JP3989630B2 - 炭素繊維強化芳香族ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる電子機器の筐体 - Google Patents

炭素繊維強化芳香族ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる電子機器の筐体 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は芳香族ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる電子機器の筐体に関する。さらに詳しくは、高い剛性、良好な機械的強度及び良好な寸法安定性を有し、特に耐衝撃性に優れ、かつ成形加工性、難燃性に優れた炭素繊維強化芳香族ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる電子機器の筐体に関する。
【0002】
【従来の技術】
芳香族ポリカーボネート樹脂は、優れた機械的特性、耐熱性を有し、エンジニアリングプラスチックスとして広く使用されている。さらに芳香族ポリカーボネート樹脂にガラス繊維、炭素繊維、ガラスフレークに代表される強化材を配合した樹脂組成物は、高強度、高剛性、および寸法安定性に優れるため各種の機構部品をはじめとする精密部品に従来から広く使用されている。特に芳香族ポリカーボネート樹脂に炭素繊維を配合した樹脂組成物は他の強化材を配合した場合に比べ低比重で高い機械的強度と剛性を有し、更に寸法安定性に優れた樹脂組成物を得ることができ、多くの精密機構部品や薄肉成形品に有用に使用されている。特にノートパソコンなどのOA機器のハウジングに代表されるような電子機器の筐体等の薄肉成形品では、製品軽量化のための低比重性、荷重負荷時のたわみ量を低減するための高剛性、製品落下時に耐えうる落下衝撃強度、さらに成形品の低反り性が不可欠とされる。これらの特性を満足する組成物として従来から芳香族ポリカーボネート樹脂に炭素繊維を配合したものが知られ、広く利用されているものの、近年特にノートパソコン等の分野において、これらの機器の携帯性がより重視される傾向にあり、従来に比して更に高い落下衝撃強度が要求されてきている。繊維強化樹脂の機械的強度を向上させる方法の1つとしては、例えば芳香族ポリカーボネート樹脂にガラス繊維を配合した樹脂組成物においては、機械的強度を向上させるため種々の反応性を有する添加剤を配合したり、ガラス繊維にシランカップリング剤等の表面処理を施すことが一般に知られている。炭素繊維においてもマトリックス樹脂との反応性を高めるために炭素繊維の表面に酸化処理を施したり、マトリックス樹脂あるいは炭素繊維表面との反応性を有するサイジング剤で被覆集束することにより機械的強度を向上させる方法が知られている。しかしながら、炭素繊維は、その表面に反応性を有する官能基が少ないため、サイジング剤との反応性は乏しく、その化学的結合性は強固なものではない。このため、マトリックス樹脂との反応性を有するサイジング剤で被覆された炭素繊維であっても、炭素繊維とマトリックス樹脂との密着性はガラス繊維に比べて弱く、強固な密着性を有するものではない。このため、従来の芳香族ポリカーボネート樹脂に炭素繊維を配合した樹脂組成物においては炭素繊維と樹脂との密着性が弱く、炭素繊維本来の補強効果を十分発現させ機械的強度に優れた樹脂組成物を得たものではなかった。例えば、特開昭62−275133号公報には芳香族ポリカーボネート樹脂に、ポリウレタン樹脂で被覆された炭素繊維を配合してなる樹脂組成物が開示されており、良好な生産性と耐衝撃性を有することが記載されている。しかしながら炭素繊維の補強効果を十分発現させ機械的強度を高めたという点では十分なものとはいえない。特開平2−64133号公報には芳香族ポリカーボネート樹脂とエポキシ樹脂でサイジングされた炭素繊維を配合してなる熱可塑性樹脂組成物が開示されているが、近年においてはより高い耐衝撃性が要求されている。また、特開平7−258529号公報には、ポリアルキレンテレフタレート樹脂に芳香族ポリカーボネート樹脂と炭素繊維を配合した成形品が開示してあるが、成形品の反り等の変形や寸法安定性に問題があり、芳香族ポリカーボネートが本来有する低反り性などの寸法安定性を有しておらず、さらに炭素繊維の補強効果を十分発現させたものではない。同様に特開平10−158498号公報にも炭素繊維で強化したポリカーボネート系樹脂組成物が提案されているが、現在求められている高い剛性、高い耐衝撃性、低反り性を満足するものではない。