JP2005530003A - 熱可塑性組成物及びその製造方法 - Google Patents
熱可塑性組成物及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005530003A JP2005530003A JP2004513381A JP2004513381A JP2005530003A JP 2005530003 A JP2005530003 A JP 2005530003A JP 2004513381 A JP2004513381 A JP 2004513381A JP 2004513381 A JP2004513381 A JP 2004513381A JP 2005530003 A JP2005530003 A JP 2005530003A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- transparent
- molding composition
- blend
- resin
- polycarbonate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L67/00—Compositions of polyesters obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L67/02—Polyesters derived from dicarboxylic acids and dihydroxy compounds
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L69/00—Compositions of polycarbonates; Compositions of derivatives of polycarbonates
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K3/00—Use of inorganic substances as compounding ingredients
- C08K3/02—Elements
- C08K3/08—Metals
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K3/00—Use of inorganic substances as compounding ingredients
- C08K3/34—Silicon-containing compounds
- C08K3/36—Silica
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K5/00—Use of organic ingredients
- C08K5/0008—Organic ingredients according to more than one of the "one dot" groups of C08K5/01 - C08K5/59
- C08K5/0041—Optical brightening agents, organic pigments
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K5/00—Use of organic ingredients
- C08K5/49—Phosphorus-containing compounds
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K5/00—Use of organic ingredients
- C08K5/49—Phosphorus-containing compounds
- C08K5/51—Phosphorus bound to oxygen
- C08K5/52—Phosphorus bound to oxygen only
- C08K5/521—Esters of phosphoric acids, e.g. of H3PO4
- C08K5/523—Esters of phosphoric acids, e.g. of H3PO4 with hydroxyaryl compounds
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L51/00—Compositions of graft polymers in which the grafted component is obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L51/04—Compositions of graft polymers in which the grafted component is obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers grafted on to rubbers
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L53/00—Compositions of block copolymers containing at least one sequence of a polymer obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L83/00—Compositions of macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon only; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L83/04—Polysiloxanes
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
Abstract
連続相と不連続相からなり、不連続相が連続相と不混和性である、不透明でない熱可塑性アロイ。この不透明でないアロイは半透明又は透明であり得る。連続相はポリカーボネートが好ましく、不連続相は透明なABSが好ましい。
Description
本発明は、ポリカーボネートを含み、適宜特殊効果着色剤を含有していてもよい透明又は半透明な熱可塑性成形用組成物、及びかかる組成物の製造方法に関する。
ポリカーボネート(PC)は良好な衝撃強度を有する高性能プラスチックである。汎用PCは、延性(衝撃強度)に加えて、高い透明性、良好な寸法安定性、低い吸水性、良好な耐汚染性及び広範囲の着色適性を有している。PCの弱い領域の一つはその比較的限られた範囲の耐薬品性であり、そのためにある種の有機溶剤、幾つかの洗浄剤、強アルカリ、ある種の油脂、油及びグリースと接触する用途の慎重な評価が必要となる。また、PCのもう一つ別の弱い領域は、成形するのが困難となるような高い溶融粘度である。実際、中程度〜高度の流動性のPCグレードは流動性がよくなっている代わりに低温延性が損なわれる。最後に、メタリック型顔料や鉱物フレークのような特殊効果着色剤を含むPC配合物は一般に室温で極めて脆い。
本発明は、これらの欠点に対処し、特殊効果着色剤を含んでいても透明性、改良された耐薬品性、高い流動性、−20〜−40℃における低温延性(高い衝撃強度)の点で独特な特性プロフィールを有する材料を提案するものである。
低温衝撃耐性を増大するのに広く使われている手法は、PC組成物に衝撃改質剤を添加することである。少量のメチルアクリレート−ブタジエン−スチレン(MBS)ゴム又はアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)ゴムを添加すると、D/B遷移温度が低下する。これらの修正法の主要な欠点は、たった1%の添加レベルでも透明性が低下し、PCの重要な特性の一つが失われることである。この不透明性の原因は、1.48〜1.56の範囲の屈折率(RI)値を有する脂肪族性の高いゴム状及び/又はシロキサン成分と比較して芳香族PCの比較的高いRI(1.58)である。
低温衝撃と高い透明性とを同時に達成することは極めて望ましい。ある場合には、例えば照明用ハウジングのように完全な透明性が必要ないか又は望ましくないので、多少の半透明性が非常に有益であることもあろう。
米国特許第6040382号には、2種の透明な不混和性ポリマーのブレンドの光学的透明性を、その2種の元の不混和性ポリマーの一方と選択的に混和性である第3のポリマーを添加することによって改良することができる方法が記載されている。その概念は屈折率を一致させることに基づいている。この特許は、モノビニル芳香族−共役ジエンコポリマー(例えばスチレン−ブタジエンブロックコポリマー)、スチレン−無水マレイン酸コポリマー(SMA)及びポリ(α−メチルスチレン)の組成物に関している。
米国特許第5891962号、同第5494969号及び同第5614589号には、それぞれ、ゴム改質スチレン、シクロオレフィンポリマー複合材、及びウレタンコポリマーを含むメタクリレート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマーの特定の配合物が記載されている。これらの組成物では、ゴム状成分のRIと一致させるためにポリマーがコポリマー(例えば、ポリスチレンの代わりのスチレンとアルキル(メタ)アクリレートとのコポリマー)に置き換えられている。また、米国特許第5321056号及び同第5409967号に開示されているように、ゴム状成分を変更してポリマーマトリックスのRIに一致させることも可能である。これらの特許全ての焦点は、RIを一致させるために成分を化学的に変更して透明性を達成することである。
不透明なPCブレンドを対象とする米国特許第5859119号には、望ましい延性とメルトフロー特性を有する強化された成形用組成物が開示されている。この組成物は、環式脂肪族ポリエステル樹脂、そのポリエステル樹脂の延性を改良するがそのメルトフロー特性を低減する衝撃改質用非晶質樹脂、前記ポリエステルポリマーの延性を低下させることなくそのメルトフロー特性を増大する高分子量のポリエーテルエステルポリマー、及び当該組成物を強化し剛性にするガラス充填材を含有していて、強化された成形用組成物を形成している。
米国特許第4188314号には、25〜98重量部(pbw)の芳香族ポリカーボネートと、5〜95%のイソフタレート及び95〜10%のテレフタレートを含む2〜75pbwのポリシクロヘキサンジメタノールフタレートとのブレンドの成形品(例えば、シート及びヘルメット)が記載されている。
この他にも、ポリカーボネートポリシクロヘキサンジメタノールフタレートブレンドに関する特許、例えば米国特許第4125572号、同第4391954号、同第4786692号、同第4897453号及び同第5478896号がある。
米国特許第6040382号
米国特許第5891962号
米国特許第5494969号
米国特許第5614589号
米国特許第5321056号
米国特許第5409967号
米国特許第5859119号
米国特許第4188314号
米国特許第4125572号
米国特許第4391954号
米国特許第4786692号
米国特許第4897453号
米国特許第5478896号
透明又は半透明であり、かつ低温衝撃耐性、ポリカーボネートと比較して改良された耐薬品性、及び良好な溶融加工性を有するポリカーボネートブレンド及びそれから作成される物品を製造する必要がある。
a)ポリカーボネート樹脂と、(i)脂肪族C2〜C12ジオール又は化学的等価体及びC6〜C12脂肪族二酸又は化学的等価体の反応生成物からなり、約80重量%以上の環式脂肪族ジカルボン酸又は化学的等価体及び/又は環式脂肪族ジオール又は化学的等価体を含有する環式脂肪族ポリエステル樹脂、(ii)レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、及び(iii)ポリカーボネートコポリマー、又はこれらの混合物からなる群から選択される添加剤との混和性樹脂ブレンド、並びに
b)衝撃改質用樹脂を含む分散相
の均一なブレンドからなり、改良された延性とメルトフロー特性を有する透明な成形用組成物が提供される。ここで、前記ポリカーボネートと添加剤のブレンドは、前記衝撃改質剤の屈折率と実質的に一致する屈折率を有している。
b)衝撃改質用樹脂を含む分散相
の均一なブレンドからなり、改良された延性とメルトフロー特性を有する透明な成形用組成物が提供される。ここで、前記ポリカーボネートと添加剤のブレンドは、前記衝撃改質剤の屈折率と実質的に一致する屈折率を有している。
本発明はさらに、分散相が、ゴムの不規則な領域を含有する透明な衝撃改質アクリルコポリマーからなる透明又は半透明なポリカーボネートブレンドに関する。
本発明はまた、ポリカーボネートの屈折率が環式脂肪族ジオールと環式脂肪族二酸化合物から誘導されたポリエステルの添加によって調節された透明なポリカーボネートブレンドにも関する。
本発明の典型的な熱可塑性組成物は、1種以上の熱可塑性樹脂と1種以上の混和性添加剤のブレンド(以下「マトリックス」又は連続相という)、及び透明な分散した熱可塑性粒子(以下「分散相」という)からなる。
かかる組成物から得られる物品は、かかる物品が透明でないとしても、60%を超える光透過率、30%未満のヘイズ、及び70%超100%未満の透明度を有している。これらの光学特性を得るには、マトリックスと分散相を慎重に選択しなければならない。一つの実施形態では、これらの屈折率の差は0.01以下である。
I.マトリックス材料
マトリックス材料として使用するのに好ましい熱可塑性プラスチックとしては、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、透明カルボキシレート、グリセロールトリカルボキシレート、ポリオレフィン、アルキルワックス及びアミドがある。最も好ましい実施形態では、マトリックス材料がポリカーボネートである。
マトリックス材料として使用するのに好ましい熱可塑性プラスチックとしては、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、透明カルボキシレート、グリセロールトリカルボキシレート、ポリオレフィン、アルキルワックス及びアミドがある。最も好ましい実施形態では、マトリックス材料がポリカーボネートである。
A.ポリカーボネート
本発明のマトリックス中に使用するポリカーボネートはカーボネート結合を介して結合した二価フェノール類の二価の残基Ar’を含んでおり、次の一般式IIIで表されるのが好ましい。
