JP3610616B2 - 車両用空気調和装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、室内の第1の空調ゾーンの空気温度および第2の空調ゾーンの空気温度を、それぞれ独立して制御することのできる空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術として、例えば特開平5─286338号公報に記載されるように、第1の空調ゾーンである運転席側と第2の空調ゾーンである助手席側の各目標吹出温度を算出し、これら各目標吹出温度に基づいて各席への吹出温度を独立して制御する車両用空気調和装置において、運転席側設定温度と助手席側設定温度とが異なるときは、両設定温度の差に応じて各目標吹出温度を補正することによって、各席の温度をより精度良く制御するようにしたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、運転席の空気温度と助手席の空気温度とを独立して制御するのは難しく、特に本発明者が検討した結果、吹出風量が少ないときには、運転席側と助手席側との空気が温度干渉しやすく、運転席の空気温度と助手席の空気温度との独立性を保つことが難しくなるという問題点が分かった。
【0004】
そこで、本発明は上記の問題点に鑑みて、吹出風量が少ないときにも第1の空調ゾーンと第2の空調ゾーンとの独立性を高めることができる空調装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、
車室内の第1の空調ゾーンと第2の空調ゾーンとをそれぞれに対応して設けられた個別の吹出口から空調風が吹き出されることによって、前記第1,第2の空調ゾーンを個別に温度調節する車両用空気調和装置であって、
前記第1の空調ゾーンの第1の設定温度を設定する第1の温度設定手段と
前記第2の空調ゾーンの第2の設定温度を設定する第2の温度設定手段と
少なくとも前記第1の設定温度および空調状態に影響を与える空調環境因子に基づいて第1の空調ゾーンに吹き出される第1の目標吹出温度を算出する第1の目標吹出温度算出手段と
少なくとも前記第2の設定温度および前記空調環境因子に基づいて第2の空調ゾーンに吹き出される第2の目標吹出温度を算出する第2の目標吹出温度算出手段と、
前記第1の目標吹出温度および第2の目標吹出温度に基づいて前記各吹出口から吹き出される送風量を算出する送風量算出手段と
この送風量算出手段によって算出された送風量となるように空調風を発生させる送風発生手段とを備え、
この送風発生手段の送風量が小さくなるほど、少なくとも前記第1の目標吹出温度と第2の目標吹出温度のうち温度の高い方の目標吹出温度をさらに高く設定し、もしくは温度の低い方の目標吹出温度をさらに低く設定し、設定された第1の目標吹出温度と第2の目標吹出温度との温度差が大きくなるように補正する吹出温度補正手段とを備えることを技術的手段として採用する。
【0006】
また、請求項2記載の発明では、
車室内の第1の空調ゾーンと第2の空調ゾーンとをそれぞれに対応して設けられた個別の吹出口から空調風が吹き出されることによって、前記第1,第2の空調ゾーンとを個別に温度調節する車両用空気調和装置であって、
第1の空調ゾーンの第1の設定温度を設定する第1の温度設定手段と
第2の空調ゾーンの第2の設定温度を設定する第2の温度設定手段と
少なくとも前記第1の設定温度および空調状態に影響を与える空調環境因子に基づいて第1の空調ゾーンに吹き出される第1の目標吹出温度を算出する第1の目標吹出温度算出手段と
少なくとも前記第2の設定温度および前記空調環境因子に基づいて第2の空調ゾーンに吹き出される第2の目標吹出温度を算出する第2の目標吹出温度算出手段と、
前記第1の目標吹出温度および第2の目標吹出温度に基づいて前記各吹出口から吹き出される送風量を算出する送風量算出手段と
この送風量算出手段によって算出された送風量となるように空調風を発生させる送風発生手段とを備え、
この送風発生手段の送風量が小さくなるほど、前記第1の設定温度と第2の設定温度のうち、少なくとも設定温度が高い方の目標吹出温度を更に高く設定し、もしくは設定温度が低い方の目標吹出温度を更に低く設定し、設定された第1の目標吹出温度と第2の目標吹出温度との温度差が大きくなるように補正する吹出温度補正手段とを備えることを技術的手段として採用する。
【0007】
