JP3609515B2 - ポリカーボネート系樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、特定の水添ブロック共重合体、特定の酸変性水添ブロック共重合体により補強されたポリカーボネート系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート樹脂は、熱可塑性樹脂の中でも最高水準の耐衝撃性を有する他、電気絶縁性等の電気特性および寸法安定性に優れたエンジニアリングプラスチックとして、電気および電子部品分野を中心に広く利用されており、今後益々需要が高まることが期待されている。しかしながら、溶融粘度が極めて高いため、流動性が低く薄肉成型品等の射出成形が困難であり、またガソリンやアセトン、n−ヘプタンおよび四塩化炭素のごとき有機溶剤に対する耐性が低いためにこれらに侵され易く、これらの存在下においては応力集中を受けると容易にクラックを生じ、脆性型破壊を生じる欠点を有している。このような溶剤との接触は、例えば、ポリカーボネート樹脂製の部品を自動車のボンネット内や給油口付近に用いたり、ポリカーボネート樹脂製部品の応力が加わっている部分を溶剤等により洗浄したり脱脂したりする際に生じる。このため、ポリカーボネート樹脂単体の用途には著しく制約がある。
【0003】
ポリカーボネート樹脂が本来有する優れた機械的特性を大きく損なうことなく、ポリカーボネート樹脂の欠点である耐溶剤性や低い流動性を改良するため、ポリカーボネート樹脂に結晶性を有する熱可塑性樹脂、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル樹脂、ナイロン66、ナイロン6等のポリアミド樹脂等をブレンドして複合材料とし、ポリカーボネート樹脂の射出成形性を改善し、かつ耐溶剤性を付与する試みが従来からなされている。
しかしながら、ポリカーボネート樹脂のポリエステル樹脂による成形性および耐溶剤性と、元来ポリカーボネート樹脂が有している優れた耐衝撃性、特にノッチ付きアイゾット衝撃強度はトレードオフの関係にあり、例えば、特に耐溶剤性が発現されるポリカーボネート/芳香族ポリエステル=70/30(重量比)付近では、大きくノッチ付きアイゾット衝撃強度は低下する。
【0004】
そこで、本系の耐衝撃性を改善するべく、エラストマーにより改質する試みが従来からなされている。
例えば、特開昭61−159443号公報には、芳香族コポリエステル−カーボネート樹脂と、芳香族ポリカーボネート樹脂と、ビニル芳香族−共役ジエンブロックコポリマーの水素化物と、オレフィンアクリレートコポリマー、オレフィンジエンターポリマーまたはこれらの混合物から選択される少なくとも1種のポリマーからなる組成物が開示されている。この技術によれば、耐熱性と耐衝撃性と耐溶剤性とを満足する組成物が得られたとしている。しかしながら、実際には上記の改質材であるエラストマー系を使用した場合、エラストマー合計で組成物中に10重量%程度以上含有しないと上記の耐衝撃性は発現されず、しかるに耐衝撃性と剛性、曲げ強度、もしくは耐熱変形性とのバランスが悪く好ましくない。
【0005】
また、特開昭62−265344号、特開昭62−265345号、特開昭62−265346号各公報には、ポリカーボネート樹脂と、特定のポリエステル樹脂と、ポリエステルエーテルエラストマーと、ゴム状弾性体とからなる組成物が開示されている。この技術によれば、確かに耐溶剤性、耐衝撃性、成形性が一段と向上した組成物が得られているものの、実質的に添加されるエラストマー量が10重量%程度以上含有しないと上記の耐衝撃性および耐溶剤性は発現されず、しかるに耐衝撃性もしくは耐溶剤性と剛性、曲げ強度、もしくは耐熱変形性とのバランスが悪く好ましくない。
【0006】
また、水添ブロック共重合体を改質材に用いた従来技術として、特開昭60−197756号公報には、芳香族ポリカーボネート樹脂と、芳香族飽和ポリエステル樹脂からなる樹脂組成物に、水添飽和型ブロック共重合体とブチル系ゴムとを主体とするエラストマー混合物を有機過酸化物の存在下に加熱混練反応させて生成するエラストマー組成物を配合してなる組成物が開示されている。この技術によれば、確かに耐溶剤性、耐衝撃性が改善された組成物が得られている。しかしながら、プロセスの煩雑さに加え、ゴム系ブレンド物に有機過酸化物を用いることに由来するゲル分によるマトリックス樹脂中における分散不良や成形品とした際の外観不良等好ましくない。また−10℃におけるアイゾット衝撃強度に関して、エラストマーによる改質効果は認められるものの、ポリカーボネート樹脂単体と比較して大きく低下していることから、エラストマーによる改質効果は不十分であるのが実状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、上記の点を鑑みたものであり、ポリカーボネート樹脂が本来有する優れた機械的強度、および特に優れた耐衝撃性、高い剛性を維持しつつ、欠点である耐溶剤性および低い流動性が大幅に改善された組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明らは、鋭意研究を重ねた結果、ポリカーボネート樹脂に対し、特定のポリエステル樹脂と、特定の水添ブロック共重合体と、特定の変性水添ブロック共重合体とを組み合わせることにより、ポリカーボネート樹脂が本来有する優れた機械的強度、および特に優れた耐衝撃性、高い剛性を維持しつつ、耐溶剤性および低い流動性が大幅に改善された組成物が得られるという驚くべき事実を見い出し、本発明に到達した。