すなわち従来の芳香族ポリカーボネート樹脂に炭素繊維を配合してなる樹脂組成物においては、いずれも炭素繊維の補強効果を十分発現させたものではなく、高い機械的強度を得るためには、高価な炭素繊維の配合量を多くせねばならず、コストアップや成形加工性の悪化といった問題を招くことになってしまう。また、OA機器の筐体等では、UL規格94V試験でV−0を満足する良好な難燃性と、薄肉部でも流動可能な優れた成形加工性が必要となる。このような状況から高い剛性、高い耐衝撃性、および良好な寸法安定性を有しかつ成形加工性、難燃性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が要求されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高い剛性、良好な機械的強度及び良好な寸法安定性を有し、特に耐衝撃性に優れ、かつ成形加工性、難燃性に優れた炭素繊維強化芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を提供せんとするものである。
【0004】
本発明者らは上記目的を達成せんとして鋭意研究を重ねた結果、驚くべきことに芳香族ポリカーボネート樹脂と炭素繊維からなる混合物に特異的に熱可塑性ポリエステル樹脂を少量の特定量配合することにより芳香族ポリカーボネートの優れた耐衝撃性および寸法安定性の特性を活かしつつ、更に炭素繊維の補強効果を十分に高めることで、高い剛性、良好な機械的強度及び良好な寸法安定性を有し、特に耐衝撃性に優れる炭素繊維強化芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下のA成分、B成分及びC成分、更に任意にD成分及びE成分からなり、A成分〜E成分の合計が100重量%である樹脂組成物であって、芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)25〜89重量%、炭素繊維(B成分)10〜55重量%、熱可塑性ポリエステル系樹脂(C成分)1〜15重量%、熱可塑性ビニル系樹脂(D成分)0〜30重量%、ハロゲン系難燃剤および/またはリン酸エステル系難燃剤(E成分)0〜30重量%からなり、該C成分の重量とA成分の重量の比率C/Aが1/89〜20/100からなり、ASTM D790に従って測定された曲げ弾性率が70,000kgf/cm2以上、ASTMD256に従って測定された逆ノッチ衝撃値が25kgf・cm/cm以上であり、更に本文中に規定する測定方法での反り量が8mm以下である低反り性を満足する炭素繊維強化芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に係るものである。
【0006】
本発明において使用される芳香族ポリカーボネート樹脂は、二価フェノールとカーボネート前駆体を反応させて得られる芳香族ポリカーボネート樹脂である。ここで使用する二価フェノールの代表例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイドおよびビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等が挙げられる。好ましい二価フェノールはビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンであり、なかでもビスフェノールAが特に好ましい。カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネート、二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。
【0007】
上記に二価フェノールとカーボネート前駆体を反応させて芳香族ポリカーボネート樹脂を製造するに当たり、二価フェノールは単独でまたは二種以上を併用してもよく、必要に応じて触媒、分子量調節剤、酸化防止剤等を使用してもよい。また、芳香族ポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能芳香族化合物を共重合した分岐芳香族ポリカーボネート樹脂であっても、二種以上の芳香族ポリカーボネート樹脂の混合物であってもよい。
【0008】
かかる芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平均分子量で14,000〜30,000であり、好ましくは15,000〜25,000である。粘度平均分子量が14,000未満の芳香族ポリカーボネート樹脂では、強度が十分でなく好ましくない。粘度平均分子量30,000を超える芳香族ポリカーボネート樹脂では、成形時の流動性に劣るため、押出、成形が困難となり良好な成形品が得られ難い。本発明でいう粘度平均分子量は塩化メチレン100mlに芳香族ポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]2c (但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10-40.83