また、請求項3記載の発明では、
前記吹出温度補正手段は、第1の目標吹出温度と第2の目標吹出温度とを等量ずつ補正する構成とすると良い。
また、請求項4記載の発明では、
前記吹出温度算出手段は、前記第1の設定温度と前記第2の設定温度との差、または第1の目標吹出温度と第2の目標吹出温度との差が大きいほど、その補正量を大きくする構成とすると良い。
【0008】
また、請求項5記載の発明では、
前記目標吹出温度算出手段は、所定の演算式にて算出され、前記吹出温度補正手段は、前記第1の設定温度と第2の設定温度との差、または第1の目標吹出温度と第2の目標吹出温度との差を含んだ前記演算式の補正項である構成にすると良い。
【0009】
【作用および発明の効果】
以上に述べた発明の構成によると、
請求項1記載の発明では、
送風発生手段の送風量が小さくなるほど、少なくとも前記第1の目標吹出温度と第2の目標吹出温度のうち温度の高い方の目標吹出温度をさらに高く設定し、もしくは温度の低い方の目標吹出温度をさらに低く設定し、設定された第1の目標吹出温度と第2の目標吹出温度との温度差が大きくなるように補正される。
つまり、送風量が小さいほど、第1の空調ゾーンと第2の空調ゾーンとの独立性を確保することが難しいことから、第1の目標吹出温度と第2の目標吹出温度のうち温度の高い方の目標吹出温度をさらに高く設定し、もしくは温度の低い方の目標吹出温度をさらに低く設定し、設定された第1の目標吹出温度と第2の目標吹出温度との温度差が大きくなるように補正することで、吹出温度の差が大きくなり、第1の空調ゾーンと第2の空調ゾーンに供給される熱量の差も大きくなる。これによって、第1の空調ゾーンと第2の空調ゾーンとの独立性を高めることが可能となる。
【0010】
また、請求項2記載の発明では、
送風発生手段の送風量が小さくなるほど、前記第1の設定温度と第2の設定温度のうち、少なくとも設定温度が高い方の目標吹出温度を更に高く設定し、もしくは設定温度が低い方の目標吹出温度を更に低く設定し、設定された第1の目標吹出温度と第2の目標吹出温度との温度差が大きくなるように補正される。
これにおいても、送風量が小さいほど、第1の空調ゾーンと第2の空調ゾーンとの独立性を確保することが難しいことから、設定された第1の目標吹出温度と第2の目標吹出温度との温度差が大きくなるように補正することで、吹出温度の差が大きくなり、第1の空調ゾーンと第2の空調ゾーンに供給される熱量の差も大きくなり、第1の空調ゾーンと第2の空調ゾーンとの独立性を高めることが可能となる。
【0011】
また、請求項3記載の発明では、
前記吹出温度補正手段は、第1の目標吹出温度と第2の目標吹出温度とを等量ずつ補正されるので、一方にかたよらず第1の目標吹出温度と第2の目標吹出温度との各補正量を小さくすることが可能となる。つまり、第1の空調ゾーン,第2の空調ゾーンのそれぞれに乗員が要る場合、各乗員に吹出温度の変化による違和感を与えにくくなる。
【0012】
また、請求項4記載の発明では、
前記吹出温度補正手段は、前記第1の設定温度と第2の設定温度との差、または第1の目標吹出温度と第2の目標吹出温度との差が大きくなるほど、その補正量を大きくするように補正する。すなわち、第1の空調ゾーンと第2の空調ゾーンとの温度を独立して空調制御するものにおいて、第1の設定温度と第2の設定温度とによって独立性を確保できるかがきまってくる。
【0013】
つまり、第1の空調ゾーンと第2の空調ゾーンとの希望温度(設定温度)の差または第1の目標吹出温度と第2の目標吹出温度との差が大きくなり、かつ吹出風量が小さいときでは第1の空調ゾーンと第2の空調ゾーンとが温度干渉を引き起こしやすく、独立性を確保することが困難である。従って、第1の設定温度と第2の設定温度との差が大きくなるほど、吹出温度補正手段の補正量を大きくすることで、第1の空調ゾーンと第2の空調ゾーンとに供給される各熱量の差が大きくなり、独立性を確保することが可能となる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づき説明する。
なお、本実施例は第1の空調ゾーンと第2の空調ゾーンとを有する左右独立車両用空気調和装置に適用したものである。
図2に車両用空気調和装置の全体構成図を示す。
【0015】
車両用空気調和装置は、主として通風系100とこの通風系100に設置されている各空調機能部品を制御する制御装置23とからなる。
〔空調系100の説明〕