【0009】
即ち本発明は、(a)芳香族ポリカーボネート1〜99重量部と、(b)芳香族ポリエステル99〜1重量部の合計100重量部に対し、(c)少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加してなる数平均分子量6万〜30万の水添ブロック共重合体1〜5重量部と、(d)少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加してなる数平均分子量3万〜15万の水添ブロック共重合体に、エチレン性不飽和基含有カルボン酸またはその誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の化合物が結合した変性水添ブロック共重合体0.1〜5重量部と、更に任意に(e)少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加してなる数平均分子量3万〜15万の水添ブロック共重合体0.1〜5重量部からなり、かつ、成分(c)の数平均分子量が成分(d)および成分(e)の数平均分子量の2倍以上であり、かつ前記成分(a)および(b)の合計100重量部に対し、前記成分(c)、(d)、および(e)の合計量が7重量部を越えないことを特徴とするポリカーボネート系樹脂組成物を提供するものである。
以下、本発明に関して詳しく述べる。
【0010】
<芳香族ポリカーボネート>
本発明の成分(a)として用いられる芳香族ポリカーボネート樹脂は当該技術分野で知られている任意の芳香族ホモポリカーボネートあるいはコポリカーボネートでよい。ポリカーボネート樹脂は、例えば、界面重縮合法、均一相における重縮合法あるいはエステル交換法、当該技術分野で一般に知られている方法のいずれに従って製造されてもよい。これらの方法並びにこれに関連する反応物、ポリマー、触媒、溶媒およびおよび条件は当該技術分野では公知であり、例えば、米国特許第2,964,974号、第2,970,137号、第2,999,835号、第3,028,365号、第3,153,008号、第3,187,065号、第3,215,668号、第3,258,414号、第3,334,154号、第4,131,575号、第4,018,750号、第4,123,436号および第5,010,162号に開示されている方法に従って、通常、酸受容体および分子量調節剤の存在下で、2価フェノールとホスゲンとの反応によるか、あるいは2価フェノールとジフェニルカーボネート等とのエステル交換反応によるか、その他該分野の技術者に既知の方法により製造される。
一般的に芳香族ポリカーボネート樹脂は次式のように表される。
【0011】
【化1】
Figure 0003609515
【0012】
(式中Aは2価フェノール性芳香族系骨格を示す)
2価フェノールとしては、ビスフェノール類が好ましく使用される。これらを例示するならば、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジイソプロピルベンゼン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、α,α−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,2−(3,5,3’,5’−テトラクロロ−4,4’−ジヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−(3,5,3’,5’−テトラブロモ−4,4’−ジヒドロキシフェニル)プロパン、(3,3’−ジクロロ−4,4’−ジヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン等が挙げられる。
【0013】
上記の2価フェノールは、芳香族ポリカーボネート樹脂を得る際、単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いて共重合体としても良い。また、異なる2価フェノール骨格を有する2種以上のポリカーボネート樹脂を任意の組成で組み合わせて用いても良い。特に好ましく用いられるのは、ビスフェノールAとして知られる2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンより誘導される芳香族ポリカーボネート樹脂である。上記ビスフェノール類をホスゲンのようなカーボネート前駆体と反応させることによって、またはエステル交換法により芳香族ポリカーボネートを製造することができる。