本発明のマトリックス中に使用するポリカーボネートはカーボネート結合を介して結合した二価フェノール類の二価の残基Ar’を含んでおり、次の一般式IIIで表されるのが好ましい。
式中、Aは1〜約15個の炭素原子を含有する二価炭化水素基又は1〜約15個の炭素原子を含有する置換二価炭化水素基であり、各Xは独立して水素、ハロゲン、及び一価炭化水素基、例えば炭素原子数1〜約8のアルキル基、炭素原子数6〜約18のアリール基、炭素原子数7〜約14のアリールアルキル基、炭素原子数1〜約8のアルコキシ基からなる群から選択され、mは0又は1であり、nは0〜約5の整数である。Ar’はヒドロキノンやレゾルシノールのような単一の芳香環でもビフェノールやビスフェノールAのような多数の芳香環でもよい。
使用する二価フェノールは公知であり、その反応性の基はフェノール性ヒドロキシル基であると考えられる。使用される二価フェノールの幾つかの典型例は、ビス−フェノール、例えばビス(4−ヒドロキシ−フェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノール−Aともいう)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモ−フェニル)プロパン、二価フェノールエーテル、例えばビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、p,p’−ジヒドロキシジフェニル及び3,3’−ジクロロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ジヒドロキシアリールスルホン、例えばビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ジヒドロキシベンゼン、例えばレゾルシノール、ヒドロキノン、ハロ−及びアルキル−置換ジヒドロキシベンゼン、例えば1,4−ジヒドロキシ−2,5−ジクロロベンゼン、1,4−ジヒドロキシ−3−メチルベンゼン、並びにジヒドロキシジフェニルスルフィド及びスルホキシド、例えばビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシ−フェニル)スルホキシド及びビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ−フェニル)スルホキシドである。各種の別の二価フェノールが入手可能であり、米国特許第2999835号、同第3028365号及び同第3153008号(これらはいずれも援用により本明細書の内容の一部をなす)に開示されている。もちろん、2種以上の異なる二価フェノール又は二価フェノールとグリコールの組合せを使用することが可能である。
カーボネート前駆体は通例ハロゲン化カルボニル、ジアリールカーボネート、又はビスハロホルメートである。ハロゲン化カルボニルとしては、例えば、臭化カルボニル、塩化カルボニル、及びこれらの混合物がある。ビスハロホルメートとしては、二価フェノールのビスハロホルメート、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、ヒドロキノンなどのビスクロロホルメート、又はグリコールのビスハロホルメートなどがある。上記カーボネート前駆体はいずれも有用であるが、ホスゲンともいわれる塩化カルボニル、及びジフェニルカーボネート(炭酸ジフェニル)が好ましい。
芳香族ポリカーボネートは、溶融体又は溶液中で二価フェノールをホスゲン、ハロホルメート又はカーボネートエステルのようなカーボネート前駆体と反応させるといったような任意の方法で製造することができる。米国特許第4123436号にはホスゲンを用いた反応が記載されており、米国特許第3153008号にはエステル交換法が記載されている。
好ましいポリカーボネートは低い複屈折率を有する樹脂が得られる二価フェノールから作成され、例えば、次のようなペンダントアリール又はカップ形アリール基を有する二価フェノールから作成される。フェニル−ジ(4−ヒドロキシフェニル)エタン(アセトフェノンビスフェノール)、ジフェニル−ジ(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ベンゾフェノンビスフェノール)、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス−(2−フェニル−3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン、1,1−ビス(5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、3,3’−ジフェニル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ジフェニルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−フェニルエタン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロ(ビス)インダン(以下「SBI」)、又はスピロビインダンから誘導された二価フェノール。
ポリカーボネートの製造に通例使用されるその他の二価フェノールが米国特許第2999835号、同第3038365号、同第3334154号及び同第4131575号に開示されている。米国特許第3635895号及び同第4001184号に記載されているもののような枝分れポリカーボネートも有用である。ポリカーボネートブレンドは線状ポリカーボネートと枝分れポリカーボネートのブレンドを包含する。
本発明のポリカーボネート混合物を製造するのにホモポリマーではなくカーボネートコポリマー又は共重合体を使用したい場合には、2種以上の異なる二価フェノールを使用したり、又は二価フェノールと、ダイマー酸、ドデカンジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸のような脂肪族ジカルボン酸とのコポリマーを使用したりすることも可能である。最も好ましいのは脂肪族C5〜C12二酸コポリマーである。
好ましいポリカーボネートは、固有粘度(塩化メチレン中25℃で測定)が約0.30〜約1.00dl/gmの範囲にある高分子量の芳香族カーボネートポリマーであるのが好ましい。ポリカーボネートは枝分れしていても枝分れしていなくてもよく、一般にゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が約10000〜約200000、好ましくは約20000〜約100000である。ポリカーボネートは様々な公知の末端基を有していてもよいと考えられる。
A.混和性添加剤
本出願人は、驚くべきことに、第2の成分として混和性添加剤を使用することによってマトリックス又は連続相の屈折率を制御することが可能であることを見出した。この混和性添加剤は、1)環式脂肪族ポリエステル、2)レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)(RDP)、及び3)ポリカーボネートブロックコポリマーの群から選択される。最も好ましい混和性添加剤は環式脂肪族ポリエステルである。
本出願人は、驚くべきことに、第2の成分として混和性添加剤を使用することによってマトリックス又は連続相の屈折率を制御することが可能であることを見出した。この混和性添加剤は、1)環式脂肪族ポリエステル、2)レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)(RDP)、及び3)ポリカーボネートブロックコポリマーの群から選択される。最も好ましい混和性添加剤は環式脂肪族ポリエステルである。
1.添加剤としての環式脂肪族ポリエステル
これは、次式Iの繰返し単位を有するポリエステルからなる。
これは、次式Iの繰返し単位を有するポリエステルからなる。
式中、R又はR1の1つ以上はシクロアルキル含有基である。
このポリエステルは、Rが6〜20個の炭素原子を有するアリール、アルカン若しくはシクロアルカン含有ジオール又はその化学的等価体の残基であり、R1が炭素原子数6〜20のアリール、脂肪族若しくはシクロアルカン含有二酸又はその化学的等価体から誘導された脱カルボキシル化残基である縮合生成物である。但し、R又はR1の1つ以上が環式脂肪族である。本発明の好ましいポリエステルはRとR1の両方が環式脂肪族である。
本環式脂肪族ポリエステルは脂肪族二酸又は化学的等価体と脂肪族ジオール又は化学的等価体の縮合生成物である。この環式脂肪族ポリエステルは、脂肪族二酸と脂肪族ジオールの混合物から作成することができるが、50モル%以上の環式二酸及び/又は環式ジオール成分を含有していなければならず、残りがある場合その残りは線状の脂肪族二酸及び/又はジオールでよい。これらの環式成分は、ポリエステルに良好な剛性を付与し、かつポリカーボネート樹脂との有利な相互作用によって透明なブレンドの形成を可能にするために必要である。
このポリエステル樹脂は通例、ジオール又はジオール等価成分と二酸又は二酸化学的等価成分との縮合又はエステル交換重合によって得られる。
RとR1は好ましくはシクロアルキル基であり、好ましい環式脂肪族基R1は1,4−シクロヘキシル二酸から誘導され、最も好ましくはその70モル%超がトランス異性体の形態にある。好ましい環式脂肪族基Rは1,4−シクロヘキシルジメタノールのような1,4−シクロヘキシル第1ジオールから誘導され、最も好ましくはその70モル%超がトランス異性体の形態にある。
混和性添加剤として使用するポリエステル樹脂の製造に有用なその他のジオールは直鎖、枝分れ、又は環式脂肪族アルカンジオールであり、2〜12個の炭素原子を含有することができる。かかるジオールの例としては、特に限定されないが、エチレングリコール、プロピレングリコール、すなわち、1,2−及び1,3−プロピレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル,2−メチル,1,3−プロパンジオール、1,3−及び1,5−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジメタノールデカリン、ジメタノールビシクロオクタン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、特にそのシス−及びトランス−異性体、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール(TMCBD)、トリエチレングリコール、1,10−デカンジオール、並びに以上のものの任意の混合物がある。好ましくは、環式脂肪族ジオール又はその化学的等価体、特に1,4−シクロヘキサンジメタノール又はその化学的等価体をジオール成分として使用する。
ジオールの化学的等価体としては、ジアルキルエステル、ジアリールエステルなどのようなエステルがある。
脂肪族ポリエステル樹脂の製造に有用な二酸は環式脂肪族二酸が好ましい。これは、各々が飽和炭素に結合した2つのカルボキシル基を有するカルボン酸を含めて意味する。好ましい二酸はシクロ又はビシクロ脂肪族酸、例えば、デカヒドロナフタレンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ビシクロオクタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸又は化学的等価体であり、最も好ましいのはトランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸又は化学的等価体である。アジピン酸、アゼライン酸、ジカルボキシルドデカン酸及びコハク酸のような線状ジカルボン酸も有用であり得る。
シクロヘキサンジカルボン酸及びその化学的等価体は、例えば、水又は酢酸のような適切な溶媒中で炭素又はアルミナのような担体に担持されたロジウムのような適切な触媒を用いてイソフタル酸、テレフタル酸又はナフタレン酸のような環式芳香族二酸及び対応誘導体の水添によって製造することができる。Friefelderら、Journal of Organic Chemistry、31、3438(1966年)、米国特許第2675390号及び同第4754064号参照。また、反応条件下でフタル酸が少なくとも部分的に可溶である不活性液体媒体と、炭素又はシリカ上に担持されたパラジウム又はルテニウムの触媒を用いて製造してもよい。米国特許第2888484号及び同第3444237号参照。
通例、この水添で、カルボン酸基がシス又はトランスの位置にある2種の異性体が得られる。これらのシス−及びトランス−異性体は溶剤(例えばn−ヘプタン)を用いての又は溶剤なしでの結晶化、又は蒸留によって分離することができる。シス−異性体はブレンド性に優れる傾向があるが、トランス−異性体の方が融点及び結晶化温度が高く、好ましいであろう。シス異性体とトランス異性体の混合物も本発明で有用である。異性体混合物又は2種以上の二酸若しくはジオールを使用する場合、コポリエステル又は2種のポリエステルの混合物を本環式脂肪族ポリエステル樹脂として使用することができる。
これらの二酸の化学的等価体としては、エステル、アルキルエステル、例えば、ジアルキルエステル、ジアリールエステル、無水物、塩、酸塩化物、酸臭化物などがある。好ましい化学的等価体は環式脂肪族二酸のジアルキルエステルからなり、最も有利な化学的等価体は酸のジメチルエステル、特にジメチル−トランス−1,4−シクロヘキサン−ジカルボキシレートである。
好ましい環式脂肪族ポリエステルは、ポリ(1,4−シクロヘキサン−ジメタノール−1,4−ジカルボキシレート)(PCCD)ともいわれるポリ(シクロヘキサン−1,4−ジメチレンシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート)である。有利なPCCDはシス/トランス形態を有する。
ポリエステルの重合反応は一般に、溶融体中で、適切な量、通例最終生成物を基準にして約50〜200ppmのチタンのテトラキス(2−エチルヘキシル)チタネートのような適切な触媒の存在下で行う。
本成形用組成物中に使用する好ましい脂肪族ポリエステルは、50℃超、さらに好ましくは80℃超、最も好ましくは約100℃超のガラス転移温度(Tg)を有する。