通風系100は、車室内に空気を導くエアダクト2を備えており、このエアダクト2の空気最上流側には、このエアダクト2内に取り入れられる空気を車室内の空気(以下、内気)または車室外の空気(以下、外気)とするかを選択する内外気切換手段101が配設されている。具体的には内外気切換手段101は、車室外に開口した外気導入口102と、車室内に開口した内気循環口103と、これら外気導入口102と内気循環口103とを選択的に開閉する内外気切換ダンパ1とからなる。内外気切換ダンパ1は、駆動手段としてサーボモータ17によって内気モードまたは外気モードのいずれかとなるように駆動される。
【0016】
エアダクト2内で、内外気切換手段101の空気下流側部位には、このエアダクト2内に空気流を発生させる送風機3が配設されいる。この送風機3は、送風機駆動回路24によってその印加電圧が決定されることで、送風量が制御される。
さらにエアダクト2内で、送風機3の空気下流側部位には、車両に搭載された冷凍サイクル(図示しない)の一構成要素をなし、通過する空気を冷却するエバポレータ4がエアダクト2内を全面塞ぐように配設されている。なお、本実施例における冷凍サイクルは、エンジンの駆動力を受け冷媒を圧縮する冷媒圧縮機(図示しない)、圧縮された冷媒を凝縮液化するコンデンサ(図示しない)、コンデンサによって凝縮液化された冷媒を減圧膨張させる膨張手段(図示しない)、減圧膨張させられた冷媒を蒸発気化させる上述のエバポレータ4とからなる周知のものである。
【0017】
エバポレータ4の空気下流側部位には、エバポレータ4によって冷却された冷たい空気をどれだけ加熱するか決定する加熱量調節手段106が配設されている。加熱量調節手段106は、エンジン冷却水を熱源とするヒータコア5と、ヒータコア5をバイパスする空気量を調節するエアミックスドア9,10とからなる。ここで、ヒータコア5の空気下流側は、図2に示すように仕切壁6によって運転席側(以下、第1の空調ゾーン)を空調する運転席側空調系7と、助手席側(以下、第2の空調ゾーン)を空調する助手席側空調系8とに区分されており、また、ヒータコア5がエアダクト2のほぼ中央に配設されていることから、運転席側空調系7および助手席側空調系8には、それぞれヒータコア5をバイパスする第1,第2のバイパス通路104,105が設けられている。
【0018】
エアミックスドア9,10は、それぞれ運転席側空調系7と助手席側空調系8の空気最上流側部位に配設されており、それぞれの開度に応じてヒータコア5を通過する空気量と第1のバイパス通路104を通過する空気量との割合、およびヒータコア5を通過する空気量と第2のバイパス通路104を通過する空気量との割合を決定し、後述する第1の空調ゾーンと第2の空調ゾーンそれぞれに対応して設けられた吹出口から所望の温度の空調風を吹き出し可能にするものである。 そして、エアミックスドア9,10の開度は、それぞれ駆動手段としてサーボモータ18,19によって所定の開度となるように駆動される。
【0019】
運転席側空調系7および助手席側空調系8の最下流側部位には、加熱量調節手段106によって温度調節された空調風を車両乗員の下半身に向けて吹き出すためのフット吹出口7aおよび8a、空調風を車両乗員の上半身に向けて吹き出すためのセンタ・サイドの各フェイス吹出口7b、7cおよび8b、8c、空調風を車両のフロントガラスの内面に向けて吹き出すためのデフロスタ吹出口11がそれぞれ設けられている。
【0020】
また、運転席側空調系7および助手席側空調系8内には、上記各吹出口7a〜7c、8a〜8cおよび11を選択的に開閉するための吹出口切換ダンパ12〜16が設けられており、それらダンパ12〜16の開閉状態を切り換えることにより、フェイスモード(FACE)、バイレベルモード(B/L)、フットモード(FOOT)、デフロスタモードなどの所定の吹出口モードを各空調系7お
よび8ごとに独立して得るようになっている。そして、これらのダンパ12〜16は、それぞれ駆動手段としてサーボモータ20〜22によって駆動される。
【0021】
〔制御装置23の説明〕