また、米国特許第4,001,184号に記載されているような分岐構造を有する芳香族ポリカーボネートも本発明実施に使用することは可能であり、また、線状芳香族ポリカーボネートとのブレンドも同様に可能である。
また、本発明にて用いられる芳香族ポリカーボネートの分子量は特に規定はされないが、好ましくは10,000から100,000の範囲である。
【0014】
<芳香族ポリエステル>
本発明に用いられる芳香族ポリエステル樹脂は、分子内にエステル結合を含有するものである。代表的な芳香族ポリエステルは、芳香族ジカルボン酸とグリコールが重合した構造のポリエステルであり、これらは芳香族ジカルボン酸もしくはその低級エステル、その酸ハライドまたは酸無水物と、グリコールを重縮合することによって得られる。この芳香族ポリエステルの原料となる芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジカルボキシジフェニル、4−カルボキシフェノキシ酢酸、2,6−ナフタリンジカルボン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記の中ではテレフタル酸、イソフタル酸が特に好ましく用いられる。
また芳香族ポリエステルのもう一方の原料であるグリコール(またはジオール)は、脂肪族のものが好ましく用いられ、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコール、p−キシレングリコール等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記の中では炭素数2〜10のアルキレングリコールが好ましく、特にエチレングリコール、1,4−ブタンジオールが好ましく用いられる。
【0015】
上記芳香族ジカルボン酸とグリコールからなる芳香族ポリエステルのうち有用なものとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびこれらのモノマー単位の一部を他のモノマー単位に置換したものであり、これらは単独で用いても任意の組成で組み合わせてもよい。これらの中では特にポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレートが好ましく用いられる。
本発明における(a)成分と(b)成分との組成比に関して、(a)成分と(b)成分との合計100重量部の内に占める(a)成分の比率は1重量部から99重量部であるが、好ましくは10重量部から90重量部であり、更に好ましくは50重量部から80重量部である。当組成比を有する組成物とすることにより、耐衝撃性等の機械的特性に優れた組成物を得ることができる。
【0016】
<水添ブロック共重合体>
本発明で(c)成分および所望により(e)成分として用いるられる水添ブロック共重合体は、少なくとも1個、好ましくは2個以上のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加してなるブロック共重合体であり、例えばA−B、A−B−A、B−A−B−A、A−B−A−B−A、B−A−B−A−B、(A−B)−Si、(B−A−B)−Si、(A−B)−Sn、(B−A−B)−Sn等の構造を有する。
また、これらのビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックA、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBは、それぞれの重合体ブロックにおけるビニル芳香族化合物または共役ジエン化合物の分布がランダムまたはテーパード(分子鎖にそってモノマー成分が増加または減少するもの)または一部ブロック状またはこれらの任意の組み合わせであってもよく、また重合体ブロックBがそれぞれ2個以上ある場合は、各重合体ブロックはそれぞれが同一構造であってもよく、異なる構造であってもよい。本明細書中で使用される「主体とする」という表現は、該当モノマー単位が重合体ブロックの少なくとも50重量%以上、好ましくは70%以上を占めることを意味する。
【0017】
本発明のブロック共重合体を構成するビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−ビニルトルエン、p−第三ブチルスチレン等のうちから1種または2種以上が選択でき、中でもスチレンが好ましい。