脂肪族ポリエステルをPCに添加することの一つの利点は、その低いガラス転移温度(Tg)が、PC(又は衝撃改質PC)の流動性を顕著に改良し、その結果全体として非常に有利な流動/衝撃バランスが得られることである。もう一つの利点は、ポリエステルが、ニートPCに対して非常に攻撃的な各種の化学薬品に対する全体的な耐薬品性を改良することである。これらの化学薬品の例はアセトン、コパトーン、ガソリン、トルエン等である。
上に述べたように、最終のポリカーボネートグレードは低温延性、流動性及び耐薬品性と共に透明性の点で独特な特性プロフィールを有している。正確な延性は衝撃改質剤の量によって調節することができる。上で概論した衝撃改質剤はすべてうまく使用するのに独特なPC/PCCD比をもっており、その意味するところは、用途の要件に合うPC/PCCD比を選ぶという選択ができるということである(熱、流動性、耐薬品性はPC/PCCD比によって直接決定される)。
また、混和性添加剤として、上記のポリエステルで、ポリマー性脂肪族酸及び/又はポリマー性脂肪族ポリオールから誘導された単位を約1〜約50重量%有していてコポリエステルを形成しているものも考えられる。この脂肪族ポリオールとしては、ポリ(エチレングリコール)やポリ(ブチレングリコール)のようなグリコール類がある。かかるポリエステルは、例えば米国特許第2465319号及び同第3047539号の教示に従って製造することができる。
2.添加剤としてのRDP
本発明の一つの実施形態において、混和性添加剤はレゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)(RDP)のようなオリゴマー性添加剤である。
本発明の一つの実施形態において、混和性添加剤はレゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)(RDP)のようなオリゴマー性添加剤である。
3.ポリカーボネートコポリマー
本発明の別の実施形態において、混和性添加剤は、ドデカン二酸を含んでおりGeneral Electric社から市販されているポリカーボネートコポリマーであるPC−SPドデカン−PCコポリマーのようなポリカーボネートコポリマーである。
本発明の別の実施形態において、混和性添加剤は、ドデカン二酸を含んでおりGeneral Electric社から市販されているポリカーボネートコポリマーであるPC−SPドデカン−PCコポリマーのようなポリカーボネートコポリマーである。
マトリックス中の2種の成分、例えば、ポリカーボネートと、RDP、PCコポリマー、又は環式脂肪族ポリエステルから選択される混和性添加剤とのブレンドの屈折率はそれらの相対量を変えることによって制御することができ、その2つの相が使用する割合で混和性である限り、連続相又はマトリックスは透明である。
一つの実施形態においては、ポリカーボネートとポリ(1,4−シクロヘキサンジメタノール−1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート)(PCCD)の混合物を使用するが、このポリカーボネートの屈折率は約1.58、PCCDポリマーの屈折率は1.51である。
別の実施形態においては、ポリカーボネートとレゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)(RDP)のような混和性オリゴマー性添加剤との混合物を使用するが、このRDPの屈折率は1.56〜1.57である。
さらに別の実施形態において、混合物全体の80:20〜5:95重量%の範囲の環式脂肪族ポリエステルとポリカーボネートの混合物を使用する。70:30〜40:60のブレンドが最も好ましい。
II.不連続不混和性分散相
不連続不混和性分散相は透明な熱可塑性ポリマーの領域を構成している。
不連続不混和性分散相は透明な熱可塑性ポリマーの領域を構成している。
本発明の一つの実施形態において、マトリックスの熱可塑性樹脂はR.I.が1.55〜1.59のポリカーボネートであり、分散相は透明な熱可塑性ポリマー、例えば1.46〜1.58のR.I.を有するアクリロニトリル−ブタジエン−ゴム(ABS)である。
別の実施形態において、分散相は非晶質の衝撃改質剤コポリマー樹脂からなり、これはグラフト若しくはコアシェルゴム又はこれらの改質剤の2以上の組合せのような幾つかの異なるゴム状改質剤の一つからなり得る。例としては、アクリルゴム、ASAゴム、ジエンゴム、有機シロキサンゴム、EPDMゴム、SBS又はSEBSゴム、ABSゴム、MBSゴム及びグリシジルエステル衝撃改質剤といわれる改質剤の群がある。用語アクリルゴム改質剤とは、架橋又は部分的に架橋した(メタ)アクリレートゴム状コア相、好ましくはアクリル酸ブチルを有する多段コア−シェル共重合体改質剤をいうものとすることができる。この架橋アクリルエステルコアに結合して、ゴム状コア相と相互に侵入するアクリル又はスチレン系樹脂の外側シェルがある。樹脂シェル内に小量のアクリロニトリルや(メタ)アクリロニトリルのような他のモノマーを配合したものも適切な衝撃改質剤を提供する。
一つの実施形態において、不連続相を構成する衝撃改質剤には、以下に定義するようなシアン化ビニルモノマー、ジ−オレフィン、ビニル芳香族モノマー及びビニルカルボン酸エステルモノマーから誘導されたポリマーの群が含まれる。
シアン化ビニルモノマーの例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、(−クロロアクリロニトリル及び(−ブロモアクリロニトリルがある。ジ−オレフィンの例としては、ブタジエン、イソプレン、1,3−ヘプタジエン、メチル−1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−エチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、クロロブタジエン、ブロモブタジエン、ジクロロブタジエン、ジブロモブタジエン及びこれらの混合物がある。置換ビニル芳香族モノマーの例としては、スチレン、4−メチルスチレン、ビニルキシレン、3,5−ジエチルスチレン、p−tert−ブチル−スチレン、4−n−プロピルスチレン、(−メチル−スチレン、(−エチル−スチレン、(−メチル−p−メチルスチレン、p−ヒドロキシ−スチレン、メトキシ−スチレン、クロロ−スチレン、2−メチル−4−クロロ−スチレン、ブロモ−スチレン、(−クロロ−スチレン、(−ブロモ−スチレン、ジクロロ−スチレン、2,6−ジクロロ−4−メチル−スチレン、ジブロモ−スチレン、テトラクロロ−スチレン及びこれらの混合物がある。ビニルカルボン酸エステルモノマーの例としては、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸プロピル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、エタクリル酸メチル及びこれらの混合物がある。
「モノマー」という用語を使用することによって、通例重合反応に利用される全ての重合可能なモノマー及びコポリマー種が包含され、モノマーの例を挙げると主として単一のモノマーのホモポリマー、2種以上のモノマーのコポリマー、3種のモノマーのターポリマー及びこれらの物理的混合物があるものと理解される。例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)ホモポリマーとスチレン−アクリロニトリル(SAN)コポリマーの混合物を使用して「遊離の剛性相」を形成してもよいし、或いはメチルメタクリレート−スチレン−アクリロニトリル(MMASAN)ターポリマーを使用してもよい。
上記のものに加えて又はその代わりにさらに各種モノマーを使用して本明細書に開示した組成物の各種特性をさらに改変することができる。一般に、本発明の成分は、本発明の目的物及び利点を損なわない範囲内で1種以上の共重合可能なモノマーと共にコンパウンディングすることができる。例えば、SBRに加えて又はその代わりに、ゴム相はポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリルコポリマー、ポリイソプレン、EPM及びEPRゴム(エチレン/プロピレンゴム)、EPDMゴム(エチレン/プロピレン/非共役ジエンゴム)、並びにC1〜C8アルキルアクリレート、特にエチル、ブチル及びエチルヘキシルアクリレートを主体とする架橋アルキルアクリレートゴムの単独からなっていてもよいし、又はこれらの2種以上を混合物として含んでいてもよい。さらに、ゴムはブロック又はランダムコポリマーを含んでいてもよい。グラフト又は遊離の剛性相に使用するスチレン及びアクリロニトリルモノマーに加えて又はその代わりに、アクリル酸、メタクリル酸及びイタコン酸のようなビニルカルボン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド及びn−ブチルアクリルアミドのようなアクリルアミド類、無水マレイン酸及びイタコン酸無水物のようなα−,β−不飽和ジカルボン酸無水物、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−アリールマレイミド及びハロ置換N−アルキル,N−アリールマレイミドのようなα−,β−不飽和ジカルボン酸のイミド、イミド化ポリメタクリル酸メチル(ポリグルタルイミド)、ビニルメチルケトン及びメチルイソプロペニルケトンのような不飽和ケトン、エチレン及びプロピレンのようなα−オレフィン、酢酸ビニル及びステアリン酸ビニルのようなビニルエステル、塩化及び臭化ビニル及びビニリデンのようなハロゲン化ビニル及びビニリデン、ビニルナフタレン及びビニルアントラセンのようなビニル−置換縮合芳香環構造並びにピリジンモノマーを始めとするモノマーを、単独で、又は2種以上の混合物として使用してもよい。
衝撃改質剤はSBR高ゴムグラフトとSAN遊離剛性相を主体とするのが好ましい。約20〜約45%のゴム量が好ましい。この組成物は、a)ビニル芳香族モノマーとビニルカルボン酸エステルモノマーから誘導され、組成物の総重量を基準にして約30〜約70重量%、さらに好ましくは約35〜約50重量%、最も好ましくは約38〜約47重量%の重量%レベルで存在する遊離の剛性相、及びb)ビニル芳香族モノマーとジ−オレフィンから誘導されたコポリマーからなる幹コポリマーと、芳香族モノマーから誘導されたコポリマーからなる枝コポリマーとからなり、組成物の総重量の約30〜約70重量%、さらに好ましくは約50〜約65重量%、最も好ましくは約53〜約62重量%のレベルで存在するグラフトコポリマー(グラフト相)からなり、c)遊離の剛性相の屈折率とグラフト相の計算された屈折率とがほぼ同じである(すなわち、約.005以下の範囲内で一致する)のが好ましい。
これらの相の屈折率は成分の重量百分率及びそれらの屈折率に基づいて容易に計算できる。例えば、ブタジエン、スチレン、アクリロニトリル及びメタクリル酸メチルホモポリマーの屈折率はそれぞれ1.515、1.591、1.515及び1.491である。85:15の比のブタジエン/スチレンの屈折率は(.85×1.515)+(.15×1.591)=〜1.526と計算される。スチレン対アクリロニトリルの比が80:20であるグラフト化SANの屈折率は(.80×1.591)+(.20×1.515)=〜1.576と計算される。
65%のスチレン−ブタジエンゴム(ブタジエン:スチレン=85:15)と35%のグラフト化SAN(スチレン:アクリロニトリル=80:20)のグラフトコポリマーの屈折率は(.65×1.526)+(.35×1.576)=〜1.544と計算される。
上記の例で、遊離の剛性相は±0.005の範囲内でグラフトゴム相とほぼ同じ屈折率をもっていなければならない。PMMA60%と、スチレン75%及びアクリロニトリル25%のSAN40%との遊離の剛性相は屈折率がほぼ1.539であり、従って0.005の範囲内でグラフト相の屈折率と一致する。
遊離の剛性相はスチレン−アクリロニトリル(SAN)から誘導されるのが好ましい。スチレンとアクリロニトリルの比は好ましくは1.5〜15(すなわち、好ましくは遊離の剛性相の総重量を基準にして重量で約60〜約94%のスチレン及び約6〜約40%のアクリロニトリル)、さらに好ましくは約4〜12(遊離の剛性相の総重量を基準にして重量で約80〜約92%のスチレン及び約8〜約20%のアクリロニトリル)、最も好ましくは約6〜9(遊離の剛性相の総重量を基準にして重量で約85〜約90%のスチレン及び約10〜約15%のアクリロニトリル)である。
グラフトコポリマーはビニル芳香族−ジ−オレフィンゴム幹コポリマーから誘導されるのが好ましい。グラフトコポリマーは、好ましくはグラフトコポリマーの総重量を基準にして約40〜約90%の幹コポリマー及び約10〜約60%の枝コポリマー、さらに好ましくは重量で約55〜約75%の幹コポリマー及び約25〜45%の枝コポリマー、最も好ましくは約65重量%の幹コポリマー及び35重量%の枝コポリマーからなる。
幹コポリマーは、好ましくはビニル芳香族成分レベルが幹コポリマーの総重量を基準にして約0%超〜約30重量%、さらに好ましくは10〜20重量%、最も好ましくは15重量%で、ジ−オレフィン成分レベルが幹コポリマーの総重量を基準にして重量で約70〜約100%のジ−オレフィン、さらに好ましくは約80〜約90重量%、最も好ましくは約85重量%である。
枝は適宜メタクリル酸メチルのようなビニルカルボン酸エステル成分を含有していてもよい。グラフト相は好ましくは重量平均粒度が2400オングストローム(0.24ミクロン)未満、さらに好ましくは1600オングストローム(0.16ミクロン)未満、最も好ましくは1200オングストローム(0.12ミクロン)未満である。一般に、ゴムの粒度はグラフトコポリマーの最適なグラフト化レベルに影響を及ぼす。所与の重量百分率の粒度の小さいゴム粒子は同程度の重量の粒度の大きいゴム粒子よりも大きなグラフト化のための表面積を提供するので、グラフト化の密度はそれに応じて変化し得る。一般に、粒度の小さいゴム粒子では、ほぼ匹敵する結果を与えるのに、大きな粒子よりも高い枝/幹比を好ましく利用する。
グラフト相は、当技術分野で周知の様々な混合工程により遊離の剛性相のホモポリマー、コポリマー及び/又はターポリマーと凝集、混和及び衝突してポリブレンドを形成することができる。