制御装置23は、入力端子として、空調状態に影響を与える空調環境因子である車室内の空気温度(以下、内気温度)Trを検出する内気センサ27、車室外の空気温度(以下、外気)Tamを検出する外気センサ28、車室内に進入する日射量Tsを検出する日射センサ29、エバポレータ4の直下流側の空気温度(以下、エバ後温度)Teを検出するエバ後センサ30、エンジン冷却水の温度(以下、冷却水温度)Twを検出する冷却水温センサ31、車室内に配設され第1の空調ゾーンと第2の空調ゾーンとの希望温度(設定温度)をそれぞれ設定する第1,第2の温度設定器25、26、および送風機駆動回路24に接続されている。なお、第1,第2の温度設定器25,26からは、乗員によって設定された各設定温度Tset(Pa),Tset(Dr)に応じた信号が制御装置23に送られる。
【0022】
一方、制御装置23の出力端子には、上述の空調機能部品(サーボモータ17〜22、送風機駆動回路24)が接続されている。
また、制御装置23は、上述した入力端子から取り入れられた空調情報をアナログ信号からデジタル信号に変換するA/D変換器(図示しない)や、マイクロコンピュータ(図示しない)を備えた周知のものである。マイクロコンピュータは、上述した入力端子から取り入れられた空調情報を一時的に記憶するRAM(図示しない)と、この空調情報に基づいて各種演算するプログラムが記憶されているROMを備えており、この演算処理された空調情報に基づいて上述の空調機能部品が制御される。
【0023】
なお、制御装置23は、車両のイグニッションスイッチ(図示しない)がONされると車両に搭載されたバッテリ(図示しない)から給電され、その給電に応じた動作状態において、空調ユニットを動作開始させるためのスイッチがONされた時に、予め記憶した制御用プログラムの実行を開始するようになっている。次に本実施例の制御装置23の制御内容について図3のフローチャートに基づいて説明する。
【0024】
先ず、ステップS100では、空調装置の自動制御を行うためにタイマー、フラグおよびデータ等を初期化(リセット)する。
次に、ステップS110では、制御装置23の入力端子から空調演算に必要な空調情報を取り入れ、A/D変換器によってデジタル信号に変換した入力信号を読み込み、一時的にRAM内に記憶する。具体的には、内気温Tr、外気温Tam、日射量Ts、エバ後温Te、冷却水温Tw、設定温度Tset(Dr)およびTset(Pa)を読み込み、一時的に記憶する。
【0025】
次に、ステップS120では、ステップS110にて一時的に記憶された空調情報に基づいて以下の演算式(1)(2)から第1の空調ゾーンの第1の目標吹出温度TAO(Dr)および第2の空調ゾーンの第2の目標吹出温度TAO(Pa)を算出する。
Figure 0003610616
但し、Kset、Kr、Kam、Ksは、それぞれ温度設定ゲイン、内気温度ゲイン、外気温度ゲイン、日射ゲイン、Cは補正定数を表す。
【0026】
次にステップS130では、上述のステップS120にて算出された第1の目標吹出温度TAO(Dr)および第2の目標吹出温度TAO(Pa)に基づいて送風機3のブロアレベルBLW(送風量を意味する)を図4の特性図から決定する。なお、本実施例では送風機3は、図2に示すように運転席側空調系7と助手席側空調系8とを空調するのに、共用して使用されているため、運転席側空調系7と助手席側空調系8とにそれぞれ異なる送風量を与えることが困難である。
【0027】
そこで、ブロアレベルBLWは、以下に示す演算式(3)のように第1の目標吹出温度TAO(Dr)から設定されたBLW(Dr)と第2の目標吹出温度TAO(Pa)から算出したBLW(Pa)を平均することにより得ている。
BLW=INT(BLW(Dr)+BLW(Pa))/2 (3)
また、本実施例では上記数式(3)にて算出されたブロアレベルBLWとなるように、図6に示す特性図から送風機駆動回路24を介して送風機3に印加される電圧を決定する。
【0028】
次にステップS140では、ステップS130にて算出したブロアレベルBLWに応じて第1の目標吹出温度TAO(Dr)および第2の目標吹出温度TAO(Pa)それぞれを補正し、真の第1の目標吹出温度TAO(Dr)´、第2の目標吹出温度TAO(Pa)´を決定する。なお、このステップS140の処理は後で詳しく説明する。
【0029】
次にステップS150では、上述のステップS140にて算出された第1の目標吹出温度TAO(Dr)´、第2の目標吹出温度TAO(Pa)´から第1の空調ゾーンおよび第2の空調ゾーンの各吹出口モードを決定する。具体的には、図5に示す特性図から第1の空調ゾーン、第2の空調ゾーンの各吹出モードを決定する。なお、上述では図5に示す吹出口モード以外にデフロスタモードがあったが、デフロスタモードは、車室内に設けられたエアコンパネル(図示しない)に設置されたデフロスタスイッチを乗員がONすることで、初めてデフロスタモードに切り換わる。