c=0.7
【0009】
芳香族ポリカーボネート樹脂を製造する基本的な手段を簡単に説明する。カーボネートの前駆体としてホスゲンを用いる溶液法では、通常酸結合剤および有機溶媒の存在下に反応を行う。酸結合剤としては例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、またはピリジン等のアミン化合物が用いられる。有機溶媒としては例えば塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が使用される。また反応促進のため例えば第三級アミンや第四級アンモニウム塩等の触媒を使用することができ、分子量調節剤として例えばフェノールやp−tert−ブチルフェノールのようなアルキル置換フェノール等の末端停止剤を使用することが望ましいが、末端停止剤および必要に応じて分岐剤をそれぞれ反応の初期から、または反応の途中から添加する。反応温度は通常0〜40℃、反応時間は数分〜5時間、反応中のpHは10以上に保つのが好ましい。尚、結果として得られた分子鎖末端の全てが末端停止剤に由来する構造を有する必要はない。
【0010】
カーボネート前駆体として炭酸ジエステルを使用するエステル交換反応(溶融法)では、不活性ガスの存在下に所定割合の二価フェノールおよび分岐剤を炭酸ジエステルと加熱しながら攪拌し、生成するアルコールまたはフェノール類の沸点等によることになるが、通常120〜300℃の範囲である。反応はその初期から減圧にして生成するアルコールまたはフェノール類を留出させながら反応を完結させる。また反応を促進するために当該公知のエステル交換反応に使用する炭酸ジエステルとしては、例えばジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート等が挙げられる。これらのうち特にジフェニルカーボネートが好ましい。また末端停止剤としてジフェニルカーボネートやメチル(2−フェニルオキシカルボニルオキシ)ベンゼンカルボキシレート等を反応の初期段階で、また好ましくは途中の段階で添加することも好ましく行われる。
【0011】
本発明においてB成分として使用する炭素繊維は特に制限がなく公知の各種炭素繊維、例えばポリアクリロニトリル、ピッチ、レーヨン、リグニン、炭化水素ガス等を用いて製造される炭素質繊維や黒鉛質繊維であり、また、これらの繊維を金属でコートした繊維でもよい。炭素繊維は通常チョップドストランド、ロービングストランド、ミルドファイバーなどの形状であり、直径15μm以下、好ましくは5〜10μmである。またこれらの炭素繊維は、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂等の各種のサイジング剤で集束されたものが好適に使用でき、好ましくはエポキシ樹脂および/またはウレタン樹脂が挙げられる。
【0012】
本発明でC成分として使用する熱可塑性ポリエステル系樹脂は、ジカルボン酸成分とジオール成分の縮合反応により得られるホモまたはコポリマーである。ジカルボン酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。ジオール成分としては例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール等およびこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。好ましいポリエステル樹脂はポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートであり、特に好ましくはポリブチレンテレフタレートである。
【0013】
これらの分子量は特に限定しないが、o−クロロフェノール類を溶媒として25℃で測定した極限粘度が0.4〜1.2程度のものが好ましい。極限粘度が0.4未満では、機械的強度の低下が大きく、1.2を超えると溶融粘度が高くなり成形品の外観が低下するようになるため好ましくない。
【0014】
本発明においてA成分である芳香族ポリカーボネート樹脂の配合量は、A成分、B成分およびC成分、更に任意に以下に示すD成分およびE成分の合計100重量%に対し、25〜89重量%である。B成分である炭素繊維の配合量は、A成分〜E成分の合計100重量%に対し、10〜55重量%である。好ましくは、15〜50重量%である。本発明のC成分である熱可塑性ポリエステル系樹脂の配合量は、A成分〜E成分の合計100重量%に対し、1〜15重量%である。