また共役ジエン化合物としては、例えばブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどのうちから1種または2種以上が選択でき、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組合わせが好ましい。そして、水素添加される前の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBは、そのブロックにおけるミクロ構造を任意に選ぶことができ、例えば、ポリブタジエンブロックの場合においては、1,2−ビニル結合構造が20〜80重量%、好ましくは25〜55重量%であり、ポリイソプレンブロックにおいては1,4−結合が80重量%以上、好ましくは90重量%以上である。
【0018】
本発明の(c)成分として使用する水添ブロック共重合体の数平均分子量は6万〜30万であり、さらに望ましくは8万〜20万である。数平均分子量が6万〜30万の範囲の水添ブロック共重合体を用いることにより、耐衝撃強度に優れた組成物を得ることができる。また、本発明の(e)成分として使用する水添ブロック共重合体の数平均分子量は3万〜15万であり、さらに望ましくは3.5万〜8万である。また、水添ブロック共重合体の分子量分布〔重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)〕は5以下、好ましくは2以下、さらに好ましくは1.5以下である。分子量分布が5を超えると耐衝撃性等の機械的強度および耐熱性が十分でなく好ましくない。
これらの水添ブロック共重合体の数平均分子量、分子量分布はゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、標準ポリスチレンを用いて容易に求めることができる。
【0019】
これらの水添ブロック共重合体は、上記の構造を有するものであれば、その製造方法を制限するものではなく、例えば、特公昭40−23798号公報に記載された方法により、リチウム触媒を用いて不活性溶媒中でビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体を合成することができる。また、より好ましい性能を発揮するビニル芳香族化合物−水素添加された共役ジエン化合物ブロック共重合体の製造方法としては、例えば、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報に記載された方法で良いが、特に高度の耐侯性や耐熱老化性を求められる用途にあっては、チタン系水添触媒の使用が推奨され、例えば、特開昭60−220147号公報、特開昭61−33132号公報あるいは特開昭62−207303号公報が挙げられる。その際の共役ジエン化合物に由来する脂肪族二重結合は、少なくとも80%、好ましくは90%以上が水素添加され、一方ビニル芳香族化合物の20%未満、好ましくは10%未満が水素添加されるように選択される。上記水素添加ブロック共重合体の水素添加率については、赤外線分光分析や核磁気共鳴分析により容易に知ることができる。
【0020】
本発明の(c)成分の使用量としては本発明の成分(a)と成分(b)の合計100重量部に対して1〜5重量部の範囲である。(c)成分の使用量が1重量部未満では耐衝撃性改良効果が十分でなく、また、5重量部を超えて多量に使用しても耐衝撃性改良効果は頭打ちとなり、かえって剛性、耐熱性(HDT)の低下が顕著になり、好ましい組成物ではなくなってしまう。このため、前記した範囲が適当である。更に望ましい範囲は1.5〜4重量部である。
また、本発明の(e)成分を使用する場合、その使用量は本発明の成分(a)と成分(b)の合計100重量部に対して0.1〜5重量部の範囲である。5部を超えて多量に使用しても耐衝撃性改良効果は頭打ちとなり、かえって剛性、耐熱性(HDT)の低下が顕著になり、好ましい組成物ではなくなってしまう。このため、前記した範囲が適当である。
【0021】
<変性水添ブロック共重合体>
本発明の(d)成分として使用する変性水添ブロック共重合体のもととなる水添ブロック共重合体は、少なくとも1個、好ましくは2個以上のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加してなるブロック共重合体であり、例えばA−B、A−B−A、B−A−B−A、A−B−A−B−A、B−A−B−A−B、(A−B)−Si、(B−A−B)−Si、(A−B)−Sn、(B−A−B)−Sn等の構造を有する。
また、これらのビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックA、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBは、それぞれの重合体ブロックにおけるビニル芳香族化合物または共役ジエン化合物の分布がランダムまたはテーパードまたは一部ブロック状またはこれらの任意の組み合わせであってもよく、また重合体ブロックBがそれぞれ2個以上ある場合は、各重合体ブロックはそれぞれが同一構造であってもよく、異なる構造であってもよい。
【0022】