一つの実施形態において、分散相は二相のABS系であり、第1の相はスチレン−アクリロニトリルのコポリマー(SAN)が結合している高ゴムスチレン−ブタジエンゴム(SBR)グラフト相からなり、第2の相又は剛性相はポリメチルメタクリレート(PMMA)の形態のメタクリル酸メチルとSANからなり、一般に「遊離の剛性相」といわれる。SBR/SANグラフト相は、ポリマー連続相を形成している剛性相PMMA/SAN全体に分散している。ゴムの界面はグラフト相と剛性相との境界を形成する表面である。グラフト化SANはこの界面でゴムと剛性相との間の相溶化剤として働き、通常では不混和性のこれら2つの相の分離を防ぐ。
別の実施形態においては、分散相は、a)約25〜約75重量%の、スチレン、p−メチルスチレン、第三ブチルスチレン、ジメチルスチレン、及びこれらの核臭素化又は塩素化誘導体からなる群から選択されるスチレン系モノマー、b)約7〜30重量%のアクリル酸ブチル、c)約10〜50重量%のメタクリル酸メチル、及びd)約2〜約20の、スチレン−ブタジエン、スチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−イソプレン、スチレン−イソプレン−スチレン、部分水添スチレン−ブタジエン−スチレン及び部分水添スチレン−イソプレン−スチレン線状又はラジアルブロックコポリマーのジブロック及びトリブロックコポリマーからなる群から選択される分子量約75000未満のブロックコポリマーからなるMBSである。
分散相としてのMBSの一つの実施形態において、MBSは、塊状重合法で製造され、NOVA Chemicals社からZYLARという商標で入手でき、ブタジエンを含有する他の分散相透明材料と比較して高いレベルのRIを有する透明な材料である。この塊状法MBSはゴムの起源としてブロックスチレンブタジエンゴムを利用することによって独特な形態を有している。別の実施形態において、塊状法MBSの量は熱可塑性組成物の総重量の0.1重量%以上の量で存在する。好ましい実施形態においてこの量は約2〜20重量%である。最も好ましい実施形態においてこの量は約4〜10重量%である。
SANを使用する分散相の別の実施形態においては、SAN相の屈折率を調節する(増大する)。このためには、スチレンアクリロニトリルポリマー中のアクリロニトリルの量を低下する。言い換えると、スチレンアクリロニトリルコポリマーのスチレン含有率を増大させるとコポリマーの屈折率が増す。対照的に、メチルメタクリレートをコモノマーとして使用すると一般に屈折率が低下する。このように、コポリマーの屈折率を増大させたいか低下させたいかに応じてコモノマーを選択することができる。
分散相の一つの実施形態において、衝撃改質剤は米国特許第4292233号(援用する)に開示されているような種類のものである。一般に、これらの衝撃改質剤はアクリロニトリルとスチレンがグラフト化している比較的高い含有率の架橋ブタジエンポリマーグラフト化ベースを含んでいる。
別の実施形態において、ゴムは、PMMA又はSANがグラフト化したポリアルキルアクリレート又はポリオレフィンからなるTgが0℃未満、好ましくは約−40〜−80℃のゴム状成分を有するグラフト又はコアシェル構造である。好ましくはゴム含有率は40wt%以上、最も好ましくは約60〜90wt%である。さらに別の実施形態において、ゴムは、Rohm & Haas社から市販されているようなブタジエンコア−シェルポリマー、例えばParaloid(登録商標)EXL2600である。幾つかの実施形態において、衝撃改質剤はブタジエン系ゴム状コアと、メチルメタクリレート単独又はこれとスチレンとの組合せから重合された第二段を有する二段階ポリマーからなる。その他の適切なゴムはGE Specialty Chemicals社から市販のABSタイプのBlendex(登録商標)336及び415である。いずれのゴムもSBRゴムの衝撃改質剤樹脂を主体としている。以上述べたゴムは分散相として非常に適切であるようであるが、多くの他のゴムを使用することができる。一つの実施形態において、ゴムはRIが1.51〜1.58であり、これは適度な透明度を有する。
別の実施形態において、分散相は粒度範囲が50〜1000nmのMBS/ABSタイプのゴムからなり、このゴムはブタジエン又はスチレン含有率が40%以下のスチレン−ブタジエンである。ABSゴム中のスチレンとアクリロニトリルの比は100/0〜50/50であることができ、好ましい比は80/20〜70/30である。典型的な例はGE Plastics社製のABS 415(RI=1.542)及びABS 336(RI=1.546)、並びにMBS材料であり、Rohm & Haas社製のBTA702、BTA736である。これらのゴムはすべて、透明性を損なうことなくPVCの靱性を改良するためにPVC市場で衝撃改質剤として使用されている。
驚くべきことに、Rohm & Haas社製のMBS EXL2600のような不透明な衝撃改質剤の場合、PCCDをこれらのPC/衝撃改質剤組成物に添加すると極めて類似した結果を生じた。すなわち、RIを一致させるために独特なPC/PCCD比を有する改質剤を用いて高い透過度と低いヘイズ値が得られた。
透明な衝撃改質PCブレンドに対するさらに別の実施形態において、高ゴムグラフトABS樹脂とPMMAを用いて適度な透明生成物が得られる。これらの樹脂はすべてSAN(スチレン−アクリロニトリルコポリマー)グラフトを有しており、PMMAを使用してグラフト及び遊離のSANのRIを低下させてPC/PCCDであるマトリックスのRIを一致させることができる。
III.本発明の組成物のRIの一致
本発明で得られる組成物の透明性又は半透明性、及びヘイズの測定値は、「分散相」が連続相の屈折率と一致するか又は近似する屈折率を有するか否かに依存する。
本発明で得られる組成物の透明性又は半透明性、及びヘイズの測定値は、「分散相」が連続相の屈折率と一致するか又は近似する屈折率を有するか否かに依存する。
本発明で屈折率の一致という用語は、2以上の不混和性相が混合物を構成する場合、得られる混合物が透明であるときに、それぞれの屈折率が一致するといわれるものと機能的に定義される。例えば、ポリカーボネートを含む連続相又はマトリックスの屈折率がABSを含む分散相の屈折率と一致する場合、そのアロイは通常透明である。
2つの相の屈折率の一致の程度が少ないとそのアロイは半透明になり、すなわち、分散相(すなわち不連続相)を含むポリマーの粒子がマトリックス又は連続相の屈折率と異なる屈折率を有する。これら2つの相の屈折率に所与のレベルの不一致がある場合、ヘイズのレベルは連続相中の分散相の配合量又は重量%割合を増大させることによって増大させることができる。屈折率の不一致が大きくなるにつれて、所与のレベルの半透明性又はヘイズを達成するのに必要な分散相の配合量は低下する。
機能上、本発明の組成物及び方法を利用する半透明組成物は透明ではないが不透明ではないものである。従って、本発明の透明及び半透明のアロイはいずれも、充填材を含むにしても含まないにしても、不透明でないということができる。
透明性が望ましい一つの実施形態においては、ポリカーボネートマトリックスの屈折率に近い屈折率を有するABSを含む分散相を調製する。ポリカーボネートのR.I.は1.55〜1.59であり、アクリロニトリル−ブタジエン−ゴム(ABS)のR.I.は1.46〜1.58である。これは、ABSのR.I.を増大させなければならないか、又はポリカーボネートのR.I.を低下させなければならないことを意味している。
半透明組成物の場合、ASTM−9125によって測定されるヘイズは約100〜約0、好ましくは約90〜約3、さらに好ましくは約70〜約5、最も好ましくは約50〜約10の範囲である。
ポリカーボネートを含む連続相とABSを含む不連続相との透明及び半透明アロイの実施形態において、ポリカーボネート相の重量割合は、連続相と不連続相の重量%の合計の約95〜約50、好ましくは約90〜約55、さらに好ましくは約85〜約65、最も好ましくは約80〜約70重量%の範囲である。
IV.任意成分
一つの実施形態において、任意成分としては、使用する視覚効果成分に応じて角メタメリズム効果を含む様々な外観のために、リン光性顔料、ケイ光性染料、液晶、メタリック型顔料、例えば国際公開第99/02594号に開示されているような矩形アルミニウムフレークが含まれる。最大の視覚効果のためには、最も深い色効果を得るために完全に透明なマトリックスが望ましい。金属フレークを使用すると衝撃強度と透明性は保持したまま極めて輝かしい金属反射スパークル外観の成形品が得られることに注意されたい。さらに、光学増白剤を添加するとその物品に光輝色を生じさせることができる。適切な光学増白剤としては、芳香族スチルベン誘導体、芳香族ベンゾキサゾール誘導体、又は芳香族スチルベンベンゾキサゾール誘導体がある。これらの光学増白剤のうちで、Ciba Specialty Chemicals社のUvitex OB(2,5−ビス(5’−tert−ブチル−2−ベンゾキサゾリル)チオフェン)が好ましい。
一つの実施形態において、任意成分としては、使用する視覚効果成分に応じて角メタメリズム効果を含む様々な外観のために、リン光性顔料、ケイ光性染料、液晶、メタリック型顔料、例えば国際公開第99/02594号に開示されているような矩形アルミニウムフレークが含まれる。最大の視覚効果のためには、最も深い色効果を得るために完全に透明なマトリックスが望ましい。金属フレークを使用すると衝撃強度と透明性は保持したまま極めて輝かしい金属反射スパークル外観の成形品が得られることに注意されたい。さらに、光学増白剤を添加するとその物品に光輝色を生じさせることができる。適切な光学増白剤としては、芳香族スチルベン誘導体、芳香族ベンゾキサゾール誘導体、又は芳香族スチルベンベンゾキサゾール誘導体がある。これらの光学増白剤のうちで、Ciba Specialty Chemicals社のUvitex OB(2,5−ビス(5’−tert−ブチル−2−ベンゾキサゾリル)チオフェン)が好ましい。
成形された物品に対して際立った視覚効果を有する組成物の一つの例では、ケイ光性染料を添加する。適切なケイ光性染料としては、Permanent Pink R(Color Index Pigment Red 181、Clariant Corporatiion製)、Hostasol Red 5B(Color Index #73300、CAS # 522−75−8、Clariant Corporation製)及びMacrolex Fluorescent Yellow 10GN(Color Index Solvent Yellow 160:1、Bayer Corporation製)がある。これらのうちで、Permanent Pink Rが好ましい。
熱可塑性材料に含ませることが周知の顔料の例も熱可塑性マトリックスに添加することができる。好ましい顔料としては、二酸化チタン、硫化亜鉛、カーボンブラック、クロム酸コバルト、チタン酸コバルト、硫化カドミウム、酸化鉄、スルホケイ酸アルミニウムナトリウム、スルホケイ酸ナトリウム、クロムアンチモンチタンルチル、ニッケルアンチモンチタンルチル、酸化亜鉛、及びポリテトラフルオロエチレンがある。
本発明の一つの実施形態においては、酸化スズとガラス繊維を組み合わせて使用して完成品で「ダイヤモンド」効果を達成する。他の実施形態では、拡散効果のためにPMMAを使用し、真珠光沢効果のために雲母を使用し、メタリック効果のためにAlフレークを使用する。
熱可塑性組成物に各種視覚効果/着色剤添加剤と組み合わせて改質剤を使用すると、ノッチ付アイゾット衝撃のような物理的特性にとって有害であることが知られている。様々な衝撃改質剤が先行技術で公知であるが、先行技術は特殊効果着色剤を有するポリカーボネート(アロイ)の衝撃特性を高めつつその透明性を維持するという問題に対処するという点で不充分である。本出願人は、本発明のブレンド組成物が魅力的な審美性、耐薬品性、及び高い衝撃特性を併せもっており、この特性の組合せが望ましい成形品用途に有用であることを見出した。
別の実施形態においては、以下のような添加剤、すなわち強化剤、充填材、衝撃改質剤、耐熱剤、成核剤、耐候剤、可塑剤、難燃剤、流動性向上剤、安定剤、離型剤、及び帯電防止 酸化防止剤、流動助剤、ドリップ抑制剤、奪活剤、鉱物、例えばタルク、粘土、雲母、バライト、ウォラストナイト、その他の安定剤、例えば特に限定されないがUV安定剤、例えばベンゾトリアゾール、補助強化用 充填材、例えばフレーク状又はミルドガラスなど、難燃剤、顔料、又はこれらの組合せを本発明の組成物に添加してもよい。これらの添加剤は、組成物の特性が損なわれないことを条件として、混合又は成形工程で導入できる。
任意の滑剤及び離型剤の例はエチレンビスステアラミド、エチレンジアミンビスステアラミド、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ベヘン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、グリセリン、鉱物油、液体パラフィン、ワックス、高級脂肪アミド、高級脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、及びシリコーン系離型剤である。離型剤のその他の例としては、特に限定されないが、ペンタエリトリトールテトラカルボキシレート、グリセロールモノカルボキシレート、グリセロールトリカルボキシレート、ポリオレフィンがある。適切な帯電防止剤としては、特に限定されないが、ホスホニウム塩、ポリアルキレングリコール、スルホニウム塩、並びにアルキル及びアリールアンモニウム塩がある。安定剤又は酸化防止剤の例賭しては、亜リン酸エステル(例えば、芳香族亜リン酸エステル熱安定剤)、リン酸及び亜リン酸の金属塩、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、及び芳香族ラクトン遊離基捕捉剤がある。
強化用充填材の例としては、微粉末アルミニウム、鉄、ニッケルのような金属充填材、又は金属酸化物がある。非金属充填材としては、炭素フィラメント、ケイ酸塩、例えば雲母、ケイ酸アルミニウム又は粘土、タルク及びアスベスト、酸化チタン、ウォラストナイト、ノバキュライト、チタン酸カリウム、チタネートウィスカー、ガラス充填材及びポリマー繊維、又はこれらの組合せがある。強化剤として使用する場合強化剤として有用なガラス充填材はその種類又は形状が特に限定されることはなく、例えば、ガラス繊維、ミルドガラス、ガラスフレーク及び中空又は中実ガラスビーズでよい。ガラス充填材は、シランやチタネートタイプの薬剤のようなカップリング剤で表面処理して樹脂との接着力を高めることができるし、或いは無機酸化物で被覆して充填材に幾らかの表面色を付けることができる。その他のタイプのガラス充填材を使用して装飾効果又は特殊な光学効果を完成品に付与してもよいし、またそのようなガラス充填材は同時に強化用充填材として機能することもある。