【0015】
本発明は、かかる成分の構成をとることにより、曲げ弾性率70,000kgf/cm2以上との高剛性でありながら、逆ノッチ衝撃値が25kgf・cm/cm以上の極めて良好な衝撃特性を有すると共に、更に本文中に規定する測定方法での反り量が8mm以下である低反り性を満足する樹脂組成物を達成するものである。更に本発明の樹脂組成物からなる電子機器の筐体は、高い剛性を有し、落下衝撃性、低反り性にも優れたものである。更に本発明の組成物は、特定の範囲においては曲げ弾性率が100,000kgf/cm2以上の高剛性かつ逆ノッチ衝撃値が35kgf・cm/cm以上であって、更に低反り性を満足する樹脂組成物の達成も可能である。
【0016】
A成分の配合量が25重量%未満では耐衝撃性、低反り性、難燃性が劣るようになり、89重量%を超えると剛性、機械的強度が低下し好ましくない。B成分の配合量が10重量%未満では、曲げ弾性率が70,000kgf/cm2に達せず剛性が劣り、現在の電子機器の筐体において最も重要視される薄肉化に十分対応できず、また機械的強度も不足する。一方55重量%を超えると成形が困難になり、過酷な成形条件を要するため反りが大きくなり、また強度の低下も生じるため好ましくない。
【0017】
一方、本発明における熱可塑性ポリエステル系樹脂は、マトリックス樹脂である芳香族ポリカーボネート樹脂と炭素繊維との密着性が元来極めて脆弱であるところを改良し、芳香族ポリカーボネート樹脂と炭素繊維との密着性を大幅に向上させるものであり、結果として耐衝撃性など機械的強度の向上作用を有するものである。電子機器製品等の実製品の耐衝撃性は一般に製品落下試験での強度などで判断されるのであるが、不安定な要素がある。規格にのっとった試験の数値を代用する場合、通常のノッチ付衝撃試験の値では相関が弱く、ノッチ付衝撃試験の値が良好であっても、実製品での衝撃強度が十分でないことが、特にゴムや無機充填材を配合した樹脂組成物においては多い。かかる場合逆ノッチ衝撃試験での数値で代用することが適切であり、実製品との相関も強い。ここでいう逆ノッチ衝撃試験とはASTM D256により厚み3.2mmの試験片を用いノッチ側と反対側からおもりを衝撃させる試験であり、その衝撃値を逆ノッチ衝撃値という。
【0018】
C成分である熱可塑性ポリエステル系樹脂が1重量%未満では、機械的強度特に逆ノッチ衝撃値が25kgf・cm/cmに達せず、耐落下衝撃性が不十分となり、15重量%を超えると以下に規定する測定方法での反り量が8mmを超えるようになり、電子機器の筐体等における実製品において、反りなどの形状変形が生じたり、寸法安定性が低下し好ましくない。
【0019】
さらに、C成分である熱可塑性ポリエステル系樹脂とA成分である芳香族ポリカーボネート樹脂の配合量は、該C成分の重量とA成分の重量の比率C/Aが1/89〜20/100であることが必要である。1/89未満では機械的強度特に逆ノッチ衝撃値が25kgf・cm/cmに達せず、20/100を超えると以下に規定する測定方法での反り量が8mmを超えるようになり、製品に反りなどの形状変形が生じたり、また逆ノッチ衝撃値が低下したりする。
【0020】
本発明でいう反り量の測定方法とは、長さ150mm×幅150mm×厚み1.5mmの表面の平坦な板状成形品を、射出圧縮成形等の特殊な機構を有しない通常の射出成形機を用いて、かかる成形品の1辺中央に設けられた幅20mmで厚み1.3mm及びランナーからの長さが20mmの板状ゲート1個所から樹脂を通して成形する。成形条件は充填時間が0.8秒となるようにし、冷却時間を30秒、また成形温度は290℃、金型温度は70℃として成形する。ゲートは成形直後に切断し、反り量測定用のサンプルを得る。
【0021】
上記で得られた板状成形品を、荷重を掛けない自然状態で23℃、50%RHの恒温恒湿下で24時間静置して保管後、反り量の測定に供する。測定はかかる板状成形品を水平な定盤の上に置き、板状成形品の角の1個所を、角の直角部分を頂角とし15mm×15mmの二等辺を有する三角形を形成する部分を定盤と密着するよう押さえ、定盤と試験片との隙間が最大になる部分を測定する(抑えた角に対向する角の部分であることが多い)。4つの角についてそれぞれかかる測定を行い、それらのうちで最大の隙間量を反り量とする。
【0022】