本発明のブロック共重合体を構成するビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−ビニルトルエン、p−第三ブチルスチレンなどのうちから1種または2種以上が選択でき、中でもスチレンが好ましい。
また共役ジエン化合物としては、例えばブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどのうちから1種または2種以上が選択でき、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組合わせが好ましい。そして、水素添加される前の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBは、そのブロックにおけるミクロ構造を任意に選ぶことができ、例えば、ポリブタジエンブロックの場合においては、1,2−ビニル結合構造が20〜80重量%、好ましくは25〜55重量%であり、ポリイソプレンブロックにおいては1,4−結合が80重量%以上、好ましくは90重量%以上である。
【0023】
本発明の(d)成分として使用する変性水添ブロック共重合体の数平均分子量は3万〜15万であり、更に好ましくは3.5万〜8万のものである。数平均分子量が3万〜15万の範囲の変性水添ブロック共重合体を用いることにより分散性に優れ、グラフトされた官能基とあいまって、(c)成分である高分子量水添ブロック共重合体と、マトリックスである芳香族ポリカーボネート/芳香族ポリエステル組成物との相溶化材としての機能を発現する。また、水添ブロック共重合体の分子量分布[重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)]は5以下、好ましくは2以下、さらに好ましくは1.5以下である。分子量分布が5を超えると耐衝撃性等の機械的強度および耐熱性が十分でなく好ましくない。
【0024】
これらの水添ブロック共重合体の数平均分子量、分子量分布はゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、標準ポリスチレンを用いて容易に求めることができる。
本発明の(d)成分は水添ブロック共重合体にエチレン性不飽和基含有カルボン酸またはその誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の化合物が結合したものである。
【0025】
これら変性水添ブロック共重合体の製造方法に関しては、本発明において特に限定はしないが、得られた変性水添ブロック共重合体が、不溶・不融のゲル等の好ましくない成分を含有したり、その溶融粘度が著しく増大して加工性が悪化したりする方法は好ましくない。好ましく用いられる方法としては、例えば、シリンダー温度を230℃に設定した押出機中で、有機過酸化物等のラジカル開始剤存在下、水添ブロック共重合体にエチレン性不飽和基含有カルボン酸またはその誘導体を押出・混練と同時に付加させる方法が推奨される。
【0026】
このようなエチレン性不飽和基含有カルボン酸またはその誘導体を例示すると、マレイン酸、ハロゲン化マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エンド−シス−ビシクロ(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸等やこれらジカルボン酸の無水物、エステル、アミド、イミド等が挙げられ、更にはアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等やこれらモノカルボン酸のエステル、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートやアミド等の誘導体が挙げられる。更に、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシ−2−フェノキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシ−2−フェノキシプロピルメタクリレート等も例示される。これらの中では無水マレイン酸、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートが特に好ましく用いられる。これらの化合物は、単独で使用することもできるし、更に2種以上を組み合わせて使用することもできる。なお、上記水添ブロック共重合体を変性するに際しては、上記のような化合物の他に、本発明に用いる変性水添ブロック共重合体の特性を損なわない範囲内で、スチレン、α−メチルスチレン等のビニル芳香族化合物を併用することができる。
【0027】
エチレン性不飽和基含有カルボン酸またはその誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の化合物の付加量としては変性前の水添ブロック共重合体100重量部に対して0.05〜20重量部であり、望ましくは0.05〜10重量部、更に望ましくは0.1〜5重量部である。