強化用充填材は、補強効果を与えるのに充分な量で使用するのが好ましく、通常組成物の総重量を基準にして1〜60重量%、好ましくは10重量%未満使用する。ガラス繊維、又はガラス繊維とタルク、雲母若しくはケイ酸アルミニウムの組合せが好ましい強化剤である。これらの繊維は約0.00012〜0.00075インチの長さであるのが好ましい。充填材が、充填される熱可塑性組成物の光学特性を補完する、例えばRIの密接な一致のような光学特性をもっていない限り、充填材の添加量は材料が不透明になる量よりも少なくなければならない。
組成物が環式脂肪族ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂を含有しているさらに別の実施形態においては、安定剤又は奪活剤を使用する。触媒奪活剤は樹脂中に存在し得るあらゆる触媒の活性を阻害する物質である。触媒奪活剤は米国特許第5441997号に詳細に記載されている。ポリエステルポリカーボネートブレンドに対して発色及び透明度損失を回避するために適正な消光剤を選択するのが望ましい。
奪活剤を含めて好ましい種類の安定剤は透明で無色の生成物が得られるようなものである。通例、かかる安定剤は0.001〜10重量%のレベル、好ましくは0.005〜2重量%のレベルで使用する。
最も好ましい奪活剤はリンのオキソ酸又は酸性有機リン化合物である。無機の酸性リン化合物も奪活剤として使用することができるが、ヘイズすなわち透明度の損失をもたらすことがある。最も好ましい奪活剤はリン酸若しくは亜リン酸又はこれらの部分エステルである。
有利な安定剤としては、有効量の酸性リン酸塩、1以上の酸性水素を有する酸性アルキル、アリール若しくは混合亜リン酸エステル、IB族若しくはIIB族金属リン酸エステル塩、リンオキソ酸、金属酸性ピロリン酸塩又はこれらの混合物がある。安定剤として使用する特定の化合物の適性及び安定剤として使用すべき量の決定は、ポリエステル樹脂成分とポリカーボネートの混合物を調製し、溶融粘度、ガス生成若しくは色安定性又は共重合体の形成に対する影響を決定することによって容易に決定することができる。酸性リン酸塩としては、リン酸二水素ナトリウム、リン酸一亜鉛、リン酸水素カリウム、リン酸二水素カルシウムなどがある。
IB族又はIIB族金属のリン酸塩としてはリン酸亜鉛などがある。リンオキソ酸としては亜リン酸、リン酸、ポリリン酸又はヒドロ亜リン酸がある。
ポリ酸ピロリン酸塩は式Mz xHyPnO3n+1で表すことができ、式中のMは金属であり、xは1〜12の範囲の数であり、yは1〜12の範囲の数であり、nは2〜10の数であり、zは1〜5の数であり、(xz)+yの和はn+2に等しい。好ましいMはアルカリ又はアルカリ土類金属である。
本発明の一つの実施形態においては、臭素化ビスフェノールから誘導されたポリカーボネートを難燃剤として添加する。かかる臭素化ポリマーを添加する場合、組成物に無機又は有機アンチモン化合物をさらにブレンドして、かかるポリカーボネートにより導入される難燃性を相乗的に高めることができる。適切な無機アンチモン化合物は酸化アンチモン、リン酸アンチモン、KSb(OH)6、NH4SbF6及びSb2S3である。有機酸のアンチモン酸エステル、環式アルキルアンチモン酸エステル及びアリールアンチモン酸化合物のような広範囲の有機アンチモン化合物も使用できる。典型的な有機アンチモン化合物の例は酒石酸アンチモンカリウム、カプロン酸のアンチモン塩、Sb(OCH2CH3)3、Sb(OCH(CH3)CH2CH3)3、アンチモンポリメチレングリコラート及びトリフェニルアンチモンである。好ましいアンチモン化合物は酸化アンチモンである。
V.製造
組成物をブレンドする方法は慣用の技術によって実施することができる。本発明の樹脂組成物を製造するには、成分を任意の公知の方法によって混合すればよい。通例、2つの別個の混合工程、すなわち予混合工程と溶融混合工程がある。予混合工程では、乾燥成分を互いに混合する。この予混合工程は通例、タンブラーミキサー又はリボンブレンダーを用いて実施する。しかし、所望により、Henschelミキサー又は類似の高強度装置のような高剪断ミキサーを用いてプリミックスを製造することができる。この予混合工程に続いて溶融混合工程があり、そこではプリミックスを溶融させ、溶融体の状態で再度混合する。或いは、予混合工程を省略し、単に原料を別々の供給系を介して溶融混合装置の供給部に直接添加することが可能である。溶融混合工程では、成分は通例単軸式若しくは二軸式押出機、Banburyミキサー、2本ロールミル、又は類似の装置で溶融混練される。
組成物をブレンドする方法は慣用の技術によって実施することができる。本発明の樹脂組成物を製造するには、成分を任意の公知の方法によって混合すればよい。通例、2つの別個の混合工程、すなわち予混合工程と溶融混合工程がある。予混合工程では、乾燥成分を互いに混合する。この予混合工程は通例、タンブラーミキサー又はリボンブレンダーを用いて実施する。しかし、所望により、Henschelミキサー又は類似の高強度装置のような高剪断ミキサーを用いてプリミックスを製造することができる。この予混合工程に続いて溶融混合工程があり、そこではプリミックスを溶融させ、溶融体の状態で再度混合する。或いは、予混合工程を省略し、単に原料を別々の供給系を介して溶融混合装置の供給部に直接添加することが可能である。溶融混合工程では、成分は通例単軸式若しくは二軸式押出機、Banburyミキサー、2本ロールミル、又は類似の装置で溶融混練される。
一つの実施形態においては、ポリエステルとポリカーボネートを、改質剤の屈折率と一致するように選択された量でプリブレンドする。これらの成分は通例粉末又は顆粒であり、ブレンドを押し出し、粉砕してペレットその他の適切な形状にする。次にこれらの成分を、何らかの通常の方法、例えば、乾式混合するか又は溶融状態で押出機その他のミキサー内で混合する。
その後、本発明の組成物は押出又は射出成形のような何らかの公知の方法によって物品に成形することができる。例えば、この組成物を用いて、何らかの慣用の技術によりフィルム、シート又は複雑な形状を製造することができる。
本発明の熱可塑性物品は広範囲の様々な目的に有用である。幾つかの特定の非限定例として、コンピューター、モニター又はプリンターのハウジングのような事務機器のハウジング、携帯電話エンクロージャーのような通信機器のハウジング、データ記憶装置のハウジング、電気製品、又はインストルメントパネル成分のような自動車部品として、又はヘッドランプのレンズに使用することができる。物品はいかなる大きさ又は形状とすることもできる。本発明の熱可塑性物品は、低い透明度及び高い光透過率が設計目的である様な用途に特に好ましい。
上に述べたように、グラフト相の計算された屈折率がマトリックス相の屈折率とほぼ一致するように、スチレン−ブタジエンゴム/スチレン−アクリロニトリル(SBR/SAN)高ゴムグラフト相を、メタクリル酸メチル、スチレン及びアクリロニトリルから誘導された剛性マトリックス相と組み合わせることにより、延性と性能の利点を有する低いヘイズの押出可能で透明なポリマーを製造することができる。一つの実施形態においては、本発明の熱可塑性組成物を、ゴム状の特性、延性、及び他のポリマーに対する良好な接着力を有する薄いフィルムに押し出し、防弾性ポリマー積層体のような物品を低コストで製造する可能性を提供する。
とりわけ改良された引張衝撃と耐薬品性のような改良された特性に加えて、冷間成形操作に対しても製造上の利点がある。材料のTgが低いので、フィルム熱成形の際に用いる温度を下げることができる。これらの製品は、顧客が低温(100℃未満)でこれらのフィルムを形成する可能性を要求し、さらに改良されたパンチ延性と耐薬品性を要求する、例えば自動車電話の透明なキーパッドのような用途に完全に適している。かかるフィルムのその他の典型的な用途は自動車用トリム、自動車用内装品、携帯用携帯用通信機器及び電気製品フロントである。
視覚効果が要求される用途では、視覚効果顔料(例えば、被覆Al及びガラスフレークs)を添加することができる。これらの顔料は、通例ポリカーボネート組成物で見られる機械的特性に対する通常の負の影響を示すことなく本発明のブレンドに添加することができる。これらのフィルムは直接フィルム用途に使用することができるが、IMD(絵付成形)のような工程にも使用することができる。
本発明の好ましい衝撃改質環式脂肪族ポリマー組成物は、
(A)ポリカーボネートと、
(a)1種以上の直鎖、枝分れ、若しくは環式脂肪族C2〜C12アルカンジオール、最も好ましくはC6〜C12環式脂肪族ジオール、又はこれらの化学的等価体、及び
(b)1種以上の環式脂肪族二酸、最も好ましくはC6〜C12二酸、又はこれらの化学的等価体
の反応生成物からなる環式脂肪族ポリエステル樹脂とのブレンドであって、ポリカーボネートと環式脂肪族ポリエステル樹脂との比が20/80〜95/5、好ましくは30/70〜60/40であるブレンド20〜80重量%、並びに
(B)幾つかの異なる改質剤の1種又はこれらの改質剤の2種以上の組合せを含む実質的に非晶質の樹脂からなる衝撃改質剤1〜30%、好ましくは5〜20重量%
からなる。適切なものは、ABS改質剤、ASA改質剤、MBS改質剤、EPDMグラフトSAN改質剤、アクリルゴム改質剤といわれる改質剤の群である。
(A)ポリカーボネートと、
(a)1種以上の直鎖、枝分れ、若しくは環式脂肪族C2〜C12アルカンジオール、最も好ましくはC6〜C12環式脂肪族ジオール、又はこれらの化学的等価体、及び
(b)1種以上の環式脂肪族二酸、最も好ましくはC6〜C12二酸、又はこれらの化学的等価体
の反応生成物からなる環式脂肪族ポリエステル樹脂とのブレンドであって、ポリカーボネートと環式脂肪族ポリエステル樹脂との比が20/80〜95/5、好ましくは30/70〜60/40であるブレンド20〜80重量%、並びに
(B)幾つかの異なる改質剤の1種又はこれらの改質剤の2種以上の組合せを含む実質的に非晶質の樹脂からなる衝撃改質剤1〜30%、好ましくは5〜20重量%
からなる。適切なものは、ABS改質剤、ASA改質剤、MBS改質剤、EPDMグラフトSAN改質剤、アクリルゴム改質剤といわれる改質剤の群である。
上に概要を述べた衝撃改質ポリカーボネート樹脂は、高い衝撃、耐薬品性、及び魅力的な審美性を要求する用途に優れた物質である。外観を改良するためには、特殊効果添加剤が着色剤として利用されている。Clarkらの米国特許第5510398号は、押し出された熱可塑性材料に小さい斑点の付いた表面外観を付与する高充填押出ポリアルキレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、充填材、安定剤、及び非分散顔料に関する。第5欄第35行〜第6欄第61行には衝撃改質剤が記載されている。Walshらの米国特許第5441997号には、衝撃改質剤を、硫酸バリウム、硫酸ストロンチウム、酸化ジルコニウム、又は硫酸亜鉛充填材を有するポリカーボネート/ポリエステル組成物と組み合わせて使用することが記載されている。Gallucciらの米国特許5814712号には、ポリカーボネート/ポリエステル樹脂用の衝撃改質剤としてのグリシジルエステル、及び任意であるその他の衝撃改質剤が記載されている。Fromuthらの米国特許第4264487号には、芳香族ポリカーボネート、アクリレート系コア−シェルポリマー、及び芳香族ポリエステルが記載されている。
好ましいブレンドのガラス転移温度は60〜150℃であり、90〜150℃の範囲が最も好ましい。
室温での曲げ弾性率(ASTMのD790法で測定する)は15000psi以上が好ましく、250000psi以上の曲げ弾性率がさらに好ましい。
黄色度(YI)はASTMのD1925法で測定して10未満、好ましくは5未満である。
ASTMのD1003法で測定したヘイズは、好ましい組成物では5%未満であるが、場合によって最高の熱耐性が必要とされる場合には、高めのヘイズレベル(5〜60%)が好ましい。
以下の実施例により本発明をさらに例示する。これらの実施例は本発明の代表例であって、いかなる意味でもその範囲を限定するものではない。
全ての実施例で、特に断らない限り、ブレンドは、全ての成分を1〜5分間室温でタンブル混合した後同方向回転型30mm真空ベント付き二軸式押出機を用いて250〜300℃で押し出すことによって調製した。ブレンドは300rpmで調製した。得られた材料を水浴でストランドとして冷却し、ペレット化した。得られた材料を100〜120℃で3〜6時間乾燥し、光学特性を評価するためにディスク又はディスクのセクション(ファン)に射出成形した。
実施例1
バッチ1〜7のデータから、PCCDをPCに添加すると流動性が大幅に改良されることが明らかである。流動性の改良に加えて、低温延性も改良され、一方PCと同じ範囲の高い透明性が得られる。適宜、バッチ2〜7で述べたものよりも少量の混和性添加剤PCCDがコストの観点から望ましく、また幾つかの用途ではもっと高温が必要な場合があることに留意されたい。この結果透過度の値は低くなるが(既にブレンドでRIの100%一致はない)、その他の特性は依然として充分高くてガラス又は金属フレークのような特殊/視覚効果を加えることが可能である。幾つかの場合には、表中のバッチ8のように幾らかの半透明性が望まれることもある。
実施例2
次の表で、本発明の特性向上特性をさらに例証する。この表は、特殊効果を配合したPCと、PC/PCCDと分散相としての衝撃改質剤に同じ種類の特殊効果を配合したブレンドとを比較して示す。
次の表で、本発明の特性向上特性をさらに例証する。この表は、特殊効果を配合したPCと、PC/PCCDと分散相としての衝撃改質剤に同じ種類の特殊効果を配合したブレンドとを比較して示す。
データから、ガラス及び金属フレークのような典型的な効果によりPCが極めて脆性なブレンドになることが明らかである。しかし、本発明の添加剤、例えばPCCD、及び衝撃改質剤では、視覚効果がPC試料と非常によく似ているが、このブレンドはそれでも0℃未満で延性であり、また改良された流動性を示す。この角度メタメリズム、ダイヤモンド、拡散及び真珠光沢効果のような特殊効果をもつ高度に延性の透明な材料を得るという顕著な効果は実施例に記載したものに限定されない。
実施例3
45/45/10%比のPC/PCCD/ABSブレンドから厚さ220ミクロンのフィルム物質を製造し、基準物質としての100%PCフィルムと共に試験した。得られた結果を次の表に示す。