本発明でD成分として使用する熱可塑性ビニル系樹脂は、本発明の樹脂組成物の特性を維持したまま成形加工性を大きく改善できるため、電子機器の筐体等の薄肉成形品を得るために好ましく使用できるものである。本発明のD成分としては、例えばアクリロニトリル、メタアクリロニトリル、クロロアクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、スチレン、α−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン等の芳香族ビニル化合物、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチルなどのアクリル酸エステル等の重合体および共重合体、あるいはジエン系ゴムの存在下で2種以上の共重合可能な先に示したようなビニル系単量体を共重合して得られるグラフト共重合体を挙げることができる。ここで用いられるジエン系ゴムとしては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体等があげられる。グラフト共重合体は、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合のいずれの重合法で製造しても良く、グラフトの方法としては一段グラフトでも、多段グラフトでも差し支えない。またこれらの熱可塑性重合体は、メタロセン触媒等の触媒使用によりシンジオタクチックポリスチレン等の高い立体規則性を有するもの、アニオンリビング重合、ラジカルリビング重合等の方法により分子量分布の狭い重合体および共重合体、ブロック共重合体、および立体規則性の高い重合体、共重合体を使用することも可能である。更に本発明のD成分の熱可塑性ビニル系樹脂は無水マレイン酸やN置換マレイミド等の官能基を共重合したものも使用できる。
【0023】
また、製造の際に副生するグラフト成分のみのコポリマーとの混合物であっても良いし、熱可塑性グラフト共重合体の2種以上を混合して使用しても差し支えない。これらの中で好ましいものはアクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン系ゴム強化アクリロニトリル−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ブタジエン系ゴム強化メチルメタクリレート−スチレン共重合体(MBS樹脂)である。熱可塑性ビニル系樹脂の配合量は、A成分〜E成分の合計100重量%に対し、0〜30重量%である。好ましくは5〜25重量%である。配合量が30重量%を超えると機械的強度、難燃性が低下するようになり好ましくない。
【0024】
本発明ではE成分としてハロゲン系難燃剤および/またはリン酸エステル系難燃剤を添加することができ、特に本発明の主たる対象である、電子機器の筐体に代表されるOA機器部品等では、高度な難燃性が要求されるため好ましく使用できるものである。本発明のE成分として使用するハロゲン系難燃剤は、例えばテトラブロモビスフェノールA(TBA)のカーボネートオリゴマー、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、テトラブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモシクロドデカン、エチレンビステトラブロモフタルイミド、トリス(ペンタブロモベンジル)イソシアヌレート、ブロモ化ポリスチレン、TBAエポキシ樹脂、テトラブロモフェノール末端TBAエポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でも、テトラブロモビスフェノールAのカーボネートオリゴマーが、難燃性が良好であり燃焼時の有害物質の生成が少なく芳香族ポリカーボネート樹脂との相溶性が良く、耐衝撃性に代表される機械的特性を低下させることなく良好な難燃性が得られる等の理由により好ましい。
【0025】
本発明で使用するリン酸エステル系難燃剤は、下記式で表わされる1種または2種以上のリン酸エステルである。
【0026】
【化1】
Figure 0003989630
【0027】
(但し上記式中のXは、ハイドロキノン、レゾルシノール、ビス(4−ヒドロキシジフェニル)メタン、ビスフェノールA、ジヒドロキシジフェニル、ジヒドロキシナフタレン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイドから誘導されるものが挙げられ、j、k、l、mはそれぞれ独立して0または1であり、nは0〜5の整数であり、またはn数の異なるリン酸エステルのブレンドの場合は0〜5の平均値であり、R1、R2、R3、およびR4はそれぞれ独立して1個以上のハロゲン原子を置換したもしくは置換していないフェノール、クレゾール、キシレノール、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、p−クミルフェノールから誘導されるものである。)
【0028】