本発明の(d)成分の使用量としては本発明の成分(a)と成分(b)の合計100重量部に対して0.1〜5重量部の範囲である。(d)成分の使用量が0.1重量部未満では相溶性改良効果が十分でなく、衝撃強度に優れる組成物を得ることはできない。また、5重量部を超えて多量に使用しても相溶性効果および耐衝撃性改良効果は頭打ちとなり、かえって剛性、耐熱性(HDT)の低下が顕著になり、好ましい組成物ではなくなってしまう。このため、前記した範囲が適当である。更に望ましい範囲は0.1〜3重量部である。
【0028】
また、本発明のポリカーボネート系樹脂組成物には、その特徴を損ねない程度に無機フィラーおよび安定剤等の添加剤および難燃剤を添加することが可能である。ここで用いる無機フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、カーボンブラック、ガラス繊維、酸化チタン、タルク、雲母、クレー等が挙げられる。また添加剤としては、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線安定剤(例えばベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類等)、着色剤、顔料、帯電防止剤、滑剤等の適量を添加すること可能である。特に加工時の熱安定剤として好ましく用いられる化合物として、ヒンダードフェノール系化合物、あるいはホスファイト系化合物の適量をを添加することが好ましい。
好ましいヒンダードフェノール系化合物の例として商品名で列挙すると、イルガノックス1076、イルガノックス245、イルガノックス1010、イルガノックス565、イルガノックス1330(以上チバガイギー社製)、スミライザーGM、スミライザーGS、スミライザーBHT(以上住友化学社製)等が挙げられる。
【0029】
また、好ましいホスファイト系化合物を具体的に例示すれば、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリ(n−プロピル)ホスファイト、トリイソプロピルホスファイト、トリ(n−ブチル)ホスファイト、トリ(t−ブチル)ホスファイト、トリ(n−ペンチル)ホスファイト、トリ(n−ヘキシル)ホスファイト、トリ(n−ヘプチル)ホスファイト、トリ(n−オクチル)ホスファイト、トリ(n−ノニル)ホスファイト、トリ(n−デシル)ホスファイト、トリ(n−オクタデシル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、n−オクチル−ジフェニルホスファイト、トリス(4−n−ノニルフェニル)ホスファイト、ビス(モノノニルフェニル)ジノニルフェニルホスファイト、トリス(4−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジメチルフェニル)ホスファイト、トリス(4−クロロフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジクロロフェニル)ホスファイト、トリス(4−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(n−オクタデシル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト等があり、その中でもトリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(n−オクタデシル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト等が特に好ましく用いられる。
【0030】
本発明の組成物に対し熱安定剤を添加する場合、その添加量は、本発明の組成物100重量部に対して0.05〜3重量部であり、更に好ましくは0.1〜1重量部である。また、ヒンダードフェノール系化合物とホスファイト系化合物を併用することにより、熱安定化において相乗効果を発揮し、特に好ましい。
また、本発明の組成物に難燃剤を配合して難燃性を付与することは、その市場要求から考えると極めて有意的である。ここで好適に用いられる難燃剤は有機スルホン酸アルカリ金属塩および該アルカリ土類金属塩である。これらのごとき難燃剤は、例えば、米国特許第3,933,734号、第3,948,851号、第3,926,908号、第3,919,167号、第3,909,490号、第3,753,396号、第3,931,100号、第3,978,024号、第3,953,399号、第3,917,559号、第3,951,910号および第3,940,366号に開示されている。本発明の組成物は、上記の引例中に記載されている難燃剤を難燃化するのに有効な量を含有することが可能であり、含有する場合は、その含有量は組成物全体を基準として約1〜約20重量%程度である。