45/45/10%比のPC/PCCD/ABSブレンドから厚さ220ミクロンのフィルム物質を製造し、基準物質としての100%PCフィルムと共に試験した。得られた結果を次の表に示す。
実施例3は、衝撃改質剤が添加されていてもいなくてもPC/PCCD混合物から作成されたフィルム材料の衝撃特性がPC単独と比較して顕著に改良されたことを示している。また、人工汗に対する耐薬品性も改良されていた。
実施例4
この実施例では、PCと異なるAN含有率のSANとの混合物、すなわちPC/SAN1(AN25%)、PC/SAN2(AN20%)及びPCSAN3(AN15%)を調製した。このシリーズでPC/SAN1は比較の混合物である。
この実施例では、PCと異なるAN含有率のSANとの混合物、すなわちPC/SAN1(AN25%)、PC/SAN2(AN20%)及びPCSAN3(AN15%)を調製した。このシリーズでPC/SAN1は比較の混合物である。
これらは混合物は、75部のPC(1×105)、0.25部のPETS(Henkelから入手)、0.1部の酸化防止剤1076(CIBAから入手)及び0.1部のトリス(ジ−tert−ブチルフェニル−ホスファイト(Ciba Geigyから入手)、並びに25部の各種SANを用いて調製した。試料を二軸式押出機でコンパウンディングし、標準条件で射出成形して、以下に示す分析結果を得た。
上に示したように、SAN相のRIが増大すると、PC相とSAN相のR.I.の差が低下する。この結果、ブレンドの透明性が増大し、ヘイズが低下する。
実施例5
実施例5では、PC/SAN3/衝撃改質剤(IM)の混合物、すなわちPC/SAN3/IM1、PC/SAN3/IM2、PC/SAN/IM3を調製した。IM1及びIM2は、宇部サイコン社製の衝撃改質剤、又はGE Specialty Chemicals社から入手したBlendex 336である。これらの混合物は、65部のPC(1×105)、20部のSAN3(GE Plastics Bauvaisから入手)、0.25部のPETS(Henkelから入手)、0.1部の酸化防止剤1076(CIBAから入手)及び0.1部のトリス(ジ−tertブチルフェニル−ホスファイト(Ciba Geigyから入手)、並びに25部の各種SANを用いて調製した。試料を二軸式押出機でコンパウンディングし、標準条件で射出成形した。成形された試料の分析結果を以下に示す。
実施例5では、PC/SAN3/衝撃改質剤(IM)の混合物、すなわちPC/SAN3/IM1、PC/SAN3/IM2、PC/SAN/IM3を調製した。IM1及びIM2は、宇部サイコン社製の衝撃改質剤、又はGE Specialty Chemicals社から入手したBlendex 336である。これらの混合物は、65部のPC(1×105)、20部のSAN3(GE Plastics Bauvaisから入手)、0.25部のPETS(Henkelから入手)、0.1部の酸化防止剤1076(CIBAから入手)及び0.1部のトリス(ジ−tertブチルフェニル−ホスファイト(Ciba Geigyから入手)、並びに25部の各種SANを用いて調製した。試料を二軸式押出機でコンパウンディングし、標準条件で射出成形した。成形された試料の分析結果を以下に示す。
実施例1の最適のPC/SANブレンドに様々なゴムを使用すると透過度に差が生じる。衝撃改質剤IM3は実施例3のPC/SAN3ブレンドと比較して透過度を低下させないが、ヘイズが多少増大する。
実施例6
実施例6では、コンパウンディングする前に、次の顔料、すなわち0.03部のmacrolex voilet 3R(Bayerから入手)、0.16部のsolvet blue 97(RMC126、macrolex blue RR、Bayerから入手)、0.5部のアルミニウムフレークRMC 916(Geotechから入手)及び0.2部のガラスフレーク(Engelhartから入手)を上記の混合物PC/SAN3/IM2及びPC/SAN3/IM3に添加した。これらの混合物を、標準条件を用いてコンパウンディングし射出成形し、同じ顔料混合物を有するニートPCと比較して外観を評価した。
実施例6では、コンパウンディングする前に、次の顔料、すなわち0.03部のmacrolex voilet 3R(Bayerから入手)、0.16部のsolvet blue 97(RMC126、macrolex blue RR、Bayerから入手)、0.5部のアルミニウムフレークRMC 916(Geotechから入手)及び0.2部のガラスフレーク(Engelhartから入手)を上記の混合物PC/SAN3/IM2及びPC/SAN3/IM3に添加した。これらの混合物を、標準条件を用いてコンパウンディングし射出成形し、同じ顔料混合物を有するニートPCと比較して外観を評価した。
PC/SAN3/IM2試料は、より明るい色(マトリックスの不透明性に起因する)を有し、かつニートPC試料より少ない「深さ」効果を示すことが評価された。しかし、このPC/SAN3/IM3試料は、ニートPC試料で観察されるのと同じ色と「効果の深さ」を示した。2つの最良のPC/SAN/IMブレンド(IM2及びIM3)から調製した特殊効果顔料を含有する完全な色配合物と、ニートPC中の同様な配合物とを比較すると、70%以上の透過度を有するPC/SAN/IMブレンドが、ニートPCから得られるのと同じ効果の深さが得られることが分かる。
実施例7
バッチAでは、75部のPC−SPドデカン−PCコポリマー、25部のSAN(SAN(懸濁SAN、15%AN、VSS製)、0.25部のPETS(Henkelから入手)、0.1部の酸化防止剤1076(CIBAから入手)及び0.1部のトリス(ジ−tertブチルフェニル−ホスファイト(Ciba Geigyから入手)の混合物を二軸式押出機で押し出した。得られたペレットを厚さ3.2mmのプラスチック部品に成形した。
バッチAでは、75部のPC−SPドデカン−PCコポリマー、25部のSAN(SAN(懸濁SAN、15%AN、VSS製)、0.25部のPETS(Henkelから入手)、0.1部の酸化防止剤1076(CIBAから入手)及び0.1部のトリス(ジ−tertブチルフェニル−ホスファイト(Ciba Geigyから入手)の混合物を二軸式押出機で押し出した。得られたペレットを厚さ3.2mmのプラスチック部品に成形した。
比較のために、バッチBを調製した。75部のPC(1×105)、0.25部のPETS(Henkelから入手)、0.1部の酸化防止剤1076(CIBAから入手)及び0.1部のトリス(ジ−tert−ブチルフェニル−ホスファイト(Ciba Geigyから入手)、並びに25部の各種SAN(GEP−VSSから入手)を用いてPCとSAN(AN含有率=15%)の混合物を調製した。試料を二軸式押出機でコンパウンディングし、標準条件で厚さ3.2mmのプラークに射出成形した。2つのバッチAとBの成形された試料の分析結果を下に示す。
実施例8
この実施例では、PCと充分に混和性である低いRIのPCCD(PCCDのRIは〜1.516)を用いて、PC相(相1)のRIを透明なABS(既に一致しているSAN及びゴム相のRIを有している)のRIに低下させる。この結果、透明なPC/SAN/ゴムブレンドが得られる。PC/PCCDの混合物のRIは100%PCCDから100%PCまで1.525から1.577まで直線的に増大した。この実施例で用いた透明なABSのRIは1.548であった。これを一致させるために、54対31の比のPC/PCCDを調製し15重量%の透明なABSと混合した。このブレンドの試料の結果を以下に示す。
この実施例では、PCと充分に混和性である低いRIのPCCD(PCCDのRIは〜1.516)を用いて、PC相(相1)のRIを透明なABS(既に一致しているSAN及びゴム相のRIを有している)のRIに低下させる。この結果、透明なPC/SAN/ゴムブレンドが得られる。PC/PCCDの混合物のRIは100%PCCDから100%PCまで1.525から1.577まで直線的に増大した。この実施例で用いた透明なABSのRIは1.548であった。これを一致させるために、54対31の比のPC/PCCDを調製し15重量%の透明なABSと混合した。このブレンドの試料の結果を以下に示す。
ニートポリカーボネート(PC)の屈折率は1.586であり、PCCDは1.516である。ポリカーボネートとPCCDの混合物において、その混合物の屈折率yは、回帰R平方係数0.998で−0.0007(ポリ(1,4−シクロヘキサンジメタノール−1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートの重量%)+1.586という関数として変化すると推定される。従って、これら2つの成分の混合物の屈折率はそれぞれの屈折率の上限と下限の間で調節することができる。
実施例9
この実施例は、屈折率1.586を有するポリカーボネートと屈折率1.5673を有するレゾルシノールジホスフェート(RDP)の混合物を用いた計算例である。PC中25重量%のRDPを有する混合物の屈折率は0.25(1.5673)+0.75(1.586)=1.581と計算されるであろう。
この実施例は、屈折率1.586を有するポリカーボネートと屈折率1.5673を有するレゾルシノールジホスフェート(RDP)の混合物を用いた計算例である。PC中25重量%のRDPを有する混合物の屈折率は0.25(1.5673)+0.75(1.586)=1.581と計算されるであろう。
これらの実施例は、本発明の添加剤、例えばPCCD又はRDPを添加すると、これら2つの追加成分のいずれかを含むPCのRIが低下することを示している。PCCDを用いる実施形態において、PCCDを用いてPC相のRIを低下させて、SAN/ゴム相のRIと一致させて透明な衝撃改質PCアロイを得ることができる。
実施例10
この実施例において、ポリカーボネートはGeneral Electric社からPC105という商標で入手できる。分散相はNOVAのZylar93−546Bという商標の塊状法MBSであり、これはゴムの起源としてブロックスチレンブタジエンゴムを用いることにより図1と2のTEMに示したような独特な形態をもっている。この形態により、この分散相は、ブタジエンを含有する他の透明な材料と比べてより高い屈折率を有することができる。このより高いRIにより、より少ない量の混和性添加剤、例えばPCCDを用いることができる。最終的に、コストが低くなり、しかもより重要なことに、加熱撓み温度(HDT)がより高く、ヘイズがより低く、かつ黄色度(YI)が低くなる。SAN 581はGeneral Electric社のS/AN比75/25のスチレンアクリロニトリルコポリマーである。この実施例の実験で使用した安定剤としてはF618というGE Specialty Chemicals社のホスファイト系安定剤がある。F207もPEP−Qというリン含有安定剤である。
この実施例において、ポリカーボネートはGeneral Electric社からPC105という商標で入手できる。分散相はNOVAのZylar93−546Bという商標の塊状法MBSであり、これはゴムの起源としてブロックスチレンブタジエンゴムを用いることにより図1と2のTEMに示したような独特な形態をもっている。この形態により、この分散相は、ブタジエンを含有する他の透明な材料と比べてより高い屈折率を有することができる。このより高いRIにより、より少ない量の混和性添加剤、例えばPCCDを用いることができる。最終的に、コストが低くなり、しかもより重要なことに、加熱撓み温度(HDT)がより高く、ヘイズがより低く、かつ黄色度(YI)が低くなる。SAN 581はGeneral Electric社のS/AN比75/25のスチレンアクリロニトリルコポリマーである。この実施例の実験で使用した安定剤としてはF618というGE Specialty Chemicals社のホスファイト系安定剤がある。F207もPEP−Qというリン含有安定剤である。
上の実施例に示したように、本発明の塊状法MBSを分散相として使用すると、驚くべきことに、そして予想に反して、高い透明度、高い衝撃強度、高いHDT、及び優れた流動性を有する組成物が生成する。また、本出願人は、塊状法MBSを使用すると、少量でも、所望の改良された特性が得られることを示した。
Claims (38)
- 改良された延性、耐薬品性及びメルトフロー特性を有する透明/半透明な成形用組成物であって、
a)ポリカーボネート樹脂と、ポリカーボネートポリマーよりも低い屈折率を有する混和性添加剤であって、
(i)脂肪族C2〜C12ジオール又は化学的等価体とC6〜C12脂肪族二酸又は化学的等価体との反応生成物を含んでおり、約80重量%以上の環式脂肪族ジカルボン酸又は化学的等価体及び/又は環式脂肪族ジオール又は化学的等価体を含有する環式脂肪族ポリエステル樹脂、
(ii)レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、
(iii)ポリカーボネートコポリマー、及び
(iv)これらの混合物
からなる群から選択される混和性添加剤との樹脂ブレンドと、
b)当該樹脂成形用組成物の低温延性を増大させる、約1.46〜約1.58の屈折率を有する衝撃改質用の非晶質樹脂を含む分散相と
のブレンドを含んでなり、
ポリカーボネートと混和性添加剤との前記混和性ブレンドが、前記衝撃改質剤の屈折率と実質的に一致する(透明性)又は殆ど一致する(半透明性)屈折率を有する、前記透明/半透明な成形用組成物。 - 環式脂肪族ポリエステル樹脂が、C6〜C12環式脂肪族ジオール又は化学的等価体とC6〜C12環式脂肪族二酸又は化学的等価体との反応生成物からなる、請求項1記載の透明/半透明な成形用組成物。
- ポリカーボネート樹脂の環式脂肪族ポリエステル樹脂に対する比が95/5〜20/80であるポリカーボネート樹脂と環式脂肪族ポリエステル樹脂のプリブレンドと、1〜30重量%の衝撃改質用非晶質樹脂とからなる、請求項2記載の透明/半透明な成形用組成物。
- 衝撃改質用非晶質樹脂が、グラフト又はコア−シェルアクリルゴム、ジエンゴムポリマー、及びシリコーンゴムポリマーからなる群から選択される、請求項1記載の透明/半透明な成形用組成物。
- 衝撃改質用非晶質樹脂がMBSコア−シェルポリマーからなる、請求項4記載の透明/半透明な成形用組成物。
- 衝撃改質用非晶質樹脂がABSゴムからなる、請求項5記載の透明/半透明な成形用組成物。
- ブレンドが75%以上の%透過率を有する、請求項1記載の透明/半透明な成形用組成物。