更に好ましくは、上記式中のXは、ハイドロキノン、レゾルシノール、ビスフェノールAから誘導されるものが挙げられ、j、k、l、mはそれぞれ1であり、nは0〜3の整数であり、またはn数の異なるリン酸エステルのブレンドの場合は0〜3の平均値であり、R1、R2、R3、およびR4はそれぞれ独立して1個以上のハロゲン原子を置換したもしくは置換していないフェノール、クレゾール、キシレノールから誘導されるものである。
【0029】
また特に好ましくは、Xはレゾルシノールから誘導されるものであり、j、k、l、mはそれぞれ1であり、nは0または1であり、R1、R2、R3、およびR4はそれぞれ独立してフェノールまたはキシレノールから誘導されるものである。
【0030】
かかるリン酸エステル系難燃剤の中でも、モノホスフェート化合物としてはトリフェニルホスフェート、縮合リン酸エステルとしてはレゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェート)が、難燃性が良好でありかつ成形時の流動性が良好である等の理由により好ましく使用できる。
【0031】
本発明で使用するハロゲン系難燃剤および/またはリン酸エステル系難燃剤の配合割合は必要とされる耐熱性や流動性により適宜調整すれば良く、特に制限はない。ハロゲン系難燃剤および/またはリン酸エステル系難燃剤の配合量は、A成分〜E成分の合計100重量%に対し、0〜30重量%であり、好ましくは5〜25重量%である。配合量が30重量%を超えると機械的強度、耐熱性が低下するようになり好ましくない。
【0032】
本発明の樹脂組成物は、上記A成分〜E成分を構成成分とするものであるが、更に必要に応じ、各種添加剤、他の強化剤、他の合成樹脂等を、本発明の目的を阻害しない範囲で配合することができる。各種添加剤としては、熱安定剤、酸化防止剤、離型剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、着色剤等が挙げられる。前記強化剤としては、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、タルク、マイカ、シリカ、クレー、有機繊維、酸化チタン、カーボンブラックなどが挙げられる。前記合成樹脂としては、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンエーテル等を挙げることができる。
【0033】
本発明の樹脂組成物は、前記各成分および必要に応じて用いられる各種添加成分をタンブラー、V型ブレンダー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、押出機等の混練機により混合して製造することができる。そして、混練に際しての加熱温度は、通常240〜320℃の範囲で選ばれる。かくして得られた樹脂組成物は、射出成形、押出成形、圧縮成形、中空成形、カレンダー成形、ブロー成形、真空成形等を適用して剛性、機械的強度、寸法安定性、流動性、難燃性が必要な電子電気・OA機器等の幅広い用途に使用可能である。
【0034】
なかでも好ましい用途としては電子機器の筐体が挙げられ、特に好ましい用途はノートパソコンのハウジング、携帯情報端末のハウジング、携帯電話のハウジング、携帯型の情報記録媒体の記録及び読み取り装置のハウジング等に代表される携帯性が重要視される電子機器のハウジングである。特定の樹脂組成物から得られた本発明の電子機器の筐体は、高い剛性、良好な機械的強度及び良好な寸法安定性を有し、特に耐衝撃性に優れるものであり、近年の電子機器の筐体に要求される特性、特に高い耐衝撃性を満足するものである。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に実施例を挙げて本発明を更に説明する。なお、実施例における%は重量%であり、評価は下記の方法によった。
【0036】
(a)曲げ強さ:ASTM D790により測定した。
【0037】
(b)曲げ弾性率:ASTM D790により測定した。
【0038】
(c)逆ノッチ衝撃値:ASTM D256により厚み3.2mmの試験片を用いノッチ側と反対側からおもりを衝撃させ衝撃値を測定した。
【0039】
(d)ノッチ付衝撃値:ASTM D256により厚み3.2mmの試験片を用いノッチ側からおもりを衝撃させ衝撃値を測定した。
【0040】
(e)反り量:本文中の記載に基づいて得られ、恒温恒湿下で放置した150mm×150mm×1.5mmtの板状成形品を、水平な定盤の上に置き、板状成形品の角の1個所を、角の直角部分を頂角とし15mm×15mmの二等辺を有する三角形を形成する部分を定盤と密着するよう押さえ、定盤と試験片との隙間が最大になる部分を測定し、4つの角についてそれぞれかかる測定を行い最大の隙間量をデジタルノギスにより求め、反り量を測定した。