【0031】
本発明により提供されるポリカーボネート系樹脂組成物は、その優れた流動性、耐衝撃性、剛性、機械的強度、耐薬品性等を生かし、自動車、家電・OA・弱電等、様々な用途に供することができる。ここで、具体的用途の一例を挙げると、自動車分野では、フェンダー、ボンネット等の外装部品、インスツルメントパネル等の内装部品、家電・OA・弱電分野ではCRTハウジング等の様々なハウジング部品等、その応用分野は極めて広範囲であり、有用である。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、これら実施例および比較例において、ポリカーボネート系樹脂組成物の評価方法に用いた試験法は以下の通りである。
(1)みかけ溶融粘度〔poise〕
キャピログラフ計を用い、250℃における剪断速度が10(s−1)における、みかけの溶融粘度を測定した。
【0033】
(2)硬さ
ロックウェル硬度計により、ASTM D785に準じ、Mスケールで評価した。
(3)ノッチ付きアイゾット衝撃強度〔J/m〕
厚み1/8インチの試験片を用い、ASTM D256に準じて23℃および−30℃にて測定した。なお、−30℃におけるノッチ付きアイゾット衝撃強度は、試験片を−30℃に冷却したエタノール中に10分間浸し、取り出した直後に測定した値とした。
【0034】
(4)曲げ弾性率〔MPa〕
厚み1/8インチの試験片を用い、ASTM D790に準じて23℃にて測定した。
(5)曲げ強度〔MPa〕
厚み1/8インチの試験片を用い、ASTM D790に準じて23℃にて測定した。
【0035】
(6)耐溶剤性〔%〕
厚み1/8インチの試験片を用い、ASTM D790に準じて23℃にて曲げ強度を測定する際、中央部の応力集中部分に無鉛ガソリン(モービルF−1)を接触させ、先の曲げ強度値との比較により、その保持率(%)として評価した。
(7)HDT(加熱変形温度)〔℃〕
ASTM D648に準じて、1.82MPaの荷重応力下にて測定した。
(8)ビカット軟化点〔℃〕
ASTM D1525に準じて、昇温速度120℃/時間にて測定した。
また、本発明のポリカーボネート系樹脂組成物の調製を行うにあたり、本発明者は以下に示す成分を使用もしくは合成した。
【0036】
成分(a)芳香族ポリカーボネート
帝人化成(株)より入手可能な、PANLITE L−1250
成分(b)芳香族ポリエステル
東レ(株)より入手可能な、東レPBT1401
成分(c−1)及び(c−2)水添ブロック共重合体
A−B−A構造を有し、数平均分子量150,000及び75,000、分子量分布1.15、結合スチレン量33重量%、水素添加前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が39重量%、ポリブタジエン部の水素添加率97%のスチレン/ブタジエンブロック共重合体の水添ブロック共重合体を合成した。数平均分子量150,000のものを成分(c−1)及び75,000のものを成分(c−2)とした。
【0037】
成分(d−1)および(d−2)変性水添ブロック共重合体
B−A−B−A構造を有し、数平均分子量49,000、分子量分布1.09、結合スチレン量30重量%、水素添加前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が36重量%、ポリブタジエン部の水素添加率98%のスチレン/ブタジエンブロック共重合体の水添ブロック共重合体を合成した。
該重合体100重量部に対して1重量部の無水マレイン酸、0.1重量部のラジカル開始剤であるパーヘキサ25B(日本油脂社製)を均一にブレンドした後、2軸押出機に供給し、押出後ペレタイズを行って変性し、成分(d−1)を得た。使用した2軸押出機および押出条件は、同方向回転タイプ、スクリュウ径30mm、L/D=30、シリンダー設定温度230℃、スクリュウ回転数200rpmとし、平均滞留時間40秒であった。続いて同様な操作および条件下において、該重合体100重量部に対して1重量部のグリシジルメタクリレート、0.1重量部のパーヘキサ25Bを用いて変性し、成分(d−2)を得た。
【0038】
成分(e)水添ブロック共重合体
B−A−B−A構造を有し、数平均分子量49,000、分子量分布1.09、結合スチレン量30重量%、水素添加前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が36重量%、ポリブタジエン部の水素添加率98%のスチレン/ブタジエンブロック共重合体の水添ブロック共重合体を合成した。
【0039】
実施例1〜10、比較例1〜11
上記の各成分を用いて、各々表1に示す配合(重量部)にて2軸押出機(上記のものと同一)にて、樹脂温度278℃、スクリュウ回転数200rpm、平均滞留時間40秒にて溶融混練し、ペレットを得た。なお、芳香族ポリカーボネートおよび芳香族ポリエステルについては、押出機に供給する直前に120℃にて12時間予備乾燥を実施した。