【0030】
次にステップS160では、上述のステップS140にて算出された第1の目標吹出温度TAO(Dr)´および第2の目標吹出温度TAO(Pa)´に基づいて第1の空調ゾーン、第2の空調ゾーンに対応するエアミックスドア9,10の目標開度SW(Dr)、SW(Pa)を以下の数式(4)(5)から算出する。
【0031】
SW(Dr)=(TAO(Dr)─Te)×100/(Tw−Te) (4)
SW(Pa)=(TAO(Pa)─Te)×100/(Tw−Te) (4)
そして、ステップS170では、ステップS130にて算出したブロアレベルBLWとなるように送風機駆動回路24を通じて出力し、ステップS180ではステップS160にて算出した第1の空調ゾーンを温度調節するエアミックスドア9の目標開度SW(Dr)および第2の空調ゾーンを温度調節するエアミ ックスドア10の目標開度SW(Pa)となるようにサーボモータ18、19を通じて制御する。さらにステップS190ではステップS150にて決定された第1の空調ゾーンの吹出口モードおよび第2の空調ゾーンの吹出口モードとなるように、サーボモータ20〜22を通じて制御する。
【0032】
また、図3中図示されていないが、ステップS190が実行されると、所定の制御周期時間τを経過したか否かが判定され、制御周期時間τが経過したと判定するとステップ110のリターンされ、上述と同様なステップSを進み、制御周期時間τが経過していないと判定するとそのまま待機することになる。
次に、本発明の要部であるステップS140の詳細を詳しく説明する。
【0033】
ステップS140では、上述のステップS110およびステップS120にて読み取り、算出されたTset(Dr)、Tset(Pa)、TAO(Dr)およびTAO(Pa)から真の第1の目標吹出温度TAO(Dr)´、真の第2の目標吹出温度TAO(Pa)´を以下の数式(5)(6)から算出する。
Figure 0003610616
ここで、KDr、KPaは、ブロアレベルBLWに応じた補正係数であり、図1の特性図に基づいて設定される。そして、図1を見て分かるようにブロアレベルBLWが小さくなるほど、補正係数KDr、KPaは直線的に大きくなるように設定される。
【0034】
つまり、図7に示すようにブロアレベルBLWが小さくなるほど、各空調ゾーンに吹き出される空調風の温度差を大きくつけてやらないと、第1の空調ゾーンと第2の空調ゾーンとの温度差が取れない。これにて第1の空調ゾーンと第2の空調ゾーンとの独立性を確保することが困難となることから、ブロアレベルBLWが小さくなるほどステップS120にて算出されたTAO(Dr)、TAO(Pa)を補正する補正量を大きく設定する。
【0035】
一方、ブロアレベルBLWが大きい時では、図7に示すように各空調風の温度差が小さくても、ある程度第1の空調ゾーンと第2の空調ゾーンとの温度差を確保できる。また、ブロアレベルBLWが大きい時では直接空調風が乗員に吹きつけられることで、乗員は第1の空調ゾーンと第2の空調ゾーンとの温度干渉が気になりにくくあまり問題とならないため、補正係数KDr、KPaを小さく設定する。
【0036】
ここで、TAO(Dr)、TAO(Pa)のうち、どちらをどの様に補正してやるかが重要となる。以下、これについて詳しく説明する。
これは数式(5)(6)中、KDr、KPaの乗数項である(Tset(Dr)─Tset(Pa))、(Tset(Pa)─Tset(Dr))にて決定される。
【0037】
具体的には、Tset(Dr)とTset(Pa)との大小関係に応じて変更され、Tset(Dr)がTset(Pa)より高い場合は、数式(5)よりTAO(Dr)´は大きくなるように補正され、また数式(6)よりTAO(Pa)´は小さくなるように補正される。また、この補正量は、乗数項にて明らかであるが共に同じとなる。
【0038】
一方、Tset(Dr)がTset(Pa)より小さい場合は、数式(5)よりTAO(Dr)´は小さくなるように補正され、また数式(6)よりTAO(Pa)´は大きくなるように補正される。