- ブレンドが約60〜150℃のガラス転移温度を有する、請求項1記載の透明/半透明な成形用組成物。
- 所望の視覚効果を付与するために約0.0001〜約7重量%の金属又は鉱物フレークが添加されており、前記衝撃改質剤が、前記衝撃改質剤を含まない成形用組成物と比べて成形された組成物の衝撃強さ高める、請求項1記載の透明/半透明な成形用組成物。
- 前記フレークがアルミニウムである、請求項9記載の透明/半透明な成形用組成物。
- フレークが、樹脂組成物の約0.05〜約5.0重量%を占める、請求項9記載の透明/半透明な成形用組成物。
- 前記フレークが金属であり、その大きさが17.5〜650ミクロンの範囲である、請求項9記載の透明/半透明な樹脂成形用組成物。
- フレークが金属であり、周期表の第I−B族、第III−A族、第IV族、第VI−B族及び第VIII族の金属、並びにこれらの金属の物理的混合物及び合金からなる群から選択される、請求項9記載の透明/半透明な樹脂成形用組成物。
- フレークが雲母である、請求項9記載の透明/半透明な成形用組成物。
- フレークが金属であり、アルミニウム、青銅、真鍮、クロム、銅、金、鉄、モリブデン、ニッケル、スズ、チタン及び亜鉛、これらの金属の合金、並びにこれらの物理的混合物からなる群から選択される、請求項9記載の透明/半透明な成形用組成物。
- さらに、前記フレークとは異なる色を有する背景着色剤を含んでいる、請求項9記載の透明/半透明な成形用組成物。
- 前記着色剤が、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アントラキノン染料、スカーレット3bレーキ、アゾ化合物、酸性アゾ顔料、キナクリドン、クロモフタロシアニンピロール、ハロゲン化フタロシアニン、キノリン、複素環式染料、ペリノン染料、アントラセンジオン染料、チオキサンテン染料、パラゾロン染料及びポリメチン顔料からなる群から選択される、請求項1またはいずれかの記載の透明/半透明な成形用組成物。
- ブレンドがさらに、発色を防ぐのに有効な量の安定剤を含有する、請求項1記載の透明/半透明な成形用組成物。
- 安定剤が、物品に約70%以上の透過率を付与するリンオキソ酸、酸性有機リン酸エステル、酸性有機亜リン酸エステル、酸性リン酸金属塩、酸性亜リン酸金属塩又はこれらの混合物からなる群から選択される、請求項5又は6記載の透明/半透明な成形用組成物。
- 環式脂肪族ポリエステルが環式脂肪族二酸及び環式脂肪族ジオール単位からなる、請求項1記載の透明/半透明な成形用組成物。
- ポリエステルがポリシクロヘキサンジメタノールシクロヘキサンジカルボキシレート(PCCD)である、請求項20記載の透明/半透明な成形用組成物。
- ポリカーボネートがBPA−PCであり、環式脂肪族ポリエステルがPCCDである、請求項21記載の透明/半透明な成形用組成物。
- ブレンド中の環式脂肪族ポリエステルとポリカーボネートの比が5/95〜80/20である、請求項22記載の透明/半透明な成形用組成物。
- 前記ブレンドがさらに、発色を防ぐのに有効な量の安定剤を含有する、請求項23記載の透明/半透明成形用組成物。
- 前記安定剤が、約75%以上の透過率を有する成形品を作成するためのリンオキソ酸、酸性有機リン酸エステル、酸性有機亜リン酸エステル、酸性リン酸金属塩、酸性亜リン酸金属塩又はこれらの混合物からなる群から選択される、請求項24記載の透明/半透明な成形用組成物。
- 前記環式脂肪族ポリエステルが環式脂肪族二酸及び環式脂肪族ジオール単位からなる、請求項25記載の透明/半透明な成形用組成物。
- 環式脂肪族ポリエステル及びポリカーボネートの樹脂ブレンドを形成し、前記ブレンドを衝撃改質剤と混合して別のブレンドを形成し、前記別のブレンドから透明な物品を成形する工程を含んでなり、前記環式脂肪族ポリエステル及び前記ポリカーボネートの樹脂ブレンドが前記衝撃改質剤の屈折率と実質的に一致する屈折率を有する、物品を成形する方法。
- 所定の屈折率を有する透明な衝撃改質剤を選択し、前記所定の屈折率に一致する割合で混合された環式脂肪族ポリエステル及びポリカーボネートのブレンドの樹脂ブレンドを形成し、実質的に透明な物品を成形する工程を含んでなる透明な物品の成形方法。
- 前記成形を前記樹脂ブレンドのガラス転移温度未満で実施し、前記樹脂ブレンドが約60〜150℃のガラス転移温度を有する、請求項28記載の透明な物品の成形方法。
- 前記成形を射出成形によって実施する、請求項29記載の透明な物品の成形方法。
- 所定の屈折率を有する透明な衝撃改質剤を選択し、前記所定の屈折率に一致する割合で混合された環式脂肪族ポリエステル及びポリカーボネートのブレンドの樹脂ブレンドを形成し、実質的に透明な物品を成形する工程を含んでなる透明な物品を製造するための成形用組成物の作成方法。
- 前記成形を前記樹脂ブレンドのガラス転移温度よりも高い温度で行い、前記樹脂ブレンドのガラス転移温度が約60〜150℃である、請求項31記載の成形用組成物の作成方法。
- 前記成形を射出成形によって行う、請求項32記載の成形品の作成方法。
- 改良された延性、耐薬品性、ヒンジ延性、パンチ延性を有しており、ポリカーボネートと比較して短い加熱時間での真空成形及び低い温度での冷間成形のような容易な加工処理特性を示す、請求項1記載の透明な押出シート製品(厚さ10um〜12mm)。
- a)ポリカーボネート樹脂と、
(i)脂肪族C2〜C12ジオール又は化学的等価体及びC6〜C12脂肪族二酸又は化学的等価体の反応生成物からなり、約80重量%以上の環式脂肪族ジカルボン酸若しくは化学的等価体、及び/又は環式脂肪族ジオール若しくは化学的等価体を含有する環式脂肪族ポリエステル樹脂、
(ii)レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、
(iii)ポリカーボネートコポリマー、又は
(iv)これらの混合物
からなる群から選択される前記ポリカーボネートポリマーよりも低い屈折率を有する混和性添加剤と
の樹脂ブレンド、並びに、
b)(i)スチレン、p−メチルスチレン、第三ブチルスチレン、ジメチルスチレン、及びこれらの核臭素化又は塩素化誘導体からなる群から選択されるスチレン系モノマー約25〜約75重量%、
(ii)アクリル酸ブチル約7〜30重量%、
(iii)メタクリル酸メチル約10〜50重量%、及び
(iv)約75000未満の分子量を有するスチレン−ブタジエン、スチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−イソプレン、スチレン−イソプレン−スチレン、部分水添スチレン−ブタジエン−スチレン及び部分水添スチレン−イソプレン−スチレン線状又はラジアルブロックコポリマーのジブロック及びトリブロックコポリマーからなる群から選択されるブロックコポリマー約2〜約20
を含んでなる分散相
のブレンドを含んでなり、前記ポリカーボネートと混和性添加剤との混和性ブレンドが前記衝撃改質剤の屈折率と実質的に一致する(透明性)か又は殆ど一致する(半透明性)屈折率を有する、改良された延性、耐薬品性及びメルトフロー特性を有する透明/半透明な成形用組成物。 - 前記分散相が組成物の総重量に対して0.1重量%以上の量で存在する、請求項35記載の組成物。
- 前記分散相が約2〜20重量%の量で存在する、請求項36記載の組成物。
- 前記分散相が約4〜10重量%の量で存在する、請求項37記載の組成物。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US38866802P | 2002-06-13 | 2002-06-13 | |
US10/460,630 US20050215677A1 (en) | 2002-06-13 | 2003-06-12 | Thermoplastic compositions and process for making thereof |
PCT/US2003/018675 WO2003106562A1 (en) | 2002-06-13 | 2003-06-13 | Thermoplastic compositions and process for making thereof |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005530003A true JP2005530003A (ja) | 2005-10-06 |
Family
ID=29740050
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004513381A Withdrawn JP2005530003A (ja) | 2002-06-13 | 2003-06-13 | 熱可塑性組成物及びその製造方法 |
Country Status (7)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20050215677A1 (ja) |
EP (1) | EP1519992A1 (ja) |
JP (1) | JP2005530003A (ja) |
KR (1) | KR20050010911A (ja) |
CN (1) | CN1675304A (ja) |
AU (1) | AU2003243550A1 (ja) |
WO (1) | WO2003106562A1 (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005298615A (ja) * | 2004-04-09 | 2005-10-27 | Mitsubishi Chemicals Corp | 高衝撃性ポリカーボネート樹脂組成物及びその組成物からなる成形品 |
JP2008222775A (ja) * | 2007-03-09 | 2008-09-25 | Mitsubishi Chemicals Corp | 樹脂組成物および樹脂成形体 |
JP2009203269A (ja) * | 2008-02-26 | 2009-09-10 | Teijin Chem Ltd | 難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物 |
WO2009116297A1 (ja) * | 2008-03-21 | 2009-09-24 | 三菱樹脂株式会社 | 樹脂組成物 |
JP2011218662A (ja) * | 2010-04-09 | 2011-11-04 | Kojima Press Industry Co Ltd | 金属調樹脂組成物及び金属調樹脂成形品 |
WO2011138953A1 (ja) | 2010-05-07 | 2011-11-10 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 熱可塑性透明樹脂組成物 |
JP2012036271A (ja) * | 2010-08-05 | 2012-02-23 | Mitsubishi Chemicals Corp | ポリカーボネート樹脂組成物及びポリカーボネート樹脂成形品 |
JP2014047346A (ja) * | 2012-09-04 | 2014-03-17 | Mitsubishi Chemicals Corp | 樹脂組成物、成形体、家電用筐体及び自動車用内層部材 |
JP2017088774A (ja) * | 2015-11-12 | 2017-05-25 | 三菱化学株式会社 | 熱可塑性樹脂組成物、及びこれを用いた成形品 |
Families Citing this family (25)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7303810B2 (en) * | 2001-03-05 | 2007-12-04 | 3Form, Inc. | Fire-resistant architectural resin materials |
US20070054982A1 (en) * | 2003-09-23 | 2007-03-08 | Banerjie Asis K | Impact-modified blends of polycarbonate and polyester |
WO2006012917A1 (en) * | 2004-08-06 | 2006-02-09 | Cognis Ip Management Gmbh | Use of fatty alcohols as plasticizer to improve the physical-mechanical properties and processability of phb and its co-polymers |
DE602005025656D1 (de) | 2004-09-23 | 2011-02-10 | Polyone Corp | Schlagzähmodifizierte polyamidverbindungen |
US7718733B2 (en) * | 2004-12-20 | 2010-05-18 | Sabic Innovative Plastics Ip B.V. | Optically clear polycarbonate polyester compositions |
CN101128537B (zh) * | 2005-04-28 | 2011-02-02 | 大科能树脂有限公司 | 热塑性树脂组合物以及成形品 |
US20060287422A1 (en) * | 2005-06-16 | 2006-12-21 | General Electric Company | Thermoplastic polycarbonate compositions with improved mechanical properties, articles made therefrom and method of manufacture |
US20060287429A1 (en) * | 2005-06-17 | 2006-12-21 | Gaggar Satish K | Glass fiber thermoplastic composite |
US7425590B2 (en) * | 2005-07-12 | 2008-09-16 | Eastman Chemical Company | Transparent two phase polyester-polycarbonate compositions |