得られた組成物を再度同一条件で予備乾燥し、キャピログラフによる溶融粘度の測定および射出成形機に供給して厚さ3.2mm、幅12.7mm、長さ127mmの短冊片を作成した。使用した射出成形機は東芝IS−80AMであり、樹脂温度は255℃、金型温度は80℃とした。
得られた試験片より、機械的物性を評価した。またこの際、本発明の効果を明確にするため、比較例として表2に示す配合(重量部)にて、成分(c−1)である水添ブロック共重合体を用いない系、あるいは成分(d)である変性水添ブロック共重合体を用いない系、更には成分(c−1)と(c−2)を併用する系等においても同様に組成物を得、物性評価を行った。実施例を表1に、比較例を表2に示す。ここで比較例10に示したポリカーボネート単体は、成形時の樹脂温度を290℃、金型温度を80℃として成形を行った。
【0040】
【表1】
Figure 0003609515
【0041】
【表2】
Figure 0003609515
【0042】
【表3】
Figure 0003609515
【0043】
上記の結果からも明らかなように、本発明により提供されるポリカーボネート系樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂本来備わっている優れた耐衝撃性、高い剛性および強度を維持しつつ、優れた流動性と耐薬品性を合わせ持っていることは明確である。一方、本発明の請求範囲外の組成物では、耐衝撃性に劣ったり、耐薬品性に劣る等、好ましい組成物ではないことは明らかである。
【0044】
【発明の効果】
本発明により提供されるポリカーボネート系樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂本来の優れた特性を維持しつつ、流動性および耐薬品性を大幅に改良したものである。従って該組成物は成形加工性に優れ、自動車内外装用途および家電・OA・弱電分野において広く応用することが可能であり、その工業的、市場的な意義は極めて大きい。

Claims (4)

  1. (a)芳香族ポリカーボネート1〜99重量部と、(b)芳香族ポリエステル99〜1重量部の合計100重量部に対し、(c)少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加してなる数平均分子量6万〜30万の水添ブロック共重合体1〜5重量部と、(d)少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加してなる数平均分子量3万〜15万の水添ブロック共重合体に、エチレン性不飽和基含有カルボン酸またはその誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の化合物が結合した変性水添ブロック共重合体0.1〜5重量部からなり、かつ、成分(c)の数平均分子量が成分(d)の数平均分子量の2倍以上であることを特徴とするポリカーボネート系樹脂組成物。
  2. (a)芳香族ポリカーボネート1〜99重量部と、(b)芳香族ポリエステル99〜1重量部の合計100重量部に対し、(c)少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加してなる数平均分子量6万〜30万の水添ブロック共重合体1〜5重量部と、(d)少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加してなる数平均分子量3万〜15万の水添ブロック共重合体に、エチレン性不飽和基含有カルボン酸またはその誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の化合物が結合した変性水添ブロック共重合体0.1〜5重量部と、(e)少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加してなる数平均分子量3万〜15万の水添ブロック共重合体0.1〜5重量部からなり、かつ、成分(c)の数平均分子量が成分(d)および成分(e)の数平均分子量の2倍以上であることを特徴とするポリカーボネート系樹脂組成物。
  3. 前記成分(a)および(b)の合計100重量部に対し、前記成分(c)、(d)、および(e)の合計量が7重量部を越えないことを特徴とする請求項1もしくは請求項2記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
  4. 前記芳香族ポリエステルがポリブチレンテレフタレート(PBT)および/またはポリエチレンテレフタレート(PET)である請求項1、請求項2、もしくは請求項3のいずれかに記載されているポリカーボネート系樹脂組成物。
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