つまり、このような車室内の温度を自動的に温度調節する空調装置において設定温度と車室内温度との差が大きい初期時にはブロアレベルBLWが大きく、徐々に設定温度と車室内の温度とが近づくにつれてブロアレベルBLWは序々に小さくなる。そして、ブロアレベルBLWが最低になった場合は、設定温度と車室内の温度とがほぼ一致している状態となる。この状態では第1の空調ゾーンと第2の空調ゾーンとの車室内温度の大小関係は、当然ながらTset(Pa)とTset(Dr)との大小関係と同じとなる。
【0039】
従って、ブロアレベルBLWが小さくなるほど、Tset(Pa)とTset(Dr)のうち高い方の空調ゾーンの吹出温度を高くし、低い方の空調ゾーンの吹出温度を小さくすれば、第1の空調ゾーンと第2の空調ゾーンとに供給される熱量をさらに差を付け、これによって適切に第1の空調ゾーンと第2の空調ゾーンとの独立性を確保することができる。
【0040】
さらに、上記乗数項から分かるようにTset(Pa)とTset(Dr)との差が大きいほど、この補正量は大きくなる。これはTset(Pa)とTset(Dr)との差が小さい場合は、第1の空調ゾーンと第2の空調ゾーンが温度干渉したとしても、さほど乗員は気にならないためである。一方、Tset(Pa)とTset(Dr)との差が大きい場合は、隣の空調ゾーンが自分の空調ゾーンとかなり温度差があるため、温度干渉によって乗員は不快と感じてしまので、補正量を大きくすることで第1の空調ゾーンと第2の空調ゾーンとの独立性を確保する。
【0041】
また、このようにブロアレベルBLWが小さくなるほど、その補正量が大きくなり、吹出温度によって乗員に違和感を与えると思われるが、ブロアレベルBLWが小さくなるほど、乗員に直接空調風が当たりにくいためこのような問題は生じることは無い。 以上、説明したようにブロアレベルBLWが小さくなるほど、Tset(Pa)とTset(Dr)のうち、大きい方の目標吹出温度がさらに大きくなるように補正し、小さい方の目標吹出温度がさらに小さくなるように補正する。そして、さらにTset(Pa)とTset(Dr)との差が大きいほど、この補正量を大きくする。これによって、第1の空調ゾーンと第2の空調ゾーンとの独立性を確保することができる。
【0042】
〔第2実施例〕
本実施例は、上述の第1実施例においてステップS140の内容だけが異なるものである。
本実施例におけるステップS140は、以下の数式(7)(8)に基づいてTAO(Dr)、TAO(Pa)の補正を行う。
【0043】
Figure 0003610616
つまり、上述の第1実施例と比較してKDr、KPaの乗数項が異なるものである。ここでTAO(Dr)、TAO(Pa)は、上記ステップS120にて算出された各空調ゾーンの目標吹出温度である。すなわち、TAO(Dr)とTAO(Pa)のうち、TAO(Dr)がTAO(Pa)より大きい場合、第1の空調ゾーンの吹出温度を上げるように補正し、第2の空調ゾーンの吹出温度を下げるように補正する。また、TAO(Pa)がTAO(Dr)より大きい場合、第1の空調ゾーンの吹出温度を下げるように補正し、第2の空調ゾーンの吹出温度を上げるように補正する。また、TAO(Dr)とTAO(Pa)との差が大きいほど、この補正量が大きく設定される。これによって、上記第1実施例と同様な効果を得ることができる。
【0044】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は以下の変形例にも適用できる。
上記実施例では、図1に示すように補正係数KDr、KPaを直線的に変化させたが直線的に限らず、図8に示すように段階的に変化させても良い。
また、上記実施例では、第1の空調ゾーンと第2の空調ゾーンとの目標吹出温度を算出する場合、同じ内気センサ27、同じ日射センサ29の検出値を用いたが、第1の空調ゾーンと第2の空調ゾーンのそれぞれに内気センサ27および日射センサ29を配設し、各目標吹出温度を算出しても良い。
【0045】
また、補正係数KDr、KPaは、図1および図8に示すように共に同じ値となるが、常に同じにする必要はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のブロアレベルBLWと補正係数KDr、KPaとの関係を表す特性図である。
【図2】本発明の実施例における空調系の全体構成図である。
【図3】上記空調系の制御内容を示すフローチャートである。
【図4】上記実施例におけるTAO(Dr)、TAO(Pa)とブロアレベルBLWとの関係を表す特性図である。
【図5】上記実施例におけるTAO(Dr)、TAO(Pa)と吹出口モードとの関係を表す特性図である。