【0041】
(f)落下衝撃性:ノートパソコンに使用される縦237mm×横300mm×高さ12mm×厚み1.5mmであるLCDカバー成形品(5点ゲート、ゲート径:1.2mmφ)の内側に縦150mm×横150mm×高さ10mm(重量1.8kg)の鉄製のおもりを取り付け、成形品の同一のコーナー部をコンクリート製の床に自然落下させ、LCDカバーに大きなクラックが入り、LCDカバーが完全に破断する高さを落下衝撃高さとして測定した。実用上問題ないためには、15cm以上の高さが好ましい。
【0042】
(g)製品の寸法精度:上記(f)の試験と同一のLCDカバー成形品を、かかるカバー成形品とはめ合わされる規格寸法を満足するLCD枠成形品と、問題なくはめ合いが可能か否かを確認した。問題ない場合は○、カバー成形品のねじり・反りによりはめあいができず、目視で隙間が生じるようなものは×、の評価をした。
【0043】
(h)燃焼性:UL規格94Vに従い厚み0.8mmの試験片を用い、燃焼試験を実施した。V−0を合格とする。
【0044】
[実施例1〜、比較例1〜11および16
表1〜表3に示す組成でポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、炭素繊維、ガラス繊維、ガラスフレークおよびこれらの合計100重量部に対しトリメチルフォスフェート0.1重量部を混合し、30mmφベント式押出機[フリージアマクロス(株)製VSK−30]に投入し、約30mmHgの真空度で、シリンダー温度290℃で溶融押出してペレット化した。得られたペレットを110℃で5時間、熱風循環式乾燥機にて乾燥し、射出成形機[住友重機械工業(株)SG−150U]によりシリンダー温度290℃、金型温度70℃で評価用の試験片及びLCDカバー成形品を得た。評価結果を表1、表2及び表3に示した。
【0045】
【表1】
Figure 0003989630
【0046】
【表2】
Figure 0003989630
【0047】
【表3】
Figure 0003989630
【0048】
これらの表から明らかなように、実施例1と比較例1の比較から、わずかのポリブチレンテレフタレート樹脂を添加するだけで、反り量をほとんど変化させず、曲げ強さ、曲げ弾性率が向上、特に耐衝撃性については35kgf・cm/cmの極めて高い値を達成していることが分かる。実施例2と比較例2の比較からも同様のことがわかる。一方比較例3〜5から分かるように、熱可塑性ポリエステル系樹脂が多すぎる場合には、剛性、強度は満足するものの、低反り性が十分でなく、電子機器の筐体等には適切でないことが分かる。また比較例8〜11より本発明の耐衝撃性の大幅な向上は炭素繊維に特有のものであり、他の充填材ではこれらの効果は認められないことが分かる。更に全体の結果から製品の落下衝撃高さは、ノッチ付衝撃値よりも、逆ノッチ衝撃値での相関が強く、逆ノッチ衝撃値の測定値がより実用的な評価に適していることがわかる。
【0049】
また、上記の効果の機構を明確にするため、実施例2および比較例2で使用した逆ノッチ衝撃試験後の試験片の破断面を走査型電子顕微鏡(日本電子(株)製、JSM6100型)で観察したのが図1と図2である。図1では明らかに炭素繊維の表面に樹脂が多く付着しており、熱可塑性ポリエステル系樹脂が特異的にマトリックス樹脂と炭素繊維の界面に作用し炭素繊維の密着性を向上させ耐衝撃性他の機械的強度を高めていると予想できる。一方図2では炭素繊維の表面は樹脂がほとんど付着していないことが分かり、炭素繊維の補強効果が十分発現せず、耐衝撃性他の機械的強度も低くなることが予想できる。
【0050】
[実施例6〜9、比較例12〜15]
表4及び表5に示す組成でポリカーボネート樹脂、炭素繊維、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ハロゲン系難燃剤、リン酸エステル系難燃剤およびこれらの合計100重量部に対しトリメチルフォスフェート0.1重量部を混合し、30mmφベント式押出機[フリージアマクロス(株)製VSK−30]に投入し、約30mmHgの真空度において、シリンダー温度270℃で溶融押出してペレット化した。得られたペレットを100℃で5時間、熱風循環式乾燥機にて乾燥し、射出成形機[住友重機械工業(株)SG−150U]によりシリンダー温度270℃、金型温度70℃で評価用の試験片およびLCDカバー成形品を得た。評価結果を表4及び表5に示した。
【0051】
【表4】
Figure 0003989630
【0052】
【表5】
Figure 0003989630
【0053】
