ15を上位置Uまで上昇させて、板状体支持搬送板14上の板状体Pの左右両側辺を左右一対の駆動ローラーコンベヤ19A,19Bで持ち上げて昇降コンベヤ15上に乗り移らせる。この後、図8に示すように、当該昇降コンベヤ15で板状体Pを搬送用ケース5から引き出すように搬送すると共に、ケース外の板状体移載位置P3で一旦停止している板状体支持搬送板14を、搬送用ケース5内から完全に脱出する後退限位置P2まで後退移動させることにより、搬送用ケース5内からの板状体Pの持ち上げ引き出しが完了する。
【0023】
この実施形態に置いては、図示のように、横動体13を含む板状体支持搬送板14の全長と昇降コンベヤ15の全長とを板状体Pの全長と略等しくなるように構成することができる。
【0024】
センタリング搬送手段4は本発明に必須のものではないが、併設する場合は、先の実施形態に示したように、板状体移載搬送手段3の後段に独立してセンタリング搬送手段4を併設する他、当該センタリング搬送手段4を構成するセンタリング手段22(前後一対の昇降ローラーレール23a,23bと左右一対の中央寄せ板24a,24b)のみを、板状体移載搬送手段3に組み込むことも可能である。
【0025】
又、図2に示すように、板状体Pを搬送ライン30から元の搬送ライン1上の搬送用ケース5内に戻す場合に於いても、上記構成の板状体移載搬送手段3とケース昇降支持手段2とを利用することができる。この場合の板状体移載搬送手段3とケース昇降支持手段2の使用手順は、上記実施形態でのケース昇降支持手段2と板状体移載搬送手段3の使用手順と逆になるだけであるから、図示及び使用手順の説明は省略する。
【0026】
【発明の効果】
以上の実施形態で示したように本発明の制御方法に使用する板状体移載搬送装置においては、搬送用ケース内に進入するのは、搬送用ケース外で前後進移動する横動体に後端部が支持された1枚の板状体支持搬送板だけであるから、従来の3段伸縮式の出退昇降移動荷移載具を利用する場合のように、搬送用ケース内に摺動部が入り込むことがなく、従って、当該摺動部から発生する磨耗粉等の塵埃が下側の板状体表面に付着する恐れが解消し、クリーンな環境を維持することが容易になる。
【0027】
又、搬送用ケース内での上下の板状体間には、1枚の板状体支持搬送板のみが進入し得るだけの空間を確保すれば良いので、搬送用ケースの高さを高くすることなく収容し得る板状体の枚数を多くすることが可能になる。勿論、板状体の左右両側辺を挟んで水平に出し入れする挟持搬送方式のものを採用する場合よりも装置全体の構成が簡単で安価に実施することができるだけでなく、搬送用ケース内での板状体の支持構造が簡単になる。更に、板状体支持搬送板は、一定レベルで前後進移動する横動体の後端部を支持させるだけであって、当該横動体を昇降移動させるものではないため、薄板で構成しても昇降時に上下に揺れ動く恐れがない。換言すれば、薄板から成る板状体支持搬送板を使用することが容易になり、搬送用ケース内の各段板状体の下側に確保しなければならない空間の高さを低くし、搬送用ケースの収納効率を高めることができる。
【0028】
そして上記の板状体移載搬送装置を使用する本発明の制御方法によれば、板状体支持搬送板と昇降コンベヤとの間のケース外板状体移載位置が、当該板状体支持搬送板が支持する板状体の一部は搬送用ケース内にあるが当該板状体の重心位置は前記昇降コンベヤの板状体支持領域内にある位置となるように、横動体(板状体支持搬送板)の往復動と前記昇降コンベヤの昇降とを制御するのであるから、図4及び図5に基づいて説明した制御方法と比較して、使用する板状体移載搬送装置の板状体移載搬送手段の全長を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】装置全体の一部切り欠き側面図である。
【図2】装置全体の平面図である。
【図3】ケース昇降支持手段の側面図である。
【図4】板状体支持搬送板がケース内の板状体移載位置まで進入した状態を示す説明図である。
【図5】A図は板状体支持搬送板がケース内から板状体を持ち上げて引き出した状態を示す説明図であり、B図はその板状体を昇降コンベヤ上に乗り移した状態を示す説明図である。
【図6】別の実施形態に於いて、板状体支持搬送板がケース外の板状体移載位置まで後退移動した状態を示す説明図である。
【図7】同実施形態に於いて、板状体支持搬送板上の板状体を昇降コンベヤ上に乗り移した状態を示す説明図である。
【図8】同実施形態に於いて、板状体支持搬送板を後退限位置まで後退させ且つ昇降コンベヤで板状体を搬出する状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 搬送ライン
2 ケース昇降支持手段
3 板状体移載搬送手段
4 センタリング搬送手段
5 搬送用ケース
6 昇降駆動手段
7 昇降駆動ローラーコンベヤ
13 横動体
14 板状体支持搬送板
15 昇降コンベヤ
19A,19B 駆動ローラーコンベヤ
20 昇降駆動手段
21 駆動ローラーコンベヤ
22 センタリング手段
23a,23b 昇降ローラーレール
24a,24b 中央寄せ板
Claims (2)
- 板状体を上下複数段に、各別に水平横方向に持ち上げ引き出し可能に支持した搬送用ケースを、搬送ライン上の定位置で昇降可能に支持するケース昇降支持手段と、当該ケース昇降支持手段の横側方位置に配設された板状体移載搬送手段とから成り、板状体移載搬送手段は、前記ケース昇降支持手段上に支持された搬送用ケースに隣接する前進限位置と後退限位置との間を一定レベルに於いて水平往復移動可能な横動体と、この横動体に後端部が片持ち状に支持された板状体支持搬送板と、昇降コンベヤとから成り、板状体支持搬送板は、前記横動体の前進移動により搬送用ケース内の板状体移載位置まで進入すると共に、前記横動体の後退移動により前記搬送用ケース内から脱出するものであり、前記昇降コンベヤは、前記板状体支持搬送板の支持レベルより低い下位置と当該支持レベルより高い上位置との間で昇降する板状体移載搬送装置の制御方法であって、前記板状体支持搬送板と前記昇降コンベヤとの間のケース外板状体移載位置が、当該板状体支持搬送板が支持する板状体の一部は搬送用ケース内にあるが当該板状体の重心位置は前記昇降コンベヤの板状体支持領域内にある位置となるように、前記横動体の往復動と前記昇降コンベヤの昇降とを制御することを特徴とする、板状体移載搬送装置の制御方法。
- 前記横動体を含む板状体支持搬送板の全長を前記板状体の全長とほぼ等しくなるように構成した板状体移載搬送装置を使用することを特徴とする、請求項1に記載の板状体移載搬送装置の制御方法。
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