ES2282029B1 (es) * | 2005-10-10 | 2008-08-16 | Codisre, S.L. | Procedimiento de fabricacion de elementos de resina termoestable traslucida. |
US8104074B2 (en) * | 2006-02-24 | 2012-01-24 | Microsoft Corporation | Identity providers in digital identity system |
US20070232739A1 (en) * | 2006-03-30 | 2007-10-04 | General Electric Company | Thermoplastic polycarbonate compositions with improved mechanical properties, articles made therefrom and method of manufacture |
US20070232744A1 (en) * | 2006-03-30 | 2007-10-04 | General Electric Company | Thermoplastic polycarbonate compositions with improved mechanical properties, articles made therefrom and method of manufacture |
JP2009538379A (ja) * | 2006-05-25 | 2009-11-05 | アーケマ・インコーポレイテッド | 透明熱可塑性物質用の耐衝撃性改良剤組成物 |
US7655737B2 (en) * | 2006-11-16 | 2010-02-02 | Sabic Innovative Plastics Ip B.V. | Polycarbonate-polyester blends, methods of manufacture, and methods of use |
KR100798015B1 (ko) | 2006-12-29 | 2008-01-24 | 제일모직주식회사 | 내마모성이 우수한 난연성 폴리카보네이트계 열가소성 수지조성물 |
CN101323699B (zh) * | 2007-06-13 | 2010-12-15 | 中国石油天然气集团公司 | 一种汽车饰件用pc/abs合金共混物的制备方法 |
JP5463001B2 (ja) * | 2007-12-11 | 2014-04-09 | 出光興産株式会社 | ポリカーボネート樹脂組成物、ポリカーボネート樹脂成形品及びその製造方法 |
EP2223957B1 (en) * | 2009-01-13 | 2013-06-26 | Korea Advanced Institute of Science and Technology | Transparent composite compound |
KR101215754B1 (ko) * | 2009-12-22 | 2012-12-26 | 주식회사 엘지화학 | 내충격성 및 색상이 우수한 수지 및 그의 제조방법 |
WO2013139769A1 (de) * | 2012-03-21 | 2013-09-26 | Styrolution GmbH | Verfahren zur herstellung von thermoplastischen formmassen mit hohem glasfaser-gehalt |
US8691915B2 (en) | 2012-04-23 | 2014-04-08 | Sabic Innovative Plastics Ip B.V. | Copolymers and polymer blends having improved refractive indices |
WO2016088740A1 (ja) * | 2014-12-04 | 2016-06-09 | 三菱瓦斯化学株式会社 | ポリエステル樹脂を含む機能性シート及びそれを用いたレンズ |
KR102209392B1 (ko) | 2018-05-15 | 2021-01-28 | 주식회사 엘지화학 | 폴리카보네이트 수지 조성물 및 이를 포함하는 광학 성형품 |
CN112940482B (zh) * | 2021-04-13 | 2023-03-28 | 东莞市东翔塑胶有限公司 | 一种适用于模内注塑的复合材料及其制备方法 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5321056A (en) * | 1992-06-19 | 1994-06-14 | Rohm And Haas Company | Amorphous, aromatic polyester containing impact modifier |
US5274044A (en) * | 1992-07-28 | 1993-12-28 | General Electric Company | Graft copolymers containing (thioaromatic) alkyl acrylate rubber substrates |
JPH1087969A (ja) * | 1996-09-11 | 1998-04-07 | Nippon G Ii Plast Kk | 透明なポリエステル/ポリカーボネート組成物の製造方法 |
US5859119A (en) * | 1997-09-15 | 1999-01-12 | General Electric Company | Reinforced aliphatic polyester molding composition having improved ductility/flow properties |
AU2002213213A1 (en) * | 2000-10-17 | 2002-04-29 | General Electric Company | Translucent and transparent polycarbonate thermoplastic alloys ane methods for making thereof |
US6989190B2 (en) * | 2000-10-17 | 2006-01-24 | General Electric Company | Transparent polycarbonate polyester composition and process |
JP4235695B2 (ja) * | 2000-11-07 | 2009-03-11 | ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ | 透明ポリカーボネート−ポリエステル組成物及び方法 |
-
2003
- 2003-06-12 US US10/460,630 patent/US20050215677A1/en not_active Abandoned
- 2003-06-13 WO PCT/US2003/018675 patent/WO2003106562A1/en not_active Application Discontinuation
- 2003-06-13 KR KR10-2004-7020284A patent/KR20050010911A/ko not_active Application Discontinuation
- 2003-06-13 JP JP2004513381A patent/JP2005530003A/ja not_active Withdrawn
- 2003-06-13 AU AU2003243550A patent/AU2003243550A1/en not_active Abandoned
- 2003-06-13 EP EP03760326A patent/EP1519992A1/en not_active Withdrawn
- 2003-06-13 CN CNA038186578A patent/CN1675304A/zh active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005298615A (ja) * | 2004-04-09 | 2005-10-27 | Mitsubishi Chemicals Corp | 高衝撃性ポリカーボネート樹脂組成物及びその組成物からなる成形品 |
JP4666940B2 (ja) * | 2004-04-09 | 2011-04-06 | 三菱化学株式会社 | 高衝撃性ポリカーボネート樹脂組成物及びその組成物からなる成形品 |
JP2008222775A (ja) * | 2007-03-09 | 2008-09-25 | Mitsubishi Chemicals Corp | 樹脂組成物および樹脂成形体 |
JP2009203269A (ja) * | 2008-02-26 | 2009-09-10 | Teijin Chem Ltd | 難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物 |
WO2009116297A1 (ja) * | 2008-03-21 | 2009-09-24 | 三菱樹脂株式会社 | 樹脂組成物 |
JP2011218662A (ja) * | 2010-04-09 | 2011-11-04 | Kojima Press Industry Co Ltd | 金属調樹脂組成物及び金属調樹脂成形品 |
WO2011138953A1 (ja) | 2010-05-07 | 2011-11-10 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 熱可塑性透明樹脂組成物 |
US9657168B2 (en) | 2010-05-07 | 2017-05-23 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | Thermoplastic transparent resin composition |
JP2012036271A (ja) * | 2010-08-05 | 2012-02-23 | Mitsubishi Chemicals Corp | ポリカーボネート樹脂組成物及びポリカーボネート樹脂成形品 |
JP2014047346A (ja) * | 2012-09-04 | 2014-03-17 | Mitsubishi Chemicals Corp | 樹脂組成物、成形体、家電用筐体及び自動車用内層部材 |
JP2017088774A (ja) * | 2015-11-12 | 2017-05-25 | 三菱化学株式会社 | 熱可塑性樹脂組成物、及びこれを用いた成形品 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20050215677A1 (en) | 2005-09-29 |
AU2003243550A1 (en) | 2003-12-31 |
CN1675304A (zh) | 2005-09-28 |
EP1519992A1 (en) | 2005-04-06 |
WO2003106562A8 (en) | 2004-04-08 |
WO2003106562A1 (en) | 2003-12-24 |
KR20050010911A (ko) | 2005-01-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2005530003A (ja) | 熱可塑性組成物及びその製造方法 | |
US8114928B2 (en) | Transparent polycarbonate polyester composition and process | |
US20030032725A1 (en) | Transparent polycarbonate polyester composition and process | |
US20020111428A1 (en) | Transparent polycarbonate polyester composition and process | |
JP4235695B2 (ja) | 透明ポリカーボネート−ポリエステル組成物及び方法 | |
TWI394795B (zh) | 聚碳酸酯模塑組成物(一) | |
TWI480328B (zh) | 用於製造具有均質表面光澤的金屬化模製物之經衝擊性改質的聚碳酸酯組成物 | |
JP2003525335A (ja) | 特殊視覚効果を有するポリカーボネート/ポリエステル組成物 | |
EP1337586B1 (en) | Translucent and transparent polycarbonate thermoplastic alloys and methods for making thereof | |
TW201809135A (zh) | 抗靜電及光穩定之熱塑性聚碳酸酯模塑組成物 | |
US7081490B2 (en) | Polymer blends containing modified polyesters | |
AU779213B2 (en) | Compositions based on shock resistance-modified polyethyleneterephthalate/polycarbonate blends | |
CN108264748B (zh) | 热塑性树脂组合物及使用其的模制品 | |
KR102001484B1 (ko) | 열가소성 수지 조성물 및 이를 이용한 성형품 | |
CN109071930B (zh) | 抗静电热塑性模塑料 | |
KR102188340B1 (ko) | 열가소성 수지 조성물 및 이를 이용한 성형품 | |
KR20220161918A (ko) | 열가소성 수지 조성물 및 이를 이용한 성형품 | |
JP4056363B2 (ja) | 強化芳香族ポリカーボネート樹脂組成物およびそれから形成された成形品 | |
JPH09157504A (ja) | ポリカーボネート系樹脂組成物 | |
MX2008007200A (en) | Polycarbonate molding compositions |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060905 |