この表から、本発明のA成分、B成分及びC成分に加えて更にD成分及びE成分を加えた場合でも、本発明の目的とする高剛性、高耐衝撃及び低反り性を満足すると共に、高度な難燃性も達成できていることが分かる。比較例12からはビニル系樹脂が多すぎる場合、及び比較例13からはポリカーボネート樹脂が少なく過ぎる場合には、落下衝撃値が十分でないことがわかる。また比較例15からはポリカーボネート樹脂とポリエステル系樹脂の比率が本発明の範囲外である場合には、反り量が大きくなるとともに、落下衝撃値も十分でなくなることが分かる。
【0054】
上記表1〜表5における樹脂、炭素繊維、難燃剤等の記号は下記のものを示す。
【0055】
(A成分)
PC:ポリカーボネート樹脂
[帝人化成(株)製L−1225、粘度平均分子量22,500]
(B成分)
CF:炭素繊維
[東邦レーヨン(株)製ベスファイト HTA−C6−U、PAN系、ウレタン集束、径7μm]
(B成分以外の成分)
GF:ガラス繊維
[日本電気硝子(株)製チョップドストランドECS−03T−511、ウレタン集束、径13μm]
GFL:ガラスフレーク
[日本板硝子(株)製フレカREFG−101、エポキシ集束、
粒径600μm]
(C成分)
PBT:ポリブチレンテレフタレート樹脂
[帝人(株)製TRB−J、固有粘度0.88(o−クロロフェノール溶液、25℃)]
PET:ポリエチレンテレフタレート樹脂
[帝人(株)製TR−8580、固有粘度0.8(o−クロロフェノール溶液、25℃)]
(D成分)
ABS:ABS樹脂 [三井化学(株)製サンタックUT−61]
AS:AS樹脂 [三井化学(株)製ライタック−A 980PC]
(E成分)
E−1:テトラブロモビスフェノールAのカーボネートオリゴマー
[帝人化成(株)製ファイヤガードFG−7000]
E−2:トリフェニルホスフェート
[大八化学(株)製S−4]
E−3:レゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェート)
旭電化工業(株)製アデカスタブFP−500]
【0056】
【発明の効果】
本発明の炭素繊維強化芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は芳香族ポリカーボネート樹脂の優れた特性を備え、炭素繊維の補強効果を十分発現させた樹脂組成物であり、高い剛性、良好な機械的強度及び良好な寸法安定性を有し、特に耐衝撃性に優れ、かつ成形加工性、難燃性に優れた組成物をも可能とするものである。このため精密機構部品や薄肉筐体をはじめとする電気・電子機器、OA機器等の分野に非常に有用でありその奏する工業的効果は格別なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施例2の樹脂組成物からなる成形品の破断面の走査型電子顕微鏡写真である。
【図2】図2は本発明の比較例2の樹脂組成物からなる成形品の破断面の走査型電子顕微鏡写真である。

Claims (4)

  1. 以下のA成分、B成分及びC成分、更に任意にD成分及びE成分からなり、A成分〜E成分の合計が100重量%である樹脂組成物であって、芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)25〜8重量%、炭素繊維(B成分)15〜50重量%、芳香族基を有する熱可塑性ポリエステル系樹脂(C成分)1〜15重量%、熱可塑性ビニル系樹脂(D成分)0〜30重量%、ハロゲン系難燃剤および/またはリン酸エステル系難燃剤(E成分)0〜30重量%からなり、該C成分の重量とA成分の重量の比率C/Aが1/89〜20/100からなり、かつステンレス繊維を含有せず、ASTMD790に従って測定された曲げ弾性率が100,000kgf/cm以上、ASTM D256に従って測定された逆ノッチ衝撃値が25kgf・cm/cm以上であり、更に反り量が8mm以下である低反り性を満足する炭素繊維強化芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  2. C成分の熱可塑性ポリエステル系樹脂がポリブチレンテレフタレートである請求項1に記載の炭素繊維強化芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  3. D成分が5〜25重量%、及びE成分が5〜25重量%である請求項1または2のいずれか1項に記載の炭素繊維強化芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭素繊維強化芳香族ポリカーボネート樹脂組成物からなる電子機器の筐体。
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