【図6】上記実施例におけるブロアレベルBLWとブロア電圧との関係を表す特性図である。
【図7】上記実施例を適用しない場合の各空調ゾーンに吹き出される空調風の温度差と、第1の空調ゾーンと第1の空調ゾーンとの温度差を表す特性図である。
【図8】その他のブロアレベルBLWと補正係数KDr、KPaとの関係を表す特性図である。
【符号の説明】
23 制御装置
25 第1の温度設定器
26 第2の温度設定器

Claims (5)

  1. 車室内の第1の空調ゾーンと第2の空調ゾーンとをそれぞれに対応して設けられた個別の吹出口から空調風が吹き出されることによって、前記第1,第2の空調ゾーンを個別に温度調節する車両用空気調和装置であって、
    前記第1の空調ゾーンの第1の設定温度を設定する第1の温度設定手段と、
    前記第2の空調ゾーンの第2の設定温度を設定する第2の温度設定手段と、
    少なくとも前記第1の設定温度および空調状態に影響を与える空調環境因子に基づいて第1の空調ゾーンに吹き出される第1の目標吹出温度を算出する第1の目標吹出温度算出手段と、
    少なくとも前記第2の設定温度および前記空調環境因子に基づいて第2の空調ゾーンに吹き出される第2の目標吹出温度を算出する第2の目標吹出温度算出手段と、
    前記第1の目標吹出温度および第2の目標吹出温度に基づいて前記各吹出口から吹き出される送風量を算出する送風量算出手段と、
    この送風量算出手段によって算出された送風量となるように空調風を発生させる送風発生手段とを備え、
    この送風発生手段の送風量が小さくなるほど、少なくとも前記第1の目標吹出温度と第2の目標吹出温度のうち温度の高い方の目標吹出温度をさらに高く設定し、もしくは温度の低い方の目標吹出温度をさらに低く設定し、設定された第1の目標吹出温度と第2の目標吹出温度との温度差が大きくなるように補正する吹出温度補正手段とを備える車両用空気調和装置。
  2. 車室内の第1の空調ゾーンと第2の空調ゾーンとをそれぞれに対応して設けられた個別の吹出口から空調風が吹き出されることによって、前記第1,第2の空調ゾーンとを個別に温度調節する車両用空気調和装置であって、
    第1の空調ゾーンの第1の設定温度を設定する第1の温度設定手段と、
    第2の空調ゾーンの第2の設定温度を設定する第2の温度設定手段と、
    少なくとも前記第1の設定温度および空調状態に影響を与える空調環境因子に基づいて第1の空調ゾーンに吹き出される第1の目標吹出温度を算出する第1の目標吹出温度算出手段と、
    少なくとも前記第2の設定温度および前記空調環境因子に基づいて第2の空調ゾーンに吹き出される第2の目標吹出温度を算出する第2の目標吹出温度算出手段と、
    前記第1の目標吹出温度および第2の目標吹出温度に基づいて前記各吹出口から吹き出される送風量を算出する送風量算出手段と、
    この送風量算出手段によって算出された送風量となるように空調風を発生させる送風発生手段とを備え、
    この送風発生手段の送風量が小さくなるほど、前記第1の設定温度と第2の設定温度のうち、少なくとも設定温度が高い方の目標吹出温度を更に高く設定し、もしくは設定温度が低い方の目標吹出温度を更に低く設定し、設定された第1の目標吹出温度と第2の目標吹出温度との温度差が大きくなるように補正する吹出温度補正手段とを備える車両用空気調和装置。
  3. 前記吹出温度補正手段は、第1の目標吹出温度と第2の目標
    吹出温度とを等量ずつ補正することを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用空気調和装置。
  4. 前記吹出温度算出手段は、前記第1の設定温度と前記第2の設定温度との差、または第1の目標吹出温度と第2の目標吹出温度との差が大きいほど、その補正量を大きくすることを特徴とする請求項1ないし請求項3いずれかに記載の車両用空気調和装置。
  5. 前記目標吹出温度算出手段は、所定の演算式にて算出され、前記吹出温度補正手段は、前記第1の設定温度と第2の設定温度との差、または第1の目標吹出温度と第2の目標吹出温度との差を含んだ前記演算式の補正項であることを特徴とする請求項1ないし請求項4いずれかに記載の車両用空気調和装置。
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